JP2005151461A - 信号抽出装置、そのプログラム、無線通信方法、その装置及びそのプログラム - Google Patents

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暁 福元
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Abstract

【課題】 無線通信において干渉信号の情報がない状態でも、また干渉信号と希望信号の信号帯域幅が異なっていても干渉信号が抑圧された希望信号の抽出を可能とする。
【解決手段】 時間相関抽出部15で受信信号の時間相関が演算され、受信信号の時間相関波形から、希望信号の時間相関成分以外が、干渉信号の時間相関波形として抽出され、信号波形再生部17でその干渉信号の時間相関波形が参照信号で割算されて干渉信号が出力され、判定切替部18で信号波形再生部17の出力信号が所定レベル以上になったか否かが判定され、判定レベルになっていなければ受信信号が参照信号とされ、所定レベル以上であれば再生部17の出力信号が参照信号とされる。再生部17から再生干渉信号が減算部23で受信信号から差し引かれて干渉が抑圧された希望信号が得られる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、移動通信方式、その他の各種無線通信方式に適用され、無線受信信号から抽出したい希望信号あるいは干渉信号などを抽出する信号抽出装置、特に歪を抑圧した信号として抽出する装置、及びそのプログラム、またその装置を用いた無線通信方法、その装置、及びそのプログラムに関する。
無線通信システムにおいては、限られた周波数資源を効率的に使用するために、受信信号に対する干渉量を抑える技術が重要となる。従来の干渉量抑圧技術として、図1に示すようなレプリカ生成型干渉キャンセラがある。
受信信号z(t)は希望信号x(t)と干渉信号w(t)と雑音n(t)とが重畳されたものであり、通信路推定部1で希望信号x(t)及び干渉信号w(t)の各伝搬路特性を推定し、これらに希望信号x(t)及び干渉信号w(t)の取りうる全てのシンボル系列候補を希望レプリカ生成部2及び干渉レプリカ生成部3でそれぞれ乗算することにより、全てのシンボル系列候補に対して希望信号レプリカと干渉信号レプリカを生成し、これらを加算部4で加算して受信信号レプリカとし、減算部5でこの受信信号レプリカを受信信号z(t)から差し引き、その誤差信号を通信路推定部1に入力すると共に、自乗部6で自乗して最尤系列推定部7に入力する。最尤系列推定部7で各シンボル系列候補を生成して各レプリカ生成部2及び3に入力し、実際の受信信号z(t)と最も近い受信信号レプリカを与える希望信号x(t)及び干渉信号w(t)のシンボル系列候補を最尤系列推定処理により判定し、希望信号x(t)のシンボル系列候補を受信信号z(t)の判定結果として出力する。このように受信信号z(t)から適応的に干渉信号w(t)を除去することにより、異なる複数の信号が同一時刻に同一周波数を同一空間で使用することが可能となり、周波数利用効率を向上させることが可能となる(特許文献1 参照)。
特開平10−173573号公報
上述したレプリカ生成型干渉キャンセラは、希望信号及び干渉信号の各レプリカを生成することにより、実効的に干渉を除去することが可能であるが、レプリカを生成するときに希望信号だけでなく干渉信号の変調方式等の情報を把握している必要がある。このため、干渉信号の情報を把握している場合は高度な干渉除去効果を得ることが可能であるが、この情報を有さない場合は干渉除去効果を得ることができない。
さらに、従来の干渉キャンセラは希望信号と干渉信号の信号帯域幅が等しい場合を想定しているため、広帯域を要求する希望信号と、狭帯域を要求する信号を対象とする干渉信号が合成されて受信される場合、十分な干渉抑圧効果を得ることができない。このため、干渉キャンセラによる周波数利用効率改善効果を得るためには、広帯域信号を使用している周波数帯域では、同時に狭帯域信号を利用することができない。
この発明の目的は干渉信号の情報を有さない状態であっても、干渉信号と希望信号の信号帯域幅が異なっていても干渉信号が抑圧された希望信号の抽出を可能とする、または希望信号を含まない干渉信号の抽出を可能とする信号抽出装置、そのプログラム及び無線通信方法を提供することにある。
この発明の信号抽出装置によれば、時間相関抽出部で受信信号の時間相関が演算され、抽出対象情報が表わす抽出信号の時間相関波形が抽出され、信号波形再生部で上記時間相関波形が参照信号で割算されて上記抽出信号が出力され、判定切替部で上記信号波形再生部の出力信号が上記抽出信号であるか否かが判定され、抽出信号でなければ上記受信信号が上記参照信号とされ、抽出信号であればその抽出信号が上記参照信号とされる。
この発明の方法によれば送信側装置から通信要求信号を受信側装置へ送信し、受信側装置は上記通信要求信号を受信すると、受信信号の周期自己相関値を計算し、上記計算された周期自己相関値が小さい成分の近くに希望信号の周期自己相関値の成分が現われる、その希望信号の変調方式、信号帯域幅又はパルスビットレート、及び搬送波周波数を送信パラメータ組として決定し、この送信パラメータ組を含む送信許可通知を上記送信側装置へ送信し、上記送信側装置は上記送信許可通知を受信すると、これに含まれる送信パラメータ組を分離し、送信データにより変調され、上記送信パラメータ組の各パラメータを満す希望信号を生成して上記受信側装置へ送信する。
この発明の信号抽出装置では抽出信号の時間相関波形のみを利用するため、例えば抽出信号が希望信号の場合、干渉信号の情報を知らない場合でも、希望信号を抽出することができる。また希望信号と干渉信号との信号帯域幅が異なっていても希望信号を抽出することができる。抽出信号が干渉信号の場合は、その干渉信号を同様に抽出することができるため、この抽出した干渉信号を受信信号から差し引くことにより希望信号を抽出することができる。干渉信号の抽出は時間相関抽出部で演算した時間相関値から希望信号の成分以外を干渉信号の時間相関波形として抽出することにより得られる。
この発明の方法によれば、同一時刻に同一周波数を多数の送受信機で共用することが可能となり、周波数利用効率が改善される。
まずこの発明による信号抽出装置を適用した無線受信機の実施形態を説明する。
[実施形態1]
原理
図2を参照して実施形態1の原理的構成を説明する。アンテナ11により受信された無線受信信号は必要に応じて周波数変換器12により中間周波数の受信信号に変換され、この受信信号は一般にはA/D変換器13により周期的にサンプリングされ、その各サンプルがディジタル値に変換され、ディジタル信号系列の受信信号に変換される。前記中間周波数fiは無線受信信号中のベースバンド信号周波数より高ければよいが、処理のし易さからなるべく低い周波数がよい。A/D変換器13でのサンプリング周波数fsは2fi 以上とされる。以下前記ディジタル信号系列の受信信号を単に受信信号という。この受信信号がこの発明の信号抽出装置の入力端子14に入力される。
入力端子14よりの受信信号は時間相関抽出部15へ供給される。時間相関抽出部15では受信信号z(n)の時間相関値を演算し、抽出対象指定部16からの抽出信号識別・情報に基づき、抽出信号の時間相関成分が抽出される。nは受信信号系列における各サンプル時刻、つまり離散時刻を表わす。抽出信号は受信信号z(n)中から抽出したい信号であって、一般には希望信号x(n)または干渉信号w(n)である。希望信号x(n)の時間相関波形はx(n)x*(n−τ)であり、干渉信号w(z)の時間相関波形はw(n)x*(n−τ)である。τは受信信号z(n)のサンプル周期(1/fs)の整数倍であり、「* 」はx(n−τ)の複素共役を表わす。時間相関抽出部15の具体的構成は後で説明する。
時間相関抽出部15で抽出された時間相関波形は信号波形再生部17へ入力され、参照信号u(n−τ)により割算され抽出信号が信号波形再生部17から出力される。抽出信号が希望信号x(n)の場合、信号波形再生部17で下記の計算が行われる。
x^(n)=x(n)x*(n−τ)/u*(n−τ) (1)
参照信号として過去の再生信号波形x(n−τ)を用いることができれば出力される再生信号波形は次のように希望信号波形が再現されたものになり、つまり受信信号z(n)から抽出したい信号が抽出される。
x^(n)=x(n)x*(n−τ)/x*(n−τ)
