JP2005155548A - エンジンの始動装置 - Google Patents

エンジンの始動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005155548A
JP2005155548A JP2003397782A JP2003397782A JP2005155548A JP 2005155548 A JP2005155548 A JP 2005155548A JP 2003397782 A JP2003397782 A JP 2003397782A JP 2003397782 A JP2003397782 A JP 2003397782A JP 2005155548 A JP2005155548 A JP 2005155548A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
cylinder
intake
rotational speed
stop
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003397782A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4144516B2 (ja
Inventor
Masayuki Tetsuno
雅之 鐵野
Junichi Taga
淳一 田賀
Takanori Sugiyama
貴則 杉山
Hideo Hosoya
英生 細谷
Kaei Nakayama
佳映 中山
Keiji Araki
啓二 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2003397782A priority Critical patent/JP4144516B2/ja
Publication of JP2005155548A publication Critical patent/JP2005155548A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4144516B2 publication Critical patent/JP4144516B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Abstract

【課題】 アイドル時に自動で停止され、また再始動されるエンジン1おいて、燃料カット後に惰性で回転するエンジン1をスムーズに停止させるとともに、その停止位置を高精度に制御できるようにして、その後の良好な再始動性を安定的に確保する。
【解決手段】 アイドル回転速度よりも高い設定回転速度で燃料カットして(t0)、スロットル弁23を所定期間(t1〜t2)、開くとともに、その後、各気筒12A〜12Dが順次TDCを通過するときの回転速度をそれぞれ検出して、この検出したTDC回転速度に基づいてスロットル弁23の開度を調整することにより(TVO)、遅くとも最後のTDCを通過するまでに(〜t3)TDC回転速度が適正回転速度範囲に入るように、エンジン回転速度の低下する軌跡を徐々に修正する。こうすれば、その最後のTDCを越えた後、自然に停止するエンジン1の膨張行程気筒12においてピストン13が再始動に好適な所定範囲R内に停止する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、アイドル時に自動停止したエンジンを再始動要求に応じて始動するエンジンの始動装置に関し、特に、再始動に好適な状態になるようにしてエンジンを停止させるための主に吸気系の制御技術の分野に属する。
従来より、燃費の低減やCO2の排出抑制等を目的として、アイドル時にエンジンを自動で停止するようにしたエンジン制御システム(アイドルストップシステム)は知られている。このようなシステムでは、発進操作等のエンジン再始動要求に対して即座にエンジンを始動しなくてはならないが、始動モータによるクランキングを経てエンジンを始動するという一般的な始動方法では始動時間がやや長くなるきらいがあり、また、クランキングに伴う騒音やエンジンの吹き上がりが違和感を与えるという不具合もある。
さらに、そのようにエンジンがアイドル状態になる度に停止及び再始動を行うとすると、イグニッションスイッチが操作されたときのみに始動する通常のシステムに比べて格段に始動回数が多くなってしまうので、始動モータに著しく高い耐久性が要求されることになり、無用のコスト増大を招くという問題もある。
そのため、近年では、例えば特許文献1、2に開示される筒内直噴式ガソリンエンジンのように、停止状態で膨張行程にある気筒内に燃料を噴射供給して、点火、燃焼させることにより、始動モータの力を借りることなく、エンジンをそれ自体の力で始動するようにしたものものが開発されている。
但し、そのように既に膨張行程にある気筒に点火して燃焼させる場合、この気筒の空気充填量があまり多いとはいえず、また、有効なストロークも短くなることから、燃焼により得られる始動トルクは本来的にあまり大きなものにはならない。しかも、その気筒内の空気量はピストンの停止位置によって変化し、これが始動トルクの大きさに影響することから、エンジンの始動性を確保するためには、エンジンを停止させるときに膨張行程になる気筒のピストン停止位置を極めて高精度に制御したいという要請がある。
この点について、前記特許文献1に記載のルノアール・スタート・サイクル式エンジンでは、機械的な制動機構を用いてクランク軸の回転に制動力を付与するようにしており、一方、前記特許文献2に記載のエンジンの惰性回転制御方法では、エンジンの惰性による回転が止まる直前に気筒の吸排気弁の動作を停止させ、その圧縮反力によって強制的にピストンを停止させるようにしている。
すなわち、前記後者の従来例(特許文献2)のものは、イグニッションオフ後に惰性で回転するエンジンの各気筒が順番に所定回数、圧縮上死点(TDC)を通過して、その回転慣性が小さくなったところで、主に排気行程にある気筒の排気弁の動作を停止させて、その圧縮圧力によりエンジン回転にブレーキをかけるようにしたものであり、その際に、エンジン回転速度やその低下の度合いを検出し、これに応じて前記排気弁の動作を停止するタイミングや停止期間を調整することで、つまり、エンジンの回転慣性力に応じてブレーキの強さを加減することで、停止位置を調整するようにしたものである。
実開昭60−128975号公報 特表2003−517134号公報
しかしながら、前記従来例(特許文献1、2)に開示されるエンジン停止方法は、いずれも停止直前のエンジンにその回転と逆方向の力を1回ないし2回加えて、直ちに停止させるというものであり、このようにエンジンを急停止させることから比較的大きなショックが発生して、運転者に違和感を与える虞れがあるし、ピストン停止位置の制御精度についても十分とは言えないという難がある。すなわち、前者の従来例では制動機構として自動変速機の油圧クラッチ等を利用しているので、これを締結した瞬間にショックが発生する可能性が高く、また、油圧の応答遅れによるクラッチ等の作動タイミングのずれがそのままピストン停止位置のずれとして反映されることになる。
また、後者の従来例では、要するに気筒の圧縮反力によってエンジン回転に急ブレーキをかけるものなので、その反動によって大きな揺り返しが発生する虞れがあるし、1、2回のブレーキでエンジンを止めようとしているので、このブレーキの強さをエンジン回転速度やその低下の度合いに応じて加減するようにしていても、停止位置が多少、ずれてしまうのはやむを得ないと言える。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、アイドル時にエンジンを自動停止し、また、再始動するようにした始動装置において、エンジン停止時の吸気系の制御手順に工夫を凝らし、燃料の供給停止後に惰性で回転するエンジンをスムーズに停止させるとともに、その停止位置を従来よりも高精度に制御できるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本願の発明者らは、燃料供給停止後のエンジン回転速度の変化に着目して鋭意実験・研究を行った結果、エンジンが停止するまでの停止動作期間に各気筒が順次、圧縮上死点(TDC)を通過するときの回転速度(上死点回転速度)とピストン停止位置との間に明確な相関関係があることを見出して、本願発明を完成するに至った。
すなわち、エンジンの停止動作期間において計測される複数回の上死点回転速度がそれぞれ或る特定の回転速度範囲に収まっていれば、エンジン停止後の膨張行程気筒におけるピストンの停止位置は再始動に好適な所定範囲に入るということが分かったので、本願発明では燃料供給の停止後に各気筒の上死点回転速度を順次、検出し、この検出値に基づいて遅くとも最後のTDCを通過するまでに、上死点回転速度が前記特定の回転速度範囲に入るよう、エンジン回転速度の低下する軌跡を徐々に調整するようにしたものである。
より具体的には、請求項1の発明は、停止している多気筒エンジンの少なくとも膨張行程にある気筒内に燃料を噴射供給し、点火、燃焼させることにより、始動モータを用いずに再始動するようにしたエンジンの始動装置を対象として、まず、エンジンの吸気通路の下流側を各気筒毎に分岐させて互いに独立の分岐吸気通路とし、この分岐吸気通路に個別に吸気量調整弁の弁体を配設した。その上で、運転中の前記エンジンの各気筒への燃料供給を停止することにより、該エンジンを停止させるエンジン停止手段と、このエンジン停止手段による燃料供給の停止後に、前記吸気量調整弁を全閉から所定量開いた状態に制御する吸気制御手段と、前記した燃料供給の停止によってエンジン回転速度が低下する過程で各気筒が順次、圧縮上死点を通過するときのエンジン回転速度をそれぞれ検出する回転速度検出手段と、この回転速度検出手段によって検出された上死点回転速度に基づいて、その後に検出される上死点回転速度がエンジン停止後のピストン位置と相関のある特定の回転速度範囲に収まるように、前記吸気量調整弁の開度を補正する吸気補正制御手段と、を備える構成とする。
