JP2005148806A - 株式運用支援システムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】取引コストおよびポートフォリオの銘柄の入れ替え周期を考慮した株式運用支援技術を提供する。
【解決手段】複数の銘柄毎に、銘柄の価格情報を記憶した銘柄DB23と、複数の株価指標であるファクターの値が記憶されたファクターエクスポージャDB24と、1つ以上のファクターと株式の売買に要する取引コスト情報とを受け付ける入力受付部11と、前記受け付けたファクターの銘柄毎の値をファクター情報から読み出し、前記読み出した銘柄毎のファクターの値と、前記銘柄DBの価格情報とに基づいて銘柄毎のリターンを算出し、当該銘柄毎のリターンからポートフォリオの構成銘柄を選定し、前記選定したポートフォリオのリターンを算出し、前記受付手段が受け付けた取引コスト情報からポートフォリオの取引コストを算出し、前記ポートフォリオのリターンから前記取引コストを除いたネットリターンを算出する平均ネットリターン分析部13と、を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金融商品の運用支援システムに関し、特に株式の運用支援システムに関する。
株式投資について分析するためのモデルとして、資本資産評価モデル(CAPM:Capital Asset Pricing Model)、裁定価格理論(APT:Arbitrage Pricing theory)、マルチファクターモデルなどがあり、近年ではマルチファクターモデルを用いた分析が一般的となっている。マルチファクターモデルは、株価の複数の変動要因(ファクター)各々の収益率(ファクターリターン)と、個々の銘柄のこれらの変動要因(ファクター)に関するファクターエクスポージャ(属性値を標準化した値)との線形結合の式により、各銘柄の株価の投資収益率(リターン)を説明するものである。例えば、マルチファクターモデルは以下に示すような式(数1)となる。
Figure 2005148806
マルチファクターモデルを活用した分析例として、ポートフォリオのリスク分析やポートフォリオの最適化計算がある(例えば、非特許文献1)。なお、ポートフォリオとは、分散投資した場合の複数の運用資産の構成内容をいう。また、マルチファクターモデルは、将来の投資収益率(リターン)の予想にも活用されている。すなわち、将来のリターンを予測可能なファクターを回帰分析等の手段により選定し、この選定したファクターを説明変数とするマルチファクターモデルを用いて将来のリターンを予想する(例えば、特許文献1および非特許文献2)。そして、このようなマルチファクターモデルを用いたリターン予想のためのモデル構築を支援するシステムがある。
特開2002−288442号公報
R.C.グリノルド著、R.N.カーン著、「アクティブ・ポートフォリオ・マネジメント」、東洋経済新報社、1999年 今野浩著、「金融技術とリスク管理の展開」、東洋経済新報社、1999年
しかしながら、従来のリターン予想のためのモデル構築を支援するシステムは、以下に述べる問題があった。第1に、従来のシステムでは、取引コストを考慮したリターン分析が困難であった。株式投資によって投資家が実際に得られるリターンは、売買注文の手数料およびマーケットインパクトによるコストを差し引いて考える必要がある。しかしながら、従来のシステムでは、取引コストがほとんど考慮されていなかった。
第2に、従来のシステムでは、ポートフォリオの銘柄入れ替えの周期すなわちリバランス周期について何ら考慮されていなかった。頻繁にポートフォリオの銘柄を入れ替えた場合、リターンを得る機会は増加するが、逆に取引コストも増加するというトレードオフの関係にある。したがって、得られる利益が最大となるような適切なリバランス周期を選択する必要がある。
第3に、従来のシステムでは、将来のリターンが予測可能なファクターを選定してモデルを構築し、構築したモデルを検証するまでの一連の作業が連携していなかった。そのため、モデル構築から検証までの一連の作業負荷が大きいものであった。
本発明は、以上の事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、取引コストおよびポートフォリオのリバランス周期を考慮した株式運用支援技術を提供することにある。また、モデル構築から検証までの一連の作業負荷を軽減することにある。
上述の課題を解決するため、本発明では、コンピュータシステムを用いて、ポートフォリオの構成銘柄を選定して、当該ポートフォリオのリターンと取引コストとをそれぞれ算出し、取引コストを除いた正味のポートフォリオのリターンに基づいて、最適なリバランス周期を決定する。
例えば、本発明は、複数の銘柄毎に、価格情報と、複数の株価指標であるファクターの値が記憶されたファクター情報と、を記憶する記憶手段と、前記複数のファクターのうち1つ以上のファクターと、株式の売買に要する取引コスト情報と、を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けたファクターの銘柄毎の値を前記記憶手段に記憶されたファクター情報から読み出し、前記読み出した銘柄毎のファクターの値と、前記記憶手段に記憶された銘柄毎の価格情報とに基づいて銘柄毎のリターンを算出し、当該銘柄毎のリターンからポートフォリオの構成銘柄を選定する選定手段と、前記選定手段が選定した銘柄のポートフォリオのリターンを算出し、前記受付手段が受け付けた取引コスト情報からポートフォリオの取引コストを算出し、前記前記ポートフォリオのリターンから前記取引コストを除いたネットリターンを算出する分析手段と、を有する。
本発明では、取引コストおよびポートフォリオの銘柄の入れ替え周期(リバランス周期)を考慮した株式運用支援技術を提供することができる。また、取引コストを考慮してリバランス周期を求めることによって、パフォーマンスを向上(ポートフォリオのリターンを向上)することができる。また、モデル構築から検証までの一連の作業負荷を軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態が適用された株式運用支援システムの全体構成図である。図示するように、本実施形態の株式運用支援システムは、複数の分析装置1と、データベースサーバ2とを備える。各分析装置1は、インターネットまたは専用線などのネットワーク3により、データベースサーバ2とそれぞれ接続されている。
分析装置1は、投資家などの利用者が、株式の収益率(リターン)を分析するための装置である。分析装置1は、利用者の指示を受け付ける入力受付部11と、回帰分析部12と、平均ネットリターン分析部13と、パフォーマンス分析部14と、入力画面および分析結果画面を出力装置に出力する出力部15と、データベースサーバ2に格納された情報を取得するデータ取得部16と、を有する。
