JP2005154489A - 高分子化合物、その製造方法および高分子発光素子 - Google Patents

高分子化合物、その製造方法および高分子発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】ジハロゲン化アリーレンなどの、脱離基を2個有するアリーレン系の単量体1種類以上を、ゼロ化のニッケル錯体の存在下に重合させて、高分子量のポリアリーレン系の高分子化合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】 一般式(1)
1−Ar1−X2 (1)
〔式中、Arは、アリーレン基、2価の複素環基または2価の芳香族アミン基を表し、X1およびX2はそれぞれ独立に脱離基を表す。〕
で示される1種類以上の単量体を、実質的にエステル系溶媒からなる溶媒中、ゼロ価のニッケル錯体の存在下に重合させることを特徴とする
一般式(2)
−Ar1− (2)
〔式中、Arは、前記と同じ意味を表す。〕
で示される1種類以上の繰り返し単位を有する高分子化合物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高分子化合物の製造方法、その方法により製造された高分子化合物、およびそれを用いた高分子発光素子(以下、高分子LEDということがある。)に関する。
ポリフルオレン、ポリフェニレン、ポリチオフェン等のポリアリーレン系の高分子化合物は、例えば、高分子量の発光材料(高分子蛍光体)として塗布法により発光素子における発光層を形成できることから種々検討されている。
ポリアリーレン系の高分子化合物の製造方法の例として、
X−Ar−X
(Xは、ハロゲン原子を表し、Arはアリーレン基、2価の複素環基等を表す。)
で示されるジハロゲン化アリーレン類から選ばれる1種類以上の単量体を、溶媒中、ゼロ価のニッケル錯体の存在下重合させる方法が知らており、その方法に用いる溶媒の例として、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒が知られている(特許文献1)。
特開2002−338665
しかしながら、上記方法で製造されるポリアリーレン系の高分子化合物の分子量は、未だ十分に高いものでなく、さらに高分子量のものを製造できる方法が求められていた。
本発明の目的は、ジハロゲン化アリーレンなどの、脱離基を2個有するアリーレン系の単量体1種類以上を、ゼロ化のニッケル錯体の存在下に重合させて、高分子量のポリアリーレン系の高分子化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、実質的にエステル系溶媒からなるという特定の溶媒中で、1種類以上の単量体を重合させることで、高分子量のポリアリーレン系の高分子化合物を得ることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、 一般式(1)
1−Ar1−X2 (1)
〔式中、Arは、アリーレン基、2価の複素環基または2価の芳香族アミン基を表し、X1およびX2はそれぞれ独立に脱離基を表す。〕
で示される1種類以上の単量体を、実質的にエステル系溶媒からなる溶媒中、ゼロ価のニッケル錯体の存在下に重合させる
一般式(2)
−Ar1− (2)
〔式中、Arは、前記と同じ意味を表す。〕
で示される1種類以上の繰り返し単位を有する高分子化合物の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法により得られるポリアリーレン系の高分子化合物は、高分子量であり、高分子LEDやレーザー用色素として好適に用いることができる。また、該製造方法で得られる高分子化合物を用いた高分子LEDは、低電圧、高発光効率である。したがって、該高分子LEDは、バックライトとしての曲面状や面状光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイ等の装置に好ましく使用できる。
本発明の製造方法において使用する溶媒は実質的にエステル系溶媒からなる。
エステル系溶媒は通常は全溶媒の95重量%以上である。
ここにエステル系溶媒としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸ペンチル等のギ酸エステル;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル等の酢酸エステル;プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル等のプロピオン酸エステル;酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソペンチル等の酪酸エステル;イソ酪酸イソブチル等のイソ酪酸エステル;イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸イソペンチル等のイソ吉草酸エステル;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ペンチル等のステアリン酸エステル;安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル等の安息香酸エステル;アビエチン酸エチル、アビエチン酸ベンジル等のアビエチン酸エステル;蓚酸ジエチル、蓚酸ジブチル、蓚酸ジペンチル等の蓚酸エステル;アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)等のアジピン酸エステル;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル;セバシン酸ジブチル、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)等のセバシン酸エステル;フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル;酒石酸ジブチル等の酒石酸エステル;クエン酸トリブチル等のクエン酸エステル;エチレングリコールギ酸モノエステル、エチレングリコール酪酸モノエステル、エチレングリコールラウリン酸モノエステル、エチレングリコールパルミチン酸モノエステル、エチレングリコールステアリン酸モノエステル、エチレングリコールオレイン酸モノエステル、エチレングリコールギ酸ジエステル、エチレングリコールプロピオン酸ジエステル、エチレングリコールラウリン酸ジエステル、エチレングリコールパルミチン酸ジエステル、エチレングリコールステアリン酸ジエステル、エチレングリコールオレイン酸ジエステル等のエチレングリコールエステル;モノアセチン;ジアセチン;トリアセチン;モノブチリン;炭酸ジエチル;炭酸エチレン;炭酸プロピレン;γ―ブチロラクトン;ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリペンチル等のホウ酸エステル;リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
高分子量の重合体を得るには、重合体が十分に溶解していることが好ましいので、高分子化合物に対する良溶媒である、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、イソ酪酸エステル、安息香酸エステル、アビエチン酸エステル、蓚酸エステル、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、フタル酸エステル、酒石酸エステル、クエン酸エステル、リン酸エステルが好ましく、汎用性や安価という観点から酢酸エステル、安息香酸エステル、リン酸エステルがより好ましく、酢酸エステルがさらに好ましい。
本発明の製造方法で用いるゼロ価のニッケル錯体としては、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどが例示され、中でも、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)が好ましい。
ゼロ価のニッケル錯体の使用量は、式(1)で表される単量体1モルに対して、通常は、0.5モル以上であり、1.5モル以上が好ましく、より好ましくは、1.8モル以上、さらに好ましくは2.1モル以上である。使用量が過小だと、分子量が低くなる傾向にある。上限は限定的ではないが、量が多すぎると後処理が困難になる傾向にあるため、5.0モル以下であることが好ましい。
また、中性配位子を添加することが、収率向上、高分子量化の観点から好ましい。
ここに、中性配位子としては、アニオンやカチオンを有していない配位子があげられ、、2,2’-ビピリジル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N‘−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素配位子;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェノキシホスフィン等の第三ホスフィン配位子などが例示され、含窒素配位子が好ましく、2,2’-ビピリジルが特に好ましい。
中性配位子を使用する場合には、その使用量としては、通常、ゼロ価のニッケル錯体1モルに対して、0.5〜10モル程度であり、経済性の観点から0.9モル〜1.1モルが好ましい。
中でも、ゼロ価のニッケル錯体としてビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を用い、中性配位子として2,2’-ビピリジルを用いることが好ましい。
本発明の製造方法で用いられる上記式(1)で示される単量体において、X1およびX2で表される脱離基としては、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基が好ましく、ハロゲン原子がより好ましい。
ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、よう素原子が挙げられ、塩素原子、臭素原子が好ましく、臭素原子が特に好ましい。
アルキルスルホニルオキシ基は、フッ素原子で置換されていてもよく、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基が挙げられる。アリールスルホニルオキシ基は、アルキル基で置換されていてもよく、フェニルスルホニルオキシ基、トリルスルホニルオキシ基が挙げられる。
中でも反応性の観点からトリフルオロメチルスルホニルオキシ基が好ましい。
1およびX2は同一でも異なっていてもよいが、単量体の製造の容易さの点で同一であることが好ましい。
上記式(1)において、Arは、アリーレン基、2価の複素環基または2価の芳香族アミン基を示す。また該Arは、置換基を有していてもよい。なおAr1の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルシリル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、シアノ基等があげられる。
ここに、アリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。
アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。
また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は通常6〜100程度である。
アリーレン基としては、フェニレン基(例えば、下図の式1〜3)、ナフタレンジイル基(下図の式4〜13)、アントラセニレン基(下図の式14〜19)、ビフェニレン基(下図の式20〜25)、フルオレンージイル基(図の式36〜38)、トリフェニレン基(下図の式26〜28)、スチルベン−ジイル(下図の式A〜D), ジスチルベン−ジイル (下図の式E,F)、 縮合環化合物基(下図の式29〜38)などが例示される。中でもフェニレン基、ビフェニレン基、フルオレンージイル基、スチルベンージイル基が好ましい。

