JP2005149945A - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびそれを用いた画像表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびそれを用いた画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 両面から発光光が取り出せ、しかも、外光を遮断して視認性を向上させることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子およびそれを用いた画像表示装置を提供する。
【解決手段】 当該有機層1の両側であって、有機層1および透明電極2を保護するために設けられた透明基板4の外側のそれぞれに円偏光フィルタ3(3R,3L)が設けられることにより、発光層における発光光を両側から取り出しつつ、外光の透過を防止し、透明電極2における外光反射を防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、陰極および陽極の双方に透明電極を用い、両面から発光を可能にする有機エレクトロルミネッセンス素子およびそれを用いた画像表示装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略記することもある)は、電界を印加することにより陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子の再結合エネルギーにより、蛍光性または燐光性物質が発光する原理を利用した自発光素子である。通常の有機EL素子においては、陽極として透明導電膜である酸化インジウム錫(ITO)を用い、陰極として電子注入に対する電位障壁を小さくする観点から、仕事関数の小さいマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、リチウム(Li)等の金属電極が用いられる。もちろん、耐久性の向上や有機膜との密着性を考慮して、適宜合金化したり、銀(Ag)やアルミニウム(Al)等で保護する等の方策もとられている。これらの金属電極は、通常用いられる厚さにおいて不透明な反射性電極である。したがって、これらの電極間に挟持された有機膜から得られる発光光は、直接透明電極側から取り出されるか、または反射性電極で反射され、やはり透明電極側から取り出される。すなわち、透明電極側である一方の面からのみ発光光が取り出されることとなる。
これらの有機EL素子を画像表示装置等に用いる場合、この反射性電極による外光反射が大きな課題となる。すなわち、従来の有機EL素子は、反射性電極において鏡面反射が生じているため、特に、明室下、昼光下において、外光が表示画面に映りこみ、画像表示装置においてコントラストの低下を招き、視認性が著しく低下してしまう問題があった。
上記課題を解決するために、有機EL素子の透明電極側に円偏光フィルタを設ける構成が公知である(例えば、特許文献1〜3)。透明電極側に円偏光フィルタを設けることで、外光が金属電極で鏡面反射することを防止することができる。
一方、有機EL素子に用いる電極を両方とも透明電極とし、発光光を両面から取り出す有機EL素子の構成も公知である。このような両面光取り出し可能な有機EL素子が作製可能になると、低電圧駆動、高効率、薄型・軽量、広視野角等、有機EL素子の応用範囲はさらに広がる。例えば、置時計等の装飾品に用いることにより、意匠性を高めたり、販売店のガラスウィンドウに文字を表示させたり、非常口等の表示灯に用いたりすることが可能である。この場合、従来の液晶表示装置を用いたものと比較して、格段に薄型化、軽量化でき、しかも極めてシンプルな構造で実現可能となる。
このような両面光取り出し可能な有機EL素子を特にディスプレイに用いる場合、有機層の両側にある電極が双方とも透明電極であるため、上述した片側発光の有機EL素子のように金属電極からの強い鏡面反射はなく、片側発光のものに比較すれば視認性のよい画像表示装置が得られる。しかしながら、透明であるがゆえに、表面および裏面での反射光(外光反射)、さらには背景に反射物がある場合は、視認性が著しく低下してしまう問題があった。この際、液晶ディスプレイに用いられるように、有機EL素子を直線偏光板のクロスニコル間に挟んだ構造にすることにより、外光の透過をある程度防止することはできる。しかし、さらなる視認性の向上には、屈折率の比較的高い透明電極における反射光等も完全に防止できることが望まれている。
すなわち、透明電極に用いられるITOや酸化錫、酸化亜鉛等は、その屈折率が1.8〜2.0と比較的高く、ガラス基板等との屈折率差が大きいため、わずかに外光反射が大きくなるという問題がある。