前記の構成により、エンジンの運転中にエンジン停止手段により各気筒への燃料供給が停止されると、吸気制御手段により吸気量調整弁の制御が行われて、各気筒毎の分岐吸気通路に設けられている弁体が全閉から所定量開いた状態とされる。このことで、一時的に吸気負圧が減少(吸気圧は上昇)し、各気筒への吸入空気量が増大するので、十分な掃気が行われるとともに、エンジンの停止時に各々圧縮及び膨張行程になる気筒の空気量が多くなり、その圧縮反力のバランスによってピストンが行程中央部寄りに停止することになる。
また、エンジン回転速度が低下する過程で各気筒が順次、圧縮上死点(TDC)を通過するときの回転速度がそれぞれ回転速度検出手段により検出され、この上死点回転速度に基づいて、吸気補正制御手段により前記吸気量調整弁の開度が補正される。すなわち、上述したように、上死点回転速度が或る特定の回転速度範囲に収まっていれば、ピストン停止位置は再始動に好適な所定範囲に入るので、例えば、上死点回転速度が前記特定回転速度範囲の下限よりも低ければ、吸気量調整弁の開度を開き側に補正して各気筒のポンプ仕事を減らすことにより、エンジン回転の落ち具合を緩やかにすればよく、一方、上死点回転速度が特定回転速度範囲の上限よりも高ければ、吸気量調整弁の開度を閉じ側に補正して各気筒のポンプ仕事を増やすことにより、回転落ちを大きくすればよいのである。
そのように吸気量調整弁の開度を補正して、エンジン回転速度の低下の度合いを少しずつ修正することで、上死点回転速度は徐々に前記特定回転速度範囲に近づいて行き、遅くとも最後のTDCを通過するまでにはその範囲に入ることになる。そして、そうなれば、その最後のTDCを越えた後はエンジン回転にブレーキをかける必要もなく、自然に停止させるだけで、膨張行程気筒のピストンが再始動に適した位置に停止することになる。
つまり、本願発明では、エンジン停止動作期間中の上死点回転速度とピストン停止位置との相関関係に着目し、その上死点回転速度の検出値に基づいて吸気量調整弁の開度を制御することにより、エンジン回転速度の低下する軌跡を徐々に所望のものに収束させ、これによりエンジンをスムーズに停止させながら、その停止位置を正確に制御することができる。
前記した請求項1の発明において、吸気制御手段は、エンジン停止後に各々膨張行程及び圧縮行程になる気筒の吸気量が増大するように所定のタイミングで吸気量調整弁を開くとともに、該膨張行程になる気筒の吸気量が圧縮行程になる気筒よりも多くなるように所定のタイミングで吸気量調整弁を閉じるものとするのが好ましい(請求項2の発明)。
すなわち、吸気系における吸気の輸送遅れを考慮した所定のタイミングで吸気量調整弁を開閉することで、停止後に各々圧縮及び膨張行程になる気筒にそれぞれ所要量の空気を吸入させることができ、該膨張行程になる気筒の圧縮反力が圧縮行程になる気筒よりも適度に大きくなるようにすれば、当該膨張行程気筒のピストンが行程中央部よりもやや下死点寄りに停止する確率が高くなる。
その場合に、吸気補正制御手段は、吸気制御手段によって一旦、閉じられた吸気量調整弁を上死点回転速度に基づいて開閉制御するものとし、例えば、上死点回転速度が特定回転速度範囲の下限よりも低いときに吸気量調整弁を開き側に制御する一方、上死点回転速度が特定回転速度範囲の上限よりも高いときには吸気量調整弁を閉じ側に制御するものとすればよい(請求項3の発明)。
また、前記エンジン停止手段は、エンジンがアイドル運転を含む低負荷低回転の所定運転領域にあって且つ所定の停止条件が成立したときに、各気筒への燃料供給を停止するものとし、一方、吸気制御手段は、エンジンが前記低負荷低回転の所定運転領域にあって且つ前記停止条件が成立していなければ、吸気量調整弁を全閉に近い所定開度になるように制御する一方、前記停止条件の成立に伴い前記エンジン停止手段によって燃料供給が停止されれば、前記吸気量調整弁を前記所定開度から開く側に制御するものとすればよい(請求項4の発明)。
すなわち、エンジンの負荷及び回転速度等の状態が自動停止に適したものであっても、例えばエアコン(空調装置)の作動時のようにエンジンの停止が好ましくない状況下であれば、該エンジンの停止条件は成立せず、このときには吸気制御手段によって吸気量調整弁が全閉に近い所定開度になるように制御されるとともに、これにより各気筒に吸入される少量の吸気に見合うように(例えば理論空燃比かそれよりもややリッチになるように)少量の燃料が噴射供給されて、エンジンのアイドル運転が継続される。そして、自動停止の条件が成立すれば、燃料供給が停止されるとともに前記吸気量調整弁が開かれることになる。
また、前記吸気補正制御手段は、エンジン停止手段による燃料供給の停止からエンジンが停止するまでの停止動作期間において、この期間に各気筒が通過する全上死点数の略半数を通過した後に、回転速度検出手段により検出される上死点回転速度に基づいて、吸気量調整弁の開度を補正するものとするのが好ましく(請求項5の発明)、例えば、エンジンの停止動作期間に通過する全ての上死点のうち、エンジン停止前の最後の上死点から逆順に数えて5番目の上死点以降の上死点回転速度に基づいて、吸気量調整弁の開度を補正するようにすればよい(請求項6の発明)。
これは、燃料供給停止直後のエンジン回転速度が比較的高い間は、その回転速度のばらつきが大きいので、そのときの上死点回転速度の検出値に基づいて吸気量調整弁の補正を行うのは誤制御の虞れがあり、好ましくないからである。
なお、前記エンジンの各気筒毎の分岐吸気通路の上流端はサージタンクに連通していることが好ましい(請求項7の発明)。こうすれば、分岐吸気通路における吸気の脈動がサージタンクにおいて吸収され、気筒間干渉が抑制されるので、エンジン停止動作期間における各気筒の吸気効率が向上し、掃気性がさらに高まるからである。
ところで、上述の請求項1〜7の発明では、エンジン停止動作期間の吸気量の調整を、各気筒毎の分岐吸気通路に弁体が個別に配置された多連型の吸気量調整弁により行うようにしているが、これに限るものではない。すなわち、本願請求項8の発明は、前記請求項1の発明と同様のエンジンの始動装置を対象として、まず、エンジンの各気筒に連通する吸気通路に該気筒への吸気流量を調整可能な吸気流量調整機構を設ける。そして、運転中のエンジンの各気筒への燃料供給を停止することにより、該エンジンを停止させるエンジン停止手段と、このエンジン停止手段による燃料供給の停止後に、各気筒への吸気流量が燃料供給停止前に比べて増大するように前記吸気流量調整機構を制御する吸気制御手段と、前記した燃料供給の停止によってエンジン回転速度が低下する過程で各気筒が順次、圧縮上死点を通過するときのエンジン回転速度をそれぞれ検出する回転速度検出手段と、この回転速度検出手段によって検出された上死点回転速度に基づいて、その後に検出される上死点回転速度がエンジン停止後のピストン位置と相関のある特定の回転速度範囲に収まるように、前記吸気量量調整機構を補正制御する吸気補正制御手段と、を備える構成とする。
この構成によれば、前記多連型の吸気量調整弁の代わりに、エンジンの吸気通路に設けられた吸気流量調整機構を作動させることで、請求項1の発明と同様の作用効果を得ることができる。そして、その吸気流量調整機構としては、例えば各気筒の吸気弁のリフト量を変更する周知の可変動弁機構を採用すればよく(請求項9の発明)、或いは、各気筒に共通の吸気通路に弁体が配設された一般的なスロットル弁(吸気量調整弁)を用いることもできる(請求項10の発明)。但し、そのような一般的なスロットル弁は吸気通路の上流側に配設されるため、これを用いる場合には特に吸気を絞る側(気筒の吸気量を減少させる側)への応答遅れが大きくなり易い。従って、その場合には、吸気補正制御手段は、回転速度検出手段により検出された上死点回転速度が特定回転速度範囲の下限よりも低いときに、前記吸気量調整弁の開度を開き側に補正する制御のみを行うものとする。
以上、説明したように、本願の請求項1〜10の発明に係るエンジンの始動装置によると、アイドル時にエンジンを自動停止し、また、再始動するようにしたシステムにおいて、燃料供給の停止後にエンジンが惰性で数回転する間に各気筒が順次、圧縮上死点(TDC)を通過するときのエンジン回転速度(上死点回転速度)と、エンジン停止後の各気筒におけるピストン停止位置と、の間に明確な相関関係があることに着目して、その上死点回転速度の検出値に基づいて吸気の制御を行い、これによりエンジン回転の落ち具合を少しずつ修正して、遅くとも最後のTDCを通過するまでに上死点回転速度が或る特定の回転速度範囲に入るように、エンジン回転速度の低下する軌跡を修正することで、この軌跡に沿ってエンジンをスムーズに停止させながら、停止後の膨張行程気筒においてピストンを再始動に好適な所定範囲に正確に停止させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
−エンジン制御システムの概略構成−
図1及び図2は、本発明に係るエンジン始動装置を含むエンジン制御システムの実施形態を示し、このエンジンシステムEは、シリンダヘッド10及びシリンダブロック11を備えたエンジン1と、該エンジン1を制御するためのECU2(エンジンコントローラ)とを備えている。前記エンジン1には、図2に示すように4つの気筒12A〜12Dが設けられていて、該各気筒12A〜12Dの内部には、図1に示すように、クランク軸3に連結されるピストン13がそれぞれ嵌挿され、これにより、前記各気筒12A〜12D内部でピストン13の上方には燃焼室14が形成されている。