Figure 2005154489
Figure 2005154489
Figure 2005154489
Figure 2005154489
Figure 2005154489

Figure 2005154489
上記式1〜38、A〜Fにおいて、Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基またはシアノ基を示す。上記の例において、1つの構造式中に複数のRを有しているが、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、複数のRが連結して環を形成していてもよい。 Rのうち、アルキルを含む置換基においては、それらは直鎖、分岐または環状のいずれかまたはそれらの組み合わせであってもよい。直鎖でない場合、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基などが例示される。
ここに、アルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、 i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、 i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、 i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、 i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、 i−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
アルキルシリル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜60程度であり、具体的には、メチルシリル基、エチルシリル基、プロピルシリル基、 i−プロピルシリル基、ブチルシリル基、i−ブチルシリル基、t−ブチルシリル基、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、シクロヘキシルシリル基、ヘプチルシリル基、オクチルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、ノニルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ラウリルシリル基、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、 i−プロピルジメチルシリル基、ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基などが挙げられ、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、オクチルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基が好ましい。
アルキルアミノ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、モノアルキルアミノ基でもジアルキルアミノ基でもよく、炭素数は通常1〜40程度であり、具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、 i−プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、 i−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基などが挙げられ、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基が好ましい。
アリール基は、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示され、 C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
アリールオキシ基は、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが例示され、 C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
アリールアルキル基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が好ましい。
アリールアルコキシ基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルオキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基が好ましい。
アリールアルケニル基としては、炭素数は通常8〜60程度であり、具体的には、フェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基などが例示され、C1〜C12アルキルオキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基が好ましい。
アリールアルキニル基としては、炭素数は通常8〜60程度であり、具体的には、フェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基が好ましい。
アリールアミノ基は、炭素数は通常6〜60程度であり、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基などが例示され、C1〜C12アルキルフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基が好ましい。
1価の複素環基は、炭素数は通常4〜60程度であり、具体的には、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基などが例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいう。
上記置換基がアルキルを含む基の場合は、該アルキルは、ヘテロ原子またはヘテロ原子を含む基で中断されていてもよい。ここに、ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが例示される。ヘテロ原子またはヘテロ原子を含む基としては、例えば、以下の基が挙げられる。

Figure 2005154489
ここで、R’としては、例えば、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数4〜60の1価の複素環基が挙げられる。

本発明において、2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、該基は置換基を有していてもよい。
ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。2価の複素環基の中で好ましくは芳香族複素環基である。
2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常4〜60程度である。
また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常4〜100程度である。
2価の複素環基としては例えば以下のものが挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む基;ピリジンージイル基(下図の式39〜44)、ジアザフェニレン基(下図の式45〜48)、キノリンジイル基(下図の式49〜63)、キノキサリンジイル基(下図の式64〜68)、アクリジンジイル基(下図の式69〜72)、ビピリジルジイル基(下図の式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下図の式76〜78)など。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、酸素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下図の式79〜93)。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、酸素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基:(下図の式94〜98)が挙げられる。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、酸素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素環基:(下図の式99〜108)が挙げられる。
ヘテロ原子として硫黄などを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基:(下図の式109〜110)が挙げられる。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、酸素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基:(下図の式111〜117)が挙げられる。
中でも、ピリジンージイル基(下図の式39〜44)、キノリンジイル基(下図の式49〜63)、ヘテロ原子としてけい素、窒素、酸素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下図の式79〜93)が好ましい。

Figure 2005154489
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Figure 2005154489
Figure 2005154489
Figure 2005154489

Figure 2005154489

Figure 2005154489

Figure 2005154489


Figure 2005154489
上記式39〜117において、Rは、前記と同じ意味を表す。
本発明において、2価の芳香族アミン基とは、芳香族アミンの芳香環から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、該基は置換基を有していてもよい。
2価の芳香族アミン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常4〜60程度である。
また、2価の芳香族アミン基の置換基を含めた全炭素数は、通常4〜100程度である。
2価の芳香族アミン基としては、例えば、下記一般式(11)で示される基が挙げられる。

−Ar20−N(Ar21)−Ar22− (11)

式中、Ar20およびAr22はそれぞれ独立にアリーレン基、一般式(12)で表される基、または一般式(5)で表される基である。Ar21は、アリール基、一般式(6)で表される基または一般式(7)で表される基を示す。また、Ar20とAr21の間、Ar21とAr22の間、またはAr20とAr22の間に環を形成していてもよい。


Figure 2005154489

(12)
式中、ArおよびArは、それぞれ独立にアリーレン基を示す。RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ基を示す。lは0または1である。

