JP5612713B2 - 偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置等に使用される偏光板及びこれを用いた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置等においては、表示を行うために偏光板が用いられている。
従来、この種の偏光板は、通常、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素等の2色性材料で染色し、ホウ酸水溶液中で延伸させて作製される偏光子の少なくとも片面に該偏光子を保護する保護フィルムとして透明なトリアセチルセルロースフィルムを積層させて製造されている。
ところで、通常、トリアセチルセルロースフィルムには、該トリアセチルセルロースフィルムに柔軟性等の機能を持たせるためリン酸系可塑剤が含有されている。
このようなトリアセチルセルロースフィルムを長時間高温高湿度の条件下に放置すると、該トリアセチルセルロースフィルムに含有されているリン酸系可塑剤に含まれる酸不純物によりリン酸系可塑剤が加水分解を起こし分解する。
一旦加水分解が始まると、加水分解により生成した分解物が触媒となり、リン酸系可塑剤及びトリアセチルセルロースフィルムの加水分解が加速され偏光板の耐久性が低下し、光学特性等が劣化するという問題を有している。
上記問題を解決するためトリアセチルセルロースフィルムとして特許文献1には、リン酸系可塑剤に含まれている酸不純物を減少させた可塑剤を用いたものが記載されている。
しかし、該リン酸系可塑剤に含まれている酸不純物を完全に除去することは技術的にも極めて困難であり、実用性に乏しい。
また、特許文献2には、リン酸系可塑剤に含まれている酸不純物を捕獲する機能を有するアミン系化合物を添加したものが記載されている。
しかし、酸不純物によるトリアセチルセルロースフィルムの劣化を防止できても添加したアミン系化合物により次第にトリアセチルセルロースフィルムが着色してくる問題がある。
そのため、加水分解を起こし易いリン酸系可塑剤の含有量の少ない、耐湿性の高いトリアセチルセルロースフィルムを用いた偏光板が求められている。
特開平6−16869号公報 特開平5−194789号公報
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、加水分解を起こし易いリン酸系可塑剤の含有量の少ない、耐湿性の高いトリアセチルセルロースフィルムを用いた偏光板を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決することを目的として鋭意検討した結果、トリアセチルセルロースフィルムに可塑剤としてグリコール酸系可塑剤又はフタル酸系可塑剤を含有することで、リン酸系可塑剤の含有量を少なくし、前記トリアセチルセルロースフィルムの片面に樹脂層を設けることで耐湿性を向上させ上記課題を解決できることを見いだし本発明を完成するに至った。
尚、ポリビニルアルコール及び2色性材料からなる偏光子の片面には、グリコール酸系可塑剤またはフタル酸系可塑剤を含有し、且つリン酸系可塑剤を0〜1重量%含有してなるトリアセチルセルロースフィルムが積層され、前記偏光子の他面には、ノルボルネン系フィルムが積層されている偏光板を提供する。
かかる構成であれば、加水分解が抑制され、耐湿性が向上できる。
発明は、 ポリビニルアルコール及び2色性材料からなる偏光子の片面には、グリコール酸系可塑剤またはフタル酸系可塑剤を含有し、且つリン酸系可塑剤を0〜1重量%含有してなるトリアセチルセルロースフィルムが積層され、前記偏光子の他面には、側鎖に置換又は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と側鎖に置換又は非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂とからなる透明フィルムが積層されており、前記トリアセチルセルロースフィルム面側に粘着層が備えられた偏光板を提供する。
かかる構成であれば、加水分解が抑制され、耐湿性が向上できる。
本発明に係る偏光板は、偏光子の保護フィルムとして、グリコール酸系可塑剤またはフタル酸系可塑剤を含有し、リン酸系可塑剤が0〜1重量%含有したトリアセチルセルロースフィルムを用いているため、該トリアセチルセルロースフィルムは従来品に比べて非常に加水分解を起こしにくく、偏光板の偏光度変化を少なくすることができ、偏光板の耐久性を向上させることができる。
以下、本発明に係る偏光板の実施形態について説明する。
本実施形態に係る偏光板は、ポリビニルアルコール及び2色性材料からなる偏光子の少なくとも片面にトリアセチルセルロースフィルムが積層された偏光板であって、偏光子の少なくとも片面に積層した前記トリアセチルセルロースフィルムは、グリコール酸系可塑剤またはフタル酸系可塑剤を含有し、且つリン酸系可塑剤を0〜1重量%含有されてなり、前記トリアセチルセルロースフィルムの表面には、透湿性が500g/m2・24hr以下の樹脂層が設けられている。
前記偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素等で染色し一軸延伸させて作製されるものであり、該ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸させることで作製される。尚、必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬してもよい。更に、必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬させ水洗してもよい。該ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することで該ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほか、該ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色ムラなどの不均一が防止される効果もある。
延伸は、ヨウ素で染色した後に行ってもよく、染色させながら行ってもよいし、ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中で行ってもよい。
前記偏光子としては、ポリビニルアルコール系フィルム(好ましくはポリビニルアルコールフィルム)とヨウ素等の2色性材料とからなる偏光子が好適である。該偏光子の厚さは、特に限定されるものではないが、通例5〜80μmである。
前記偏光子の片面又は両面に設けられる該偏光子を保護するための保護フィルムとしては、透明性・機械的強度等に優れるトリアセチルセルロースフィルムが好適である。
保護フィルムとして使用されるトリアセチルセルロースフィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、一般には500μm以下であり、1〜300μmが好ましく、特に5〜200μmがより好ましい。
また、偏光特性や耐久性等の点から、特に好ましく用いうるトリアセチルセルロースフィルムは、表面をアルカリなどでケン化処理されたものである。
本発明に用いるグリコール酸系可塑剤としては、特に限定されないが、分子内に芳香環又はシクロアルキル環を有するものを好適に用いることができる。好ましいグリコール酸系可塑剤としては、例えば、グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチル、グリコール酸メチルフタリルエチル等を挙げることができる。
尚、これらのグリコール酸系可塑剤は、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
