JP2005154860A - 誘電体被覆電極及び薄膜形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性母材の表面に第1の金属を主成分とする粒子を溶射して誘電体を被覆した後に、誘電体の表層を第2の金属を主成分とする封孔剤で封孔処理した誘電体被覆電極及びこの誘電体被覆電極を備えた薄膜形成装置10である。ダイナミックSIMS測定(動的二次イオン質量分析測定)による、封孔処理後の誘電体における表面から所定の深さにかけて検出されるホウ素、アルカリ金属及びアルカリ土類金属に属する元素Xの全てのイオン強度が、元素Xのイオン強度/第1の金属のイオン強度≦1.0×10-1の式を満たし、かつ、元素Xのうち少なくとも1つのイオン強度が、1.0×10-5≦元素Xのイオン強度/第1の金属のイオン強度の式を満たす。
【選択図】図6
Description
これに対して、本発明者は、誘電体表面付近における微量元素(ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属)の含有量をコントロールすることによって、誘電体の空隙及び微小な格子欠陥を無くし、安定した放電状態を持続させることが可能であることを見いだした。
導電性母材の表面に第1の金属を主成分とする粒子を溶射して誘電体を被覆した後に、該誘電体の表層を第2の金属を主成分とする封孔剤で封孔処理した誘電体被覆電極において、
ダイナミックSIMS測定による、封孔処理後の誘電体における表面から所定の深さにかけて検出されるホウ素、アルカリ金属及びアルカリ土類金属に属する元素Xの全てのイオン強度が、
元素Xのイオン強度/第1の金属のイオン強度≦1.0×10-1
の式を満たし、
かつ、元素Xのうち少なくとも1つのイオン強度が、
1.0×10-5≦元素Xのイオン強度/第1の金属のイオン強度
の式を満たすことを特徴としている。
前記第1の金属がアルミニウムであり、前記第2の金属が珪素であることを特徴としている。
前記所定の深さが1μm以上であることを特徴としている。
前記封孔処理は、前記第2の金属を主成分とする封孔剤をゾルゲル反応により硬化させる処理であることを特徴としている。
薄膜形成装置において、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の誘電体被覆電極が互いに対向して配置され、大気圧又は大気圧近傍の圧力の下で、前記対向する誘電体被覆電極間に100kHz以上の高周波電圧を印加し、かつ1W/cm2以上の電力を供給して放電させることにより、反応性ガスをプラズマ状態とし、前記プラズマ状態の反応性ガスに基材を晒すことによって前記基材の表面に薄膜を形成することを特徴としている。
本発明の誘電体被覆電極は、金属等の導電性母材の表面に第1の金属を主成分とする粒子を溶射して誘電体を被覆した後に、該誘電体の表層を第2の金属を主成分とする封孔剤で封孔処理したものである。
「元素Xのイオン強度/第1の金属のイオン強度≦1.0×10-1」
の式を満たし、かつ、元素Xのうち少なくとも1つのイオン強度が、
「1.0×10-5≦元素Xのイオン強度/第1の金属のイオン強度」
の式を満たす。
なお、所定の深さとは、1μm以上であることが好ましい。
測定条件は、
一次イオン:O2 +
加速電圧:5kV
一次イオン電流:300nA
一次イオン照射面積:300μm角
とした。
(1)導電性母材が純チタンで、誘電体がセラミック溶射被膜
(2)導電性母材がチタン合金で、誘電体がセラミック溶射被膜
(3)導線性母材がステンレスで、誘電体がセラミック溶射被膜
(4)導電性母材がセラミックおよび鉄の複合素材で、誘電体がセラミック溶射被膜
(5)導電性母材がセラミックおよびアルミの複合材料で、誘電体がセラミック溶射被膜
等がある。線熱膨張係数の差という観点では、前記の(1)、(2)、(4)、(5)が好ましい。
詳しくは特開2000−301655号公報等に記載の高温被膜部材に熱遮蔽被膜を形成する溶射方法を参照することができる。この方法によれば、被覆する誘電体(セラミック等)を空隙率10%以下、さらには8体積%以下とすることが可能である。
また、電極間に供給する電力の下限値としては、好ましくは1.2W/cm2以上であり、上限値としては、好ましくは50W/cm2以下、さらに好ましくは20W/cm2以下である。なお、放電面積(/cm2)とは、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。本発明のように、高い周波数で、かつ、高い出力密度でハイパワーの電圧を印加する場合には、片側の電極の放電面の総面積に相当する。この総面積で、前記電極に接続した電源から供給される全電力を割り算すると、出力密度を算出することができる。