Figure 2005154489

式中、Ar10およびAr11は、それぞれ独立に、アリーレン基を示す。Ar12は、置換基を有してもよいアリール基である。また、Ar10とAr12の間、Ar10とAr11の間、またはAr11とAr12の間に環を形成していてもよい。

Figure 2005154489

式中、Ar13は、アリーレン基を示す。Ar16およびAr17は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリール基である。また、Ar13とAr16の間、Ar13とAr17の間、またはAr16とAr17の間に環を形成していてもよい。

Figure 2005154489
式中、Ar14は、アリーレン基を示す。Ar15は、アリール基を示す。R11およびR12は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ基を示す。rは0または1である。
上記式(12)のAr、Ar、式(5)のAr10、Ar11、式(6)のAr13、式(7)のAr14は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、シアノ基等の置換基を有していてもよい。
また上記式(11)のAr21、上記式(5)のAr12、上記式(6)のAr16とAr17、上記式(7)のAr15はアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、シアノ基等の置換基を有していてもよい。
上記式(11)における、アリーレン基、アリール基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、シアノ基の定義、具体例等は前記と同様である。
2価の芳香族アミン基として、具体的には以下の基が例示される。



Figure 2005154489

Figure 2005154489
上記式118〜122において、Rは、前記と同じ意味を表す。
Ar1 としては、従来からEL発光性材料として利用されてきたすべての材料に含まれるアリーレン基2価の複素環基、2価の芳香族アミン基であってもよく、これらの材料は例えば、WO99/12989 WO00/55927 WO01/49769A1 WO01/49768A2 、WO98/06773 US5,777,070 WO99/54385 WO00/46321 US6,169,163B1に開示されている。
式(1)で示される単量体の量としては、通常の重合反応が進行すれば、特に限定されないが、あまりにも低濃度では、生成した高分子化合物を回収することが困難になることがあり、また、あまりにも高濃度では、攪拌が困難になることがあることから、溶媒、式(1)で示される単量体、ゼロ価のニッケル錯体の全重量に対し、通常、0.05重量%以上40%重量%以下、好ましくは、0.1重量%以上30重量%以下である。
本発明の高分子化合物の製造方法の反応操作等は、例えば、特開2000−44544号公報に記載の方法に準じて行うことができる。
本発明では、重合反応は、通常アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下行われる。重合時間は、通常0.5〜100時間程度であるが、製造コストの点から、10時間以内が好ましい。重合温度は、通常0〜200℃程度であるが、高収率、低加熱費の点から、20〜120℃が好ましい
本発明の製造方法においては、反応終了後、重合体を、必要に応じ、酸洗浄、アルカリ洗浄、中和、水洗浄、有機溶媒洗浄、再沈殿、遠心分離、抽出、カラムクロマトグラフィーなどの慣用の分離操作、精製操作、乾燥その他の操作に供してもよい。
本発明の高分子化合物を高分子LEDの発光材料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を与えるため、本発明の製造方法においては、上記分離操作、精製操作を十分行い、未反応モノマー、副生成物、触媒残渣などを十分除いておくことが好ましい。
乾燥の際には、残存する溶媒が十分に除去される条件であればよい。高分子化合物の変質を防止するために、不活性な雰囲気で遮光して乾燥することが好ましい。また、高分子化合物が熱的に変質しない温度で乾燥することが好ましい。
本発明の製造方法で得られる高分子化合物は原料の単量体に由来する、下式(2)で示される繰り返し単位を1種類以上含む。
−Ar1− (2)
一般式(1)で示される単量体を1種類使用した場合には、単独重合体が形成される。
また、単量体としてAr1が互いに異なる2種類以上を使用した場合は、共重合体が形成される。

例えば、上記式(1)で示される互いに異なる2種類の単量体を、
X1−A−X2
X1−B−X2
で表した場合、繰り返し単位として、−A−および−B−を有する共重合体が得られる。

