JP2005151668A - 固定子製造装置および固定子製造方法 - Google Patents

固定子製造装置および固定子製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005151668A
JP2005151668A JP2003383975A JP2003383975A JP2005151668A JP 2005151668 A JP2005151668 A JP 2005151668A JP 2003383975 A JP2003383975 A JP 2003383975A JP 2003383975 A JP2003383975 A JP 2003383975A JP 2005151668 A JP2005151668 A JP 2005151668A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
temperature
stator
open end
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003383975A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuharu Taketsuna
靖治 竹綱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2003383975A priority Critical patent/JP2005151668A/ja
Publication of JP2005151668A publication Critical patent/JP2005151668A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
  • Windings For Motors And Generators (AREA)

Abstract

【課題】 回転電機の固定子の製造において接合点の増加に起因する製造コストを低減する。
【解決手段】 制御部は、コイルの温度を算定するステップ(S2000)と、算定されたコイルの温度に基づいて、電流と電圧の指令値を演算するステップ(S2100)と、指令値に基づいて、コイルに電力を供給させるステップ(S2200)と、コイルの温度を算定するステップ(S2300)と、算定されたコイルの温度がロウ材の溶融温度以上となるか判断するステップ(S2400)と、コイルの温度がロウ材の溶融温度以上となり(S2400にてYES)、ロウ付けに必要な時間が経過すると(S2600にてYES)、コイルへの通電を停止させるステップとを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図21

Description

本発明は、固定子と回転子とからなる回転電機の製造装置および製造方法に関し、特に固定子の製造装置および製造方法に関する。
従来、固定子と回転子とからなる回転電機、たとえば、同期モータにおいて、中空円筒形状の固定子鉄心の内周側に同期モータの回転軸と平行な方向に設けられる複数の歯部に、コイルが巻着される。歯部に巻着されるコイルは、たとえば、2つの開放端部を有するU字形状のコイルが歯部間のスロットに挿入されて形成される。スロットに挿入されたU字形状のコイルの開放端部は、隣接するU字形状のコイルの、歯部を跨いで対向する位置にある開放端部と電気的に導通させるために、レーザ溶接あるいはTIG(Tungsten Inert Gas arc)溶接により接合される。このようにして、所定のターン数のコイルが形成される。そして、複数の歯部に巻着されるコイルの各々が接続されることにより、全体で三相交流巻線が構成される。このような同期モータに関して、以下の公報に開示された技術がある。
特開2000−14068号公報(特許文献1)は、高出力化を達成しつつ、固定子巻線と固定子鉄心との間の絶縁が確実な車両用交流発電機の固定子およびその製造方法が開示されている。この車両用交流発電機の固定子およびその製造方法は、内周側に開口部が形成された複数のスロットを有する固定子鉄心と、スロット内に収容される収容部を有する固定子巻線を形成する電気導体とを備える。固定子巻線の収容部とスロットの内壁面との間には、電気絶縁部材が介在する。電気絶縁部材は開口部を閉塞する閉塞部を有する。
特許文献1に開示された車両用交流発電機の固定子およびその製造方法によると、スロット内周側の開口部が電気絶縁部材の閉塞部で塞がれているため、スロットの開口部からの電気導体の飛び出しを防止できる。また、開口部から塩水等の電解液が侵入するのを防ぐことができ、電気導体の被膜が電解作用により破損して絶縁不良を起こすことを防止できる。また、別体の押圧部材をスロット内に挿入する必要がないため、押圧部材挿入時の電気導体の絶縁被膜の破損や、押圧部材の組み付け不良等の問題も回避できる。
特開2001−292548号公報(特許文献2)は、コイルエンド部の長さを大幅に短縮する回転電機の固定子を開示する。この回転電機の固定子は、固定子鉄心の複数スロットに装着されている。この固定子において、直線状の平角線をU字形状になるように予め成形する。そして、固定子歯部を挟んで隣接するスロットに直線二辺を挿入する。その後、薄板棒状片でコイルの反U字側両端間を接続することにより一巻閉回路になるようにしてコイルを形成する。そして、このようなコイルを複数挿入して、反U字側両端間を接続することにより所定巻回数を形成する。反U字側端面と薄板棒状片を重ね合わせて接続するとき、両者の重なり合う箇所の板厚を、それぞれ半減させておく。そして、両者が重なり合ったときに、平角線コイルの板厚相当になるようにする。板厚を半減させる面は、コイル片端の左辺にあっては固定子内径に向かう面の板厚を半減させる。右辺端は固定子外径に向かう面の板厚を半減させるように予めコイルを形成する。一方、薄板棒状片は、コイルとは反対の面の板厚を半減させる。そして、両者を重ね合わせたとき、U字コイルの直線部二辺で薄板棒状片を挟みこむようにして接続して構成する。
特許文献2に開示された回転電機の固定子によると、コイルの跨り幅は、隣接スロット幅で決定される。そのため、固定子鉄心から突出するU字部位の軸方向長さは、隣接スロット幅相当になる。一方、コイルの半U字側で固定子鉄心から突出する部位の軸方向長さは薄板棒状片で接続する。そのため、軸方向には薄板接続片の幅相当しか占めない。その結果、コイルエンド部の長さを確実に短縮した固定子を提供できる。
特開2000−14068号公報 特開2001−292548号公報
しかしながら、U字形状のコイルと隣接するU字形状コイルとの接合は、同期モータが有するすべてのコイルの、すべての開放端部に対して接合処理を行なう必要がある。また、モータが多極数あるいは、多ターン数となるにしたがって、接合点は増えていく傾向にある。たとえば、自動車用ハイブリッド駆動モータにおいて接合点は、約400ヶ所にもおよぶ場合がある。そのため、溶接による接合の場合、溶接工程において、すべての接合点におけるトーチの位置決め精度を確保する必要があった。さらに、接合点の増加に伴う溶接時間の増大により製造コストがアップするという問題があった。また、溶接による接合により、コイルのエナメル等の絶縁被覆が焼損する問題があった。
上述した特許文献1および特許文献2においては、そのような溶接の接合点の増加に伴う課題を解決する技術は開示されていない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、接合点の増加に起因する製造コストを低減する同期モータの固定子製造装置および固定子製造方法を提供することである。
第1の発明に係る固定子製造装置は、固定子と回転子とからなる回転電機における固定子の製造装置である。固定子は、回転電機の回転軸に平行な方向に設けられた複数のスロットとスロット間に形成されるティースとを有するの固定子鉄心と、スロットに挿入されティースに巻着可能な開放端部を有するコイルとを含む。コイルは、開放端部とティースを跨いで閉じる方向に接続する接続部材とが接合材を介して形成される。固定子製造装置は、コイルに電力を供給するための電力供給手段と、電力供給手段を制御するための制御手段とを含み、制御手段は、コイルの温度を算定するためのコイル温度算定手段と、算定されたコイルの温度が、接合材が接合に適した状態に変化する予め定められた範囲の温度になるように電力供給手段により供給される電力量を制御するための電力制御手段とを含む。
第1の発明によると、算定されたコイルの温度が、接合材(たとえば、溶融しやすく金属材と接合するのに適したはんだ(Sn、Pb合金)などの合金であるロウ材)が接合に適した状態に変化する予め定められた範囲の温度(たとえば、溶融温度以上)になるように電力供給手段(たとえば、電源部)により供給される電力量を制御する。これにより、コイルの温度がロウ材の溶融温度以上となるように電源部から電力を供給することができ、コイルの発熱により適度にロウ材が溶融してコイルの開放端部とバスバーとの接合処理を行なうことができる。また、溶接機やレーザ設備等による接合処理が不要になる。そのため、固定子の製造コストが低減できる固定子製造装置を提供することができる。