特開平7−142170号公報 特開平8−321381号公報 特開平9−127885号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するべくなされたもので、両面から発光光が取り出せ、しかも、外光を遮断して視認性を向上させることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子およびそれを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも発光層を含む有機層と、当該有機層の両面にそれぞれ設けられた透明電極と、それぞれの前記透明電極の外側に設けられた円偏光フィルタとを具備するものである。
上記構成の有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、発光層を含む有機層の両面を透明電極で挟持されており、当該透明電極に電圧を印加することにより、発光層が発光し、当該発光層における発光を有機層の両側から取り出すことができる。そして、当該有機層の両側に円偏光フィルタがそれぞれ設けられることにより、発光層における発光光を両側から取り出しつつ、外光の透過を防止し、透明電極における外光反射を防止することができる。
したがって、両面から発光光が取り出せ、しかも、外光を遮断して視認性を向上させることができる。
一の好ましい態様として、前記円偏光フィルタは、一方が右円偏光フィルタであり、他方が左円偏光フィルタであるように構成される。
この場合、右円偏光フィルタ側から外光が入射すると、右円偏光フィルタにおいて入射光が右円偏光光となり、有機層を通過する。そして、当該右円偏光光が反対側の左円偏光フィルタに入射するが左円偏光フィルタにおいては左円偏光成分しか通過できないため、当該左円偏光成分を持たない右円偏光光は、左円偏光フィルタを通過できず、素子の外へ光が出ることがない。また、入射した右円偏光光が透明電極において鏡面反射した場合、当該鏡面反射によって、右円偏光光の位相が180°反転して左円偏光光となり、再び右円偏光フィルタに入射する。右円偏光フィルタにおいては右円偏光成分しか通過できないため、当該右円偏光成分を持たない左円偏光光は、右円偏光フィルタを通過できず、素子の外へ光が出ることがない。左円偏光フィルタ側から外光が入射した場合も同様に、右円偏光フィルタ側から透過光が素子の外へ出ることがなく、反射光も左円偏光フィルタ側から反射光が素子の外へ出ることもない。
したがって、発光層の両側に形成する円偏光フィルタの組み合わせとして、互いに逆回りの円偏光成分を通過可能な円偏光フィルタを形成することにより、外光の透過および反射を防止することができ、発光層における発光のみを通過可能にすることができるため、コントラストが高く、視認性のよりよい発光表示が可能となる。
他の好ましい態様として、前記円偏光フィルタは、双方が右円偏光フィルタである、または、双方が左円偏光フィルタであるように構成される。
双方が右円偏光フィルタである場合、一方から外光が入射すると、右円偏光フィルタにおいて入射光が右円偏光光となり、有機層を通過する。そして、当該右円偏光光が反対側の右円偏光フィルタに入射すると、右円偏光フィルタにおいては右円偏光成分が通過可能なため、そのまま右円偏光光が素子の外へ透過する。一方、入射した右円偏光光が透明電極において鏡面反射した場合、当該鏡面反射によって、右円偏光光の位相が180°反転して左円偏光光となり、再び右円偏光フィルタに入射する。右円偏光フィルタにおいては右円偏光成分しか通過できないため、当該右円偏光成分を持たない左円偏光光は、右円偏光フィルタを通過できず、素子の外へ光が出ることがない。双方が左円偏光フィルタである場合も同様に、入射した側へ鏡面反射した反射光は素子の外へ出ることがないが、反対側へ透過した透過光は素子の外へ透過する。
したがって、発光層の両側に形成する円偏光フィルタの組み合わせとして、双方とも同じ回転方向への円偏光成分を通過可能な円偏光フィルタを形成することにより、外光の反射のみ防止し、透過は許すことができるため、ショーウィンドウ等に用いた際に、有機エレクトロルミネッセンス素子を介して反対側を視認可能としつつ、発光層による発光表示も視認性よくすることができる。
本発明に係る画像表示装置は、上記構成の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたものである。
上記構成の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いて画像表示装置を形成することにより、両面から発光光が取り出せ、しかも、外光を遮断して視認性を向上させることができ、画像表示装置として様々な用途に使用可能となる。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、有機層の両側に円偏光フィルタがそれぞれ設けられることにより、発光層における発光光を両側から取り出しつつ、外光の透過を防止し、透明電極における外光反射を防止することができる。したがって、両面から発光光が取り出せ、しかも、外光を遮断して視認性を向上させることができる。
そして、上記構成の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いて画像表示装置を形成することにより、両面から発光光が取り出せ、しかも、外光を遮断して視認性を向上させることができ、画像表示装置として様々な用途に使用可能となる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す図である。
