JP2005151182A - デジタル情報坦体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像オブジェクトが結合してなるクラスター情報坦体を文書の視認可能な他の内容物(文字、画像、背景など)に対してブレンドさせ、部分的走査などの画像認識手段によってクラスター情報坦体にアクセスする際に、印刷された文書と電子文書とを継ぎ目無く統合し、位置情報を知るための方法や文書の記載内容との相互的な処理を誤認識することなく且つ高速で行うことを可能としたデジタル情報坦体及びその認識方法を提供すること。
【解決手段】 複数の画像オブジェクトを構成要素として備え、2個以上の画像オブジェクトによって構成されるクラスター情報坦体を含み、構成要素となる当該2個以上の画像オブジェクトの相対的関係にビットデータが対応付けられてなるデジタル情報坦体を用いた。そして、前記クラスター情報坦体は、構成要素となる当該2個以上の画像オブジェクトがクラスター情報坦体を構成するか否かの判定条件を対応付けた。
【選択図】 図1

Description

本願発明は表示される文書にデジタル情報坦体を適用することでその情報量を増大させることに関連する。
具体的には、画像オブジェクトが結合してなるクラスター情報坦体を文書の視認可能な他の内容物(文字、画像、背景など)に対してブレンドさせること、部分的走査などの画像認識手段によってデジタル情報坦体にアクセスすること、印刷された文書と電子文書とを継ぎ目無く統合すること、及び文書上において位置情報を知るための方法や文書の記載内容と相互的な処理をするための方法を提供することに関する。
印刷文書内でビットデータとして符号化された情報と電子文書とを対応させて統合するための技術はよく知られている。
一次元又は二次元のバーコードの概念や、印刷された文書などに追加された情報に基づいて文書上の位置情報を得るための使用方法が開示されている(例えば特許文献1から8参照)。
異なる次元のバーコードを統合する発明も開示されている(例えば特許文献9)。そこでは具体的な一例として、一次元と二次元とが統合されたデジタル情報坦体が示されている。
多層構造を有する一次元と二次元とのバーコードについても開示されている(例えば特許文献10、11)。
バーコードを画像や秘密文書内に混在させることも開示されている(例えば特許文献12から19)。
図示記号を用いて行われるデータ符号化方法も開示されている(例えば特許文献20、21)。
少なくとも二種類の記号を用い、文書表示可能な様々な媒体上にこれらの記号を行列状に配置して符号化する方法も開示されている(例えば特許文献22)。そこでは具体的な一例として、白黒の格子状パターンを用いることが示されている。
複数の二次元ドットコードを異なる色を用いて結合する方法も開示されている(例えば特許文献23から26)。
ドットコード
「グリフ」と呼ばれる自己同期型図示記号に基づく技術も開示されている(例えば非特許文献1)。グリフにおいてはクロックメカニズムによってグリフ個々の位置が示され、グリフの方位はその情報がデジタル的に符合化された状態で示されることが記載されている。
また、文書の所定領域全面に亘ってグリフを用いて位置情報を示す方法も開示されている(例えば特許文献27)。各グリフは文書に対して右斜め又は左斜めに傾けられた線分によって示され、それぞれが1ビットの情報を有することが記載されている。さらに、2ビットのビットデータを符号化可能な他のグリフについても開示されている(例えば特許文献28)。グリフは3角形状で表され、4つの異なる方位を有し、これによって1グリフ当たり2ビットの情報を有することが可能であることが記載されている。
米国特許出願公開20020027165号公報 米国特許6418244B2号公報 米国特許6176427B1号公報 米国特許5617358号公報 米国特許6070805号公報 米国特許5742041号公報 米国特許6043899号公報 特願平7−306904号公報 米国特許006398117号公報 特表WO96/18972号公報 米国特許5525798号公報 米国特許5525798号公報 米国特許6256398B1号公報 米国特許05522623A号公報 米国特許出願公開20020060396号公報 欧州特許1154373A2号公報 特開2001−320573号公報 特開2002−36763号公報 特開2002−63142号公報 フランス国特許2809210A1号公報 米国特許6460766B1号公報 米国特許6273340B1号公報 欧州特許1178428A1号公報 特開2000−293644号公報 特開2000−293645号公報 特開2000−293646号公報 米国特許6327395B1号公報 米国特許5245165号公報 Hecht D., Printed Embedded Data Graphical User Interfaces, Computer, March 2001, pp. 47-55
しかし、従来の技術のいずれにおいても誤認識の課題を完全に克服できてはいない。誤認識の発生原因はいくつかに分類されるので、それぞれについて説明する。
ゴーストドット
印刷時に発生する汚れなど表示上のノイズや汚れをいう。ドットによってデジタル情報坦体が構成される場合にはこの影響が顕著であり、画像オブジェクトを配置する格子を定義して除去することが一般的である。
表示歪みによる誤認識
デジタル情報坦体の表示時や読込時に、画像オブジェクトが理想的形状からずれて表示されたり、認識されたりすることで発生する。具体的には、表示時においては印刷の送り速度のばらつきなどが、読込時においてはスキャナーの走査速度のばらつき、カメラのチルトなどが原因となる。2次元コードなど特に複数の画像オブジェクトで構成される場合にこの影響が顕著となる。
また、表示歪み以外に、画像オブジェクトの色にビットデータを符号化する場合には、理想的な色からのずれ、即ち色差も同様に誤認識のもととなる。
座標系の誤認識に基づく誤認識
例えば、文書を上下逆転させた状態でデジタル情報坦体を読込んだ場合に、上下逆転であることに気付かないまま復号化すると、誤った情報が生成される。対称性が高い画像オブジェクトの場合には特に問題となる。
その他の誤認識
認識範囲に部分的に認識困難な画像オブジェクトがあった場合に、認識範囲内の画像オブジェクト全体が復号化不能となったり、誤認識されたりする可能性がある。所定範囲の複数の画像オブジェクトからなる一群から一の情報を得る場合に特に問題となる。
デジタル情報坦体の保有情報量を増やそうとすると画像の表示密度が高くなり、以上の誤認識が発生する可能性が増加する。また、誤認識を避けるために行った対策がデジタル情報坦体の表示自由度を低下させたり、情報を得るための処理を複雑化して処理速度が低下したりすることも問題である。
したがって、大容量の情報を容易に表示可能であり、復号化にあっては誤認識の可能性が少なく、かつ高速で処理されやすいデジタル情報坦体が求められている。
そこで、本願ではこれらの問題を解決するデジタル情報坦体やこれを取り扱う方法やシステムなどを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために提供される本願第1の発明に係るデジタル情報坦体は、複数の画像オブジェクトを構成要素として備え、2個以上の画像オブジェクトによって構成されるクラスター情報坦体を含み、そのクラスター情報坦体は、構成要素となるその2個以上の画像オブジェクトの相対的関係にビットデータが対応付けられてなることを特徴とする。
ここで、デジタル情報坦体とはビットデータが符号化されてなる画像オブジェクトの集合体であって、画像オブジェクトとは、画像ピクセルの集合体で構成されるものである。
また、相対的関係とは、形状や色の異同、最長主直径比など複数の画像オブジェクトの形態の関係や重心間距離、相対角度など複数の画像オブジェクトの配置の関係をいう。
上記のごとく、相対的関係としては多くの関係を規定することが可能であるから、一つのクラスター情報坦体には、構成画像オブジェクトごとにビットデータを対応づけるよりも多くのビットデータを対応づけることが実現される。すなわち、一つのクラスター情報坦体で多くの情報を表示することが実現される。このため、デジタル情報坦体の構成画像オブジェクト量が少なくなり、画像の表示密度を下げることが実現される。従って、ゴーストドットなどの影響が少なくなり、認識されにくく、表示が容易で、認識速度が速いデジタル情報坦体が実現される。
また、一つのクラスター情報坦体で多くの情報を表示できるということは少ない画像表示領域に多くの情報が表示されうることを意味する。このため、デジタル情報坦体が位置情報を示す場合には、位置の分解能が高くなる。
さらに、クラスター構造の画像認識に関する既存技術に基づく形態抽出技術を用いて一般的な画像処理が可能である。このため、画像処理速度が高く、誤認識が発生しにくい。従って、高密度表示が可能となり、大容量化にも対応したデジタル情報坦体が実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第2の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第1の発明に係るデジタル情報坦体であって、クラスター情報坦体を構成する複数の画像オブジェクトの相対的関係のうち、ビットデータが対応付けられていない相対的関係は任意に構成可能とされる。
係るデジタル情報坦体は、ビットデータが対応付けられていない相対的関係を任意とされることで、異なる形態を有しながら同一のビットデータを表示するクラスター情報坦体が生成される。このため、表示形態に高い自由度が得られる。従って、表示歪みが発生しにくく、表示しやすい形態を選択することが実現され、或いはゴーストドットと区別しやすく認識されやすい形態を選択することが実現される。さらに、デジタル情報坦体を既存の文書表示内に混在させるときには、その存在が目立たない形態を選択することも実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第3の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第1又は2の発明に係るデジタル情報坦体であって、一のクラスター情報坦体の構成要素をなす画像オブジェクトを少なくとも一つは、他のクラスター情報坦体の構成要素をなす。
係るデジタル情報坦体は、異なるクラスター情報坦体が画像オブジェクトのいくつかを共有する。このため、クラスター情報坦体が高密度に表示される。従って、大容量化に対応したデジタル情報坦体が実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第4の発明に係るデジタル情報坦体は、複数の画像オブジェクトを構成要素として備え、2個以上の画像オブジェクトによって構成されるクラスター情報坦体を含み、そのクラスター情報坦体は、構成要素となるその2個以上の画像オブジェクトの相対的関係にそれらの画像オブジェクトがクラスター情報坦体を構成するか否かの判定条件が対応付けられ、そのクラスター情報を単位としてビットデータが対応付けられてなることを特徴とする。
ここで、判定を行う処理全体をクラスター関数と称する。
係るデジタル情報坦体では、復号化によってビットデータを生成する前にデジタル情報坦体を構成する各画像オブジェクトについて復号化の対象であるか否かが特定される。このため、ゴーストドットを識別しやすく、誤認識が発生しにくい。また、同一のクラスター情報坦体の判定に異なる判定条件を設定可能である。このため、表示態様ごとに異なったクラスター関数を設定することが実現される。具体的には、例えば印刷物に適したクラスター関数や電子表示に適したクラスター関数などを設定することが実現される。このように、表示態様ごとに最適のクラスター関数を設定することで、誤認識の発生がさらに抑制される。
上記課題を解決するために提供される本願第5の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第4の発明に係るデジタル情報坦体であって、判定されてなるクラスター情報坦体は、構成要素である複数の画像オブジェクトの相対的関係にビットデータが対応付けられてなる。
係るデジタル情報坦体は、一つのクラスター情報坦体に多くのビットデータが対応付けることが実現される。このため、デジタル情報坦体の構成画像オブジェクト量が少なくなり、画像の表示密度を下げることが実現される。従って、ゴーストドットなどの影響が少なくなり、誤認識されにくく、表示が容易で、認識速度が速いデジタル情報坦体が実現される。
さらに、クラスター情報坦体であることを判定する段階で相対関係が所定の関係であることが確認されているので、特に誤認識が発生しにくいデジタル情報坦体が実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第6の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第1から5のいずれかの発明に係るデジタル情報坦体であって、クラスター情報坦体の相対配置に所定の情報が付与されてなる。
ゴーストドットは前述のように、他の画像オブジェクトと特定の相対配置を有する可能性は低い。このため、係るデジタル情報坦体のごとくクラスター情報坦体の相対配置に情報が含まれている場合には、その情報の生成の過程でゴーストドットであることが容易に識別される。従って、誤認識が起こりにくいデジタル情報坦体が提供される。
また、クラスター情報坦体が保持するビットデータが相対配置にも付与されている場合には、情報のダブルチェックとなるので、誤認識が特に起こりにくいデジタル情報坦体が提供される。
さらに、クラスター情報坦体が保持するビットデータとは異なる情報が付与されている場合には、単位表示面積当たりの情報量が増加することとなるので、高密度表示可能となり大容量化に対応したデジタル情報坦体が提供される。
その上、クラスター情報坦体と相対配置とを組み合わせて一の情報を符号化する場合には、複数のクラスター情報坦体が保持するビットデータを統合して一の情報とすることも可能となるので、大容量化に対応したデジタル情報坦体が提供される。また、複数の復号化プロセスを組み合わせて一の情報を生成させることになるので情報の秘匿性が向上したデジタル情報坦体となる。
上記課題を解決するために提供される本願第7の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第6の発明に係るデジタル情報坦体であって、相対配置に付与される情報は、複数のクラスター情報坦体に対応付けられたビットデータを統合して一の情報を生成するための統合規則に係る情報である。
係るクラスター情報坦体では、一の情報のもととなるビットデータはクラスター情報坦体が有し、その統合規則に関する情報を相対配置が有しているので、デジタル情報坦体の表示できる情報量は非常に多い。従って、大容量化に対応したデジタル情報坦体が実現される。なお、クラスター情報坦体等の復号化における最小単位の一群であって、所定の統合規則によって一の情報を構築することが可能なものを論理ブロックと称する。
上記課題を解決するために提供される本願第8の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第6又は7の発明に係るデジタル情報坦体であって、クラスター情報坦体の相対配置がクラスター情報坦体配列の座標軸及び方位の少なくとも一方に係る情報を付与されてなる。
係るクラスター情報坦体では、相対配置を認識するだけで座標軸や方位の帰属が実現される。このため、クラスター情報坦体に座標軸や方位に関する情報を対応づける必要がなく、クラスター情報坦体が符号化可能な情報量が相対的に増加する。従って、大容量化に対応したデジタル情報坦体が実現される。
また、クラスター情報坦体自体は対称性が高くても座標軸や方位を容易に認識可能となる。クラスター情報坦体の対称性が高い方が一般的には表示容易性が高く、クラスター情報坦体としては誤認識されにくい。このため、クラスター情報坦体自体の対称性は高いものを用い、座標軸や方位の情報は相対配置に付与すれば、誤認識されにくいデジタル情報坦体が実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第9の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第8の発明に係るデジタル情報坦体であって、2次元に配置される前記クラスター情報坦体の配置間隔が座標軸ごとに設定される。
座標軸を誤認識すると正しい情報が得られることは極めて困難となる。このため、座標軸の認識は誤認識を避けるために特に重要である。係るクラスター情報坦体では、配置間隔を認識するだけで座標軸が容易に帰属されるので、特に誤認識されにくいデジタル情報坦体が実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第10の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第8又は9の発明に係るデジタル情報坦体であって、連続して配置されるd個(ただしd≧4)のクラスター情報坦体のうち、e<d/2の条件を満たすe個のクラスター情報坦体は残りのd−e個のクラスター情報坦体によって形成される配列方向に対して直交する方向にずれて配置され、座標軸に係る情報がその配列方向に、方位に係る情報がそのずれに付与される。
係るデジタル情報坦体が一次元配列の場合には、残りのd−e個のクラスター情報坦体によって形成される配列方向に対するずれ方向を常に一定とすることで、順方向の配列か逆方向の配列かを判定することが実現される。
また、係るデジタル情報坦体が二次元配列の場合には、残りのd−e個のクラスター情報坦体によって形成される配列方向を一方の座標軸と一致させ、ずれ方向によってその座標軸の正方向がいずれかであるかを判定可能とすることで、他方の座標軸についても一義的に認識することが実現される。
このように、ずれ方向を適切に設定することで、個々のクラスター情報坦体を復号化する前に配置間隔から座標軸や方位が容易に帰属される。このため、誤認識されにくいデジタル情報坦体が実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第11の発明に係るデジタル情報坦体は、デジタル情報坦体からビットデータを復号化する際の最小単位である単位情報坦体が複数統合されてなる論理ブロックを構成可能にされ、その論理ブロックはその構成要素のいくつかが統合されてなる配列に一の情報が付与され、論理ブロックの構成要素の少なくとも一つは、その論理ブロックに隣接する単位情報坦体と置換されて新たな論理ブロックを構成可能にされてなることを特徴とする。
ここで、単位情報坦体はクラスター情報坦体または画像オブジェクトである。また、論理ブロックとは単位情報坦体の一群であって、所定の統合規則によって一の情報を構築することが可能なものであり、一般には、単位情報坦体が行列状に配置されたものをいう。なお、論理ブロックを構成する個々の単位情報坦体が復号化されてなるビットデータの一群も論理ブロックと称する場合もある。
本発明に係る論理ブロックではこれを構成する単位情報坦体の置換が許容されるので、論理ブロックの形状が随時変化しうる。この点で従来の論理ブロックとは異なるため、仮想ブロックとも称する。従って、以降の説明では論理ブロックとは、従来の論理ブロックと仮想ブロックとを含む意味で用いられる場合もある。
上記のように仮想ブロックの形状が変化可能なため、デジタル情報坦体の認識の対象範囲である認識範囲が入力装置の移動に合わせて移動した場合にも、置換を繰り返しながら適宜新たな仮想ブロックを形成して、認識範囲の移動に追従することが実現される。従って、認識範囲の移動に伴って一時的に認識不可能となる事態が発生しにくく、誤認識されにくいデジタル情報坦体が実現される。
また、認識範囲内の画像オブジェクトの一部が認識不能でなってもこれを回避して仮想ブロックを形成することも実現される。このため、画像の認識段階で必ずしも良好といえない場合でも、所定の情報が実現される。従って、係る仮想ブロックを構成可能なデジタル情報坦体は外乱に強く、誤認識されにくい。