ここで、一般的に、多気筒4サイクルエンジンにおいては、各気筒が所定の位相差をもって吸気、圧縮、膨張、排気の各行程からなる燃焼サイクルを行うようになっており、この実施形態の4気筒エンジンの場合、気筒列方向一端側から1番気筒12A、2番気筒12B、3番気筒12C、4番気筒12Dと呼ぶと、図5(e)に示すように、1番気筒(#1)、3番気筒(#3)、4番気筒(#4)、2番気筒(#2)の順にクランク角で180度ずつの位相差をもって燃焼が行われるようになっている。
前記各気筒12A〜12Dのそれぞれの燃焼室14の頂部には、該燃焼室14内の混合気に点火して燃焼させるための点火プラグ15が設けられていて、それらの各点火プラグ15先端の電極が前記燃焼室14内に臨むように配置されている。また、前記燃焼室14の側方(図1の右方向)には、該燃焼室14内に燃料を直接、噴射する燃料噴射弁16が設けられていて、該燃料噴射弁16は、前記点火プラグ15の電極付近に向かって燃料を噴射するように噴射方向が調整されている。ここで、前記燃料噴射弁16は、図示しないニードル弁及びソレノイドを内蔵しており、前記ECU2からのパルス信号の入力によりそのパルス幅に対応する時間だけ開弁駆動されて、その駆動時間に応じた量の燃料を各気筒12A〜12D内に噴射するように構成されている。なお、前記燃料噴射弁16には、図示しない燃料ポンプにより燃料供給通路等を介して燃料が供給されるようになっていて、前記エンジンシステムEには、その燃料供給圧が圧縮行程での燃焼室14内の圧力よりも高くなるように燃料供給系統が構成されている。
また、前記各気筒12A〜12Dの燃焼室14の上部には、該燃焼室14に向かって開口する吸気ポート17及び排気ポート18が設けられていて、これらのポート17,18に吸気弁19及び排気弁20がそれぞれ配設されている。これらの吸気弁19及び排気弁20は、図示省略のカムシャフト等からなる動弁機構により駆動され、上述のとおり、各気筒12A〜12Dが所定の位相差をもって燃焼サイクルを行うように、該各気筒毎の吸・排気弁の開閉タイミングが設定されている。
そして、前記吸気ポート17及び排気ポート18にそれぞれ連通するように吸気通路21及び排気通路22が設けられており、図2に示すように、前記吸気ポート17に近い吸気通路21の各気筒12A〜12D毎の分岐吸気通路21aには、それぞれの通路断面積を絞るようにスロットル弁23が設けられている。すなわち、前記吸気通路21は、サージタンク21bの下流に気筒別の分岐吸気通路21aを有していて、該分岐吸気通路21aのそれぞれの下端部が各気筒の吸気ポート17に連通している。そして、前記各分岐吸気通路21aに個別に配設されたスロットル弁23の弁体が共通のアクチュエータ24により駆動されて、該各分岐吸気通路21aを同時に絞り調節する多連型のロータリバルブ(マルチスロットル)となっている。
なお、前記吸気通路21におけるサージタンク21bの上流の共通吸気通路21c(図2にのみ示す)には、吸入空気量を検出するエアフローセンサ25が配設されており、一方、サージタンク21b下流の分岐吸気通路21aの少なくとも1つには、スロットル弁23の下流側の吸気圧力(負圧)を検出する吸気圧センサ26が配設されている。
また、前記エンジンシステムEには、前記クランク軸3の回転角を検出する2つのクランク角センサ30,31が設けられており、一方のクランク角センサ30(回転速度検出手段)からの信号によってエンジン回転速度を求めるとともに、詳しくは後述するが、それら2つのクランク角センサ30,31から出力される互いに位相のずれたクランク角信号によって、前記クランク軸3の回転方向及び回転角度を検出するようになっている。さらに、このエンジンシステムEには、カムシャフトの特定の回転位置を検出して気筒識別信号として出力するカム角センサ32、エンジン冷却水の温度(エンジン水温)を検出する水温センサ33、アクセル開度(アクセル操作量)を検出するアクセル開度センサ34等が配設されている。
前記ECU2は、前記各センサ25,26,30〜34からの信号を受け、前記燃料噴射装置16に対して燃料噴射量及びその噴射時期を制御する信号を出力するとともに、点火プラグ15の点火装置27に対して点火時期を制御する信号を出力し、さらに前記スロットル弁23のアクチュエータ24に対してスロットル開度を制御する信号を出力する。そして、以下に詳述するが、前記ECU2は、アイドル時において所定のエンジン停止条件が成立したときに、各気筒12A〜12Dへの燃料供給を停止して(燃料カット)自動的にエンジンを停止させるとともに、その後、運転者のアクセル操作等により所定のエンジン再始動条件が成立したときには、自動的にエンジン1を再始動させるようになっている。
具体的に、前記エンジン1の再始動時には始動モータの力を借りることなく、エンジン1をそれ自体の力のみで始動させるのであるが、この実施形態では、まず、ピストン13が圧縮行程の途中で停止している気筒12で初回の燃焼を行わせて、そのピストン13を押し下げることによりクランク軸3を少しだけ逆転させ、これにより膨張行程にある気筒12のピストン13を一旦、上昇させて、その気筒12内の混合気を圧縮する。そして、その上で該膨張行程気筒12の混合気に点火して燃焼させることにより、クランク軸3に正転方向のトルクを与えて、エンジン1を始動するようにしている。
そのように、エンジン1をそれ自体の力のみによって始動させるためには、前記した膨張行程気筒12の燃焼によってクランク軸3にできるだけ大きな正転方向のトルクを与え、これにより、続いて圧縮上死点(以下、TDCと略称)を迎える気筒12がその圧縮反力に打ち勝ってTDCを越えるようにしなければならない。従って、エンジン1の確実な始動のためには膨張行程の途中で停止している気筒12内に燃焼のための空気を十分に確保しておく必要がある。
ここで、エンジン1の停止時に各々膨張行程及び圧縮行程になる気筒12,12(以下、各々停止時膨張行程気筒、停止時圧縮行程気筒ともいう)では、図3に示すように互いに位相が180°ずれていて、ピストン13が逆相に作動するので、膨張行程気筒12のピストン13が行程中央部よりも下死点(以下、BDCと略称)寄りに停止していれば、その気筒12内の空気量は多くなって燃焼により大きなトルクが得られるものの、該ピストン13をあまりBDC寄りに停止させると、圧縮行程気筒12の空気量が少なくなり、エンジン1の逆転のためのトルクが十分に得られなくなる。
この点、前記膨張行程気筒12のピストン13を行程中央部から多少、BDC寄りの所定範囲R(図例ではATDC100〜120°CA)内に停止させれば、圧縮行程気筒12に適量の空気が存在して、ここでの初回の燃焼による逆転作動が可能であり、しかも、膨張行程気筒12の空気量が多くなるので、ここでの燃焼によるトルクを十分に大きくして、始動性を確保することができる。
そこで、アイドル時にエンジン1を自動停止させるときには、まず、各気筒12A〜12Dの掃気が十分に行われるように、アイドル回転速度よりもやや高い所定回転速度で燃料カットを行うとともに、その後、惰性で回転するエンジン1が停止するまでの間(以下、停止動作期間ともいう)の所定期間、スロットル弁23を開いて、予め設定した開度になるように制御し、これにより前記停止時圧縮行程気筒12及び停止時膨張行程気筒12へそれぞれ吸入される空気量が十分に多くなるとともに、特に膨張行程気筒12の空気量が多くなって、その空気の圧縮反力が圧縮行程気筒12よりも大きくなるようにする。こうすると、2つの気筒12で相互に逆向きに作用する圧縮反力のバランスによって、膨張行程気筒12のピストン13が行程中央部から多少、下死点(BDC)寄りに停止することになる。
その上さらに、詳しくは後述するが、前記エンジン停止動作期間において次第に低下するエンジン回転速度をクランク角センサ30,31からの信号により検出し、これに基づいてスロットル弁23の開度を補正することで、惰性で回転するエンジン1のポンプ仕事量を増減させて、エンジン回転速度の低下の度合いを調整する。こうすることで、エンジン回転速度の低下する軌跡を修正し、この軌跡に沿ってエンジン1を自然に停止させることにより、膨張行程気筒12のピストン13を前記所定範囲R内に停止させることができる。
−エンジンの停止制御−
次に、前記ECU2によるエンジン停止の制御について図4〜8を参照して説明する。なお、図4は停止制御の手順を示すフローチャート図であり、図5は、エンジン停止動作期間におけるエンジン回転速度、クランク角及び各気筒12A〜12Dの行程の変化を互いに対応づけて示すとともに、その間に行われるスロットル開度の制御と、これによる吸気圧力(吸気管負圧)の変化とを模式的に示す説明図である。
また、図6は、前記停止動作期間において徐々に回転が低下するエンジン1のTDC回転速度(後述)と、停止後の膨張行程気筒12におけるピストン停止位置との相関関係を示す図であり、図7は特に停止前の最後から2番目のTDCについて拡大して示すものである。さらに、図8は、停止動作期間においてアップダウンを繰り返しながら徐々に低下するエンジン回転速度の軌跡を、スロットル弁23の制御によって修正する様子を示す説明図である。