回帰分析部12は回帰分析を行い、リターンの予測可能なファクターを選定する。平均ネットリターン分析部13は回帰分析部12が選定したファクターを用いてマルチファクターモデルを構築し、取引コストを考慮したネットリターンおよび最適なリバランス周期を算出する。パフォーマンス分析部14は、平均ネットリターン分析部13が構築したマルチファクターモデルに、最適なリバランス周期で投資した場合に得られるリターンをバックテストにより分析する。
データベースサーバ2は、分析装置1に株式の銘柄に関する情報を提供する装置である。データベースサーバ2は、テータ登録部21と、記憶部22と、を有する。データ登録部21は、所定のタイミングで図示しない外部システムから後述する銘柄データおよびファクターエクスポージャデータを取得し、記憶部22に登録する。本実施形態では、データ登録部21は、月に一度のタイミングで外部システムから取得した各データを記憶部22に登録することとする。
記憶部22は、銘柄データベース(以下、「銘柄DB」)23およびファクターエクスポージャデータベース(以下、「ファクターエクスポージャDB」)24と、を有する。 銘柄DB23には、図3において後述する各年月の銘柄データが記憶され、ファクターエクスポージャDB24には、図4において後述する各年月のファクターエクスポージャデータが記憶されている。
以上説明した、分析装置1およびデータベースサーバ2には、いずれも、例えば図2に示すようなCPU901と、メモリ902と、HDD等の外部記憶装置903と、キーボードやマウスなどの入力装置904と、モニタやプリンタなどの出力装置905と、ネットワーク接続するための通信制御装置906と、これらの各装置を接続するバス907と、を備えた汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。このコンピュータシステムにおいて、CPU901がメモリ902上にロードされた所定のプログラムを実行することにより、各装置の各機能が実現される。例えば、分析装置1およびデータベースサーバ2の各機能は、分析装置1用のプログラムの場合は、分析装置1のCPU901が、そして、データベースサーバ2用のプログラムの場合は、データベースサーバ2のCPU901が、それぞれ実行することにより、実現される。この場合、データベースサーバ2の記憶部22には、データベースサーバ2のメモリ902または外部記憶装置903が用いられる。
次に、データベースサーバ2の記憶部22に記憶された銘柄DB23およびファクターエクスポージャDB24について説明する。
図3は、銘柄DB23の一例を示したものである。銘柄DB23には、株式市場に上場されている全銘柄の価格情報を記憶した銘柄データ230が記憶されている。そして、銘柄の株価などの価格情報は、市場の取引において時間と共に常に変化するものである。そのため、銘柄DB23には、過去の所定の時点の銘柄データ230が履歴として複数格納されている。本実施の形態においては、毎月1回、月末時点の銘柄データ230を、データベースサーバ2のデータ登録部21が外部システムから取得して、銘柄DB23に登録(格納)する。
銘柄データ230は、図示するように、銘柄コード231と、当該銘柄コードに対応した銘柄の名称232と、当該銘柄が上場している市場233と、株価234と、時価総額235と、1ヶ月間の売買代金236と、翌月リターン(収益率)237と、取引コスト割合238と、を有する。翌月リターン237は、所定の年月の月末時点の株価と、その前月の月末時点の株価との差を、前月の株価で割った割合(%)である。例えば、図3に示す199X年X月の銘柄コード231が「1111」の株価234が550円であって、図示しない前月の株価234が500円の場合、翌月リターンは10%となる。
また、取引コスト割合238は、銘柄の売買に要する取引コスト(売買手数料)を、売買代金236に対する割合(%)で示したものである。一般的に、売買代金236と取引コスト割合238は、反比例の関係にあるといえるため、取引コスト割合238は、例えば売買代金236を用いて以下の式により算出することができる。
取引コスト割合(%)=a+b/売買代金 〔a,b:定数〕
なお、データ登録部21が、銘柄毎の所定の取引コスト割合238を図示しない入力装置から受け付けて、銘柄データ230の取引コスト割合238に記憶することとしてもよい。
図4は、ファクターエクスポージャDB24を例示したものである。ファクターエクスポージャDB24は、投資家が株式の売買の際に参考とする銘柄各々の属性情報を格納したデータベースである。そして、ファクターエクスポージャDB24は、銘柄DB23と同様に、過去の所定の時点のファクターエクスポージャデータ240が履歴として複数格納されている。本実施の形態では、過去の各年月の月末時点のファクターエクスポージャデータ240が格納されている。
ファクター(属性)は、投資家が投資判断の参考としている株価指標であって、具体的には図示するように、ベータ242、益利回り243、B/P244、売上成長度245、利益成長度246、ROE247、ROA248などである。そして、銘柄コード241毎に各ファクターのファクターエクスポージャが記憶されている。ファクターエクスポージャとは、各銘柄のファクター(属性)の具体的な属性値を、登録されている全銘柄の平均値が0、標準偏差が1になるように正規化した値である。なお、この正規化処理は、データベースサーバ2のデータ登録部21が外部システムから各銘柄の具体的な属性値を取得した後に行うものとする。
これらのファクターエクスポージャから、その銘柄がどのような特性を持つ銘柄であるのかを判断することができる。例えば、ベータの値が大きな銘柄は、株式市場全体の値動きとの連動性が高くかつ値動きの大きい銘柄であると一般的に考えられている。また、益利回りの値が大きい銘柄は、収益力に比べて株価が割安な銘柄であると一般的に考えられている。
次に、分析装置1の出力装置905に出力される株式運用支援システムのメニュー画面について説明する。図5は出力部15が出力するメニュー画面の一例を示したものである。図示するように、本メニュー画面500は、回帰分析を行う画面に遷移するための回帰分析ボタン501と、平均ネットリターン分析を行う画面に遷移するための平均ネットリターン分析ボタン502と、パフォーマンス分析を行う画面に遷移するパフォーマンス分析ボタン503と、終了ボタン504とを有する。回帰分析ボタン501、平均ネットリターンボタン502、パフォーマンス分析ボタン503を押下(クリック)すると、入力受付部11がこれを検知して、後述するそれぞれの分析を行うための入力画面に遷移する(図6、図9、図12参照)。
次に、回帰分析部12の処理について説明する。