上記課題を解決するために提供される本願第12の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第11の発明に係るデジタル情報坦体であって、論理ブロック(仮想ブロック)は、一の情報が付与される配列の要素数よりも多数の単位情報坦体で構成される。
係るデジタル情報坦体では、一の情報の構成に関与しない単位情報坦体を冗長化坦体として用いることが実現される。このため、仮想ブロック内の単位情報坦体の一部が認識不能となっても冗長化坦体で補完できる場合がある、また、仮想ブロック内のこの冗長化坦体数は表示態様に合わせて設定してもよい。具体的には、低dpiの一般プリンターなどで作成されたデジタル情報坦体では誤認識の可能性が高いので冗長化坦体数を多く設定し、これに対し、高品質印刷機などで作成されたデジタル情報坦体では誤認識の可能性が低いので冗長化坦体数を少なく設定する。なお、冗長化坦体数が多くなると誤認識を回避しやすいが、仮想ブロックの構成要素数が増えるので一の情報を得るための処理負荷が増大する。
上記課題を解決するために提供される本願第13の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第11又は12の発明に係るデジタル情報坦体であって、一の情報は、論理ブロック(仮想ブロック)のいずれかの構成要素の配置座標を特定可能な情報である。
係るデジタル情報坦体では、仮想ブロックを認識することで位置情報を得ることが実現され、さらに、認識範囲が微小移動しても適切な位置情報が継続的に提供されることが実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第14の発明に係るデジタル情報坦体は、予め規定される配列長nの参照用ビット配列Bの配列要素bm(m=0〜n−1)を行列状に配置してなるビット行列Vを含み、このビット行列にビットデータが対応付けられてなり、ビット行列Vの二の配列軸の一方(i軸)に隣接する二の行列要素v(i,j)、v(i+1,j)は
v(i,j) = bm
v(i+1,j) = bm+1
を満たし、ビット行列Vの他方の配列軸(j軸)に隣接する二の行列要素v(i,j)、v(i,j+1)は、配列要素bのj軸側のずれ量をaとして、
v(i,j) = bm
v(i,j+1) = bm+a
を満たし、j軸側のずれ量aは2以上の整数であることを特徴とする。
係るデジタル情報坦体を復号化して得られるビット行列Vは、どの配列要素を起点にしても、主走査方向の配列数をa個とする論理ブロックの構成要素を統合して得られるビット配列は参照用ビット配列の部分配列をなす。このため、任意の場所を始点にして論理ブロックを形成することが実現され、良好に認識されなかった行列要素を回避して論理ブロックを構築可能である。従って、一部の認識不能が認識範囲全体の認識を困難とすることが回避され、結果的に認識速度が向上し、誤認識の可能性も低下する。
上記課題を解決するために提供される本願第15の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第14の発明に係るデジタル情報坦体であって、ビット行列Vのいずれか一の行列要素v(i,j)を始点とし、i軸側の配列長をずれ量aとするビット行列Vの部分行列である論理ブロック(仮想ブロック)について、i軸の正方向を主走査方向とし、j軸の正方向を副走査方向としてその論理ブロック(仮想ブロック)の構成要素のいくつかを統合することで、参照用ビット配列Bの部分配列と同一のビット配列を形成可能とされる。
係る統合で参照用ビット配列Bの部分配列と同一のビット配列を形成する仮想ブロックを構成可能なデジタル情報坦体は、任意の場所を始点として仮想ブロックを構成することが実現される。このため、従来の論理ブロックに比べてブロックを構成するか否かの判定が迅速に行われるため認識速度が高く、誤認識が発生しにくいデジタル情報坦体が実現される。
また、i軸側の配列長をaとすることで、形成される仮想ブロックは行列形状をなしうる。行列形状であることから認識が容易となる。従って誤認識が発生しにくいデジタル情報坦体が実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第16の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第15の発明に係るデジタル情報坦体であって、参照用ビット配列Bは、任意のオフセットで得られる所定の長さの部分配列が互いに他と異なるように構成される。
こうして構築される論理ブロックは、構成要素を統合して得られる配列を参照用ビット配列Bと比較することで、一のオフセット値が得られる。論理ブロックがデジタル情報坦体のどの部分であるかを規定する位置情報としてこのオフセット値を使用すれば、認識範囲にある論理ブロックに係る画像を認識することで、現在の認識範囲の位置情報を得ることが容易に実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第17の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第15又は16の発明に係るデジタル情報坦体であって、論理ブロックを(仮想ブロック)構成する主走査方向配列の末端をなす行列要素v(i,j)を、行列要素v(i-a,j+1)、v(i+a,j-1)のいずれかが論理ブロック(仮想ブロック)に隣接することを条件に、そのいずれかの行列要素と置換して新たな論理ブロック(仮想ブロック)を構成可能とされる。
こうして新たに構築される仮想ブロックは、その形状が置換によって変化しうる。このため、認識される画像オブジェクトのうちで認識困難なものを回避しながら仮想ブロックを形成することが実現される。従って、係る構成を備えるデジタル情報坦体は誤認識が発生しにくい。
上記課題を解決するために提供される本願第18の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第15から17のいずれかの発明に係るデジタル情報坦体であって、ビット配列の一番目を構成する行列要素を論理ブロック(仮想ブロック)から除外し、その配列の最後を構成する行列要素の主走査方向側に隣接する行列要素を補完して、新たな論理ブロック(仮想ブロック)を構築可能とされる。
また、上記課題を解決するために提供される本願第19の発明に係るデジタル情報坦体は、本願第15から17のいずれかの発明に係るデジタル情報坦体であって、ビット配列の最後を構成する行列要素を論理ブロック(仮想ブロック)から除外し、その配列の一番目を構成する行列要素の主走査方向反対側に隣接する行列要素を補完して、新たな論理ブロック(仮想ブロック)を構築可能とされる。
こうして構築される仮想ブロックはいずれもその形状が変化しうる。このため、認識される画像オブジェクトのうちで認識困難なものを回避しながら仮想ブロックを形成することが実現される。従って、係る構成を備えるデジタル情報坦体は誤認識が発生しにくい。
上記課題を解決するために提供される本願第20の発明に係る表示媒体は、本願第1から19のいずれかの発明に係るデジタル情報坦体が表示されたものである。この表示媒体とは、紙やフィルムだけではなく、デジタル情報坦体を検出可能な態様で表示することが可能であればいかなる媒体でもよい。
また、本願第21の発明に係る表示装置は、本願第1から19のいずれかの発明に係るデジタル情報坦体が表示されたものである。この表示装置とは、液晶表示素子やCRT、EL表示素子、デジタルペーパーなどの表示素子によってデジタル情報坦体を表示するための装置をいう。
また、本願第22の発明に係る記録媒体は、本願第1から19のいずれかの発明に係るデジタル情報坦体の表示データが記録されたものである。この表示データとは、表示媒体や表示装置に所定のデジタル情報坦体を表示するためのデータが記憶媒体に保存可能とされたものである。また、この記録媒体とはFDやハードディスク、磁気テープなどの磁気記録媒体や、CDやDVDなどの光記録媒体や、MOなどの光磁気記録媒体などを意味する。
上記課題を解決するために提供される本願第23の発明に係るデジタル情報坦体の作成システムは、データ入力のための入力装置と、入力されたデータを処理して複数の画像オブジェクトから構成されるデジタル情報坦体に係るデータを生成する処理装置と、生成したデジタル情報坦体に係るデータを出力する出力装置とを備え、処理装置は、入力されたデータをビットデータに変換する変換手段と、
変換手段で変換されてなるビットデータに対応する2個以上の画像オブジェクトとこれらの相対的関係とを特定し、その特定された内容に基づいて2個以上の画像オブジェクトからなるクラスター情報坦体の画像データを生成する生成手段とを有することを特徴とする。
係るシステムにより、クラスター情報坦体を含み、誤認識を発生しにくいデジタル情報坦体が出力装置にから出力されることが実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第24の発明に係るデジタル情報坦体の作成システムは、本願第23の発明に係るデジタル情報坦体の作成システムであって、一個当たりのクラスター情報坦体が表示可能な最大データ量よりも変換手段で得られるビットデータのデータ量が多い場合には、その変換手段では、変換後のビットデータを、最大データ量以下のデータサイズのビットデータを要素とするビット配列へと変換し、生成手段では、そのビット配列の各要素となるビットデータに対応して複数のクラスター情報坦体の画像データが生成されるとともに、ビット配列の配列関係に対応してその複数の画像データの表示位置が決定される。
係るシステムによれば、複数のクラスター情報坦体はそれらの相対位置からビット配列を形成できるように出力装置から出力される。このため、複数のクラスター情報坦体の相対配置を認識することで、一個当たりのクラスター情報坦体が表示可能な最大データ量よりもデータサイズが大きなデータを復号化情報として生成することが実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第25の発明に係るデジタル情報坦体の作成システムは、本願第23又は24の発明に係るデジタル情報坦体の作成システムであって、処理装置は、入力装置及び出力装置とデータ信号のやりとりをする出入力部と、出入力部から入力されるデータを処理する処理部と、処理部がデータ処理をするために必要なデータを記憶する記憶部とを備え、記憶部は、クラスター情報坦体の画像データと、そのクラスター情報坦体とビットデータとの対応関係に係る対応関係データとを有し、生成手段は、変換手段で変換されてなるビットデータに対応するクラスター情報坦体を記憶部に格納された対応関係データに基づいて選択する選択手段と、選択されたクラスター情報坦体に対応する画像データを記憶部から読込む読込手段と、読込まれたクラスター情報坦体の画像データの表示位置を決定する決定手段とを有する。
係る処理装置によれば、処理部が記憶部と適宜データのやりとりをすることで、入力データを表示するクラスター情報坦体を形成することが実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第26の発明に係るデジタル情報坦体の作成方法は、データ入力のための入力装置に入力されたデータに応じて、複数の画像オブジェクトからなるデジタル情報坦体に係るデータを生成して出力装置へと出力する処理装置が実行するデジタル情報坦体の作成方法であって、入力されたデータをビットデータに変換する変換ステップと、変換手段で変換されてなるビットデータに対応する2個以上の画像オブジェクトとこれらの相対的関係とを特定し、その特定された内容に基づいて2個以上の画像オブジェクトからなるクラスター情報坦体の画像データを生成する生成ステップとを有することを特徴とする。
係る方法を実行することで、クラスター情報坦体を含み、誤認識を発生しにくいデジタル情報坦体が出力装置にから出力されることが実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第27の発明に係るデジタル情報坦体の作成方法は、本願第26の発明に係るデジタル情報坦体の作成方法であって、一個当たりのクラスター情報坦体が表示可能な最大データ量よりも変換ステップで得られるビットデータのデータ量が多い場合には、その変換ステップでは、変換後のビットデータを、最大データ量以下のデータサイズのビットデータを要素とするビット配列へと変換し、生成ステップでは、そのビット配列の各要素となるビットデータに対応して複数のクラスター情報坦体の画像データが生成されるとともに、ビット配列の配列関係に対応してその複数の画像データの表示位置が決定される。
係る方法を実行することで、複数のクラスター情報坦体はそれらの相対位置からビット配列を形成できるように出力装置から出力される。このため、複数のクラスター情報坦体の相対配置を認識することで、一個当たりのクラスター情報坦体が表示可能な最大データ量よりもデータサイズが大きなデータを復号化情報として生成することが実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第28の発明に係るデジタル情報坦体の作成方法は、本願第26又は27の発明に係るデジタル情報坦体の作成方法であって、処理装置は、入力装置及び出力装置とデータ信号のやりとりをする出入力部と、出入力部から入力されるデータを処理する処理部と、処理部がデータ処理をするために必要なデータを記憶する記憶部とを備え、記憶部は、クラスター情報坦体の画像データと、そのクラスター情報坦体とビットデータとの対応関係に係る対応関係データとを有し、生成ステップは、変換ステップで変換されてなるビットデータに対応するクラスター情報坦体を記憶部に格納された対応関係データに基づいて選択する選択ステップと、選択されたクラスター情報坦体に対応する画像データを記憶部から読込む読込ステップと、読込まれたクラスター情報坦体の画像データの表示位置を決定する決定ステップとを有する。
係る方法を実行することで、処理部が記憶部と適宜データのやりとりをすることで、入力データを表示するクラスター情報坦体を形成することが実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第29の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成システムは、複数の画像オブジェクトからなるデジタル情報坦体を入力するための入力装置と、入力されたデジタル情報坦体が保持する復号化情報を生成する処理を行う処理装置と、その復号化情報を出力する出力装置とを備え、処理装置は、入力装置から入力されたデジタル情報坦体を複数の画像オブジェクトとして認識する認識手段と、その複数の画像オブジェクトの一が他の画像オブジェクトのいずれかと一群をなしてクラスター情報坦体を構成するか否かを判定するクラスター判定手段と、クラスター情報坦体を構成すると判定されたことを条件として、その判定されてなるクラスター情報坦体からビットデータを復号化し、そのビットデータに基づいて復号化情報を生成する復号化情報生成手段とを備えることを特徴とする。
係るシステムにより、入力装置から入力されたクラスター情報坦体を含むデジタル情報坦体は処理装置において誤認識の発生の可能性を抑えつつ復号化等の処理がなされ、その処理の結果として誤情報を含む可能性が低い復号化情報が生成され、その復号化情報は出力装置から出力されることが実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第30の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成システムは、本願第29の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成システムであって、クラスター判定手段によって判定されてなるクラスター情報坦体が複数ある場合には、復号化情報生成手段では、その複数のクラスター情報坦体を復号化して複数のビットデータを生成し、複数のクラスター情報坦体の相対配置に基づいてその複数のビットデータのいくつかを統合してビット配列を形成し、そのビット配列から一の情報を復号化情報として生成する。
係るシステムによれば、複数のクラスター情報坦体に分散保持される一の情報が生成される。このため、一個のクラスター情報坦体が表示可能な最大データ量よりもデータ量が大きなデータをデジタル情報坦体に表示させておくことが実現される。
なお、相対配置に基づいてビットデータを統合する方法は予め設定されていてもよいが、本システムによる復号化情報の生成過程で最適な統合方法が決定されてもよい。
上記課題を解決するために提供される本願第31の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成システムは、本願第29又は30の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成システムであって、処理装置はデータ処理を司る処理部と処理部によるデータ処理に必要なデータを記憶する記憶部とを有し、クラスター判定手段では、複数の画像オブジェクトの相対的関係を判定条件とし、その判定条件は記憶部に格納されている。
係る判定条件を採用することで、他の画像オブジェクトとの相対的関係を有すことなく混在するゴーストドットが効果的に排除される。従って、誤認識が発生しにくいシステムが実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第32の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成システムは、本願第31の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成システムであって、クラスター情報坦体は、その構成要素である複数の画像オブジェクトの相対的関係にビットデータが対応づけられており、記憶部は、相対的関係とビットデータとの対応関係に係る対応関係データを有し、復号化情報生成手段は、記憶部に格納されている対応関係データに基づいてクラスター情報坦体からビットデータを復号化する復号化手段を含む。
複数の画像オブジェクトの相対的関係にビットデータが対応づけられていることで、誤認識により構成要素としてゴーストドットを含むクラスター情報坦体があっても、ビットデータが復号化される可能性が低くなる。従って、誤った復号化情報が生成されにくい。また、一つのクラスター情報坦体に多くのビットデータを対応づけることが実現されるので、デジタル情報坦体の表示密度向上や大容量化が実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第33の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成システムは、本願第29から32のいずれかの発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成システムであって、クラスター判定手段によって判定されてなるクラスター情報坦体を構成する複数の画像オブジェクトの表示状態がそのクラスター情報坦体の理想的な表示状態からどの程度ずれているかを評価し、その評価の結果に基づいて復号化情報生成手段で復号化するか否かを判定する表示状態判定手段を備える。
ここでいう表示状態とは表示歪みや色ずれなどをいい、この表示状態が理想的な表示状態とずれる理由には、デジタル情報坦体の出力装置における処理上の理由(例えばプリンターの走査ずれ)や、入力装置における入力状態上の理由(例えばカメラのチルト角が大きい)、入力装置における処理上の理由(例えばコントラストが低く色差がない)などがある。