=x(n)
抽出信号が干渉信号w(n)の場合も、同様に干渉信号が再現され、受信信号z(n)から抽出したい信号が抽出される。
抽出したい信号波形は既知ではなく、無線信号の受信を開始した時には過去の再生信号を参照信号u(n−τ)として用いることができない。この場合は、受信信号z(n)を用いる。図示例では判定切替部18内の切替スイッチ18aは接点nc側に接続され、入力端子14からの受信信号z(n)が切替スイッチ18aを通じて参照信号u(n−τ)として信号波形再生部17へ入力される。この場合、必要に応じて時間相関抽出部15から出力される時間相関波形の時刻と、タイミングが一致するように、遅延部19により受信信号z(n)が遅延される。信号波形再生部17の出力信号が判定切替部18内の判定部18bに入力され、判定部18bはその入力された出力信号のレベルが所定値より大になったか否かを監視し、所定値より大になれば、信号波形再生部17より目的とする抽出信号が再生出力されたと判断して、切替スイッチ18aを接点no側に切替える。これによって信号波形再生部17よりの出力再生信号が切替スイッチ18aを通じて参照信号u(n−τ)として信号波形再生部17に入力されるようになる。
このようにして、受信信号z(n)から抽出したい信号のみを抽出することができる。図2に示した例では特に希望信号x(n)を抽出して、復調器21へ供給するようにした場合である。抽出対象指定部16において希望信号が指定されると、抽出対象指定部16により切替部22が制御され、切替部22内の切替スイッチ22a及び22bが共に接点22s側に切替えられ、信号波形再生部17よりの再生希望信号波形x^(n)は切替スイッチ22a及び22bの各接点22s側を通じて復調器21へ供給される。抽出対象指定部16で干渉信号が指定されると、抽出対象指定部16により切替部22が制御され、その切替スイッチ22a及び22bは共に接点i側に切替えられる。信号波形再生部17よりの再生干渉信号w^(n)は切替スイッチ22aの接点i側を通じて減算部23へ入力され、減算部23で入力端子14からの受信信号z(n)から再生干渉信号w^(n)が差し引かれて、この受信信号z(n)から干渉信号w^(n)が除去されたz(n)−w^(n)が切替スイッチ22bの接点iを通じて復調器21へ供給される。このようにして復調器21では干渉に影響されずに信号を復調することができる。
この場合必要に応じて、再生干渉信号w^(n)と受信信号z(n)のタイミングを合わせるため受信信号z(n)を遅延部24で遅延させて減算部23へ供給する。遅延部19や24としては遅延回路を用いる、あるいは受信信号を一括してメモリに蓄積し、遅延部24としては信号再生部17から出力される再生干渉信号の時刻と合せて、前記メモリから受信信号を読み出して減算部23へ供給し、遅延部19としては時間相関抽出部15よりの時間相関波形の時刻と合せてメモリから受信信号を読み出して切替スイッチ18aへ供給してもよい。
以上のように信号の時間相関波形の周波数特性のみを利用することにより、干渉信号の情報を把握していない場合であっても、希望信号を抽出することが可能となる。また、干渉信号を再生する際には、受信している干渉信号を一括して取り扱うため、干渉信号の波数に関わらず回路規模を一定に保つことが可能となる。
[実施形態2]
実施形態2は実施形態1における時間相関抽出部15として周期自己相関を利用するものである。
実施例1
周期自己相関を利用する時間相関抽出部15の具体例また抽出対象指定部16及び信号再生部17の各具体例を図3に示す。実施例1における時間相関抽出部15、抽出対象指定部16及び信号再生部17以外の構成は図2に示した構成と同様であるから特に図としては示していない。
時間相関抽出部15は周期自己相関計算部15aと相関ピーク抽出部15bと逆フーリエ変換部15cとより構成される。信号v(t)の時間差τでの周期自己相関(Cyclic Autocorrelation)は次式で定義される。
Figure 2005151461
α:信号v(t)の周期周波数、
干渉信号wk(t)がK(k=1,2,…,K)波存在する場合の受信信号z(t)を
z(t)=x(t)+Σk=1 Kk(t)+n(t)
とすると、希望信号と干渉信号が無相関であれば、受信信号z(t)の周期自己相関値Rz (τ,α)は以下のようにそれぞれの周期自己相関値の和となる。
z(τ,α)=Rx(τ,α)+Σk=1 Kwk(τ,α)
実際の演算においてはディジタルに処理する。この場合の周期自己相関Rz (τ,α)は次式の離散フーリエ変換DFTにより演算される。
z(τ,α)=DFT(z(n)z*(n−τ))
受信信号z(n)のサンプリング周期をTs =1/fs、aを1以上の整数とするとτ=…,−2aTs ,−aTs ,0,aTs ,2aTs ,…である。τがその受信信号z(n)におけるパルス長(ほぼ信号帯域幅の逆数)までのz(n)とz(n−τ)との相関はかなり大きいが、τがこれより大きくなると相関は比較的急に小さくなる。従ってτは最大でパルス長の2〜3倍程度であればよく、τの刻み間隔aTs は小さい方がよいが、受信信号に対するサンプリングは一般にオーバーサンプリングとされているからパルスレートの4〜8倍の逆数が現実的である。なおパルスレートはCDMAのような符号多重通信方式ではチップレートであり、拡散率SF=1の場合やTDMAの場合などはパルスレートはシンボルレートである。
シンボルレートが異なる2つのBPSK信号とAM信号とが混在する受信信号z(n)の周期自己相関値を計算した例を、τ−α平面に対し垂直に相関値を表わすと、例えば図4に示すようになる。相関値の遅延時間τに対する特性はτ=0の軸に対し対称に表われ、BPSK信号(1)は周期周波数α1で−τ1とτ1をそれぞれ中心としたピークが現われ、BPSK信号(1)よりもシンボルレートが速い、BPSK信号(2)は周期周波数α2で−τ2とτ2をそれぞれ中心としたピークが現われる。AM信号は周期周波数α3に、τ=0を中心にピークが漸次小さくなる小山が連続的に現われる。
希望信号及び干渉信号の信号帯域幅や搬送波周波数が異なると、希望信号と干渉信号の周期自己相関値のピークが現れる周期周波数αと時間差τの範囲も異なるため、相関ピーク抽出部15bでは、ある時間差τ及び希望信号また干渉信号のピークが出現する周期周波数の範囲についてのみ周期自己相関値Rx(τ,α)またはRw(τ,α)を取り出すことが可能となる。以下の説明では干渉信号(干渉波)は1波の場合とするが、複数の干渉信号(干渉波)の場合も同様に対応できることは容易に理解されよう。例えば受信したい希望信号が予め決められた複数種のいずれかを選択的に抽出したい場合は図3中の抽出対象指定部16内に、これら各希望信号x1,x2,…についてその中心のτの値と、各周期周波数成分をそれぞれ記憶部16aに記憶しておき、抽出したい希望信号xを抽出対象指定部16に入力すると、そのxで記憶部16aの対応するτと周期周波数α…とを読み出し、そのパルス長と対応するτ−Δτ〜τ+Δτと周期周波数α…を相関ピーク抽出部15bに入力する。相関ピーク抽出部15bには、周期自己相関計算部15a中の各τ1,…,τPについての演算部15a1 ,…,15aP よりの各周期自己相関値の各周波数成分が入力されている。演算部15a1 ,…,15aPと対応してその周波数成分ごとのゲートを備えるゲート群15b1 ,…、15bP が相関ピーク抽出部15bに設けられ、これらゲート群15bの各ゲート中の入力されたτ−Δτ〜τ+Δτとα,…とそれぞれ対応するものが開とされ、他のゲートは全て閉とされ、周期自己相関波形Rz (τ1,α),…,Rz (τP,α)中の入力されたτ及び周期周波数αと対応する成分が通過され、希望信号xの周期自己相関値Rx(τ,α)が抽出される。
このようにして相関ピーク抽出部15bで抽出された希望信号の周期自己相関成分は逆フーリエ変換部15cにおける、ゲート群15b1 ,…,15bP とそれぞれ対応するτ1変換部15c1 ,…,τp変換部15cP でそれぞれ逆フーリエ変換されて、希望信号xの時間相関波形x(n)x*(n−(τ+Δτ)),…,x(n)x*(n−(τ−Δτ))が出力される。