回帰分析部12は、銘柄のファクターエクスポージャと銘柄のリターン(収益率)との関係を、回帰分析によって統計的に分析する。ここでのリターンは、投資家が株式に投資することによって得られる収益率、すなわちインカムゲインとキャピタルゲインの両方を意味するものである。なお、インカムゲインとは、株式投資の場合の現金配当による収入のことをいう。また、キャピタルゲインとは、株式の価格変動によって発生する売買差額のことをいう。例えば、回帰分析部12は、ファクターエクスポージャのベータ値と銘柄のリターンとの関係を分析する場合、ある時点(例えば199X年X月)のベータ値を説明変数とし、その後のある投資期間(例えば1ヶ月間)のリターンを被説明変数とする回帰分析を、ある範囲の銘柄群(例えば東証1部銘柄)をサンプルとして実行する。
図6は、出力部15が出力する回帰分析を行うための入力画面の一例を示したものである。
図示するように、回帰分析の入力画面600は、回帰分析の分析期間を入力する分析期間入力欄601と、分析種別(単回帰分析または重回帰分析)を指示するためのラジオボタン602と、分析したいファクターを入力するファクター選択欄603と、分析したい銘柄の選定条件を入力する銘柄指定欄604と、回帰分析の実行を指示するための分析開始ボタン605と、を有する。ファクター選択欄603には、各ファクターと当該ファクターに対応したチェックボックスとが表示されている。
図6に示す入力画面600では、分析期間入力欄601には1999年7月から2002年3月までが分析期間として入力されている。また、ラジオボタン602では、単回帰分析が指定されている。そして、ファクター選択欄603では、ベータ、益利回り、B/P、売上成長度および利益成長度が選択されている。利用者(投資家など)は、ファクター選択欄603に表示されたファクターから回帰分析の説明変数として分析したいファクターのチェックボックスにチェック(レ印)を入力する。なお、選択可能なファクターは、図示されたファクター以外にも多数あるため、スクロールバーにより全てのファクターが選択できるようにしている。また、複数のファクターが選択された場合であって、単回帰分析がラジオボタン602により選択されている場合、選択された複数のファクター各々について、単回帰分析を行う。
また、銘柄指定欄604には、分析したい銘柄の選定条件として銘柄データ(図3参照)に登録されている株価234、時価総額235、売買代金236などがあり、それぞれに対応するチェックボックスと金額を入力する入力欄とが設けられている。図6に示す銘柄指定欄604では、選定条件として株価234、時価総額235、売買代金236が選定(チェック)され、株価234が「100」円以上、時価総額235が「100」百万円以上、売買代金236が「100」百万円以上の銘柄が分析対象の銘柄として指定されている。
さらに、銘柄指定欄604は、銘柄が上場している市場も選定条件としている。図6に示す例では、市場の選定条件として「東証1部の銘柄のみを分析対象」または「全銘柄を分析対象」とするのかを選択できるようにしている。すなわち、図示されたチェックボックスにチェックした場合は、東証1部の銘柄のみが分析対象となり、チェックボックスにチェックしない場合は、全ての市場の銘柄が分析対象となる。なお、市場の選定条件として、「東証2部の銘柄のみを対象」、「大証の銘柄のみを対象」などのチェックボックスを追加することにより、これらの市場も選定条件とすることも考えられる。
次に、回帰分析処理の流れを、図7のフローチャートに従って説明する。
まず、図6に示す入力画面600の分析開始ボタン605が押下されると、回帰分析部12は、入力受付部11が入力装置から受け付けた各入力欄601〜604の情報を受け取り、入力欄601の情報から分析期間を特定する(S701)。そして、回帰分析部12は、特定した分析期間に含まれる各年月について、次に述べるS703からS707までのループ処理を行う(S702、S708)。図6に示す分析期間入力欄601に入力された分析期間の場合、1999年7月から2002年3月までの各年月について処理を行う。
回帰分析部12は、分析期間内の所定の年月の銘柄データを銘柄DB23から読み出す(S703)。例えば、分析開始年月から分析終了年月までの各年月の銘柄データを順に読み出す。そして、回帰分析部12は、銘柄指定欄604で指定された条件に合致する銘柄各々の銘柄コード231および翌月リターン237を抽出する(S704)。すなわち、銘柄指定欄604で指定された銘柄条件(株価、時価総額など)と、銘柄データに登録された各銘柄の株価、時価総額などのデータとを比較し、条件に合った銘柄のみの銘柄コード231および翌月リターン237を抽出する。
そして、回帰分析部12は、ファクターエクスポージャDB24から、分析期間内の前記所定の年月のファクターエクスポージャデータを読み出し(S705)、S704において抽出した銘柄コード231を検索キーとして、ファクターエクスポージャデータから該当する銘柄コード241のファクターエクスポージャを取得する(S706)。このとき、取得するファクターエクスポージャは、ファクター選択欄603で選択(チェック)されたファクターのファクターエクスポージャである。
そして、回帰分析部12は、S706において取得したファクターエクスポージャを説明変数とし、S704で取得した翌月リターン237を被説明変数とする回帰分析を行う(S707)。すなわち、回帰分析部12は、回帰分析により当該年月の回帰係数(以下、ファクターリターン)、決定係数、t値などの統計量を算出する。また、回帰分析部12は、回帰分析部12がS704において抽出した銘柄指定欄604で指定された条件に合致する銘柄の総数も算出する。
なお、ファクターリターンを算出するための計算式としては、例えば以下に示す計算式(数2)が考えられる。
Figure 2005148806
また、決定係数を算出するための計算式としては、例えば以下に示す計算式(数3)が考えられる。
Figure 2005148806
また、t値を算出するための計算式としては、例えば以下に示す計算式(数4)が考えられる。
Figure 2005148806
回帰分析部12は、以上説明したS703からS707の処理を、特定した分析期間の各年月について行う(S702、S708)。そして、分析期間の全ての年月について処理を終了した後、回帰分析部12は、ファクターリターンおよび決定係数の全年月の平均値を算出し、さらに時系列t値を算出する(S709)。なお、時系列t値を算出するための計算式としては、例えば以下に示す計算式(数5)が考えられる。
Figure 2005148806
そして、出力部15は、回帰分析部12が行った回帰分析の分析結果を出力装置に出力する(S710)。
