JP4645018B2 - コンタクトホールの形成方法 - Google Patents
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Description
さらに、ドライエッチングでは絶縁膜と下層の導電膜とのエッチングにおける選択比を十分確保することが難しいことから、下層の導電膜がエッチングされ、良好な電気的導通が得られなくなるといった課題もあった。また、ドライエッチング時にフォトレジストが硬化し、エッチング後フォトレジストが除去しにくくなるといった課題もあった。
この形成方法は、図10(a)に示すように基板1上の第1導電部2上にマスク材3を形成し、次に、図10(b)に示すように前記マスク材3の部分を除いた基板1上に、第1導電部2上を覆った状態で、かつ前記マスク材に接した状態に絶縁膜形成用の液状体4を配し、続いて液状体4を乾燥して絶縁膜4aとした後、図10(c)に示すようにマスク材3を除去することにより、コンタクトホール5を形成する方法である。
ところが、前記の方法では、図10(b)に示したように液状体4を配してこれの薄膜を形成した際、特に膜厚が比較的小さい膜(薄い膜)を形成した場合に、形成される膜が図11(a)に示すようにマスク材3と接する部分において外側(上側)に盛り上がったメニスカス形状となってしまう。したがって、そのまま乾燥して絶縁膜4aとし、マスク材3を除去してコンタクトホール5を形成すると、図11(b)に示すようにコンタクトホール5の周辺部にメニスカス形状がそのまま残ってしまい、尖鋭な(鋭角の)縁部6が外表面側に盛り上がってしまうことがある。
前記第1導電部上のコンタクトホールの形成領域にマスク材を設けるマスク材形成工程と、
前記基板上の少なくとも前記第1導電部を形成した位置に、前記マスク材の形成位置を除いた前記第1導電部上を覆った状態で、かつ前記マスク材に接した状態に、絶縁膜形成用の液状体を配する液状体配置工程と、
前記液状体配置工程で基板上に配置した液状体を乾燥し、絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記マスク材を除去して前記絶縁膜にコンタクトホールを形成するマスク材除去工程と、を有してなり、
前記絶縁膜形成用の液状体として、前記マスク材に対する接触角が90°以上であるものを用いることを特徴としている。
また、絶縁膜形成用の液状体として、前記マスク材に対する接触角が90°以上であるものを用いるので、この液状体を配した際に該液状体のマスク材への接触部分が外側(上側)に大きく盛り上がることなく、ほぼ平坦な状態で接するようになる。したがって、この状態で乾燥し、絶縁膜を形成した後マスク材を除去してコンタクトホールを形成することにより、得られたコンタクトホールの周辺部は尖鋭な(鋭角の)縁部となって外表面側に盛り上がることがなく、絶縁膜の表面に沿ってほぼ平坦に形成される。よって、尖鋭な(鋭角の)縁部が形成されることによる前記の(1)〜(5)に挙げたような問題が解消される。
このようにすれば、絶縁膜形成工程において熱処理が必要な場合であっても、コンタクトホールの周辺部が尖鋭な(鋭角の)縁部となるのをより効果的に防止することができる。
このようにすれば、液状体のマスク材に対する接触角が大きくなってこれが90°以上になり易くなることから、コンタクトホールの周辺部が尖鋭な(鋭角の)縁部となるのをより効果的に防止することができるとともに、液状体の選択自由度が大きくなる。
このようにすれば、液状体のマスク材に対する接触角が大きくなってこれが90°以上になり易くなることから、コンタクトホールの周辺部が尖鋭な(鋭角の)縁部となるのをより効果的に防止することができるとともに、液状体の選択自由度も大きくなる。
このようにすれば、芯部の構成材料の特性を生かしつつ、コンタクトホールの周辺部が尖鋭な(鋭角の)縁部となるのを防止することができる。
このようにすれば、コンタクトホールの周辺部が尖鋭な(鋭角の)縁部となるのをより効果的に防止することができるとともに、マスク材の安定性および信頼性が向上する。
このようにすれば、芯部と表面層との密着性が特に優れたものとなり、マスク材の安定性および信頼性がより向上する。
このようにしても、芯部と表面層との密着性が特に優れたものとなり、マスク材の安定性および信頼性がより向上する。
このようにすれば、マスク材の形成が容易になる。
