JP2005150663A - Ptc導電性塗料及びptc面状発熱体 - Google Patents

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【課題】優れた柔軟性及び充分な耐熱安定性を有し、使用による経時変化が極めて少なく、70℃〜85℃において極めて高いPTC倍率を有し、かつ形態安定性の良好な面状発熱体を提供しうる新規なPTC導電性塗料を提供すること。
【解決手段】カーボンブラック或いはグラファイト、パラフィン、熱可塑性エラストマ、及び溶剤を含有する塗料において、▲1▼パラフィンの融点が70℃〜85℃の範囲内であり、▲2▼パラフィンのカーボンブラック或いはグラファイトに対する重量比が1.5〜3.5の範囲内であり、及び▲3▼カーボンブラック或いはグラファイトが全固形分に対して14重量%〜22重量%の範囲内であることを特徴とするPTC導電性塗料。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
本発明は、PTC導電性塗料に関し、さらに詳しくは、床暖房システムに好適な面状発熱体を得るのに適したPTC導電性塗料に関するものである。また、本発明はPTC面状発熱体に関するものである。
従来、電気式発熱体として、約100℃以下の低温領域において自己温度制御性(PTC特性:電気抵抗の正温度係数の略であり、温度上昇につれて電気抵抗が大きくなる性質)を有しない抵抗発熱体、たとえばニクロム線を使用した発熱体は広く利用されている。しかし、この発熱体の宿命的欠陥は、温度が、実用上または安全上好ましくない程度に高い領域までに上昇する危険があり、複雑な過熱防止機構が必要であった。また、線状の発熱体であるので、面状発熱体として用いるには、ニクロム線の工夫された配置と高性能な均熱材が必要となる。
また、PTC特性を有する導電性塗料をたとえば繊維布帛上に形成し、これを面状発熱体として使用することが知られている。導電性塗料にPTC特性を付与する付与剤としてパラフィンが知られている。一般的にパラフィンはその融点が低く、60℃内外であるのが通常である。かかるパラフィンを用いた導電性インクは、これから得られる面状発熱体が比較的低い温度で軟化してしまうという欠陥を有している。
面状発熱体に用いられるパラフィン使いのPTC導電性インクは、導電性物質としてのカーボンブラック或いはグラファイト、PTC付与剤としてのパラフィン、構造材としての熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂等の樹脂成分、及び溶剤から構成されているものが一般的である。そして、かかるPTC導電性塗料から面状発熱体を取得する典型的な製法は、該塗料を繊維布帛あるいはフィルム等に塗布し、ついで、熱硬化性樹脂使いの場合は架橋のための焼成、乾燥、及びエイジング等の処理を順次施すという工程からなる。このようにして得られる従来の面状発熱体は、柔軟性に欠けて耐屈曲性に劣り、屈曲を繰り返すことにより亀裂が生じ抵抗を無視し得ないほど変化させてしまうとか、上述した様にパラフィンの融点が低いことに起因して耐熱安定性に欠けるとか、極めて高いPTC倍率の取得が困難であるとか、および長期間使用後の経時変化を免れ得ないものがあるとか等の欠陥を有し面状発熱体の典型的用途である床暖房システムに適するものが極めて少ない。
発明が解決しようとする課題
従って、本発明の目的は、優れた柔軟性及び充分な耐熱安定性を有し、使用による経時変化が極めて少なく、70℃〜85℃の温度範囲で極めて高いPTC倍率を有し、かつ形態安定性の良好な面状発熱体を提供しうる新規なPTC導電性塗料を提供することにある。
課題を解決するための手段
本発明者らが、鋭意検討した結果、本発明の上記目的は下記の構成を有する本発明によって工業的に有利に達成された。
〔1〕カーボンブラック或いはグラファイト、パラフィン、熱可塑性エラストマ、及び溶剤を含有する塗料において、▲1▼パラフィンの融点が70℃〜85℃の範囲内であり、▲2▼パラフィンのカーボンブラック或いはグラファイトに対する重量比が1.5〜3.5の範囲内であり、及び▲3▼カーボンブラック或いはグラファイトが全固形分に対して14重量%〜22重量%の範囲内であることを特徴とするPTC導電性塗料。