まず、前記図5(a)に示すように、エンジン1の運転中に所定の設定回転速度(図例では800rpm)で燃料カットが行われると(時刻t0)、そのときにクランク軸3やフライホイール等の運動部分が有する運動エネルギーが機械的な摩擦や各気筒12A〜12Dのポンプ仕事によって消費されることで、エンジン回転速度が徐々に低下し、エンジン1は惰性で数回転した後に停止することになる。詳しくは、そのようにエンジン1が惰性で回転する間、エンジン回転速度は、微視的には各気筒12A〜12Dの圧縮上死点(TDC)を迎える毎に一時的に大きく落ち込み、TDCを越えると再び上昇する、というようにアップダウンを繰り返しながら低下して行く。そして、例えば図示の如く約800rpmで燃料カットした場合には、通常はTDCを8、9回越えて、その最後のTDCを越えた後に(時刻t3)、その次のTDCを越えることができなくなって、停止に至る(時刻t4〜t6)。
すなわち、前記の如くTDCを越えることができずに圧縮行程に留まる気筒12(図の#1気筒12A)では、慣性力によるピストン13の上昇に伴い空気圧が高まり、その圧縮反力によってピストン13が一旦、停止(時刻t4)した後に、BDCに向かって押し返される。これによりクランク軸3は逆転し、同図(a)に示すようにエンジン回転速度が負値になるが、そうすると、今度は膨張行程にある気筒12(前記最後のTDCを越えて膨張行程に移行した気筒であり、図例では#2気筒12B)の空気圧が上昇して、ピストン13にBDC側への圧縮反力が作用し、この圧縮反力によって該膨張行程気筒12のピストン13が一旦、停止(時刻t5)した後に、BDCに向かって押し返される。こうしてクランク軸3は再び正転し、エンジン回転速度は正値に戻る。
そのように、圧縮行程気筒12及び膨張行程気筒12のピストン13にそれぞれ逆向きに作用する圧縮反力によって、各気筒12A〜12Dのピストン13はそれぞれ数回、往復作動した後に停止することになるが(時刻t6)、その停止位置は、前記圧縮及び膨張行程気筒12の圧縮反力のバランスによって概略決定されるとともに、エンジン1の摩擦等の影響を受けて、停止前に最後にTDCを越えたときのエンジン1の回転慣性、即ち最後にTDCを越えたときのエンジン回転速度の高低によっても変化することになる。
従って、エンジン停止時に膨張行程気筒12のピストン13を再始動に適した所定範囲R内に停止させるためには、まず、その気筒12及び停止時圧縮行程気筒12の圧縮反力がいずれも十分に大きくなり、且つ膨張行程気筒12の圧縮反力が圧縮行程気筒12よりも所定以上、大きく適切なバランスとなるように、両方の気筒12への吸入空気量を調節する必要がある。このために、この実施形態では、図5(c)に示すように燃料カット後の所定の期間、スロットル弁23を開いて(時刻t1〜t2)、同図(d)に示すように一時的に吸気管負圧を減少(吸気量は増大)させることにより、停止時の圧縮及び膨張行程気筒12にそれぞれ所要量の空気が吸入されるようにしている。
しかしながら、実際のエンジン1ではスロットル弁23自体や吸気ポート17、分岐吸気通路21a等の形状に個体ばらつきがあり、それらを流通する空気流の挙動が変化することもあって、エンジン1の停止動作期間に各気筒12A〜12Dに流入する空気の量には或る程度のばらつきを生じるから、上述のようなスロットル弁23の開閉制御を行ったとしても、それだけではエンジン停止時に圧縮行程や膨張行程になる気筒12のピストン停止位置を正確に目標とする範囲R内に収めるることは難しい。
この点につき、本願発明では、図6に一例を示すように、停止動作期間においてエンジン回転速度が徐々に低下する過程で、各気筒12A〜12Dが順次、TDCを通過するときのエンジン回転速度(請求項に記載の上死点回転速度であり、以下、TDC回転速度ともいう)と、エンジン停止後に膨張行程にある気筒12のピストン停止位置と、の間には明確な相関関係があることに着目した。そして、前記図5(a)に示すように、エンジン回転速度が低下する過程で180°CA毎のTDC回転速度をそれぞれ検出し、この検出値に応じてスロットル弁23の開度を制御することにより、エンジン回転速度の落ち具合を少しずつ調整するようにした。
詳しくは、前記図6は、上述の如くエンジン回転速度が略800rpmのときに燃料カットを行い、その後の所定期間、スロットル弁23を開状態に維持するようにして、惰性で回転するエンジン1の各気筒12A〜12DがTDCを越える度に、そのときのエンジン回転速度(TDC回転速度)を計測するとともに、そうして停止した後の膨張行程気筒12のピストン位置を調べて、このピストン位置を縦軸に、また、前記TDC回転速度を横軸に取って、両者の関係を表したものである。このような作業を所定回数、繰り返すことで、エンジン停止動作期間におけるTDC回転速度と停止後の膨張行程気筒12におけるピストン停止位置との間の相関関係を表す分布図が得られる。
図の例では、エンジン停止前の最後のTDCを越えるときの回転速度は示されておらず、燃料カット直後のTDC回転速度(図例では最後から数えて9番目のもの)から最後の1つ前のTDC回転速度(最後から数えて2番目のもの)までのデータが示されている。この最後から9〜2番目のTDC回転速度は、それぞれ一塊りとなって分布しており、特に図示の6〜2番目のものにおいて明らかなように、TDC回転速度が或る特定の範囲(図に斜線を入れて示す範囲)にあれば、ピストン停止位置が再始動に好適な範囲R(ATDC100〜120°CA)に入ることが分かる。
より詳しくは、最後から2番目のTDC回転速度の分布のみを拡大して図7に示すと、図の例では、TDC回転速度は大体、280〜380rpmの範囲にあり、約320rpmを境にして、それよりも低回転側ではTDC回転速度の低下に伴いピストン停止位置が徐々にTDC寄りに変化している。一方、320rpm以上の高回転側では、ピストン停止位置はTDC回転速度に依らず概ね一様であり、ばらつきはあるものの大体、ATDC100〜120°CAの範囲Rに入っていることが分かる。このような特徴的な分布傾向が現れるのは、エンジン停止時の膨張行程気筒12及び圧縮行程気筒12にそれぞれ十分な量の空気が充填されており、この空気の圧縮反力によってピストン停止位置が行程中央部寄りに集まることによると考えられる。なお、320rpm以下で右上がりの分布となっているのは、気筒12内で往復動するピストン13がTDC側で反転した後、摩擦等により減速されて行程中央部まで戻ることができずに停止したものと考えられる。
一方、仮に燃料カット後にスロットル弁23の開作動を行わず、これを閉じたままにした場合には、同図に破線で示すような一様に右上がりの分布状態になり、TDC回転速度の高低に応じてピストン停止位置が変化することが分かる。これは、スロットル弁23を閉じたままにすると、図5(d)に仮想線で示すように吸気の圧力が低い(吸気管負圧が大きい)ままになり、停止後に各々膨張行程及び圧縮行程になる気筒12,12の圧縮圧力が小さくなることから、ピストン停止位置がエンジン回転速度(回転慣性)と摩擦との影響を相対的に強く受けることになるからである。
前記の如く、膨張行程気筒12のピストン13がエンジン1の再始動に好適な所定範囲Rに停止することになるTDC回転速度の特定の範囲(特定回転速度範囲)を、以下、この明細書では適正回転速度範囲と呼ぶものとする。この範囲はエンジン1の構造や仕様等によって異なり、実験的に求めらるものである。そして、前記TDC回転速度とピストン停止位置との相関関係から、燃料カット後のエンジン停止動作期間において徐々に低下するエンジン回転速度の落ち具合を少しずつ調整して、最後のTDCを迎えるまでにTDC回転速度が前記適正回転速度範囲に収まるようにすれば、その後、エンジン回転に急ブレーキをかける必要もなく、自然に停止させるだけで、膨張行程気筒のピストン13を再始動に適した範囲R内に停止させることができる。
そこで、この実施形態では、図8に示すように、エンジン回転速度がアップダウンを繰り返しながら徐々に低下するときに、各気筒12A〜12D毎のTDC回転速度をそれぞれ検出し、この検出値と前記適正回転速度範囲とを比較して、両者の速度偏差に応じてスロットル弁23を開閉するようにしている。例えば、同図に仮想線で示すようにエンジン回転速度の低下の軌跡NEが理想的な軌跡NE*(図に実線で示す)よりも低回転側にずれていて、最後から5番目と4番目のTDCにおいてTDC回転速度が適正な範囲(図に斜線を入れて示す範囲)の下限よりも低いことが検出されれば、これに応じてスロットル弁23が開かれる(TVO)。
そのスロットル弁23の開作動によって各気筒12A〜12Dのポンプ仕事が減少し、これによりエンジン回転速度の軌跡が高回転側に移動して行って、遅くとも最後のTDCを通過するまでに適正回転速度範囲に収まるようになれば、その時点でクランク軸3やフライホイール、或いはピストン13、コネクティングロッド等の運動部分が有する運動エネルギーや圧縮行程気筒12の高圧空気が有する位置エネルギー等が、その後に作用する摩擦等と見合うものになるので、エンジン1の停止時に膨張行程にある気筒12のピストン13は前記の再始動に適した範囲R内に停止することになるのである。
次に、上述したエンジン停止制御の具体的な手順を図4のフローチャートに基づいて説明すると、このフローはエンジン運転中の所定のタイミングでスタートして(START)、ステップSA1ではアイドルストップの条件が成立したか否かの判定を行う。この判定は、車速、ブレーキの作動状況、エンジン水温等に基づいて行うもので、例えば車速が所定速度よりも小さく、ブレーキが作動していて、エンジン水温が所定範囲内にあり、さらにエンジン1を停止させることに特に不都合のない状況であれば、アイドルストップ条件が成立したものとする。
前記ステップSA1でアイドルストップ条件が成立したとき(YESの場合)には、続くステップSA2で、いずれか1つの気筒12(図4のフローでは1番気筒12A又は4番気筒12D)を特定して、エンジンを停止させる所定の条件が成立したかどうかの判定を行う。すなわち、エンジン回転速度が燃料カットの設定回転速度(この実施形態では略800rpm)であるかどうか、前記特定した気筒12が予め設定した行程(例えば吸気行程)にあるかどうか等を判定する。そして、全ての条件が成立してYESと判定されれば、ステップSA3に進み、各気筒12A〜12Dへの燃料噴射を停止する(燃料cut)。