また、コイルに通電させて接合処理を行なうため、レーザ溶接あるいはTIG溶接等の接合のように接合部位とトーチの位置精度を確保する必要がなくなる。そのため、固定子の製造コストを低減できる。さらに、コイルに電力を供給することにより、コイルが有する接合部位について一度に接合処理が行なうことができる。そのため、溶接による接合点毎に施される接合処理よりも簡単にコイルの開放端部と接続部材(たとえば、バスバー)との接合処理が行なえる。その結果、製造時間が短縮され、製造コストの低減が図れる。
そして、コイル温度の制御を電力制御手段(たとえば、温度コントローラ)により行なうことにより、接合部温度の上昇カーブを制御できる。そのため、コイルの開放端部とバスバーとの接合時間を制御して短縮することも可能である。その結果、固定子の製造コストの低減ができる。
さらに、少量のロウ材で接合処理を行なうようにすると、ロウ材を再度溶融させて、容易にコイルと固定子鉄心とを区別することができる。すなわち、固定子のリサイクル性が向上する。
第2の発明に係る固定子製造装置においては、第1の発明の構成に加えて、予め定められた範囲の温度は、コイルが有する絶縁部材の耐熱温度を超えない範囲である。
第2の発明によると、コイル温度を絶縁部材の耐熱温度を超えない範囲となるように電力供給手段(たとえば、電源部)を制御することにより、コイルが有するターン内およびターン間の絶縁部材(たとえば、エナメル被覆等)の焼損を防止することができる。また、レーザ溶接またはTIG溶接等のエネルギー密度の高い接合処理による接合部位近傍の絶縁部材の焼損を防止することができる。すなわち、固定子の絶縁品質の向上が図れる。
第3の発明に係る固定子製造装置においては、第1の発明の構成に加えて、コイル温度算定手段は、コイルの温度を検知するコイル温度検知センサにより検知されたコイルの温度に基づいて、コイルの温度を算定するための手段を含む。
第3の発明によると、コイルの温度を検知するコイル温度検知センサ(たとえば、熱電対)により検知されたコイルの温度に応じた電気信号に基づいて、コイルの温度を算定することにより、コイルの温度を把握することができる。そのため、コイルの温度を接合材(たとえば、ロウ材)が接合に適した状態に変化する予め定められた範囲の温度(たとえば、溶融温度以上)になるように電力制御手段(たとえば、温度コントローラ)により電力を制御することにより、接合処理を行なうことができる。すなわち、コイルの実測温度とロウ材の溶融温度との比較により、電源からの投入エネルギを決定して、温度制御できるので、確実な接合処理が可能となる。その結果、固定子における接合品質の向上が図れる。
第4の発明に係る固定子製造装置においては、第1の発明の構成に加えて、固定子製造装置は、コイルの周囲の温度を検知するための外気温度検知手段をさらに含む。コイル温度算定手段は、検知されたコイルの周囲の温度とコイルに供給された電力量とに基づいて、コイルの温度を算定するための手段を含む。
第4の発明によると、コイルの周囲の温度とコイルに供給される電力量とに基づいて、コイルの温度を算定することにより、コイルの温度を把握することができる。そのため、コイルの温度を接合材(たとえば、ロウ材)が接合に適した状態に変化する予め定められた範囲の温度(たとえば、溶融温度以上)となるように電力制御手段(たとえば、温度コントローラ)により電力を制御することにより、接合処理を行なうことができる。
第5の発明に係る固定子製造装置においては、第1の発明の構成に加えて、固定子製造装置は、開放端部と接続部材とが圧接された状態となるように、接続部材に荷重を付与するための荷重付与手段をさらに含む。
第5の発明によると、接続部材(たとえば、バスバー)に荷重を付与することにより、コイルの開放端部とバスバーとが圧接された状態となる。そのため、電流が流れやすくなることにより、開放端部とバスバーとの接触部における通電時の抵抗を低くすることができる。また、荷重を付与するために用いる治具を接合処理の完了時に不要になるものとすると、荷重を付与するためにモータの体格が増大することなく荷重を付与することができる。
第6の発明に係る固定子製造装置においては、第5の発明の構成に加えて、制御手段は、荷重付与手段により付与される荷重を制御するための荷重制御手段をさらに含む。
第6の発明によると、荷重付与手段(たとえば、油圧装置)により付与される荷重を制御することにより、コイルの開放端部と接続部材(たとえば、バスバー)との接触部における通電抵抗を制御することができる。そのため、付与する荷重の大小によって通電抵抗を制御して、通電抵抗を上昇させることにより、接触部における発熱量の向上が図れる。すなわち、通電抵抗が低い個所においては発熱量は少なく、通電抵抗が高い個所においては、発熱量が大きくなる。そのため、バスバーに付与する荷重を小さくすることにより、コイルの開放端部とバスバーとの接触部において密着性が下がる。そのため、通電抵抗が高くなり、接触部における温度を接合材(たとえば、ロウ材)が接合に適した状態に変化する予め定められた範囲の温度(たとえば、溶融温度以上)に迅速に上昇させることができる。すなわち、迅速な接合処理を行なうことができる。
第7の発明に係る固定子製造装置においては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、コイルは、コの字またはU字形状にプレス成型された導体の金属平板が予め定められた枚数だけ積層された積層体である。
第7の発明によると、コイルは、コの字またはU字形状にプレス成型された導体の金属平板が予め定められた枚数だけ積層されて形成される。そのため、コイルエンド部を滑らかな面に形成することができる。そのため、荷重付与手段(たとえば、油圧装置)により、接続部材(たとえば、バスバー)に荷重を付与する際に、バスバーを有する固定子鉄心の端面と反対の面を固定するコイルのコイルエンド部における絶縁被覆(たとえば、エナメル被覆等)を傷つけることなく荷重を付与することができる。
第8の発明に係る固定子製造装置においては、第1〜7のいずれかの発明の構成に加えて、接合材は、予め定められた温度以上で溶融する導体の金属を含む。
第8の発明によると、予め定められた温度(たとえば、溶融温度)以上で溶融するという状態の変化を伴う導体の金属を接合材として用いることにより、コイルに電力を供給してコイルを溶融温度以上に発熱させて、コイルの開放端部と接続部材(たとえば、バスバー)とに対して接合処理を行なうことができる。
第9の発明に係る固定子製造装置においては、第8の発明の構成に加えて、導体の金属は、ロウ材である。
第9の発明によると、ロウ材を接合材として用いることにより、コイルの開放端部と接続部材(たとえば、バスバー)との間に設けられるロウ材が溶融温度以上にコイルを発熱させることにより、接合処理を行なうことができる。
第10の発明に係る固定子製造装置においては、第1〜7のいずれかの発明の構成に加えて、接合材は、予め定められた温度以上で硬化するという状態の変化を伴う導電性の熱硬化性接着剤を含む。
第10の発明によると、導電性の熱硬化性接着剤を接合材として用いることにより、コイルの開放端部と接続部材(たとえば、バスバー)との間に設けられる熱硬化性接着剤が硬化する温度以上にコイルを発熱させて、接合処理を行なうことができる。
第11の発明に係る固定子製造方法は、固定子と回転子とからなる回転電機における固定子を製造する方法である。固定子は、回転電機の回転軸に平行な方向に設けられた複数のスロットとスロット間に形成されるティースとを有する固定子鉄心と、金属導体を複数枚積層したコイルとを含む。コイルは、金属導体の積層方向から見て、スロットに挿入されティースに巻着可能な開放端部を有する矩形形状の薄板である。固定子製造方法は、回転軸に平行な方向に沿って、コイルをスロットに挿入して、コイルをティースに巻着させるステップと、コイルの積層方向に隣接する2つの金属導体におけるティースを跨いで互いに対向する位置にある2つの開放端部、および2つの開放端部を、ティースを跨いで閉じる方向に接続する接続部材の少なくとも一方に接合材を付着させるステップと、コイルの温度を算定するステップと、算定されたコイルの温度が、接合材が接合に適した状態に変化する予め定められた範囲の温度になるようにコイルに電力を供給するステップとを含む。
第11の発明によると、算定されたコイルの温度が、接合材(たとえば、ロウ材)が接合に適した状態に変化する予め定められた範囲の温度(たとえば、溶融温度以上)になるように供給される電力量を制御する。これにより、コイルの温度がロウ材の溶融温度以上となるように電力を供給することができ、コイルの発熱により適度にロウ材が溶融してコイルの開放端部とバスバーとの接合処理を行なうことができる。また、溶接機やレーザ設備等による接合処理が不要になる。そのため、固定子の製造コストが低減できる固定子製造方法を提供することができる。
また、コイルに通電させて接合処理を行なうため、レーザ溶接あるいはTIG溶接等の接合のように接合部位とトーチの位置精度を確保する必要がなくなる。そのため、固定子の製造コストを低減できる。さらに、コイルに電力を供給することにより、コイルが有する接合部位について一度に接合処理が行なうことができる。そのため、溶接による接合点毎に施される接合処理よりも簡単にコイルの開放端部と接続部材(たとえば、バスバー)との接合処理が行なえる。その結果、製造時間が短縮され、製造コストの低減が図れる。
