JP2005151880A - 含泡食品用大麦粉組成物及び含泡食品 - Google Patents

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【課題】 2種類以上の大麦粉を主原料とした、発酵倍率及び焼成後の体積容量が大きく、発泡性、粘弾性に優れた含泡用生地組成物及びそれからの含泡食品の提供。
【解決手段】 大麦粉を主成分とし、これに酵母、水及び含泡食品用補助成分を配合してなる含泡食品用大麦粉組成物であって、前記大麦粉が、明細書に記載の条件で測定した、粘度80〜300mPa・sの少なくとも一種の大麦粉Aと粘度8,000〜20,000mPa・sの少なくとも一種の大麦粉BとをA:B=75:25〜99:1の割合(重量比)でブレンドしたものであり、組成物を混合、混練して得られる生地の剪断速度0.1sec-1 での粘度が1×102 〜9×104 Pa・sである含泡食品用大麦粉組成物。
【選択図】 図2

Description

本発明は2種類以上の大麦粉を主成分とした生地にすることによって、発酵倍率及び焼成後の体積率が大きく、発泡性及び粘弾性に優れた生地となる含泡食品用大麦粉組成物及びそれから得られる含泡食品に関する。
パンなどの含泡食品の原料として古くから小麦粉が使用されてきた。これは小麦粉を水と共に混合した後に生ずるグルテンの粘弾性に起因するためである。このグルテンの粘弾性的性質はグリアジンとグルテニンという2つのタンバタ質が含水状態で機械的に混合されている間にぶつかり合うことにより、S−S結合などの新しい架橋ネットワーク構造体が形成されることによるものである。イースト菌等で気泡が生成すると、小麦粉グルテン以外の成分は粘度が低いため、気泡の成長変形を促進する。そして、気泡が大きく成長すると、グルテン成分の存在により、大きな気泡の骨格や特有のテクスチャーを形成し、壁の肉厚がうすくなるにも関わらず、この構造をつぶすことなく保つことができる。これに対し、大麦にはグルテン成分のうち、グルテニンが含まれていないため、小麦粉のような粘弾性を有する強靭なグルテンが形成できず、パンに代表される含泡食品は、小麦粉を使わずに、大麦粉のみの主原料からつくることはできないものとされてきた。このため大麦粉は、古来より、ビール、焼酎、麦茶などの原料として使用されてきたほか、米粒麦など麦飯として食されているが、大麦粉からパンなどの含泡食品を製造しようとする試みはなかった。
しかしながら、近年、大麦粉をその栄養面や嗜好面の要請からパンなどの副原料として利用しようとする試みは各方面でなされはじめている。例えば、大麦粉を副原料として用いたパンなどの含泡食品の製造を試みたものとして、たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3などがある。しかし、これらは、いずれも原料小麦粉の一部を大麦粉に置き換えたものであったり、或いは小麦粉のグルテンと大麦粉を組み合わせて、気泡を生成せしめるプロセスにおいて、小麦粉由来のグルテンの助けを借りて気泡を生成し、成長させようとするものである。即ち、これらはいずれも大麦粉を原料の一部として利用した含泡食品であり、小麦粉のグルテン以外のでんぷん成分の部分を大麦のでんぷん成分に置き換えただけであり、気泡を形成する際には結局小麦粉のグルテンの粘弾性的性質に依存するというものであって、技術的には従来のパン類などの含泡食品の製法と基本的には同じである。このため、これらの文献に記載の技術は、従来技術の応用の域を出ず、技術的思想の異なる画期的な含泡食品とはいいがいたい。
また、現在「大麦パン」という名で市販されているパン類が多数存在しているが、これらのパンも小麦粉に大麦粉を混ぜたものや大麦を粒のまま小麦粉のパンに入れたもの、又は大麦粉にグルテンを添加したものであり、これらもまた、従来の小麦粉由来のパンの製造方法の応用に過ぎない。
特開平07−264967号公報 特開2000−023614号公報 特開2001−346505号公報
かかる現状下に本発明者らの一部は先きに通常の大麦粉に酵母、水、更に必要に応じて、品質改善材や風味改善材などの含泡食品用補助成分を加え、剪断速度0.01sec-1での粘度が1×102〜9×104Pa・sとなるような生地に調製して発酵させ、加熱処理することによって、大麦粉を主原料とした発泡食品を製造することに成功した。