続いて、ステップSA4においてスロットル弁23を設定開度になるように開いて(スロットルopen)、続くステップSA5でエンジン回転速度が所定回転速度(図5の時刻t2におけるエンジン回転速度)以下と判定されるまでその状態を保ち、所定回転速度以下になれば(前記ステップSA5でYESの場合)ステップSA6に進んで、スロットル弁23を閉じる(スロットルclose)。このようにエンジン回転速度に応じてスロットル弁23を開閉することによって、図5(c)(d)に示すように停止時膨張行程気筒12(図例では#2気筒12B)及び停止時圧縮行程気筒12(図例では#1気筒12A)への吸気量が増大し、且つ該停止時膨張行程気筒12への吸気量が停止時圧縮行程気筒12よりも多くなるので、該停止時膨張行程12のピストンを概ね行程中央部よりもBDC寄りに停止させることができる。
続いてステップSA7では、クランク角センサ30からの信号により求められるTDC回転速度が適正回転速度範囲にあるかどうか判定して(TDC時の回転速度が所定範囲内?)、判定がYESでTDC回転速度が適正回転速度範囲にあれば、ステップSA8に進んで、今度はTDC回転速度が所定値A以下かどうか判定する。この所定値Aは、予め実験的にエンジン停止前の最後のTDC回転速度に対応づけて設定したものであり、前記ステップSA7で求めたTDC回転速度が所定値A以下ならば(判定がYESの場合)、エンジン1はその次のTDCを越えることができず、停止することになるから、後述のステップSA11に進む一方、TDC回転速度が所定値Aよりも高ければ(判定がNOの場合)、エンジン1はさらに次のTDCを越えることになるから、前記ステップSA7にリターンする。
また、前記ステップSA7において、TDC回転速度が適正回転速度範囲にないと判定された場合(NOの場合)には、ステップSA9に進み、TDC回転速度と適正回転速度範囲との間の回転速度の偏差に基づいてスロットル弁23の開度を算出する。そして、その開度になるようにステップSA10でスロットル弁23のアクチュエータ24を駆動して(スロットル駆動)、前記ステップSA8に進む。すなわち、例えばTDC回転速度が適正回転速度範囲の上限よりも高いときには、スロットル弁23を閉じる側に駆動して各気筒12A〜12Dのポンプ仕事量を増大させることで、エンジン回転速度の低下の度合いを大きくする。反対に、TDC回転速度が適正回転速度範囲の下限よりも低いときには、スロットル弁23を開く側に駆動して各気筒12A〜12Dのポンプ仕事量を減らすことで、エンジン回転速度の低下の度合いを緩やかにする。
こうしてスロットル弁23の開度を補正することで、図5(a)や図8に示すようにアップダウンを繰り返しながら徐々に低下するエンジン回転速度の軌跡を高回転側又は低回転側のいずれかにシフトさせて、徐々に所望の軌跡(図8に実線で示す)に近づけて行き、遅くとも最後のTDCまでには適正回転速度範囲に収めることができる。こうすれば、その後、自然に停止するエンジン1の膨張行程気筒12においてピストン13が再始動に好適な所定位置に停止することになる。
そうして、エンジン1が最後のTDCを越えて、そのときのTDC回転速度が所定値A以下になれば、ステップSA8においてYESと判定されてステップSA11に進み、今度はエンジン1が完全に停止したかどうか判定する。すなわち、停止時に各々膨張行程及び圧縮行程にある気筒12,12の相互に逆向きの圧縮反力によって、クランク軸3が正転及び逆転を数回、繰り返した後に静止したことを判定する。そして、この判定がYESになって、エンジン1の停止が確認されれば、ステップSA12に進んで、後述する停止位置検出ルーチンにより膨張行程にある気筒12のピストン停止位置を検出し、これをECU2のメモリに記憶して、エンジン停止制御を完了する(END)。
ここで、前記したように、エンジン1が完全に停止する直前にはクランク軸3が正逆両方に数回、回動するので、クランク角センサ30からの信号をカウントするのみではピストン停止位置を検出することはできない。そこで、この実施形態では、2つのクランク角センサ30,31から出力される互いに位相のずれたクランク角信号に基づいて、以下のようにクランク軸3の回転方向及び回転角度を検出し、これによりピストン停止位置を検出するようにしている。
図9は、ピストンの停止位置を検出する手順を示すフローチャートであり、このフローがスタートすると、ステップSC1で、第1クランク角信号CA1(第1クランク角センサ30からの出力信号)及び第2クランク角信号CA2(第2クランク角センサ31からの出力信号)に基づいて、ECU2が前記第1クランク角信号CA1の立ち上がり時に前記第2クランク角信号CA2がLow、Highのいずれであるか、或いは、前記第1クランク角信号CA1の立ち下がり時に前記第2クランク角信号CA2がHigh、Lowのいずれであるか、を判定する。つまり、これらの信号CA1,CA2の位相の関係が図10(a)のようになるか、又は図10(b)のようになるかを判別して、これによりエンジン1の正転、反転を判別する。
より詳しくは、エンジンの正転時には、図10(a)のように、第1クランク角信号CA1に対して第2クランク角信号CA2が半パルス幅程度の位相遅れを生じることになり、前記第1クランク角信号CA1の立ち上がり時に第2クランク角信号CA2がLowに、前記第1クランク角信号CA1の立ち下がり時に第2クランク角信号CA2がHighになる。一方、エンジンの逆転時には、図10(b)のように、前記第1クランク角信号CA1に対して第2クランク角信号CA2が半パルス幅程度の位相の進みを生じることになり、上述のエンジン正転時とは逆に、前記第1クランク角信号CA1の立ち上がり時に第2クランク角信号CA2がHighに、前記第1クランク各信号CA1の立ち下がり時に第2クランク角信号CA2がLowになるからである。
そして、前記フローのステップSC1でエンジン1が正転状態であると判定された場合(YESの場合)には、エンジン1の正転方向のクランク角変化を計測するためのCAカウンタのカウント数を増やし、反対に逆転状態であると判定された場合(NOの場合)には前記CAカウンタのカウント数を減らすようにする。ここで、第1クランク角信号CA1及び第2クランク角信号CA2の立ち上がり及び立ち下がりは、クランク軸3の回転により所定角度毎(この実施形態では、立ち上がり又は立ち下がりのそれぞれの間隔が略10度毎)に生じるように設定されているため、第1クランク角信号CA1の立ち上がり及び立ち下がり時の第2クランク角信号CA2の状態により、前記のようにしてエンジン1の正転・逆転を判定することができるとともに、前記第1クランク角信号CA1及び第2クランク角信号CA2の立ち上がり又は立ち下がりの回数によって、クランク軸3の回転角度を求めることができる。こうして、エンジン停止時に上述の如くクランク軸3が正逆、両方に回動しても、ピストン停止位置を正確に求めることができる。
以上、詳述したエンジン停止制御によって、アイドル時に燃料カットによりエンジン1を自動停止させるときに、スロットル弁23の制御によりエンジン回転速度の低下の度合いを少しずつ調整することで、エンジン1をスムーズに停止させながら、停止後の膨張行程気筒12においてピストン13を再始動に好適な所定範囲Rに停止させることができる。斯かるエンジン停止制御のフローにおいて、ステップSA3により、運転中のエンジン1の各気筒12A〜12Dへの燃料供給を停止することにより、エンジン1を停止させるエンジン停止手段2aが構成され、また、ステップSA4〜SA6により、前記エンジン停止手段1aによる燃料カットの後に、停止時膨張行程気筒12及び停止時圧縮行程気筒12の吸気量がそれぞれ増大するように所定のタイミングでスロットル弁23を開くとともに、特に該膨張行程気筒12の吸気量が圧縮行程気筒12よりも多くなるように所定のタイミングでスロットル弁23を閉じる吸気制御手段2bが構成されている。
さらに、ステップSA7〜SA10により、燃料カット後のエンジン停止動作期間にクランク角信号により求めたTDC回転速度に基づいて、その後のTDC回転速度がエンジン停止後のピストン停止位置と相関のある適正回転速度範囲に収まるようにスロットル弁23の開度を補正する吸気補正制御手段2cが構成されている。この吸気補正制御手段2cは、前記吸気制御手段2bによって一旦、閉じられたスロットル弁23を、前記の如く検出したTDC回転速度の適正回転速度範囲からの偏差に基づいて開閉制御するもので、TDC回転速度が前記適正回転速度範囲の下限よりも低いときにスロットル弁23を開き側に制御する一方、TDC回転速度が適正回転速度範囲の上限よりも高いときにはスロットル弁23を閉じ側に制御するようになっている。
なお、前記の如くエンジン1が燃料カット後に数回転してから停止する間に、各気筒12A〜12D内の既燃ガスは殆ど全て筒外へ掃気されることになり、また、エンジン1の停止後は、吸排気弁19,20の閉じている膨張行程気筒12や圧縮行程気筒12であっても気筒12内の空気がすぐにリークすることになるので、これら停止時膨張行程気筒12及び停止時圧縮行程気筒12にはいずれも略大気圧の新気(空気)が存在する状態になる。
−エンジンの始動制御−