係るシステムでは、複数の画像オブジェクトによるクラスター情報坦体として理想的な表示状態からのずれを評価する。このため、画像オブジェクト単位で評価する場合に比べて多くの評価項目を設定することが可能であり評価精度が向上する。また、表示面積が広いことも評価精度の向上に効果的であり、これは評価対象が表示歪みの場合に顕著である。さらに、クラスター情報坦体を構成するか否かを判定するための判定条件(クラスター関数)と同一の内容を評価対象とすれば、判定条件の充足度合いを定量化することでずれの評価結果として用いることができ、高い評価精度が実現される。
また係るシステムでは、ずれの評価結果が悪い場合にはクラスター情報坦体を復号化の対象としないことも実現される。クラスター情報坦体を構成するか否かの判定、即ちクラスター関数においてクラスター情報坦体を構成すると判定されたものであっても、誤認識を生ずる恐れが高いためである。このため、誤認識が特に発生しにくいシステムが実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第34の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成方法は、複数の画像オブジェクトからなるデジタル情報坦体を入力するための入力装置に入力されたデジタル情報坦体を処理してなる復号化情報を生成してその復号化情報を出力する処理装置が実行するデジタル情報坦体の復号化情報生成方法であって、処理装置は、入力装置から入力されたデジタル情報坦体を複数の画像オブジェクトとして認識する認識ステップと、その複数の画像オブジェクトの一が他の画像オブジェクトのいずれかと一群をなしてクラスター情報坦体を構成するか否かを判定するクラスター判定ステップと、クラスター情報坦体を構成すると判定されたことを条件として、その判定されてなるクラスター情報坦体からビットデータを復号化し、そのビットデータに基づいて復号化情報を生成する復号化情報生成ステップとを備えることを特徴とする。
係る方法を採用することで、入力装置から入力されたクラスター情報坦体を含むデジタル情報坦体は処理装置において誤認識の発生の可能性を抑えつつ復号化等の処理がなされ、その処理の結果として誤情報を含む可能性が低い復号化情報が生成され、その復号化情報は出力装置から出力されることが実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第35の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成方法は、本願第34の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成方法であって、クラスター判定ステップによって判定されてなるクラスター情報坦体が複数ある場合には、復号化情報生成ステップでは、その複数のクラスター情報坦体を復号化して複数のビットデータを生成し、複数のクラスター情報坦体の相対配置に基づいてその複数のビットデータのいくつかを統合してビット配列を形成し、そのビット配列から一の情報を復号化情報として生成する。
係る方法を採用することで、複数のクラスター情報坦体に分散保持される一の情報が生成される。このため、一個のクラスター情報坦体が表示可能な最大データ量よりもデータ量が大きなデータをデジタル情報坦体に表示させておくことが実現される。
なお、相対配置に基づいてビットデータを統合する方法は予め設定されていてもよいが、本システムによる復号化情報の生成過程で最適な統合方法が決定されてもよい。
上記課題を解決するために提供される本願第36の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成方法は、本願第34又は35の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成方法であって、処理装置はデータ処理を司る処理部と処理部によるデータ処理に必要なデータを記憶する記憶部とを有し、クラスター判定ステップでは、複数の画像オブジェクトの相対的関係を判定条件とし、その判定条件は記憶部に格納されている。
係る判定条件を採用することで、他の画像オブジェクトとの相対的関係を有すことなく混在するゴーストドットが効果的に排除される。従って、誤認識が発生しにくいシステムが実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第37の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成方法は、本願第36の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成方法であって、クラスター情報坦体はその構成要素である複数の画像オブジェクトの相対的関係にビットデータが対応づけられており、記憶部は相対的関係とビットデータとの対応関係に係る対応関係データを有し、復号化情報生成ステップは、記憶部に格納されている対応関係データに基づいてクラスター情報坦体からビットデータを復号化する復号化ステップを含む。
複数の画像オブジェクトの相対的関係にビットデータが対応づけられていることで、誤認識により構成要素としてゴーストドットを含むクラスター情報坦体があっても、ビットデータが復号化される可能性が低くなる。従って、誤った復号化情報が生成されにくい。また、一つのクラスター情報坦体に多くのビットデータを対応づけることが実現されるので、デジタル情報坦体の表示密度向上や大容量化が実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第38の発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成方法は、本願第34から37のいずれかの発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成方法であって、クラスター判定ステップによって判定されてなるクラスター情報坦体を構成する複数の画像オブジェクトの表示状態がそのクラスター情報坦体の理想的な表示状態からどの程度ずれているかを評価し、その評価の結果に基づいて復号化情報生成ステップで復号化するか否かを判定する表示状態判定ステップを備える。
係る方法では、複数の画像オブジェクトによるクラスター情報坦体として理想的な表示状態からのずれを評価する。このため、画像オブジェクト単位で評価する場合に比べて多くの評価項目を設定することが可能であり評価精度が向上する。また、表示面積が広いことも評価精度の向上に効果的であり、これは評価対象が表示歪みの場合に顕著である。さらに、クラスター情報坦体を構成するか否かを判定するための判定条件(クラスター関数)と同一の内容を評価対象とすれば、判定条件の充足度合いを定量化することでずれの評価結果として用いることができ、高い評価精度が実現される。
また係る方法では、ずれの評価結果が悪い場合にはクラスター情報坦体を復号化の対象としないことも実現される。クラスター情報坦体を構成するか否かの判定、即ちクラスター関数においてクラスター情報坦体を構成すると判定されたものであっても、誤認識を生ずる恐れが高いためである。このため、誤認識が特に発生しにくい方法が実現される。
上記課題を解決するために提供される本願第39の発明に係るプログラムは、本願第26または28の発明に係るデジタル情報坦体の作成方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
上記課題を解決するために提供される本願第40の発明に係るプログラムは、本願第34から38のいずれかの発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
上記課題を解決するために提供される本願第41の発明に係る記録媒体は、本願第26または28の発明に係るデジタル情報坦体の作成方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
上記課題を解決するために提供される本願第42の発明に係る記録媒体は、本願第34から38のいずれかの発明に係るデジタル情報坦体の復号化情報生成方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
本発明の態様の一つによれば、ビットデータが複数の画像オブジェクトの相対的関係に対応づけられてなるクラスター情報坦体をデジタル情報坦体は含む。このクラスター情報坦体は、構成する複数の画像オブジェクトの個々にビットデータが対応づけられてなる場合よりも多くのビットデータを保持することができる。このため、デジタル情報坦体の構成画像オブジェクト量が少なくなり、画像の表示密度を下げることが実現される。従って、ゴーストドットなどの影響が少なくなり、認識されにくく、表示が容易で、認識速度が速いデジタル情報坦体が実現される。また、少ない画像表示領域に多くのビットデータが表示されうるので、デジタル情報坦体が位置情報を示すものである場合には、位置の分解能を高くすることができる。
また、本発明の態様の別の一つによれば、デジタル情報坦体の構成要素である一の画像オブジェクトが他の画像オブジェクトとクラスター情報坦体を構成するか否かの判定を行い、その判定でクラスター情報坦体を構成すると判定された場合のみ復号化を行う。このため、他の画像オブジェクトとほぼ無関係に表示されるゴーストドットを識別しやすい。従って、誤認識が発生しにくいデジタル情報坦体が実現される。
また、本発明の態様のさらに別の一つによれば、クラスター情報坦体の相対配置にも情報が付与される。上述のようにクラスター情報坦体はゴーストドットの影響を受けにくいので、そのクラスター情報坦体の相対配置に含まれる情報は更にゴーストドットの影響を受けにくい。従って、誤認識が発生しにくいデジタル情報坦体が実現される。また、クラスター情報坦体が有する情報とその相対配置が有する情報とは本質的に独立であるから、相互に独立の情報を有するデジタル情報坦体や、相互の情報を関連づけることで一の情報が生成されるデジタル情報坦体が実現される。このため、デジタル情報坦体全体としての情報保持態様が増加する。従って、表示態様や用途に合わせて情報保持密度や誤認識の可能性が調整されたデジタル情報坦体を作成することができる。
また、本発明の態様のさらにまた別の一つによれば、デジタル情報坦体を復号化する際の最小単位である単位情報坦体が複数統合されてなる論理ブロック(仮想ブロック)の構成要素の少なくとも一つは、その論理ブロック(仮想ブロック)に隣接する単位情報坦体と置換されて新たな論理ブロック(仮想ブロック)を構成することができる。こうして置換されてなる新たな論理ブロック(仮想ブロック)は行列状にブロック形状が固定された従来技術による論理ブロックと異なり、ブロックの形状自由度が高い。このため、画像として認識された一部の単位情報坦体が復号化に不適切であっても、これを含まないように論理ブロック(仮想ブロック)を構成することが容易に実現される。従って、認識不能となったり誤認識を発生したりする可能性が低いデジタル情報坦体が実現される。また、認識範囲として必要とされる範囲はブロック形状が固定された従来技術による論理ブロックを採用する場合に比べて狭くなり、認識範囲に含まれるクラスター情報坦体数を少なく設定することが実現される。従って、位置認識に要する画像処理が短時間で済むこととなる。
以降、本発明に係るデジタル情報坦体について詳しく説明する。
最も単純な画像オブジェクトとしてドットと線分とを挙げることができる。従って、本願発明に係るクラスター情報坦体の説明にあたっても、理解を容易とするために、これらを例として用いる。
図1は一つのドットと一つの線分とからなるクラスター情報坦体の一例を示す図であり、図2は図1に示されるクラスター情報坦体を判定するためのクラスター関数の動作の一例を示すフローチャートである。
図1に示されるような一つのドットと一つの線分とからなるクラスター情報坦体及び図2に示されるようなクラスター関数について考える。
各画像オブジェクトはごく一般的な画像処理方法を用いて認識され、オブジェクトの主直径と重心とが計算される。主直径が同一の場合にはその画像オブジェクトは円、即ちドットであり、主直径に充分な差がある場合には線分であると認識される。
このクラスター関数では入力パラメータが二つの画像オブジェクトobj1、obj2であり、出力値は真値又は偽値である。
定義として、ここでは一つのクラスター情報坦体には二つの異なる画像オブジェクト、即ちドットと線分だけが含まれるとする。従って、入力されたobj1、obj2のそれぞれについて主直径を計算すると(ステップS301)、それぞれドットであるか線分であるかを決定することができる。
そこで、次にクラスター情報坦体を構成するか否かの処理に係る2つの画像オブジェクトが同種である(ドットとドット、或いは線分と線分)か否かを判定する(ステップS302)。
ステップS302で同種であると判定した場合には、これらの画像オブジェクトはクラスター情報坦体を構成しないものとクラスター関数によって判定され、偽値が出力される。
一方、ステップS302で同種でないと判定した場合には、2つの画像オブジェクトについて重心間距離が計算されて(ステップS303)、この重心間距離は予め規定されるしきい値と比較される。
続いて、2種類の異なる画像オブジェクト、即ちドットと線分との重心間距離がしきい値よりも近いか否かの判定が行われる(ステップS304)。
ステップS304でしきい値よりも近いと判定された場合には、これらの画像オブジェクトはクラスター情報坦体を構成するものとクラスター関数によって判定され、真値が出力される。一方、しきい値よりも遠いと判定された場合には偽値が出力される。
図2に示されるようなクラスター関数によれば、判定処理に係る画像オブジェクトがクラスター化定義を充足する場合にクラスター情報坦体を構成するものと判定される。
ここで、判定の具体的な処理は真偽判定のほかに、クラスターとしての表示歪み値、換言すればクラスター情報坦体としての誤差値を計測してなる測定値に基づいて判定を行ってもよい。
この測定値は、現在の判定処理に係るクラスター情報坦体が、クラスター化定義による理想的なクラスター情報坦体にどの程度近いかを定量的に示すものである。図1に示されるクラスター情報坦体を例にすれば、一つのクラスター情報坦体に含まれるドットにおける主直径のうち最長のもの(最長主直径)Pと線分における主直径のうち最長のものSとの比は1/3に近くなくてはならないという具合である。ドットと線分との最長主直径比が1からずれて1/3に近づく場合には、P/S−1/3の数値は零に近づく。また、ドットと線分との重心間距離DはS/2より小さくなくてはならないというように条件設定をしてもよい。このとき、ドットと線分とが適切な位置に相互に配置されている場合には、D−S/2の数値は零に近づく。この2つの表現式を組み合わせ、それぞれの測定値の絶対値の総和を表示歪みの測定値として、クラスター情報坦体を構成するか否かの判定に用いればよい。具体的には測定値が所定のしきい値よりも小さいことを条件としてクラスター情報坦体を構成すると判定する。なお、ここでは理解を容易にするために、表示歪みの計算方法として極めて簡単なものを示したが、本願発明は上記の内容に限られるものではなく、他の方法を用いて歪み計算を用いてもよい。得られた表示歪みの測定値は、後述するように、デジタル情報坦体の復号化においても用いられる。
ひとたびクラスター情報坦体が認識されれば、以下のようにして符号化されたビットデータが復号化される。
まず、クラスター情報坦体に属する線分の重心位置をクラスター情報坦体の中心とし、その中心を復号化処理のための原点に移動する様に画像処理を施す。
次に、クラスター情報坦体に属する線分がX軸上に配置されるようにクラスター情報坦体に対して画像の回転処理を施す。
続いて、クラスター情報坦体に属するドットについて、線分の重心を原点とする座標系での座標を確認する。ドットのX座標値とY座標値とが同一の場合には「1」であると復号化され、X座標値とY座標値とが異なる場合には「0」であると復号化される。
なお、上記のクラスター情報坦体の変換処理を実質的に行わず、座標の確認作業を行うのみで復号化処理を行ってもよく、この場合には、認識システムが低コストで実現される。
図1に示されるクラスター情報坦体の配列の一例を図3に示す。この場合には、復号化して得られるビット配列は「101000」となる。ここで、各クラスター情報坦体は180°回転に対して非対称な形状をしているので、このクラスター情報坦体配列を復号化するにあたっては、配列の一番目となるクラスター情報坦体は一義的に決定される。このため、ビット配列が逆順に(「000101」のように)得られることはない。従って、非対称のクラスター情報坦体配列は線形符号化に直接的に用いることができ、このとき、ビット配列の長さによってのみ座標範囲は規定される。
続いてこのビット配列から一の情報を生成させる線形符号化について図4を用いて説明する。
図4は、参照用ビット配列とその参照用ビット配列を適宜オフセットして得られる配列長4の部分配列を10進法に変換した数値とオフセット値との関係を概念的に示す図である。
ここでは理解のしやすさを優先して、図4に示すような配列長が15しかない参照用ビット配列を用いて説明を行う。
図4に示される15個のビットからなる参照用ビット配列を任意の連続する4ビットを部分配列として選択すると、「0000」以外の15個の部分配列が得られる。オフセット0の場合は部分配列が「0001」であり、10進法では「1」となる。同様に、オフセット1では部分配列が「0011」であり、10進法で「3」、オフセット2では部分配列が「0111」であり、10進法で「7」となる。なお、この参照用ビット配列は循環型であるから、15番目のビットの次のビットは配列の最初に戻る。実際、配列の最初の3つ分、即ち「000」を配列の終端に付加することで、13番目から15番目のビットを始点とする部分配列が得られる。例えば、オフセット14では部分配列は「1000」となり、10進法で「8」となる。
ここで注目すべきは、参照用ビット配列から選択された15個の部分配列には重複する配列がないことである。このため、配列長15の参照用ビット配列の第1ビットからのオフセット値によって、座標数15の位置情報を符号化することができる。
オフセット値の導出について具体的に図5を用いて説明する。図5は配列長4のビット配列からオフセット値を導くための処理の一例の概要を示すフローチャートである。
まず、参照用ビット配列から部分配列を取り出すための初期のオフセット値として「0」を設定する(ステップS320)。続いて、そのオフセット値を始点とする配列長4の部分配列を生成する(ステップS321)。
その部分配列が処理に係る配列長4のビット配列と同一であるか否かの判定を行い(ステップS322)、同一であると判定した場合には、そのオフセット値を出力して図5に係る処理を終了する。
一方、同一でないと判定した場合には、オフセット値を「1」増加し(ステップS323)、増加後のオフセット値が14より小であるか否かを判定する(ステップS324)。小であると判定した場合には、ステップS321へと移行して部分配列の生成以降の処理を実行する。
これに対し、ステップS324で14より小ではないと判定した場合には、いずれのオフセット値を始点とする部分配列とも処理に係るビット配列は同一でないことを意味する。従って、エラー値(例えば−1)を出力して図5に係る処理を終了する。
以下に更に具体的に例示する。デジタル情報坦体の所定範囲を画像認識したときに、4つの連続するクラスター情報坦体が認識されれば、これらを復号化して得られるビット配列から位置情報が得られる。例えばビット配列が「1101」であれば、10進法での数値は「13」であるからオフセット値は「5」となり、認識範囲の座標は「5」であることが認識される。なお、ここで示したビット長のビット配列は例示であり、任意のビット長のビット配列に本願に係る方法は装置依存性なく適用可能である。
上記の線形符号化されたデジタル情報坦体の復号化によって得られる一次元のビット配列は二次元に容易に拡張される。この拡張を図6,図7を用いて説明する。
図6は一次元の配列を用いて二次元を表現する一例を示す図である。
図7は図6の表現方法を用い、図1及び図4に係る規則で符号化されたデジタル情報坦体の一例を示す図である。