このようにすれば、コンタクトホールの周辺部が尖鋭な(鋭角の)縁部となるのをより効果的に防止することができる。
このようにすれば、液状体がより安価で取り扱い易いものとなる。
このコンタクトホールによれば、前述したように安価にしかも迅速に形成されたものとなり、さらに、その周辺部に尖鋭な(鋭角の)縁部が形成されないことにより、前記の(1)〜(5)に挙げたような問題が生じないものとなる。
この電子デバイスによれば、安価にかつ迅速に形成され、しかも前記(1)〜(5)に挙げたような問題が生じないコンタクトホールを備えているので、コストの低減化および信頼性の向上が図られたものとなる。
この液晶パネルによれば、安価にかつ迅速に形成され、しかも前記(1)〜(5)に挙げたような問題が生じないコンタクトホールを備えているので、コストの低減化および信頼性の向上が図られたものとなる。
この電子機器によれば、安価にかつ迅速に形成され、しかも前記(1)〜(5)に挙げたような問題が生じないコンタクトホールを備えているので、コストの低減化および信頼性の向上が図られたものとなる。
まず、本発明のコンタクトホールの形成方法の一実施形態を、図1(a)〜(e)を参照して説明する。
まず、図1(a)に示すように基板10を用意し、この基板10上に金属やシリコン等の導電性材料による第1導電部11を形成しておく。基板10の形成材料としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、石英ガラス、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、各種低誘電率材料(いわゆる、low−K材)等の各種絶縁材料(誘電体)や、シリコン(例えば、アモルファスシリコン、多結晶シリコン等)、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO2)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、Al、Al合金、Cr、Mo、Ta等の導電性材料を用いることができる。また、このような基板10の上に、各種の絶縁膜等からなる下地膜を形成して用いてもよい。
次に、前記第1導電部11上の所定位置、すなわちコンタクトホールの形成領域に、図1(b)に示すようにマスク材12を設ける。このマスク材12は、目的とするコンタクトホールに対応した寸法・形状のもので、特にこのコンタクトホールを有した状態に形成される層間絶縁膜の厚さより十分に高い高さに形成される。このようなマスク材12の形成方法としては、特に限定されることなく任意の方法が採用可能であるが、例えばマスク材12の形成材料としてレジスト等の感光性材料を用いた場合では、この感光性材料を第1導電部11を覆った状態に設け、続いて遮光マスクを用いてこれを露光処理し、さらにアルカリ液などの現像液によって現像することにより、図1(b)に示したように柱状のマスク材12を得る。
芯部12aの形成材料としては、特に限定されないものの、例えばノボラック系樹脂や、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、エポキシ系樹脂等が好適に用いられ、特に一般的なレジスト材料としての感光性樹脂が好適に用いられる。なお、アルミニウムやクロム、銅、銀、金、タンタル、タングステン、インジウム、スズ、亜鉛等の金属材料、前記金属材料の酸化物、窒化物、合金等を用いることもできる。
なお、プラズマ重合を採用する場合、より詳しくは、以下のような方法によって表面層12bを形成することができる。すなわち、四フッ化炭素等のフッ素原子を含むガスを大気圧プラズマにより分解して活性なフッ素原子(フッ素単原子)やフッ素イオン(以下、これらを総称して「活性フッ素」とも言う)を発生させ、この活性フッ素に、芯部12aを晒すことにより、芯部12a上に表面層12bを形成することができる。
なお、表面層12bの形成材料(またはその前駆体)としては、芯部12aとの親和性に優れ、かつ、基板10や第1導電部11との親和性に劣るもの、例えば、フッ素プラズマ重合膜を用いるのが好ましい。このように芯部12aに対して選択的に親和する材料および手法を採用することにより、芯部12aの外表面に選択的に表面層12bを形成することができるとともに、基板10の外表面や第1導電部11の外表面に表面層12aの形成材料による被膜が形成されるのを防止することができる。
ただし、芯部12aの外表面と、基板10の外表面および第1導電部11の外表面に、表面層12bの形成材料による被膜を形成し、その後、基板10の外表面および第1導電部11の外表面に形成された被膜を選択的にエッチングすることで除去し、芯部12aの外表面にのみ前記被膜を残してこれを表面層12bとしてもよい。
このようにしてマスク材12を形成したら、図1(c)に示すように前記基板10上の、前記マスク材12の形成位置を除いた位置、すなわちマスク材12の形成位置を除いた基板10上の全面に、層間絶縁膜形成用の液状体13を配する。この層間絶縁膜形成用の液状体13としては、前記マスク材12に対する接触角(表層部12bを形成した場合にはこの表層部12bに対する接触角)が90°以上、すなわち、前述したように図12に示した状態での接触角θが90°以上であるものを用いる。
また、このような液状体13の溶媒あるいは分散媒としては、水を用いるのが好ましい。このようにすれば、マスク材12に対する接触角を90°以上に調整し易くなり、また、液状体13がより安価で取り扱い易いものとなるからである。
また、水を分散媒として用いる場合、例えば層間絶縁膜の形成材料として絶縁材料のナノ微粒子(5nm〜100nm)を用い、これを水中に分散させた分散液を用いることができる。この分散媒は、例えばレジストからなるマスク材に対して、その接触角が110°であった。
また、本工程における雰囲気温度としては、0〜400℃とするのが好ましく、20〜350℃とするのがより好ましい。このようにすれば、絶縁膜形成工程において熱処理が必要な場合であっても、液状体13のマスク材12に接する部分での液面形状が、マスク材12の側面に沿ってメニスカス状に盛り上がることが抑えられるからである。
また、本工程は、酸化性雰囲気、還元性雰囲気、不活性雰囲気等、いかなる雰囲気下で行うものであってもよい。
次いで、前記液状体13を乾燥し、図1(d)に示すようにその固形分である層間絶縁膜の形成材料を固化して層間絶縁膜13aを形成する。
このような層間絶縁膜13aの形成方法としては、液状体13が配置された基板10を加熱処理することによって行うが、必要に応じて基板10を減圧(真空)下に置き、加熱処理と減圧乾燥処理とを併用するようにしてもよい。
基板10上の液状体13の加熱処理温度としては、液状体13の材料やその組成によっても異なるものの、25〜900℃程度とするのが好ましく、60〜500℃程度とするのがより好ましい。また、加熱処理の処理時間としては、やはり液状体13の材料やその組成によっても異なるものの、1〜90分程度とするのが好ましく、2〜60分程度とするのがより好ましい。
次いで、前記マスク材12を除去し、図1(e)に示すように前記層間絶縁膜13aにコンタクトホール14を形成する。マスク材12の除去方法としては、特に限定されることなく従来公知の種々の方法が採用可能である。具体的には、酸素プラズマやオゾンを用いた大気圧下または減圧下でのアッシング法、紫外線やNe−Heレーザー、Arレーザー、CO2レーザー、ルビーレーザー、半導体レーザー、YAGレーザー、ガラスレーザー、YVO4レーザー、エキシマレーザー等の各種レーザーの照射法、有機溶剤あるいは無機溶液を用いたマスク材12の溶解または分解による方法などが採用可能である。
また、コンタクトホール14の形成のために、従来のように層間絶縁膜13aをドライエッチングする必要がないことから、特に高価な真空装置が必須とならず、したがってコンタクトホール14の形成を安価にしかも迅速に行なうことができる。
図3は、本発明の液晶パネルの一実施形態を示す模式的な縦断面図、図4は、図3に示した液晶パネルの薄膜トランジスタ近傍の拡大断面図である。
図3に示すように、液晶パネル(TFT液晶パネル)100は、TFT基板(液晶駆動基板)20と、TFT基板20に接合された配向膜21と、液晶パネル用対向基板40と、液晶パネル用対向基板40に接合された配向膜41と、配向膜21と配向膜41との空隙に封入された液晶よりなる液晶層60と、TFT基板(液晶駆動基板)20の外表面側(配向膜21と対向する面とは反対の面側)に接合された偏光膜22と、液晶パネル用対向基板40の外表面側(配向膜41と対向する面とは反対の面側)に接合された偏光膜42とを有している。
ラビング法は、ローラ等を用いて、膜の表面を一定の方向に擦る(ラビングする)方法である。このような処理を施すことにより、膜はラビングした方向に異方性を有するものとなり、液晶層を構成する液晶分子の配向方向を規制することが可能となる。
光配向法は、直線偏光紫外線等の光を膜の表面付近に照射することにより、膜を構成する高分子のうち、特定方向を向いている分子のみを選択的に反応させる方法である。このような処理を施すことにより、膜は異方性を有するものとなり、液晶層を構成する液晶分子の配向方向を規制することが可能となる。
配向膜の平均厚さが前記下限値未満であると、配向膜に十分な配向機能を付与するのが困難になる可能性がある。一方、配向膜の平均厚さが前記上限値を超えると、駆動電圧が高くなり、消費電力が大きくなる可能性がある。
マイクロレンズ基板50は、凹曲面を有する複数(多数)の凹部(マイクロレンズ用凹部)53が設けられたマイクロレンズ用凹部付き基板54と、このマイクロレンズ用凹部付き基板54の凹部53が設けられた面に樹脂層(接着剤層)55を介して接合された表層51とを有しており、また、樹脂層55では、凹部53内に充填された樹脂によりマイクロレンズ56が形成されている。
このマイクロレンズ用凹部付き基板54は、例えば、石英ガラス等のガラスやポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料等で構成されている。
このような観点からは、マイクロレンズ用凹部付き基板54とガラス基板24とは、同種類の材質で構成されているのが好ましい。これにより、温度変化時の熱膨張係数の相違による反り、撓み、剥離等が効果的に防止される。
樹脂層55は、例えば、マイクロレンズ用凹部付き基板54の形成材料の屈折率より高い屈折率の樹脂(接着剤)で形成することができ、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルエポキシ系のような紫外線硬化樹脂等で好適に形成することができる。
表層(ガラス層)51は、例えばガラスで構成することができる。この場合、表層114の熱膨張係数は、マイクロレンズ用凹部付き基板54の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)とすることが好ましい。これにより、マイクロレンズ用凹部付き基板54と表層51との熱膨張係数の差により生じる反り、撓み、剥離等が防止される。このような効果は、マイクロレンズ用凹部付き基板54と表層51とを同種類の材料で構成すると、より効果的に得られる。
透明電極44は、導電性を有し、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO2)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)等で構成されている。
ガラス基板24は、前述したような理由から、石英ガラスで構成されていることが好ましい。
薄膜トランジスタ30は、近傍の対応する画素電極23に接続されている。また、薄膜トランジスタ30は、図示しない制御回路に接続され、画素電極23へ供給する電流を制御する。これにより、画素電極23の充放電が制御される。
ゲート絶縁膜32、絶縁層33の形成材料としては、特に限定されず、例えばSiO2、TEOS(ケイ酸エチル)、ポリシラザン等のケイ素化合物が用いられるが、これら以外にも、例えば樹脂やセラミックス等を用いることもできる。
絶縁層33上には、導電部35、導電部36、および導電部37が設けられている。
また、ゲート絶縁膜32および絶縁層33のソース領域31bが形成された領域内には、ソース領域31bに連通するコンタクトホール39bが形成されており、導電部36は、このコンタクトホール39b内のプラグ38bを介して、ソース領域31bに電気的に接続している。同様に、ゲート絶縁膜32および絶縁層33のドレイン領域31cが形成された領域内には、ドレイン領域31cに連通するコンタクトホール39cが形成されており、導電部37は、このコンタクトホール39c内のプラグ38cを介して、ドレイン領域31cに電気的に接続している。
なお、前記のコンタクトホール39a、39b、39cは、後述するように、本発明のコンタクトホールの形成方法によって形成されたものである。
これら導電部36、導電部37、および導電部35は、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO2)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、Al、Al合金、Cr、Mo、Ta等の導電性材料で構成されている。なお、これらの導電部上には、例えばSiO2、SiN等の材料で形成されたパッシベーション膜(図示せず)が必要に応じて形成される。