図8は、回帰分析の分析結果画面800の一例を示したものである。回帰分析の入力画面(図6参照)において、ファクター選択欄603で複数のファクターを選択した場合、分析結果画面800は選択したファクターの数だけ複数出力される。なお、単回帰分析を指定した場合であっても、重回帰分析を指定した場合であっても、選択したファクターの数だけ複数の画面が出力される。単回帰分析を指定した場合と重回帰分析を指定した場合とで異なる点は、決定係数の値である。単回帰分析の場合は、ファクター毎の出力画面にファクター毎の決定係数が表示され、重回帰分析の場合は、ファクター毎の出力画面に選択された複数のファクター共通の決定係数が表示される。
分析結果画面800は、回帰分析の入力画面(図6参照)で入力された分析期間801と、ファクター選択欄603で選択されたファクター802と、ファクターリターングラフ803と、決定係数グラフ804と、t値グラフ805と、銘柄数グラフ806と、指標欄807と、平均ネットリターン分析の実行指示を受け付ける指示受付ボタン808と、を有する。なお、図8では、ファクター「B/P」の単回帰分析の分析結果が表示されている。
ファクターリターングラフ803には、前述の数2により算出された各年月のファクターリターンの棒グラフと、各年月のファクターリターンを累積した折れ線グラフとが表示されている。また、決定係数グラフ804には、前述の数3により算出された各年月の決定係数が棒グラフにより表示されている。また、t値グラフ805には、前述の数4により算出された各年月のt値が棒グラフにより表示されている。また、銘柄数グラフ806には、各年月の銘柄指定欄604で指定された条件に合致する銘柄の総数が、折れ線グラフにより表示されている。また、指標欄807には、全分析期間のファクターリターンの平均値と、全分析期間の決定係数の平均値と、前述の数5により算出された時系列t値とが表示されている。
ここで、ファクターリターン分析グラフ803のファクターリターン、または、t値分析グラフ805のt値が安定してプラスまたはマイナスである場合、そのファクターのファクターエクスポージャと銘柄のリターンとの関係が安定して正または負の相関関係にあると判断することができる。すなわち、ファクターリターンやt値が安定してプラスまたはマイナスとなるファクターを検出することができれば、このファクターのある時点のファクターエクスポージャと、このファクターエクスポージャから推定されるファクターリターンとから、将来の銘柄のリターンをある程度統計的に予測することができる。
このような将来の銘柄のリターンを予測可能なファクターを検出する方法としては、時系列t値を用いてファクターリターンの真の平均をゼロとする帰無仮説に対するt検定を行うことが考えられる。すなわち、時系列t値の値が大きいほど、将来の銘柄のリターンが予測可能なファクターであるということができる。また、決定係数の値が大きいほど、将来の銘柄のリターンが予測可能なファクターであるということができる。また、他の方法としては、ファクターリターンやt値の絶対値が大きいほど、予測できるリターンの絶対値も大きいということがいえる。
このような回帰分析の分析結果画面800を活用して、利用者は将来のリターンの推定に有効なファクターを、容易に検出することができる。そして、利用者は、分析結果画面800からリターンの予測が可能なファクターを検出し、平均ネットリターンの実行指示ボタン808を押下して、平均ネットリターン分析を行う。
次に、平均ネットリターン分析部13の処理について説明する。
平均ネットリターン分析部13は、回帰分析により検出したリターンの予測が可能なファクターを用いて複数の銘柄を選定し、この複数の銘柄に投資した場合に得られる平均的なリターンを分析する。
図9は、出力部15が出力する平均ネットリターン分析を行うための入力画面の一例を示したものである。
図示するように、平均ネットリターン分析の入力画面900は、データサンプル期間を入力する期間入力欄901と、分析したいファクターを選択するファクター選択欄902と、分析したい銘柄の選定条件を入力する銘柄指定欄903と、取引コスト割合入力欄904と、銘柄数入力欄905と、平均ネットリターン分析の実行指示を受け付ける分析開始ボタン906と、を有する。
ファクター選択欄902は、各ファクターと、当該ファクターに対応したチェックボックスおよびウェイトの入力欄とを有する。チェックボックスにチェックすることで、平均ネットリターン分析に用いるリターンの予測が可能なファクターを1つ以上選択する。ウェイトの入力欄には、回帰分析処理(S709)により算出されたファクターリターンの平均値を入力する。取引コスト割合入力欄904には、銘柄の売買に要する取引コスト(売買手数料)を、売買代金236の金額比(%)で入力する。また、銘柄数入力欄905には、銘柄指定欄903の選定条件で選定された銘柄のうち、投資する銘柄(ポートフォリオ)の数を入力する。
なお、図8に示す回帰分析の分析結果画面800において、平均ネットリターン分析の実行指示受付ボタン808を押下すると、入力受付部11がこれを検知し、出力部15が出力する画面を当該平均ネットリターン分析の入力画面900に遷移させる。この場合、回帰分析部12が保持している各種の情報は平均ネットリターン分析部13に引き継がれる。例えば、回帰分析部13が回帰分析した分析情報は、メモリ902または外部記憶装置903に記憶され、平均ネットリターン部13が読み出すことができるものとする。具体的には、期間入力欄901には回帰分析の入力画面600(図6参照)で入力された分析期間601があらかじめ表示されている。
また、ファクター選択欄902では、回帰分析の入力画面600のファクター選択欄603で選択されたファクターが引き継がれ、あらかじめファクター選択欄902の該当するチェックボックスにチェックが入力されている。また、あらかじめチェック(選択)されたファクターのウェイトには、回帰分析部12が分析したファクターリターンの平均値807の値があらかじめ表示されている。なお、利用者は、チェックボックスにチェックを入力または削除することにより、任意のファクターを選択し、または選択しないこととすることができる。例えば、回帰分析部12が表示した各ファクター分析結果画面800を参照して、リターンとの相関関係が低いファクターを、当該ファクターのチェックボックスからチェックを外して、平均ネットリターン分析を行うことが考えられる。また、銘柄指定欄903には、回帰分析の入力画面600の銘柄指定欄604で入力した情報が引き継がれあらかじめ表示されている。
次に、平均ネットリターン分析処理の流れを、図10のフローチャートに従って説明する。