次に、上述の如くしてアイドル時に自動停止したエンジン1を再始動する場合について、図11〜12に基づいて説明する。なお、図11及び図12は、始動制御の手順を示すフローチャートであり、図13は、始動時の各気筒12A〜12D毎の燃料噴射及び点火タイミングを当該各気筒12A〜12Dの行程の変化と吸排気弁の開作動状態とに対応づけて示した行程図である。また、図14は、前記始動時の各気筒12A〜12D毎の燃料噴射及び点火によって、当該各気筒12A〜12Dの筒内圧、発生トルク及びエンジン回転速度が変化する様子を時系列に示したタイムチャートである。
まず、始動制御の具体的な手順について図11、12のフローチャートに基づいて説明すると、このフローはエンジン停止状態からスタートして(START)、ステップSB1において所定のエンジン再始動条件が成立したか否かを判定する。この再始動条件とは、停車状態から発進するためにブレーキが解除された場合やアクセル操作等が行われた場合、エアコン等の動作のためにエンジンの運転が必要になった場合等であり、このような条件が成立していなければ、成立するまで待機する一方、再始動条件が成立すれば(ステップSB1でYES)、ステップSB2へ進む。
ステップSB2では、上述したようにクランク角信号のカウントにより求められたピストン13の停止位置に基づいて、エンジン停止時の圧縮行程気筒12(停止時圧縮行程気筒:図13及び図14の#1気筒12A)及び膨張行程気筒12(停止時膨張行程気筒::図13及び図14の#2気筒12B)の空気量を算出する。すなわち、ピストン13の停止位置から各気筒12A〜12Dの燃焼室容積を求めるとともに、前記の如く各気筒12A〜12D内が殆ど大気圧状態の新気で満たされた状態にあると仮定して、前記両気筒12の空気量をそれぞれ算出する。
続いてステップSB3では、前記ステップSB2で算出した停止時圧縮行程気筒12の空気量に対して所定の空燃比(圧縮行程気筒1回目用A/F)となるように、該圧縮行程気筒12に燃料を噴射する。この場合、前記空燃比は、エンジン停止時のピストン停止位置等に対応付けて予め設定されたマップから求められ、これにより、前記圧縮行程気筒12の空燃比は理論空燃比よりもリッチな空燃比(A/Fで略11〜14の範囲)に設定される。
次に、ステップSB4において、停止時圧縮行程気筒12への燃料噴射から燃料の気化時間を考慮して設定される所定時間経過後に、当該気筒12の点火プラグ15に通電して、混合気に点火する。そして、ステップSB5で、前記ステップSB4の点火から一定時間内にクランク角センサ30,31からの信号のエッジ(クランク角信号の立ち上がり又は立ち下がり)が検出されたか否かにより、ピストン13が動いたかどうかを判定し(クランク角信号の検出による判定は上述の図9及び図10参照)、失火等のためにピストン13が動かなかった場合(NOの場合)には、ステップSB6に戻って前記圧縮行程気筒12に対して繰り返し点火する。
一方、前記ステップSB5でクランク角信号のエッジが検出されて(YESの場合)、ピストン13が動いた、すなわちエンジン1が逆回転したと判定された場合には、続くステップSB7で、前記ステップSB2で算出された停止時膨張行程気筒12の空気量に対して所定の空燃比(膨張行程気筒12用A/F)となるように該膨張行程気筒12に燃料を噴射する。この場合も、前記膨張行程気筒12用の空燃比は、前記ステップSB3と同様に、エンジン停止時のピストン停止位置等に対応付けて予め設定されたマップから求められ、これにより、略理論空燃比もしくはそれよりも若干リッチな値に設定される。
そして、続くステップSB8で、エンジン1の逆回転に伴うピストン13の上昇により停止時膨張行程気筒12内の混合気が十分に圧縮され、この圧縮反力によってピストン13が殆ど停止する迄の所定時間(点火ディレイ)の経過後に、該膨張行程気筒12に対して点火を行う。このように膨張行程気筒12内の圧縮された混合気に点火して、燃焼させることで、エンジン1は十分に大きなトルクでもって正転方向に回転し始める。なお、前記点火ディレイの時間は、大体、エンジン1が逆回転して膨張行程気筒12のピストン13がTDC近傍に到達するまでの時間であり、エンジン停止時のピストン停止位置に対応付けて予め設定されたマップから求められる。
続いてステップSB9では、前記エンジン1の正転に伴い次にTDCを迎える前記停止時圧縮行程気筒12に対し、燃料の気化時間を考慮したタイミングで燃料を噴射する。これにより、噴射された燃料の気化潜熱で前記圧縮行程気筒12内の温度が下がり、筒内圧力が低下するため、エンジン1の正転に伴う当該気筒12の圧縮反力が小さくなり、ピストン13がTDCを容易に越えられるようになる。従って、前記ステップSB8における停止時膨張行程気筒12の燃焼により開始されたエンジン1の正転作動が持続され、停止時圧縮行程気筒12がTDCを越えて、各気筒12A〜12Dがそれぞれ次の行程へと進むことになる。
続いて、図12のステップSB10では、エンジン水温、エンジン停止時間、吸気温度等から推定される筒内温度と大気圧とに基づいて、前記エンジン1の正転動作により停止時の吸気行程気筒12(図13及び図14では#3気筒12C)内に充填される空気の密度(筒内空気密度)を推定し、この推定値に基づいて該吸気行程気筒12の空気量を算出する。そして、ステップSB11では、主に前記吸気行程気筒12の筒内温度の推定値から自着火防止等のための空燃比の補正値を算出し、続くステップSB12において、前記補正値を加味して決定した空燃比と、前記ステップSB10で算出された吸気行程気筒12内の空気量とに基づいて、該吸気行程気筒12への燃料噴射量を算出する。すなわち、停止時の吸気行程気筒12がエンジン始動後に最初に迎える圧縮行程でその圧縮圧力、筒内温度等により自着火するのを防止するとともに、その圧縮反力をできるだけ小さくするために空燃比を補正するようにしており、補正後の空燃比は例えばA/F=13程度のややリッチな状態になる。
そして、ステップSB13では、前記停止時吸気行程気筒12が圧縮行程になったときに、その圧縮行程中期で燃料噴射を行う。すなわち、通常の始動モータによる始動時には燃料を吸気行程で噴射するものだが、本実施形態では、燃料の気化潜熱により効果的に筒内の圧縮圧力が低下するように、エンジン停止時間、吸気温度、冷却水温度等を考慮して、圧縮行程の中期に噴射するようにしている。これにより、前記停止時吸気行程気筒12の圧縮圧力が効果的に低減され、このことによっても自着火の防止が図られる。その後、ステップSB14へと進み、前記停止時吸気行程気筒12がTDCを越えて膨張行程に移行した後に点火プラグ15に通電して、点火する。この点火時期も通常のエンジン始動時であればTDCよりも進角側(圧縮行程)に設定されているものであるが、この実施形態のように始動モータを用いない場合には、TDC前に点火すると、ピストン13に作用する逆トルクが始動の妨げとなる虞れがあるので、TDC通過後の膨張行程において点火するようにしたものである。
続いて、ステップSB15では、スロットル弁23よりも下流の分岐吸気通路21aの吸気圧力(吸気管負圧)がエンジン1の通常のアイドル運転時と比較して高いかどうか判定する。この判定でアイドル時よりも高いと判定された場合(YESの場合)には、ステップSB16に進み、吸気圧力に応じて、アイドル運転時のスロットル開度よりも小さくなるようにスロットル弁23を駆動して、該スロットル弁23よりも上流側から気筒12の燃焼室14内に吸入される空気量を絞り、前記ステップSB15へリターンする。そして、吸気圧力がアイドル運転時と同じになるまで前記スロットル弁23の制御を繰り返す一方、吸気圧力がアイドル運転時以下になってステップSB15でNOと判定されれば、ステップSB17に進み、通常のエンジン制御へ移行する。
以上のステップSB15,SB16では、エンジン停止中に大気圧に近い状態になっているサージタンク21b内の空気が始動時に気筒12内に吸入されてフル充填状態になると、エンジン回転が急激に吹き上がり、大きな振動が発生するという問題があることを考慮して、各気筒12A〜12Dへの空気の吸入をスロットル弁23により制限するようにしたものである。
上述のフローにより、アイドル時に自動停止したエンジン1を再始動要求に応じて始動モータ等を用いることなく再始動させることができる。すなわち、図13及び図14に示すように、アイドル時のエンジン停止状態でエンジン再始動要求があったとき(図14の時刻0.0)には、まず、圧縮行程にある気筒12(#1気筒12A)に対して燃料を噴射(両図に符号a1として示す。以下の燃料噴射及び点火について同様)して、これにより当該気筒12内に形成される混合気に点火することで(a2)、クランク軸3を一旦、少しだけ逆転方向(図13の左方向)に回転させる。これにより停止時膨張行程気筒12(#2気筒12B)の空気を圧縮するとともに、この気筒12に燃料を噴射して(a3)、当該気筒12内に混合気を形成し、この混合気に点火することで(a4)、エンジン1が正転方向(図13の右方向)に回転し始める。
続いて、前記停止時圧縮行程気筒12(#1気筒12A)がTDCを越える前に再び当該気筒に対して燃料噴射することで(a5)、この気筒12の圧縮圧力を低下させて、ピストン13がTDCを越え易くなるようにし、さらに、続いてTDCを迎える停止時吸気行程気筒12(#3気筒12C)に対しては、空燃比がリッチ状態となるように燃料を噴射するとともに、その燃料噴射時期を通常の時期(吸気行程)よりも遅らせて圧縮行程中期とすることで(a6)、自着火の発生を防止し、これに加えて、点火時期をTDC後まで遅角させることで(a7)、逆トルクが全く発生しないようにする。このようにして停止時吸気行程気筒12を燃焼させることで、エンジン1に確実に正転方向のトルクを付加し、エンジン回転速度を十分に高めて、始動性を確保することができる。
