JP2005155158A - 柱状構造物の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】狭い場所でも人力で施工することのできる柱状構造物の補強構造を提供する。
【解決手段】柱状構造物1の外周に追随して折れ曲がる薄帯板11を柱状構造物1の外周に所定の厚さまで巻き付け、その巻き終わりの端部の内周面を該端部よりも一周分内側部分の外周面と接着材20で接着することにより、柱状構造物1を補強することができ、柱状構造物1が受ける軸方向の圧縮力による径方向への膨出力に対抗することができる。また薄帯板11の巻き終わりの端部を接着材20で接着するため、溶接が不要であり、溶接工の技術や天候によって品質、特に強度にばらつきが生じにくく、また火を使わないので屋内でも施工できる。また薄帯板11と柱状構造物1との間にモルタルを行き渡らせる必要がないので、コンクリート圧送車等の設備が不要であり、また養生期間がないので工期を短縮することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、橋脚や建物の柱等の鉄筋コンクリート製の柱状構造物を耐震補強するための補強構造に関する。
橋脚や建物の柱等の鉄筋コンクリート製の柱状構造物を耐震補強する方法としては、補強用鋼板を周囲に巻いて溶接し、柱状構造物と鋼板との間にモルタル等の硬化性充填剤を充填する方法がある。この方法は、地震等により柱状構造物が受ける軸方向の圧縮力による径方向への膨出力に対して特に有効である。
また、例えば特許文献1に示すように、補強用鋼板同士2を溶接せずに、断面鋸歯状の噛み合わせ継手4、5やボルト6及びナット7を用いて接合し、内部にモルタル3を充填するものもある(特許文献1、図1参照)。この接合方法は溶接を行わないので、溶接工の技術や天候によって品質、特に強度にばらつきが生じにくく、また火を使わないので屋内でも施工できるという利点がある。
柱状構造物1に補強用鋼板2を巻きつける方法としては、例えば特許文献1に示すように、取付用治具9を使用するものがある(特許文献1、図2参照)。取付用治具9は、柱状構造物1の根元部分1aに固定される土台9aと、土台9aに回動自在に取り付けられ、柱状構造物1を挟持する方向に回転する鋼板載置部9bとからなる。
まず、取付用治具9を組み立てて柱状構造物1に固定する。次に、鋼板載置部9b上に補強用鋼板2をそれぞれ内表面側を上にして載置する。この状態で、両鋼板載置部9bを立て起こし、継手部分を接合する。
柱状構造物1の高さが高い場合には、この後、組み立てられた補強用鋼板2をせり上げ、下部に同様にして補強用鋼板2を組み立てる。その後、上下の補強用鋼板2同士を溶接し、内部にモルタル3を充填する。養生後、取付用治具9を解体する。
特許第3177730号公報
しかし、上記の方法では、補強鋼板が大きいため、製作に費用がかかる。また補強鋼板を立て起こすには機械を用いる必要があるとともに、広い作業スペースが必要となるため、狭い箇所での施工性が悪い。また補強鋼板と柱状構造物との間にモルタルを行き渡らせるための作業が煩雑であった。
本発明の課題は、狭い場所でも人力で施工することのできる柱状構造物の補強構造を提供することにある。
以上の課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、図1または図2に示すように、柱状構造物1の補強構造10であって、柱状構造物1の外周に追随して折れ曲がる薄帯板11を柱状構造物1の外周に所定の厚さまで巻き付けてなり、その巻き終わりの端部の内周面に該端部よりも一周分内側部分の外周面と接着する接着材20を設けたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、柱状構造物1の外周に追随して折れ曲がる薄帯板11を柱状構造物1の外周に所定の厚さまで巻き付け、その巻き終わりの端部の内周面を該端部よりも一周分内側部分の外周面と接着材20で接着することにより、柱状構造物1を補強することができ、柱状構造物1が受ける軸方向の圧縮力による径方向への膨出力に対抗することができる。また薄帯板11の巻き終わりの端部を接着材20で接着するため、溶接が不要であり、溶接工の技術や天候によって品質、特に強度にばらつきが生じにくく、また火を使わないので屋内でも施工できる。また薄帯板11と柱状構造物1との間にモルタルを行き渡らせる必要がないので、コンクリート圧送車等の設備が不要であり、また養生期間がないので工期を短縮することができる。