例えば、図6に示されるような方法で全面に番号付けすることで、二次元上の全ての位置は特定される。図6における左上の三角形の領域を実際に符号化した例が図7に示されている。なお、図7では、便宜上、三角形の領域を右45°だけ回転させている。
二次元を表現するための別の方法として、二つのデジタル情報坦体を用い、一つのデジタル情報坦体当たり一次元を表現する方法がある。その方法を図8、図9を用いて説明する。
図8は図1及び図4に係る規則で符号化されたデジタル情報坦体がX軸正方向に配置されてなる一次元配列をY軸負方向に複数配置したものを示す図である。
図9は図8のデジタル情報坦体に、図1及び図4に係る規則で符号化されたデジタル情報坦体がY軸負方向に配置されてなる一次元配列をX軸正方向に複数配置したものを示す図である。
図8に示されるように、一次元のデジタル情報坦体を所定の間隔を開けて複数行並べる。次に、そのデジタル情報坦体を90°回転させて、同様の一次元のデジタル情報坦体をさらに並べる。こうして図9のようなデジタル情報坦体が得られる。
このデジタル情報坦体では、2種類のコードを独立に復号化することで、表面上のどの位置をも規定することが可能となる。例えば、水平方向に長い長方形で囲まれた4つのクラスター情報坦体を復号化してなるビット配列は「0111」であり、このオフセット値「2」はX座標値を示している。同様に、垂直方向に長い長方形で囲まれた4つのクラスター情報坦体を復号化してなるビット配列は「0011」であり、このオフセット値「1」はY座標値を示している。ここで、ビット配列の方位(どちらが正方向であるか)がひとたび認識されれば、X、Yの2本の座標軸の正方向の関係から、それぞれの軸の帰属は容易に行われる。
さらには、クラスター情報坦体が2ビット分の情報を有することができたり、4つの異なる数値を有することができたりする場合には、一つのクラスター情報坦体が直接的に2次元情報を有することも可能となる。その一例を図10、図11に示す。
図10は2ビット分の情報を有することができるクラスター情報坦体の一例を示す図である。
図11は図10に示されるクラスター情報坦体を図4の規則に基づいて2次元的に配置してなるデジタル情報坦体の一例を示す図である。
ここで一例として示されるクラスター情報坦体では、一つの画像オブジェクトを形成する二つの線分は原点で交差するX軸とY軸とを示している。このX軸とY軸とによる座標系で、ドットの座標を認識することでクラスター情報坦体の復号化が行われる。この例では、X(Y)座標値は、Y(X)座標に着目して座標を示す数値が負の場合には「0」とし、正の場合には「1」として復号化が行われることとしている。この方法で符号化されたデジタル情報坦体の一例が図11に示されている。
この領域の位置情報を復号化する一例を示す。図11において水平方向に囲まれた4つの連続するクラスター情報坦体を選択した場において、各クラスター情報坦体を復号化して得られるビットデータを統合すると、X軸方向とY軸方向についての2つの4ビット配列が得られる。X軸方向を示すビット配列は「0001」であり、Y軸方向を示すビット配列は「1111」である。これらのビット配列について、図5に基づいてオフセット値を求めると、X軸方向については「0」が得られ、X座標値が「0」であると認識される。
その一方で、Y軸方向のオフセット値はY軸方向の座標値を示すものとしては使用できない点に留意されたい。
このため、Y座標値を得るためには、先の水平方向の4つの連続するクラスター情報坦体の一番目のクラスター情報坦体を先頭として、垂直方向に4つ連続するクラスター情報坦体を選択し、これらを復号化してなるビットデータを統合して2つのビット配列を得る。この場合には、X軸方向の場合と反対に、Y軸方向のみから座標値に対応するビット配列が得られる。具体的には、図11に示されるように、Y軸方向に「1111」が得られ、Y座標値として「3」が得られる。
上記の説明に用いたような非対称なクラスター情報坦体の場合には、X軸とY軸とを帰属することは極めて容易である。これに対し、構成画像オブジェクトの対称性が高く、このためクラスター情報坦体としての対称性も高い場合には、その構成は比較的簡素化されるものの、そのクラスター情報坦体の配列から座標軸が容易には認識されない場合がある。なお、このような対称性が高いクラスター情報坦体で発生する座標系の認識に関する曖昧さの解消方法については後に詳細に説明する。
図12から15には形態の対称性が高いクラスター情報坦体の例が示されている。図12には、二つのドット形状の画像オブジェクトを用いてなる1ビットの情報を有しうるクラスター情報坦体の一例が示されている。図13には同様の二つのドット形状を用いてなる2ビット情報を有しうるクラスター情報坦体の一例が示されている。図14及び15には、それぞれ、2つの線分を用いてなる2ビット情報を有しうるクラスター情報坦体の例が示されている。図15で規定されるクラスター情報坦体を平面に配置してなるデジタル情報坦体の一例が図16に示されている。
この図16に示されるデジタル情報坦体は、一見すると、グリフによって符号化されてなるデジタル情報坦体と似ている。しかしながら、これまで説明したように、本願発明に係るデジタル情報坦体はグリフとは全く異なる原理に基づいてなるものであるから、外観上の類似は単に表面上のものでしかない。詳細に見れば、本願に係るクラスター情報坦体はこれまでのいずれの従来技術にも開示されていないものであることはすぐに理解される。
図17は図14及び図15に示される2種類のクラスター情報坦体がともに用いられているデジタル情報坦体の一例である。
図17に示されるデジタル情報坦体では、構成する各画像オブジェクトの重心間距離は一定であり、どの2つの画像オブジェクトがクラスター情報坦体をなすかは一見しては不明である。ところが、クラスター情報坦体をなすか否かの判定に2つの画像オブジェクトの距離を用いるのではなく、画像オブジェクトの方位によって決定されるオブジェクト種類を用いることで、判定を容易に行うことが可能となる。実際、2つの画像オブジェクトの最近接距離を用いて判定する場合には、左上端の画像オブジェクトを1行1列とした場合の1行2列の画像オブジェクト17−2とその右隣の画像オブジェクト17−3との最近接距離がしきい値より小さいと判定され、これらの画像オブジェクトが一つのクラスター情報坦体をなすと判定されるであろう。しかしながら、画像オブジェクト種類で判定することで、これらの画像オブジェクトは分離され、それぞれに隣接する同種類の画像オブジェクトとクラスター情報坦体をなすと判定される。具体的には、画像オブジェクト17−1と画像オブジェクト17−2とで示される斜めの線分による画像オブジェクトが一つのクラスター情報坦体をなし、画像オブジェクト17−3と画像オブジェクト17−4とで示される縦或いは横の線分による画像オブジェクトが一つのクラスター情報坦体をなす。
このような判定を行うためのクラスター関数は、判定に係る2つの画像オブジェクトについて、それぞれの最大長をなす主軸同士の最小角度を計算する様に設定される。その角度が0°或いは90°に近い場合には、2つの画像オブジェクトはクラスター情報坦体をなすものと認識される。このことを図17を用いて具体的に説明すれば、2つの画像オブジェクト17−1,17−2それぞれの最大長をなす主軸同士の角度は0°に近く、2つの線分はほぼ平行であり、画像オブジェクト17−3,17−4それぞれの最大長をなす主軸同士の角度は90°に近く、2つの線分はほぼ直交する。これに対し、異なる種類の画像オブジェクト、例えば画像オブジェクト17−2,17−3では45°近傍となる。
また、図17に示されるデジタル情報坦体では、垂直方向に隣接する全ての画像オブジェクトは異なる種類であり、水平方向に隣接する画像オブジェクトのみがクラスター情報坦体を形成することができる構成となっている。このような構成はクラスター情報坦体の方位に基づいて、水平軸と垂直軸とを容易に判定できる点で重要な構成といえる。
クラスター情報坦体を構成する画像オブジェクトをその大きさだけで相互に異なるものとしてもよい。その一例を図18に示す。
図18はクラスター情報坦体を構成する画像オブジェクトをその大きさだけで相互に異なるものとした一例を示す図である。
図18に示されるデジタル情報坦体は、大小2種類の大きさのドット形状の画像オブジェクトで構成されるクラスター情報坦体が配置されてなる。ドットの大きさとドット間距離のしきい値とに基づくクラスター関数は、図18の18−1,18−2,18−3などに示されるような2つの大きなドットと1つの小さなドットからなるクラスター情報坦体を定義する。1つのクラスター情報坦体の認識においては、まず、認識された画像から2つのドットを順次サンプリングする。サンプリングされた2つのドットが小さいドットSと大きいドットL1とであると判定されると、これらは1つのクラスター情報坦体に属するものと判定する。次に、クラスター関数は、第一パラメータとして認識された小さいドットSについて、第二パラメータとしての認識された大きいドットL1とは異なる画像オブジェクトとの間でクラスター情報坦体を構成するか否かの判定を行う。その判定の結果としてクラスター関数が真値を出力した場合には、判定に係るドットは第2の大きなドットL2であると認識され、L1,S,L2で一つのクラスター情報坦体を構成するものと判定される。
ここで、図18に係るクラスター情報坦体の特徴について説明すれば、ある一つのドットは複数のクラスター情報坦体の構成要素となりうる。すなわち、クラスター情報坦体18−2とクラスター情報坦体18−3とに示されるように、クラスター情報坦体は部分的に互いに重なり合う。このように重なり合いを許容することで多くの利点が得られる。複数のクラスター情報坦体を表示するために必要とされる画像オブジェクト数が減少し、デジタル情報坦体が文書上で目立たなくなる。ここで重要なのは、この重なり合いがデータの符号化において干渉を引き起こすことはない点である。このような非干渉性を実現するためには、クラスター情報坦体を構成する画像オブジェクトのうち、重複しない画像オブジェクトの相対配置にビットデータが符号化されるようにすればよい。これを例示したのが図19である。図19では小さいドットSの大きなドットL1,L2の間の配置が示されている。図19の白抜きの小さな円に示される位置のいずれかに小さいドットSを配置することで異なる数値が符号化されたクラスター情報坦体を構成することが実現され、それぞれのクラスター情報坦体を復号化すると、小さいドットSが配置された位置に対応する円内に示される数値が得られる。
以下に図18,19に示されるクラスター情報坦体の復号化方法について説明する。
まず、大きなドットL1及びL2の重心を結ぶ線分を規定する。
次に、小さなドットSの座標が計算され、線分より上方にあるか、ほぼ線分上にあるか、或いは線分より下方にあるかを判定する。線分より上方にある場合には図19における1,2,3の何れかであることとなり、ほぼ線分上にある場合には4,5の何れか、線分より下方にある場合には6,7,8の何れかであることとなる。
続いて、大きなドットL1と小さなドットSとの距離|L1S|及び大きなドットL2と小さなドットSとの距離|L2S|が計算され、これらが比較されて、小さなドットSがどの列にあるかを判定する。
ここで、クラスター情報坦体が保持可能な最大情報量を図19に示されるように3ビットとする代わりに2ビットや1ビットとしてもよい。図20には保持可能な最大情報量が1ビットであるクラスター情報坦体が、図21には保持可能な最大情報量が2ビットであるクラスター情報坦体が示されている。
実際、図18に示されるデジタル情報坦体は、図21に示されるクラスター情報坦体によって構成されており、図18では図21に示される2種類のクラスター情報坦体が水平軸方向と垂直軸方向とに別々に用いられている。このため、軸の帰属が容易に行われる。水平軸方向のクラスター情報坦体18−1及び18−2の小さなドットSは図21における(b)の配置構成に基づいて配置されている。その一方で、垂直軸方向のクラスター情報坦体18−3の小さなドットSは図21における(a)の配置構成に基づいて配置されている。
なお、図19から図21では、水平軸方向に配置されるクラスター情報坦体についてのみ示したが、図18のクラスター情報坦体18−3に示されるような垂直軸方向のクラスター情報坦体における符号化も、座標軸が異なるだけで図19から図21に示される符号化と同様である。
また、異なる画像オブジェクト数で構成されるクラスター情報坦体も有効であり、このことを図22を用いて説明する。
図22は1から4個のドットで構成されるクラスター情報坦体の一例を示す図である。
この例では、クラスター情報坦体を復号化すると、構成ドット数に対応して0から3の数値が得られ、クラスター情報坦体としては2ビットの情報を有している。この場合には、構成ドット数に基づいてのみ情報の復号化が行われるので、表示形式として異なっていても同一のビットデータ(ビット数)を示すクラスター情報坦体が存在しうる。その例が図22に示されている。図22において列方向に示されるいくつかのクラスター情報坦体は、表示形式が異なるもののドット数が同一であるから、復号化したときに同一のビット数を示す。これらのクラスター情報坦体で必要とされるのは、同一のクラスター情報坦体内に複数のドットが配置されるときにはそれぞれのドットの重心間距離が予め規定されるしきい値よりも小さいことであり、クラスター情報坦体としての形状や大きさには何の制約もない。
なお、ラスター型の文書表示に対応するために、図22に示される各クラスター情報坦体では、構成するドットオブジェクトが等間隔の格子上に配置されている。その結果として、クラスター情報坦体22−1とクラスター情報坦体22−2とはドットの重心間距離を比較することで互いに区別される。
また、クラスター情報坦体の形状に基づいて符号化を行ってもよく、このことを図23を用いて説明する。
図23はクラスター情報坦体の形状にビットデータが符号化されてなるクラスター情報坦体の一例を示す図である。
例えば、図23に示されるように、3個のドットを配置してなる形状が直線状であるか否かによって2つのグループに分類してもよい。図23に示されるクラスター情報坦体は、ドット数が1,2,3個であり、構成ドットオブジェクト数とクラスター情報坦体としての形状とに基づいて復号化が行われる。特に、ドットオブジェクト数が3個の場合には、その3個のドットを結ぶ線が直線状である場合には復号化されて得られる数値が「2」であり、直線状でない場合には「3」であると復号化される。ここで、形状に基づいて判定をしているにもかかわらず、図22に示されるクラスター情報坦体と同様に、外見上異なっていても同一の情報を有するクラスター情報坦体が得られることに留意されたい。
同一の情報を有しながら視覚的に異なる表示形態をある程度の自由度を持って選択可能であることは極めて重要である。なぜならば、デジタル情報坦体全体としての外観が向上するように適切な形態のドットを選択したり、既存の文書情報にビットデータを混在させる場合に、既存の文書表示に対して視覚的に違和感が少なくなるような形態のクラスター情報坦体を選択したりすることが可能となるからである。
続いて、本願発明のより詳細な説明を行うために、より実用的で比較的簡素化された例について説明する。最小限の面積を有するドット形状の画像オブジェクトの2つの重心間距離が所定のしきい値以下にあることで構成されるクラスター情報坦体について考える。そのクラスター情報坦体は図13に示されるもののように、2ビットの情報を有するとする。この場合のように、画像オブジェクトとクラスター情報坦体とが簡素化されると、クラスター情報坦体の形態の対称性が高くなる。このため、座標軸や方位に関する情報をクラスター情報坦体の形態から得ることは比較的困難になる。
このような場合には、クラスター情報坦体の相対配置に座標軸や方位に関する情報を付与することが望ましい。具体的には、予め格子間隔が規定されるある種の仮想的な格子上にクラスター情報坦体を配置しておいてもよい。このクラスター情報坦体の配置間隔、即ち仮想的な格子の格子間隔は、クラスター情報坦体を構成する画像オブジェクトの典型的な重心間距離よりも大きく設定される。また、行方向の間隔と列方向の間隔とは異なる定義に基づいて設定され、行と列とが容易に識別できるようにされてもよい。行及び列の配置間隔の設定を適切に行えば、復号化処理の過程で認識された画像に幾何的な変形が行われても、行と列とは容易に識別される。その一例が図24に示されている。図24はクラスター情報坦体の配置間隔に座標軸を特定するための情報が含まれているデジタル情報坦体の一例を示す図である。図24では、垂直方向と水平方向とで異なった格子間隔、すなわち垂直方向格子間隔>水平方向格子間隔が適用されている。
クラスター情報坦体の認識がいかにして行われるかについて説明を行ってきたが、ここで、画像認識の段階でもクラスター情報坦体がいかに役立つかについて説明する。
ゴーストドットと呼ばれる表示上のノイズや汚れによって、ドット形式で符号化されたデジタル情報坦体の認識処理速度がしばしば低下することはよく知られている。このゴーストドットと真のドットとを識別するために画像オブジェクトを配置するためのある種の仮想的な格子が使用される場合がある。例えば、既に規定されている一定間隔の格子上に真のドットが配置される場合には、最初にその格子を認識し、続いてその格子とドットの位置関係によってゴーストドットは真のドットと区別される。
しかしながら、この仮想的な格子の格子間隔を規定することは非常に困難な問題を抱えている。例えば、かなりの数のゴーストドットが文書上に含まれている場合には仮想的な格子そのものの認識が特に困難となる。このため、ゴーストドットの排除が適切に行われない場合がある。
これに対し、本願発明では、各画像オブジェクトがクラスター情報坦体を構成するか否かの判定を行うクラスター関数を復号化の前に適用するため、この過程でゴーストドットが効果的に排除される。
例えば、図24に示される画像が認識されたとき、画像処理において、近傍に少なくとも一つのドットがあるドットはクラスター情報坦体を構成する可能性があるので真のドットとして分類される。これに対し、近傍にドットが存在しないドットはゴーストドットであると分類される。
もちろん、一つのゴーストドットがクラスター情報坦体を構成するドットの近傍に偶然存在する場合もありうる。ところが、この場合にはクラスター情報坦体を構成する画像オブジェクトは3個となる。これに対し、図24に示されるデジタル情報坦体では、3個のドットでクラスター情報坦体が構成されることはない。このため、そのゴーストドットを含むドットがクラスター情報坦体を構成すると認識されることはない。しかも、クラスター関数はクラスター情報坦体を構成するドットの相互の関係を規定するので、クラスタリング関数によって3個のドットから2個の真のドットが選択されてゴーストドットが排除され、適切なクラスター情報坦体が認識されることも充分にあり得る。
なお、クラスター情報坦体を構成する真のドット間隔を狭め、クラスター情報坦体同士の間隔を増やすことで、画像処理においてゴーストドットを見つけだす可能性は高まる。
一方、クラスター情報坦体が異なる画像オブジェクトで構成される場合には、ゴーストドットはより効率的に画像処理において除去される。例えば、図1に示されるクラスター情報坦体では、線分の両末端から所定の距離をなして配置されるドットだけが真のドットたりうる。このように、クラスター情報坦体ではこれを構成する画像オブジェクトの関係が予め規定されているので、その関係を援用することで、ゴーストドットが容易に発見される。なお、上記の説明ではこのような画像オブジェクトの関係の援用についての理解を促進するために具体的な態様を用いたが、これらはあくまでも例示であり、本願発明の意図するものが上記説明によって限定されることはない。
再び図24に戻る。図24には、一例としてドットパターンによるクラスター情報坦体を示してある。このドットパターンは一つのクラスター情報坦体当たり最大2ビットを保持することができ、どんなサイズの表面にも表示することが可能である。このドットパターンを用いて、本発明によれば認識範囲の絶対位置をより効率的に復号化することができることや、位置情報に係るデジタル情報坦体をカーペット状に表示することが可能であることを以下に示す。
まず、仮想ブロックの概念について説明する。