本実施の形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略記する場合がある)は、図1に示すように、少なくとも発光層を含む有機層1と、当該有機層1の両面にそれぞれ設けられた透明電極2と、それぞれの前記透明電極2の外側に設けられた円偏光フィルタ3とを具備するものである。そして、本実施形態において、前記円偏光フィルタ3は、一方が右円偏光フィルタ3Rであり、他方が左円偏光フィルタ3Lであるように構成される。右円偏光フィルタ3Rとは、入射した光の右円偏光成分のみを通過させ、それ以外の成分を吸収するフィルタをいい、左円偏光フィルタ3Lとは、入射した光の左円偏光成分のみを通過させ、それ以外の成分を吸収するフィルタをいう。
図1の有機EL素子によれば、発光層を含む有機層1の両面を透明電極2で挟持されており、当該透明電極2に電圧を印加することにより、発光層が発光し、当該発光層における発光光を有機層1の両側から取り出すことができる。そして、当該有機層1の両側であって、有機層1および透明電極2を保護するために設けられた透明基板4の外側のそれぞれに円偏光フィルタ3(3R,3L)が設けられることにより、発光層における発光光を両側から取り出しつつ、外光の透過を防止し、透明電極2における外光反射を防止することができる。
より詳しく説明する。発光層(有機層1)において発光した発光光は、右円偏光フィルタ3Rおよび左円偏光フィルタ3Lにそれぞれ達し、右円偏光フィルタ3Rにおいては右円偏光光C1Rとして、左円偏光フィルタ3Lにおいては左円偏光光C1Lとしてそれぞれ外部へ透過する。
一方、右円偏光フィルタ3R側から外光が入射すると、右円偏光フィルタ3Rにおいて入射光が右円偏光光D1Rとなり(右円偏光成分以外は吸収され入射できない)、有機層1を通過する。そして、当該右円偏光光D1Rが反対側の左円偏光フィルタ3Lに入射するが左円偏光フィルタ3Lにおいては左円偏光成分しか通過できないため、当該左円偏光成分を持たない右円偏光光D1Rは、左円偏光フィルタ3Lを通過できず(吸収され)、素子の外へ光が出ることがない。また、入射した右円偏光光D1Rが透明電極2において鏡面反射した場合、当該鏡面反射によって、右円偏光光D1Rの位相が180°反転して左円偏光光D2Lとなり、再び右円偏光フィルタ3Rに入射する。右円偏光フィルタ3Rにおいては右円偏光成分しか通過できないため、当該右円偏光成分を持たない左円偏光光D1Lは、右円偏光フィルタ3Rを通過できず(吸収され)、素子の外へ光が出ることがない。左円偏光フィルタ3L側から外光が入射した場合も同様に、右円偏光フィルタ3R側から透過光(左円偏光光D1R)が素子の外へ出ることがなく、反射光(左円偏光光D2R)も左円偏光フィルタ3L側から反射光が素子の外へ出ることがない。すなわち、素子内部に入射された外光は、比較的屈折率の高い透明電極2の界面やその他配線、画素隔壁等に起因するわずかな反射光も含めて、素子の両側に設けられた円偏光フィルタ3によりすべて吸収されることとなる。
したがって、発光層の両側に形成する円偏光フィルタ3の組み合わせとして、互いに逆回りの円偏光成分を通過可能な円偏光フィルタ3(3R,3L)を形成することにより、外光の透過および反射を防止することができ、発光層における発光のみを通過可能にすることができるため、コントラストが高く、視認性のよりよい発光表示が可能となる。
このような有機EL素子を用いることにより、表示画面としてあたかも真っ黒な不透明基板の両面から鮮やかなEL発光光を得ることができる画像表示装置とすることができる。
次に、本発明に係る他の実施形態について説明する。図2は本発明の第2実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す図である。図1と同様の構成については同じ符号を付し説明を省略する。
本実施形態において、第1実施形態と異なるのは、前記円偏光フィルタ3は、双方が右円偏光フィルタ3Rである、または、双方が左円偏光フィルタ3Lであるように構成される。
双方が右円偏光フィルタ3Rである場合、一方から外光が入射すると、右円偏光フィルタ3Rにおいて入射光が右円偏光光D1Rとなり、有機層を通過する。そして、当該右円偏光光D1Rが反対側の右円偏光フィルタ3Rに入射すると、右円偏光フィルタ3Rにおいては右円偏光成分が通過可能なため、そのまま右円偏光光D1Rが素子の外へ透過する。一方、入射した右円偏光光D1Rが透明電極2において鏡面反射した場合、当該鏡面反射によって、右円偏光光D1Rの位相が180°反転して左円偏光光D2Lとなり、再び右円偏光フィルタ3Rに入射する。右円偏光フィルタ3Rにおいては右円偏光成分しか通過できないため、当該右円偏光成分を持たない左円偏光光D2Lは、右円偏光フィルタ3Rを通過できず、素子の外へ光が出ることがない。双方が左円偏光フィルタ3Lである場合も同様に、入射した側へ鏡面反射した反射光は素子の外へ出ることがないが、反対側へ透過した透過光は素子の外へ透過する。