その際、スロットル弁23を通常のアイドル運転時よりも閉じた状態に制御することで、前記停止時吸気行程気筒12(#3気筒)に続いて点火、燃焼される停止時排気行程気筒12(#4気筒12D)への吸気の充填を制限し、且つこの気筒においても前記した停止時吸気行程気筒12と同様にして燃料噴射及び点火を行うことで(a8,a9)、その停止時排気行程気筒12の燃焼によりエンジン1に付加されるトルクがあまり大きくならないようにして、始動時にエンジン回転が急激に吹き上がったり、大きな振動が発生することを防止するようにしている。
−作用効果−
したがって、この実施形態のエンジンシステムE(エンジンの始動装置)によると、上述の如く、アイドル時にエンジン1を自動で停止するときには、まず、停止条件の成立に応じて各気筒12A〜12Dへの燃料供給を停止するとともに、スロットル弁23を所定期間だけ開いて、エンジン停止後に各々膨張行程及び圧縮行程になる気筒12,12の吸気量を増大させ、且つ該膨張行程気筒12の吸気量が圧縮行程気筒12よりも多くなるようにする。こうすることで、前記膨張行程及び圧縮行程の気筒12,12の圧縮反力のバランスによって、該膨張行程気筒12のピストン13が行程中央部よりもややBDC寄りに停止するようになる。
その上で、前記燃料カットの後のエンジン停止動作期間に各気筒12A〜12Dが順次、TDCを通過するときのエンジン回転速度をそれぞれ検出し、この検出したTDC回転速度と適正回転速度範囲との間の速度偏差に応じてスロットル弁23を開閉させる。これにより、エンジン1の各気筒12A〜12Dのポンプ仕事量の変化によって、エンジン回転速度の低下度合いが調整され、その低下する軌跡が高回転側又は低回転側のいずれかに徐々にシフトして行って、遅くとも最後のTDCまでには適正回転速度範囲に収まるようになる。
そして、そうなれば、その最後のTDCを越えた後は、そのまま自然にエンジン1を停止させるだけで、つまり、エンジン1にショックの発生を招くような制動力を付加することなく、膨張行程気筒12のピストン13を再始動に適した範囲R内に確実に停止させることができる。これにより、その後の再始動時において上述したように良好な始動性を安定的に確保することができる。
なお、この実施形態のエンジンシステムEでは、燃料カットの後の各気筒12A〜12D毎のTDC回転速度を全て検出して、スロットル弁23の制御を行うようにしているが、燃料カットの直後でエンジン回転速度が比較的高い間は、その回転速度とピストン停止位置との関係が比較的大きくばらつくので、例えば略半数のTDCを通過した後に(この実施形態で言えば最後から5番目のTDC以降で)検出したTDC回転速度に基づいて、スロットル弁23の制御を行うようにしてもよい。そのためには、例えばエンジン回転速度が所定回転速度よりも低くなった後に検出したTDC回転速度に基づいて、スロットル弁23の制御を行うようにすればよい。
また、前記実施形態では、燃料カット後に一旦、開いたスロットル弁23を全閉にした後に、これを開閉するようにしているが、スロットル弁23は全閉にする必要はなく、所定開度まで開いた後にその開度を調整するようにしてもよい。
さらに、前記実施形態のエンジン1では、各気筒12A〜12D毎の分岐吸気通路21aに弁体が個別に配置された多連型のスロットル弁23を備えており、これにより吸気流量の調整を行うものであるが、その多連型スロットル弁23の代わりの吸気流量調整機構として、例えば各気筒12A〜12D毎の吸気弁19のリフト量を変更する周知の可変動弁機構を採用してもよいし、或いは、サージタンク21b上流の共通吸気通路21cに配設した一般的な構成のスロットル弁を用いることもできる。
但し、サージタンク上流のスロットル弁の場合は、特に吸気を絞る側(吸気量を減少させる側)への応答遅れが大きくなり易いので、この場合には、TDC回転速度が適正回転速度範囲の下限よりも低いときにスロットル弁を開き側に制御するのみとなる。
さらにまた、前記実施形態におけるエンジン1の始動制御では、最初にクランク軸3を少しだけ逆転させて、停止時膨張行程気筒12の混合気を圧縮した後に点火するようにしているが、これに限るものではなく、本発明に係るエンジン停止制御は、最初に停止時膨張行程気筒12に点火して、これによりエンジンを再始動するエンジンシステムにも適用可能である。
本発明の実施形態に係るエンジン制御システムの概略構成図である。 エンジンの吸気系及び排気系の構成を示す模式図である。 エンジン停止時に各々膨張行程及び圧縮行程になる気筒のピストン停止位置と空気量との関係を示す説明図である。 アイドル時におけるエンジン自動停止の制御を示すフローチャートである。 エンジン停止動作期間におけるエンジン回転速度、クランク角、スロットル開度及び吸気管負圧の変化を、各気筒の行程の変化と対比して示す説明図である。 エンジン停止動作期間におけるTDC回転速度とエンジン停止後のピストン停止位置との相関関係を示す分布図である。 図6の最後から2番目のTDCについて拡大して示す図である。 エンジン回転速度の低下する軌跡をスロットル弁の制御によって修正する様子を示す説明図である。 エンジン停止時のピストン位置を検出するための処理を示すフローチャートである。 2つのクランク角センサから出力されるクランク角信号を示す説明図であり、(a)はエンジン正転時、(b)はエンジン逆転時のクランク角信号である。 アイドル時のエンジン再始動の前半の制御を示すフローチャートである。 アイドル時のエンジン再始動の後半の制御を示すフローチャートである。 エンジン再始動時の各気筒毎の燃料噴射及び点火タイミングを、各気筒の行程変化と吸排気弁の開作動状態とに対応づけて示す行程図である。 エンジン再始動時の各気筒毎の筒内圧、発生トルク及びエンジン回転速度の変化を示すタイムチャートである。
符号の説明
E エンジンシステム(エンジンの始動装置)
1 エンジン
2 ECU(エンジンコントローラ)
2a エンジン停止手段
2b 吸気制御手段
2c 吸気補正制御手段
12A〜12D 気筒
13 ピストン
23 スロットル弁(吸気量調整弁)
30 クランク角センサ(回転速度検出手段)

Claims (10)

  1. 停止している多気筒エンジンの少なくとも膨張行程にある気筒内に燃料を噴射供給し、点火、燃焼させることにより、始動モータを用いずに再始動するようにしたエンジンの始動装置であって、
    前記エンジンの吸気通路の下流側が各気筒毎に分岐して互いに独立の分岐吸気通路とされ、この分岐吸気通路に個別に吸気量調整弁の弁体が配設されており、
    運転中の前記エンジンの各気筒への燃料供給を停止することにより、該エンジンを停止させるエンジン停止手段と、
    前記エンジン停止手段による燃料供給の停止後に、前記吸気量調整弁を全閉から所定量開いた状態に制御する吸気制御手段と、
    前記燃料供給の停止によってエンジン回転速度が低下する過程で各気筒が順次、圧縮上死点を通過するときのエンジン回転速度をそれぞれ検出する回転速度検出手段と、
    前記回転速度検出手段によって検出された上死点回転速度に基づいて、その後に検出される上死点回転速度がエンジン停止後のピストン位置と相関のある特定の回転速度範囲に収まるように、前記吸気量調整弁の開度を補正する吸気補正制御手段とを備える
    ことを特徴とするエンジンの始動装置。
  2. 吸気制御手段は、エンジン停止後に各々膨張行程及び圧縮行程になる気筒の吸気量が増大するように所定のタイミングで吸気量調整弁を開くとともに、該膨張行程になる気筒の吸気量が圧縮行程になる気筒よりも多くなるように所定のタイミングで吸気量調整弁を閉じるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの始動装置。
  3. 吸気補正制御手段は、吸気制御手段によって一旦、閉じられた吸気量調整弁を上死点回転速度に基づいて開閉制御するものであって、上死点回転速度が特定回転速度範囲の下限よりも低いときに吸気量調整弁を開き側に制御する一方、上死点回転速度が特定回転速度範囲の上限よりも高いときには吸気量調整弁を閉じ側に制御するように構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のエンジンの始動装置。
  4. エンジン停止手段は、エンジンがアイドル運転を含む低負荷低回転の所定運転領域にあって且つ所定の停止条件が成立したときに、各気筒への燃料供給を停止するものであり、
    吸気制御手段は、エンジンが前記低負荷低回転の所定運転領域にあって且つ前記停止条件が成立していなければ、吸気量調整弁を全閉に近い所定開度になるように制御する一方、前記停止条件の成立に伴い、前記エンジン停止手段によって燃料供給が停止されれば、前記吸気量調整弁を前記所定開度から開く側に制御するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のエンジンの始動装置。
  5. 吸気補正制御手段は、エンジン停止手段による燃料供給の停止からエンジンが停止するまでの停止動作期間において、この期間に各気筒が通過する全上死点数の略半数を通過した後に、回転速度検出手段により検出される上死点回転速度に基づいて、吸気量調整弁の開度を補正するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のエンジンの始動装置。
  6. 吸気補正制御手段は、エンジンの停止動作期間に通過する全ての上死点のうち、エンジン停止前の最後の上死点から逆順に数えて5番目の上死点以降の上死点回転速度に基づいて、吸気量調整弁の開度を補正するように構成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載のエンジンの始動装置。