〔2〕更に結晶性熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする上記〔1〕記載のPTC導電性塗料。
〔3〕結晶性熱可塑性樹脂の使用量が熱可塑性エラストマに対して35重量%以下であることを特徴とする上記〔2〕記載のPTC導電性塗料。
〔4〕更に未硬化の熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のPTC導電性塗料。
〔5〕固溶比が1:1.5〜4であることを特徴とする上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のPTC導電性塗料。
〔6〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のPTC導電性塗料を繊維布帛に塗布・焼成せしめてなるPTC面状発熱体。
本発明の最大の特徴は、特定のパラフィンの使用、パラフィンの使用量の限定、カーボンブラック或いはグラファイトの使用量を低い特定範囲に限定すること、及び特定の樹脂成分の使用により、優れた柔軟性及び充分な耐熱安定性を有し、使用による経時変化が極めて少なく、70℃〜85℃において極めて高いPTC倍率を有し、かつ形態安定性の良好な面状発熱体を提供することを可能にするPTC導電性塗料を提供した点にある。
本発明において、PTC導電性塗料は、グラファイト或いはカーボンブラック、パラフィン、熱可塑性エラストマを含む樹脂成分、及び溶剤からなる。グラファイト或いはカーボンブラックが導電性付与材であり、パラフィンがPTC付与材であり、そして熱可塑性エラストマとは樹脂成分であっていわゆる構造材としての機能を果たし、これらが固形成分である。かかる固形成分と溶剤との比を固溶比という。
本発明において、カーボンブラック或いはグラファイトが全固形分に対して14重量%〜22重量%の範囲内であることが必要であり、好ましくは16重量%〜18重量%の範囲内である。この値が14重量%未満であると、初期電気抵抗が高くなりすぎ、また22重量%を超えると、所望とするPTC特性、とりわけ高いPTC倍率を取得することが困難となる。カーボンブラック或いはグラファイトは、如何なる種類のものも使用可能である。この導電性物質は、通常、微細粉末状で用いられる。
本発明において、パラフィンは、その融点が70℃〜85℃の範囲内であることが必要である。融点が70℃未満では、耐熱性が劣り、かつ低い温度で軟化する恐れが生じる傾向にあり、85℃を超える、PTC特性が充分発揮される温度が高くなりすぎ、別途温度をコントロールするための工夫が必要となる。パラフィンの融点の更に好ましい範囲は75℃〜85℃の範囲である。パラフィンには製造由来から石炭系と石油系があるが、本発明においてはいずれも採用可能である。パラフィンのカーボンブラック或いはグラファイトに対する重量比が1.5〜3.5の範囲内であることが必要であり、1.5未満であると、所望のPTC倍率を付与することが困難であり、また3.5を超えると、カーボン濃度を低くさせる結果を招来し、初期電気抵抗が高くなりすぎる恐れがあり、好ましくない。
本発明において、パラフィンが熱可塑性エラストマを含む樹脂成分及びパラフィンの合計量に対して40重量%〜80重量の範囲内であることが好ましい。この値が40重量%未満であると所望のPTC倍率を付与することが困難となり、また80重量%を超えると、構造材としての樹脂成分が少なくなりすぎ、得られる面状発熱体の機械的物性が損なわれる恐れがある。より好ましい範囲は50重量%〜70重量%である。本発明に使用されるパラフィンはイソパラフィン含有量の少ないものが大きなPTC倍率を得るために好ましい。またパラフィンは微粉末状であることが好ましい。