請求項2に記載の発明は、図3または図4に示すように、柱状構造物1の補強構造10であって、柱状構造物1の外周に沿って折り曲げられるとともに、端部同士を接着材20により接着され、柱状構造物1の外周に沿って環状に形成された薄帯板11の外側に、内側の薄帯板11の外周に沿って折り曲げられるとともに、端部同士を接着材20により接着され、内側の薄帯板11の外周に沿って環状に形成された薄帯板11を、所定の厚さになるまで重ねて設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、薄帯板11を柱状構造物1の外周に沿って折り曲げ、端部同士を接着材20により接着し、柱状構造物1の外周に沿って環状に形成し、その外側に別の薄帯板11を、内側の薄帯板11の外周に沿って折り曲げ、端部同士を接着材20により接着し、内側の薄帯板11の外周に沿って環状に形成し、薄帯板11の重なり厚さが所定の厚さになるまで重ねて設けることで、柱状構造物1を補強することができ、柱状構造物1が受ける軸方向の圧縮力による径方向への膨出力に対抗することができる。また薄帯板11を現場で柱状構造物1または内側の薄帯板11の外周に沿って折り曲げるため、柱状構造物1と薄帯板11との間や薄帯板11同士の間に生じる隙間を最小限にすることができる。
また、薄帯板11の端部同士を接着材20により接着して環状に形成するため、薄帯板11を小さくすることができ、現場への搬入を容易にすることができる。また、薄帯板11の端部を接着材20で接着するため、溶接が不要であり、溶接工の技術や天候によって品質、特に強度にばらつきが生じにくく、また火を使わないので屋内でも施工できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の柱状構造物1の補強構造10において、薄帯板11の内周面と該内周面よりも一周分内側の薄帯板11の外周面とを接着する接着材20を柱状構造物1の周方向に所定間隔で設けたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、薄帯板11の内周面と該内周面よりも一周分内側の薄帯板11の外周面とを接着する接着材20を柱状構造物1の周方向に所定間隔で設けたことで、柱状構造物1に巻き付けた薄帯板11が弛むことをより確実に防ぐことができる。
請求項4に記載の発明は、図5〜9に示すように、柱状構造物1の補強構造10であって、柱状構造物1の外周に沿って配置した所定の厚さの厚帯板12と、該厚帯板12の端部同士を互いに接着する接着材20とからなり、柱状構造物1の外周に沿って環状に形成されてなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、柱状構造物1の外周に沿って所定の厚さの厚帯板12を配置し、該厚帯板12の端部同士を接着材20で互いに接着し、柱状構造物1の外周に沿って環状に形成することにより、柱状構造物1を補強することができ、柱状構造物1が受ける軸方向の圧縮力による径方向への膨出力に対抗することができる。また厚帯板12の巻き終わりの端部を接着材20で接着するため、溶接が不要であり、溶接工の技術や天候によって品質、特に強度にばらつきが生じにくく、また火を使わないので屋内でも施工できる。