そして、コイル温度の制御を行なうことにより、接合部温度の上昇カーブを制御できる。そのため、コイルの開放端部とバスバーとの接合時間を制御して短縮することも可能である。その結果、固定子の製造コストの低減ができる。
さらに、少量のロウ材で接合処理を行なうようにすると、ロウ材を再度溶融させて、容易にコイルと固定子鉄心とを区別することができる。すなわち、固定子のリサイクル性が向上する。
第12の発明に係る固定子製造方法においては、第11の発明の構成に加えて、予め定められた範囲の温度は、コイルが有する絶縁部材の耐熱温度を超えない範囲である。
第12の発明によると、コイル温度を絶縁部材の耐熱温度を超えない範囲となるようにコイルに供給される電力を制御することにより、コイルが有するターン内およびターン間の絶縁部材(たとえば、エナメル被覆等)の焼損を防止することができる。また、レーザ溶接またはTIG溶接等のエネルギー密度の高い接合処理による接合部位近傍の絶縁部材の焼損を防止することができる。すなわち、固定子の絶縁品質の向上が図れる。
第13の発明に係る固定子製造方法においては、第11の発明の構成に加えて、コイルの温度を算定するステップは、コイルの温度を検知するコイル温度検知センサにより検知されたコイルの温度に基づいて、コイルの温度を算定するステップを含む。
第13の発明によると、コイルの温度を検知するコイル温度検知センサ(たとえば、熱電対)により検知されたコイルの温度に応じた電気信号に基づいて、コイルの温度を算定することにより、コイルの温度を把握することができる。そのため、コイルの温度を接合材(たとえば、ロウ材)が接合に適した状態に変化する予め定められた範囲の温度(たとえば、溶融温度以上)になるように供給される電力を制御することにより、接合処理を行なうことができる。すなわち、コイルの実測温度とロウ材の溶融温度との比較により、電源からの投入エネルギを決定して、温度制御できるので、確実な接合処理が可能となる。その結果、固定子における接合品質の向上が図れる。
第14の発明に係る固定子製造方法においては、第11の発明の構成に加えて、コイルの温度を算定するステップは、コイルの周囲の温度とコイルに供給される電力量とに基づいて、コイルの温度を算定するステップを含む。
第14の発明によると、コイルの周囲の温度とコイルに供給された電力量とに基づいて、コイルの温度を算定することにより、コイルの温度を把握することができる。そのため、コイルの温度を接合材(たとえば、ロウ材)が接合に適した状態に変化する予め定められた範囲の温度(たとえば、溶融温度以上)になるように供給される電力を制御することにより、接合処理を行なうことができる。
第15の発明に係る固定子製造方法においては、第11の発明の構成に加えて、固定子製造方法は、開放端部と接続部材の両端部とが圧接された状態となるように接続部材に荷重を付与するステップをさらに含む。
第15の発明によると、接続部材(たとえば、バスバー)に荷重を付与することにより、コイルの開放端部とバスバーとが圧接された状態となる。そのため、電流が流れやすくなることにより、開放端部とバスバーとの接触部における通電時の抵抗を低くすることができる。また、荷重を付与するために用いる治具を接合処理の完了時に不要になるものとすると、荷重を付与するためにモータの体格が増大することなく荷重を付与することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態にかかる固定子の製造方法およびその製造方法を実現するための製造装置について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
本実施の形態にかかる固定子の製造方法を説明するにあたり、まず、この固定子の製造方法により製造された固定子を含む同期モータの構造について説明する。
同期モータは、固定子と永久磁石からなる回転子とから構成される。固定子100は、図1に示すように固定子鉄心(以下、ステータコアという。)102と、コイル112と、バスバー110と、バスバー位置決めブロック104と、渡り部材106とから構成される。
ステータコア102は、複数の電磁鋼板が積層され中空円筒形状を形成している。そして、ステータコア102は、同期モータの回転軸に平行な方向に所定数の溝(以下、スロットという)を有している。所定数のスロットは、極数に対応した個数を有している。極数は、特に限定されるものではないが本実施の形態においては、たとえば、21とする。また、スロット間には、歯部(以下、ティースという。)108を有している。ティースの個数もスロットと同様に極数に対応している。したがって、本実施の形態において、極数が21のステータコア102は、21個のティース間に21個のスロットが形成されている。
そして、ティース108には、端部が巻着可能に開いた複数の予め定められた形状の導体の金属平板(図示せず)が積層された金属導体である積層体コイル(図示せず)が同期モータの回転軸に平行な方向に、ティース108を跨ぐようにして、ティース108の両脇のスロットに挿入されている。そして、ティース108の両脇のスロットにおいては、同期モータの径方向に複数の積層体コイルが挿入されている。挿入される積層体コイルの数は、特に限定されるものではないが、たとえば、本実施の形態においては、ティース108を跨ぐようにして径方向に10個の積層体コイルが挿入されている。
積層体コイルの開放端部は、直線形状の導体であるバスバー110の両端部と接合される。このとき、バスバー110の一方端部は、積層体コイルの開放端部の一方と接合される。そして、バスバー110の他方端部は、積層体コイルに隣接する積層体コイルが有する開放端部の一方に接合される。以下同様に、10個の積層体コイルの開放端部の一方がバスバーを介して隣接する積層体コイルの開放端部の一方とそれぞれ接続されることにより、ティース108にコイルが10回巻着された状態となる。すなわち、10ターンのコイル112が形成される。
ティース108において複数の積層体コイルの開放端部間を接続するための複数のバスバーが位置決めされてバスバー位置決めブロック104に固定される。そのため、バスバー位置決めブロック104が所定の位置に設置され、押圧されることにより、複数の積層体コイルの開放端部にそれぞれ対応したバスバーが組み付けられる。そして、レーザ溶接、あるいは、TIG溶接などの接合処理により、組み付けられたバスバーと開放端部とが接合される。
複数のバスバーが接続されて、ティース108に巻着されたコイル112は、ティース108の両脇のスロットのうち一方のスロットの内周側と他方のスロットの外周側にそれぞれバスバーに接続されないコイル端部を有する。そして、コイル端部の各々は、他のティースに巻着されたコイルと渡り部材106により接続される。また、ステータコア102に含まれる他のティースにおいても同様に、10ターンのコイルが形成されている。そして、各ティースのコイル間の接続は、3ティース毎のコイル端部が渡り部材を用いて接続される。そして、コイル端部140、142、144は、渡り部材により互いに接続される。このようにして、三相の同期モータの固定子100が形成される。そして、コイル端部134、136、138のそれぞれに交流電力の位相を制御して供給することにより、磁界が発生する。同期モータの回転子は、発生した磁界に基づいて回転力を得る。
積層体コイルを構成する金属平板の材質は、少なくとも導体の金属平板であれば、特に限定されるものではないが、本実施の形態において、たとえば、銅圧延素材である。金属平板として銅圧延素材を用いることにより、銅が高い熱伝達率を有するために、よりコイルの放熱性を向上させることができる。また、銅は内部抵抗が低く、導体として伝導率も高い。そのため、電流密度を向上させたときの発熱も低減させることができる。そして、銅圧延素材の金属平板の表面には酸化銅の絶縁被覆の表面処理が施されている。
また、積層体コイルを構成するステータコアに巻着可能に開いた予め定められた形状の金属平板は、開放端部と、平行な上底および下底と、上底および下底を接続する接続端部とを有する形状である。本実施の形態においては、積層体コイルは、たとえば、コの字形状の金属平板を積層して形成される。すなわち、積層体コイルは、プレス工程においてコの字形状にプレス成型された金属平板が積層されて形成される。ただし、プレス成型される金属平板の形状は、コの字形状に特に限定されるものではない。たとえば、金属平板は、U字形状にプレス成型されてもよい。
図2に示すように、本実施の形態における積層体コイル114は、複数のコの字形状の金属平板が積層されて形成される。このとき、積層体コイル114の開放端部と平行な上底および下底とがティース108の両脇のスロット146、148にそれぞれ挿入される。また、上底および下底とを接続する接続端部は、コイルエンド部を形成する。このとき、積層体コイル114において、スロット146、148へ挿入される上底および下底の断面を図3(A)に示す。また、コイルエンド部を形成する接続端部の断面を図3(B)に示す。図3(A)および図3(B)を比較すると、積層体コイル114においてコイルエンド部を形成する接続端部の断面積は、スロット146、148に挿入される上底および下底の断面積よりも大きい。