したがって、発光層の両側に形成する円偏光フィルタ3の組み合わせとして、双方とも同じ回転方向への円偏光成分を通過可能な円偏光フィルタ3を形成することにより、外光の反射のみ防止し、透過は許すことができるため、外見上は透明なスケルトンタイプの有機EL素子が得られ、ショーウィンドウ等に用いた際に、有機エレクトロルミネッセンス素子を介して反対側を視認可能としつつ、発光層による発光表示の視認性をよくすることができる。
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。本発明において、例えば、特開2001−244080号公報、特開2001−357979号公報、特開2002−216067号公報に記載されるような、発光層を含む有機層1と円偏光フィルタ3との間に、コレステリック液晶層のような反射型偏光子を設けることとしたものである。この場合、円偏光フィルタで本来吸収される光を一部再利用し、輝度を高めることも可能である。ただし、輝度が増加する面においては、外光反射も増加してしまう場合があるため、コレステリック液晶層の選択反射波長範囲を所定の波長域でのみ有効にすることが好ましい。例えば、片側のみコレステリック液晶層の反射色を呈するような意匠性のある有機EL素子とすることができる。これらの構成は、円偏光フィルタ3とコレステリック液晶層の偏光特性やコレステリック液晶層の挿入位置等により多種多様に設計可能である。もちろん、コレステリック液晶層以外の反射型偏光子も適宜採用可能である。
より具体的な構成例を説明する。図3および図4は本発明の第3実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す図である。図3は有機層からの発光光の振る舞いを模式的に表したものであり、図4は有機EL素子に入射した外光の振る舞いを模式的に表したものである。本実施形態における有機EL素子は、図1の第1実施形態の有機EL素子における左円偏光フィルタ3Lの内側(透明基板4との間)に左コレステリック液晶層5Lを挿入した構成となっている。ここで、左コレステリック液晶層5Lとは、左円偏光は透過し、右円偏光は反射するような反射型偏光子を意味する。
まず、図3に示すように、発光層(有機層1)において発光した発光光のうち、右円偏光フィルタ3R側に到達した発光光は、図1と同様に右円偏光光C1Rとなり外部へ透過する。また、反対側に出た発光光は、左円偏光フィルタ3Lに到達する前に左コレステリック液晶層5Lに到達する。そして、左コレステリック液晶層5Lにおいて右円偏光成分が反射し、左円偏光成分が透過する。透過した左円偏光光C1Lは、左コレステリック液晶層5Lの外側にある左円偏光フィルタ3Lも透過し、外部へ取り出すことができる。反射した右円偏光光C2Rは、反対側の右円偏光フィルタ3Rに達し、これを透過するため、外部へ取り出すことができる。すなわち、発光層から左円偏光フィルタ3L側(左コレステリック液晶層5L側)に進む発光光は、左コレステリック液晶層5Lの介在により、両側から取り出すことができる。
したがって、左コレステリック液晶層5Lの反対側にある右円偏光フィルタ3R側の輝度が左円偏光フィルタ3L側の輝度より高くなるような両面光取り出し型の有機EL素子とすることができる。
一方、図4に示すように、右円偏光フィルタ3R側から外光が入射すると、右円偏光フィルタ3Rにおいて入射光が右円偏光光D1Rとなり(右偏光成分以外は吸収され入射できない)、有機層1を通過する。そして、当該右円偏光光D1Rが反対側の左円偏光フィルタ3Lの手前にある左コレステリック液晶層5Lに入射する。左コレステリック液晶層5Lにおいては右円偏光成分が反射するため、入射した右円偏光光D1Rがすべて左円偏光光D3Lとして反射し、再び右円偏光フィルタ3Rに素子の内側から入射する。しかし、右円偏光フィルタ3Rにおいては右円偏光成分しか通過できないため、当該左円偏光成分を持たない左円偏光光D3Lは、右円偏光フィルタ3Lを通過できず(吸収され)、素子の外へ光が出ることがない。
また、入射した右円偏光光D1Rが透明電極2において鏡面反射した場合、当該鏡面反射によって、右円偏光光D1Rの位相が180°反転して左円偏光光D2Lとなり、再び右円偏光フィルタ3Rに入射する。右円偏光フィルタ3Rにおいては右円偏光成分しか通過できないため、当該右円偏光成分を持たない左円偏光光D2Lは、右円偏光フィルタ3Rを通過できず(吸収され)、素子の外へ光が出ることがない。さらに、コレステリック液晶層5Lで反射した左円偏光光D3Lが透明電極2に鏡面反射した場合、当該鏡面反射によって、右円偏光光D4Rとなる。ところが、この右円偏光光D4Rは、再びコレステリック液晶層5Lに入射し、左円偏光光D5Lとして反射する。このように、コレステリック液晶層5Lで反射した左円偏光光D3L,D5L,…は、大部分が右円偏光フィルタ3Rで吸収され、一部が透明電極2で鏡面反射し、当該透明電極2と左コレステリック液晶層5Lとの間で(透過光の分が)減衰しながら反射を繰り返すこととなる。したがって、いずれにしても右円偏光フィルタ3R側から入射した外光は、外部に出ることはない。