従って、本発明は大麦粉を主原料として用いる含泡食品用生地組成物の特性を更に改良して、通常の大麦粉と水に膨潤させた時に高い粘り数値を示す他の大麦粉とのブレンドに酵母、水、更に必要に応じて、品質改良材や風味改善材などの含泡食品用補助成分を加え、剪断速度0.1sec-1での粘度が1×102〜9×104Pa・sとなる粘度を有する含泡食品用大麦粉組成物から得られた生地にすることによって発酵倍率及び焼成後の体積容量が大きく、発泡性、粘弾性に優れた含泡食品を提供することを目的とする。
本発明に従えば、大麦粉を主成分とし、これに酵母、水及び含泡食品用補助成分を配合してなる含泡食品用大麦粉組成物であって、前記大麦粉が以下に記載の条件で測定した粘度80〜300mPa・sの少なくとも一種の大麦粉Aと粘度8,000〜20,000mPa・sの少なくとも一種の大麦粉BとをA:B=75:25〜99:1の割合(重量比)でブレンドしたものであり、組成物を混合、混練して得られる生地の剪断速度0.1sec-1 での粘度が1×102 〜9×104 Pa・sである含泡食品用大麦粉組成物が提供される。
本発明に従えば、前述の2種類の大麦粉A及びBを配合した大麦粉ブレンドを主原料として用いて含泡食品用生地にすることにより、発酵倍率及び焼成後の体積容量が大きく、発泡性、粘弾性に優れた含泡食品を提供することができる。
本発明における大麦粉の粘度は、大麦粉に水(22℃)を14.3重量%の濃度になるように加え、ハンドミキサー(200rpm)で1分間撹拌したバッターをトールビーカーに移し、B型粘度計B8L型(ローターNo.2、回転数12rpm)を用いて、測定開始から1分及び5分後の値を測定する。これを2回繰り返し、その平均値を粘度値とする。また前記組成物を混合混練して得られた生地の粘度は、剪断変形下における剪断粘弾性をレオメタリックス社製アレスによって剪断速度0.1sec-1で測定した粘度をいう。
前述の如く、大麦粉には、小麦粉が有するグルテン形成に必要なグルテニンが殆ど無く、他に粘弾性物質が含まれていないので、従来、大麦粉だけでは架橋ネットワーク構造体は形成されないとされていた。しかし、本発明によれば、グルテン形成の性質を保有していない大麦粉を主原料として用いても、プラスチック樹脂の発泡プロセスの技術的知見を応用することによって、スポンジ状の架橋ネットワーク構造体を形成でき、大麦粉に酵母と水を加え、必要に応じて品質改善材や風味改善材を副原料として加えて混合混練した生地で、架橋ネットワーク構造体を形成することができ、しかも特定の2種類の大麦粉をブレンドして主原料として用いることによって、従来の製パン技術に無い特定の柔らかさに調製した含泡食品用生地組成物と、それを用いた大麦粉を主原料とする含泡食品を得ることができる。
本発明に従えば、独自のおいしさをもった大麦粉を主原料としながら、小麦粉やグルテンを用いないで、気泡が生成し成長する発泡プロセスをともなわせた場合でも、その発泡倍率(発泡前後の体積比)が、従来の小麦粉由来のパンとほぼ同じ程度になる。従来の小麦粉を主原料としてつくられるパンなどは、イースト菌で発酵する前の生地の粘度は、グルテンが存在するため相当高いものである。しかし、大麦粉と酵母と水とを主原料にして、必要に応じて食塩、糖類、油脂類、乳製品、卵、その他の品質改善材又は風味改善材等の副原料を加えて、混合、混捏させて形成された生地の場合には、上記の小麦粉製の生地の粘度と同程度の粘度に調製しても酵母による発酵工程では発泡が進まず、生地が良好な状態に膨らむことがなかった。
然るに本発明に従えば、発泡プロセスについて、発泡成形性とプラスチックの粘度の関係についての研究で、粘度特性が同じであれば、材料の分子構造にはそれほど依存せず、良好に発泡するという技術的知見に基づいて、大麦粉と酵母と水とを主原料とした混捏生地の場合に応用することにより、パンと同様な工程で発泡させることができた。即ち、大麦粉と酵母と水とを主原料とした混捏生地の場合にも、その粘度特性に着目して、これを操作因子として調製することにより、パンと同様な含泡食品を製造することができる。