グリコール酸系可塑剤をトリアセチルセルロースフィルムに含有させることで該フィルムの脆さを抑えたり、柔軟性を付与する効果を奏する。
前記グリコール酸系可塑剤の含有量は、トリアセチルセルロースフィルムに対して0.5〜20重量%であり、好ましくは1〜10重量%である。
前記グリコール酸系可塑剤の含有量が、20重量%を超えると高温高湿環境を経るとフィルムの寸法収縮が大きくなるという問題を有する。
また、前記グリコール酸系可塑剤の含有量が、0.5重量%未満では、フィルムの機械的強度が充分でなく脆くなり、加工性の点で充分でなくなるという問題を有する。
本発明に用いるフタル酸系可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジメチルイソフタレート等を挙げることができる。尚、これらのフタル酸系可塑剤は、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
トリアセチルセルロースフィルムへの前記フタル酸系可塑剤の含有量は、前記グリコール酸系可塑剤の場合とほぼ同等である。
なお、本発明に用いる可塑剤として、前記グリコール酸系可塑剤とフタル酸系可塑剤とを混合して用いることもできる。混合して用いる場合の混合割合は、適宜調整することができる。また、トリアセチルセルロースフィルムへの混合した可塑剤の含有量は、前記グリコール酸系可塑剤の場合とほぼ同等である。
本実施形態において、リン酸系可塑剤の含有量は、トリアセチルセルロースフィルムに対して0〜1重量%であり、好ましくは0.3〜1重量%である。
前記リン酸系可塑剤としては、下記の一般式(1)で表されるリン酸エステル系化合物を挙げることができる。
Figure 0005612713
式中、R、R1、R2はアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、それぞれは同じであっても、異なっていても良い。代表的なリン酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリフェニルホスフェートやビフェニルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート等を挙げることができる。特に、トリアセチルセルロースフィルム用としては、トリフェニルホスフェートが好ましい。
従来、リン酸エステル系可塑剤の含有量は、トリアセチルセルロースフィルムに対して、5〜20重量%である。5〜20重量%の可塑剤が含有されたトリアセチルセルロースフィルムを長時間高温高湿度の条件下に放置すると、リン酸エステル中の酸不純物によりリン酸エステルが加水分解を起こし分解する。一旦、加水分解が始まると、加水分解により生成した分解物が触媒となり、リン酸エステル及びトリアセチルセルロースフィルムの加水分解が加速され偏光板の耐久性が低下し、光学特性等が劣化する。
即ち、高温高湿度条件下において、リン酸エステル中の酸不純物により、リン酸エステルが加水分解して強酸を生成し、この生成した酸により可塑剤はもとよりトリアセチルセルロース自体の加水分解も加速される。
そのため使用するリン酸系可塑剤の含有量を0〜1重量%、好ましくは0.3〜1重量%の範囲にすることにより加水分解を抑制し、偏光板の耐湿性を向上させることができる。
なお、リン酸系可塑剤の含有量を0〜1重量%の範囲にしても、グリコール酸系可塑剤又はフタル酸系可塑剤を使用することで、トリアセチルセルロースフィルムを偏光子の保護フィルムとして十分に使用できる。
前記トリアセチルセルロースフィルムは、本発明の目的を損なわない限り、該フィルム面表面にハードコート処理、反射防止処理、スティッキング処理、拡散処理、防眩(アンチグレア)処理が施されている。
ハードコート処理は、トリアセチルセルロースフィルムよりも硬い層を積層する処理であり、偏光板表面の傷つき防止などを目的に施される。例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂により、硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜をトリアセチルセルロースフィルム表面に積層する方法などにて施される。
反射防止処理は、偏光板表面での外光の反射を抑制する処理であり、従来に準じた反射防止膜等の形成方法により施される。
また、拡散処理は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大させるために施されるものである。
また、スティッキング防止処理は、表面の密着性を低下させる処理である。防眩(アンチグレア)処理は、偏光板の表面で外光が反射して、偏光板透過光の視認を阻害することを抑制するものであり、例えば、サンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化する方式や透明微粒子を配合する方式などの適宜な方式にてトリアセチルセルロースフィルム表面に微細凹凸構造を付与することにより施される。トリアセチルセルロースフィルム表面に微細凹凸構造を付与させるのに用いる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモンなどからなる導電性又は非導電性の無機系微粒子、架橋又は非架橋のポリマー等からなる有機系微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成させる場合、該微粒子の使用量はマトリックス樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部であり、5〜25重量部が好ましい。
透明微粒子を配合する防眩(アンチグレア)処理は、トリアセチルセルロースフィルムそのものに施すことにより或いは防眩(アンチグレア)処理を施した別体のシートを積層させることによりトリアセチルセルロースフィルムに施すことができる。防眩(アンチグレア)処理は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散処理(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。なお、反射防止処理、スティッキング防止処理、拡散処理などの光学処理も、トリアセチルセルロースフィルムそのものに施すことができるほか、別途、トリアセチルセルロースフィルムとは別体のものに施して積層することにより、トリアセチルセルロースフィルムに施すこともできる。
本実施形態として偏光板を構成する偏光子を保護するトリアセチルセルロースフィルムの表面には、透湿性が500g/m2・24hr以下の樹脂層が塗布される。
透湿性が500g/m2・24hr以下の樹脂層を形成させる樹脂としては、光硬化性樹脂等を挙げることができる。例えば、本実施形態の偏光板を構成する偏光子を保護するトリアセチルセルロースフィルムの表面に光硬化性樹脂を塗布し、光等の活性エネルギー光線で硬化させ光硬化樹脂層を形成させる。該フィルム面に塗布する光硬化性樹脂としては、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アミド系、シリコーン系、エポキシ系等の樹脂を挙げることができる。
上記の樹脂を用いると、透湿性を低く抑えることができ、且つハードコート処理できる点で好ましい。
また、活性エネルギー光線としては、紫外線、可視光線、電子線等を挙げることができる。
光硬化性樹脂層の厚さとしては、1〜30μmであり、好ましくは3〜20μmである。
光硬化性樹脂層の厚さが1μm未満では、トリアセチルセルロースフィルムとの密着性が弱いという問題を有する。
また、光硬化性樹脂層の厚さが30μmを超えると、光硬化性樹脂層が割れやすくなるという問題を有する。