偏光膜22、42の形成材料としては、例えばポリビニルアルコール(PVA)や、これにヨウ素をドープしたものなどが用いられる。
このような液晶パネル100では、通常、1個のマイクロレンズ56と、このマイクロレンズ56の光軸Qに対応したブラックマトリックス43の1個の開口52と、1個の画素電極23と、この画素電極23に接続された1個の薄膜トランジスタ30とが、1画素に対応している。
まず、下地絶縁膜25の上に半導体層(多結晶シリコン膜)31を次のようにして形成する。下地絶縁膜25の上に例えばフッ素樹脂膜などの撥液性の膜を形成する。そして、この撥液膜の素子形成領域に紫外線などを照射し、素子形成領域の撥液膜を分解除去してパターニングし、図5(a)に示すようにマスク(パターン形状制御マスク)70を形成する。
撥液処理としては、例えば四フッ化炭素などのフッ素原子を含むガスを大気圧プラズマによって分解して活性なフッ素単原子やイオンを生成し、この活性なフッ素に前記レジストパターンを晒すことによって行うことができる。なお、レジストパターンを、フッ素原子を含む撥液性のフォトレジストによって形成した場合には、その撥液処理は不要である。このようにして得られるマスク材71aとしては、図5(e)に示すゲート絶縁膜32を形成するための液状体、すなわちゲート絶縁膜32の形成材料を含有する溶液または分散液の塗布厚と同等もしくは高く形成しておく。
まず、マスク材71aを形成したガラス基板24を図示しない真空チャンバに搬入し、真空チャンバ内を例えば1333kPa(10Torr)以下に減圧する。そして、マスク材71aを所定の温度、例えば100〜130℃程度の、通常のフォトレジストのポストベーク温度に加熱するとともに、マスク材71aに紫外線を照射する。これにより、マスク材71aは、溶存している水分が脱水されるとともに、紫外線により架橋反応が促進される。しかも、マスク材71aは、脱水されて水分の影響を受けないため、架橋反応が進んで緻密となり、耐熱性、耐薬品性が向上する。さらに、マスク材71aの硬化処理は、必要に応じてマスク材71aをポストベーク温度以上に加熱する熱処理を行う。この熱処理は、例えば300℃〜450℃の温度で10分間程度行う。これにより、非常に耐熱性、耐薬品性に優れたマスクとすることができ、各種の液体成膜材料(膜形成用の液体)の使用が可能となる。
次いで、マスク材71aをアッシングして除去し、図6(a)に示すようにゲート絶縁膜32を貫通してなる下部コンタクトホール39d、39eを形成する。マスク材71aのアッシングについては、大気圧下または減圧下における酸素プラズマやオゾン蒸気によって行うことができる。
さらに、フォトリソグラフィー法を用いてレジスト膜73を露光、現像し、図7(b)に示すようにコンタクトホール形成領域となる下部コンタクトホール39d、39eと対応した位置、およびゲート電極34上の所定位置に、レジスト膜73からなるコンタクトホール形成用のマスク材73aを形成する。これらのマスク材73aのうち、半導体層(多結晶シリコン膜)31のソース領域31bに対応した位置のものは、下端部が下部コンタクトホール39dを通ってソース領域31bの上面に接している。同様に、マスク材73aのうち、半導体層(多結晶シリコン膜)31のドレイン領域31cに対応した位置のものは、下端部が下部コンタクトホール39eを通ってドレイン領域31cの上面に接している。マスク材73aには、必要に応じて前記マスク材71aと同様に、撥液処理や硬化処理を行う。
さらに、マスク76に紫外線を照射し、図8(d)に示すようにこれを分解、除去する。その後、導電部35、36、37を覆って二酸化ケイ素、窒化ケイ素(SiN)等からなるパッシベーション膜(図示せず)を形成する。
なお、マスク材71a、73aについては、図1に示した実施形態におけるマスク材12と同様のものを用いることができ、もちろんこれを芯部12aと表面層12bとによって構成することもできる。
図9は、本発明の電子機器(投射型表示装置)の光学系を模式的に示す図である。