また厚帯板12と柱状構造物1との間にモルタルを行き渡らせる必要がないので、コンクリート圧送車等の設備が不要であり、また養生期間がないので工期を短縮することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の柱状構造物1の補強構造10であって、前記薄帯板11の一周目部分の内周面または前記厚帯板12の内周面と柱状構造物1の外周面とを接着し、薄帯板11または厚帯板12を固定する接着材20を設けたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、薄帯板11の一周目部分の内周面または厚帯板12の内周面と柱状構造物1の外周面とを接着材20で接着し、薄帯板11または厚帯板12を固定することで、薄帯板11または厚帯板12が柱状構造物1の軸方向に移動することを防ぐことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の柱状構造物1の補強構造10において、前記薄帯板11または厚帯板12を柱状構造物1の高さ方向に間隔を空けて複数設けることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、薄帯板11または厚帯板12を柱状構造物1の高さ方向に間隔を空けて複数設けることで、柱状構造物1の全長にわたり薄帯板11または厚帯板12を設けた場合と同様に、柱状構造物1が受ける軸方向の圧縮力による径方向への膨出力に対抗することができる。
請求項1に記載の発明によれば、柱状構造物の外周に追随して折れ曲がる薄帯板を柱状構造物の外周に所定の厚さまで巻き付け、その巻き終わりの端部の内周面を該端部よりも一周分内側部分の外周面と接着材で接着することにより、柱状構造物を補強することができ、柱状構造物が受ける軸方向の圧縮力による径方向への膨出力に対抗することができる。また薄帯板の巻き終わりの端部を接着材で接着するため、溶接が不要であり、溶接工の技術や天候によって品質、特に強度にばらつきが生じにくく、また火を使わないので屋内でも施工できる。また薄帯板と柱状構造物との間にモルタルを行き渡らせる必要がないので、コンクリート圧送車等の設備が不要であり、また養生期間がないので工期を短縮することができる。
請求項2に記載の発明によれば、薄帯板を柱状構造物の外周に沿って折り曲げ、端部同士を接着材により接着し、柱状構造物の外周に沿って環状に形成し、その外側に別の薄帯板を、内側の薄帯板の外周に沿って折り曲げ、端部同士を接着材により接着し、内側の薄帯板の外周に沿って環状に形成し、薄帯板の重なり厚さが所定の厚さになるまで重ねて設けることで、柱状構造物を補強することができ、柱状構造物が受ける軸方向の圧縮力による径方向への膨出力に対抗することができる。また薄帯板を現場で柱状構造物または内側の薄帯板の外周に沿って折り曲げるため、柱状構造物と薄帯板との間や薄帯板同士の間に生じる隙間を最小限にすることができる。
また、薄帯板の端部同士を接着材により接着して環状に形成するため、薄帯板を小さくすることができ、現場への搬入を容易にすることができる。また、薄帯板の端部を接着材で接着するため、溶接が不要であり、溶接工の技術や天候によって品質、特に強度にばらつきが生じにくく、また火を使わないので屋内でも施工できる。
請求項3に記載の発明によれば、薄帯板の内周面と該内周面よりも一周分内側の薄帯板の外周面とを接着する接着材を柱状構造物の周方向に所定間隔で設けたことで、柱状構造物に巻き付けた薄帯板が弛むことをより確実に防ぐことができる。
請求項4に記載の発明によれば、柱状構造物の外周に沿って所定の厚さの厚帯板を配置し、該厚帯板の端部同士を接着材で互いに接着し、柱状構造物の外周に沿って環状に形成することにより、柱状構造物を補強することができ、柱状構造物が受ける軸方向の圧縮力による径方向への膨出力に対抗することができる。また厚帯板の巻き終わりの端部を接着材で接着するため、溶接が不要であり、溶接工の技術や天候によって品質、特に強度にばらつきが生じにくく、また火を使わないので屋内でも施工できる。また厚帯板と柱状構造物との間にモルタルを行き渡らせる必要がないので、コンクリート圧送車等の設備が不要であり、また養生期間がないので工期を短縮することができる。