透湿性が500g/m2・24hr以下の樹脂層(例えば、前記光硬化性樹脂層等)を前記トリアセチルセルロースフィルムの片面に設けることにより、前記偏光子中への水の侵入を防止することができ、耐湿性を向上させることができる。
即ち、前記樹脂層は、透湿性を防止するためのものである。特に、液晶ディスプレイでは、偏光板の片面を粘着剤を介して液晶パネルに貼り合わせるため、該偏光板の他面に透湿性を防止する前記樹脂層を設けることで耐湿性向上に効果がある。前記光硬化性樹脂層を設けるほかに、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ノルボルネン系フィルム等を前記偏光子の少なくとも片面に積層させる方法等がある。
前記樹脂層には、例えば、ハードコート処理、防眩処理等を施すことができる。
特に、リン酸系可塑剤の含有量が0〜1重量%であるトリアセチルセルロースフィルムの片面に予めハードコート処理や防眩処理等を施し、偏光子と貼り合わせ、前記トリアセチルセルロースフィルムの他面側に粘着剤層を設ける製造方法は、偏光板の耐湿性を改善でき、製造工程も簡略化できる。
透湿性の範囲としては、500g/m2・24hr以下、好ましくは480g/m2・24h以下、より好ましくは460g/m2・24hr以下である。尚、前記透湿性は、温度40℃、相対湿度90%で24時間放置し、JIS Z 0208記載のカップ法にて測定される。
偏光板の耐湿性を向上させるために、例えば、偏光子にノルボルネン系フィルムや側鎖に置換又は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換又は非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂からなる透明フィルム等の透湿性が低く、光学的に等方であるフィルムを積層させた偏光板等が考案されている。
偏光子は、通常、ヨウ素水溶液やホウ酸水溶液中で延伸して製造されるため、多量の水を含んでおり、ノルボルネン系フィルム等の透湿性が低いフィルムと偏光子とを貼り合わせた際には、十分に偏光子が乾燥されずに、水分を多量に含んでいるため耐熱性が低下したり、十分な接着性が得られないことがある。
そのため、偏光子の片面には、ノルボルネン系フィルムやイミド基を有する熱可塑性樹脂とフェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂とからなる透明フィルム等の透湿性の低いフィルムを積層し、前記偏光子の他面には、透湿性の比較的高い通常のトリアセチルセルロースフィルム(リン酸系可塑剤5〜20重量%含有)を貼り合わせて偏光板を作製することが提案されている。しかし、前記偏光板のトリアセチルセルロースフィルム面を液晶ディスプレイに粘着剤を介して貼り合わせた場合には、透湿性の低いフィルム(300g/m2・24h以下)が外側となるため、耐湿性向上が期待されるが、過度の加湿処理を行うと内側のトリアセチルセルロースフィルム(リン酸系可塑剤5〜20重量%含有)が加水分解を受け、加水分解の際に発生した酢酸が、外側の透湿性が低いフィルムにより偏光板面から放出されずに、偏光板内部にたまり偏光板の光学特性を著しく低下させることとなる。
そこで、偏光子の片面には、ノルボルネン系フィルムや側鎖に置換又は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と側鎖に置換又は非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂とからなる透明フィルム等の透湿性の低いフィルムを積層し、前記偏光子の他面には、リン酸系可塑剤の含有量が0〜1重量%の本発明のトリアセチルセルロースフィルムを貼り合わせることで、該トリアセチルセルロースフィルムの加水分解が抑制され、偏光板の内部に酢酸が溜まらず耐湿性を向上させることができる。
置換又は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂としては、N−メチルグルタルイミド−メチルメタクリレート共重合体やオレフィン−マレイミド共重合体を挙げることができる。
また、側鎖に置換又は非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂としては、アクリロニトリル−スチレン共重合体を挙げることができる。
偏光子と本発明のトリアセチルセルロースフィルムとの接着処理は、特に限定されるものではないが、例えば、ビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、或いはホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸等のポリビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともなる接着剤を介して行うことができる。特に、アセトアセチル基で変性したポリビニルアルコールとメチロールメラミンとからなる接着剤が好ましい。アセトアセチル基で変性したポリビニルアルコールとメチロールメラミンとからなる接着剤は、アセトアセチル基とメチロールメラミンとの反応により耐水性が良好である。前記接着剤からなる接着層は、水溶液を塗布し乾燥させることにより形成され得るが、その水溶液の調整に際しては、必要に応じて他の添加剤等が配合されていてもよい。
本発明に係る偏光板は、実用に際して1又は2以上の種々の光学層を積層して光学部材にして用いることができる。該光学層については、特に限定されないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視覚補償フィルム等の液晶表示装置の形成に用いられる光学フィルムを挙げることができる。
前記光学部材としては、例えば、本発明に係る偏光板に、反射板又は半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板又は半透過型偏光板、位相差板が積層されてなる楕円偏光板又は円偏光板、視覚補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、或いは輝度向上フィルムが積層されてなるものを挙げることができる。
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置等を形成するためのものであり、バックライトなどの光源の内蔵を省略でき、液晶表示装置の薄型化を図りやすい等の利点を有する。
反射型偏光板の形成は、必要に応じて偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式等の適宜な方法で行うことができる。
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じてマット処理した本発明のトリアセチルセルロースフィルムの片面にアルミニウム等の金属箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したもの等を挙げることができる。また、前記トリアセチルセルロースフィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に表面微細凹凸構造の反射層を形成させたものなどを挙げることができる。前記微細凹凸構造の反射層は、乱反射により入射光を拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうるなどの利点を有する。また、前記微粒子を含有させたトリアセチルセルロースフィルムは、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて、明暗ムラをより抑制しうるなどの利点も有している。前記トリアセチルセルロースフィルムの表面微細凹凸の上の表面に微細凹凸構造の反射層を形成させる方式としては、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式等の適宜な方法で金属を該トリアセチルセルロースフィルムの表面に直接付設する方式等を挙げることができる。