図9に示すように、投射型表示装置300は、光源301と、複数のインテグレータレンズを備えた照明光学系と、複数のダイクロイックミラー等を備えた色分離光学系(導光光学系)と、赤色に対応した(赤色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)84と、緑色に対応した(緑色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)85と、青色に対応した(青色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)86と、赤色光のみを反射するダイクロイックミラー面211および青色光のみを反射するダイクロイックミラー面212が形成されたダイクロイックプリズム(色合成光学系)81と、投射レンズ(投射光学系)82とを有している。
なお、投射型表示装置300では、ダイクロイックプリズム81と投射レンズ82とで、光学ブロック20が構成されている。また、この光学ブロック80と、ダイクロイックプリズム81に対して固定的に設置された液晶ライトバルブ84、85および86とで、表示ユニット83が構成されている。
光源301から出射された白色光(白色光束)は、インテグレータレンズ302および303を透過する。この白色光の光強度(輝度分布)は、インテグレータレンズ302および303により均一にされる。光源301から出射される白色光は、その光強度が比較的大きいものであるのが好ましい。これにより、スクリーン320上に形成される画像をより鮮明なものとすることができる。
ダイクロイックミラー305を透過した赤色光は、ミラー306で図9中下側に反射し、その反射光は、集光レンズ310により整形され、赤色用の液晶ライトバルブ84に入射する。
ダイクロイックミラー305で反射した青色光および緑色光のうちの緑色光は、ダイクロイックミラー307で図9中左側に反射し、青色光は、ダイクロイックミラー307を透過する。
また、ダイクロイックミラー307を透過した青色光は、ダイクロイックミラー(またはミラー)308で図9中左側に反射し、その反射光は、ミラー309で図9中上側に反射する。前記青色光は、集光レンズ312、313および314により整形され、青色用の液晶ライトバルブ86に入射する。
このように、光源301から出射された白色光は、色分離光学系により、赤色、緑色および青色の三原色に色分離され、それぞれ、対応する液晶ライトバルブに導かれ、入射する。
同様に、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ85および86に入射し、それぞれの液晶パネル100で変調され、これにより緑色用の画像および青色用の画像が形成される。この際、液晶ライトバルブ85が有する液晶パネル100の各画素は、緑色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御され、液晶ライトバルブ86が有する液晶パネル100の各画素は、青色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御される。
これにより赤色光、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ84、85および86で変調され、赤色用の画像、緑色用の画像および青色用の画像がそれぞれ形成される。
また、前記液晶ライトバルブ85により形成された緑色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ85からの緑色光は、面214からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面211および212をそれぞれ透過して、出射面216から出射する。 また、前記液晶ライトバルブ86により形成された青色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ86からの青色光は、面215からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面212で図9中左側に反射し、ダイクロイックミラー面211を透過して、出射面216から出射する。
また、前述した実施形態では、液晶パネルを構成する液晶駆動基板として、TFT基板を用いる構成について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、構造上コンタクトホールを有するいかなる液晶駆動基板を用いてもよい。
[TFT基板の製造]