本発明において使用できる熱可塑性エラストマとしては特に制限がなく、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体、水素添加型スチレン・ブタヂエンランダム共重合体、動的加硫型ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ、ポリエステル系熱可塑性エラストマ、ポリアミド系熱可塑性エラストマ、エチレン−酢酸ビニル系熱可塑性エラストマ、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマ、フッソゴム系熱可塑性エラストマ、トランス−ポリイソプレン系熱可塑性エラストマ、および塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマ等が挙げられる。
本発明において、樹脂成分として更に結晶性熱可塑性樹脂を併用することができる。かかる併用は、面状発熱体に適度な柔軟性を付与するのに好ましい。この場合、結晶性熱可塑性樹脂の使用量は熱可塑性エラストマに対して35重量%以下であることが好ましい。35重量%を超えると、面状発熱体が剛直になりすぎ好ましくないのである。
本発明において使用できる結晶性熱可塑性樹脂としては、特に制限がなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリイミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルファイド、およびポリパラキシレン等が挙げられる。
本発明において、熱可塑性エラストマと結晶性熱可塑性樹脂とは、同じモノマ単位を有するものの組み合わせで使用することが、両者の良好な相溶性の観点から、好ましく、即ち、熱可塑性エラストマとしてスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体、水素添加型スチレン・ブタヂエンランダム共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマを使用する場合は、結晶性熱可塑性樹脂としてポリスチレンを使用するのが好ましい。
本発明において、樹脂成分として更に未硬化の熱硬化性樹脂を使用することができる。かかる未硬化の熱硬化性樹脂としては、塗料用として通常用いられるフェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン系樹脂、およびアルキド・メラミン系樹脂等が挙げられる。なかでも、アルキド樹脂およびアルキド・メラミン系樹脂が好ましく用いられる。
本発明において、固溶比とは、固体成分に対する液体成分の重量比を意味し、具体的にはカーボンブラック或いはグラファイト、パラフィン、熱可塑性エラストマを含有する樹脂成分の合計重量に対する溶剤重量の比である。固溶比が1:1.5〜4であることが、適度な粘度を有することになり、取り扱い上好ましい。
本発明にかかるPTC導電性塗料の製法は特に制限を受けないが、典型的な製法は次の通りである。すなわち、次の順序の工程により製造される。(1)加熱された攪拌容器に芳香族系の溶剤を入れ、40〜60℃の温度まで加熱する、(2)熱可塑性エラストマ及び結晶性熱可塑性樹脂からなる樹脂成分を加える、(3)パラフィンを添加し、すべての固形分が溶解乃至十分分散するまで、攪拌を続ける、(4)カーボンブラックまたはグラファイトの導電性微細粉体を加え、滑らかなペーストが形成されるまで攪拌する、そして、(5)そのペーストを、この導電性微細粉体の実質的に均一な分散体となるまで混練する。
かくして得られるPTC導電性塗料は、面状発熱体用として好適に用いられ、とりわけ床暖房用面状発熱体用として最も好適に用いられる。
このPTC導電性塗料から面状発熱体を得る方法としては高分子フィルムあるいは繊維シートに該塗料を塗布・焼成する方法が典型的である。以下繊維シートに塗布・焼成する方法について詳述すると、繊維シートとしての繊維布帛には、予め電極線を内包するものを用いるのが好ましく、またかかる繊維布帛としては、綿、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ビニロン系繊維等、又はこれらのうち少なくとも1種を含む紡績糸、又は混繊糸等よりなる繊維糸条を経糸及び/又は緯糸に配し、その経糸及び又は緯糸の一部に銅線又はこれに代わる良導電性線条物を所定間隔で配置した繊維織物が挙げられる。焼成のための加熱方法としては、たとえば、遠赤外線照射、マイクロウエーブ照射、誘電加熱等が利用出来るが、これらに限定されるものではなく、適切な温度管理が可能なものであればよく、また、導電性塗料の溶媒の発散速度に塗膜の表面と内部とで差ができない方法が好ましい。