まず、図9に示す入力画面900の分析開始ボタン906が押下されると、平均ネットリターン分析部13は、入力画面900に表示されている各入力欄901〜905の情報(入力受付部11が入力装置から受け付けた情報、または、回帰分析部13から引き継いだ情報)を受け取る。そして、平均ネットリターン分析部13は、入力欄901の情報から、データサンプル期間901を特定する(S1001)。そして、平均ネットリターン分析部13は、特定したデータサンプル期間901に含まれる各年月について、次に述べるS1003からS1008までのループ処理を行う(S1002、S1009)。図9に示すデータサンプル期間901の場合、1999年7月から2002年3月までの各年月について処理を行う。
そして、平均ネットリターン分析部13は、回帰分析処理(図7参照)のS703からS706の処理と同じ処理を行う(S1003〜S1006)。すなわち、平均ネットリターン分析部13は、特定したデータサンプル期間の所定の年月の銘柄データを銘柄DB23から読み出し(S1003)、条件に合致する銘柄の銘柄コードと翌月リターンを抽出する(S1004)。そして、平均ネットリターン分析部13は、対象年月のファクターエクスポージャデータをファクターエクスポージャDBから読み出し(S1005)、S1004において抽出した銘柄コード231を検索キーとして、ファクターエクスポージャデータから該当する銘柄コード241のファクターエクスポージャを取得する(S1006)。このとき、取得するファクターエクスポージャは、ファクター選択欄902で選択(チェック)されたファクターのファクターエクスポージャである。
そして、平均ネットリターン分析部13は、銘柄ごとの将来の予想リターン(以下、期待リターン)を算出する(S1007)。すなわち、平均ネットリターン分析部13は、S1006において取得した銘柄毎のファクターエクスポージャに、ファクター選択欄902の各ファクターのウェイトをかけた値の累積値を算出する。例えば、図9の入力画面900のウェイト値を用いて、図4に示すファクターエクスポージャデータ240の銘柄コード241が「1111」の期待リターンを算出する場合、以下の式となり、期待リターンは1.9%である。
「1.2×0.2+0.2×0.5+1.2×0.5+1.5×0.4+1.8×0.2=1.9」
そして、S1004において抽出した銘柄全ての期待リターンを算出した後、平均ネットリターン分析部13は、全銘柄の期待リターンの値を高い順にソート処理を行う。すなわち、平均ネットリターン分析部13は、全銘柄を期待リターンの値でランク付けをする。そして、平均ネットリターン分析部13は、期待リターンの大きい銘柄群(上位銘柄群)に投資した場合の6ヶ月間の累積リターンと、期待リターンの小さい銘柄群(下位銘柄群)に投資した場合の6ヶ月間の累積リターンとを算出する(S1008)。累積リターンを算出するための計算式としては、例えば以下に示す計算式(数6)が考えられる。
Figure 2005148806
なお、期待リターンの大きい銘柄群の銘柄の数、および、期待リターンの小さい銘柄群の銘柄の数は、いずれも銘柄数入力欄905で入力された銘柄数の半分の数とする。例えば銘柄数入力欄905に「100」が入力された場合、平均ネットリターン分析部13は、期待リターンの値が大きい上位50銘柄をポートフォリオと見立てる。そして、平均ネットリターン分析部13は、この上位50銘柄各々に等しい金額で投資した場合の6ヶ月間の累積リターンを前述の計算式(数6)により算出する。
また、平均ネットリターン分析部13は、期待リターンの値が小さい下位50銘柄をポートフォリオと見立てる。そして、平均ネットリターン分析部13は、この下位50銘柄各々に等しい金額で投資した場合の6ヶ月間の累積リターンを前述の計算式(数6)により算出する。
なお、銘柄毎のファクターエクスポージャは月毎に変化する。したがって、銘柄毎の期待リターンも毎月変動する。このため、期待リターンの大きい銘柄(または小さい銘柄)が毎月変動し、上位(または下位)のポートフォリオの構成銘柄も月毎に変化することとなり、銘柄の入れ替えが発生する。
以上説明したS1003からS1008の処理を、平均ネットリターン分析部13は、特定した期間901の各年月についてそれぞれ行う(S1002、S1009)。そして、特定した期間901の全年月について処理を終了した後、平均ネットリターン分析部13は、S1008で算出した各年月の上位銘柄群および下位銘柄群の累積リターンの平均値(平均グロスリターン)を算出する。なお、上位銘柄群および下位銘柄群の累積リターンの平均値は、投資期間(6ヶ月間)の各月毎に算出する。
次に、平均ネットリターン分析部13は、期待リターンの値が大きい上位銘柄群(上位のポートフォリオ)、および、期待リターンの値が小さい下位銘柄群(下位のポートフォリオ)の構成銘柄が、月毎に入れ替わる平均的な割合(平均回転率)を算出する(S1011)。平均回転率を算出するための計算式としては、例えば以下に示す計算式(数7)が考えられる。具体的には、上位(または下位)の50銘柄が、翌月に平均的に50%(すなわち25銘柄)入れ替わっているとすると、1ヶ月間の平均回転率は50%となる。
Figure 2005148806
なお、平均ネットリターン分析部13は、S1008において、各年月の上位銘柄群および下位銘柄群のそれぞれの銘柄を特定した後、上位銘柄群の銘柄コードを記憶した上位銘柄コード表および下位銘柄群の銘柄コードを記憶した下位銘柄コード表を、メモリ902または外部記憶装置903に記憶しておくものとする。そして、平均ネットリターン分析部13は、サンプルデータ期間901の各年月の上位銘柄コード表または下位銘柄コード表をマッチング(つき合わせ)することにより、上位または下位のポートフォリオから外れた(入れ替わった)銘柄数を算出する。
次に、平均ネットリターン分析部13は、リターンスプレッドおよび取引コストを年率で算出する(S1012)。リターンスプレッドは、期待リターンの大きい上位銘柄群と期待リターンの小さい下位銘柄群との累積投資リターンの差である。平均ネットリターン分析部13は、S1010において算出した上位銘柄群の累積リターンから、下位銘柄群の累積リターン群を差し引いてリターンスプレッドを算出する。そして、平均ネットリターン分析部13は、このリターンスプレットを年率化する。例えば、投資期間1ヶ月から6ヶ月のリターンスプレッドが、3%、4%、5%、5%、6%、7%の場合、これらのリターンスプレットを年率化すると、36%(3%×12)、24%(4%×6)、20%(5%×4)、15%(5%×3)、12%(6%×2)、7%(7%×1)となる。なお、リターンスプレッドの大きさは、上位銘柄群の累積リターンと下位銘柄群の累積リターンとの差であるのとともに、上位銘柄群を買い、かつ、下位銘柄群を空売りした場合のグロス(取引コストを差し引く前)のリターンを示している。
そして、平均ネットリターン分析部13は、S1011において算出した平均回転率から取引コストを算出する(S1012)。取引コストは、以下に示す式により算出される。
取引コスト=取引コスト割合×平均回転率×2(売り買い往復回数)×年率化係数
例えば、投資期間1ヶ月から6ヶ月の平均回転率が50%、60%、70%、75%、80%、85%で、取引コスト割合入力欄904に1%と入力されていた場合、年率ベースの取引コストは売り買い往復で、12%(1%×0.5×2×12)、7.2%(1%×0.6×2×6)、5.6%(1%×0.7×2×4)、4.5%(1%×0.75×2×3)、3.2%(1%×0.8×2×2)、1.7%(1%×0.85×2×1)となる。
次に、平均ネットリターン分析部13は、リターンスプレッド(年率)から取引コスト(年率)を差し引いたネットリターンを算出する(S1013)。上記の数値例の場合、投資期間1ヶ月から6ヶ月のネットリターンはそれぞれ、24%(36−12)、16.8%(24−7.2)、14.4%(20−5.6)、10.5%(15−4.5)、8.8%(12−3.2)、5.3%(7−1.7)となる。これらの値は、期待リターンの大きい上位銘柄群を買い(ロング)、期待リターンの小さい下位銘柄群を空売り(ショート)するというロングショートと呼ばれる投資戦略における、取引コストを考慮した正味のネットリターンを示している。
そして、出力部15は、平均ネットリターン分析部13が算出した平均グロスリターン、平均回転率、リターンスプレッドおよびネットリターンを、平均ネットリターン分析の分析結果画面1100に出力する。
図11は、平均ネットリターン分析の分析結果画面1100の一例を示したものである。 分析結果画面1100は、入力されたデータサンプル期間1101と、平均グロスリターングラフ1102と、平均回転率グラフ1103と、リターンスプレッドグラフ1104と、ネットリターングラフ1105と、パフォーマンス分析の実行指示を受け付ける指示受付ボタン1106と、を有する。
平均グロスリターングラフ1102は、投資期間(0ヶ月〜6ヶ月)を横軸とし、平均グロスリターンを縦軸としたグラフである。そして、期待リターンの大きい上位銘柄群の平均グロスリターンの推移と、期待リターンの小さい下位銘柄群の平均グロスリターンの推移とが折れ線グラフにより表示されている。図11に示す平均グロスリターングラフ1102の例では、投資期間が長くなるほど、上位銘柄群と下位銘柄群との累積リターンの差(リターンスプレッド)が広がっている。このように、投資期間が長くなるほどリターンスプレッドが広がる場合は、リターンの推定に有効なファクターを選択していると判断することができる。
平均回転率グラフ1103は、投資期間(0ヶ月〜6ヶ月)を横軸とし、平均回転率を縦軸としたグラフである。そして期待リターンの大きい上位銘柄群の平均回転率の推移と、期待リターンの小さい下位銘柄群の平均回転率の推移とが折れ線グラフにより表示されている。図11に示す平均回転率グラフ1103の例では、投資期間が長くなるほど、銘柄が入れ替わる割合すなわち回転率が高くなっている。
リターンスプレッドグラフ1104は、銘柄を入れ替える頻度すなわちリバランス周期(1ヶ月毎〜6ヶ月毎)を横軸とし、年率のリターンスプレットおよび年率の取引コストを縦軸としたグラフである。そして、年率のリターンスプレットの推移および年率の取引コストの推移が、折れ線グラフにより表示されている。
ネットリターングラフ1105は、銘柄を入れ替える頻度すなわちリバランス周期(1ヶ月毎〜6ヶ月毎)を横軸とし、年率のネットリターンを縦軸としたグラフである。そして、年率のネットリターンの推移が、折れ線グラフにより表示されている。
リバランス周期が短いほど(頻繁に売買するほど)、グロスリターン(取引コスト控除する前のリターン)は大きいが、同時に取引コストも大きくなる。したがって、取引コストを差し引いたネットリターンと、短いリバランス周期で大きなグロスリターンを得ることとは、トレードオフの関係にある。このネットリターングラフ1105ではリバランス周期別のネットリターンを表示しているため、取引コストを考慮したネットリターンを最大とするポートフォリオのリバランス周期を容易に判断することができる。図11に示すネットリターングラフ1105の場合、リバランス周期を1ヶ月とする場合にネットリターンが最大であることがわかる。
以上説明した平均ネットリターン分析により、平均回転率から取引コストを推定し、取引コストを考慮した正味のネットリターンを算出できる。また、最もネットリターンが高くなるようなポートフォリオのリバランス周期を知ることができる。
次に、パフォーマンス分析部14の処理について説明する。
パフォーマンス分析部14は、回帰分析部12で選定したファクターを使ってモデルを構築し、平均ネットリターン分析部13が分析した最適なリバランス周期で投資した場合に得られるリターンをバックテストにより分析する機能である。
図12は、出力部15が出力するパフォーマンス分析を行うための入力画面の一例を示したものである。
図示するように、パフォーマンス分析の入力画面1200は、パフォーマンス分析の分析期間(投資期間)の入力を受け付ける分析期間入力欄1201と、ポートフォリオのリバランス周期を入力するリバランス周期入力欄1202と、ファクターのウェイトの設定方法を選択するためのラジオボタン1203と、パフォーマンス分析に用いるファクターを選択するファクター選択欄1204と、分析したい銘柄の選定条件を入力する銘柄指定欄1205と、取引コスト割合入力欄1206と、銘柄数入力欄1207と、パフォーマンス分析の実行指示を受け付ける分析開始ボタン1208と、を有する。
ファクターのウェイトの設定方法1203には、ウェイトを固定にする方法と、ウェイトを自動的に設定する方法と、利用者が直接入力する方法と、が考えられる。ウェイトを固定にする方法は、回帰分析部12が算出したファクターリターンの全分析期間の平均値を引き継ぐ場合である。また、ウェイトを自動的に設定する方法は、回帰分析部12が算出したファクターリターンの12ヶ月移動平均値を適用する方法である。例えば199x年x月の期待リターンの算出に用いるウェイトは、その過去12ヶ月間のファクターリターンの平均値を用いる。
ファクター選択欄1204は、各ファクターと、当該ファクターに対応したチェックボックスおよびウェイトの入力欄を有する。チェックボックスにチェックすることで、パフォーマンス分析に用いるリターンの予測が可能なファクターを1つ以上選択する。ウェイトの入力欄には、回帰分析処理(S709)により算出された平均ファクターリターンを入力する。