干渉信号を抽出する場合は、希望信号xに対する干渉信号として抽出対象指定部16に指定入力され、抽出対象指定部16は希望信号xと対応するτとα,…を記憶部16aから読み出し、相関ピーク抽出部15bに対し、各τ−Δτ〜τ+Δτ、各α,…と対応するゲートを閉とし、他の全てのゲートを開とする。このようにして希望信号xに対する干渉信号w(n)の各τについての周期自己相関値Rw(τ,α)の各周波数成分が相関ピーク抽出部15bにより抽出され、これらが逆フーリエ変換部5cで逆フーリエ変換されて干渉信号の時間相関波形w(n)w*(n−τ1),…,w(n)w*(n−τP)が得られる。
時間相関波形が得られた後の信号再生部17での処理その他は実施形態1と同様である。
信号波形再生部
信号波形再生部17では時間相関抽出部15の出力のあるτpについての例えばx(n)x*(n−τp)を、既に再生された同一τpの信号を用い、x^*(n−τp)で割算すればよいが、再生信号波形x^(x)のゼロクロス点付近の時刻に基づくx^*(n−τ)で割算する状態が生じることがある。この場合この割算を十分大きなビット数で処理することができればよいが、取り扱う処理ビット数に制限されて、割算結果が不定となるおそれがある。このような問題を避けるには信号再生部17を例えば図3中に示すように構成すればよい。この例ではτの刻み間隔(例えばτ2−τ1)aTs はa=1/2とした場合である。つまり1つのτについて、2つのサンプリング時刻が生じる場合である。
時間相関抽出部15よりの各τ1,…,τPについての時間相関波形が選択部17aに入力され、選択部17aにより選択された1つの時間相関値が除算部17bにおいて参照信号検出部17cよりの参照信号u*(n−τp)により割算されて信号再生部17の出力とされると共に、バッファ17d内の各τ1,…,τP領域17d1,…,17dPに格納されている割算結果(再生信号)を1サンプル時刻分過去の領域へ、図3で左側に移し、かつ領域17d1,…,17dP内の、各τpごとの対応サンプル時刻(この例では0又は1)の部分に、その割算結果を切替スイッチ18aを通じて格納する。
次の処理時刻(サンプル時刻)では参照信号検出部17cでバッファ17dに格納されている過去の割算結果(再生信号)中の除算部17bでの安定な割算を行うことができるもの、例えばレベルが最も大きいものが検出され、参照信号u*(n−τp)として出力され、またその検出した過去の割算結果(再生信号)のτpと対応した、時間相関抽出部15の出力時間相関波形を選択部17aで選択して除算部17bへ出力する。以下同様の処理をする。
なお実施形態1で説明したようにこの信号抽出装置の動作開始時においてはバッファ17dになんら信号が格納されていない。そこで入力端子14からの受信信号z(n)が、少くとも数サンプル(処理時刻)分、切替スイッチ18aを通じてバッファ17dに順次格納され、その後、参照信号検出部17cで前述したようにバッファ17d内に格納された信号から参照信号を検出し、また選択部17aでの選択を行って除算部17での割算を行うようにする。
実施例2
実施例2は時間相関抽出部15において、周期自己相関を計算する手法を用いる具体的構成としている為実施例1と異なるだけであり、その他、抽出対象指定部16、信号再生部17などは実施例1又は実施形態1と同様に構成される。よってその時間相関抽出部15の構成を図5に示してこの部分についてのみ説明する。
入力された受信信号z(n)は時間相関計算部15d1,…,15dPでその各遅延部15eによりそれぞれτ1,…,τP遅延されたものと遅延されないものとが各乗算部15fでそれぞれ乗算されて、時間差τ1,…,τPについての時間相関波形z(n)z*(n−τ1),…,z(n)z*(n−τP)が計算される。これら時間相関計算部15d1,…,15dPで計算された時間相関波形はそれぞれ帯域通過フィルタ部15g1,…,15gPへ供給され、これら各帯域通過フィルタ部は通過周波数特性が可変の小帯域部の複数よりなるフィルタバンク15hが設けられ、入力されたα,…に応じて小帯域部の周波数特性が制御され、フィルタバンク15hを通過した周波数成分はそれぞれ合成部15iで合成されて通過帯域フィルタ部15g1,…,15gPより時間相関波形x(n)x*(n−τ1),…,x(n)x*(n−τP)又はw(n)w*(n−τ1),…,w(n)w*(n−τP)がそれぞれ出力される。
帯域通過フィルタ部15g1,…,15gPには、例えば図3を参照して説明した抽出対象指定部16からの希望信号xに対するτp−Δτ〜τp+Δτとα,…が入力され、そのτp−Δτ〜τp+Δτと対応する帯域通過フィルタ部内のフィルタバンク15hにおいて、入力されたα,…と対応する周波数成分のみが通過される。希望信号xに対する干渉信号が指定入力された場合は、前記希望信号x指定時に通過されたτ、αの成分のみが遮断され、他のτ,α成分は通過されるように帯域通過フィルタ部15g1,…,15gPが制御される。これら帯域通過フィルタ部15g1,…,15gPの各出力は、それぞれ合成部15i1,…,15iPで合成されて希望信号x(n)の時間相関波形又は干渉信号w(n)の時間相関波形として出力される。
帯域通過フィルタ部15g1,…,15gPとして例えば可変特性ディジタルフィルタが用いられ、その各ディジタルフィルタのフィルタ係数を、通過又は遮断τ,αの組に応じて設定してもよい。この場合、これらフィルタ係数を、抽出対象指定部16内の記憶部に、希望信号x1,x2,…ごとに、これを抽出する場合と遮断する場合とをそれぞれ予め計算して格納しておき、希望信号の抽出か、希望信号に対する干渉信号の抽出かに応じて対応するフィルタ係数を読み出し、帯域通過フィルタ部15g1,…,15gPの対応するものに設定してもよい。
上述した実施例1及び2のいずれも希望信号と干渉信号が混ざり合った信号から、時間相関計算に用いる遅延時間及び時間相関波形の周波数特性を利用して、高精度に希望信号(干渉信号)を分離・抽出することが可能となる。
実施例3
この実施例3は1つの時間相関計算部と1つの帯域通過フィルタ部とのみで時間相関抽出部15を構成する場合である。例えば図5中に2点鎖線枠で示すように時間相関計算部15d2と帯域通過フィルタ部15g2とにより時間相関抽出部15が構成される。この場合の遅延部15eの遅延量τは例えば希望信号のパルス長の2分の1程度とされる。つまり、時間相関抽出部15では予め決めた特定のτについてのみ時間相関波形を抽出する。
この時、得られる時間相関波形は希望信号と干渉信号との間で変調方式、信号帯域幅、又は搬送波周波数のいずれかが異なれば、例えば図6Aに示すように受信信号z(n)の時間相関波形z(n)z*(n−τ)中の希望信号x(n)の時間相関成分x(n)x*(n−τ)の周波数成分と、干渉信号w(n)の時間相関成分w(n)w*(n−τ)の周波数成分とが分離して現われる。よって抽出対象指定部16から指定された抽出対象が希望信号であれば、図6Bに示すように希望信号成分のみを通過させるように帯域通過フィルタ部15gを制御することにより、希望信号x(n)の時間相関波形が抽出される。また指定された抽出対象が干渉信号であれば、帯域通過フィルタ部15gを、希望信号成分のみを遮断し、他の全ての成分を通過させるように制御することにより、干渉信号w(n)の時間相関波形が抽出される。なお図6Aは図4に示す時間相関波形特性においてτ軸中の特定の値における周期周波数特性を表わしている。
抽出したい信号の時間相関波形を抽出後の処理は、前述した各種実施例と同様である。ただし信号波形再生部17においては、時間相関抽出部15で用いられるτが1つの固定値であるから、図3に示したように過去の複数の再生信号をバッファ17dに格納して、除算部17bから正しい割算結果が得られるものを参照信号として選択することはできない。しかし、除算部17bでの演算桁数(ビット数)がある程度大きければ、演算が不定になる程参照信号のレベルが著しく小さくなることは例外的になり、それ程問題はない。それよりも実施例3では演算処理量が実施例1や2よりも著しく少なくて済む利点がある。つまりある遅延時間に対する時間相関波形の周波数特性を利用して、容易に希望信号と干渉信号を分離・抽出することが可能となる。
[実施形態3]
この実施形態3は希望信号の復調に影響を与えるような干渉信号が存在するか否かを予め検出するものである。
実施例4
この実施例4は先に述べた各実施例において抽出対象指定部16により抽出対象を希望信号にするか干渉信号にするかを、自動的に指定するものである。通常の無線受信機は常時は待ち受け状態になっており、相手送信局から通信要求信号を受信した後に、希望信号が受信され、その通信要求信号は例えば制御チャネルにより送信されるなど希望信号と分離が可能とされている。
入力端子14よりの受信信号は信号分離部27に入力され、信号分離部27で通信要求信号が分離されて抽出対象指定部16内の通信要求受付部16bに入力される。通信要求信号の分離はA/D変換器13(図2)より前段で行ってもよい。通信要求受付部16bで通信要求信号より通信要求を検出すると、干渉有無判定部16cに制御信号を送る。干渉有無判定部16cはこの制御信号を受けると、時間相関抽出部15における希望信号が受信されていない状態での演算された時間相関波形レベルが所定値より大きいか否かを判定する。例えば周期自己相関計算部15aから、希望信号送信前の干渉信号と雑音のみからなる受信信号
z(n)=Σk=1 Kk(n)+n(n)
についての周期自己相関値Rz(τ1,α)〜Rz(τP,α)を取り込み、その各ピーク値を測定し(図8、S1)、この測定したピーク値中に所定値より大きいものがあるか否か調べ(図8、S2)、所定値以上のものがあれば、復調に影響を与える干渉信号があると判定して抽出対象を干渉信号とする指定を抽出対象決定部16dへ入力し、ピーク値中に所定値より大きいものがなければ、復調に影響を与える干渉信号がないと判定して抽出対象を希望信号とする指定を抽出対象決定部16dへ入力する(図8、S2)。
抽出対象決定部16dは指定入力が干渉信号であれば干渉信号の時間相関波形を抽出するように時間相関抽出部15を設定する。例えば先に説明したように相関ピーク抽出部15bにおいて希望信号の各相関値成分のみを阻止し、他の成分は通過させるように相関ピーク抽出部15bを設定する。また切替部22を接点i側に設定する(図8、S3)。抽出対象決定部16dは指定入力が希望信号であれば、希望信号の各相関値成分のみを通過させ、他の成分を阻止するように相関ピーク抽出部15bを設定し、切替部22を接点s側に設定する(図8、S4)。抽出対象決定部16dには相関ピーク値が所定より大のものがあるか否かのみを入力してもよく、必要に応じて時間相関抽出部15に対する設定のための起動指令を入力する。切替部22に対する設定も干渉有無判定部16cの出力によってもよい。時間相関抽出部15に対する設定のためには、例えば抽出対象決定部16dに、図3中に示した記憶部16aが設けられ、希望信号に対するτ,α,…についての情報が保持されている。
受信信号z(n)中の希望信号x(n)の形式は予め決められた1つの場合は、希望信号が抽出対象とされると、抽出対象決定部16dでその形式に対するτ,α,…を出力すればよい。希望信号x(n)の形式が決められていない場合は、無線受信機からどのような形式の希望信号x(n)を送信するべきかを送信局に通知する場合、逆に送信局から通信要求信号中に希望信号の形式情報を付加するなどにより抽出対象決定部16dでは希望信号の形式がわかるようにされる。時間相関抽出部15としては図5に示したものあるいは実施例3で説明したものでもよく、これらの場合は時間相関抽出部15で抽出可能な全ての成分が出力されるように時間相関抽出部15内の帯域通過フィルタ部15gを全帯域通過特性に設定してその出力を図7中に破線で示すように干渉有無判定部16cに入力し、その出力中のピーク値が所定値を越えるものがあるか否かを判定すればよい。いずれにしても、この判定は、例えば1000〜2000サンプル程度の受信信号がz(n)が時間相関抽出部15に入力されれば行うことができる。
以上のように時間相関抽出部15、切替部22に対する設定が行われた後、希望信号が受信され、干渉信号があれば、これを除去して復調器21へ供給することができる。このようにすることにより、干渉信号の受信レベルが低く、希望信号送信開始後の受信信号がほとんど希望信号と雑音からなる受信信号z(n)=x(n)+n(n)となる場合においても、信号波形再生部17で、この受信信号を参照信号とすることにより、希望信号波形を高精度に再生することが可能となる。しかも、このようにして希望信号の波形を再生するようにしている通信中において干渉信号が新たに発生する場合であっても、干渉信号の影響を受けずに希望信号成分のみを抽出することが可能となる。一方、強く受信される干渉信号が存在する場合は、希望信号送信開始前の干渉信号と雑音からなる受信信号z(n)=w(n)+n(n)を参照信号とすることによって、干渉信号波形の再生を開始することにより、干渉信号を高精度に再生することが可能となりここで、信号波形再生部17が再生信号波形を出力し始めると、切替スイッチ18aを接点no側に切り替えて再生した波形を参照信号として帰還することにより、干渉信号波形を高精度に再生することができ、送信を開始した後も、その影響を受けずに干渉信号波形を再生し、これを用いて、受信信号から干渉信号波形を除去することにより希望信号波形を高精度に再生することができる。希望信号を送信する時刻が予めわかっている時など、希望信号の送信開始がわかる場合は、その送信開始になるべく直前に受信される干渉信号の状態を検出して、時間相関抽出部15,切替部22などに対する設定を行えばよく、要は希望信号が送信されていない状態に干渉信号の有無を検出すればよく通信要求信号は必ずしも必要としない。
実施例5
この実施例5は時間相関抽出部15で希望信号の時間相関波形と干渉信号の時間相関波形とを同時に抽出可能とされ、かつ信号波形再生部17として、希望信号の希望波形再生部17sと干渉信号の干渉波形再生部17iとが設けられる。時間相関抽出部15としては先に示したいずれのものを使用してもよいが、この図9では図3に示した例を用いる。
実施例4と同様に、通信要求が通信要求受付部16bで検出され、その出力により干渉有無判定部16cが制御され、干渉有無判定部16cは時間相関抽出部15で生成された希望信号送信前の干渉信号と雑音のみからなる受信信号についての時間相関波形、この例では周期自己相関値Rz(τ,α)のピーク値が予め定めた所定値より大であるか否かを判定して、所定値より大であれば干渉信号がありと、所定値より大でなければ干渉信号なしと判定して抽出対象決定部16dへ入力する。
抽出対象決定部16dにその判定結果が入力されると抽出対象決定部16dは相関ピーク抽出部15bを制御して希望信号の周期自己相関値成分を希望用逆フーリエ変換部15csへ入力し、それら以外の周期自己相関値成分を干渉用フーリエ変換部15ciへ入力するように受信信号z(n)の周期自己相関値成分を振り分ける。この振り分け制御は、先に述べた希望信号の周期自己相関値成分の選出、干渉信号の周期自己相関値成分の選出と同様に行うことができる。希望用逆フーリエ変換部15csから希望信号時間相関波形が、干渉用逆フーリエ変換部15ciから干渉信号時間相関波形がそれぞれ出力され、前者は希望波形再生部17sへ、後者は干渉波形再生部17iへそれぞれ供給される。なお希望信号送信前では希望信号時間相関波形は抽出されない。
抽出対象指定部16で抽出対象が希望信号と指定(判定)されていれば、抽出対象指定部16は判定切替部18の切替スイッチ18asを接点nc側に、切替スイッチ18aiを接点no側に切替えて、受信信号z(n)が切替スイッチ18asの接点nc側を通じて希望波形再生部17sへ参照信号として供給され、また切替部22の切替スイッチ22bは接点s側に接続され、抽出対象が干渉信号と指定(判定)されていれば切替スイッチ18asを接点no側に、切替スイッチ18aiを接点nc側に切替えて、受信信号z(n)が切替スイッチ18aiの接点nc側を通じて干渉波形再生部17iに参照信号として供給され、また切替スイッチ22bは接点i側に接続される。
判定切替部18内の判定部18bs及び18biには希望波形再生部17s及び干渉波形再生部17iの各出力信号がそれぞれ入力され、各判定部18bs及び18biはその出力信号のレベルが所定値を超えると、それぞれ再生信号を出力している状態と判定して切替スイッチ18as及び18aiを接点no側に切替える。希望波形再生部17sでは切替スイッチ22bの出力が切替スイッチ18asの接点no側を通じて参照信号として入力され、干渉波形再生部17iではその出力信号が切替スイッチ18aiの接点no側を通じて参照信号として入力される。切替スイッチ22bの出力信号は判定部22cにも入力され、判定部22cはこの入力信号を監視し、そのレベルが所定値を超えると希望信号の再生信号が入力されたと判定して、切替スイッチ22bを接点s側に切替える。これにより希望波形再生部17sよりの再生信号波形が切替スイッチ22bの接点s側を通じて復調器21へ供給されることになる。切替スイッチ18ai,18as,22bの各状態における設定状態を図10に示す。