小麦粉を主原料とするパン生地の場合には、発酵時に生地の粘度が、剪断速度0.01sec-1において約100000(Pa・s)前後である。この様に小麦粉を主原料とするパン生地の場合にはかなり高粘度であるため、パンの種類によってその形状を、例えば棒状、ロール状、食パンでは四角の型に詰める等自由に成形することができる。このようにして成形されたパン生地は、イースト(酵母)による良好な発泡プロセスを経て、架橋ネットワーク構造体を形成させることができるし、これを焼成することによりパンのような含泡食品にすることができる。しかし、大麦粉を主体として必要に応じて副材料を添加した混捏生地の場合には小麦粉を主原料としたパンの場合と同じか、或いはそれに近い高い粘度にした場合には、良好な発泡倍率を得ることはできない。
大麦粉を主原料とした場合には、大麦粉を主原料とする生地の剪断速度0.01sec-1における粘度を1×102 〜9×104 Pa・s、好ましくは2.5×103 〜8.5×104 Pa・sに調製することにより、酵母の発酵作用によって良好な発泡が可能になり、その生地を良好に膨張させることができる。しかも前記粘度領域の生地にした場合には、発酵による発泡プロセスを経て発泡膨張した生地は、焼成したり、蒸したり、電子レンジで加熱したりすることにより、スポンジ状の架橋ネットワーク構造体が形成され、それが固定される。即ち、これによって大麦粉を主原料とする場合でも、生地の粘度特性を1×102 〜9×104 Pa・s、好ましくは2.5×103 〜8.5×104 Pa・sに調整するだけで、小麦粉と同じようなスポンジ状の架橋ネットワーク構造体を有する含泡食品を自由に製造することができる。
このように、本発明によれば、従来困難とされてきた大麦粉を主原料として用いながら、酵母の発酵により良好な発泡が可能な大麦粉を主原料とする含泡食品用生地を提供でき、このような含泡食品用生地を用いれば小麦粉やグルテンなど粘弾性補強材を特別に用いることなく、大麦粉独特の風味を生かした新しい含泡食品用の大麦粉パンを容易に製造することができる。本発明は、このように小麦粉とは異なる大麦粉独特の風味と味を持った大麦粉を主原料として用いて多様な含泡食品を得ることができ、しかも特定の大麦粉のブレンドを用いることによって発酵倍率及び焼成後の体積容量が大きく、発泡性、粘弾性に優れた含泡食品を得ることができる。
本発明に従えば、大麦粉A及びBのブレンドに酵母と水を加えた主原料に、必要に応じて品質改善材や風味改善材といった副原料を加えて混合・混捏して当該混合原料が均一に分散・混合された粘弾性生地を、剪断速度0.01sec-1での粘度が1×102 〜9×104 Pa・s、好ましくは2.5×103 〜8.5×104 Pa・sとなるように調製し、この生地を酵母の発酵作用により発泡膨張させ、加熱処理をすることにより、大麦粉を主原料とする架橋ネットワーク構造体を形成させる。従来から大麦粉は、グルテン形成蛋白のうちグルテニンが無いので、粘度補強材を加えなければ、スポンジ状の架橋ネットワーク構造体ができないとされていたが、本発明では粘度を操作因子として調製をするだけで簡単にスポンジ状架橋ネットワーク構造体を形成できる。
本発明に係る含泡食品用大麦粉組成物に主成分として含まれる大麦粉は、前記の通り、大麦粉に水(22℃)を14.3重量%の濃度になるように加え、ハンドミキサー(200rpm)で1分間撹拌したバッターをトールビーカーに移し、B型粘度計B8L型(ローターNo.2、回転数12rpm)を用いて測定開始から1分後及び5分後の値を測定する。この測定を2回繰り返し、その平均値が80〜300mPa・s、好ましくは110〜190mPa・sの一種又はそれ以上の大麦粉Aと、同じ条件で測定した粘度が8,000〜20,000mPa・s、好ましくは12,000〜17,500mPa・sの一種又はそれ以上の大麦粉Bとを、A:B=75:25〜99:1、好ましくは87:13〜94:6の割合(重量比)でブレンドしたものを用いる。
大麦粉Aは従来から製めん用副原料として一般的に市販されている精白度50〜65%の精白大麦を衝撃式粉砕機を用いて粉砕することによって得られる大麦粉で、例えば(株)はくばく製の大麦粉(商品名:大麦粉F1)を用いることができる。一方、大麦粉Bは従来一般には市販されていない大麦粉で、例えば精白度60〜80%の精白大麦を原料として、研削式搗精機を用いて精白度45〜60%まで更に精白することによって得ることができる。
大麦粉A及びBのブレンド比は前述の通りであり、大麦粉Bブレンド比が少な過ぎると、含泡食品用生地の架橋ネットワークによって均一なセルを形成する力が弱く、気泡の持続力が弱まるので好ましくなく、逆に多過ぎると、含泡食品用生地の粘りが強くなりすぎて、気泡を保持するのに必要なセルの形成が妨げられるので好ましくない。
本発明で用いる酵母としては従来から含泡食品の製造用に一般的に使用されている任意の酵母(例えばドライイースト、天然酵母などがなるが、発酵力が強く短時間で発酵する酵母の方が好ましい。)とすることができ、本発明組成物中に0.5〜3重量%配合するのが好ましく、1〜1.5重量%配合するのが更に好ましい。
本発明においては、更に品質改善材、風味改善材などの補助成分を、好ましくは20〜30重量%配合する。このような補助成分としては、例えば、米粉、大豆粉、馬鈴薯粉、そば粉、とうもろこし粉などの穀物粉、更には少量成分としての食塩、粉米状糖類、粉末状乳製品、粉末水溶性食物繊維などをあげることができる。
本発明に従った組成物は、前述のように、大麦粉A及びBのブレンドに、必要に応じ各種補助成分の粉状体原料を組み合わせ配合した含泡食品用の粉体組成物である。これらは混合してもそれだけでは反応したり、物性が変化したりすることがない。従って、このような粉末状組成物の形として商品化し、流通させ、保存しておき、含泡食品を製造しようとする際に、酵母、水、そして油脂類、卵などの副材料を加えて混合・混捏するだけで、酵母の作用で発酵させた際に、発泡膨張し易い適度な粘度の含泡食品用生地となすことができ、熟練者でなくとも簡便に含泡食品を製造することができる。
本発明によれば、大麦粉に酵母と水を加えた主原料に、必要に応じて糖類、食塩、油脂類、乳製品、卵、その他の品質改善材又は風味改善材などの副原料の一部又は全部を加えて、混合、混捏することにより、当該混合原料が均一に分散・混合させて、剪断速度0.01sec-1での粘度が1×102 〜9×104 Pa・sとなるように調製した含泡食品用生地となし、当該含泡食品用生地を酵母の作用で発酵させることにより発泡膨張させたうえ、成形し、焼成するか、蒸すか又は電子レンジで加熱するなどの手段で加熱処理をし、架橋ネットワーク構造体を形成した大麦粉を主原料とする含泡食品を製造することができる。
本発明に係る含泡食品とは、大麦粉独特の風味を生かした大麦粉製のパン、ピザ、ナン、ピロシキ、パイ、ドーナツ、ブラウニー等である。本発明は、このように小麦粉とは異なる独特の風味と味を持った大麦粉を主原料として用いて、これまで困難とされてきた架橋ネットワーク構造体を具備した大麦粉を主原料とする含泡食品であり、発泡になじまない大麦粉のあらたな利用法を見出しての食品化である。
本発明のパンは、大麦粉を主原料とする含泡食品の代表的な商品である。パンは、非常にポピュラーな主要食品であるが、本発明の大麦粉を主原料とするパンは、小麦粉やグルテンなど粘弾性を補強する成分が入っていないので、従来の小麦粉製のパンとはその食感と風味とがことなり、独特なものとなる。即ち、本発明は、新しい大麦独特のおいしさを持った大麦粉製パンとして商品化できたものである。
本発明は、従来困難とされていた大麦粉を主原料とするパンを簡単に製造できる方法を提供したものである。即ち、大麦粉と酵母と(食塩と)水を加えた主原料だけでパン生地を作り、そのパン生地の粘度を調整するだけで、あとは従来と同じ手法で、発酵、成形、焼成工程を進めることによりスポンジ状の架橋ネットワーク構造体を有するパンを安定して製造できるので、便利である。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。以下の実施例は、大麦粉を主原料とするパンの調製をする事例である。尚、本発明は、大麦粉を主原料とする含泡食品であれば良く、このパンの調製をする実施例に限られるものではないこと勿論である。
実施例及び比較例に用いた原料は以下の通りである。
大麦粉A:衝撃式製粉法で製造した(株)はくばく製の大麦粉Aでその物性は以下の通りである。