そのため、コイルエンド部およびスロット146、148における積層体コイル114の断面積を同じとした場合に比べて、コイルエンド部を形成するコイルの体積が増加する。そのため、コイルエンド部における熱容量が向上する。スロット内に発熱した熱は、熱抵抗の殆どない同一ターンのコイルエンド部に伝達される。その結果、スロット内のコイルからコイルエンド部への放熱性が向上する。したがって、スペースの小さなスロット内のコイルにおいて電流密度を向上させることが可能となる。すなわち、電流密度が向上した分のステータコア102の小型化が可能となる。
以下、図2を用いて説明したように積層体コイル114においてコイルエンド部を形成する接続端部の断面積を、スロットへ挿入される上底および下底の断面積よりも大きくすることにより、スロット内の電流密度を向上させることができる原理について説明する。
コイルの短時間の熱定格として以下のように考える。1)コイルの発熱がすべてコイルの温度上昇に使われているとする。2)コイルの温度はどの部分も均一とする。また、同一ターン内の積層体コイル内部の熱抵抗は、外部への放熱抵抗よりも十分小さい。
このとき、積層体コイルの全発熱量Qは、Q=2×(Ra(積層体コイル114の上底および下底の抵抗)+Rb(積層体コイル114の接続端部の抵抗))×I2(電流)×dt(通電時間)と表わすことができる。すなわち、Q=γ(銅比熱)×ρ(銅密度)×2×(Aa(上底および下底の断面積)×La(上底および下底の長さ)+Ab(接続端部の断面積)×Lb(接続端部の長さ))×dT(温度上昇)となる。
一方、コイル抵抗Rは、R=2×(Ra+Rb)=2×α(比抵抗)×(La/Aa+Lb/Ab)と表わすことができる。
すなわち、Q=2×α×(La/Aa+Lb/Ab)×I2×dt=γ×ρ×2×(Aa×La+Ab×Lb)×dTとなる。ここで、Lb=X×Laとし、Ab=Aaとして、上述した式を整理すると、(I/Aa)2=γ×ρ/α×(dT/dt)×(X×Y2+Y)/(X+Y)となる。すなわち、上述した式の右辺のγ×ρ/α×(dT/dt)の項が一般のモータにおいて、スロット側の上底および下底の断面積と、コイルエンド側の接続端部の断面積とが同じである場合の実質的な式となる。すなわち、定格時間における温度上昇dTは、電流密度(I/Aa)の2乗に比例する。また(X×Y2+Y)/(X+Y)の項は、スロット側の上底および下底の長さおよび断面積とコイルエンド側の接続端部の長さおよび断面積とが異なる場合に憂慮すべき項である。たとえば、LbがLaの長さの0.3倍(X=0.3)かつAbがAaの断面積の3倍(Y=3)のとき、(X×Y2+Y)/(X+Y)の項は、1.314となる。すなわち、同一温度条件で約1.3倍のスロット内の電流密度を向上させることができる。これは、約3割の小型化が可能であることを意味する。以上のことから、積層体コイル114において、コイルエンド部を形成する接続端部の断面積をスロットへ挿入される上底および下底の断面積よりも大きくすることにより、スロット内の電流密度を向上させることができる。
また、スロット内のコイルにおいては、ステータコア102と接触している。そのため、銅損により発生した熱をステータコアに放熱することにより、温度を低く維持しやすい。一方、コイルエンド部のコイルにおいては、空気にさらされている。そのため、銅損により発生した熱を外部に放熱することが難しい。そこで、本実施の形態において、コイルエンドを形成する金属平板をステータコアに接触するようにコの字形状を形成する。その結果、コイルエンド部からステータコア102への放熱が可能となる。そのため、コイルエンド部の放熱性を高めることができる。すなわち、たとえば、スロットがステータコアの端面に直交して形成されている場合、コの字形状のコイルを積層方向から見て上底および下底と接続端部との内側の角度を直角にする。そのため、コイルエンドを形成する金属平板をステータコアに接触させることができる。また、たとえば、スロットがスキュー角をつけて形成される場合においても、上底および下底との接続端部との内側の角度をスキュー角に対応した角度にする。そのため、コイルエンドを形成する金属平板をステータコアに接触させることができる。
また、モータの体格の軸方向の長さは、ステータコアとステータコアに巻着されたコイルエンド部の体格で規定される。そのため、金属平板および積層体コイルをコの字形状に形成することにより、コイルエンド部の占積率を高めることができる。その結果、固定子の小型化が図れる。
次に、積層体コイル114を形成する複数のコの字形状の金属平板には、図2の積層体コイル114に示されるように、3ヶ所の突出部が設けられている。そして、積層体コイル114を形成するために、金属平板の突出部の凹部に他の金属平板の突出部の凸部を圧入するいわゆる積層カシメにより互いが固定される。そして、同様に予め定められた枚数の金属平板に対して、積層カシメにより固定することにより、積層体コイル114が形成される。積層体コイル114を形成する金属平板が互いに固定されることにより、積層体毎の運搬が可能となる。その結果、固定子に対して積層体コイル114の組み付け時の作業性が向上する。なお、予め定められた枚数は、特に限定されるものではないが本実施の形態において、3枚または4枚の金属平板の積層により積層体コイル114が形成される。
図4(A)は、コの字形状の金属平板116の突出部を含むように積層方向に切断した断面図である。そして、図4(B)に示すように積層カシメにより、金属平板116の突出部の凸部が金属平板120の突出部の凹部に圧入される。そして、金属平板120の凸部が金属平板122に設けられた穴部に圧入されて互いに固定される。このようにして、図4(C)に示すような積層体コイル114が形成される。
また、隣接する積層体コイルとの固定には、接着剤を用いてもよい。すなわち、金属平板の突出部の凹部を接着剤の受け皿として塗布することにより、図4(D)に示すように積層体コイル114と積層体コイル124との接着を行なってもよい。積層体コイル同士を接着する際に、カシメ部を接着材の受け皿とすることができる。そのため、コイルの組み立て時の作業性を向上させることができる。
以下の説明において、上述した固定子100の構成に基づき、銅圧延素材から固定子100が形成される過程について説明する。
図5は、銅圧延素材の金属平板126の外観を示す図である。銅圧延素材の金属平板126の表面には、酸化銅の絶縁被覆の表面処理がされている。プレス工程において、銅圧延素材の金属平板126は、コの字形状にプレス成型される。そして、コの字形状にプレス成型された金属平板は、図4において説明したように、予め定められた枚数だけ積層される。そして、金属平板を積層カシメにより互いに固定することにより、図6(A)に示すように、積層体コイル114が形成される。そして、積層体コイル114は、図6(B)に示すように、隣接する積層体コイルに対する絶縁処理が行なわれる。隣接する積層体コイルとの絶縁は、特に限定されるものではないが、たとえば、ガラス等の無機材質を介在させてもよいし、積層体毎にエナメル処理を施してもよい。そして、積層体コイル114は、図6(C)に示すように、絶縁体上の所定の位置に接着剤を塗布して、他の積層体コイルと接着することができる。あるいは、図4(D)を用いて説明したように積層体コイルの互いの突出部の凹部を接着剤の受け皿として用いてもよい。
絶縁体を介在させて複数の積層体コイルを接着することにより、図7に示すようにコイル112が形成される。このとき、コイル112を形成する積層体コイルのそれぞれにおいて異なる寸法を有するコの字形状の金属平板を積層する。このようにして、スロットに挿入される積層体コイルの断面形状を自由に設定することができる。すなわち、スロットの形状に合わせて、同期モータの径方向の内周側から外周側にかけて、(図7において、上部から底部にかけて)、コの字形状のスロットに挿入される金属平板の幅を大きくする。そのため、スロット内におけるコイル112の占積率を高くすることができる。
複数の積層体コイルにより形成されたコイル112は、図8に示すように、ステータコア102のティース108を跨ぐようにして挿入される。すなわち、コイル112の上底および下底に対応するそれぞれの開放端部は、同期モータの回転軸方向と平行な方向に、ティース108の両脇のスロット146、148に対してそれぞれ挿入される。
積層体コイルの開放端部とバスバーとが接触する接触部において、予め定められた枚数の金属平板のうちの一部に板厚方向と直交する長さを異なる長さとして所定形状の切り欠きを設けることにより、嵌合部が形成される。嵌合部を形成することにより、バスバーの組付け性が向上する。
図9に、スロット146および148に挿入されたコイル112の開放端部を示す。図9に示すように、コイル112を形成する積層体コイルは、積層体コイルの各々において異なる形状の嵌合部を有する。また、各積層体コイルの各々において、異なる形状の嵌合部を有することにより、バスバーが組み付けられる際に、組み付け間違いを防止することができる。異なる嵌合部の形状は、積層体コイルを形成する金属平板において、所定形状の切り欠きを有する金属平板の枚数を変更することにより実現できる。