このように構成されているから、図11に示すように希望信号送信前に干渉有無判定部16cで干渉信号が有る、つまり抽出対象が希望信号でないと判定されると(S1)、切替スイッチ18as,18ai及び22bはそれぞれ接点no側、nc側及びi側に設定され(S2)、干渉波形再生部17iに受信信号z(n)が参照信号として入力され、干渉信号波形が精度よく再生され、受信信号z(n)に希望信号が重畳された状態になると、この受信信号z(n)から再生された干渉信号が減算部23で差し引かれ、干渉信号が抑圧された希望信号が切替スイッチ22bを通じて復調器21へ供給される。このような状態になるとその干渉信号が抑圧された希望信号は判定部22cに入力されると共に切替スイッチ18asを通じて希望波形再生部17sに参照信号として入力され、またこの希望波形再生部17sに時間相関抽出部15で抽出された希望信号の時間相関波形が入力され、かつ判定部22cはその入力信号が所定レベルを超えたことを検出して(S3)、切替スイッチ22bを接点s側に切替える(S4)。従って希望波形再生部17sで精度よく希望信号が再生されるようになり、この再生希望信号が切替スイッチ22bを通じて復調器21へ供給される。
つまり希望信号送信開始時の抽出対象が干渉信号であっても、希望信号を高精度に再生することができ、切替スイッチ22bが接点s側に切替えられると、希望信号のみに着目して信号を再生する状態になり、希望信号に新たに別の干渉信号が重畳されるようになるなど伝搬路環境が大きく変化しても、安定かつ高精度に希望信号を再生することができる。
一方、希望信号送信前に干渉有無判定部16cで干渉信号がないと判定され、つまり抽出対象が希望信号であれば(S1)、切替スイッチ18as,18ai及び22bはそれぞれ接点nc側、no又はnc側及びas側に設定され(S5)、図7に示した実施例におけるその場合と同様に希望波形再生部17sには受信信号z(n)が参照信号として入力され、受信信号z(n)に希望信号が重畳された状態になると希望波形再生部17sから希望信号が精度よく再生されるようになり、希望波形再生部17sの出力レベルが所定値以上となり(S6)、切替スイッチ18asが接点no側に切替わり(S7)、希望波形再生部17sの出力が切替スイッチ22bを通じて復調器21へ供給される。
時間相関抽出部15として図5に示した例を用いる場合は希望信号時間相関波形抽出用の帯域通過フィルタ部15g1〜15gPと干渉信号時間相関波形抽出用の帯域通過フィルタ部15g1〜15gPとを設ければよく、実施例3で説明したものを用いる場合は希望信号成分のみを通過させる帯域通過フィルタ部と、希望信号成分を遮断し、他の成分のみを通過させる帯域通過フィルタ部と受信信号の時間相関波形を供給するようにすればよい。また抽出対象指定部16において、図2、図3を参照して説明したように通信要求受付部16b及び干渉有無判定部16cを設けることなく、抽出対象を決定する場合にもこの実施例5を適用することもできる。
[実施形態4]
この実施形態はこの発明の無線通信方法の実施形態であり、これを適用したシステム構成例を図12に、その処理の流れを図13にそれぞれ示す。送信側装置100と受信側装置200との間で送受信が行われる。
送信側装置100は、情報信号の送信を始める前に通信要求生成部110で、通信要求信号SD を生成して、合成部111,アンテナ112を通じて受信側装置200へ送信する。この送信は例えば制御チャネルを通じて行う。受信側装置200では、アンテナ210で受信し、信号分離部211で分離した通信要求信号を通信要求受付部212で受け付ける。通信要求受付部212は周期自己相関計算部213へ通信要求が到来したことを示す制御信号を送る。制御信号を受けた周期自己相関計算部213では、希望信号の送信を開始する前の、アンテナ210で受信され、信号分離部211で分離された干渉信号と雑音のみからなる受信信号について周期自己相関値を計算し、その計算結果をパラメータ決定部214へ入力する。パラメータ決定部214は、入力された周期自己相関値から、好ましいつまり干渉信号の周期自己相関値がゼロ又は最も小さい遅延時間τと周期周波数αに希望信号の周期自己相関のピークをもつ希望信号を探し、その希望信号の送信に使用する送信信号パラメータ(変調方式Mod、信号帯域幅B、シンボルレートRs、符号化率r及び搬送波周波数fc)Psを決定し、送信許可と共に送信部215、アンテナ216を通じて送信側装置100例えば制御チャネルを通じて送信する。また、同時に決定した送信信号パラメータPsを信号処理部217及び復調器218へ入力し、同期検波の基準周波数や帯域制限フィルタの通過帯域等を設定させる。この送信信号パラメータPsの決定のやりかたは後で説明する。
送信側装置100では、アンテナ113、受信部114を通じて受信した送信信号パラメータPsを分配部115により変調方式制御部116、発振周波数制御部117、信号帯域幅・シンボルレート制御部118及び誤り訂正符号化部119へ分配入力する。誤り訂正符号化部119は、受信したパラメータPs中の符号化率に関する情報に基づき、送信データを誤り訂正符号化してベースバンド変調器121へ入力する。誤り訂正符号化方法は予め決めたものを用い、その符号化率がパラメータPs中の符号化率rになるようにする。変調方式制御部116及び信号帯域幅・シンボルレート制御部118は、ベースバンド変調器121を、受信側装置200で定められた変調方式Mod、信号帯域幅B及びシンボルレートの信号を出力するように制御する制御信号を出力する。ベースバンド変調器121は、誤り訂正符号化部119から入力された誤り訂正符号化された送信データを、変調方式制御部116及び信号帯域幅・シンボルレート制御部118からの制御信号に従って変調する。このとき、ベースバンド変調器121は、信号帯域幅・シンボルレート制御部118から入力された信号帯域幅制御信号に応じてパルスレートを制御するだけでなく、変調信号にかける帯域通過フィルタの通過領域・遮断領域を制御する。発振周波数制御部117は、周波数変換部122から出力される信号の搬送波周波数fcが受信側装置200から指定された搬送波周波数fcとなるように、局部発振器123を制御する。このようにして、変調方式制御部116、発振周波数制御部117、信号帯域幅・シンボルレート制御部118及び誤り訂正符号化部119は、ベースバンド変調器121及び局部発振器123を制御することにより、送信信号を受信側装置200において決定されたパラメータPsを有する信号にして送信を開始する。
CDMAのような符号分割多重を行う場合の各制御部117〜118、誤り訂正符号化部119、ベースバンド変調器121についての具体的動作例を、図14を参照して説明する。分配部115は、通知された送信信号パラメータ(変調方式Mod、信号帯域幅B又はシンボルレートRs、搬送波周波数fc、拡散率SF、符号化率r)を、Modを変調方式制御部116へ、BとSFをシンボルレート制御部118へ、rを誤り訂正符号化部119へ、fcを周波数制御部117へそれぞれ分配入力する。送信データは、まず誤り訂正符号化部119へ入力される。誤り訂正符号化部119では、複数の符号化率r=1/2,3/3,9/16,…を実現する符号化器119a1,119a2,…を用意しておき、スイッチ制御部119bにより指定されたパラメータrの符号化率を実現する符号化器に送信データが入力されるように、スイッチ119cの切り替えを行う。これにより、送信データは符号化率rで符号化されたデータとなり、ベースバンド変調器121へ入力される。変調方式制御部116は、入力されたパラメータModで指定された変調方式で変調された信号が出力されるように、ベースバンド変調器121内の変調部121aの変調方式を設定し、また、シンボルレート制御部118は、パラメータBからチップレートRcを計算し、一般には便宜的にB=Rcとして求めたチップレートRcとSFからシンボルレートRs=Rc/SFを求め、そのシンボルレートRsに応じて、変調部121aが出力する信号のシンボルレートを制御する誤り訂正符号化された送信データは変調部121aでいわゆるシンボルへのマッピングが行われる。変調方式制御部116とシンボルレート制御部118は、変調方式Modと拡散率SFを実現する拡散符号を生成するように拡散符号を生成し、この拡散符号が変調部121aから出力される信号と乗算部121cで乗算される。このようにすることで、符号化されたデータは、ベースバンド変調器121において、変調方式Modで変調され、帯域幅Bを持つ拡散率SFのベースバンド信号に変換される。続いて、このベースバンド信号へ入力される。周波数制御部117は、入力されたパラメータfcを実現するために、局部発振器123の発振周波数を制御し、この局部発振器123の発振信号が周波数変換部122へ入力され、周波数変換部122から出力された信号の、中心周波数がfcに変換される。なお拡散率SFを1とすることにより、他の多重化方式TDMA,FDMAなどにも上記手法は適用できる。この場合はRc=Rs=Rp(Rpはパルスレート)となる。