前記反射板としては、偏光板の前記トリアセチルセルロースフィルムに直接付与したものに代えて、別体の本発明のトリアセチルセルロースフィルム等のフィルムに反射層を設けてなる反射シートを積層したものを採用してもよい。尚、反射層は、通常、金属からなるので、その反射面が、金属酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や保護層の別途付設回避の点などから、別体の前記トリアセチルセルロースフィルムと偏光板とで積層されてなるものが好ましい。
尚、半透過型偏光板は、偏光板に光を反射し且つ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層を偏光板に設けたものである。半透過型偏光板は、通常、液晶セルの裏面に設けられ、液晶表示装置等を比較的明るい雰囲気下で使用する場合、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気下で使用する場合、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの表示装置に適用できる。半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるので有用である。
リン酸系可塑剤の含有量が0〜1重量%のトリアセチルセルロースフィルムを用いた偏光板は、該トリアセチルセルロースフィルムが加水分解されにくいため、酢酸の発生が抑制され、金属からなる反射板や半透過型偏光板の腐食を防止することができる。
位相差板は、直線偏光を楕円偏光又は円偏光に変えたり、楕円偏光又は円偏光を直線偏光に変えたり、或いは直線偏光の偏光角度を変える場合に用いられる。特に、直線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変えたりする位相差板としては、いわゆる1/4波長板(λ/4板ともいう)が用いられる。
また、1/2波長板(λ/2板ともいう)は、例えば角度+θで入射した直線偏光を方位角−θの直線偏光に変える場合に用いられる。
偏光板に位相差板が積層されてなる楕円偏光板は、スーパーツイストネマチック(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じた着色(青又は黄色)を補償(防止)して、着色のない白黒表示をする場合等に用いられる。更に、三次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を斜めから見た際に生じる着色も補償(防止)することができる。偏光板に位相差板が積層されてなる円偏光板は、例えばカラー表示画像の反射型液晶表示装置のカラー画像の色調を整える場合などに用いられ、外光反射防止の機能も有する。
位相差板としては、高分子素材を一軸又は二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルム上に形成したものなどを挙げることができる。延伸処理は、例えばロール延伸法、長隙間沿延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法などにより行うことができる。延伸倍率は、一軸延伸の場合には1.1〜3倍程度が一般的である。位相差板の厚さも特に制限されないが、一般的には10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。
前記高分子素材としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキシド、ポリアリルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース系重合体、又はこれらの二元系、三元系各種共重合体、ブレンド物などを挙げることができる。
これら高分子素材は延伸処理を施すことで延伸フィルムとなる。
前記液晶ポリマーとしては、例えば液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖に導入された主鎖型や側鎖に導入された側鎖型などを挙げることができる。主鎖型の液晶ポリマーの具体例としては、屈曲性を付与するスペーサ部でメソゲン基と結合した構造のもの、例えば、ネマチック配向性のポリエステル系液晶ポリマー、ディスコティックポリマー、コレステリックポリマー等を挙げることができる。側鎖型の液晶ポリマーの具体例としては、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネートを主鎖骨格とし、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を介してネマチック配向付与性のパラ置換環状化合物単位からなるメソゲン基を有するものなどを挙げることができる。液晶ポリマーの配向フィルムは、例えば、ガラス板上に形成したポリイミド、ポリビニルアルコールなどの薄膜の表面をラビング処理したもの、酸化ケイ素を斜方蒸着したものなどの配向処理面上に液晶性ポリマーの溶液を展開して熱処理することにより得られる。
位相差板としては、例えば、各種波長板及び液晶層の複屈折による着色や視角等の補償を目的とするもの等、使用目的に応じた適宜な位相差を有するものを選択できる。尚、位相差板を2枚以上積層して位相差等の光学特性を制御することもできる。
また楕円偏光板や反射型楕円偏光板は、偏光板又は反射型偏光板と位相差板とを適宜な組み合わせで積層したものである。該楕円偏光板は、(反射型)偏光板と位相差板とを液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層させることによっても形成できるが、予め楕円偏光板等の光学フィルムとして一体的に形成させることもできる。後者の反射型楕円偏光板は、品質の安定性や積層作業性等に優れており、液晶表示装置等の製造効率を向上させる利点を有している。
本願発明の光学補償フィルム付偏光板に用いる光学補償フィルムとしては、視角補償フィルムを挙げることができる。
視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面を垂直でなくやや斜めの方向からみた場合でも、画像が比較的鮮明に見えるように視野角を広げるためのフィルムである。視角補償フィルムとしては、例えば位相差フィルム、液晶ポリマーなどの配向フィルムや透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を形成させたものなどを挙げることができる。通常の位相差板は、その面方向に一軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムが用いられているのに対し、視角補償フィルムとして用いられる位相差板は、面方向に二軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムや面方向に一軸に延伸され厚さ方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折を有するポリマー及び傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にあるポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや液晶ポリマーを斜め配向させたものなどを挙げることができる。位相差板の素材原料ポリマーは、先の位相差板で説明したポリマーと同様のものが用いられ、液晶セルの位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目的とした適宜なものを用いることができる。