図1において、長尺フィルム状の基材Fは搬送方向(図中、時計回り)に回転するロール電極21に巻回されながら搬送される。固定されている電極22は複数の円柱から構成され、ロール電極21に対向させて設置される。ロール電極21に巻回された基材Fは、ニップローラ23a,23bで押圧され、ガイドローラ24で規制されてプラズマ放電処理容器20によって確保された放電処理空間に搬送され、プラズマ放電処理され、次いで、ガイドローラ25を介して次工程に搬送される。また、仕切版6は前記ニップローラ23bに近接して配置され、基材Fに同伴する空気がプラズマ放電処理容器20内に侵入するのを抑制する。
なお、プラズマ放電処理に用いられる混合ガス(不活性ガスと反応性ガス)は、給気口27からプラズマ放電処理容器20に導入され、処理後のガスは排気口28から排気される。
図1に示した円柱型の電極22に比べて、図2に示した角柱型の電極29は、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、薄膜を形成するのに好ましく用いられる。
なお、本実施の形態においては、ロール電極の母材は冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材を使用している(図示省略)。
図6において、プラズマ放電処理容器20の部分は図2の記載と同様であるが、さらに、ガス発生装置40,電源50,電源冷却ユニット70等が装置構成として配置されている。電極冷却ユニット70の冷却剤としては、蒸留水,油等の絶縁材料が用いられる。
前記電極間の距離は、電極の導電性母材に設けた固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。前記電極の一方に固体誘電体を設けた場合の固体誘電体と電極の最短距離、前記電極の双方に固体誘電体を設けた場合の固体誘電体同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.5mm〜20mmが好ましく、特に好ましくは1mm±0.5mmである。
また、JIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.1μm以下である。
上側平板電極121は、複数の略矩形状の平板電極121a,…が左右に対向して配置されて構成されたもので、これらの複数の電極121a,…間の隙間がそれぞれガス流路部123,…とされている。つまり、上側平板電極121の上方には、ガス供給部124が設けられており、このガス供給部124から反応性ガスや不活性ガスがそれぞれのガス流路部123,…内に送給されて、下側平板電極122との間で噴出される。
下側平板電極122は、アースに接地してあり、基材Lをその表面に装着し、かつ、基材Lをガス流路部123に対して前後方向に往復移動させる。従って、この下側平板電極122が移動することによって、上側平板電極121と下側平板電極122との間でプラズマ状態とされ、基材Lに製膜が行われる。
本発明において使用するガスは、基材上に設けたい薄膜の種類によって異なるが、基本的に、不活性ガスと、薄膜を形成する為の反応性ガスの混合ガスである。反応性ガスは、混合ガスに対して0.01〜10体積%含有させることが好ましい。薄膜の膜厚としては、0.1nm〜1000nmの範囲の薄膜が得られる。
例えば、反応性ガスとして、ジンクアセチルアセテート、トリエチルインジウム、トリメチルインジウム、ジエチル亜鉛、ジメチル亜鉛、テトラエチル錫、テトラメチル錫、ニ酢酸−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、などから選択された少なくとも1つの有機金属化合物を含むガスを用いて、導電性膜あるいは帯電防止膜、あるいは反射防止膜の中屈折率層として有用な金属酸化物層を形成することができる。
また、有機フッ素化合物、珪素化合物、又はチタン化合物を含有する反応性ガスを用いることによって、反射防止膜の低屈折率層または、高屈折率層を設けることができる。
さらに、1塩化3フッ化メタン、1塩化フッ化メタン、2塩化4フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物やアルコール、酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体を用いることができるがこれらに限定されない。また、これらの化合物が分子内にエチレン性不飽和基を有していてもよい。前記の化合物は単体でも混合してもよい。
また、混合ガス中に酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選択される成分を0.01〜5体積%含有させることにより、反応促進され、かつ、緻密で良質な薄膜を形成することができる。
前記記載の珪素化合物、チタン化合物、としては、取り扱いの観点から金属水素化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、金属アルコキシドが好ましく用いられる。
電極膜:Au、Al、Ag、Ti、Pt、Mo、Mo−Si
誘電体保護膜:SiO2、SiO、Si3N4、Al2O3、Y2O3