本発明の製造方法で得られる高分子化合物は、通常繰り返し単位(2)の合計が全繰り返し単位の10モル%以上100モル%以下であり、30モル%以上100モル%以下であることがより好ましく、50モル%以上100モル%以下であることがさらに好ましい。
本発明の製造方法で得られる高分子化合物は、通常固体状態で蛍光および/または燐光を有し、ポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常103〜10であり、10〜10であることが好ましく、6x10〜10であることがさらに好ましい。
また、ポリスチレン換算の数平均分子量は通常102〜107であり、103〜106であることが好ましく、6x103〜106であることがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていてもよい。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、また、例えば、ビニレン基を介してアリール基または複素環化合物基と結合している構造であっても良い。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
なお、該高分子化合物は、蛍光特性や燐光特性や電荷輸送特性を損なわない範囲で、式(2)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。また、式(2)で示される繰り返し単位や他の繰り返し単位が、ビニレンや非共役部分で連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらのビニレンや非共役部分が含まれていてもよい。上記非共役部分を含む結合構造としては、以下に示すもの、以下に示すものとビニレン基を組み合わせたもの、および以下に示すもののうち2つ以上を組み合わせたものなどが例示される。ここで、Rは前記のものと同じ置換基から選ばれる基であり、Arは炭素数6〜60個の炭化水素基を示す。

Figure 2005154489

また、該高分子化合物は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光や燐光の量子収率の高い高分子化合物を得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも含まれる。
本発明の高分子化合物の溶媒への溶解性を高めるためには、繰り返し単位の形状の対称性が少ないことが好ましく、置換基のうちの1つ以上に環状または分岐のあるアルキルが含まれることが好ましい。
また、高分子LEDの発光材料として用いる場合は、薄膜からの発光を利用するので該高分子化合物は、固体状態で蛍光および/または燐光を有するものが好適に用いられる。
該高分子化合物に対する良溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、デカリン、n−ブチルベンゼン、ジオキサンなどが例示される。高分子化合物の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
次に、本発明の高分子LEDについて説明する。本発明の高分子LEDは、少なくとも一方が透明または半透明である一対の陽極および陰極からなる電極間に発光層を有しており、本発明の製造方法で得られた高分子化合物が、該発光層中に含まれることを特徴とする。
また、本発明の高分子LEDとしては、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設けた高分子LED、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED等が挙げられる。
例えば、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
ここで、発光層とは、発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。
発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層または膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/cm以上10S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5S/cm以上10S/cm以下がより好ましく、10−5S/cm以上10S/cm以下がさらに好ましい。
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10−5S/cm以上10S/cm以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
高分子LED作成の際に、本発明の製造方法で得られた、有機溶媒可溶性の高分子化合物を用いることにより、溶液から成膜する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去するだけでよく、また電荷輸送材料や発光材料を混合した場合においても同様な手法が適用でき、製造上非常に有利である。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
本発明の高分子LEDにおいては、発光層に本発明の製造方法で得られた上記高分子化合物以外の発光材料を混合して使用してもよい。また、本発明の高分子LEDにおいては、上記高分子化合物以外の発光材料を含む発光層が、上記高分子化合物を含む発光層と積層されていてもよい。
該発光材料としては、公知のものが使用できる。低分子化合物では、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、フェニルピリジン誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、またはテトラフェニルブタジエンもしくはその誘導体などを用いることができる。
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
具体的には、該正孔輸送材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合またはラジカル重合によって得られる。
ポリシランもしくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサンもしくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖または主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖または主鎖に有するものが例示される。
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
本発明の高分子LEDが電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液または溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液または溶融状態からの成膜時には、高分子バインダーを併用してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料および/または高分子バインダーを溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
溶液または溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリシロキサンなどが例示される。
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
本発明の高分子LEDを形成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明または半透明であることが好ましい。
本発明において、通常は、陽極および陰極からなる電極の少なくとも一方が透明または半透明であり、陽極側が透明または半透明であることが好ましい。
該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、あるいはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けても良く、陰極作製後、該高分子LEDを保護する保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層および/または保護カバーを装着することが好ましい。
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にダメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
本発明の高分子LEDを用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極または陰極のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にOn/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、重量平均分子量、数平均分子量、ピーク分子量については、テトラヒドロフランを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算の平均分子量を求めた。
実施例1
<高分子化合物1の合成>

単量体(1)
Figure 2005154489

上記単量体(1)(3,7−ジブロモー2,8−ジオクチルオキシジベンゾフラン)1.7g(3ミリモル)と2,2’― ビピリジル1.4g(9ミリモル)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気した酢酸エチル(脱水)150mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を2.48g(9ミリモル)加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で8時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、この溶液に、メタノール150ml/イオン交換水150ml混合溶媒をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を乾燥した後、トルエンに溶解した。このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した後、このトルエン溶液を1規定塩酸で洗浄した。静置、分液した後、次に、このトルエン溶液を、約3%のアンモニア水で洗浄した。静置、分液した後、次に、このトルエン溶液をイオン交換水で洗浄した。静置、分液して、精製したトルエン溶液を得た。このトルエン溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。このトルエン溶液を、アルミナを充填したカラムを通すことにより、精製した。次に、このトルエン溶液に、メタノールをそそぎ込むことにより、再沈精製した。得られた沈殿を減圧乾燥して、重合体0.4gを得た。この重合体を、高分子化合物1と呼ぶ。
この高分子化合物1のポリスチレン換算重量平均分子量は、1.5x10であり、数平均分子量は、5.4x10であった。なお、ピーク分子量は、1.2x10であった。
仕込みから推定される高分子化合物1に含まれる繰り返し単位の構造を下記に示す。