前記光学補償フィルムとしては、ネマチック液晶やコレステリック液晶の配向層をトリアセチルセルロースフィルム面に形成した光学補償位相差板、ポリイミド等の平面性の分子構造をした高分子材料をトリアセチルセルロースフィルムに塗布、乾燥、配向させた光学補償位相差板、ポリイミド等の平面性の分子構造をした高分子材料をトリアセチルセルロースフィルムに塗布、乾燥、配向させた後、該フィルムを延伸処理した光学補償位相差板も好ましく用いられる。
前記光学補償フィルムとしては、良視認の広い視野角を達成する点などより、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学異方性層をトリアセチルセルロースフィルム面に形成した光学補償位相差板が特に好ましく用いられる。
リン酸系可塑剤の含有量が0〜1重量%であるトリアセチルセルロースフィルムを偏光子の片面に積層し、偏光子の他面には、ネマチック液晶やコレステリック液晶等の液晶性材料を積層させたトリアセチルセルロースフィルムやポリイミド等の平面性の分子構造をした高分子材料を積層し配向させたトリアセチルセルロースフィルムを積層させ光学補償フィルム付き偏光板を作製できる。前記光学補償フィルム付き偏光板は、液晶ディスプレイの広視野角を実現でき、且つ高耐湿の液晶ディスプレイを実現することができる。
尚、前記液晶性材料を積層させたトリアセチルセルロースフィルムや前記高分子材料を積層し配向させたトリアセチルセルロースフィルムに用いられるトリアセチルセルロースフィルムには、リン酸系可塑剤の含有量が0〜1重量%であってもそれ以上でも良い。
輝度向上フィルムを積層させた偏光板は、通常液晶セルの裏面側に設けられ使用される。 該輝度向上フィルムは、液晶表示装置等のバックライトや裏面側からの反射等により自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光又は所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すものである。輝度向上フィルムを積層させた偏光板は、バックライト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光を透過させずに反射させる。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後ろ側に設けた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることで、その一部又は全部を所定偏光状態の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光子に吸収されにくい偏光を供給して、液晶画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させうるものである。
即ち、該輝度向上フィルムを使用せずに、バックライト等で液晶セルの裏面側から偏光子を通して光を入射させた場合、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい偏光子を透過しない。用いた偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させずに、輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろに設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過しうるような偏光方向になった偏光のみを透過させて偏光子に供給するので、バックライト等の光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができる。
尚、本発明においては、前記輝度向上フィルムと前記反射層等との間に拡散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は、前記反射層等に向かうが、設置された該拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏光状態を解消し、非偏光状態とする。即ち、元の自然光状態に戻る。該非偏光状態、即ち自然光状態の光は、反射層等に向かい、該反射層等を介して反射して拡散板を再び通過して輝度向上フィルムに再入射することを繰り返す。このように元の自然光状態に戻す拡散板を設けることにより、表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのムラを少なくし、均一の明るい画面を提供することができる。また、初回の入射光は反射の繰り返し回数が増加し、拡散板の拡散機能とあいまって均一の明るい表示画面を提供することもできる。
前記輝度向上フィルムとしては、例えば誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体のように所定偏光軸の直線偏光を透過して他の光を反射する特性を示すもの、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に形成したもののように左回り又は右回りに何れか一方の円偏光を反射して他の光を透過する特性を示すもの等の適宜なものを用いることができる。
従って、前記所定偏光軸の直線偏光を透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸をそろえて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ、効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層の如く円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点よりその円偏光を位相差板を介して直線偏光化して入射させることが好ましい。尚、その位相差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの単色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式等により得ることができる。従って、本発明に係る偏光板と輝度向上フィルムとの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってもよい。
尚、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものを組み合わせにして2層又は3層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
本発明に係る偏光板は、2層又は3層以上の光学層を積層した光学フィルムを光学部材に用いてもよい。従って、前記反射型偏光板や前記半透過型偏光板と位相差板とを組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などとしてもよい。2層又は3層以上の光学層を積層させた光学部材は、液晶画像表示等の製造過程で順次個別に積層する方式で形成しうるものであるが、予め積層して光学部材としたものは、品質の安定性や組み立て作業等に優れていて液晶表示装置等の製造工程を向上させる利点がある。積層には、粘着層等の適宜な接着手段を用いる。前記偏光板やその他の光学部材の接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性等に応じて適宜な配置角度とすることができる。