透明電導膜:In2O3、SnO2
エレクトロクロミック膜:WO3、IrO2、MoO3、V2O3
蛍光膜:ZnS、ZnS+ZnSe、ZnS+CdS
磁気記録膜:Fe−Ni、Fe−Si−Al、γ−Fe2O3、Co、Fe2O3、Cr、SiO2、AlO3
超導電膜:Nb、Nb−Ge
太陽電池膜:a−Si、Si
反射膜:Ag、Al、Au、Cu
選択制吸収膜:ZrC−Zr
選択制透過膜:In2O3、SnO2
反射防止膜:SiO2、TiO2、SnO2
シャードーマスク:Cr
耐摩耗性膜:Cr、Ta、Pt、TiC、TiN
耐食性膜:Al、Zn、Cd、Ta、Ti、Cr
耐熱膜:W、Ta、Ti
潤滑膜:MoS2
装飾膜:Cr、Al、Ag、Au、TiC、Cu
本発明に用いることのできる基材としては、フィルム状のもの、レンズ状等の立体形状のもの等、薄膜をその表面に形成できるものであれば特に限定はない。基材が電極間に載置できるものであれば、電極間に載置することによって基材が電極間に載置できないものであれば、発生したプラズマガスを当該基材に吹き付けることによって、薄膜を形成すればよい。
基材としては好ましくはフィルム状のセルローストリアセテート等のセルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、さらにこれらの上にゼラチン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂等を塗設したもの等を使用することができる。
ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ尿素、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリジメチルアクリルアミド、ポリエーテルイミド、セルロースエステルなどが挙げられるが、この中ではセルロースエステルが好ましい。
重合ポリマーとしては、イソプレン、1.3−ブタジエン、p−シアノスチレン、p−メトキシスチレン、メタクリロニトリル、p−クロロスチレン、スチレン、α−メチルスチレン、メチルメタクリレート、メチルビニルケトン、アクリロニトリル、メチルアクリレート、酢酸ビニル、エチレン、イソブテン、塩化ビニリデン、塩化ビニル、イソブチルエーテル、ジメチルアクリルアミド、などが挙げられる。
前記金属アルコキシドとしては、金属種が、珪素、ジルコニウム、チタン、ゲルマニウム等のアルコキシドが挙げられるが、この中では珪素やチタンのアルコキシドが好ましい。
具体的な製法としては、特開2000−122038号公報を参考にして合成することが可能である。
(本発明の実施例1:誘電体被膜電極セットAの作製)
前記図2のプラズマ放電処理装置において、誘電体で被覆したロール電極及び複数の角柱型の印加電極のセットを以下のように作製した。
ロール電極21は、冷却水による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール母材(冷却手段は図2には図示していない)に対して、あらかじめホウ素あるいはアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を適量混合した、高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を、大気圧プラズマ法により被覆し、ロール径1000mmφとなるようにした。その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行った。このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmax5μmとなるように加工した。
このようにして作製した対向する電極セットAの耐熱温度は、200℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上であり、2000時間連続放電でも全く破壊は認められなかった。
前述の誘電体被覆電極セットAにおいて、印加電極に用いた中空の角形純チタンパイプをステンレスパイプに変更した以外は、同様にして誘電体被覆電極セットBを作製した。ステンレスに変更したことにより、印加電圧の導電性母材と誘電体の線熱膨張係数の差は9.8×10-6/℃となった以外は、誘電体表面のRmax、SiおよびAlのイオン強度、SiOx含有量、誘電体膜厚および比誘電率は誘電体被覆電極セットAと同様であった。
このようにして得られた誘電体被覆電極セットBの耐熱温度は120℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上であり、2000時間連続放電でも全く破壊は見られなかった。
ダイナミックSIMS測定によって誘電体被覆電極の表面から所定の深さにおける、Alのイオン強度に対する、ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属のイオン強度測定を行い、その結果のイオン強度比が、B/Al=0.9×10-1、Li/Al=5.0×10-4、Ca/Al=1.3×10-5であること以外は、実施例1と同様である。