  7. エンジンの各気筒毎の分岐吸気通路の上流端がサージタンクに連通していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のエンジンの始動装置。
  8. 停止している多気筒エンジンの少なくとも膨張行程にある気筒内に燃料を噴射供給し、点火、燃焼させることにより、始動モータを用いずに再始動するようにしたエンジンの始動装置であって、
    前記エンジンの各気筒に連通する吸気通路には該気筒への吸気流量を調整可能な吸気流量調整機構が設けられており、
    運転中の前記エンジンの各気筒への燃料供給を停止することにより、該エンジンを停止させるエンジン停止手段と、
    前記エンジン停止手段による燃料供給の停止後に、各気筒への吸気流量が燃料供給停止前に比べて増大するように前記吸気流量調整機構を制御する吸気制御手段と、
    前記燃料供給の停止によってエンジン回転速度が低下する過程で各気筒が順次、圧縮上死点を通過するときのエンジン回転速度をそれぞれ検出する回転速度検出手段と、
    前記回転速度検出手段によって検出された上死点回転速度に基づいて、その後に検出される上死点回転速度がエンジン停止後のピストン位置と相関のある特定の回転速度範囲に収まるように、前記吸気量量調整機構を補正制御する吸気補正制御手段と、を備える
    ことを特徴とするエンジンの始動装置。
  9. 吸気流量調整機構は、各気筒の吸気弁のリフト量を変更するものであることを特徴とする請求項8に記載のエンジンの始動装置。
  10. 吸気流量調整機構は、各気筒に共通の吸気通路に弁体が配設された吸気量調整弁であり、
    吸気補正制御手段は、回転速度検出手段により検出された上死点回転速度が特定回転速度範囲の下限よりも低いときに、前記吸気量調整弁の開度を開き側に補正する制御のみを行うように構成されている
    ことを特徴とする請求項8に記載のエンジンの始動装置。
JP2003397782A 2003-11-27 2003-11-27 エンジンの始動装置 Expired - Fee Related JP4144516B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003397782A JP4144516B2 (ja) 2003-11-27 2003-11-27 エンジンの始動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003397782A JP4144516B2 (ja) 2003-11-27 2003-11-27 エンジンの始動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005155548A true JP2005155548A (ja) 2005-06-16
JP4144516B2 JP4144516B2 (ja) 2008-09-03

Family

ID=34722841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003397782A Expired - Fee Related JP4144516B2 (ja) 2003-11-27 2003-11-27 エンジンの始動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4144516B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007278296A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Robert Bosch Gmbh 多気筒ピストン内燃機関の直接始動方法
JP2008133775A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の停止位置制御装置
JP2008309093A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2011074832A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の停止制御装置
US8589056B2 (en) 2009-07-30 2013-11-19 Honda Motor Co., Ltd. Stop control system and method for internal combustion engine
JP7359040B2 (ja) 2019-03-08 2023-10-11 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007278296A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Robert Bosch Gmbh 多気筒ピストン内燃機関の直接始動方法
JP2008133775A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の停止位置制御装置
JP4737052B2 (ja) * 2006-11-28 2011-07-27 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の停止位置制御装置
JP2008309093A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4659785B2 (ja) * 2007-06-15 2011-03-30 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃料噴射制御装置
US8589056B2 (en) 2009-07-30 2013-11-19 Honda Motor Co., Ltd. Stop control system and method for internal combustion engine
JP2011074832A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の停止制御装置
JP7359040B2 (ja) 2019-03-08 2023-10-11 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4144516B2 (ja) 2008-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5786679B2 (ja) 圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置
JP4412025B2 (ja) エンジンの始動装置
JP3772891B2 (ja) エンジンの始動装置
JP5919697B2 (ja) ディーゼルエンジンの始動制御装置
JP3928616B2 (ja) エンジンの始動装置
JP3743414B2 (ja) エンジンの始動装置
JP3841058B2 (ja) エンジンの始動装置
JP3852389B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4321261B2 (ja) エンジンの始動装置
JP3945473B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4341391B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4144516B2 (ja) エンジンの始動装置
JP3945472B2 (ja) エンジンの始動装置
JP2004293444A (ja) エンジンの始動装置
JP3925493B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4395726B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4254607B2 (ja) エンジンの始動装置
JP3772890B2 (ja) エンジンの始動装置
JP3772892B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4329589B2 (ja) エンジンの始動装置
JP5831168B2 (ja) 圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置
JP4259297B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4356435B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4259375B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4438412B2 (ja) エンジンの始動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080414

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080527

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4144516

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130627

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees