JP2005157917A - 無線タグ読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】収納容器の取扱いが簡便で作業性に優れている上、少ないアンテナで高い読取率を実現でき、コストを低減できる読取装置を提供する。
【解決手段】本発明の無線タグ読取装置は、保存したデータを電波により発信可能な複数の無線タグ4を整列させて収納する収納容器1と、この収納容器1を支持可能であり、支持された収納容器の底面側に無線タグとの通信用アンテナ51を設けてなるアンテナ部21を備える。そして、このアンテナ部21にガイド板25a,25bを設け、アンテナ部21で支持される収納容器1の向きをアンテナから放射される電波の向きに対して一定方向に規制する。そして、アンテナ51で受信した電波を復調して、ガイド板25a,25bによって規制された向きに置かれた収納容器1内の無線タグ4の保存データを読取る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、収納容器に収納された複数の無線タグにそれぞれ保存されたデータを無線により一括して読取ることが可能な無線タグ読取装置に関する。
近年、固有のID(RFID)が設定されるとともに情報の書換可能なメモリエリアを有し、無線を利用して非接触でIDの読出しや任意の情報の書込み及び読出しができるデータキャリア、いわゆる無線タグが注目されている。
例えば従来、書留郵便や小包郵便等の記録扱い郵便物に使用される封筒にそれぞれ無線タグを貼付し、この無線タグに当該タグが貼付された封筒に対して設定された追跡管理用コードを書込んで記憶させるとともに、郵便物の引受から配達までの各拠点に無線タグ読取装置をそれぞれ設置し、各拠点において、それぞれ封筒に貼付された無線タグから追跡管理用コードを読取り、情報センターに通知することによって、記録扱い郵便物の一元的な記録管理と迅速な追跡とを可能とするシステムが提案されている。
このシステムの無線タグ読取装置は、ローラコンベアの中途部にトンネル状のアンテナ取付部を設け、このアンテナ取付部の内側上面及び両側面に無線タグとの通信用アンテナを取り付ける。そして、作業者がローラコンベア上に複数の郵便物が収納された収納容器を乗せて移送し、アンテナ取付部のトンネル内を通すことにより、このトンネル内の通信用アンテナを介して各郵便物に付された無線タグのデータを読取るようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−175621号公報
ところで、郵便物に取り付けられた無線タグの読取りに用いられる無線タグ読取装置の場合、多数の無線タグを一括して読取る必要があるため、通信用アンテナと無線タグとの間のデータ伝送方式には電波方式が採用されている。また、電波方式には直線偏波方式と円偏波方式とがあるが、円偏波方式は読取精度が低いので、一般には直線偏波方式が採用されている。
しかしながら、直線偏波方式は、電波を送受信するときに通信用アンテナと無線タグの向きを電波の振動方向に合せる必要があるため、通信用アンテナから放射される電波の向きに対する無線タグの向きに制限があった。このため、前述した従来システムの無線タグ読取装置では、トンネル状のアンテナ取付部の上部だけでなく両側面部にもそれぞれ通信用アンテナを設けて、上部のアンテナでは読取れない向きに置かれた無線タグでもいずれかの側面部のアンテナで読取れるようにしていた。
しかしながら、この従来の無線タグ読取装置においては、トンネル状のアンテナ取付部の上部や両側部に複数枚のアンテナを取り付けなければならず、コスト高であった。また、収納容器をアンテナ取付部のトンネル内に通さなければならなかったので、収納容器の取扱いが不便で作業性が悪いという問題もあった。
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、収納容器の取扱いが簡便で作業性に優れている上、少ないアンテナで高い読取率を実現でき、コストを低減できる無線タグ読取装置を提供しようとするものである。
本発明の無線タグ読取装置は、保存したデータを電波により発信可能な複数の無線タグを整列させて収納する収納容器と、この収納容器を所定の向きで支持可能であり、支持された収納容器の底面側に無線タグとの通信用アンテナを設けてなるアンテナ部を備える。そして、アンテナで受信した電波を復調して、アンテナ部に所定の向きに置かれた収納容器内の無線タグの保存データを読取るようにしたものである。
かかる手段を講じた本発明の無線タグ読取装置によれば、複数の無線タグが積層方向に整列されて収納されている収納容器をアンテナ部に所定の向きで支持させることによって各無線タグの保存データが一括して読取られるので、収納容器の取扱いが簡便であり、作業性が良好である。また、通信アンテナはアンテナ部に支持された収納容器の底面側だけに設けられておりアンテナの枚数を節約できるので、高い読取率を低コストで実現できる効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、書留郵便や小包郵便等の複数の記録扱い郵便物にそれぞれ貼付された無線タグの保存データを電波方式により非接触で一括読取するようにした無線タグ読取装置に本発明を適用した場合である。
図1乃至図3は本実施の形態を示す模式図である。図1において、符号1は直方体状の収納容器であり、2はこの収納容器1をその底面を滑らせて一方向に搬送する搬送路としてのローラコンベアである。収納容器1には、複数の記録扱い郵便物3(以下、郵便物3と略称する)が収納容器1の長手方向に所定の間隔で積層されて整列収納されている。各郵便物3には、それぞれ所定の箇所に無線タグ4が取り付けられている。したがって、収納容器1に整列収納された郵便物3にそれぞれ取り付けられた無線タグ4は、積層方向に整列された状態で収納容器1内に収納されている。各無線タグ4のメモリ部には、当該タグが取り付けられている郵便物3を識別するためのID等が保存されている。
ローラコンベア2は、無線タグ4に保存されたメモリデータを無線を利用して読取る無線タグリーダ5のアンテナ51が設けられたアンテナ部21と、その前後にそれぞれ延伸された搬入部22及び搬出部23とからなる。
アンテナ部21には、図2に示すように、シャフト31の両端部に金属,プラスチック樹脂,硬質ゴム等からなる一対のホイール32a,32bがそれぞれトルクリミッタ33a,33bを介して取り付けられた複数本の第1のローラ34が一定間隔で設けられている。そして、図1に示すように、各第1のローラ34の各々対向するホイール32a,32bの内面側にエ字型のアンテナ取付板24が嵌め込まれている。アンテナ取付板24には、収納容器1の搬送方向と直交する板幅方向略全域の上部空間を無線タグ4との交信エリアとするように、無線タグリーダ5のアンテナ51が埋設されている。
搬入部12及び搬出部13には、それぞれ図2に示すように、第1のローラ34のシャフト31と同一長のシャフト35の略全長に亘って金属,プラスチック樹脂,硬質ゴム等からなる円柱体36が一体的に取り付けられた複数本の第2のローラ37が一定間隔で回転自在に設けられている。
また、アンテナ部21における各第1のローラ34の各々対向するホイール32a,32bの外面側には、それぞれ両端部が外側に拡張するように折り曲げられた一対のガイド板25a,25bが対峙するように取り付けられている。
ここで、図3に示すように、収納容器1の長手方向の長さをDとし、この長手方向と直交する方向の長さをWとしたとき、長さWは、一対のガイド板25a,25bの最小内面間距離Aよりも短く、かつ、第1のローラ34の対向するホイール32a,32bの内面間の距離Bより長くなっている。また、長さDは、一対のガイド板25a,25bの最小内面間距離Aよりも長くなっている。
したがって、収納容器1をその長手方向がローラコンベア2の搬送方向と略一致するように搬入部22に載せた場合には、ローラコンベア2上を滑らせて収納容器1をアンテナ部21に搬入させ、さらに搬出部23に搬出させることができる。これに対し、収納容器1をその長手方向と直交する方向がローラコンベア2の搬送方向と略一致するように搬入部22に載せた場合には、ローラコンベア2上を滑らせても収納容器1が一対のガイド板25a,25bに当たってしまうため、アンテナ部21に搬入させることができない。ここに、一対のガイド板25a,25bは、搬入部22からアンテナ部21に搬入され、アンテナ部21で支持される収納容器1の向きを、アンテナ51から放射される電波の向きに対して一定方向に規制する位置規制手段として機能する。