請求項5に記載の発明によれば、薄帯板の一周目部分の内周面または厚帯板の内周面と柱状構造物の外周面とを接着材で接着し、薄帯板または厚帯板を固定することで、薄帯板または厚帯板が柱状構造物の軸方向に移動することを防ぐことができる。
請求項6に記載の発明によれば、薄帯板または厚帯板を柱状構造物の高さ方向に間隔を空けて複数設けることで、柱状構造物の全長にわたり薄帯板または厚帯板を設けた場合と同様に、柱状構造物が受ける軸方向の圧縮力による径方向への膨出力に対抗することができる。このため柱状構造物全体に薄帯板または厚帯板を設ける場合と比較してより小さい部材を用いることができるので、材料費を抑えることができるとともに、狭い場所でも機械を用いず人力で施工することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1、2は本発明の第1の実施の形態例を示す図である。柱状構造物1の補強構造10は、例えば鉄筋コンクリート製などの柱状構造物1の外周に巻かれた薄帯板11と、薄帯板11を柱状構造物11の外周に巻かれた状態で固定する接着材20とからなる。
薄帯板11は、柱状構造物1の外周面に一端を固定された状態で、人力により柱状構造物1の外周に沿って巻き付けられる。薄帯板11は、柱状構造物1を補強するのに充分な厚さになるまで巻き付けられる。薄帯板11が薄いときは巻き付け回数を多くする必要があるが、薄帯板11の曲げ強度が小さくなるため、柱状構造物1の外周に沿って容易に巻きつけることができる。なお薄帯板11が厚いときは少ない巻き付け回数でよい。
薄帯板11としては、人力で容易に折り曲げることのできるものを用いることができ、例えば厚さ1mm程度以下の帯状の鋼板などを用いることができる。薄帯板11としては、その他にも塗装あるいはメッキした鋼材や、ステンレス板など任意の材料のものを使用することができる。薄帯板11の厚さや幅は持ち運びなどの作業性によっても定まる。
接着材20は薄帯板11の内周面に設けられ、巻き始めの部分、巻き終わりの部分、その間の部分などに所定の間隔、例えば半周あるいは一周毎に設けられる。薄帯板11の一周目に設けられた接着材20は、薄帯板11を柱状構造物1に固定する。二周目移行に設けられた接着材20は、薄帯板11の巻きが弛んだり、薄帯板11が下方へずれたりすることを防ぐ。あるいは、薄帯板11の内周面全体に接着材20を設けてもよい。
接着材20は、例えばアクリル系や、エポキシ系の接着剤などを塗布して設けることができるが、これに限られるものではない。
以下に、本実施の形態の柱状構造物1の補強構造10を設ける方法について説明する。まず、柱状構造物1のある現場に薄帯板11と接着材20とを搬入する。薄帯板11は平板状のものを搬入してもよいし、ロール状のものを搬入してもよい。
次に、薄帯板11を柱状構造物1に巻き付ける。薄帯板11の一端に接着材20を設け、柱状構造物1の外周面に接着材20を接着し、薄帯板11の一端を柱状構造物1に固定する。その固定位置から薄帯板11を柱状構造物1に巻き付けていく。このとき薄帯板11の内周面に所定間隔、例えば半周あるいは一周毎に接着材20を設け、薄帯板11の一巻き内側の外周面と接着することで、巻き付けた薄帯板11が弛むことを防ぐことができる。
薄帯板11を端部まで巻き付けたら、薄帯板11の巻き終わりの端部の内周面に接着材20を設け、薄帯板11の一巻き内側の外周面と接着し、巻き付けた薄帯板11が弛むことを防ぐ。一枚の薄帯板11を巻き付けただけでは柱状構造物1を補強するのに充分な巻き付け厚さが得られない場合には、巻き付けた薄帯板11の外周面に同様にして薄帯板11を巻き付けていく。柱状構造物1を補強するのに充分な巻き付け厚さとなるまでこれを繰り返す。以上の過程を経て柱状構造物1の補強構造10が完成する。
薄帯板11の巻き付けは、一箇所のみでもよいが、柱状構造物1の高さ、薄帯板11の幅や巻き付け厚さなどに応じ、柱状構造物1の高さ方向に所定の間隔で設けてもよいし、間隔を空けずに連続して設けてもよい。また、柱状構造物1に対して薄帯板11を螺旋状に巻き付けてもよい。以上のようにして設けた柱状構造物1の補強構造10により、柱状構造物1が受ける軸方向の圧縮力による径方向への膨出力に対抗することができる。