PTC導電性の面状発熱体の製法として糸に導電性塗料を含浸させて得たものを使用する方法もある。糸にPTC導電性塗料を含浸させてPTC導電性を付与せしめた糸を編織することにより繊維綿布となし、これを用いるのである。この場合、電極に用いる電極線も任意の素材を選択することが出来、編織の際任意の形状に挿入することができる。また、面状発熱体の横糸の方向に電圧を加えると、縦糸には殆ど電圧が加わらず、発熱機能を発揮しない。この場合、面布に導電性塗料を含浸させた糸を使用し、導電性塗料を含浸させていない糸との組み合わせで編織すれば、電圧が加わる方向の糸のみに、発熱機能を付与させることで、塗料の節約が可能となる。この場合、導電性塗料を含浸させる糸に、たとえば、ナイロン等のような引張強度の高い繊維を撚り合わせたケーブルを使用することにより発熱体の強度を増強することが出来る。
本発明により得られる面状発熱体の典型的構造を示すのが図1である。図1において、それぞれ、1は発熱シート、2、3および4は電極、5は電源線、6、7、及び8は接続点である。幅(W)250mmの発熱シートの両端部と中央部とに電極が設けられている。2本の電源線が電極に接続される。発熱シートの長さは、典型的仕様では600mm、1750mm、2650mmである。例えば、6帖用は1750mmの長さのものを10枚、8帖用は2650mmのものを10枚、12帖用は2650mmのものを15枚、キッチン・トイレ用は600mmのものを3枚、それぞれ連結される。図2にその連結の様子を示した。
本発明にかかるPTC導電性面状発熱体は、種々な用途、例えば暖房用床パネル、ビニールハウス用暖房機器、除霜・水凍結防止ヒーター、調理器、融雪機器、便座装置、屋外用座席、および植物乾燥器等に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
アセチレンブラック(電気化学社製:デンカブラック)2.5kg、をエチレン/プロピレン/スチレンコポリマー(シェル社製:KratonG1701)3.8kg、ポリスチレン1.2kg、融点83℃のパラフィン7.5kg、及びMEK/キシレン=20/80の混合溶媒15kgよりなる溶液に添加し、充分撹拌した後、3本ロールにより混練して均一なペーストとした後、これを1.5倍量のキシレンで希釈・撹拌して発熱材を含むコーティング液を調整した。
一方、約1mmの間隔で整経したポリエステル/綿混紡糸(20/2メートル番手)の中に良導電性線条物として275dtex/fのポリエステルフィラメント糸の表面に幅約0.3mmの銅箔を巻いたカバーリング糸5本を引き揃えて中央部と両端部に3本の電極を配置し、緯糸にポリエステル/綿混紡糸(20/2メートル番手)を用いて約1mm間隔で打ち込んで幅約250mmの目の粗い織物を形成し、得られた織物を上記コーティング液に浸漬して、軽くロールで絞った後、加熱乾燥した。かくして、PTC導電性の長さ600mm面状発熱体を得た。ロールでの絞りの調整および予備実験等により面状発熱体は25℃における電力密度が約400W/mになるように作成した。
取得した面状発熱体の特性は下記の通りであった。
▲1▼厚さ:0.4mm
▲2▼25℃における電力密度:410W/m
▲3▼45℃における電力密度:293W/m
▲4▼80℃における電力密度:12W/m
この面状発熱体は、極めて薄く、柔軟性に富み、発熱性能が抜群であり、しかもPTC倍率が極めて高く優れた安全性を具備しているものであった。
〔実施例2〕
アセチレンブラック(電気化学社製:デンカブラック)2.8kg、をエチレン/プロピレン/スチレンコポリマー(シェル社製:KratonG1701)3.8kg、ポリスチレン1.2kg、融点83℃のパラフィン7.2kg、及びMEK/キシレン=20/80の混合溶媒15kgよりなる溶液に添加し、充分撹拌した後、3本ロールにより混練して均一なペーストとした後、これを1.5倍量のキシレンで希釈・撹拌して発熱材を含むコーティング液を調整した。