なお、図10に示すように、各積層体コイルの接合部に対応した複数のバスバーを個別に組み付ける場合、少なくとも隣接する積層体コイルにおける嵌合部の形状と異なることとする。隣接する積層体コイルの嵌合部の形状が異なることにより、バスバーの組み付け間違いを防止することができる。
特に、図11に示すように、複数のバスバーが固定された位置決めブロック104により一度に組み付け等の作業を行なう場合は、コイル112における各積層体コイルの開放端部の嵌合部において少なくとも1つが異なる形状を有することにより、バスバーの組み付け時の組み付け間違いを防止することができる。さらに、接合場所が特定されるために、位置決めを行なうための治具なしで接合処理を施すことができる。本実施の形態においては、内周側の3つの積層体コイルと、中央の3つの積層体コイルと、外周側の4つの積層体コイルとで嵌合部は、異なる形状を有する。
バスバーが積層体コイルに組み付けられると、図12に示すように、コイル112に組み付けられたバスバーと各積層体コイルの開放端部とのそれぞれの嵌合部は、一点毎にレーザ溶接、あるいは、TIG溶接により多点接合される。
バスバーと各積層体コイルの開放端部とが接合されると、渡り部材を用いてティース毎に巻着されたコイルが接続される。すなわち、本実施の形態の同期モータは、三相の交流同期モータであるため、3ティース毎にコイルの外周側のコイル端部と内周側のコイル端部とが図13に示すように、渡り部材を用いて接続される。そして、図14に示すように、コイル112と渡り部材106とをレーザ溶接あるいはTIG溶接により、接合処理が施される。その結果、図1に示すような固定子100が形成される。そして、コイルエンド部に対して樹脂等を用いてモールド処理が施されて、図15に示すような固定子100が形成される。
コイル112の製造方法は、上述したレーザ溶接あるいはTIG溶接により行なう場合、図16に示すような手順で行なわれる。
すなわち、ステップ1000(以下、ステップをSと略す。)にて、ステータコア102にコイル112が挿入される。S1100にて、複数のバスバーが固定されるバスバー位置決めブロック104がコイル112に組み付けられる。S1200にて、バスバーとコイルとの複数の嵌合部のうちの一点がレーザ溶接あるいはTIG溶接により接合処理が施される。S1300にて、接合箇所の数だけ繰返し接合処理が施される。
しかしながら、上述した本実施の形態に係る同期モータにおいて、接合点は、実に10(ターン数)×2(コイル1ターン当たりの開放端部の数)×21(極数)=420ヶ所にもおよぶ。すなわち、約400ヶ所以上の多点接合を行なう必要があるため、溶接工程におけるトーチの位置決め精度の確保および溶接時間の増大により製造コストがアップするという問題が考えられる。
そこで、本実施の形態に係る固定子の製造方法おいて、図12に示すようなバスバーとコイル112の開放端部との接合は、一点毎のレーザ溶接、あるいは、TIG溶接による接合処理を行なわずに、予め定められた温度以上で接合に適した状態に変化する接合材を用いた接合処理を行なう。
接合材は、特に限定されるものではないが、たとえば、予め定められた温度以上で溶融する導体の金属であってもよいし、予め定められた温度以上で硬化する導電性の熱硬化性接着剤でもよい。本実施の形態においては、接合材は、導体の金属として、溶融しやすく金属材と接合するのに適したはんだ(Sn、Pb合金)などの合金であるロウ材を用いる。
バスバーには、予めロウ材が付着される。ただし、本発明は、バスバーにロウ材が付着されることに特に限定されるものではない。たとえば、コイルの開放端部にロウ材が付着されてもよいし、バスバーとコイルの開放端部の両方にロウ材が付着されもよい。また、付着方法として特に限定されるものではないが、たとえば、溶融されたロウ材を嵌合部毎に塗布してもよいし、嵌合部毎にロウ材を用いてメッキ処理を施してもよい。
そして、バスバーをコイルの開放端部に組付けられる。その後、組付けられたバスバーに対して荷重が付与される。すなわち、バスバーとコイルの開放端部との嵌合部が圧接された状態となるように荷重が付与される。つづいて、コイルへの通電を行なうための電力を供給する。そして、バスバーと開放端部との接触部は、コイルへの通電により温度が上昇する。そして、バスバーと開放端部との接触部において、溶融温度以上でロウ材は、溶融を開始する。そして、コイルへの通電を停止すると、温度の降下に伴って、ロウ材は、再び固まる。このようにして、バスバーとコイルの開放端部との接合が行なわれる。
以下に、本実施の形態に係る固定子の製造方法および製造装置について図面を用いて詳細に説明する。
図17を用いて、本実施の形態に係る固定子の製造方法により製造される固定子を含む同期モータ200の構造を説明する。同期モータ200は、ステータコア102と、ロータ208と、回転軸204と、コイル112と、バスバー位置決めブロック104とから構成される。
同期モータ200には、押圧用円板治具202、206とが回転軸204と平行な方向にステータコア102を挟みこむように設けられる。また、押圧用円板治具206は、ステータコア102が有するバスバー位置決めブロック104に接触するように設けられる。また、押圧用円板治具202は、バスバー位置決めブロック104が設けられるステータコア102の端面の反対側の面で、コイル112と接触するように設けられる。そして、押圧用円板治具202は、固定されているため、押圧用円板治具206に回転軸204と平行な方向に荷重を付与することにより、バスバーとコイルの開放端部とが圧接された状態とすることができる。なお、ここで付与される荷重は、特に限定されるものではないが、たとえば、本実施の形態において、油圧装置等により付与される。そして、押圧用円板治具202、206は、接合処理の完了時に不要にできるので、荷重を付与するためにモータの体格を増大させることなく荷重を付与することができる。
また、コイルをコの字またはU字形状にプレス成型された導体の金属平板が予め定められた枚数だけ積層されて形成されることにより、コイルエンド部に滑らかな面を形成できる。そのため、バスバーに荷重を付与する際に、バスバーを有する固定子鉄心の端面と反対の面を固定するコイルのコイルエンド部のエナメル被覆等を傷つけることなく荷重を付与することができる。
また、コイル112には、モータ駆動用パワーライン212を介して電源210と接続されている。そのため、電源210から、コイル112に対して電力が供給される。
図18は、図17中の矢視Aから見た固定子100の図である。図18に示すように、コの字形状のコイル112は、ティース108に挿入される。そして、コイル112を形成する積層体コイル114の開放側の2つの端部のうちのいずれか一方の端部150には、隣接するコイルと接続するためのバスバー110の一方端が組み付けられる。そして、バスバー110の他方端は、コイル112に隣接する積層体コイルの開放側の2つの端部のうちの端部150とティース108を跨いで対向する位置にある端部152に組み付けられる。上述したようにバスバーは、隣接する2つの積層体コイルにおいてティース108を跨いで対向する位置にある開放端部を互いに接続するための接続部材である。このとき、積層体コイル114の端部150とバスバー110の両端部とのうちの少なくとも一方には、ロウ材が塗布されている。そして、バスバーと端部150、152の嵌合部において、荷重が付与されることにより、バスバーと端部150、152とが圧接された状態となる。そして、荷重が付与された状態でコイル112に対して電力が供給される。その結果、嵌合部は発熱し、嵌合部の温度がロウ材の溶融温度以上で塗布されたロウ材が溶融する。コイル112への通電を停止すると、ロウ材は、温度の降下に伴って固化する。そして、バスバー110と端部150、152との接合処理が完了する。
以上のような構成を有する同期モータ200の固定子を製造する方法である本実施の形態に係る固定子の製造方法は、図19に示すような手順により行なわれる。
S1500にて、ステータコア102にコイルが挿入される。ステータコア102が有するティース108を跨いでスロット146および148に挿入されたコイルは、図9に示すような状態となる。
S1510にて、バスバーにロウ材が塗布される。S1520にて、コイルの開放端部にバスバーが組み付けられる。すなわち、図11に示すように、複数のバスバーが固定されるバスバー位置決めブロック104が所定の位置に組み付けられる。バスバー位置決めブロックの組付けにより、複数のバスバーが一度にコイルの開放端部に組み付けられる。
S1530にて、バスバーに対して荷重が付与される。S1540にて、バスバーに荷重が付与された状態で、電源部210からコイルに電力が供給される。そして、コイルへの通電により、バスバーとコイルの開放端部との嵌合部が加熱される。このとき、嵌合部がロウ材の溶融温度以上となることでロウ材は溶融する。
S1550にて、電源部210からコイルへの電力の供給が停止される。
ここで、電力を供給されるコイルの温度が、予め定められた範囲の温度になるように制御する必要がある。予め定められた範囲の温度とは、ロウ材の溶融温度以上、かつ、コイルが有するエナメル被覆等の絶縁部材の耐熱温度を超えない範囲である。