このようにして作製した対向する電極セットCの耐熱温度は200℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上であり、2000時間連続放電でも全く破壊は見られなかった。
ダイナミックSIMS測定によって誘電体被覆電極の表面から所定の深さにおける、Alのイオン強度に対する、ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンの強度測定を行い、その結果のイオン強度比が、B/Al=1.1×10-5、Li/Al=5.0×10-4、Ca/Al=0.8×10-1であること以外は、実施例1と同様である。
このようにして作製した対向する誘電体被覆電極セットDの耐熱温度は200℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上であり、2000時間連続放電でも全く破壊は見られなかった。
ダイナミックSIMS測定によって誘電体被覆電極の表面から所定の深さにおける、Alのイオン強度に対する、ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンの強度測定を行い、その結果のイオン強度比が、B/Al=0.8×10-1、Li/Al=0.9×10-1、Ca/Al=1.1×10-5であること以外は、実施例1と同様である。
このようにして作製した対向する誘電体被覆電極セットEの耐熱温度は200℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上であり、2000時間連続放電でも全く破壊は見られなかった。
ダイナミックSIMS測定によって誘電体被覆電極の表面から所定の深さにおける、Alのイオン強度に対する、ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンの強度測定を行い、その結果のイオン強度比が、B/Al=1.0×10-5、Li/Al=0.9×10-1、Ca/Al=1.1×10-5であること以外は、実施例1と同様である。
このようにして作製した対向する誘電体被覆電極セットFの耐熱温度は200℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上であり、2000時間連続放電でも全く破壊は見られなかった。
ダイナミックSIMS測定によって誘電体被覆電極の表面から所定の深さにおける、Alのイオン強度に対する、ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンの強度測定を行い、その結果のイオン強度比が、B/Al=1.0×10-4、Li/Al=0.8×10-5、Ca/Al=0.8×10-5であること以外は、実施例1と同様である。
このようにして作製した対向する誘電体被覆電極セットGの耐熱温度は200℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上であり、2000時間連続放電でも全く破壊は見られなかった。
ダイナミックSIMS測定によって誘電体被覆電極の表面から所定の深さにおける、Alのイオン強度に対する、ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンの強度測定を行い、その結果のイオン強度比が、B/Al=0.8×10-5、Li/Al=5.0×10-4、Ca/Al=0.8×10-5であること以外は、実施例1と同様である。
このようにして作製した対向する誘電体被覆電極セットHの耐熱温度は200℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上であり、2000時間連続放電でも全く破壊は見られなかった。
ダイナミックSIMS測定によって誘電体被覆電極の表面から所定の深さにおける、Alのイオン強度に対する、ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンの強度測定を行い、その結果のイオン強度比が、B/Al=0.8×10-5、Li/Al=0.8×10-5、Ca/Al=5.0×10-5であること以外は、実施例1と同様である。
このようにして作製した対向する誘電体被覆電極セットIの耐熱温度は200℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上であり、2000時間連続放電でも全く破壊は見られなかった。
ダイナミックSIMS測定によって誘電体被覆電極の表面から所定の深さにおける、Alのイオン強度に対する、ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンの強度測定を行い、その結果のイオン強度比が、B/Al=1.1×10-1、Li/Al=5.0×10-4、Ca/Al=1.3×10-5であること以外は、実施例1と同様である。