左円偏光フィルタ3L側から外光が入射した場合、左円偏光フィルタ3Lにより左円偏光成分が透過し、これは左コレステリック液晶層5Lではそのまま通過するため、素子内に左円偏光光D1Lが入射する。その後、左円偏光光D1Lは、図1と同様に、右円偏光フィルタ3Rで全て吸収され、外部に出ることはない。
また、入射した左円偏光光D1Lが透明電極2に鏡面反射した場合、当該鏡面反射によって、右円偏光光D2Rとなるが、この右円偏光光D2Rは、左コレステリック液晶層5Lにおいて再び反射し、左円偏光光D3Lとなる。このように、コレステリック液晶層5Lで反射した左円偏光光D3L,D5L,…は、大部分が右円偏光フィルタ3Rで吸収され、一部が透明電極2で鏡面反射し、当該透明電極2と左コレステリック液晶層5Lとの間で(透過光の分が)減衰しながら反射を繰り返すこととなる。したがって、いずれにしても右円偏光フィルタ3R側から入射した外光は、外部に出ることはない。
以上より、素子内部に入射された外光は、比較的屈折率の高い透明電極2の界面やTFTおよびその他配線、画素隔壁等に起因するわずかな反射光も含めて、素子の両側に設けられた円偏光フィルタ3によりすべて吸収されることとなる。
そして、例えば、左コレステリック液晶層5Lの選択反射波長範囲が緑色の波長域(例えば、500〜550nm)に設定される場合、右円偏光フィルタ3R側の表示画面の緑色の発光輝度のみが高められる一方、表示画面(有機EL素子)自体は、左円偏光フィルタ3L側から見ると真っ黒で、右円偏光フィルタ3R側から見ると緑色の光沢を有するような素子とすることができる。しかも、右円偏光フィルタ3R側は、コレステリック液晶層の選択反射波長範囲の角度依存性により、見る角度により、緑色から青色に変化するような素子となり、特有の意匠性を発揮させることもできる。
なお、上記実施形態においては、左円偏光フィルタ3L側に左コレステリック液晶層5Lを設けているが、右円偏光フィルタ3R側に右コレステリック液晶層を設けることとしてもよい。また、選択反射波長範囲によっては、コレステリック液晶層を円偏光フィルタ3として用いることも可能である。
なお、上記の実施形態は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更、応用が可能である。上記の有機EL素子において、円偏光フィルタ3の代わりに直線偏光フィルタを用いても両面取り出し可能な有機EL素子を実現することは可能であるが、この場合、各界面における外光反射は完全に吸収することができず、視認性がよくない。また、直線偏光板を用いる場合、偏光光の偏波面が一定となるため、両側にある直線偏光板の吸収軸を正確に合わせる必要が生じ、コスト増となる。一方、円偏光フィルタ3は、偏波面が一定でないため、前記吸収軸の位置関係に関係なくそれぞれ配置可能であるため、軸合わせが必要なく、製造コストを抑えることができる。したがって、一旦大きい面積で円偏光板を製造し、それを必要なサイズに切り出して軸合わせをすることなく適宜貼り付ければよい。
ここで、円偏光フィルタ3の作製方法、構成、材料については従来からある円偏光フィルタ3を適用可能である。基本的には、吸収型直線偏光板の吸収軸と1/4波長板(位相差板)の遅相軸とが±45°の角度で交差するように積層することで得られる。したがって、本実施形態において、右円偏光フィルタ3Rおよび左円偏光フィルタ3Lは、いずれか一方を+45°の遅相軸を有するもの、いずれか他方を−45°の遅相軸を有するものと定義するものである。
なお、円偏光フィルタとは、楕円偏光フィルタも含む概念である。本発明において用いられる円偏光フィルタ3は、理想的には完全な円偏光分離可能な円偏光フィルタ(円偏光度100%)が好ましいが、必ずしも円偏光フィルタだけでなく楕円偏光フィルタも適用可能である。この場合、円偏光度が少なくとも90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上のものを適用可能である。
また、円偏光フィルタ3の形成に用いられる吸収型直線偏光板は、特に限定はなく、種々採用可能である。一般には、ポリビニルアルコールのごとき親水性高分子からなるフィルムをヨウ素のごとき二色性染料で処理して延伸したものや、ポリ塩化ビニルのごときプラスチックフィルムを処理してポリエンを配向させる等により偏光フィルムを形成したもの、あるいは、その偏光フィルムを封止フィルムでカバーして保護したもの等が用いられる。また、二色性色素やネマチック液晶中に色素を分散させたもの、また銀微粒子を分散させたフィルムを延伸処理したもの等でもよい。
また、1/4波長板は、一層の複屈折フィルムで形成することとしてもよいが、位相差の波長依存性を小さくし、可視光領域に渡って1/4波長として機能させるために、複数の複屈折フィルムを積層して形成することが好ましい。例えば、単色光に対して1/2波長の位相差を与える複屈折フィルムと、1/4波長の位相差を与える複屈折フィルムとをそれらの光軸を所定角度ずらした状態で積層することにより、1/4波長板を形成することができ、かつ、位相差の波長依存性を低減することができる。また、円偏光フィルタの角度依存性をよくするために、厚さ方向にも複屈折を有する位相差板を用いてもよい。また、高分子フィルム自体に逆波長分散性を持たせ、1枚の位相差フィルムで同様の効果をもたせることも可能である。このような1/4波長板の形成方法は、例えば、特許第3174367号公報、特許第2818983号公報、特開平2002−162519号公報等により参照可能である。なお、低コスト性を重視すれば、2枚が適当である。