そこで、嵌合部におけるロウ材が予め定められた温度以上すなわち溶融温度以上となるようにコイルの温度を算定して、コイルへ供給される電力を制御するための固定子製造装置300の構成について説明する。
固定子製造装置300は、図20に示すように、コイル温度検知部302と、外気温度検知部304と、ワーク載置部306と、電源部210と、荷重付与部310と、制御部312とから構成される。
コイル温度検知部302は、コイルの温度を検知する。コイル温度検知部302は、特に限定されるものではないが、たとえば、ワーク載置部306に設けられる熱電対等のコイル温度検知センサにより実現される。
外気温度検知部304は、コイルの周囲の温度を検知する。外気温度検知部304は、特に限定されるものではないが、検知される温度に応じた電気信号を出力する温度センサにより実現される。
ワーク載置部306は、固定子100を製造するための作業台である。電源部210は、制御部312から出力される電流(I)、電圧(V)の指令値に基づいて、作業台の固定子100が有するコイルに電力を供給する。
また、荷重付与部310は、制御部312からの荷重制御信号を受けて、ワーク載置部306に固定された固定子100が有するコイルに対して、予め定められた荷重を付与する。
制御部312は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、図示しない記憶部に格納されるプログラムをCPUが実行する。そして、制御部312は、コイル温度検知部302により検知されるコイルの温度に応じた電気信号に基づいて、コイルの温度を算定する。そして、算定されたコイルの温度に基づいて、制御部312は、電源部210に対して電流(I)、電圧(V)の指令値を送り、ワーク載置部306への電力供給を制御する。また、制御部312は、荷重付与部310対して、荷重制御信号を送り、ワーク載置部306に付与する荷重を制御する。このようにコイルの実測温度とロウ材の溶融温度との比較により、電源からの投入エネルギーと決定できるため、確実な接合処理が可能となる。その結果、接合品質の向上が図れる。ただし、コイルの温度の算定は、コイル温度検知部302により検知される電気信号に基づいて算定することに限定されない。たとえば、外気温度検知部304により検知されるコイルの周囲の温度に応じた電気信号と、コイルに供給した電力量に基づいて、コイルの温度を推定するなどして算定してもよい。
このとき、推定されたコイルの温度に基づいて、制御部312は、電源部210に対して電流(I)、電圧(V)の指令置を送り、ワーク載置部306へ供給される電力量を制御する。
以上のような構成を有する固定子製造装置300の制御部312は、図21のフローチャートに示すプログラムを実行して、コイルの温度を制御する。
S2000にて、外気温度検知部304によりコイルの周囲の外気温度が検知される。制御部312は、検知された外気温度に応じた電気信号に基づいてコイルの温度を算定する。あるいは、制御部312は、コイル温度検知部302により検知されるコイルの温度に応じた電気信号に基づいて、コイルの温度を算定する。
S2100にて、制御部312は、算定されたコイルの温度に基づいて、供給すべき電力の電流(I)、および電圧(V)の指令値の演算を行なう。そして、制御部312は、電源部210に対して、電流(I)および電圧(V)の指令値を出力する。
S2200にて、電源部210は、制御部312からの指令値に基づいて、コイルに対して電力を供給する。S2300にて、外気温度検知部304によりコイルの周囲の外気温度が検知される。制御部312は、検知された外気温度に応じた電気信号と電源部210から供給された電力量とに基づいて、コイルの温度を算定する。あるいは、制御部312は、コイル温度検知部302により検知されるコイルの温度に応じた電気信号に基づいて、コイルの温度を算定する。
S2400にて、制御部312は、算定されたコイルの温度がロウ材のロウ付けに適したロウ付け温度であるか否かの判断を行なう。ロウ付けに適したロウ付け温度とは、すなわち、ロウ材の溶融温度以上である。コイル温度がロウ付け温度となると(S2400にてYES)、処理はS2500に移される。もしそうでないと(S2400にてNO)、処理は、S2300に戻される。
S2500にて、制御部312が有する図示しないタイマは、ロウ付け時間の計測を開始する。S2600にて、制御部312は、タイマにより計測される時間が、予め定められたロウ付けに必要な時間であるかどうかの判断を行なう。タイマにより計測される時間がロウ付けに必要な時間となると(S2600にてYES)、処理はS2700に移される。もしそうでないと(S2600にてNO)、制御部312は、タイマにより計測される時間がロウ付けに必要な時間になるまで待機する。
S2700にて、制御部312は、電源部210によりコイルへの通電を停止させる。
なお、制御部312は、荷重付与部310により予め定められた荷重をワーク載置部306の固定子に付与させる。荷重付与部310は、制御部312からの荷重制御信号に基づいて荷重を付与して、バスバーとコイルの開放端部とが圧接された状態とする。そのため、バスバーとコイルの開放端部との間の通電時の抵抗を低減させることができる。
また、付与する荷重は、荷重を高くすることによりバスバーとコイルの開放端部とが圧接された状態となり接触部における密着性が上がる。密着性が上がると電流が通りやすくなるため通電抵抗が下がる。そして、通電抵抗が下がると、接触部における発熱量が小さくなる。一方、付与する荷重は、低くすることにより接触部における密着性が下がる。密着性が下がると電流が通りにくくなるため通電抵抗が上がる。そして、通電抵抗が上がると、接触部における発熱量が大きくなる。すなわち、同じ電力量を供給しても荷重付与の大小により通電抵抗が異なるため接触部における発熱量が異なる。
そのため、荷重付与部310による荷重を制御することにより通電抵抗を制御してもよい。すなわち、制御部312は、算定されるコイルの温度に基づいて、荷重付与部310により付与される荷重を制御してもよい。
たとえば、バスバーとコイルの開放端部との接触部において荷重付与部310による荷重を低くすることにより同じ電力量を供給しても荷重を高くする場合と比較して接触部における発熱量が大きくなり、接触部を迅速にロウ材の溶融温度以上とすることができる。すなわち、迅速な接合処理を行なうことができる。
また、固定子製造装置300が有する制御部312は、コイルが有する絶縁部材が耐熱温度を超えないようにコイル温度を制御する。すなわち、図22のフローチャートに示すプログラムを実行して、コイルの温度を制御する。
S3000にて、外気温度検知部304によりコイルの周囲の外気温度が検知される。制御部312は、検知された外気温度に応じた電気信号に基づいてコイルの温度を算定する。あるいは、制御部312は、コイル温度検知部302により検知されるコイルの温度に応じた電気信号に基づいて、コイルの温度を算定する。
S3100にて、制御部312は、算定されたコイルの温度に基づいて、供給すべき電力の電流(I)、および電圧(V)の指令値の演算を行なう。そして、制御部312は、電源部210に、電流(I)および電圧(V)の指令値を出力する。
S3200にて、電源部210は、制御部312からの指令値に基づいて、コイルに電力を供給する。S3300にて、外気温度検知部304によりコイルの周囲の外気温度が検知される。制御部312は、検知された外気温度に応じた電気信号と電源部210から供給された電力量とに基づいて、コイルの温度を算定する。あるいは、制御部312は、コイル温度検知部302により検知されるコイルの温度に応じた電気信号に基づいて、コイルの温度を算定する。
S3400にて、制御部312は、算定されたコイルの温度がロウ材のロウ付けに適したロウ付け温度であるか否かの判断を行なう。コイル温度がロウ付け温度となると(S3400にてYES)、処理はS3500に移される。もしそうでないと(S3400にてNO)、処理は、S3300に戻される。
S3500にて、制御部312は、供給すべき電力の電流(I)、および電圧(V)の指令値を変更する。S3600にて、外気温度検知部304によりコイルの周囲の外気温度が検知される。制御部312は、検知された外気温度応じた電気信号に基づいて、コイルの温度を算定する。あるいは、制御部312は、コイル温度検知部302により検知されるコイルの温度に応じた電気信号に基づいて、コイルの温度を算定する。
S3700にて、制御部312は、算定されたコイルの温度が絶縁部材の耐熱温度を超えるか否かの判断を行なう。算定されたコイルの温度が絶縁部材の耐熱温度を超えると(S3700にてYES)、処理はS3800に移される。もしそうでないと(S3700にてNO)、処理はS3600に移される。
S3800にて、制御部312は、電源部210によりコイルへの通電を停止させる。