送信信号パラメータ決定1
図12中のパラメータ決定部214の機能構成例を図15に示す。送信側で使用可能なパラメータ(変調方式、帯域幅、及び搬送波周波数)をMod格納部214a、fc格納部214b、B格納部214cにデータとして保有する。周期自己相関出現領域計算部214dは、保有しているパラメータMod,fc,Bの全組み合わせに対し、周期自己相関値R′x(τ,α)が出現する(τ′,α′)を計算により求め、使用可能パラメータ抽出部214eにこれら各出現τ′,α′とパラメータ(Mod,fc,B)との組を入力する。つまり例えば前記パラメータMod,fc,Bの全組合せのそれぞれについて、そのパラメータ(Mod,fc,B)から無線信号の式x(n)を作り、このx(n)について前述したように周期自己相関R′x(τ,α)を計算すればよい。あるいは変調方式Modが決るとピークが立つ周期周波数αは搬送波周波数fcと帯域幅Bを用い、又は帯域幅Bのみを用いる簡単な計算で求まることが比較的多くの変調方式について知られている。従って、使用可能な各変調方式Modについて、各使用可能なfcとB又はBを用いて周期周波数αをそれぞれ求めればよい。これらのようにして求めた(τ,α)を、予め記憶部に記憶しておき、(τ,α)と(Mod,fc,B)との一方をアドレスとして他方を読み出すことができるようにしておいてもよい。なお、このような記憶部が図3中の抽出対象指定部16内の記憶部16aとして用いられる。
図12中の送信パラメータ決定部214における送信信号パラメータPsの決定方法の例を説明する。周期自己相関計算部213において計算された干渉信号w(n)と雑音n(n)からなる受信信号z(n)の周期自己相関値Rz(τ,α)をτ−α空間上に表わした例を図16に示す。つまり図16はτ−α空間上における干渉信号のピークが立っている状況を表している。送信パラメータ決定部214では図16中の点線で囲った部分のように周期自己相関値Rz(τ,α)が十分に小さい領域を使用可能領域検出部214fで探索する。具体的には、干渉信号と雑音のみからなる受信信号の周期自己相関値を、予め定めておいた所定値と比較し、所定値以下となる領域(以下使用可能領域という)を探索し、使用可能パラメータ抽出部214eへ入力する。
使用可能パラメータ抽出部214eは入力されたτ′,α′の組中の前記検出された使用可能領域に属するものの1つと対応する(Mod,fc,B)を希望信号の送信パラメータPsとして抽出し、送信側装置100、信号処理部217及び復調器218へ入力する。拡散率SFや符号化率rは一般に使用される値がいくつかに限られているから、受信側装置200で適当なものを決めて送信側装置100へ通知してもよく、あるいは送信側装置100で適当なものを選択してもよい。以上のようにして実施形態1〜3で説明した信号抽出装置において希望信号または干渉信号の時間相関波形を容易に抽出することが可能となる。
使用可能領域の決定に用いる前記所定値は希望信号の変調方式に応じて、変調多値数が多く、復調にCINR(Carrier to Interference plus background Noise power Ratio:搬送波電力/(干渉波電力+背景雑音電力))等の受信品質が高品質であることが必要な条件では所定値を低く、逆に変調多値数が少なく、復調に必要なCINR等の受信品質に対する要求が高くない条件では所定値を高く設定するなど、適切な値に設定するのが望ましい。図16に示した相関値−τ−α特性を求めるには、例えば図3中に示した周期自己相関値の計算方法によるか、あるいは図5に示した時間相関抽出部15において各帯域通過フィルタ部15g1〜15gPを、全相関値周波数成分をそれぞれ分離して出力するように構成してこれらの出力により求めることもできる。
送信信号パラメータ決定2
パラメータ決定部214で符号化率rも決定する場合であり、まず可能な限り最大のビットレートの通信を可能とする例を説明する。
図17にその機能構成の要部を示し、図18にその処理手順を示す。図12中の通信要求受付部212において、送信側装置100からの通信要求を受け付けると(S1)、周期自己相関計算部213は、希望信号送信前の干渉信号と雑音からなる受信信号について、周期自己相関値を計算し、パラメータ決定部214にその計算結果を入力する(S2)。パラメータ決定部214は、前述したようにして、使用可能領域に希望信号の周期自己相関値を出現させることのできるパラメータ組(変調方式Mod、信号帯域幅B、中心周波数fc)の全てをパラメータ組候補として抽出する(S3)。
一方、通信要求受付部212に入力された通信要求信号の電力を受信電力検出部212aにより検出し、これを希望信号送信開始後の受信信号電力と推定し、この受信信号電力と、使用可能領域の周期自己相関値で割算して使用可能領域での受信品質(CINR)を、CINR推定部214gで推定する(S4)。誤り率推定部214hでは、推定したCINRと抽出したパラメータ組の変調方式Modとにより誤り訂正符号化されていない希望信号送信開始後のビット誤り率を推定する(S5)。このビット誤り率の推定は、変調方式Modに応じた、CINRを変数とする関数計算により、あるいは、予め求まっているビット誤り率とCINR特性曲線を参照して求めることができる。
拡散率・符号化率決定部214iでは、その推定ビット誤り率が所定値以下となるように、誤り訂正符号の符号化率rや、CDMA等の符号分割多重システムを用いる場合は拡散率SFを定め、ビットレート計算部214kへ入力する(S6)。拡散率SFは一般にいくつかしかとらないから、その各SFに対する誤り訂正符号化が行われていない信号に対するビット誤り率の改善度が知られており、この拡散率SFによる改善と符号化率rによる改善とにより、推定ビット誤り率より、希望信号のビット誤り率が所定値以下になるようにする。ビットレート計算部214kでは、入力された符号化率r及び拡散率SFと、対応するパラメータ組候補の変調方式Mod及び信号帯域幅Bとにより実効的なビットレートを推定する(S7)。つまり信号帯域幅Bから、パルスレートRp又はチップレートRcが決り、更に拡散率SFからシンボルレートRsが決り、シンボルレートRsと変調方式Modから誤り訂正符号化送信データのビットレートが決る。この誤り訂正符号のビットレートは例えばBPSKの場合シンボルレートRsと同じでありQPSKであれば2Rsとなり、16QAMであれば4Rsとなる。この誤り訂正符号のビットレートに対し符号化率rを乗算すれば、送信データのビットレートRbが求まる。
このようにして推定ビットレートRbを使用可能パラメータ抽出部214eにおいて抽出された全てのパラメータ組候補に対して求め、送信パラメータ選択部214jは、求めた推定ビットレート中の最大となるパラメータの組[Mod,B,fc,SF,r]を希望信号の送信パラメータRsとして決定し(S8)、決定したパラメータ組を送信側装置100へ送信し、通信開始状態にする(S9)。このようにすることにより、希望信号は、常に可能な限り最大のビットレートで通信を行うことが可能となる。
符号分割多重システムを用いる場合、予め決めたいくつかの拡散率SFについて通信要求信号を逆拡散した時の各CINRを推定するがこれは例えば受信電力とSFの積により求めることができる。このCINRを用いて誤り率推定部214hで誤り率を推定する。使用される符号化率rはいくつかに限られており、その各符号化率について、予め求められているビット誤り率−CINR特性曲線図を参照して、図17に破線で示すように、拡散率・符号化率決定部214iで推定CINRから所定値以下の符号化率rを求めてもよい。つまり図18中に破線で示すようにステップS4のCINR推定からステップS6の符号化率・拡散率決定に直ちに移ってもよい。