このようにして作製した対向する誘電体被覆電極セットJの耐熱温度は120℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上ではあったが、連続放電が400時間であった。
ダイナミックSIMS測定によって誘電体被覆電極の表面から所定の深さにおける、Alのイオン強度に対する、ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンの強度測定を行い、その結果のイオン強度比が、B/Al=1.1×10-5、Li/Al=1.1×10-1、Ca/Al=0.8×10-1であること以外は、実施例1と同様である。
このようにして作製した対向する誘電体被覆電極セットKの耐熱温度は120℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上ではあったが、連続放電が400時間であった。
ダイナミックSIMS測定によって誘電体被覆電極の表面から所定の深さにおける、Alのイオン強度に対する、ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンの強度測定を行い、その結果のイオン強度比が、B/Al=0.8×10-1、Li/Al=0.9×10-1、Ca/Al=1.5×10-1であること以外は、実施例1と同様である。
このようにして作製した対向する誘電体被覆電極セットLの耐熱温度は120℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上ではあったが、連続放電が400時間であった。
ダイナミックSIMS測定によって誘電体被覆電極の表面から所定の深さにおける、Alのイオン強度に対する、ホウ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属イオンの強度測定を行い、その結果のイオン強度比が、B/Al=0.8×10-5、Li/Al=0.8×10-5、Ca/Al=0.8×10-5であること以外は、実施例1と同様である。
このようにして作製した対向する誘電体被覆電極セットMの耐熱温度は120℃、耐電圧は10kV以上、限界出力は400kW/m2以上ではあったが、連続放電が300時間であった。
その結果、著しく絶縁性を高め、放電状態を長時間維持することができる。
その結果、効果的に著しく絶縁性を高め、放電状態を長時間維持することができる。
その結果、良質の薄膜を形成することができる。
21 ロール電極(誘電体被覆電極)
21a,22a,29a 導電性母材
21b,22b,29b セラミック被覆処理誘電体(封孔処理後の誘電体)
22 円柱型の固定電極(誘電体被覆電極)
29 角柱型の固定電極(誘電体被覆電極)
120 電極(誘電体被覆電極)
121 上側平板電極(誘電体被覆電極)
122 下側平板電極(誘電体被覆電極)
Claims (5)
- 導電性母材の表面に第1の金属を主成分とする粒子を溶射して誘電体を被覆した後に、該誘電体の表層を第2の金属を主成分とする封孔剤で封孔処理した誘電体被覆電極において、
ダイナミックSIMS測定による、封孔処理後の誘電体における表面から所定の深さにかけて検出されるホウ素、アルカリ金属及びアルカリ土類金属に属する元素Xの全てのイオン強度が、
元素Xのイオン強度/第1の金属のイオン強度≦1.0×10-1
の式を満たし、
かつ、元素Xのうち少なくとも1つのイオン強度が、
1.0×10-5≦元素Xのイオン強度/第1の金属のイオン強度
の式を満たすことを特徴とする誘電体被覆電極。 - 請求項1に記載の誘電体被覆電極において、
前記第1の金属がアルミニウムであり、前記第2の金属が珪素であることを特徴とする誘電体被覆電極。 - 請求項1又は2に記載の誘電体被覆電極において、
前記所定の深さが1μm以上であることを特徴とする誘電体被覆電極。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘電体被覆電極において、
前記封孔処理は、前記第2の金属を主成分とする封孔剤をゾルゲル反応により硬化させる処理であることを特徴とする誘電体被覆電極。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の誘電体被覆電極が互いに対向して配置され、大気圧又は大気圧近傍の圧力の下で、前記対向する誘電体被覆電極間に100kHz以上の高周波電圧を印加し、かつ1W/cm2以上の電力を供給して放電させることにより、反応性ガスをプラズマ状態とし、前記プラズマ状態の反応性ガスに基材を晒すことによって前記基材の表面に薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成装置。
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