Figure 2005154489

実施例2
<高分子化合物2の合成>

単量体(1)
Figure 2005154489

上記単量体(1)(3,7−ジブロモー2,8−ジオクチルオキシジベンゾフラン)0.97g(1.7ミリモル)と2,2’― ビピリジル0.78g(5ミリモル)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気した酢酸エチル(脱水)100mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を1.38(5ミリモル)加え、室温で10分間攪拌した後、室温で30時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液に、メタノール100ml/イオン交換水100ml混合溶媒をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した後、このトルエン溶液を1規定塩酸で洗浄した。静置、分液した後、次に、このトルエン溶液を、約3%のアンモニア水で洗浄した。静置、分液した後、次に、このトルエン溶液をイオン交換水で洗浄した。静置、分液して、精製したトルエン溶液を得た。このトルエン溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。得られた沈殿を減圧乾燥して、重合体0.27gを得た。この重合体を、高分子化合物2と呼ぶ。
この高分子化合物2のポリスチレン換算重量平均分子量は、5.3x10であり、数平均分子量は、4.5x10であった。なお、ピーク分子量は、4.9x10であった。
仕込みから推定される高分子化合物2に含まれる繰り返し単位の構造を下記に示す。

Figure 2005154489

比較例1
<高分子化合物3の合成>
酢酸エチルの替わりにテトラヒドロフランを用いたほかは、実施例2と同様の方法で重合した。反応後、この溶液に、メタノール100ml/イオン交換水100ml混合溶媒をそそぎ込む替わりに、25%アンモニア水30ml/メタノール150ml/イオン交換水150ml混合溶媒をそそぎ込んだほかは、実施例2と同様に処理して、重合体を得た。この重合体を、高分子化合物3と呼ぶ。
この高分子化合物3のポリスチレン換算重量平均分子量は、2.2x10であり、数平均分子量は、3.1x10であった。なお、ピーク分子量は、2.4x10であった。
比較例2
<高分子化合物4の合成>
酢酸エチルの替わりにトルエンを用いたほかは、実施例2と同様の方法で重合した。反応後、この溶液に、メタノール100ml/イオン交換水100ml混合溶媒をそそぎ込み、約1時間攪拌した。この溶液を一夜静置した後、分液して、トルエン相を回収した。このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した後、このトルエン溶液を、実施例2と同様に、1規定塩酸、約3%のアンモニア水、イオン交換水の順序で洗浄した後、メタノール中にそそぎ込み、実施例2と同様にして、重合体を得た。この重合体を、高分子化合物4と呼ぶ。
この高分子化合物4のポリスチレン換算重量平均分子量は、1.3x10であり、数平均分子量は、2.0x10であった。なお、ピーク分子量は、1.9x10であった。
実施例3
<高分子化合物5の合成>

単量体(1)
Figure 2005154489

上記単量体(1)(3,7−ジブロモー2,8−ジオクチルオキシジベンゾフラン)0.87g(1.5ミリモル)と2,2’― ビピリジル0.7g(4.5ミリモル)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気した安息香酸−n−ブチル(脱水)60gを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を1.24g(4.5ミリモル)加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、この溶液に、メタノール150ml/イオン交換水150ml混合溶媒をそそぎ込み、約1時間攪拌した後、静置した。次に、分液により、重合体を含有した層を回収した。この溶液に、メタノールを加え、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を乾燥した後、トルエンに溶解した。このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した後、このトルエン溶液をアルミナを充填したカラムを通すことにより、精製した。次に、このトルエン溶液を、1規定塩酸で洗浄した。静置、分液した後、次に、このトルエン溶液を、約3%のアンモニア水で洗浄した。静置、分液した後、次に、このトルエン溶液をイオン交換水で洗浄した。静置、分液して、精製したトルエン溶液を得た。次に、このトルエン溶液に、メタノールをそそぎ込むことにより、再沈精製した。得られた沈殿を減圧乾燥して、重合体0.12gを得た。この重合体を、高分子化合物5と呼ぶ。
この高分子化合物5のポリスチレン換算重量平均分子量は、2.7x10であり、数平均分子量は、4.0x10であった。なお、ピーク分子量は、2.9x10であった。
仕込みから推定される高分子化合物5に含まれる繰り返し単位の構造を下記に示す。