前記偏光板や前記光学部材には、液晶セル等の他部材と接着するため粘着層を設けることもできる。その形成には、例えばアクリル酸系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエーテル系、フッ素系、ゴム系等の適宜なポリマーをベースポリマーとする粘着性物質や粘着剤を用いることができ、特に限定されない。
但し、アクリル酸系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度なぬれ性と凝集性と接着性との粘着特性を示し、耐候性や耐熱性等に優れるものが好ましい。尚、トリアセチルセルロースフィルムの加水分解を抑制させる点では、アクリル酸等の酸成分の含有量が少ないものが好ましい。前記アクリル酸系粘着剤の場合には、酸成分の含有量が10重量%以下、好ましくは7重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
また、上記に加えて、吸湿による発泡現象や剥がれ防止現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性等の点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層が好ましい。
前記粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂類、粘着性付与樹脂、ガラス繊維やガラスビーズ、金属粉やその他の無機粉末などからなる充填剤や顔料、着色剤や酸化防止剤など粘着層に添加されることのある適宜な添加剤を含有していてもよい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などであってもよい。
偏光板や光学部材への片面又は両面への粘着層の付設は、適宜の方法で行うことができる。例えば、トルエンや酢酸エチル等の単独或いは混合物からなる溶媒に粘着性物質乃至その組成物を溶解又は分散させて10〜40重量%程度の粘着剤液を調整し、それを流延方式や塗工方式などの適宜な展開方式で光学部材上に直接付設する方式、或いはセパレータ上に粘着層を形成し、それを光学部材上に移着させる方式などを挙げることができる。粘着層は、異なる組成又は種類などのものの重畳層として偏光板や光学部材の片面又は両面に設けることもできる。また、両面に設ける場合、光学部材の表裏において異なる組成や種類や厚さなどの粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般的には1〜500μm、好ましくは5〜200μm、更に好ましくは10〜100μmとされる。
前記粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止などを目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通常の取り扱い状態で該粘着層に接触することを防止できる。前記セパレータとしては、例えばプラスチックフィルムやゴムシート、紙や布、不織布やネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体などの適宜な薄葉体を必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデンなどの適宜な剥離剤でコート処理したもの等の従来に準じた適宜なものを用いうる。
尚、本発明において偏光板、偏光子、トリアセチルセルロースフィルム、粘着層等は、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などの紫外線吸収剤で処理し、紫外線吸収能を持たせたものであってもよい。
本発明に係る偏光板は、液晶表示装置・有機EL表示装置・PDP(プラズマディスプレイ)などの画像表示装置の形成などに好ましく用いることができ、例えば偏光板を液晶セルの片面或いは両面に配置してなる反射型や半透過型、或いは透過・反射両用型などの液晶表示装置に用いることができる。液晶セル基板は、プラスチック基板、ガラス基板の何れでもよい。液晶表示装置を形成する液晶セルは任意であり、例えば薄膜トランジスター型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型のもの等適宜なタイプのものを挙げることができる。
また、液晶セルの両面に偏光板や光学部材を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。更に、液晶表示装置の形成に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上、積層させることができる。
上記においては、本発明に係る偏光板を液晶表示装置に用いた例について説明したが、本発明に係る偏光板を用いた有機エレクトロルミネッセンス装置(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とが順に積層されて発光体(有機エレクトロルミネッセンス発光体)が形成されている。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体などからなる正孔注入層と、アントラセンなどの蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、或いはこのような発光層とペリレン誘導体などからなる電子注入層の積層体や或いはこれらの正孔注入層、発光層、及び電子注入層の積層体など種々の組み合わせを持った構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物質を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射するという原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことから予測できるように電流と発光強度とは印加電圧に対して整流性に伴う強い非線形を示す。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常、酸化インジウム錫(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常、Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度と極めて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様に光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が再び透明基板の表面側へ出るため、外部から視認したとき有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えると共に、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネッセンス発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に本発明に係る偏光板が設けられると共に、これら透明電極と該偏光板との間に位相差板が設けられうる。
位相差板及び偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、該偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板を1/4波長板で構成し、且つ偏光板と位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮断させることができる。