いくつかの従来技術では複数の画像オブジェクトから復号化されたビットデータを統合して論理ブロックを形成することが開示されている。論理ブロックは、画像オブジェクト自体が有しうるよりも多くの情報を有しうる点で有効である。例えば、画像オブジェクト単体では0と1としか示さない場合でも、これが10個統合されてなる論理ブロックでは、上記の参照用ビット配列を用いて位置情報を形成する場合には、210−1(=1023)箇所の位置を特定することができる。
本願発明で導入する仮想ブロックとは、復号化における最小単位(単一の画像オブジェクトでもよいし、前述のクラスター情報坦体でもよく、「単位情報坦体」とも称する。)が復号化されてなるビットデータの複数を仮想的なレベルでブロック化してなるものである。仮想ブロックの概念を導入することで、論理ブロック間における重なり合いが許容され、冗長性のレベルの制御が可能とされ、さらに画像を誤認識したときの回復が可能とされる。
以降、仮想ブロックを用いての位置認識について、復号化における最小単位(単位情報坦体)としてクラスター情報坦体を選択した場合を例にして具体的に説明する。位置認識は図4に示されるような線形符号化に基づいて行うものとする。すなわち、仮想ブロックから所定の長さのビット配列を形成し、これが参照用ビット配列をどの位置の部分配列を形成するかを判定して、その部分配列の始点を示すオフセット値によって位置情報を得るものとする。
なお、位置認識に必要な仮想ブロックのサイズは以下のようにして選択される。まず、デジタル情報坦体が表示される文書の大きさとクラスター情報坦体の大きさとから、位置認識に必要な座標数が決定される。次に、その座標数とクラスター情報坦体が有しうる情報量とから位置認識をするために必要とされるクラスター情報坦体の個数、即ちビット配列長が決定される。続いて、クラスター情報坦体の表示配列間隔を考慮することで、仮想ブロックのサイズが決定される。
本願発明に係る仮想ブロックの一例を図25に示す。
図25では6行8列のデジタル情報坦体が一例として示されている。ただし、図25においては構成要素であるクラスター情報坦体を直接表示するのではなく、クラスター情報坦体を復号化してなるビットデータからX軸方向の座標を特定するためのビット数値とY軸方向を特定するためのビット数値とを求め、それぞれが参照用ビット配列のどの配列要素に相当するかを示す表示となっている。
その表示が上段/下段でXm/Ynとなっている場合について説明すると、該当する位置に配置されたクラスター情報坦体から得られたX軸方向のためのビット数値は、参照用ビット配列をmオフセットして得られるビット数値(換言すれば参照用ビットのm+1番目の配列要素をなすビット数値)と同一であることを示している。また、Y軸方向のためのビット数値は、参照用ビット配列をnオフセットして得られるビット数値と同一であることを示している。
従って、図25に係るクラスター情報坦体は、(X軸方向のためのビット数値、Y軸方向のためのビット数値)=(0,0)、(1,0)、(0,1)、(1,1)の4通りの区別できる情報を有する必要があり、故に最低2ビットが符号化しうるものであることが必要である。
なお、図25においてクラスター情報坦体を直接表示しないのは理解を容易にするためである。
このデジタル情報坦体に対して、仮想ブロックを構成するクラスター情報坦体数として12を選択し、3行4列の行列状の領域を仮想ブロックとして設定する。この場合には、仮想ブロックとして212通りの組み合わせが可能であり、この仮想ブロックから配列長12のビット配列を形成することが可能である。また、このビット配列と適切な参照用配列とを用いて特定しうる位置座標数は最大212−1である。なお、クラスター情報坦体の行幅と列幅とを4:3とすると、仮想ブロックを構成する3行4列の領域は正方形となる。
こうして得られる仮想ブロックからは、以下のようにして配列長12のビット配列を形成する。
X軸方向のビット数値については、仮想ブロックの左上端を始点とし、X軸正方向を主走査方向、Y軸負方向を副走査方向として順次X軸方向のビット数値を統合することで、配列長12のビット配列を形成する。
一方、Y軸方向のビット数値については、仮想ブロックの左上端を始点とし、Y軸負方向を主走査方向、X軸正方向を副走査方向として同様に配列長12のビット配列を形成する。
こうして得られるビット配列は、X軸方向、Y軸方向いずれについても参照用ビット配列における配列長12の部分配列をなす。また、このことは図25に示される行列におけるいずれの3行4列の正方形領域を選択して仮想ブロックを構成しても当てはまる。
例えば、図25において破線で示される仮想ブロック25−1から得られるX軸方向のビット配列は、参照用ビット配列からオフセット「0」で得られる配列長12の部分配列をなし、Y軸方向のビット配列も参照用ビット配列からオフセット「0」で得られる配列長12の部分配列をなす。また、実線で示される仮想ブロック25−2においては、X軸方向のビット配列はオフセット「1」の部分配列であり、Y軸方向のビット配列はオフセット「3」の部分配列である。
このように、本発明に係る仮想ブロックはどのクラスター情報坦体を起点にしても構築することができる。それ故、いくつかの仮想ブロックは、図25における仮想ブロック25−1(破線),25−2(実線)及び25−3(点線)に示されるように、相互に重なり合うことが可能となる。この点は従来技術と大きく異なる点である。従来技術においては、デジタル情報坦体が表示された表面に構成される位置情報を示すブロックは、主にはタイル状に、即ち相互に重なり合うことなく配置される場合が多い。
ここで、図25におけるデジタル情報坦体の各軸のビット数値の配置についてやや詳しく説明する。p行q列のX軸方向のビット数値vとY軸方向のビット数値vとは、左上端を0行0列とし、参照用ビット配列のオフセットmにおけるビット数値をbとした場合に以下のように表される。
=b(4*p+q) (式1)
=b(p+3*q) (式2)
これを一般化して、仮想ブロックを構成するクラスター情報坦体数としてN、仮想ブロックの列数をrとし、N/rを切り上げてなる整数をcすると、式1,式2はそれぞれ以下のようになる。
=b(r*p+q) (式3)
=b(p+c*q) (式4)
すなわち、p行q列の各軸のビット数値が式3及び4を充足するように符号化されてなるデジタル情報坦体では、c行r列からなる仮想ブロックを任意の場所に形成することが実現される。
以上の内容を座標軸も一般化して別の表現で行うと、以下のようになる。
主走査方向をi軸正方向、副走査方向をj軸正方向とした場合に、主走査方向(i軸正方向)に隣接する2つのビット数値v(i,j)、v(i+1,j)は、以下の式5,6を満たす。
v(i,j) = bm (式5)
v(i+1,j) = bm+1 (式6)
一方、副走査方向(j軸正方向)に隣接する2つのビット数値v(i,j)、v(i,j+1)は、論理ブロックの主走査方向の配列長さをaとして、以下の式7,8を満たす。
v(i,j) = bm (式7)
v(i,j+1) = bm+a (式8)
X軸方向のビット数値vに適用するためには、ビット配列形成のための主走査方向がX軸正方向、副走査方向がY軸負方向であるから、i軸正方向をX軸正方向とし、j軸正方向をY軸負方向とすればよい。また、Y軸方向のビット数値vに適用するためにはi軸正方向をY軸負方向とし、j軸正方向をX軸正方向とすればよい。
係る仮想ブロックの概念を拡張して、一つの位置情報を示すための仮想ブロックの内容と、仮想ブロックの形状とを分離してもよい。このことを図26を用いて説明する。
図26は、形状自由度が与えられた仮想ブロックの一例を示す図である。
仮想ブロックの定義を簡略化して、「X軸方向のビット数値とY軸方向のビット数値との少なくとも一方によって所定の配列長12のビット配列が形成可能な一群」すると、図26において太線で囲まれた12個の要素からなる4つの領域、即ち26−1から26−4はいずれも仮想ブロックとなる。
図26(a)において太実線で囲まれる一群26−1、26−2は、左上端を始点とし、X軸方向のビット数値をX軸正方向を主走査方向、Y軸負方向を副走査方向として統合すると、得られるビット配列はそれぞれX16からX27、X2からX13となってオフセット値は連続する。このため、いずれも参照用ビット配列の部分配列をなし、仮想ブロックとなる。
また、図26(b)における太実線で囲まれる一群26−3、26−4についてはY軸方向のビット数値を統合してビット配列を形成すると、それぞれY0からY11、Y13からY24となる。これらはいずれも参照用ビット配列の部分配列をなすから、一群26−3、26−4も仮想ブロックとなる。
ここで、X軸方向のビット配列を認識するための仮想ブロックとY軸方向のビット配列を認識するための仮想ブロックとは独立に定義してもよいことに留意すべきである。このため、認識された一群のデジタル情報坦体の中で、X軸方向についてのビット数値とY軸方向についてのビット数値とは異なるクラスター情報坦体から復号化することが許容される。
このように一方の座標軸方向のビット配列が仮想ブロックから得られた場合には、より配列長が長い他の参照用ビット配列を用いて位置情報を生成するためにそのビット配列を用いてもよい。すなわち、複数の参照用ビット配列を用いて位置情報を生成するようにしてもよい。
また、この場合には仮想ブロックの形状は3行4列の正方形ではないことにも留意されたい。仮想ブロックでは連続したビット数が符号化されてなるクラスター情報坦体を所定数含むことだけが要件であり、ブロック全体としての形状は任意だからである。
仮想ブロックの説明を図27,28を用いて更に行う。
図27はデジタル情報坦体が復号化されてなるビット行列の一例に仮想ブロックと認識範囲とが表示された図である。
図28はデジタル情報坦体が復号化されてなるビット行列の一例に仮想ブロックと認識範囲と互いに置換可能な行列要素とが表示された図である。
図27には仮想ブロック領域の一つが太線で示されている。また、実線による円はその仮想ブロックを包含する認識範囲の一例である。なお、認識範囲とは、一連の画像認識処理で認識される範囲で、認識範囲に含まれるクラスター情報坦体のみが一連の処理において仮想ブロックの構成要素となりうる。認識範囲は入力装置の移動によって変動し、これに伴って認識範囲内のクラスター情報坦体数も変動する。例えば、図27(a)の実線の認識範囲に含まれるクラスター情報坦体は3行5列の長方形状であり、図27(b)の実線の認識範囲では4行4列の長方形状である。
ここで、図27(a)において認識範囲が水平方向に若干移動して、例えば破線の円の位置となった場合には、実線の円による認識範囲では認識可能であったX5Y4のクラスター情報坦体とX13Y6のクラスター情報坦体とが認識困難となる。また、一点鎖線の円の位置に移動した場合には、太線で示される仮想ブロックの左端の列の全てのクラスター情報坦体(X5Y4,X9Y5及びX13Y6)が認識困難となる。このため、X5Y4を起点としてなる仮想ブロックは認識困難となり、この仮想ブロックを復号化して位置認識に係る情報を得ることも一見困難となる。
しかし、この場合にあっても、太線で示される仮想ブロックにおける上記左端の列を仮想ブロックから除外して、その代わりに右端の列としてX9Y16,X13Y17及びX17Y18を追加することで、破線で示されるようなX6Y7を始点とする新たな仮想ブロックが再構築される。このため、この仮想ブロックを復号化することで、X軸方向のビット配列としてX6からX17を要素とするものが、Y軸方向のビット配列としてY7からY18を要素とするものが形成され、それぞれに基づいて位置認識に係る情報が得られる。なお、実線の円で認識されていたX5Y4を始点としてなる仮想ブロックから得られる位置情報とこの場合の位置情報とは異なっていても、それは認識範囲の移動に対応して異なっているものであるから問題はない。
また、垂直方向の移動に伴う仮想ブロックの移動についても同様であり、その概要が図27(b)に示されている。
認識範囲がX軸、Y軸両方に移動した場合には図28に示されるように仮想ブロックは移動する。実線円で示される認識範囲から右下方向に移動して破線円で示される認識範囲に移動した場合には、太線で表される仮想ブロックのうち、左上端のX6Y7のクラスター情報坦体が認識困難となる。このクラスター情報坦体が認識できない場合には、残りの仮想ブロックは11個のX軸方向のビット数値(X7〜X17)と11個のY軸方向のビット数値(Y8〜Y18)とを含むこととなる。
ここで、X軸方向に関する仮想ブロックを完成させるためにはX6又はX18を示すクラスター情報坦体が補完されるとよい。そこで、本発明では、図28(a)に示されるように、X18Y21によって補完して仮想ブロックを再構築することが許容される。同様に、Y軸方向の仮想ブロックを完成させるためには、図28(a)に示されるように、X21Y19が用いられる。
これらの場合には仮想ブロックの形状はもはや3行4列の正方形ではないことに留意されたい。仮想ブロックにとってブロック形状は任意であるから、認識範囲に含まれるクラスター情報坦体に合わせて適切な形状を選択することが可能となる。このため、認識範囲として必要とされる範囲はブロック形状が固定された従来技術による論理ブロックを採用する場合に比べて狭くなり、認識範囲に含まれるクラスター情報坦体数を少なく設定することが実現される。従って、位置認識に要する画像処理が短時間で済むこととなる。
認識範囲の場所に依存して、12個以上のビット配列も復号化することが可能な場合がある。例えば、破線円で示される移動後の認識範囲では、X軸方向としてX19Y13,X20Y16及びX21Y19が復号化可能であり、Y軸方向としてX14Y20及びX18Y21が復号化可能である。
また、認識範囲の移動方向によっては、仮想ブロックの角部にあたるクラスター情報坦体のうち、始点を構成するもの以外のクラスター情報坦体が認識困難となる場合がある。X軸方向のビット配列を形成するにあたってこのように認識困難となった場合における対応が図28(a)に示されている。太線で示される仮想ブロックにおいて、右上端のX9Y16が認識できなくなった場合には、左下方向のX9Y5をX9Y16のかわりに用いて仮想ブロックを構築すればよい。新たに構築された仮想ブロックでは、左上端を始点としてX軸正方向を主走査方向、Y軸負方向を副走査方向とするこれまでの統合方法でX6からX17の連続するビット配列が形成される。同様に、右下端のX17Y18が認識困難な場合には左上方向のX5Y4を、左下端のX14Y9の場合には右上方向のX14Y20を用いればX6からX17の連続するビット配列が形成される。
Y軸方向のビット配列についても全く同様であり、図28(b)に太実線で示される仮想ブロックにおける置換の対応関係が示されている。
このように、認識範囲の移動方向によって再構築される仮想ブロックは、移動前の仮想ブロックの構成要素をなすクラスター情報坦体の一部が置換されたものである。このため、移動の方向に関わらず、再構築される仮想ブロックの多くの構成要素は移動前の仮想ブロックの構成要素を重複部分として有する。従って、新たな仮想ブロックの画像処理において、移動前の仮想ブロックのデータの多くが使用されることとなり、仮想ブロックを再構築したことに基づく処理のロスが最小限に抑えられる。これに対し、従来技術によるタイル状の論理ブロックでは、移動によって構成される新たな論理ブロックは移動前の論理ブロックのデータを全く使用できない。
なお、認識範囲が斜めに移動して、仮想ブロックの端部を構成する3個のクラスター情報坦体が認識できなくなった場合には、認識困難となったクラスター情報坦体を個別に置換するのではなく、仮想ブロックが正方形のまま全体として認識範囲の移動に対応する斜め方向に移動して新たな仮想ブロックを構築する。
上記の説明で用いた円状の認識範囲によって、走査型或いは一括認識型の画像入力デバイスに求められるパラメータが決定される。例えば、典型的な長方形の画像入力範囲の場合には上記の円状の認識範囲が含まれることがまず必要である。次に、画像入力デバイスの物理的な分解能から、クラスター情報坦体ごとに割り当てられる画素数が計算される。画像認識おける誤認識にしくさの程度や、画像処理速度はこの割り当て画素数で決定されるからである。具体的には、割り当て画素数が多い場合には、画像オブジェクトを構成する画素数が増えるので誤認識が発生しにくいが計算負荷が高くなる。一方、割り当て画素数が少ない場合には、計算負荷が低くなるものの、画像オブジェクトとゴーストドットとの画素数の差が少なくなるために誤認識の発生率が上昇する。
以上、仮想ブロックを構成するクラスター情報坦体数を12個として説明を行ったが、その個数は本質的に任意である。仮想ブロックを例えば10個のクラスター情報坦体で構成したとしても、クラスター情報坦体の配列には何ら変化は生じない。仮想ブロックから得られるビット配列の配列長が10になるだけである。なお、この変化によって、位置情報を得るために用いることができるビット数が減少し、デジタル情報坦体が表示可能な座標数は212−1から210−1となる。
或いは、位置情報を得るために用いるビット配列の配列長は10であっても、これまで説明してきたように12個のクラスター情報坦体配列を読み込んで配列長12のビット配列を生成してもよい。この場合には、位置情報を得るためにはそのうち配列長にして10の部分配列が有ればよいので、残りの2個のビット数値は冗長化データとして用いられる。この冗長化データは充分に活用しうるものであることは留意すべきである。なぜなら、復号化に必要なビット配列の配列長と認識されたクラスター情報坦配列の配列長とは全く独立だからである。このため、誤認識を起こしやすい表示方法や入力方法の場合には冗長化データ数をさらに増やしてクラスター情報坦体配列の配列長を大きくすることが実現される。また、どのクラスター情報坦体からのビット数値を冗長化データとするかは任意である。図25の仮想ブロック25−1を例にすれば、X軸方向に関して、最初の2つのビット数値(X0及びX1)を冗長化情報としてもよいし、最後の2つ(X10及びX11)としてもよい。或いは、最初と最後の2つ(X0及びX11)にしてもよい。さらに、X軸方向とY軸方向とでは冗長化データとなるビット数値に対応するクラスター情報坦体が異なってもよい。
仮想ブロック内に含まれる冗長化データは、誤認識の有無を判定するのに用いられたり、誤認識がある場合にこれを訂正するのに用いられたりすることが可能である。クラスター情報坦体の表示歪み値がそれぞれのクラスター情報坦体について得られている場合には、冗長化データを構成しうるクラスター情報坦体の中で最も信頼性の高いものが実際に位置情報を得るためのクラスター情報坦体配列に含まれるように冗長化データを設定することもできる。また、認識範囲内であって仮想ブロック外の範囲にあるクラスター情報坦体で認識されたものから得られるデータと冗長化データとを組み合わせることでも誤認識の訂正を行うことが実現される。例えば、仮想ブロック外の範囲にあるクラスター情報坦体の中に、仮想ブロックを構成するクラスター情報坦体のいずれかと同一のビット数値を示すものがあれば、それぞれのクラスター情報坦体の歪み量を比較することによって、より信頼性が高い方のクラスター情報坦体を位置情報の特定に用いるようにしてもよい。
図27(a)を用いてこのことを説明する。実線で示される認識範囲にはX9Y5とX9Y16とが含まれ、いずれのクラスター情報坦体にもX軸方向のビット数値としてX9が含まれている。この場合に、2つのクラスター情報坦体について復号化した結果、本来いずれもX9を意味すべき数値となるべきところ、両者が異なる数値であると認識されたときには、どちらの値が真実に近いかを判定する必要がある。このとき、両方のクラスター情報坦体の歪み値を比較して小さい方を復号化して得られるビット数値を真実とするとよい。また、復号化に用いられなかった方のクラスター情報坦体は信頼性が低いものと認定し、Y軸方向ビットの復号化にはこのクラスター情報坦体を用いないようにすればよい。具体的に例示すれば、X9Y16の方が高い歪み値である場合には、X軸方向のビットはX9Y5を用いて復号化され、Y軸方向のビットの復号化にはX9Y16を用いず、認識範囲内において同一のY軸方向ビット数値を有するX20Y16を用いる。