取引コスト割合入力欄1206は、全銘柄共通の取引コスト割合を指定する共通方式とするか、または、それぞれの銘柄ごとに異なる取引コスト割合を設定する個別方式とするかを、ラジオボタンにより選択可能としている。共通方式を選択した場合は、各銘柄共通の取引コスト割合を入力する。また、個別方式を選択した場合は、年月毎に記憶されている銘柄データ230の銘柄毎の取引コスト割合238が用いられる。これにより、各銘柄の売買流動性等に応じた取引コスト割合を用いてリターンを算出することができる。また、銘柄数入力欄1207には、銘柄指定欄1205の選定条件で選定された銘柄のうち、投資する銘柄(ポートフォリオ)の数を入力する。
なお、図11に示す平均ネットリターン分析の分析結果表示画面1100において、パフォーマンス分析の実行指示受付ボタン1106を押下すると、入力受付部11がこれを検知し、出力部15が出力する画面を、当該パフォーマンス分析の入力画面1200に遷移させる。この場合、回帰分析部12および平均ネットリターン分析部13が保持している各種の情報は、パフォーマンス分析部14に引き継がれる。例えば、回帰分析部12および平均ネットリターン分析部13が分析した情報は、メモリ902または外部記憶装置903に記憶され、パフォーマンス分析部14が読み出すことができるものとする。
具体的には、ウェイト設定方法のラジオボタン1203においては、あらかじめ「ウェイト固定」が選択され、分析期間入力欄1201には平均ネットリターン分析の入力画面900(図9参照)で入力されたデータサンプル期間901があらかじめ表示されているものとする。また、ファクター選択欄1204は、平均ネットリターン分析で選択されたファクターのチェックボックスがチェックされ、当該ファクターのウェイトには当該データサンプル期間のファクターリターンの平均値が、あらかじめ表示されているものとする。
そして、この状態で利用者が、ウェイトの設定方法を「ウェイトを自動設定」に変更した場合、分析期間入力欄1201に表示される期間の開始年月は、あらかじめ表示されたデータサンプル期間の開始年月に12ヶ月加算した年月に変更され、ファクター選択欄1204のウェイトは変更された開始年月の直前の12ヶ月間のファクターリターンの平均値に変更される。なお、分析開始前の12ヶ月の各ファクターリターンは、回帰分析処理(図7参照)において、回帰分析部12によりメモリ902または外部記憶装置903に記憶されているものとする。そして、パフォーマンス分析部14は、この記憶された分析開始前の12ヶ月の各ファクターリターンを読み出し、その平均値を算出する。
また、ウェイトの設定方法を「ウェイトを入力」に変更した場合は、分析期間入力欄1201およびファクター選択欄1204のウェイトは、あらかじめ表示されたままで変更されないものとする。
リバランス周期入力欄1202には、平均ネットリターン分析の実行結果画面1100のネットリターングラフ1105で、最もネットリターンの値が高いリバランス周期があらかじめ表示されるものとする。また、銘柄指定欄1205および銘柄数入力欄1207には、平均ネットリターン分析入力画面900の銘柄指定欄903および銘柄数入力欄905で入力された情報が、それぞれ引き継がれあらかじめ各入力欄に表示されているものとする。また、取引コスト割合1206は、共通方式が選択され、平均ネットリターン分析入力画面900で入力した取引コスト割合904があらかじめ表示されている。
次に、パフォーマンス分析処理の流れを、図13のフローチャートに従って説明する。
まず、図12に示す入力画面1200の分析開始ボタン1208が押下されると、パフォーマンス分析部14は入力画面1200に表示されている各入力欄1201〜1207の情報(入力受付部11が入力装置から受け付けた情報、または、回帰分析部12および平均ネットリターン分析部13から引き継いだ情報)を受け取る。そして、パフォーマンス分析部14は、これらの入力欄の情報から、分析期間1201およびリバランス周期1202を特定する(S1301)。そして、パフォーマンス分析部14は、特定したリバランス周期毎に特定した分析期間1201の各年月について、次に述べるS1303からS1310までのループ処理を行う(S1302、S1311)。図12に示す分析期間1201およびリバランス周期1202の場合、1999年7月から2002年3月までの1ヵ月毎の各年月について処理を行う。なお、リバランス周期1202を2ヶ月とした場合は、2ヵ月毎の各年月について処理を行う。
そして、平均ネットリターン分析部13は、平均ネットリターン分析処理(図10参照)のS1003からS1007の処理と同じ処理を行う(S1303〜S1307)。すなわち、パフォーマンス分析部14は、特定した分析期間・リバランス周期の所定の年月の銘柄データを銘柄DB23から読み出し(S1303)、条件に合致する銘柄の銘柄コードと翌月リターンを抽出する(S1304)。そして、パフォーマンス分析部14は、対象年月のファクターエクスポージャデータをファクターエクスポージャDBから読み出し(S1305)、S1304において抽出した銘柄コード231を検索キーとして、ファクターエクスポージャデータから該当する銘柄コード241のファクターエクスポージャを取得する(S1306)。このとき、取得するファクターエクスポージャは、ファクター選択欄1204で選択(チェック)されたファクターのファクターエクスポージャである。そして、パフォーマンス分析部14は、銘柄ごとの将来の期待リターンを算出する(S1307)。
そして、パフォーマンス分析部14は、S1307で算出した銘柄ごとの期待リターンを、取引コスト分を考慮して修正する(S1308)。すなわち、パフォーマンス分析部14は、各銘柄が当該対象年月の直前の対象年月において、上位または下位の銘柄群(ポートフォリオ)にすでに組み込まれているか否かを判定する。なお、パフォーマンス分析部14は、次のS1309において、上位銘柄群(上位ポートフォリオ)および下位銘柄群(下位ポートフォリオ)を構成するそれぞれの銘柄を特定した後、上位銘柄群の銘柄コードを記憶した上位銘柄コード表および下位銘柄群の銘柄コードを記憶した下位銘柄コード表を、メモリ902または外部記憶装置903に記憶しておくものとする。そして、パフォーマンス分析部14は、該対象年月の直前の対象年月の上位銘柄コード表および下位銘柄コード表を読み出すことで、上位または下位のポートフォリオに各銘柄が組み込まれているか否かを判定する。
ここで、ポートフォリオに組み入れられている銘柄については、取引コスト(売買手数料)は発生しないが、ポートフォリオに組み入れられていない銘柄については取引コストが発生する。この取引コストは、銘柄をポートフォリオに組み入れるための売り買い往復で2回発生する。そのため、パフォーマンス分析部14は、上位または下位の銘柄群(ポートフォリオ)に組み入れられている銘柄の期待リターンには、取引コスト分を上乗せし、上位または下位の銘柄群(ポートフォリオ)に組み入れられていない銘柄の期待リターンには、取引コスト分を控除する(差し引く)。