円偏光フィルタ3の各複屈折フィルムや偏光板との復号化は、光学的異方性のないアクリル系透明粘着剤や接着剤を用いて行えばよい。
円偏光フィルタ3の材料についても特に限定されるものではなく、例えば、高分子フィルムを1軸または2軸等の延伸処理を適宜行う等により得ることができる。また、これらの延伸フィルムの厚さ方向の屈折率を制御するために、熱収縮性フィルムの接着下において、高分子フィルムを延伸処理する等の方法を用いることも可能である。
より具体的な材料としては、透明性に優れ、延伸処理が可能な、ポリカーボネート系高分子、ポリエステル系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテルスルホン系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、ポリメチルメタクリレート系高分子、ポリアリレート系高分子、およびポリアミド系高分子等が挙げられる。
また、位相差板に高分子フィルムを用いる代わりに、液晶ポリマーや紫外線硬化した液晶層等を用いてもよいし、これらの液晶層と位相差フィルムとを組み合わせて用いてもよい。例えば、1/4波長板を位相差フィルムで形成し、厚さ方向にのみ異方性を有する液晶層を角度補償層として用いることとしてもよい。このような技術は、例えば、特開2002−372623号公報、特開2000−327720号公報等により参照可能である。
液晶層を形成する液晶性化合物としては、棒状液晶性化合物が好ましい。液晶性化合物は、実質的に均一に配向していることが好ましく、実質的に均一に配向している状態で固定されていることがより好ましく、重合反応により液晶性化合物が固定されていることが最も好ましい。液晶性化合物の配向は、ホモジニアス配向にすることが好ましい。
棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類等が挙げられる。また、このような低分子液晶性化合物だけでなく、高分子液晶性化合物も採用可能である。
液晶性化合物を配向させる方法としては、例えば、前記位相差フィルム上に配向膜を形成し、この配向膜の配向処理表面に液晶性化合物の溶液を展開し、熱処理や光処理を施す方法等を用いることができる。
配向膜の形成においては、ポリマーの薄膜を形成し、その表面をラビング処理する方法や、光配向膜を用い、これを偏光照射する方法等が好ましい。ラビング処理は、ポリマー薄膜表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより施される。また、ポリマー薄膜は、複屈折のムラを防止するため、ソルベントキャスト法により製造されたものが好ましい。また、光配向性等の配向膜も好適に選択可能である。配向膜の厚さも種々適用可能であるが、好ましくは20〜500nmであり、より好ましくは50〜200nmであり、特に好ましくは50〜100nmである。
また、配向膜上に形成される液晶層の厚さは、配向の乱れや透過率低下の防止の観点より、一般に0.1〜10μmが好ましいが、所望の位相差値によって適宜決定され得る。
偏光板と位相差板とを積層する方法についても、特に限定されるものではなく、透明性の高い接着剤、粘着剤等を適宜使用することにより積層してもよい。より具体的には、偏光板の保護層として用いられるポリマーフィルム上に配向膜を形成し、その上に1/2波長の位相差を有する複屈折層または1/4波長の位相差を有する複屈折層を順次積層して位相差フィルムを形成した後、ポリマーフィルム側に偏光フィルムを接着剤や粘着剤により貼り付け、反対側に保護用のポリマーフィルムを貼り付けることにより形成することとしてもよい。
積層に用いられる接着剤や粘着剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等の透明な感圧接着剤等を適宜採用可能である。なお、光学フィルム等の光学特性の変化を防止する観点より、硬化や乾燥の際に高温過程を要しないものが好ましく、長時間の硬化処理や乾燥時間を要しないものが好ましい。また、加熱や加湿条件下においても剥離等を生じないものが好ましい。このような点から、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸等のモノマーを重合して得られる、質量平均分子量が10万以上、ガラス転移温度0℃以下のアクリル系ポリマーからなるアクリル系感圧接着剤が特に好ましく用いられる。アクリル系感圧接着剤は、透明性、耐候性および耐熱性等に優れる点からも好ましい。