また、バスバーとコイルの開放端部における接触部を部分的に接触しない空隙部を形成させることにより、バスバーとコイルの開放端部との間の接触部における通電抵抗を高めることができる。すなわち、バスバーとコイルの開放端部との接触面積を小さくして、接触部において通電抵抗を大とすることにより、コイルへの通電時に接触部において発熱量を向上させることができる。そのため、容易に接触部におけるロウ材の温度を溶融温度以上に上昇させることができる。その結果、製造時間の短縮が図れる。また、コイル全体の温度をロウ材の溶融温度以上となるように上昇させる必要がなくなるため、結果として製造コストの低減が可能となる。また、固定子を構成する部材の焼損を防止することができる。
たとえば、図23に示すように、バスバー216の嵌合部214とコイル開放端部218との間に隙間213を形成させることにより、嵌合部214とコイル開放端部218との接触面積が小さくなる。そのため、コイルに電力を供給したときに接触部において電流が流れにくくなるため、バスバー216とコイルの開放端部218との間の接触部における通電抵抗を高めることができる。
あるいは、図23のB−B断面である図24に示すように、バスバー222の両端部の形状に切り欠きを設けることにより端部318とバスバー222との間に空隙部220を形成させる。そして、切り欠きによりバスバー222とコイルの開放端部との間の接触部における接触面積を小さくなる。そのため、コイルに通電抵抗を高めることができる。
このようにして、接触部における接触面積を小さくして通電抵抗を高めると、隙間213あるいは空隙部220を形成しない場合と比較して、コイルに同じ電力量を供給したとしても、接触部における発熱量を高くすることができる。そのため、接触部の温度をロウ材の溶融温度以上に迅速に上昇させることができる。すなわち、迅速な接合処理を行なうことができる。
本実施の形態に係る固定子製造装置によると、算定されたコイルの温度がロウ材の溶融温度以上になるように電源部により供給される電力量を制御することにより、コイルの温度をロウ材の溶融温度以上となるように電源部から電力を供給することができる。その結果、コイルの発熱による接合処理を行なうことができるため、溶接機やレーザ設備等による接合処理が不要なる。そのため、製造コストが低減できる固定子製造装置を提供することができる。
また、コイルに電力を供給することにより、レーザ溶接あるいはTIG溶接等の接合のように接合部位とトーチの位置精度を確保する必要がなくなる。そのため、製造コストの低減ができる。さらに、コイルに電力を供給することにより、コイルが有する接合部位について一度に接合処理が行なえる。すなわち、溶接による接合処理よりも簡単にコイルと接続部材(たとえば、バスバー)との接合処理が行なえる。その結果、製造コストの低減ができる。そして、コイル温度の制御を行なうことにより、電源からの投入エネルギーにより接合部温度の上昇カーブを制御できる。そのため、上昇カーブを急激にすることにより接合時間を短縮できる。その結果、製造コストの低減ができる。
さらに、少量のロウ材で接合処理を行なうことができるので、ロウ材を再度溶融させることで容易にコイルと固定子鉄心とを区別することができる。すなわち、固定子のリサイクル性が向上する。
また、コイル温度を絶縁部材の耐熱温度を超えない範囲となるように電源部を制御することにより、コイルが有するターン内およびターン間のエナメル被覆の焼損を防止することができる。また、レーザ溶接またはTIG溶接等のエネルギー密度の高い接合処理による接合部位近傍の絶縁部材の焼損を防止することができる。すなわち、絶縁品質の向上が図れる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
固定子の外観を示す図である。 コの字形状の積層体コイルの外観を示す図である。 積層体コイルの断面を示す図である。 積層体コイルの積層方向の積層断面を示す図である。 銅圧延素材の金属平板の外観を示す図である。 積層体コイルの絶縁処理の経過を示す図である。 複数の積層体コイルで形成されるコイルの外観を示す図である。 ステータコアに挿入されるコイルの組み付け経過を示す図である。 ステータコアに組み付けられたコイルの外観を示す図である。 バスバーが組み付けられたコイルの外観を示す図である。 複数のバスバーが固定されたバスバー位置決めブロックが組み付けられたコイルの外観を示す図である。 コイルの開放端部に組み付けられたバスバーの接合を示す図である。 コイルの端部に渡り部材を組み付ける経過を示す図である。 コイルの端部に組み付けられた渡り部材の端部の接合を示す図である。 コイルエンド部をモールド処理された固定子の外観を示す図である。 レーザ溶接あるいはTIG溶接を用いた固定子の製造方法を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る固定子の製造方法により製造された固定子を有する同期モータの断面を示す図である。 図17の矢視A方向から見たコイルを示す図である。 本実施の形態に係る固定子の製造方法を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る固定子の製造方法を実現する固定子製造装置の構成を示すブロック図である。 図20の制御部にて実行されるプログラムのフローチャート(その1)である。 図20の制御部にて実行されるプログラムのフローチャート(その2)である。 本実施の形態に係る固定子の製造方法により製造された固定子が有するバスバーとコイルの開放端部に形成した空隙部を示す図である。 図23のB−B断面を示す図である。
符号の説明
100 固定子、102 ステータコア、104 バスバー位置決めブロック、106 渡り部材、108 ティース、110,216,222 バスバー、112 コイル、114,124 積層体コイル、116,120,122,126 金属平板、134,136,138,140,142,144 コイル端部、146,148 スロット、150,152,218,318 端部、154 内周側ボルト、156 外周側ボルト、200 同期モータ、202,206 押圧用円板治具、204 回転軸、208 ロータ、210 電源部、212 パワーライン、213 隙間、214 バスバー嵌合部、220 空隙部、300 固定子製造装置、302 コイル温度検知部、304 外気温度検知部、306 ワーク、310 荷重付与部、312 制御部。

Claims (15)

  1. 固定子と回転子とからなる回転電機における前記固定子の製造装置であって、前記固定子は、前記回転電機の回転軸に平行な方向に設けられた複数のスロットと前記スロット間に形成されるティースとを有する固定子鉄心と、前記スロットに挿入され前記ティースに巻着可能な開放端部を有するコイルとを含み、前記コイルは、前記開放端部と前記ティースを跨いで閉じる方向に接続する接続部材とが接合材を介して形成され、
    前記コイルに電力を供給するための電力供給手段と、
    前記電力供給手段を制御するための制御手段とを含み、
    前記制御手段は、
    前記コイルの温度を算定するためのコイル温度算定手段と、
    前記算定された前記コイルの温度が、前記接合材が接合に適した状態に変化する予め定められた範囲になるように前記電力供給手段により供給される電力量を制御するための電力制御手段とを含む、固定子製造装置。
  2. 前記予め定められた範囲は、前記コイルが有する絶縁部材の耐熱温度を超えない範囲である、請求項1に記載の固定子製造装置。
  3. 前記コイル温度算定手段は、前記コイルの温度を検知するコイル温度検知センサにより検知されたコイルの温度に基づいて、前記コイルの温度を算定するための手段を含む、請求項1に記載の固定子製造装置。
  4. 前記固定子製造装置は、前記コイルの周囲の温度を検知するための外気温度検知手段をさらに含み、
    前記コイル温度算定手段は、検知された前記コイルの周囲の温度と前記コイルに供給される前記電力量とに基づいて、前記コイルの温度を算定するための手段を含む、請求項1に記載の固定子製造装置。
  5. 前記固定子製造装置は、前記開放端部と前記接続部材とが圧接された状態となるように、前記接続部材に荷重を付与するための荷重付与手段をさらに含む、請求項1に記載の固定子製造装置。
  6. 前記制御手段は、前記荷重付与手段により付与される前記荷重を制御するための荷重制御手段をさらに含む、請求項5に記載の固定子製造装置。
  7. 前記コイルは、コの字またはU字形状にプレス成型された導体の金属平板が予め定められた枚数だけ積層された積層体である、請求項1〜6のいずれかに記載の固定子製造装置。
  8. 前記接合材は、予め定められた温度以上で溶融するという状態の変化を伴う導体の金属を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の固定子製造装置。
  9. 前記導体の金属は、ロウ材である、請求項8に記載の固定子製造装置。
  10. 前記接合材は、予め定められた温度以上で硬化するという状態の変化を伴う導電性の熱硬化性接着剤を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の固定子製造装置。