即ち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は、位相差板により一般に楕円偏光となるが、特に位相差板が1/4波長板でしかも偏光板と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して位相差板で再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は偏光板の偏光方向と直交しているので偏光板を透過できない。その結果、偏光板によれば、金属電極の鏡面を完全に遮断することができる。
以下、本発明に係る偏光板について説明するが、本発明はこれらの実施例には何ら限定されるものではない。
(偏光子の作製)
厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムを速比の異なるロール間で30℃で0.3重量%のヨウ素水溶液中で染色しながら3倍に延伸し、次いで60℃の4重量%ホウ酸、10重量%のヨウ化カリウム水溶液中で、トータルで6倍迄延伸し、次いで30℃の1.5重量%のヨウ化カリウム水溶液中に10秒浸漬することで洗浄し、50℃で4分間乾燥させて偏光子を得た。
(参考例1)
厚さ100μmのノルボルネン系フィルム(日本ゼオン株式会社製:ゼオノアフィルム)の片面側にコロナ処理を施した。
該コロナ処理を施した面に、シランカップリング剤(日本ユニカー株式会社製:APZ−6601)を厚さ2μmとなるように塗布し乾燥した。
上記で作製した偏光子の片面側と、シランカップリング剤を塗布した前記ノルボルネン系フィルムのシランカップリング剤塗布面とを貼り合わせた。
該偏光子の他面側には、ケン化処理を施した厚さ80μmのTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート0.5重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)を貼り合わせ偏光板を作製した。
前記偏光板のTACフィルム面側に、アクリル酸ブチル95%とアクリル酸5%とからなるポリマーを主成分とするアクリル系粘着剤を塗布・乾燥させ離型紙を貼り合わせ、粘着偏光板を得た。尚、前記偏光子と前記TACフィルムとの接着には、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールとメチロールメラミンとからなる接着剤で貼り合わせ60℃で4分間乾燥した。
尚、ノルボルネン系フィルム(日本ゼオン株式会社製:ゼオノアフィルム)の透湿性は、0.6g/m2・24hrである。
(実施例1)
N−メチルグルタルイミドとメチルメタクリレートとからなるグルタルイミド共重合体(N−メチルグルタルイミド含有量75重量%)65部と、アクリロニトリル−スチレン共重合体(アクリロニトリル含有量28重量%、スチレン含有量72重量%)35部とを、溶融混練して得た樹脂組成物をTダイ溶融押出機にて押出し、厚さ135μmのフィルムを得た。
該フィルムをMD方向(長手方向)に160℃で1.7倍に延伸した後、TD方向(幅方向)に160℃で1.8倍に延伸した厚さ40μmの延伸フィルムを得た。
次に、セルロースエステル系樹脂(イーストマンケミカル社製、テナイトプロピオネート)をメチルエチルケトン/トルエン=1/1(容量比)に溶解し、濃度11%(w/v)の塗工液を調整した。
前記延伸フィルムの片面側に前記塗工液を塗布し、120℃で1分間乾燥後、ケン化処理を施した。
上記で作製した偏光子の片面側と、ケン化処理を施した延伸フィルムのセルロースエステル系樹脂塗布面とを貼り合わせた。
該偏光子の他面側には、ケン化処理を施した厚さ80μmのTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート0.5重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)を貼り合わせて偏光板を作製した。前記偏光板のTACフィルム側に参考例1と同様の方法を用いてアクリル系粘着剤を塗布・乾燥させて粘着偏光板を得た。
尚、前記延伸フィルムの透湿性は、90g/m2・24hrである。
また、長手方向とは、フィルムが長方形である場合に両端の距離が長い方向を示し、幅方向とは、前記長手方向と垂直な方向を示す。また、フィルムが正方形の場合には両方向が垂直となる方向であればよい。
(比較例1)
紫外線硬化型樹脂(ウレタンアクリレート系モノマー)100部に対してベンゾフェノン系光重合開始剤5部が混合された混合物をトルエンに溶解し、濃度40%(w/v)の塗工液を調整した。該塗工液を厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート0.5重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)の片面に塗布し、乾燥後、紫外線照射により硬化処理を行い、該TACフィルム上に厚さ10μmのハードコート層を形成した。
上記で作製した偏光子の片面側に、ケン化処理を施した前記ハードコート層を有するTACフィルムを該ハードコート層が外側になるように貼り合わせた。
次いで前記偏光子の他面側には、ケン化処理を施した厚さ80μmのTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート1.3重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)を貼り合わせ偏光板を作製した。
前記偏光板のハードコート層を有しないTACフィルム面に、アクリル酸ブチル95%とアクリル酸5%とからなるポリマーを主成分とするアクリル系粘着剤を塗布・乾燥させ離型紙を貼り合わせ、粘着偏光板を得た。尚、前記偏光子と前記TACフィルムとの接着には、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールとメチロールメラミンとからなる接着剤で貼り合わせ60℃で4分間乾燥した。
紫外線硬化型樹脂(ウレタンアクリレート系モノマー)の透湿性は、400g/m2・24hrであった。尚、前記透湿性は、温度40℃、相対湿度90%で24時間放置し、JIS Z 0208記載のカップ法にて測定した。
(比較例2)
前記偏光子の他面側には、厚さ40μmのTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート1.3重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)を貼り合わせた以外、比較例1と同様の方法により粘着偏光板を得た。
(比較例3)
厚さ80μmのTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート6.6重量%含有)の片面側にディスコチック液晶を配向させた液晶配向TACフィルム(富士写真フィルム株式会社製:WV−SA128)にケン化処理を施した。
上記で作製した偏光子の片面側に、前記液晶配向TACフィルムのディスコチック液晶を配向させ、該配向面が外側になるように該液晶配向TACフィルムを貼り合わせた。
該偏光子の他面側には、ハードコート層を有するTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート1.3重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)を該ハードコート層が外側になるように貼り合わせ偏光板を作製した。
該偏光板のディスコチック液晶面側に比較例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤を塗布・乾燥させて粘着偏光板を得た。
尚、前記液晶配向TACフィルム(富士写真フィルム株式会社製:WV−SA128)の透湿性は、460g/m2・24hrである。
(比較例4)〜(比較例8)