大麦粉B:研削式製粉法で製造した(株)はくばく製の大麦粉Bでその物性は以下の通りである。
一般成分値は以下の方法で測定し、結果は表Iに示す通りである。
水 分 :135℃常圧加熱乾燥法
灰 分 :直接灰化法(600℃)
たんぱく質:ケルダール法
脂 質 :酸分解法
食物繊維 :プロスキー法
Figure 2005151880
粘度測定は大麦粉に水(22℃)を加えて14.3重量%の濃度になるように加え、ハンドミキサー(200rpm)で1分間撹拌したバッターをトールビーカーに移し、B型粘度計B8L型(ローターNo.2、回転数12rpm)を用いて、測定開始から1分後及び5分後の値を測定する。これを2回繰り返し、その平均値を表示した。ビスコグラムはブラベンダー社製ビスコグラフを用い、試料45gを水450ml(9.1%液)に懸濁させ、測定したが、通常の方法とは異なり、ゼロ点は水のみの溶液で合せて測定した。
結果は表II及び表IIIに示す通りであった。
Figure 2005151880
Figure 2005151880
粒度測定は、粒度測定(COULTER MULTISIZER)及び走査型電子顕微鏡での観察(500倍)により行ない、結果を表IVに示した。
Figure 2005151880
水溶性食物繊維:グリロイド(大日本製薬)
卵白:冷凍卵白(キュピー株式会社)
スキムミルク:スキムミルク(四つ葉乳業)
砂糖:スプーン印上白糖(新三井製糖株式会社)
塩:エンリッチ塩(マルニ株式会社)
イースト:インスタントドライイースト(日仏商事株式会社)
実施例1〜3及び比較例1
表Vに示す配合(重量部)に基づいて含泡食品用生地を調製し、試作品の評価を行なった。なお、条件は表VIに示す通りであり、得られた試作品の評価結果は表VIIに示す通りであった。
Figure 2005151880
Figure 2005151880
Figure 2005151880
実施例1〜4の大麦粉A及びBをブレンドした系では繊維質を多く配合することができ、水分含量が増加されることができ、そのため、焼成後の内相がしっとりとしている。また粘度と油分を多く配合することができるため、大麦粉Aのみの系のものと比較して甘みがある。これに対し、大麦粉Aのみの系である比較例の配合では淡白な味になり、しっとり感がなく軽い感じである。
以上の通り、本発明に従えば、従来製造できなかった大麦粉を主原料としたパンのような含泡食品が容易に製造できる技術を提供するもので、従来、主に麦飯、麦茶などに代表される粒状形態での食品利用しかできなかった大麦を、粉体として新しい用途に利用できる。
電子顕微鏡による大麦粉Aの拡大図(500倍)である。 電子顕微鏡による大麦粉Bの拡大図(500倍)である。

Claims (2)

  1. 大麦粉を主成分とし、これに酵母、水及び含泡食品用補助成分を配合してなる含泡食品用大麦粉組成物であって、前記大麦粉が、明細書に記載の条件で測定した、粘度80〜300mPa・sの少なくとも一種の大麦粉Aと粘度8,000〜20,000mPa・sの少なくとも一種の大麦粉BとをA:B=75:25〜99:1の割合(重量比)でブレンドしたものであり、組成物を混合、混練して得られる生地の剪断速度0.1sec-1 での粘度が1×102 〜9×104 Pa・sである含泡食品用大麦粉組成物。
  2. 大麦粉の含量が35〜55重量%、酵母の含量が0.5〜3重量%、水の含量が18〜42重量%、そして含泡食品用補助成分の含量が15〜35重量%(但し、組成物の全量を100重量%とする)である請求項1に記載の組成物を混合、混練した剪断速度0.1sec-1 での粘度が1×102 〜9×104 Pa・sの生地を発酵、膨張させ、加熱することにより架橋ネットワーク構造体を形成せしめて成る大麦粉を主成分とした含泡食品。
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JP2016214157A (ja) * 2015-05-20 2016-12-22 日清製粉株式会社 ベーカリー食品用組成物

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