以下のようにして、図3、図4に示すような液晶パネルを構成するTFT基板を製造した。
まず、石英ガラス製のガラス基板24を用意し、このガラス基板24の表面に、SOGで構成される液状体絶縁材料をスピンコートにより塗布し、その後、焼成することにより、下地絶縁層25を形成した。
ここで、コンタクトホール形成用のマスク材71aとしては、ノボラック樹脂で形成したi線用フォトレジストに対し乾燥、露光、現像の各処理を施した後、四フッ化炭素ガス、大気圧プラズマを用いて発生させた活性フッ素に晒すことにより撥液処理を行って表面層を形成し、その後、10Torr以下の真空チャンバ内で100〜130℃に加熱するとともに、紫外線を照射して硬化処理を施したものを用いた。このようにして形成したマスク材71aは、高さが0.5μmであり、ポリシラザンで構成される液状体絶縁材料(ゲート絶縁膜32形成用の材料、膜形成用の液状体)との接触角が93°であった。
このようにして得られたTFT基板20における薄膜ランジスタ30にあっては、特にマスク材71a、73aを用いて形成されたコンタクトホールが、尖鋭な(鋭角の)縁部を形成せず、ほぼ平坦な形状を有するものとなっているのが確認された。
13…液状体、13a…層間絶縁膜(絶縁膜)、14…コンタクトホール、
20…TFT基板、30…薄膜トランジスタ、31…半導体層、
31a…チャネル領域、31b…ソース領域、31c…ドレイン領域、
32…ゲート絶縁膜、33…絶縁膜、34…ゲート電極、35、36、37…導電部、
38a、38b、38c…プラグ、39a、39b、39c…コンタクトホール、
39d、39e…下部コンタクトホール、71a、73a…マスク材、
100…液晶パネル
Claims (10)
- 絶縁膜を介して設けられる第1導電部と第2導電部とを導通させる導電性材料を、埋設するためのコンタクトホールの形成方法であって、
前記第1導電部上のコンタクトホールの形成領域にマスク材を設けるマスク材形成工程と、
前記マスク材形成工程の後、得られたマスク材の表面部を撥液処理する撥液処理工程と、
前記基板上の少なくとも前記第1導電部を形成した位置に、前記マスク材の形成位置を除いた前記第1導電部上を覆った状態で、かつ前記マスク材に接した状態に、絶縁膜形成用の液状体を配する液状体配置工程と、
前記液状体配置工程で基板上に配置した液状体を乾燥し、絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記マスク材を除去して前記絶縁膜にコンタクトホールを形成するマスク材除去工程と
を有してなり、
前記絶縁膜形成用の液状体として、前記マスク材に対する接触角が90°以上であるものを用いることを特徴とするコンタクトホールの形成方法。 - 前記液体配置工程における雰囲気温度が0〜400℃であることを特徴とする請求項1に記載のコンタクトホールの形成方法。
- 前記マスク材は、前記液状体と接触する表面部の表面自由エネルギーが20mN/m以下のものであることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載のコンタクトホールの形成方法。
- 前記マスク材は、芯部と、該芯部の表面側に設けられた表面層とを有してなるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンタクトホールの形成方法。
- 前記表面層は、含フッ素化合物及び/又はシリコン系化合物を主成分として形成された撥液膜であることを特徴とする請求項4記載のコンタクトホールの形成方法。
- 前記撥液膜は、プラズマ重合により形成されたものであることを特徴とする請求項5記載のコンタクトホールの形成方法。
- 前記撥液膜は、気相成膜法により形成されたものであることを特徴とする請求項5記載のコンタクトホールの形成方法。
- 前記撥液膜は、塗布法により形成されたものである請求項5記載のコンタクトホールの形成方法。
- 前記液状体が溶液あるいは分散液であり、該溶液あるいは分散液を形成する溶媒あるいは分散媒が、50mN/m以上の表面張力を有するものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンタクトホールの形成方法。
- 前記溶媒あるいは分散媒が水であることを特徴とする請求項9記載のコンタクトホールの形成方法。
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