次に送信側装置100から送信データに要求されるビットレートが通知される場合の送信パラメータPsの決定について説明する。この前提として、送信側装置100においてその通信要求生成部110(図12参照)で通信要求信号を生成する際に所定のビットレートも要求品質を示す情報もその通信要求信号に付加される。この要求品質情報は図17中に示すように受信側装置200における通信要求受付部212内の要求品質分離部212bで分離出力される。
受信側装置200におけるパラメータ決定部214では前述したようにして利用可能領域から抽出された全てのパラメータ組候補について、拡散率SF、符号化率rを決定し、実効的なビットレートRbを推定する。送信パラメータ選択部214jは図17中に破線で示すように、要求品質分離部212bからの要求品質情報、つまり要求ビットレートが入力され、ビットレート計算部214kで計算された推定ビットレート中の要求ビットレートを超えるパラメータ組[Mod,B,fc,SF,r]を抽出し、その中で推定ビットレートが最低となるパラメータ組を希望信号の送信パラメータPsとして決定し、その決定したパラメータPs送信側装置100へ送信する。このようにして、要求品質(ビットレート)の低い信号に、相関ピーク抽出部において抽出する周期自己相関値の歪みを許容させることにより、τ−α空間上にできるだけ多くの信号を収容することが可能となる。要求品質を満す送信パラメータPsの決定における処理手順は図18中のステップS8において括弧書きで示すように、ステップS8で要求品質(要求ビットレート)以上で最低ビットレートを与えるパラメータ組を選択することになる。
図12に示した受信側装置200は図2、図3、図5、図9に示した信号抽出装置のいずれかを備えるものとして構成することができる。その例として図2、図7を備えたものを図19に示し、対応する構成で参照番号が対応して異なるものは一方を括弧書きで示した。
送信側装置100からの通信要求信号を受信すると、その通信要求信号は信号分離部210(27)から通信要求受付部212(16b)へ送られる。通信要求受付部212(16b)は送信側装置からの通信要求を受けると、干渉有無判定部16cへ制御信号を送る。干渉有無判定部16cは、周期自己相関計算部213(15a)において計算された、希望信号送信前の干渉信号と雑音のみからなる受信信号についての周期自己相関値Rz(τ,α)について、相関値の最大値(ピーク)が、予め定めておいたしきい値以上であるか否かを判定することにより、強い電力で受信されている干渉信号の有無を判定し、判定結果を抽出対象決定部16dへ入力する。抽出対象指定部16dは入力された判定結果に応じて相関ピーク抽出部15b及びスイッチ制御部18aを制御する。また、干渉有無判定部16cは、干渉信号と雑音のみからなる受信信号の周期自己相関値Rz(τ,α)を予め定めておいた所定値と比較し、相関値が所定値以下となるτ−α空間上の領域、つまり使用可能領域を抽出し、その抽出した使用可能領域に関する情報を送信パラメータ決定部214へ入力する。送信パラメータ決定部214では、その使用可能領域に希望信号の周期自己相関値にピークを立たせることのできる送信信号のパラメータ(変調方式Mod、信号帯域幅B及び搬送波周波数fc)を決定する。送信パラメータ決定部214において決定された送信信号パラメータPsは、送信側装置100へ通知されると同時に、相関ピーク抽出部15bへ入力される。
送信側装置100が送信パラメータ決定部214より通知された送信信号パラメータPsで信号(希望信号)の送信を開始すると、受信側装置200で希望信号と干渉信号と雑音からなる信号が受信される。その受信信号は信号分離部210(27)を通じて周期自己相関計算部213(15a)、減算部23、切替スイッチ18aに入力される。周期自己相関計算部213(15a)では、受信信号の周期自己相関値を計算する。抽出対象決定部16dで決定した抽出対象に応じて、相関ピーク抽出部15bと切り替え部22が同時に制御される。相関ピーク抽出部15bは、送信パラメータ決定部214から入力された希望信号のパラメータを用いて、抽出対象決定部16dから入力された抽出対象の情報に従い、希望信号または干渉信号の周期自己相関値のピークを抽出し、取り出した相関ピークRx(τ,α)またはRw(τ,α)を逆フーリエ変換部へ入力する。逆フーリエ変換部15cでは、入力されたαの周期自己相関関数値を逆フーリエ変換し、希望信号(又は干渉信号)の時間相関値x(n)x*(n−τ)(又はw(n)w*(n−τ))を出力する。出力された時間相関値は、信号波形再生部17で切替スイッチ18aからの出力信号より割算されて信号波形に再生される。
このような構成の受信側装置を用いることにより、希望信号と干渉信号の周期自己相関値のピークが重ならないように、希望信号のパラメータを設定し、周期自己相関値を用いて、それぞれの信号の相関ピークを抽出して、信号波形を再生させることにより、多くの無線送受信機が、同一時刻に同一周波数を使用することが可能となるため、周波数利用効率を改善することが可能となる。
図2、図3、図5、図9、図19などに示した装置をコンピュータにより機能させることもできる。この場合はコンピュータにこれら装置のいずれかとして機能させるためのプログラムをCD−ROM、磁気ディスクなどの記録媒体からインストールまたは通信回線を介してダウンロードし、そのプログラムを実行させればよい。
従来のレプリカ生成型干渉キャンセラの機能構成を示すブロック図。 この発明による信号抽出装置の機能構成例を示すブロック図。 図2中の時間相関抽出部15、信号波形再生部17の具体的機能構成例を示す図。 周期自己相関関数計算により求めた相関値分布の概念を示す図。 図2中の時間相関抽出部15の他の具体的機能構成例を示す図。 Aは時間相関波形の周波数特性を、Bは抽出したその希望信号成分を示す図である。 この発明の信号抽出装置の変形例の一部の機能構成を示すブロック図。 図7に示した装置の処理手順の例を示す流れ図。 この発明の信号抽出装置の他の機能構成例を示すブロック図。 図9中の切替スイッチの各処理状態では切替え状態を示すブロック図。 図9中の切替スイッチの各状態における制御手順の例を示す図。 この発明方法が適用されるシステムの構成例を示す図。 この発明方法手順の例を示す流れ図。 図12中の送信側装置100の機能構成例を示す図。 図12中の受信側装置200における送信パラメータ決定部214の機能構成例を示すブロック図。 図15中の使用可能領域検出部214fの動作を説明するための周期自己相関値分布例を示す図。 送信パラメータ決定部214の他の機能構成例を示すブロック図。 受信側装置200の処理手順の例を示す図。 受信側装置200の具体的機能構成例を示すブロック図。

Claims (15)

  1. 無線受信信号(以下単に受信信号という)及び抽出対象情報が入力され、上記受信信号の時間相関が演算され、抽出信号の時間相関波形を抽出する時間相関抽出部と、
    上記時間相関波形と参照信号が入力され、その時間相関波形を参照信号で割算して上記抽出信号を出力する信号波形再生部と、
    上記信号波形再生部の出力信号が入力され、その出力信号が上記抽出信号であるか否かを判定し、抽出信号でなければ上記受信信号を上記参照信号とし、抽出信号であれば上記出力信号を上記参照信号とする判定切替部と
    を具備する信号抽出装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    上記抽出信号は干渉信号であり、
    上記受信信号から上記信号再生部からの抽出信号を減算して希望信号として出力する減算部を備えることを特徴とする歪除去信号抽出装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    上記受信信号に希望信号が含まれていない状態を検出する希望信号有無検出部と、
    希望信号が含まれていない受信信号の上記時間相関抽出部で得られる相関値に所定レベル以上のものがあれば上記抽出対象情報を干渉信号とし、上記減算部の出力を、所定レベル以上のものがなければ上記抽出対象情報を希望信号とし上記信号波形再生部の出力を希望信号として出力する干渉有無判定部と
    を備える信号抽出装置。
  4. 請求項2記載の装置において、
    上記時間相関抽出部は希望信号の時間相関波形を抽出する希望抽出部と希望信号以外の信号の時間相関波形を抽出する干渉抽出部とを備え、
    上記信号波形再生部として、上記希望抽出部の出力が入力される希望波形再生部と、上記干渉抽出部の出力が入力され、出力を上記減算部へ出力する干渉波形再生部とを備え、