また、復号化されて認識されたビット配列の方向を規定するためにこのような冗長化データを用いてもよい。この点を図29を用いて説明する。
図29は対称性の高いクラスター情報坦体が用いられていて、クラスター情報坦体間隔に方向依存性がないデジタル情報坦体の一例を示した図である。
図29に示されるようなデジタル情報坦体の場合には、仮想ブロックを復号化してビット配列を得ても、X軸方向及びY軸方向の帰属を行うことは不可能である。係る曖昧さを解決するために、まず、認識された方位不明の仮想ブロックについて、所定の方法でクラスター情報坦体配列を得る。次に、その配列を復号化してなるビット配列から位置情報を得るために必要な予め規定された長さのビット配列を取り出し、位置情報を得る。その手順は図5に示すごとくであり、ビット配列が参照用ビット配列の部分配列を構成する場合のオフセット値が位置を示す情報として得られる。続いて、位置情報を得るために用いたビット配列以外の冗長化データをも含むクラスター情報坦体配列全体からなるビット配列が、参照用ビット配列における部分配列を構成するか否かを確認する。部分配列を構成しない場合とは、仮想ブロックの方位認識が不適切であり、得られたビット配列は本来のビット配列が反転したものであるが、その反転してなるビット配列が偶然参照用ビット配列の部分配列を構成していたものであることを意味している。そこで、このような場合には、仮想ブロックから得られたビット配列を逆転して同じ確認作業を行う。つまり、位置情報を得るために必要最小限の配列長よりも長いビット配列を用いて参照用ビット配列との比較を行うことで、方位認識が不適切なために得られる反転ビット配列から誤ったオフセット値を導き出して位置認識しまうことを回避しているのである。
なお、冗長化データをも含むビット配列も部分配列を構成する場合には、今度は直交する軸方向についても同様に仮想ブロックからビット配列を得て、方位を確認しつつ位置情報を得る。こうして得られる一組の座標に関する情報は軸の帰属が行われていないので、いずれがX軸であるかは不明である。しかし、各座標軸についてどちらの方位が正方向であるかは上記の手法によって認識済みであるから、この情報からいずれがX軸であるかが一義的に決定される。双方の軸について始点を同一にしてベクトル状に示せば、それぞれの合成ベクトルの右側をなす軸がX軸で、左側をなす軸がY軸だからである。こうして、各軸の座標が正確に把握される。
しかしながら、こうして得られた座標は認識範囲の位置を示す最終的な座標ではない予備的な座標であって、文書内の座標系に合わせて変換を行う必要がある。この点を図30を用いて説明する。
図30は本願発明に係る仮想ブロックの別の一例を示す図である。
図30に示されるように、点線で示される仮想ブロック30−1と実線で示される仮想ブロック30−2とは、X軸方向のビット配列は全く同一であり、従って、これらは同一のX座標値を与える。このことから、それぞれの仮想ブロックの左上端のクラスター情報坦体をつなぐ線分はY軸に略平行であると認識される。同様に、実線で示される仮想ブロック30−2と破線で示される仮想ブロック30−3とのそれぞれの左上端のクラスター情報坦体をつなぐ線分はX軸に略平行であると認識される。よって、図30に示される2つの線分は、ここで一例として説明してきたクラスター情報坦体の配列によって得られる初期的な座標系を視覚化したものといえる。復号化によって得られた座標(X,Y)と対応する行列配置(R,C)、即ち文書上の座標との関係は、式1及び2に基づくことで以下のように求められる。
R=(3*X−Y)/11 (式9)
C=(4*Y−X)/11 (式10)
係る式を適用することで、復号化された仮想ブロックの左上端のクラスター情報坦体の重心についての配列位置が特定される。ひとたびその重心位置が特定されれば、既存の技術を利用することで、認識範囲の中心や方位、その他のパラメータが容易に求められる。
ここまでは3行4列に配列されるクラスター情報坦体を仮想ブロックとして説明を行った。しかし、この配列に制限されることはない。仮想ブロックはいかなる配列数や配列形状でも構わない。ただし、仮想ブロックのサイズに応じて数式9及び10の係数も変化する。具体的には、仮想ブロックのサイズがc行r列の場合には以下のようになる。
R=(c*X−Y)/(c*r−1) (式11)
C=(r*Y−X)/(c*r−1) (式12)
また、仮想ブロックの構成要素をクラスター情報坦体として説明したが、構成要素の一部又は全部が画像オブジェクトであっても構わない。
さらに、クラスター情報坦体の配置は仮想ブロックの配置とは独立に行い、その配置関係が仮想ブロックとは独立に情報を有するようにしてもよい。図31にその一例が示されている。
図31は、図29に示されるデジタル情報坦体について、四角形で囲まれるクラスター情報坦体と円で囲まれるクラスター情報坦体とを他のクラスター情報坦体よりも若干下方にずらして配置したものを示す図である。
図31から明らかなように、全ての行について、4つごとに下方にずらされたクラスター情報坦体が配置されている。しかしながら、表示媒体などの特定の模様などが発生せず、より均一的な分布とするために、下方にずらされたクラスター情報坦体の列は奇数行(円で囲まれたもの)と偶数行(四角形で囲まれたもの)とで異なっている。
この配置によれば、文書の方位は以下のようにして得られる。まず、行方向或いは列方向の4つの連続するクラスター情報坦体をひとまとまりとして認識する。
次に、その4つのクラスター情報坦体から一つのクラスター情報坦体を除いてなる4種類のサブセットを作る。
続いて、それぞれのサブセットについて構成する3個のクラスター情報坦体についての直線近似を行い、その近似において誤差値が最小となるサブセットを選定する。
最後に、その選定されたサブセットを構成しない一のクラスター情報坦体、即ち下方にずれたクラスター情報坦体の重心を、そのサブセットの近似直線から引く。
この引き算の結果が正である場合には、その近似直線はX軸方向を示しており、左から右の方向が正の方向であると判定される。
これに対し、引き算の結果が負である場合には、その近似直線はX軸方向を示しているが反転した状態で認識していると判定され、画像について180°の回転を行って軸の方向を反転させる必要があるが導かれる。
或いは、引き算の結果が0に近い場合には、4つのクラスター情報坦体がほぼ直線上にあることになり、この場合には、その近似直線はY軸方向を示しているものと判定されるので、この近似直線に直交する方向でクラスター情報坦体の認識を行って同様の処理を行い、X軸方向についての方位確認を行う。
以上の方位認識方法では、クラスター情報坦体が個別に有する情報とは全く独立に行われていることに留意されたい。ただし、上記の配置は単なる例示であり、仮想ブロックを構成する単位情報坦体はクラスター情報坦体に限られず画像オブジェクトでも構わない。また、クラスター情報坦体の配置は他の配置態様であっても構わない。また、ここで示したクラスター情報坦体の配置に基づく方位認識と前述のビット配列を用いた方位認識とは互いに独立であるから、組み合わせて用いても構わない。
以上説明したごとく、本発明に係るデジタル情報坦体は、クラスター情報坦体の構成、クラスター情報坦体が表示可能な最大ビット数、ビット配列長、仮想ブロックのサイズ、クラスター情報坦体の配置間隔、クラスター情報坦体の配置など、相互に独立な或いは極めて緩やかな相互依存性を有するパラメータによって構成される。このような構造とすることで、高い柔軟性を有するデジタル情報坦体が実現される。なぜならば、これらの要素は状況に応じて独立に或いは組み合わせて用いることができるからである。
続いて、本発明に係るデジタル情報坦体を出力するためのシステムの一例を示す。
図32は本発明に係るデジタル情報坦体を表示するためのシステムの概念図である。
デジタル情報坦体生成システム11は、最終的に出力されるデジタル情報坦体が有すべき情報を入力するための入力装置101と、入力装置101に入力された情報を有するデジタル情報坦体を生成し、出力装置103がそのデジタル情報坦体を出力できるようにそのデータ形式を変換する処理を行う処理装置102と、その変換されたデータに基づいてデジタル情報坦体に係る情報を出力する出力装置103とを備える。また、各装置間は通信ケーブルや無線などの通信手段によって少なくとも一方向への情報伝達が可能とされている。
入力装置101は人間が情報を入力するためキーボードやマウス、マイクなどでもよいし、文字や記号が表示された紙などの媒体を光学的に読み込むためのスキャナーやカメラなどでもよいし、人間が直接認識できる形式以外で情報が記録された磁気記憶媒体や光記憶媒体、半導体記憶媒体などを読み込むための読込装置などでもよい。
処理装置102は、入力装置101や出力装置103とデータをやりとりするための出入力部102aと、データを一時的に格納するための記憶領域を有する記憶部102cと、データの処理を司る処理部102bとを有する。入力装置101から入力されたデータは出入力部102aを介して記憶部102cに格納され、処理部102bは適宜必要なデータを記憶部102cから取り込んだり書き込んだりしながらデジタル情報坦体に係るデータを形成し、出入力部102aを介して出力装置103へと出力する。
出力装置103は、紙状の媒体にデジタル情報坦体を表示するための印刷機やプリンターなどでもよいし、デジタル情報坦体を可変表示するための液晶表示素子やCRTなどでもよいし、磁気記憶媒体や光記憶媒体、半導体記憶媒体等の記憶媒体に人間が直接認識できる形式以外で情報を書き込むための書込装置でもよい。
なお、図32では入力装置101と処理装置102と出力装置103と独立したデジタル情報坦体生成システムとして説明したが、そのいくつかが物理的に一体化していても構わない。また、インターネットなどのネットワークに各装置が接続されていてもよい。
次に、デジタル情報坦体生成システム11の動作の一例を図33と図34とに基づいて説明する。
図33はデジタル情報坦体生成システム11の動作の一例を概念的に示すフローチャートである。
図34はデジタル情報坦体生成システム11の動作を説明するための概念図である。
以降、図34(a)に示されるように、紙状の媒体111の表面を5行5列の25の領域に仮想的に分割して、紙状の媒体111の座標情報を有するデジタル情報坦体を、デジタル情報坦体生成システム11を用いて紙状の媒体112に表示したものを生成する過程を例に説明する。
簡単のために、紙状の媒体111の表面を5行5列の25の領域に仮想的に分割する(ステップS101)。今考慮しているケースでは、図4に示した簡単なビット配列を用いることができる。それぞれの要素(セル、ブロックとも称することもある)の座標は、X座標値とY座標値の組として、図34(a)に示すように定めることができる(ステップS102)。なお、図34(a)に示した座標情報から直接に連続するビット値を含む論理ブロックを形成することはできないことに注意されたい。
次に、考え得る最も単純な論理ブロックとして2行2列の論理ブロックを用いて議論を進めることにする。主走査は左上端を始点として右方向、副主査方向は下方向とする(ステップS103)。図34(a)の座標情報から、目的とするデジタル情報坦体は、以下の様にして生成することができる。
X座標値(データ)は、図34(b)に示すように符号化することができる。最初の1行は、図4に示したオフセット値の最初の5ビット値、即ち、0、1、2、3、4を用いる。第2行は2から6までのビット値を、第3行は4から8までのビット値を用いる。以下、各行同様である(ステップS104)。
25個の要素(セル)を有しているにも係わらず、ビット配列長として13(ビット値0〜12)だけしか必要でないことに注意していただきたい。必要なビット配列長は13であるから、図4に示したような15の配列長を有するビット配列を安全に用いることができる。
次に、各要素に実際のビット値を当てはめる。図4のオフセット値に対応するビット配列を読みとり、それらの値を各要素に当てはめればよい。例えば、0行0列のオフセット値は0であるから、ビット配列は0001であり、それぞれの値を0行0列、0行1列、0行2列、0行3列に当てはめる。0行1列のオフセット値は1であるから、ビット配列は0011であり、それぞれの値を0行1列、0行2列、0行3列、0行4列に当てはめる。0行2列のオフセット値は2であるから、ビット配列は0111であり、それぞれの値を0行2列、0行3列、0行4列に当てはめ、最後の1はどこにも当てはめなくてよい。以下、各行及び各列について同様にビット値を当てはめる。そのようにして得られたのが、図34(c)である(ステップS105)。
同様にY座標値(データ)についても行う。図34(b)に対応して、図34(d)を得る。次いで、図34(d)の各要素に実際のビット値を当てはめて図34(e)を得る。ただし、Y座標に関しては、当てはめていく方向がX座標に関する場合とは異なり、Y軸方向に当てはめて行く。例えば、0行0列のオフセット値は0であるから、ビット配列は0001であり、それぞれの値を0行0列、1行0列、2行0列、3行0列に当てはめる(Y座標に付いては特にステップは示していないが、X座標に関するステップS104、S105と同じである)。
ここで、X座標値とY座標値を結合すると図34(f)を得る。これは、図34(b)と図34(d)を組み合わせて容易に得ることができる。なお、図34(f)は、図34(a)の各要素の座標値を直接符号化して求めたものではないことに注意されたい。図34(f)のどの2x2のブロックを採っても、そこには必ず4つの連続するXビット値と4つの連続するYビット値が含まれることとなる。
図34(f)を実際のビット値で表すと、図34(c)と図34(e)から図34(g)を得ることが出来る。従って、次の作業としては、この図34(g)のビット値を紙状の媒体の上にクラスター情報坦体を用いて表すこととなる。
ここで、2ビットの情報を有するクラスター情報坦体を用いることを考える。2ビットの情報を有するクラスター情報坦体は、例えば図13、図14、図15、図22、図23に示すものを用いることが出来る。今考えているケースでは、図10に示すクラスター情報坦体を用いて図11に示したような構成を採用するのが良い(ステップS106)。
それぞれのクラスター情報坦体によって表されるビット値は、当然図34(g)と同じでなければならない。例えば、図34(g)の左上のクラスター情報坦体は、0、0であり、これはX=0、Y=0を意味する。そこで、図10からX=0、Y=0に対応するクラスター情報坦体を探すと、図10で一番左側のものを見つけることが出来る。従って、紙状媒体の左上の要素には、このクラスー情報坦体を印刷することになる。以下、同様に各要素のビット値に対応するクラスター情報坦体を決定して出力用データを形成する(ステップS107)。この出力用データは処理装置102の記憶部102cに一旦格納され、出入力部102aを介して出力装置103に出力され、印刷されることとなる。図34(h)は、印刷した様子を模式的に示したものである。このようにして紙状媒体112はデジタル情報坦体を有することになる。なお、各要素のビット値に対応するクラスター情報坦体は、処理装置102の記憶部102cに図10に示すクラスター情報坦体を格納して置き、処理部102bによって自動的に見つけることが出来るように構成してもよい。
復号化に関しては以下の通りである。
デジタル情報坦体が印刷された紙状媒体で、任意の2x2ブロックを選択する。各ブロック(要素)に書かれているクラスター情報坦体を読み込み、図10に従ってビット配列を生成する。得られるビット配列は、X座標とY座標に関してそれぞれ得ることが出来る。例えばX座標に関しては、1110であり、Y座標に関しては、1101という様である。但し、X座標に関しては、左上、右上、左下、右下の順で読み、Y座標に関しては左上、左下、右上、右下の順で読む。
得られたビット配列を、図4の参照用ビット配列と比べて、一致する部分を見つける。例えばX座標値に関しては、1110であるから、図4の参照用ビット配列からオフセット値4が得られる。これは一義的に決定することが出来る。同様にY座標値に関しては1101であるからオフセット値5を得る。オフセット値が(4、5)であるから、図34(a)と図34(f)を用いて、元の仮想的に分割した領域では(2、1)であることが分かる。なお、符号化した座標値を示す図34(f)から元の座標値を示す図34(a)への変換は、図30で述べた方法を適用することが出来る。以上のようにして、位置情報を知ることができる。なお、クラスター情報坦体として2ビットの情報を有するものを用いたが、当然1ビットの情報を有するクラスター情報坦体を用いてもよい。
続いて、本発明に係るデジタル情報坦体が表示されたものに含まれる情報を認識可能にするシステムの一例を示す。
図35は本発明に係るデジタル情報坦体に含まれる情報を認識するためのシステムの概念図である。
デジタル情報坦体復号化システム21は、所定の媒体上に表示されたデジタル情報坦体を入力する入力装置201と、入力装置201に入力された画像からデジタル情報坦体を復号化してデジタル情報坦体が有している情報を生成し、出力装置203がその情報を出力できるようにそのデータ形式を変換する処理を行う処理装置202と、その変換されたデータに基づいてデジタル情報坦体が有している情報を出力する出力装置203とを備える。また、各装置間は通信ケーブルや無線などの通信手段によって少なくとも一方向への情報伝達が可能とされている。
入力装置201はスキャナーやCCDカメラ、CMOSカメラ、フォトカプラーなど光学的な画像入力装置や、その他の表示入力装置を用いることができる。以下の説明では、画像入力装置を例にして説明を行う。
処理装置202は、入力装置201や出力装置203とデータをやりとりするための出入力部202aと、データを一時的に格納するための記憶領域を有する記憶部202cと、データの処理を司る処理部202bとを有する。入力装置201から入力されたデータは出入力部202aを介して記憶部202cに格納され、処理部202bは適宜必要なデータを記憶部202cから取り込んだり書き込んだりしながら所定のデータを形成し、出入力部202aを介して出力装置203へと出力する。
出力装置203は、紙状の媒体にデジタル情報坦体を表示するための印刷機やプリンターなどでもよいし、デジタル情報坦体を可変表示するための液晶表示素子やCRTなどでもよいし、磁気記録媒体や光記憶媒体、半導体記憶媒体等の記憶媒体に人間が直接認識できる形式以外で情報を書き込むための書込装置でもよい。
なお、図35では入力装置201と処理装置202と出力装置203とが独立したデジタル情報坦体復号化システムとして説明したが、そのいくつかが物理的に一体化していても構わない。また、インターネットなどのネットワークに各装置が接続されていてもよい。
次に、デジタル情報坦体復号化システム21の動作の一例を図36に示すフローチャートとに基づいて説明する。
図36(1)〜(3)は、デジタル情報坦体復号化システム21の動作の前半の一例を概念的に示したフローチャートである。
まず、処理装置202が備える記憶部202cの所定の記憶領域をクリアし、作業領域を確保する(ステップS201)。
次に、入力装置201に所定の画像入力条件で画像読込を行うための制御信号を出力する(ステップS202)。この制御信号を入力した入力装置201は画像を読込み、画像データとして処理装置202へと出力する。
この画像データは、処理装置202が備える記憶部202cの所定の記憶領域に格納された後(ステップS203)、画像オブジェクトとしての認識処理がなされる(ステップS204)。
ステップS205で複数の画像オブジェクトを認識したか否かの判定を行い、複数の画像オブジェクトを認識したと判定した場合には、認識されたそれぞれの画像オブジェクトを他と識別可能に番号付けして、それぞれの位置座標と共に画像オブジェクトデータをプールするための記憶領域に格納する(ステップS206)。
ここで、位置座標を格納するには、座標系に関する情報が必要とされる。この座標系の情報が、画像オブジェクトを認識するステップS204の段階で認識可能とされる場合にはこれを用い、その情報が得られない場合には、画像データの座標系をそのまま用いる。