  11. 固定子と回転子とからなる回転電機における前記固定子を製造する方法であって、前記固定子は、前記回転電機の回転軸に平行な方向に設けられた複数のスロットと前記スロット間に形成されるティースとを有する固定子鉄心と、金属導体を複数枚積層したコイルとを含み、前記コイルは、前記金属導体の積層方向から見て、前記スロットに挿入されティースに巻着可能な開放端部を有する矩形形状の薄板であって、
    前記回転軸に平行な方向に沿って、前記コイルを前記スロットに挿入して、前記コイルを前記ティースに巻着させるステップと、
    前記コイルの積層方向に隣接する2つの金属導体における前記ティースを跨いで互いに対向する位置にある2つの開放端部、および前記2つの開放端部を前記ティースを跨いで閉じる方向に接続する接続部材の少なくとも一方に接合材を付着させるステップと、
    前記コイルの温度を算定するステップと、
    前記算定された前記コイルの温度が、前記接合材が接合に適した状態に変化する予め定められた範囲になるように前記コイルに電力を供給するステップとを含む、固定子製造方法。
  12. 前記予め定められた範囲は、前記コイルが有する絶縁部材の耐熱温度を超えない範囲である、請求項11に記載の固定子製造方法。
  13. 前記コイルの温度を算定するステップは、前記コイルの温度を検知するコイル温度検知センサにより検知されたコイルの温度に基づいて、前記コイルの温度を算定するステップを含む、請求項11に記載の固定子製造方法。
  14. 前記コイルの温度を算定するステップは、前記コイルの周囲の温度と前記コイルに供給された電力量とに基づいて、前記コイルの温度を算定するステップを含む、請求項11に記載の固定子製造方法。
  15. 前記固定子製造方法は、前記開放端部と前記接続部材の両端部とが圧接された状態となるように前記接続部材に荷重を付与するステップをさらに含む、請求項11に記載の固定子製造方法。
JP2003383975A 2003-11-13 2003-11-13 固定子製造装置および固定子製造方法 Pending JP2005151668A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003383975A JP2005151668A (ja) 2003-11-13 2003-11-13 固定子製造装置および固定子製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003383975A JP2005151668A (ja) 2003-11-13 2003-11-13 固定子製造装置および固定子製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005151668A true JP2005151668A (ja) 2005-06-09

Family

ID=34692547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003383975A Pending JP2005151668A (ja) 2003-11-13 2003-11-13 固定子製造装置および固定子製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005151668A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008152966A1 (ja) * 2007-06-12 2008-12-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 回転電機
JP2013198332A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動アクチュエータおよび電動アクチュエータの製造方法
WO2014129521A1 (ja) * 2013-02-21 2014-08-28 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 ステータの製造方法及び製造装置
US20190199154A1 (en) * 2017-12-26 2019-06-27 Honda Motor Co., Ltd. Stator of rotary electric machine

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008152966A1 (ja) * 2007-06-12 2008-12-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 回転電機
JP2013198332A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動アクチュエータおよび電動アクチュエータの製造方法
WO2014129521A1 (ja) * 2013-02-21 2014-08-28 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 ステータの製造方法及び製造装置
JP5943141B2 (ja) * 2013-02-21 2016-06-29 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 ステータの製造方法及び製造装置
US9948168B2 (en) 2013-02-21 2018-04-17 Aisin Aw Co., Ltd. Manufacturing method of a stator
US20190199154A1 (en) * 2017-12-26 2019-06-27 Honda Motor Co., Ltd. Stator of rotary electric machine
CN110022019A (zh) * 2017-12-26 2019-07-16 本田技研工业株式会社 旋转电机的定子
JP2019118166A (ja) * 2017-12-26 2019-07-18 本田技研工業株式会社 回転電機のステータ
US10840760B2 (en) 2017-12-26 2020-11-17 Honda Motor Co., Ltd. Stator of rotary electric machine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4797728B2 (ja) 回転電機の固定子、固定子に用いられる部品および回転電機の固定子の製造方法
JP2005160143A (ja) 回転電機の固定子
JP5996917B2 (ja) 回転電機用ステータ及びその回転電機用ステータの製造方法
JP2017070140A (ja) 折り曲げにより形成された円筒形状のコイル体、該コイル体の製造方法、及び該コイル体を用いた回転電機
KR20180054913A (ko) 회전 전기 및 회전 전기의 제조 방법
JP2012191789A (ja) エンドリングとバーをろう付けする誘導電動機のかご形ロータ及びその製造方法
JP5084783B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
WO2015125234A1 (ja) モータ駆動装置
JP5040300B2 (ja) 回転電機の回転子及び回転電機
JP2005137174A (ja) 固定子製造方法および固定子製造方法により製造される回転電機の固定子
JP2008530968A (ja) 多数の成層鉄板から形成されたセグメント化された部分を備えた電動モータと成層鉄板を接合するための方法
JPWO2014102950A1 (ja) 回転電機
JP6184239B2 (ja) 溶接構造および電動機
US20190165634A1 (en) Stator having housing-integrated bus bars and internal cooling jacket
JP2006042500A (ja) 回転電機
EP3573218B1 (en) Connection structure for coil and bus bar, and motor having same
JP2005151668A (ja) 固定子製造装置および固定子製造方法
JP4241321B2 (ja) 回転電機の固定子
CN112787451A (zh) 旋转电机以及旋转电机的制造方法
WO2020031612A1 (ja) 回転電機の固定子及びその製造方法
JP2005502295A (ja) 進行磁界機械
JP6745838B2 (ja) 回転電機及びその製造方法
US20090230807A1 (en) Stator for rotating electric machine
JP5035334B2 (ja) 固定子の製造方法
JP2005204452A (ja) 固定子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060720

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090317

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090707