前記比較例1〜比較例3および参考例1、実施例1で用いた偏光子の他面側に貼り合わせたTACフィルムに変えてTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート6.6重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)を用いて比較例1〜比較例3および実施例1、参考例1と同様の方法で粘着偏光板を得た。
(比較例9)
厚さ80μmのTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート8.3重量%含有)の片面側にディスコチック液晶を配向させた液晶配向TACフィルム(富士写真フィルム株式会社製:WV−SA128)にケン化処理を施した。
上記で作製した偏光子の片面側に、前記液晶配向TACフィルムのディスコチック液晶を配向させ、該配向面が外側になるように該液晶配向TACフィルムを貼り合わせた。
該偏光子の他面側には、前記比較例1と同様の方法で作製したハードコート層を有するTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート6.6重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)を該ハードコート層が外側になるように貼り合わせ偏光板を作製した。
該偏光板のディスコチック液晶面側に比較例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤を塗布・乾燥させて粘着偏光板を得た。
尚、前記液晶配向TACフィルム(富士写真フィルム株式会社製:WV−SA128)の透湿性は、460g/m2・24hrである。
(比較例10)
上記で作製した偏光子の両面側に、ケン化処理を施した厚さ80μmのTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート0.5重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)を貼り合わせて偏光板を作製した。
前記偏光子とTACフィルムとの接着には、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール及びメチロールメラミンからなる接着剤で貼り合わせ60℃で4分間乾燥させた。前記偏光板の片面側には、比較例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤を塗布・乾燥させて離型紙を貼り合わせて粘着偏光板を得た。
(比較例11)
ケン化処理を施した厚さ40μmのTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート0.5重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)を用いて比較例10と同様の方法により粘着偏光板を得た。
(比較例12)
ケン化処理を施した厚さ80μmのTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート6.6重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)を用いて比較例10と同様の方法により粘着偏光板を得た。
(比較例13)
ケン化処理を施した厚さ40μmのTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート6.6重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)を用いて比較例10と同様の方法で粘着偏光板を得た。
(参考例2)
厚さ80μmのTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート8.3重量%含有)の片面側にディスコチック液晶を配向させた液晶配向TACフィルム(富士写真フィルム株式会社製:WV−SA128)にケン化処理を施した。
上記で作製した偏光子の片面側に、前記液晶配向TACフィルムのディスコチック液晶を配向させ配向面が外側になるように該液晶配向TACフィルムを貼り合わせた。
該偏光子の他面側には、ケン化処理を施した厚さ80μmのTACフィルム(リン酸系可塑剤としてトリフェニルフォスフェート0.5重量%、グリコール酸エチルフタリルエチル6.5重量%含有)を貼り合わせ偏光板を作製した。
前記偏光板のディスコチック液晶側にアクリル系粘着剤を塗布・乾燥させ参考例1と同様の方法により粘着偏光板を得た。
(ケン化処理)
尚、参考例、実施例及び比較例のケン化処理は、浴温度65℃で10wt%NaOH水溶液中に処理を行うフィルムを30秒間浸漬させ、その後、該フィルムを水浴浸漬で水洗し、65℃で20秒間乾燥させて行った。
(評価方法)
参考例、実施例及び比較例で得られた粘着偏光板の離型紙を剥離してガラス板に貼り合わせた。
80℃、90%RHの条件下500時間放置した。80℃、90%RHの条件下500時間放置する前後でガラス板に貼付した偏光板の単体、平行、直交透過率を分光光度計(村上色彩技術研究所製:Dot−3C)を用いて測定し、視感度補正して偏光度を求めた。
偏光度は平行透過率と直交透過率の値から(式1)を用いて求めた。
偏光度=√(Tp-Tc)/(Tp+Tc) (式1)
但し、Tp:平行透過率
Tc:直交透過率
単体透過率、偏光度の変化量は、80℃、90%RHの条件下で500時間放置後の単体透過率、偏光度と80℃、90%RHの条件下500時間放置する前との差をとることで算出した。
また、ハードコート処理したものについては、ハードコート層の剥がれを目視にて確認した。
尚、評価の数値としては、単体透過率の変化量が20%以下、好ましくは10%以下より好ましくは7%以下であり、且つ偏光度の変化量が20%以下の場合に、耐湿性を有する良好な偏光板である。
評価の結果を表1に示す。
Figure 0005612713
実施例1に示すように耐湿性を向上させた偏光板を得ることができた。

Claims (8)

  1. ポリビニルアルコール及び2色性材料からなる偏光子の片面には、グリコール酸系可塑剤またはフタル酸系可塑剤を含有し、且つリン酸系可塑剤を0〜1重量%含有してなるトリアセチルセルロースフィルムが積層され、
    前記偏光子の他面には、側鎖に置換又は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と側鎖に置換又は非置換フェニル基及びニトリル基を有する熱可塑性樹脂とからなる透明フィルムが積層されており、前記トリアセチルセルロースフィルム面側に粘着層が備えられた、偏光板。
  2. 前記グリコール酸系可塑剤又はフタル酸系可塑剤の含有量は、前記トリアセチルセルロースフィルムに対して0.5〜20重量%である、請求項1の偏光板。
  3. 前記グリコール酸系可塑剤又はフタル酸系可塑剤の含有量は、前記トリアセチルセルロースフィルムに対して1〜10重量%である、請求項1の偏光板。
  4. 前記リン酸系可塑剤の含有量は、前記トリアセチルセルロースフィルムに対して0.3〜1重量%である、請求項1から3のいずれかの偏光板。
  5. 前記粘着層はアクリル酸系粘着剤である、請求項1から4のいずれかの偏光板。
  6. 前記アクリル酸系粘着剤の酸成分の含有量が10重量%以下である、請求項5の偏光板。
  7. 請求項1から6のいずれかの偏光板に少なくとも1層の光学層が積層された光学フィルム。
  8. 請求項1から6のいずれかの偏光板もしくは請求項7の光学フィルムが少なくとも1枚以上用いられた液晶表示装置。
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