図4は無線タグ4及び無線タグリーダ5の要部構成を示すブロック図である。無線タグ4は、帯状の基板の外周に沿って形成されたコイル状のタグアンテナ41と、当該基板に形成されたLSIチップ42とからなる。LSIチップ42は、タグアンテナ41で受信した変調電波の整流と安定化を行うことによりLSIチップ42の各部に電源を供給する電源生成部43、上記変調電波を復調して制御部46へ送出する復調部44、制御部46から送出されたデータを変調してタグアンテナ41に送出する変調部45、復調部44で復調されたデータのメモリ47への書込みや、メモリ47から送信データを読み出して変調部45へ送出する制御部46及び不揮発性のメモリ47で構成されている。メモリ47には、当該無線タグ4の製造段階で製造業者により割当て設定された固有のIDを記憶するIDエリアと、ユーザが任意のデータを書込むことができるユーザエリアとが形成されている。
無線タグリーダ5は、例えばパソコン等の上位装置とのインタフェース部52と、CPU,ROM,RAM等で構成される制御部53と、制御部53から与えられるデータを無線通信に適した変調信号に変調する変調部54と、変調信号を増幅してアンテナ51から直線偏波の電波として放射させる送信アンプ55と、アンテナ51で受信した電波信号を増幅する受信アンプ56と、増幅された電波信号からデータを復調して制御部53に与える復調部57とから構成されている。
したがって、アンテナ51との交信エリア内に入った無線タグ4は、アンテナ51から発信されている電波を受信すると起電し、ID等の保存データを変調波としてタグアンテナ41から発信する。この変調波をアンテナ51で受信すると、無線タグリーダ5は、この変調波を復調して無線タグ保存データを読取り、インタフェース部52を介して上位装置に通知するものとなっている。ここに、無線タグリーダ5はタグ読取手段として機能する。
このように構成された本実施の形態の無線タグ読取装置を使用して各郵便物3にそれぞれ取り付けられている無線タグ4のデータ読取作業を行う場合、作業担当者は、先ず、各郵便物3を収納容器1にその長手方向に積層するように立てて収納する。このとき、各郵便物3の所定位置に取り付けられた無線タグ4が所定間隔を開けて一方向に整列するように収納する。次に、作業担当者は、各郵便物3が収納された収納容器1をローラコンベア2の搬入部22に載せる。そして、収納容器1を上から手で支えて搬出部23の方向へ移動させる。
このとき、収納容器1の長手方向がローラコンベア2の搬送方向と略一致していた場合には、収納容器1は、一対のガイド板25a,25bの間を通ってアンテナ部21に搬入される。そして、収納容器1は第1のローラ34で支持され滑りながらアンテナ51の上を通過し、搬出部23に搬送される。
収納容器1がアンテナ51の上を通過する際の郵便物3に取り付けられた無線タグ4の向きとアンテナ51から放射される電波の向きとの関係を図5に示す。図示するように、この場合、アンテナ51から放射される電波は各郵便物3に取り付けられた無線タグ4の面を横切るので、各無線タグ4が動作し、ID等の保存データが変調波として無線タグ4から発信されてアンテナ51で受信される。その結果、各無線タグ4のID等の保存データが無線タグリーダ5によって一括して読取られ、上位装置に与えられて情報処理される。すなわち、無線タグ4の読取率は大変高いものとなる。
これに対し、収納容器1の長手方向と直交する方向がローラコンベア2の搬送方向と略一致していた場合には、収納容器1は、一対のガイド板25a,25bによってアンテナ部21への搬入が阻止される。
仮に、一対のガイド板25a,25bがなく、収納容器1のアンテナ部21への搬入が阻止されない場合において、収納容器1がアンテナ51の上を通過する際の郵便物3に取り付けられた無線タグ4の向きとアンテナ51から放射される電波の向きとの関係を図6に示す。図示するように、この場合、アンテナ51から放射される電波は各郵便物3に取り付けられた無線タグ4の面を横切らないので、大部分の無線タグ4は動作しない。したがって、各無線タグ4に保存されたデータの読取率は大変低いものとなる。
このように、本実施の形態の無線タグ読取装置であれば、アンテナ部21によって支持される収納容器1の向きを、当該収納容器1に収納されている無線タグ4の向きと、アンテナ部21に設けられているアンテナ51から放射される電波の向きとの関係から読取率が高くなる一定の方向に規制するようにしたので、無線タグ一括読取りの精度を常に高精度に維持することができる。この場合において、アンテナ51は、アンテナ部21に支持された収納容器1の底面側だけに設ければよいのでアンテナの枚数を節約でき、コストの低減を図ることができる。