なお、屈折率が異なるものを積層する場合には、反射損の抑制等の観点から、両者の中間の屈折率を有する接着剤等が好ましい。接着剤等には、必要に応じて、例えば、天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充填剤や、顔料、着色剤や酸化防止剤等の添加物等を適宜配合することも可能である。また、微粒子を含有させて光拡散性を示す接着剤層とすることもできる。さらに、円偏光フィルタ3の最表面に反射防止処理を施してもよい。例えば、直接多層膜を形成してもよいし、別途準備した反射防止フィルムを貼り合わせることとしてもよいし、適当なアンチグレア処理を施すこととしてもよい。
本発明において、両側に貼り合わせる円偏光フィルタ3の面積は同じである必要はなく、また、表示部分を両側で異なることとしてもよい。また、例えば、片側全面に右円偏光フィルタ3Rを設け、もう片側には、右円偏光フィルタ3Rおよび左円偏光フィルタ3Lを部分的に貼り分け、透過型の表示部と、非透過型の表示部とを1つの表示画面上に作り分けることも可能である。
また、本発明に用いられる有機EL素子において、透明電極2は、陽極および陰極がともに透明性を有していればよく、公知の透明電極2を採用可能である。この際、透明電極2の透過率は高いほど好ましく、少なくとも10%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上である。具体的な電極材料としては、ITOを代表とする酸化インジウムに酸化錫、酸化亜鉛等をドープした透明導電膜、アンチモンをドープした酸化錫、酸化亜鉛等が採用可能である。また、マグネシウム、銀、リチウム、フッ化リチウム、カルシウム等の金属を用いる場合であっても、それらの膜厚を光が十分透過できる程薄い厚さに形成して用いることも可能である。
その他、有機EL素子に用いられる透明基板4や他の構成要素等の材料についても低分子材料、高分子材料を問わず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々適用可能であり、有機EL素子の形成にあたっても、真空蒸着法、湿式塗布法等、制限なく使用可能である。
次に、本発明に係るより具体的な実施例を以下に示す。もちろん、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
まず、有機EL層を形成した。文献(Applied Physics Letters, Vol.72, pp.2138, (1988))を参照して、両面光取り出し型の有機EL層を作製した。ガラス基板の片側にITOセラミックターゲット(In23:SnO3=90wt%:10wt%)から、DCスパッタリング法を用いて、厚さ100nmのITO膜を形成し、透明電極2とした。その後、フォトレジストを用いてITOをエッチングし、発光面積が5mm×5mmとなるような複数のパターンを形成した。そして、超音波洗浄の後、低圧UVランプを用いてオゾン洗浄を行った。このITO面上に真空蒸着法により下記のような有機薄膜層を順次形成した。
(1)CuPc(化1)を蒸着速度0.3nm/sで10nm形成した。
(2)α−NPD(化2)を蒸着速度0.3nm/sで40nm形成した。
(3)Alq(化3)を蒸着速度0.3nm/sで40nm形成した。
(4)CuPc(化1)を蒸着速度0.3nm/sで10nm形成した。
その後、上記で形成されたサンプルを真空蒸着装置から取り出し、スパッタ装置において厚さ50nmのITO膜を形成した。スパッタ装置から取り出した後、紫外線硬化性エポキシ樹脂を滴下し、その上にスライドガラスを被せ、十分にエポキシ樹脂が広がった時点で、高圧UVランプを用いてエポキシ樹脂を硬化させ、素子を封止して有機EL層を形成した(これを偏光なしの有機EL素子としての参考例1とする)。
作製したサンプル(参考例1)の下部(ガラス基板側)のITO電極(厚さ100nm)を正、上部のITO電極(厚さ50nm)を負とすべく、20Vの直流電圧を印加したところ、Alqからの緑色発光がガラス基板側(下部)とスライドガラス側(上部)との両面から得られた。
次に、円偏光フィルタを形成した。図5は本発明の実施例における右円偏光フィルタの形成方法を示す図である。また、図6は本発明の実施例における左円偏光フィルタの形成方法を示す図である。
まず、屈折率1.59、厚さ50μmのポリカーボネートフィルムを150℃で5%延伸処理(延伸軸Y1)し、波長550nmの光に対して1/2波長の位相差を与える1/2波長板31を形成した。
続いて、屈折率1.51、厚さ100μmの環状ポリオレフィンフィルム(JSR社製、ARTON)を175℃で25%延伸処理(延伸軸Y2)し、波長550nmの光に対して1/4波長板32を形成した。
上記1/2波長板31と1/4波長板32と表面に蒸着膜による反射防止処理層が設けられた偏光板30(日東電工社製、SEG1425DU、ARSタイプ(吸収軸Y))とを、アクリル系粘着剤を介して図5に示す通りに光軸Xを合わせて貼り合わせ、右円偏光フィルタ3Rを形成した。同様に、図6に示す通りに光軸Xを合わせて貼り合わせ、左円偏光フィルタ3Lを形成した。そして、上記有機EL層(参考例1)のガラス基板(下部)表面に右円偏光フィルタ3Rを、反対側のスライドガラス表面に左円偏光フィルタ3Lを、それぞれアクリル系粘着剤を介して貼り合わせて、本発明の有機EL素子を形成した。