本発明の第1の実施の形態では、柱状構造物1に薄帯板11を人力で巻き付け、その巻き終わりの端部の内周面に接着材20を設けて該端部よりも一周分内側部分の外周面と接着することで、容易に柱状構造物1の補強構造10を形成することができ、建物内部や橋脚などで施工スペースを充分に確保できない場合にも施工することができる。また柱状構造物1に直接薄帯板11を巻き付けて補強するため、薄帯板11と柱状構造物1との間にモルタル等の充填材を充填する必要がなく、空間の節約となり、補強後の周囲の空間を有効に利用することができる。
あるいは、図3または図4に示すように、平板状の薄帯板11を柱状構造物1の外周に沿った形状に折り曲げ、柱状構造物1の外周に沿って薄帯板11を配置するとともに、端部同士を接着材20で接着し、環状の補強構造10を形成してもよい。薄帯板11の折り曲げは、手動式の折曲機を用いて行うことができる。
また、柱状構造物1の外周に沿って設けた薄帯板11の外側に、別の薄帯板11を、内側の薄帯板11の外周に沿って折り曲げるとともに、端部同士を接着材20により接着し、内側の薄帯板11の外周に沿って環状に形成し、薄帯板11の重なり厚さが柱状構造物1を補強するのに充分な厚さとなるまで重ねて設けてもよい。また、内側の薄帯板11と外側の薄帯板11との間に接着材20を設け、内側の薄帯板11の外周面と外側の薄帯板11の内周面とを接着してもよい。
薄帯板11の折り曲げ形状は、図3に示すように水平断面コ字形であってもよいし、また図4に示すように、水平断面L字形であってもよく、その他の形状でも柱状構造物1の外周形状に合わせて任意の形状とすることができる。
薄帯板11の端部同士を接着材20により接着して環状に形成することで、薄帯板11を小さくすることができ、現場への搬入を容易にすることができる。また現場で薄帯板11を柱状構造物1の外周に沿った形状に折り曲げることで、柱状構造物1と薄帯板11との隙間を最小限にすることができる。
本実施の形態では、必要な枚数の薄帯板11と折曲機、接着材を搬入するだけで柱状構造物1の補強を行うことができるため、建物内の柱状構造物1で店舗等が近くにあり、補強構造10自体のスペースや補強構造の施工のための充分なスペースが取れないような場所でも、補強構造10の施工を行うことができる。なお昼間の作業は店舗等の営業の妨げとなるため、店舗等の付近の柱状構造物1の補強作業は、夜間に短時間で施工することとなる。
図5、6は本発明の第2の実施の形態例を示す図である。本発明の第2の実施の形態では、平板状の厚帯板12(平帯板14)や、断面形状がコ字形でその凹部の幅が断面方形の柱状構造物1の幅に等しい厚帯板12(コ字帯板13)を該柱状構造物1の外周に配置している。各厚帯板12は端部に接着材20が設けられて互いに接着されるとともに、必要に応じて内周面にも接着材20が設けられ、柱状構造物1の外周面に接着されている。
厚帯板12は、薄帯板11と同様の帯状の鋼板や塗装あるいはメッキした鋼材、ステンレス板、その他の材料を使用することができるが、薄帯板11よりも曲げ強度が強いものを使用する。厚帯板12は人力で曲げることができなくてもよい。厚帯板12は柱状構造物1の外周に配置された状態で、柱状構造物1を補強するのに充分な厚さを有していることが好ましいが、柱状構造物1の外周面に複数枚重ねて配置して厚さを確保してもよい。
厚帯板12同士や、厚帯板12と柱状構造物1とを接着する接着材20は、第1の実施の形態と同様のものを使用することができる。
以下に、本実施の形態の柱状構造物1の補強構造10を設ける方法について説明する。まず図6に示すように、コ字帯板13を対向させて配置し、コ字帯板13の凹部に断面方形の柱状構造物1が位置するようにする。なお、コ字帯板13の凹部に接着材20を設け、コ字帯板13と柱状構造物1とを接着してもよい。