    上記判定切替部として、上記希望波形再生部に対し希望判定切替部が、上記干渉波形抽出部に対し干渉判定切替部が設けられ、
    上記受信信号に希望信号が含まれていない状態を検出する希望信号有無検出部と、
    上記希望信号が含まれていない受信信号の上記時間相関抽出部で得られる相関値に所定レベル以上のものがあれば上記抽出対象情報を干渉信号とし、上記減算部の出力を希望信号として出力し、所定レベル以上のものがなければ上記抽出対象情報を希望信号とし、上記希望波形再生部の出力を希望信号として出力する干渉有無判定部とを備える信号抽出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の装置において、
    上記時間相関抽出部は上記受信信号の周期自己相関値を計算する周期自己相関計算部と、
    上記周期自己相関値から上記抽出対象情報に応じて抽出信号の成分を抽出する相関ピーク抽出部と、
    上記相関ピーク抽出部から抽出された相関値を逆フーリエ変換して抽出信号の時間相関波形を出力する逆フーリエ変換部とを具備することを特徴とする信号抽出装置。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の装置において、
    上記時間相関抽出部は上記受信信号の互いに異なる遅延時間についての時間相関値を計算してそれぞれ周期自己相関値として出力する複数時間相関計算部と、
    上記各時間相関計算部よりの周期自己相関値がそれぞれ入力され、上記抽出対象情報に応じて上記抽出信号の成分を抽出して時間相関波形をそれぞれ出力する複数の帯域通過フィルタ部とを具備することを特徴とする信号抽出装置。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の装置において、
    上記時間相関抽出部は上記受信信号の時間相関値を計算する時間相関計算部と、
    上記時間相関計算部よりの時間相関値が入力され、上記抽出対象情報に応じて上記抽出信号の成分を時間相関波形として出力する帯域通過フィルタ部とを具備することを特徴とする信号抽出装置。
  8. 受信信号の周期自己相関値を計算する周期自己相関計算部と、
    通信要求信号を受信し、通信要求の受付けを表わす制御信号により、上記周期自己相関計算部より希望信号が含まれない受信信号の周期自己相関値(以下事前周期自己相関値という)を出力させる通信要求受付部と、
    上記事前周期自己相関値が入力され、その事前周期自己相関値が相対的に小さい成分の近くに時間相関値の成分をもつ希望信号の変調方式、信号帯域幅又はパルスレート及び搬送波周波数を送信パラメータとして決定する送信パラメータ決定部と、
    上記送信パラメータを送信する送信部と
    を具備する受信側装置。
  9. 請求項8に記載の装置において、
    上記送信パラメータ決定部は上記事前周期自己相関値が所定値以下の遅延時間−周期周波数領域を使用可能領域として検出する使用可能領域検出部と、
    使用可能変調方式と使用可能信号帯域幅又はパルスレートと使用可能搬送波周波数との組み合せの複数のパラメータ組のそれぞれについて、その組み合せをもつ信号の周期自己相関値が所定値以上となる遅延時間と周期周波数との組をそれぞれ求める周期自己相関出現領域計算部と、
    上記遅延時間と周期周波数の組中の上記使用可能領域に属するものと対応するパラメータ組を抽出する使用可能パラメータ抽出部と、
    上記通信要求信号の受信電力と上記使用可能領域中の周期自己相関値から受信品質を推定する品質推定部と、
    上記受信品質と上記抽出された各パラメータ組とから使用可能な符号化率及び拡散率をそれぞれ抽出し、そのパラメータ組に組み込みパラメータ組候補とする符号化率・拡散率決定部と、
    上記パラメータ組候補についてそれぞれのビットレートを計算するビットレート計算部と、
    上記計算されたビットレート中の最大値を検出し、その最大値となるパラメータ組候補を上記送信パラメータとして選択する送信パラメータ選択部とを備えることを特徴とする受信側装置。
  10. 請求項9に記載の装置において、
    上記送信パラメータ決定部は上記事前周期自己相関値が所定値以下の遅延時間−周期周波数領域を使用可能領域として検出する使用可能領域検出部と、
    使用可能変調方式と使用可能信号帯域幅又はパルスレートと使用可能搬送波周波数との組み合せの複数のパラメータ組のそれぞれについて、その組み合せをもつ信号の周期自己相関値が所定値以上である遅延時間と周期周波数との組をそれぞれ求める周期自己相関出現領域計算部と、
    上記遅延時間と周期周波数の組中の上記使用可能領域に属するものと対応するパラメータ組を抽出する使用可能パラメータ抽出部と、
    上記通信要求信号の受信電力と上記使用可能領域中の周期自己相関値から受信品質を推定する品質推定部と、
    上記受信品質と上記抽出された各パラメータ組とから使用可能な符号化率及び拡散率をそれぞれ抽出し、そのパラメータ組に組み込みパラメータ組候補とする符号化率・拡散率決定部と、
    上記パラメータ組候補についてそれぞれのビットレートを計算するビットレート計算部と、
    上記通信要求信号に含まれた要求品質情報を分離する要求品質分離部と、
    上記計算されたビットレート中の上記要求品質情報が示す要求品質を満足する範囲で、最低のビットレートを得ることができるパラメータ組候補を上記送信パラメータとして選択する送信パラメータ選択部とを備えることを特徴とする受信側装置。
  11. 請求項8〜10の装置において、
    請求項1〜6のいずれかに記載した信号抽出装置が信号処理部として設けられ、その信号処理部における時間相関抽出部中の周期自己相関値を求める方法が上記周期自己相関計算部と兼用されていることを特徴とする受信側装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  13. 送信側装置から通信要求信号を受信側装置へ送信し、
    受信側装置は上記通信要求信号を受信すると、受信信号の周期自己相関値を計算し、
    上記計算された周期自己相関値が小さい成分の近くに希望信号の周期自己相関値の成分が現われる、その希望信号の変調方式、信号帯域幅又はパルスレート、及び搬送波周波数を送信パラメータ組として決定し、この送信パラメータ組を含む送信許可通知を上記送信側装置へ送信し、
    上記送信側装置は上記送信許可通知を受信すると、これに含まれる送信パラメータ組を分離し、
    送信データにより変調され、上記送信パラメータ組の各パラメータを満す希望信号を生成して上記受信側装置へ送信することを特徴とする無線通信方法。
  14. 請求項13記載の方法において、
    上記周期自己相関値が所定値以下の遅延時間・周期周波数領域を使用可能領域として検出し、
    上記通信要求信号の受信電力と上記使用可能領域の周期自己相関値から受信品質を推定し、
    上記推定した受信品質に基づき、上記使用可能領域に、周期自己相関値の成分が現われる信号の変調方式、信号帯域幅、搬送波周波数、拡散率、符号化率のパラメータ組候補を求め、
    上記各パラメータ組候補について送信データのビットレートを計算し、
    これらビットレート中の最大を与えるパラメータ組候補を上記送信パラメータとすることを特徴とする無線通信方法。
  15. 請求項13記載の方法において、
    上記送信側装置は上記通信要求信号に要求品質情報を付加して送信し、
    上記周期自己相関値が所定値以下の遅延時間・周期周波数領域を使用可能領域として検出し、
    上記通信要求信号の受信電力と上記使用可能領域の周期自己相関値から受信品質を推定し、
    上記推定した受信品質に基づき、上記使用可能領域に、周期自己相関値の成分が現われる信号の変調方式、信号帯域幅、搬送波周波数、拡散率、符号化率のパラメータ組候補を求め、
    上記各パラメータ組候補について送信データのビットレートを計算し、
    これらビットレート中で上記通信要求信号中の要求品質情報以上で最低のビットレートを与えるパラメータ組候補を上記送信パラメータとすることを特徴とする無線通信方法。
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