一方、複数の画像オブジェクトを認識しなかったと判定した場合には、明るさやコントラストなどの画像読込条件を調整してから(ステップS207)、ステップS201へと移行して再度画像読込の制御信号を出力するようにする。
ここで、画像データは継続的に入力装置201から出力されており、処理装置202が必要に応じて出入力部202aを介して読込む制御であっても構わない。このような制御ではステップS202は不要である。また、ステップS207を実行した場合には、この処理で設定した画像読込条件が次の画像読込に反映されるようにすればよい。また、ステップS207を所定の回数、例えば10回連続して実行した場合には、エラー信号をシステムの操作者に通知してもよい。
続いて、画像オブジェクトデータをプールする記憶領域に格納された複数の画像オブジェクトからクラスター情報坦体を認識する処理について説明する。
まず、画像オブジェクトデータをプールする記憶領域に格納される複数の画像オブジェクトのうち、いずれか一つの画像オブジェクトを読込む(ステップS208)。
次に、画像オブジェクトデータをプールする記憶領域にさらに読込可能な画像オブジェクトが格納されているか否かを判定する(図36(2)、ステップS209)。
ステップS209で読込可能な画像オブジェクトがあると判定した場合には、
それらの画像オブジェクトを記憶部202cの所定の記憶領域から順次読み込んで、クラスター情報坦体を構成するか否かの判定を行う。即ちクラスター関数を適用する(ステップS210)。その判定処理の一例は図2に示したとおりである。
そして、ステップS208、S210で読み込んだ画像オブジェクトが他の画像オブジェクトのいずれかとクラスター情報坦体を構成するか否かの判定処理を行う(ステップS211)。
ステップS211でその画像オブジェクトはクラスター情報坦体の構成要素であると判定した場合には、クラスター情報坦体のデータをプールするための記憶領域にその画像オブジェクトが属するクラスター情報坦体の画像データをその位置座標と共に格納する(ステップS212)。続いて画像オブジェクトをプールしている記憶領域からその画像オブジェクトを削除する(ステップS213)。ステップS213で、読込んだ画像オブジェクトを本ステップで削除するのは、同一のクラスター情報坦体が重複して認識されることを防ぐためである。
ここで、クラスター情報坦体の位置座標を格納するには、座標系に関する情報が必要とされる。この情報がクラスター関数を適用するステップS210の段階で認識可能とされる場合にはこれを用い、得られない場合には画像データの座標系をそのまま用いる。例えば、図24や図31に示されるようなクラスター情報坦体の配置に座標の情報が含まれている場合には、複数のクラスター情報坦体についてそれらの重心座標等が得られることで座標系の情報が得られる。
一方、ステップS211でその画像オブジェクトはクラスター情報坦体の構成要素でないと判定した場合には、画像オブジェクトデータをプールしている記憶領域からその画像オブジェクトを削除する(ステップS213)。
処理に係る画像オブジェクトがゴーストドットの場合には、ステップS211でクラスター情報坦体を構成するものと判定される可能性は低い。このため、その画像オブジェクトはクラスター情報坦体の構成要素となることなくステップS213で排除される可能性が高い。
ステップS213で所定の画像オブジェクトの削除を行ったら、別の画像オブジェクトを記憶部202cの所定の記憶領域から読み込んで(ステップS214)、再びクラスター関数を適用すべくステップS209へと移行する。
一方、ステップS209で読み込むべき画像データがないと判定した場合には、ステップS208或いはS214で読み込んだ画像オブジェクトが、画像オブジェクトデータをプールしている記憶領域に格納されていた最後の画像オブジェクトであり、画像オブジェクトが一個しかないので、クラスター情報坦体を構成するか否かの判定処理を行うことは出来ない。
そこで、クラスター関数を適用するステップ210の実行は必要ないとみなし、クラスター情報坦体のデータをプールしている記憶領域に格納されるクラスター情報坦体全てについて表示歪み値の評価を行う(図36(3)、ステップS215)。
ここで、表示歪み値の評価はクラスター情報坦体を構成する画像オブジェクトの形態だけでなく、それらの相対配置を用いることが望ましい。クラスター情報坦体は複数の画像オブジェクトで構成されるので、クラスター情報坦体を構成する画像オブジェクト単体よりも広い表示面積を有し、それゆえ表示歪みが計測されやすいからである。また、クラスター情報坦体を構成するか否かを判定するための判定条件(クラスター関数)に画像オブジェクトの相対配置が含まれている場合には、その判定条件に係る相対配置は所定の条件を満たしている。そこで、その条件の充足度合いを定量化することで表示歪みの評価結果として用いることができる。
なお、ここでは表示歪みのみを評価対象として説明したが、色差などを評価対象としてもよい。
ステップS215の表示歪み値の評価の結果、表示歪み値が大きく、表示歪みの度合いが高いと評価されたクラスター情報坦体は、復号化において真のビット数値と異なるビット数値を生成する可能性が高い。そこで、このようなクラスター情報坦体はクラスター情報坦体のデータをプールしている記憶領域から削除し(ステップS216)、復号化の対象としない。
続いて、クラスター情報坦体のデータをプールしている記憶領域に格納されるクラスター情報坦体数がその後の処理で必要とされる数に到達しているか否かの判定処理を行う(ステップS217)。
所定数のクラスター情報坦体のデータが格納されていると判定した場合には、後述する図37(1)に示される処理のステップS231へと移行する。
一方、データ数が不足していると判定した場合には、以降の処理を行うことができないので、画像入力条件を調整した後(ステップS218)、ステップS201へと移行する。ステップS218も、ステップS207と同様に、連続画像入力方式に対応してもよいし、複数回連続して不適切な画像入力である場合にエラー信号を出すようにしてもよい。
続いて、図37に従ってデジタル情報坦体復号化システム21の動作の一例の続きを説明する。
図37はデジタル情報坦体復号化システム21の動作の後半の一例を概念的に示したフローチャートである。
図36(3)のステップS217に示される判定処理で所定数のクラスター情報坦体が所定の記憶領域に格納されていると判定した場合には、それらのクラスター情報坦体を読み込んで(ステップS231)、個々のクラスター情報坦体の復号化を行う(ステップS232)。
ステップS232における復号化の一例を以下に示す。まず、クラスター情報坦体の構成要素である複数の画像オブジェクトの相対的関係とビットデータとの対応関係に係る対応関係データを予め記憶部202cに格納しておく。ステップS232では、記憶部202cにおけるクラスター情報坦体のデータをプールしている記憶領域から一つのクラスター情報坦体のデータを読み込み、記憶部202cに格納されている対応関係データと参照することでそのクラスター情報坦体がどのビットデータに対応しているかを判定し、判定の結果得られたビットデータを復号化の結果とする。この処理をクラスター情報坦体のデータをプールしている記憶領域に格納される全てのクラスター情報坦体についてこの処理を行う。
ここで、復号化の結果としてデジタル情報坦体としての座標系の情報が得られる場合にはその情報を用いて座標系の調整を適宜行い、必要に応じて復号化を再度行う。一方、座標系の情報が得られない場合には画像データの座標系をそのまま用いる。復号化の過程で座標系の情報が得られる例としては、図1に示されるようなクラスター情報坦体が挙げられる。線分の最長主直径からX軸についての情報が得られ、線分とドットとの相対位置の関係からX軸の正方向についての情報が得られる。X軸の方位が明らかになると、Y軸及びその正方向が明らかになる。こうして座標系に関する情報が得られる。
次に、個々のクラスター情報坦体の復号化により得られたビット数値からなるビット行列を形成する(ステップS233)。このビット行列における行列要素の配置は、個々のクラスター情報坦体の位置座標に基づいている。具体的には、一のビット数値は、対応するクラスター情報坦体の重心位置や各クラスター情報坦体の種類ごとに定められる中心位置などに配置される。
ビット行列の配置における座標系については、これまでの処理でデジタル情報坦体としての座標系が明らかになっている場合はその座標系を、明らかになっていない場合には画像データの座標系を用いる。
ここで、画像認識上の問題などで行列の一部の要素に該当するビット数値が得られない場合は、その旨の情報を要素に付与して行列を構築する。これは、以降の論理ブロック構築における便宜上の処理である。
このような処理で得られたビット行列の例を図38(a)および図39(a)に示す。なお、図39(a)において、復号化によってビット数値が得られていない行列要素はエラー値である「x」で示してある。
続いて、ビット行列から論理ブロックを選択する(ステップS234)。論理ブロックの選択は以下のようにして行われる。まず、得られたビット行列の行列要素から、論理ブロックの始点として最も適切である可能性が高い行列要素を選択する。例えば、論理ブロックが3行4列で構成され、左上端の行列要素が始点の場合には、得られたビット行列の左上端の行列要素を論理ブロックの始点として選択する。次に、この行列要素を始点にして3行4列の部分行列を選択し、これを論理ブロックとする。
図38(a)および図39(a)に示されるビット行列から上記の選択規則に従って論理ブロックを選択した例をそれぞれ図38(b)、図39(b)に示す
こうして選択された論理ブロックの構成要素がいずれもビット数値であり、これらのビット数値を統合してなるビット配列を形成可能であるか否かの判定を行う(ステップS235)。ビット配列が形成可能であると判定した場合には、この論理ブロックに含まれるビット数値からビット配列を形成する(ステップS236)。
この論理ブロックからのビット配列形成は、予め定めた形成規則に基づいて行われる。例えば、その規則が、「図38(a)に示されるビット行列について水平方向右向きを主走査方向、垂直方向下向きを副走査方向とを定めて論理ブロックを統合する」である場合には、これに従って得られるビット配列は図38(c)のようになる。
続いて、得られたビット配列が参照用ビット配列のいずれか一つの要素を始点とする部分配列をなすか否かの判定を行う(ステップS237)。参照用ビット配列の部分配列をなすと判定した場合には、オフセット値を求める(図37(2)、ステップS238)。例えば、ビット配列が参照用ビット配列のm番目の要素を始点とする部分配列に該当する場合には、オフセットはmである。
こうして得られたオフセットが、紙状媒体における論理ブロックの始点をなすクラスター情報坦体の表示位置を示すものである場合には、オフセット値から位置座標を計算することができる(ステップS239)。その計算結果を出力装置203が処理可能なデータ形式に変換してから(ステップS240)出力装置203に出力する(ステップS241)ことで、紙状媒体に表示されたデジタル情報坦体から所定の情報が抽出され、その結果が出力装置203へと出力される。
図38(b)より得られるビット配列は「011110111001」であり、これは参照用ビット配列「000000000001111011100111111…」の第11番目からの「011110111001」に一致する。従って、10進法の値は1977であり、オフセット値は「10」となる。その数値から紙状媒体上の位置情報が計算されて、紙状媒体に対応するように表示される液晶画面203a上の所定の位置に「10」が表示された状態を一例として図38(d)に示す。
なお、得られたオフセットが別の情報を意味するものであってもよいし、或いは得られたビット配列が参照用ビット配列を必要とすることなく情報を示してもよい。
次に、ステップS234で選択した論理ブロックがビット配列を形成できない場合の処理について説明する。ビット配列を形成できない場合とは、例えば図39(b)に示すように、論理ブロック列の一部の要素がビット数値を示していない場合が挙げられる。
このような場合には、論理ブロック内のビット数値を示さない行列要素を、その論理ブロックの構成要素以外のビット行列の要素と置換することで、仮想ブロックを構築できるか否かの検討を行う(図37(3)、ステップS243)。
ビット配列が上述のように所定の始点から予め定められた主走査方向と副走査方向とに従って形成される場合について、行列要素を置換して仮想ブロックを構築する一例を図39(b)に基づいて説明する。説明の関係上、図39(b)の左上端のビット数値を0行0列の行列要素、右下端のビット数値を3行4列の行列要素とする。
図39(b)においてビット数値が定められていない1行0列の行列要素が0行3列の行列要素の右隣にある論理ブロック外要素(即ち0行4列の行列要素)と置換可能なように各要素が配置されているので、図39(c)に示すような新たな論理ブロックを構築することができる。先に示したビット配列の形成規則を新たな論理ブロックに適用して得られるビット配列における5番目の要素は0行4列の行列要素をなすビット数値となり、これは1行0列の行列要素をなすビット数値と同一であるから、結果的に、置換後の論理ブロックから得られるビット配列は置換前のビット配列と同一となるためである。こうして構築されるビット数値の集合体は、従来の行列状配置の論理ブロックとは概念的に異なるものなので、仮想ブロックと称する。
仮想ブロックを構築することができるか否かの判定(ステップS244)で、構築可能であると判定した場合には、ステップS236へと移行して、この構築された仮想ブロックによってビット配列を形成し、以降の処理も行う。なお、ステップS236では「論理ブロック」と示されているが、仮想ブロックの場合であっても論理ブロックに対して適用するビット配列形成規則と同一の規則を適用できるように仮想ブロックは構築されている。
これに対してステップS244で仮想ブロックの構築が不可能であると判定した場合には、論理ブロックの始点を変更しての再選択や、その再選択された論理ブロックから仮想ブロックの構築を行うことができるかについて検討を行う(ステップS245)。
ここで、上記のビット配列形成方法において論理ブロックの再選択を行う一例を説明する。図39(a)において、0行4列の行列要素もビット数値を有していない場合を想定していただきたい。この場合には図39(c)のような0行0列の行列要素を始点とする仮想ブロックを形成することもできない。そこで、論理ブロックの始点を0行0列から順次移動させて3行4列の論理ブロックが形成されるか否かの検討を行う。まず、0行1列の行列要素は0行4列の行列要素が上記のごとくビット数値を有していないので、これを始点にしては論理ブロックを構築できない。1行0列の行列要素は自らビット数値を有していないので、やはりこれを始点にしては論理ブロックを構築できない。しかし、1行1列の行列要素はこれを始点にして論理ブロックを構築できる。従って、1行1列の行列要素を起点とする論理ブロックに基づいてビット配列が形成される。図39(d)に示した例では、ビット配列として「011100111111」が得られ、参照用ビット配列「000000000001111011100111111…」の第16番目からの「011100111111」に一致する。従って、10進法の値は1855であり、オフセット値は「15」となる。
こうして論理ブロックの選択又は仮想ブロックの構築ができるか否かの判定(ステップS246)で、選択又は構築可能であると判定した場合には、ステップS236へと移行して、この選択された論理ブロック又は構築された仮想ブロックに対してビット配列形成規則を適用してビット配列を形成し、以降の処理も行う。
一方、ステップS246において、以上の処理を経ても論理ブロックの選択等が不可能であると判断した場合には、クラスター情報坦体の回転処理が可能であるか否かを判定する(ステップS247)。クラスター情報坦体の回転処理が不可能な場合とは、既に少なくとも一回の回転処理が行われており、更に回転処理を行う余地がない場合である。
ステップS247でクラスター情報坦体の回転処理が可能であると判定した場合には、クラスター情報坦体の回転処理を行う(ステップS248)。この回転角は90度でも180度でもよい。続いて、ステップS232に移行して回転処理後のクラスター情報坦体について再度ビット値の復号化を行う。
一方、ステップS247においてクラスター情報坦体の回転処理が不可能であると判定した場合には、画像読込条件を調整して(ステップS249)、図36(1)のステップS201へと移行する。なお、ステップS249も、ステップS207と同様に、連続画像入力方式に対応してもよいし、複数回連続して不適切な画像入力である場合にエラー信号を出すようにしてもよい。
なお、ステップS246とステップS247との間に、クラスター情報坦体を復号化してなるビット行列を対象とした回転処理可能性の判定処理を追加してもよい。回転処理を行うことが可能であると判定した場合には所定の回転処理をビット行列に行ったらステップS234に移行して、回転して得られるビット行列に対して論理ブロック選択以降の処理を行うようにしてもよい。
また、ステップS247とステップS249との間に、読込画像を対象とした回転処理可能性の判定処理を追加してもよい。回転処理を行うことが可能であると判定した場合には所定の回転処理を読込画像に行ったらステップS204に移行して、回転して得られる読込画像に対して画像オブジェクトの認識以降の処理を行うようにしてもよい。
係るデジタル情報坦体に構成要素の位置を特定可能な情報を符号化させた場合には、表示されるデジタル情報坦体の一部を認識することでその認識範囲の位置に係る情報を得ることができる。このため、表示媒体上における表示認識装置の位置の特定が極めて容易に行われる。表示認識装置をペンに取り付け、表示媒体として紙を用いれば、紙の上で字を書くペンの位置を常に例えばコンピュータ上に表示することも実現される。
また、デジタル情報坦体はその表示態様の多様性により既存の視覚情報、例えば文字や写真の表示に目立たずに溶け込むように表示することができる。このため、印刷された文書上の写真に表示認識装置を近接させるとその写真の説明をコンピュータが行うなど、印刷文書とその文書に関連する文書外情報とを適切に結び付けることができる。