実施例1と同じ織物を上記コーティング液に浸漬して、軽くロールで絞った後、加熱乾燥した。かくして、PTC導電性の長さ600mmの面状発熱体を得た。ロールでの絞りの調整および予備実験等により面状発熱体は25℃における電力密度が約390W/mになるように作成した。
取得した面状発熱体の特性は下記の通りであった。
▲1▼厚さ:0.4mm
▲2▼25℃における電力密度:380W/m
▲3▼45℃における電力密度:275W/m
▲4▼80℃における電力密度:16W/m
この面状発熱体は、極めて薄く、柔軟性に富み、発熱性能が抜群であり、しかもPTC倍率が極めて高く優れた安全性を具備しているものであった。
〔実施例3〕
アセチレンブラック(電気化学社製:デンカブラック)3.1kg、をエチレン/プロピレン/スチレンコポリマー(シェル社製:KratonG1701)3.8kg、ポリスチレン1.2kg、融点83℃のパラフィン6.9kg、及びMEK/キシレン=20/80の混合溶媒15kgよりなる溶液に添加し、充分撹拌した後、3本ロールにより混練して均一なペーストとした後、これを1.5倍量のキシレンで希釈・撹拌して発熱材を含むコーティング液を調整した。
実施例1と同じ織物を上記コーティング液に浸漬して、軽くロールで絞った後、加熱乾燥した。かくして、PTC導電性の長さ600mmの面状発熱体を得た。ロールでの絞りの調整および予備実験等により面状発熱体は25℃における電力密度が約450W/mになるように作成した。
取得した面状発熱体の特性は下記の通りであった。
▲1▼厚さ:0.4mm
▲2▼25℃における電力密度:455W/m
▲3▼45℃における電力密度:337W/m
▲4▼80℃における電力密度:23W/m
この面状発熱体は、極めて薄く、柔軟性に富み、発熱性能が抜群であり、しかもPTC倍率が極めて高く優れた安全性を具備しているものであった。
発明の効果
本発明によれば、特定のパラフィンの使用、パラフィン及びカーボンブラックの使用量の限定、及び特定の樹脂成分の使用により、優れた柔軟性及び充分な耐熱安定性を有し、使用による経時変化が極めて少なく、70℃〜85℃において極めて高いPTC倍率を有し、かつ形態安定性の良好な面状発熱体を提供することを可能にするPTC導電性塗料を提供することが出来た。
本発明に係るPTC面状発熱体の構造を示す。 本発明に係るPTC面状発熱体の連結状態を示す。
符号の説明
1:発熱シート
2、3、及び4:電極
5:電源線
6、7、及び8:接続点
W:幅

Claims (6)

  1. カーボンブラック或いはグラファイト、パラフィン、熱可塑性エラストマ、及び溶剤を含有する塗料において、▲1▼パラフィンの融点が70℃〜85℃の範囲内であり、▲2▼パラフィンのカーボンブラック或いはグラファイトに対する重量比が1.5〜3.5の範囲内であり、及び▲3▼カーボンブラック或いはグラファイトが全固形分に対して14重量%〜22重量%の範囲内であることを特徴とするPTC導電性塗料。
  2. 更に結晶性熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載のPTC導電性塗料。
  3. 結晶性熱可塑性樹脂の使用量が熱可塑性エラストマに対して35重量%以下であることを特徴とする請求項2記載のPTC導電性塗料。
  4. 更に未硬化の熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のPTC導電性塗料。
  5. 固溶比が1:1.5〜4であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のPTC導電性塗料。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のPTC導電性塗料を繊維布帛に塗布・焼成せしめてなるPTC面状発熱体。
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