実施例1において、両面とも右円偏光フィルタ3Rを貼り合わせた以外は、実施例1と同様に本発明の有機EL素子を形成した。
(比較例1)
上記作製した有機EL層(参考例1)のガラス基板(サンプル下部)上に、表面に蒸着膜による反射防止処理層が設けられた偏光板30(日東電工社製、SEG1425DU、ARSタイプ)を貼り合わせ、その反対側の面に、偏光板の吸収軸Yが互いに直交するように偏光板30を貼り合わせて有機EL素子を形成した。
(比較例2)
比較例1において、偏光板30の吸収軸Yが互いに平行になるように、偏光板30を貼り合わせた以外は、比較例1と同様に有機EL素子を形成した。
(評価)
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2および参考例1の各有機EL素子について以下の評価を行い、その特性値を以下の表にまとめた。
(1)有機EL素子非発光時の透過率評価…大塚電子社製、マルチ測光システムMCPD3000を用い、発光部分の透過スペクトルを波長380nm〜780nmの範囲で測定した。その後、JIS R 3106に従い、視感度透過率を算出し、以下の表にまとめた。
(2)有機EL素子非発光時の反射率評価…大塚電子社製、マルチ測光システムMCPD3000を用い、発光部分の反射スペクトルをガラス基板側およびスライドガラス側からそれぞれ波長380nm〜780nmの範囲で測定した。その後、JIS R 3106に従い、視感度反射率を算出し、その平均値を以下の表にまとめた。
(3)明室コントラスト評価…暗室内にて、室内照明に用いるリング状の蛍光灯を有機EL素子から2m離れた正面位置に設置した。この状態で輝度計(トプコン社製、BM9)を用い、発光部分の輝度を測定した。輝度測定は、発光時(20V印加時)および非発光時について、それぞれガラス基板側およびスライドガラス側から行い、それぞれの平均値を求めた。その平均値から、
(明室コントラスト)=(発光時の輝度)/(非発光時の輝度)
を算出した。以下の表には、それぞれの輝度値および明室コントラストをまとめた。
参考例1の有機EL素子は透明性が高く、スケルトンタイプとして好適であり、しかも偏光板による発光光吸収がないため輝度自体は高いものとなったが、ITO電極等による反射が強く、明室コントラストは著しく低い結果となった。このような有機EL素子では、極めて視認性の悪い表示装置となってしまう。
一方、本発明に従って作製された実施例1の有機EL素子は、透過率が0.09%とほぼ0となり、実際の外観もあたかも真っ黒な基板から両面発光が得られていた。また、ITO電極の反射光やCuPcによる吸収等は、目視によってもほとんど視認できず、わずかに偏光板表面に映った反射防止膜の反射光が見受けられる程度であった。明室コントラストも十分に高く、昼光下での視認性も極めて良好であった。
これに対し、比較例1の有機EL素子は、実施例1の有機EL素子同様、透過率はほとんど0となったが、ITO電極の反射光が認められ、電極パターンが視認された。明室コントラストも1/4に低下した。
また、本発明に従って作製された実施例2の有機EL素子は、偏光板の吸収により透過率は低いが、スケルトンタイプとして十分な透明性があり、しかもITO電極等における外光反射はほとんど視認できなかった。ただし、ITOやCuPcによる光吸収は、透過型であるがゆえに実施例1に比べて多少目立つものであり、電極パターンが見える場合もあった。
これに対し、比較例2の有機EL素子は、ITOやCuPcによる光吸収と同時に、反射光による電極パターン等が容易に視認され、同じ透過型である実施例2の有機EL素子に比べ、明らかに見劣りするものとなった。
本発明の第1実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を示す図である。 本発明の実施例における右円偏光フィルタの形成方法を示す図である。 本発明の実施例における左円偏光フィルタの形成方法を示す図である。
符号の説明
1 有機層
2 透明電極
3R 右円偏光フィルタ
3L 左円偏光フィルタ

Claims (4)

  1. 少なくとも発光層を含む有機層と、
    当該有機層の両面にそれぞれ設けられた透明電極と、
    それぞれの前記透明電極の外側に設けられた円偏光フィルタとを具備することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記円偏光フィルタは、一方が右円偏光フィルタであり、他方が左円偏光フィルタであることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記円偏光フィルタは、双方が右円偏光フィルタである、または、双方が左円偏光フィルタであることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像表示装置。
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