一つのドットと一つの線分とからなるクラスター情報坦体の一例を示す図である。 図1に示されるクラスター情報坦体を判定するためのクラスター関数の動作の一例を示すフローチャートである。 図1に示されるクラスター情報坦体の配列の一例を示す図である。 参照用ビット配列とその参照用ビット配列を適宜オフセットして得られる配列長4の部分配列を10進法に変換した数値とオフセット値との関係を概念的に示す図である。 配列長4の部分配列からオフセット値を導くための処理の概要を示すフローチャートである。 一次元の配列を用いて二次元を表現する一例を示す図である。 図6の表現方法を用い、図1及び図4に係る規則で符号化されたデジタル情報坦体の一例を示す図である。 図1及び図4に係る規則で符号化されたデジタル情報坦体がX軸方向に配置されてなる一次元配列をY軸方向に複数配置したものを示す図である。 図8のデジタル情報坦体に、図1及び図4に係る規則で符号化されたデジタル情報坦体がY軸方向に配置されてなる一次元配列をX軸方向に複数配置したものを示す図である。 2ビット分の情報を有することができるクラスター情報坦体の一例を示す図である。 図11に示されるクラスター情報坦体を図4の規則に基づいて2次元的に配置してなるデジタル情報坦体の一例を示す図である。 形態の対称性が高いクラスター情報坦体であって最大1ビットの情報を有するものの一例を示す図である。 形態の対称性が高いクラスター情報坦体であって最大2ビットの情報を有するものの一例を示す図である。 形態の対称性が高いクラスター情報坦体であって最大2ビットの情報を有するものの一例を示す図である。 形態の対称性が高いクラスター情報坦体であって最大2ビットの情報を有するものの一例を示す図である。が示されている。 図15で規定されるクラスター情報坦体を平面に配置してなるデジタル情報坦体の一例を示す図である。 図14及び図15に示される2種類のクラスター情報坦体が一緒に用いられているデジタル情報坦体の一例を示す図である。 クラスター情報坦体を構成する画像オブジェクトをその大きさだけで相互に異なるものとした一例を示す図である。 図18に係るクラスター情報坦体を復号化するための規則の一例を示す図である。 図18に係るクラスター情報坦体から最大2ビットの情報を復号化するための規則の一例を示す図である。 図18に係るクラスター情報坦体から最大4ビットの情報を復号化するための規則の一例を示す図である。 1から4個のドットで構成されるクラスター情報坦体の一例を示す図である。 クラスター情報坦体の形状にビットデータが符号化されてなるクラスター情報坦体の一例を示す図である。 クラスター情報坦体の配置間隔に座標軸を特定するための情報が含まれているデジタル情報坦体の一例を示す図である。 本願発明に係る仮想ブロックの一例を示す図である。 形状自由度が与えられた仮想ブロックの一例を示す図である。 デジタル情報坦体が復号化されてなるビット行列の一例に仮想ブロックと認識範囲とが表示された図である。 デジタル情報坦体が復号化されてなるビット行列の一例に仮想ブロックと認識範囲と互いに置換可能な行列要素とが表示された図である。 対称性の高いクラスター情報坦体が用いられていて、クラスター情報坦体間隔に方向依存性がないデジタル情報坦体の一例を示した図である。 本願発明に係る仮想ブロックの別の一例を示す図である。 図29に示されるデジタル情報坦体について四角形や円で囲まれるクラスター情報坦体を他のクラスター情報坦体よりも若干下方にずらして配置したものを示す図である。 本発明に係るデジタル情報坦体生成システム11の概念図である。 デジタル情報坦体生成システム11の動作の一例を概念的に示すフローチャートである。 デジタル情報坦体生成システム11の動作(前半)を説明するための概念図である。 デジタル情報坦体生成システム11の動作(後半)を説明するための概念図である。 本発明に係るデジタル情報坦体復号化システム21の概念図である。 デジタル情報坦体復号化システム21の動作の前半1の一例を概念的に示すフローチャートである。 デジタル情報坦体復号化システム21の動作の前半2の一例を概念的に示すフローチャートである。 デジタル情報坦体復号化システム21の動作の前半3の一例を概念的に示すフローチャートである。 デジタル情報坦体復号化システム21の動作の後半1の一例を概念的に示すフローチャートである。 デジタル情報坦体復号化システム21の動作の後半2の一例を概念的に示すフローチャートである。 デジタル情報坦体復号化システム21の動作の後半3の一例を概念的に示すフローチャートである。 論理ブロックに係る処理の一例を概念的に示す図である。 論理ブロックに係る処理の別の一例を概念的に示す図である。
符号の説明
11:デジタル情報坦体生成システム
101:入力装置
102:処理装置
102a:出入力部
102b:処理部
102c:記憶部
103:出力装置
111:紙状媒体
112:紙状媒体
21:デジタル情報坦体復号化システム
201:入力装置
202:処理装置
202a:出入力部
202b:処理部
202c:記憶部
203:出力装置

Claims (42)

  1. 複数の画像オブジェクトを構成要素として備え、
    2個以上の画像オブジェクトによって構成されるクラスター情報坦体を含み、
    当該クラスター情報坦体は、構成要素となる当該2個以上の画像オブジェクトの相対的関係にビットデータが対応付けられてなる
    ことを特徴とするデジタル情報坦体。
  2. 前記クラスター情報
    坦体を構成する複数の画像オブジェクトの相対的関係のうち、ビットデータが対応付けられていない相対的関係は任意に構成可能とされる請求項1記載のデジタル情報坦体。
  3. 一の前記クラスター情報坦体の構成要素をなす画像オブジェクトのうち少なくとも一つは、他の前記クラスター情報坦体の構成要素をなす請求項1又は2記載のデジタル情報坦体。
  4. 複数の画像オブジェクトを構成要素として備え、
    2個以上の画像オブジェクトによって構成されるクラスター情報坦体を含み、
    当該クラスター情報坦体は、構成要素となる当該2個以上の画像オブジェクトの相対的関係にそれらの画像オブジェクトがクラスター情報坦体を構成するか否かの判定条件が対応付けられ、
    当該クラスター情報坦体を単位としてビットデータが対応づけられてなる
    ことを特徴とするデジタル情報坦体。
  5. 前記判定されてなるクラスター情報坦体は、構成要素である複数の画像オブジェクトの相対的関係にビットデータが対応付けられてなる請求項4記載のデジタル情報坦体。
  6. 前記クラスター情報坦体の相対配置に所定の情報が付与されてなる請求項1から5のいずれかに記載のデジタル情報坦体。
  7. 前記相対配置に付与される情報は、
    複数の前記クラスター情報坦体に対応づけられたビットデータを統合して一の情報を生成するための統合規則に係る情報である請求項6記載のデジタル情報坦体。
  8. 前記クラスター情報坦体の相対配置が前記クラスター情報坦体配列の座標軸及び方位の少なくとも一方に係る情報を付与されてなる請求項6又は7記載のデジタル情報坦体。
  9. 2次元に配置される前記クラスター情報坦体の配置間隔が座標軸ごとに設定されてなる請求項8記載のデジタル情報坦体。
  10. 連続して配置されるd個(ただしd≧4)の前記クラスター情報坦体のうち、e<d/2の条件を満たすe個のクラスター情報坦体は、残りのd−e個のクラスター情報坦体によって形成される配列方向に対して直交する方向にずれて配置され、座標軸に係る情報が当該配列方向に、方位に係る情報が当該ずれに付与されてなる請求項8又は9に記載のデジタル情報坦体。
  11. デジタル情報坦体からビットデータを復号化する際の最小単位である単位情報坦体が複数統合されてなる論理ブロックの構成が可能であり、
    当該論理ブロックはその構成要素のいくつかが統合されてなる配列に一の情報が付与されてなり、
    前記論理ブロックの構成要素の少なくとも一つは、当該論理ブロックに隣接する前記単位情報坦体と置換されて新たな論理ブロックの構成が可能であることを特徴とするデジタル情報坦体。
  12. 前記論理ブロックは、前記一の情報が付与される配列の要素数よりも多数の前記単位情報坦体で構成されてなる請求項11記載のデジタル情報坦体。
  13. 前記一の情報は、前記論理ブロックのいずれかの構成要素の配置座標を特定可能な情報である請求項11又は12に記載のデジタル情報坦体。
  14. 予め規定される配列長nの参照用ビット配列Bの配列要素bm(m=0〜n−1)を行列状に配置してなるビット行列Vを含み、このビット行列Vにビットデータが対応付けられてなり、
    前記ビット行列Vの二の配列軸の一方(i軸)に隣接する二の行列要素v(i,j)、v(i+1,j)は
    v(i,j) = bm
    v(i+1,j) = bm+1
    を満たし、
    前記ビット行列Vの他方の配列軸(j軸)に隣接する二の行列要素v(i,j)、v(i,j+1)は、配列要素bの前記j軸側のずれ量をaとして、
    v(i,j) = bm
    v(i,j+1) = bm+a
    を満たし、前記j軸側のずれ量aは2以上の整数であることを特徴とするデジタル情報坦体。
  15. 前記ビット行列Vのいずれか一の行列要素v(i,j)を始点とし、前記i軸側の配列長を前記ずれ量aとする前記ビット行列Vの部分行列である論理ブロックについて、
    前記i軸の正方向を主走査方向とし、前記j軸の正方向を副走査方向として当該論理ブロックの構成要素のいくつかを統合することで、前記参照用ビット配列Bの部分配列と同一のビット配列が形成可能である請求項14記載のデジタル情報坦体。
  16. 前記参照用ビット配列Bは、任意のオフセットで得られる所定の長さの部分配列が互いに他と異なるように構成される請求項15に記載のデジタル情報坦体。
  17. 前記論理ブロックを構成する主走査方向配列の末端をなす行列要素v(i,j)を、
    行列要素v(i-a,j+1)、v(i+a,j-1)のいずれかが前記論理ブロックに隣接することを条件に、
    当該いずれかの行列要素と置換して新たな前記論理ブロックが構成可能である請求項15又は16記載のデジタル情報坦体。
  18. 前記ビット配列の一番目を構成する行列要素を前記論理ブロックから除外し、当該配列の最後を構成する行列要素の主走査方向側に隣接する行列要素を補完して、新たな前記論理ブロックの構築が可能である請求項15から17のいずれかに記載のデジタル情報坦体。
  19. 前記ビット配列の最後を構成する行列要素を前記論理ブロックから除外し、当該配列の一番目を構成する行列要素の主走査方向反対側に隣接する行列要素を補完して、新たな前記論理ブロックの構築が可能である請求項15から17のいずれかに記載のデジタル情報坦体。
  20. 請求項1から19のいずれかに記載のデジタル情報坦体が表示された表示媒体。
  21. 請求項1から19のいずれかに記載のデジタル情報坦体が表示された表示装置。
  22. 請求項1から19のいずれかに記載のデジタル情報坦体の表示データが記録された記録媒体。
  23. データ入力のための入力装置と、入力されたデータを処理して複数の画像オブジェクトから構成されるデジタル情報坦体に係るデータを生成する処理装置と、生成した前記デジタル情報坦体に係るデータを出力する出力装置とを備え、
    前記処理装置は、
    前記入力されたデータをビットデータに変換する変換手段と、
    前記変換手段で変換されてなるビットデータに対応する2個以上の画像オブジェクトとこれらの相対的関係とを特定し、当該特定された内容に基づいて前記2個以上の画像オブジェクトからなるクラスター情報坦体の画像データを生成する生成手段とを具備することを特徴とするデジタル情報坦体の作成システム。
  24. 一個当たりの前記クラスター情報坦体が表示可能な最大データ量よりも前記変換手段で得られるビットデータのデータ量が多い場合には、当該変換手段では、変換後のビットデータを、前記最大データ量以下のデータサイズのビットデータを要素とするビット配列へと変換し、
    前記生成手段では、当該ビット配列の各要素となるビットデータに対応して複数の前記クラスター情報坦体の画像データを生成するとともに、前記ビット配列の配列関係に対応して当該複数の画像データの表示位置を決定する請求項23記載のデジタル情報坦体の作成システム。
  25. 前記処理装置は、前記入力装置及び前記出力装置とデータ信号のやりとりをする出入力部と、当該出入力部から入力されるデータを処理する処理部と、当該処理部がデータ処理をするために必要なデータを記憶する記憶部とを備え、
    前記記憶部は、前記クラスター情報坦体の画像データと、当該クラスター情報坦体と前記ビットデータとの対応関係に係る対応関係データとを有し、
    前記生成手段は、
    前記変換手段で変換されてなるビットデータに対応する前記クラスター情報坦体を前記記憶部に格納された前記対応関係データに基づいて選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された前記クラスター情報坦体に対応する画像データを前記記憶部から読込む読込手段と、
    前記読込手段により読込まれた前記クラスター情報坦体の画像データの表示位置を決定する決定手段とを具備する請求項23又は24記載のデジタル情報坦体の作成システム。
  26. データ入力のための入力装置に入力されたデータに応じて、複数の画像オブジェクトからなるデジタル情報坦体に係るデータを生成して出力装置へと出力する処理装置が実行するデジタル情報坦体の作成方法であって、
    前記入力されたデータをビットデータに変換する変換ステップと、
    前記変換ステップで変換されたビットデータに対応する2個以上の画オブジェクトとこれらの相対的関係とを特定し、当該特定された内容に基づいて前記2個以上の画像オブジェクトからなるクラスター情報坦体の画像データを生成する生成ステップとを具備することを特徴とするデジタル情報坦体の作成方法。
  27. 一個当たりの前記クラスター情報坦体が表示可能な最大データ量よりも前記変換ステップで得られるビットデータのデータ量が多い場合には、当該変換ステップでは、変換後のビットデータを、前記最大データ量以下のデータサイズのビットデータを要素とするビット配列へと変換し、
    前記生成ステップでは、当該ビット配列の各要素となるビットデータに対応して複数の前記クラスター情報坦体の画像データを生成するとともに、前記ビット配列の配列関係に対応して当該複数の画像データの表示位置を決定する請求項26記載のデジタル情報坦体の作成方法。
  28. 前記処理装置は、前記入力装置及び前記出力装置とデータ信号のやりとりをする出入力部と、当該出入力部から入力されるデータを処理する処理部と、当該処理部がデータ処理をするために必要なデータを記憶する記憶部とを備え、
    前記記憶部は、前記クラスター情報坦体の画像データと、当該クラスター情報坦体と前記ビットデータとの対応関係に係る対応関係データとを有し、
    前記生成ステップは、
    前記変換ステップで変換されたビットデータに対応する前記クラスター情報坦体を前記記憶部に格納された前記対応関係データに基づいて選択する選択ステップと、
    前記選択ステップにより選択された前記クラスター情報坦体に対応する画像データを前記記憶部から読込む読込ステップと、
    前記読込ステップにより読込まれた前記クラスター情報坦体の画像データの表示位置を決定する決定ステップとを有する請求項26又は27記載のデジタル情報坦体の作成方法。
  29. 複数の画像オブジェクトからなるデジタル情報坦体を入力するための入力装置と、入力された前記デジタル情報坦体が保持する復号化情報を生成する処理を行う処理装置と、当該復号化情報を出力する出力装置とを備え、
    前記処理装置は、
    前記入力装置から入力された前記デジタル情報坦体を複数の画像オブジェクトとして認識する認識手段と、
    当該複数の画像オブジェクトの一が他の画像オブジェクトのいずれかと一群をなしてクラスター情報坦体を構成するか否かを判定するクラスター判定手段と、
    前記クラスター情報坦体を構成すると判定されたことを条件として、その判定されてなるクラスター情報坦体からビットデータを復号化し、当該ビットデータに基づいて復号化情報を生成する復号化情報生成手段とを具備することを特徴とするデジタル情報坦体の復号化情報生成システム。
  30. 前記クラスター判定手段によって判定されてなるクラスター情報坦体が複数ある場合には、
    前記復号化情報生成手段では、
    当該複数のクラスター情報坦体を復号化して複数のビットデータを生成し、前記複数のクラスター情報坦体の相対配置に基づいて当該複数のビットデータのいくつかを統合してビット配列を形成し、当該ビット配列から一の情報を復号化情報として生成する請求項29記載のデジタル情報坦体の復号化情報生成システム。
  31. 前記処理装置は、データ処理を司る処理部と前記処理部によるデータ処理に必要なデータを記憶する記憶部とを有し、
    前記クラスター判定手段では、複数の画像オブジェクトの相対的関係を判定条件とし、その判定条件は前記記憶部に格納されている請求項29又は30記載のデジタル情報坦体の復号化情報生成システム。
  32. 前記クラスター情報坦体は、その構成要素である複数の画像オブジェクトの相対的関係にビットデータが対応付けられており、
    前記記憶部は、前記相対的関係とビットデータとの対応関係に係る対応関係データを有し、
    前記復号化情報生成手段は、前記記憶部に格納されている前記対応関係データに基づいて前記クラスター情報坦体からビットデータを復号化する復号化手段を含む請求項31記載のデジタル情報坦体の復号化情報生成システム。
  33. 前記クラスター判定手段によって判定されてなるクラスター情報坦体を構成する複数の画像オブジェクトの表示状態が当該クラスター情報坦体の理想的な表示状態からどの程度ずれているかを評価し、当該評価の結果に基づいて前記復号化情報生成手段で復号化するか否かを判定する表示状態判定手段を具備する請求項29から32のいずれかに記載のデジタル情報坦体の復号化情報生成システム。
  34. 複数の画像オブジェクトからなるデジタル情報坦体を入力装置に入力し、当該入力された前記デジタル情報坦体を処理してなる復号化情報を生成し、当該復号化情報を出力する処理装置が実行するデジタル情報坦体の復号化情報生成方法であって、
    前記処理装置は、
    前記入力装置から入力された前記デジタル情報坦体を複数の画像オブジェクトとして認識する認識ステップと、
    前記認識ステップにより認識された複数の画像オブジェクトの一が他の画像オブジェクトのいずれかと一群をなしてクラスター情報坦体を構成するか否かを判定するクラスター判定ステップと、
    前記クラスター判定ステップによりクラスター情報坦体を構成すると判定されたことを条件として、その判定されてなるクラスター情報坦体からビットデータを復号化し、当該ビットデータに基づいて復号化情報を生成する復号化情報生成ステップとを具備することを特徴とするデジタル情報坦体の復号化情報生成方法。
  35. 前記クラスター判定ステップによって判定されてなるクラスター情報坦体が複数ある場合には、
    前記復号化情報生成ステップでは、
    当該複数のクラスター情報坦体を復号化して複数のビットデータを生成し、前記複数のクラスター情報坦体の相対配置に基づいて当該複数のビットデータのいくつかを統合してビット配列を形成し、当該ビット配列から一の情報を復号化情報として生成する請求項34記載のデジタル情報坦体の復号化情報生成方法。
  36. 前記処理装置はデータ処理を司る処理部と前記処理部によるデータ処理に必要なデータを記憶する記憶部とを有し、
    前記クラスター判定ステップでは、複数の画像オブジェクトの相対的関係を判定条件とし、その判定条件は前記記憶部に格納されている請求項34又は35記載のデジタル情報坦体の復号化情報生成方法。
  37. 前記クラスター情報坦体は、その構成要素である複数の画像オブジェクトの相対的関係にビットデータが対応づけられており、
    前記記憶部は、前記相対的関係とビットデータとの対応関係に係る対応関係データを有し、
    前記復号化情報生成ステップは、前記記憶部に格納されている前記対応関係データに基づいて前記クラスター情報坦体からビットデータを復号化する復号化ステップを含む請求項36記載のデジタル情報坦体の復号化情報生成方法。
  38. 前記クラスター判定ステップによって判定されてなるクラスター情報坦体を構成する複数の画像オブジェクトの表示状態が当該クラスター情報坦体の理想的な表示状態からどの程度ずれているかを評価し、当該評価の結果に基づいて前記復号化情報生成手段で復号化するか否かを判定する表示状態判定ステップを具備する請求項34から37のいずれかに記載のデジタル情報坦体の復号化情報生成方法。
  39. 請求項26から28のいずれかに記載のデジタル情報坦体の作成方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  40. 請求項34から38のいずれかに記載のデジタル情報坦体の復号化情報生成方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  41. 請求項26から28のいずれかに記載のデジタル情報坦体の作成方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  42. 請求項34から38のいずれかに記載のデジタル情報坦体の復号化情報生成方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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