次いで、コ字帯板13の両端部の外周面に接着材20を設け、両コ字帯板13の端部に平板状の厚板を接着する。以上により柱状構造物1の外周に沿って厚帯板12と接着材20とからなる方形枠状の補強構造10を形成する。なお、図7に示すように、平帯板14の代わりにコ字帯板13を用いてもよい。
あるいは、図8または図9に示すように、断面方形の柱状構造物1の角部に断面略L字形の厚帯板12(L字帯板15)を配置し、各厚帯板12を端部で互いに重ね合わせるとともに、その重なり部分に接着材20を設け、各厚帯板12同士を端部で接着して方形枠状の補強構造10を形成してもよい。あるいは平帯板14、コ字帯板13、L字帯板15を組み合わせて方形枠状の補強構造10を形成してもよい。
これらの方形枠状の補強構造10は、単独で設けてもよいが、柱状構造物1の高さや厚帯板12の幅や厚さに応じて、柱状構造物1の高さ方向に所定の間隔で設けてもよいし、間隔を空けずに連続して設けてもよい。
本発明の第2の実施の形態によれば、厚帯板12を折り曲げずに柱状構造物1の外周部で互いに接着させて環状の補強構造10を形成するため、人力で施工することができ、柱状構造物1を補強するのに充分な厚さの補強構造10を形成することができる。
なお以上の実施形態は建物の柱以外の柱状構造物、例えば橋脚等の鉄筋コンクリート製の構造物などの補強に適用することもできる。また薄帯板11や厚帯板12の材質や厚さ、幅、長さなどその他具体的な細部構造についても変更可能なことはもちろんである。
本発明の柱状構造物の補強構造の形態例を示す斜視図である。 本発明の柱状構造物の補強構造の形態例を示す水平断面図である。 本発明の柱状構造物の補強構造の形態例を示す水平断面図である。 本発明の柱状構造物の補強構造の形態例を示す水平断面図である。 本発明の柱状構造物の補強構造の形態例を示す斜視図である。 本発明の柱状構造物の補強構造の形態例を示す水平断面図である。 本発明の柱状構造物の補強構造の形態例を示す水平断面図である。 本発明の柱状構造物の補強構造の形態例を示す水平断面図である。 本発明の柱状構造物の補強構造の形態例を示す水平断面図である。
符号の説明
1 柱状構造物
10 補強構造
11 薄帯板
12 厚帯板
13 コ字帯板
14 平帯板
15 L字帯板
20 接着材

Claims (6)

  1. 柱状構造物の外周に追随して折れ曲がる薄帯板を柱状構造物の外周に所定の厚さまで巻き付けてなり、その巻き終わりの端部の内周面に該端部よりも一周分内側部分の外周面と接着する接着材を設けたことを特徴とする柱状構造物の補強構造。
  2. 柱状構造物の外周に沿って折り曲げられるとともに、端部同士を接着材により接着され、柱状構造物の外周に沿って環状に形成された薄帯板の外側に、内側の薄帯板の外周に沿って折り曲げられるとともに、端部同士を接着材により接着され、内側の薄帯板の外周に沿って環状に形成された薄帯板を、所定の厚さになるまで重ねて設けたことを特徴とする柱状構造物の補強構造。
  3. 薄帯板の内周面と該内周面よりも一周分内側の薄帯板の外周面とを接着する接着材を柱状構造物の周方向に所定間隔で設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の柱状構造物の補強構造。
  4. 柱状構造物の外周に沿って配置した所定の厚さの厚帯板と、該厚帯板の端部同士を互いに接着する接着材とからなり、柱状構造物の外周に沿って環状に形成されてなることを特徴とする柱状構造物の補強構造。
  5. 前記薄帯板の一周目部分の内周面または前記厚帯板の内周面と柱状構造物の外周面とを接着し、薄帯板または厚帯板を固定する接着材を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の柱状構造物の補強構造。
  6. 前記薄帯板または厚帯板を柱状構造物の高さ方向に間隔を空けて複数設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の柱状構造物の補強構造。
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