Figure 2005154489
実施例4
<高分子化合物6の合成>
2,7−ジブロモー9,9−ジオクチルフルオレン1.86g(3.4ミリモル)と2,7−ジブロモー9,9−ジイソペンチルフルオレン0.39g(0.85ミリモル)と2,2’― ビピリジル1.7g(11ミリモル)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したリン酸トリ−n−ブチル(脱水)180gを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を3.0g(11.5ミリモル)加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、この溶液に、メタノール150ml/イオン交換水150ml混合溶媒をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿をろ過により、回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥した。次に、この沈殿をトルエンに溶解した。このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した後、このトルエン溶液をアルミナを充填したカラムを通すことにより、精製した。次に、このトルエン溶液を、1規定塩酸で洗浄した。静置、分液した後、次に、このトルエン溶液を、約3%のアンモニア水で洗浄した。静置、分液した後、次に、このトルエン溶液をイオン交換水で洗浄した。静置、分液して、精製したトルエン溶液を得た。次に、このトルエン溶液に、メタノールをそそぎ込むことにより、再沈精製した。得られた沈殿を減圧乾燥して、重合体0.36gを得た。この重合体を、高分子化合物6と呼ぶ。
この高分子化合物6のポリスチレン換算重量平均分子量は、4.9x10であり、数平均分子量は、1.7x10であった。なお、ピーク分子量は、4.7x10であった。
仕込みから推定される高分子化合物6に含まれる繰り返し単位の構造を下記に示す。

Figure 2005154489

実施例5
<薄膜の作成および薄膜のPLスペクトル>
高分子化合物1〜6のトルエン溶液を石英ガラスプレートに1000rpmで約40秒間スピンコートし、得られた薄膜を、減圧下一昼夜乾燥することで膜中の残存溶媒を除去する。JASCO FP−6500 spectrofluorometerで薄膜のPLスペクトルを測定する。
実施例6
<素子の作成および評価>
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(バイエル社、Baytron)を用いてスピンコートにより50nmの厚みで成膜し、ホットプレート上120℃で5分間乾燥する。次に、高分子化合物1の1.5wt%トルエン溶液を用いてスピンコートにより70nmの厚みで成膜する。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着した後、陰極として、カルシウムを約20nm、次いで、アルミニウムを約50nm蒸着して、高分子LEDを作製する。蒸着のときの真空度は、すべて1〜8×10-6Torrである。得られた素子に電圧を印加することにより、高分子化合物1からのEL発光が得られる。


Claims (11)

  1. 一般式(1)
    1−Ar1−X2 (1)
    〔式中、Arは、アリーレン基、2価の複素環基または2価の芳香族アミン基を表し、X1およびX2はそれぞれ独立に脱離基を表す。〕
    で示される1種類以上の単量体を、実質的にエステル系溶媒からなる溶媒中、ゼロ価のニッケル錯体の存在下に重合させることを特徴とする
    一般式(2)
    −Ar1− (2)
    〔式中、Arは、前記と同じ意味を表す。〕
    で示される1種類以上の繰り返し単位を有する高分子化合物の製造方法。
  2. 式(1)のX1およびX2が、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. エステル系溶媒が酢酸エステルで、ゼロ価のニッケル錯体がビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)であることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  4. エステル系溶媒が安息香酸エステルで、ゼロ価のニッケル錯体がビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)であることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  5. 式(1)で示される単量体を、単量体、溶媒およびゼロ価のニッケル錯体の全重量に対し、0.05重量%以上40重量%以下使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高分子化合物の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法で製造されたことを特徴とする高分子化合物。
  7. 陽極および陰極からなる電極間に、発光層を有し、該発光層が請求項6記載の高分子化合物を含むことを特徴とする高分子発光素子。
  8. 請求項7記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
  9. 請求項7記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置。
  10. 請求項7記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
  11. 請求項7記載の高分子発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置。

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