また、作業者は一対のガイド板25a,25bの間を通過し得る向きにして収納容器1をローラコンベア2上に起き、収納容器1を手で支えてコンベア上を滑らせるだけでよいので、収納容器1の取扱いが簡便であり作業性が良好である。
なお、前記実施の形態では、アンテナ部21の両側縁部に設けた一対のガイド板25a,25bによって、アンテナ部21に支持される収納容器1の向きを一定方向に規制したが、位置規制手段はこれに限定されるものではない。例えば、収納容器1の底面中央部に長手方向の溝を形成するとともに、アンテナ部21のアンテナ取付板24に、上記溝と嵌合するガイドレールを収納容器1の搬送方向に設置する。こうすることにより、収納容器1はその長手方向を搬送方向と一致させた場合には、溝がガイドレールに嵌合するのでアンテナ51の上を通過させることができるが、長手方向と直交する方向を搬送方向と一致させた場合には、底面がガイドレールに当たってアンテナ51の上を通過させることができず、収納容器1の向きを一方向に規制することができる。
また、アンテナ部21又はその近傍に、収納容器1の向きを作業者に知らせる情報(例えば図,文字等)を印刷又は表示することによって、位置規制手段を省略しても、読取率を高めることができる。
また、前記実施の形態では、アンテナ部21の前後に搬入部22及び搬出部23を延伸させたが、搬入部22及び搬出部23の両方またはいずれか一方を省略してもよい。少なくとも搬入部22を省略した場合、作業者は、収納容器1をアンテナ部21に直接載置することになるが、この場合も収納容器1の向きは位置規制手段によって規制されるので、同等な作用効果を奏することができる。
また、収納容器1の形状は直方体状に限定されるものではなく、無線タグ4を積層方向に整列させて収納できる形状であれば、ユーザの必要に応じて適宜変形して実施することが可能である。
この他、本発明を郵便物3以外の物品、例えば伝票,封筒,証書,書類,カード等の札状の物品に設けられた無線タグ4の読取装置に適用する等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
本発明の一実施の形態の概略構成を示す模式図。 同実施の形態におけるローラコンベアの要部を示す斜視図。 同実施の形態における収納容器のローラコンベアに対するサイズ説明に用いる模式図。 同実施の形態における無線タグと無線タグリーダの要部構成を示すブロック図。 同実施の形態において読取率が高いときの無線タグの向きとアンテナから放射される電波の向きとの関係を示す模式図。 同実施の形態において読取率が低いときの無線タグの向きとアンテナから放射される電波の向きとの関係を示す模式図。
符号の説明
1…収納容器、2…ローラコンベア、3…郵便物、4…無線タグ、5…無線タグリーダ、21…アンテナ部、22…搬入部、23…搬出部、24…アンテナ取付板、25a,25b…ガイド板、33…トルクリミッタ、34…第1のローラ、37…第2のローラ、51…アンテナ。

Claims (3)

  1. 保存したデータを電波により発信可能な複数の無線タグを整列させて収納する収納容器と、
    前記収納容器を所定の向きで支持可能であり、支持された収納容器の底面側に前記無線タグとの通信用アンテナを設けてなるアンテナ部と、
    前記アンテナで受信した電波を復調して前記アンテナ部に置かれた前記収納容器内の各無線タグから保存データを読取るタグ読取手段と、
    を具備したことを特徴とする無線タグ読取装置。
  2. アンテナ部で支持される収納容器の向きをアンテナから放射される電波の向きに対して一定方向に規制する位置規制手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の無線タグ読取装置。
  3. 収納容器は直方体状の容器であって、その長手方向に各無線タグを積層して整列収納するものであり、
    位置規制手段は、アンテナ部にアンテナを挟んで立設された一対のガイド板であって、
    前記収納容器の長手方向の長さをD、長手方向と直交する方向の長さをWとしたとき、前記ガイド板の間隔Aを、W>A>Dとしたことを特徴とする請求項2記載の無線タグ読取装置。
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