図15は、この期待リターンの修正方法の一例を表にしたものである。図15に示す表は、銘柄の状態151と、期待リターンと取引コストの符号152と、修正期待リターン153とを有する。銘柄の状態151には、銘柄が既にポートフォリオに組み入れられている状態154と、銘柄がポートフォリオに組み入れられていない状態155とがある。また、期待リターンと取引コストの符号152には、期待リターンが「0」以上の場合または「0」未満の場合、あるいは、期待リターンの絶対値が取引コストより大きい場合または小さい場合などがある。そして、修正期待リターン153には、銘柄の状態151および期待リターンと取引コストの符号152の場合分けにより、修正される期待リターンの算出方法が記載されている。
このように銘柄ごとの期待リターンを、取引コストで修正することにより、次のステップ(S1309)において、正味(取引コストを加味した)のリターンを基準とした精緻な銘柄選定が可能になる。
そして、S1304において抽出した銘柄全ての修正後の期待リターンを算出した後、パフォーマンス分析部14は、全銘柄を修正後の期待リターンの高い順にソート処理を行う。すなわち、パフォーマンス分析部14は、全銘柄を修正後期待リターンの値でランク付けをする。そして、パフォーマンス分析部14は、修正後期待リターンの大きい銘柄群(上位銘柄群)を等金額で買い(ロング)、修正後期待リターンの小さい銘柄群(下位銘柄群)を等金額で空売り(ショート)する投資戦略(ロングショートポートフォリオ)のリターンを算出する(S1309)。銘柄数入力欄1207に「100」を入力した場合は、上位50銘柄を等金額で買い(ロング)、下位50銘柄を等金額で空売り(ショート)したロングショートポートフォリオのリターンである。なお、リターン計算のための投資期間は、リバランス周期入力欄1302で設定されたリバランス周期の長さである。このリターンを算出するための計算式としては、例えば以下に示す計算式(数8)が考えられる。
Figure 2005148806
そして、パフォーマンス分析部14は、ポートフォリオの銘柄入れ替えに要する取引コストを算出し、ロングショートポートフォリオのリターンから控除(差し引く)する(S1310)。取引コストは、ポートフォリオから銘柄入れ替えを行う銘柄の売買代金に、当該銘柄の各々の取引コスト割合をかけた値を累積して、リバランスに要する全体の取引コストを算出する。そして、パフォーマンス分析部14は、S1309で算出したロングショートポートフォリオのリターンから、全体の取引コストを控除し、正味のネットリターンを算出する。この全体の取引コストを算出するための計算式としては、例えば以下に示す計算式(数9)が考えられる。
Figure 2005148806
以上説明したS1303からS1310の処理を、パフォーマンス分析部14は、特定した分析期間1201のリバランス周期毎の各年月についてそれぞれ行う(S1302、S1311)。
そして、パフォーマンス分析部14は、各年月の処理を終了後、S1310において算出したリターン(取引コスト控除後)の各年月時点の累積リターンを算出する(S1312)。そして、出力部15は、パフォーマンス分析部14が算出したロングショートポートフォリオの累積リターンを、パフォーマンス分析の分析結果画面1400に出力する(S1313)。
図14は、出力部15が出力するパフォーマンス分析の分析結果画面1400の一例を示したものである。
この分析結果画面1400は、分析期間1401と、ロングショートポートフォリオの累積リターングラフ1402と、指標欄1403と、を有する。指標欄1403には、年率ベースの平均的なリターンである平均年率リターンと、年率ベースの平均的なリスクである平均年率リスクとが表示される。なお、平均年率リターンは各年月のロングショートポートフォリオのリターン(取引コスト控除後)の平均値であり、平均年率リスクは標準偏差である。
以上説明したパフォーマンス分析により、回帰分析部12の出力画面を用いて選択したファクターを活用した投資戦略のリターンを、過去のデータを用いたバックテストにより分析することができる。また、このバックテストにおいて、平均ネットリターン分析で取得した最適なリバランス周期を設定することができる。また、取引コストを考慮したロングショートポートフォリオの累積リターンを算出することができる。
本実施形態における株式運用支援システムによれば、取引コストおよびポートフォリオの銘柄の入れ替え周期(リバランス周期)を考慮した株式運用支援技術を提供することができる。また、モデル構築から検証までの一連の作業負荷を軽減することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、はじめに回帰分析処理を行い、次に平均ネットリターン分析を行い、最後にパフォーマンス分析を行う。しかしながら、これらの処理のうちのいずれかの処理のみを行うこととしても良い。また、回帰分析処理と平均リターン分析処理のみを行うこと、あるいは、回帰分析処理とパフォーマンス分析処理のみを行うこととしても良い。
また、上記の実施形態では、複数の分析装置1がネットワークに接続された共通のデータベースサーバ2に格納された銘柄DB23およびファクターエクスポージャDB24のデータを取得する。しかしながら、分析装置1各々が銘柄DB23およびファクターエクスポージャDB24を有する構成としても良い。
また、上記の実施形態では、銘柄DBとファクターエクスポージャDBの2つのデータベースを有している。しかしながら、これらのデータベースを1つに統合することとしても良い。
また、上記の実施形態では、分析装置1各々が、回帰分析部12、平均ネットリターン部13、パフォーマンス分析部14を有している。しかしながら、これらの分析機能を提供するWebサーバを別途設けることとしてもよい。この場合、各分析装置1は、Webブラウザとして、Webサーバに各種の分析を要求し、Webサーバが分析した分析結果を表示する。
また、平均ネットリターン分析部13およびパフォーマンス分析部14では、期待リターンの大きい上位銘柄群を買い、期待リターンの小さい下位銘柄群を空売りするロングショートと呼ばれる投資戦略を前提として説明した。しかしながら、本発明はロングショート投資戦略に限定されるものではなく、一般のアクティブ運用に適用することができる。アクティブ運用とは、市場インデックス(日経平均株価やTOPIXなど)の上昇率より、高い運用成果を目指すものである。例えば、銘柄やポートフォリオのリターンを、東証株価指数などのインデックスを基準とする相対的なリターンに置き換えることで、一般的なアクティブ運用に応用することができる。
また、必ずしも個別銘柄の空売りを用いる必要はなく、東証株価指数などの指数先物取引を活用してインデックスを売り持ちにし、期待リターンの大きい銘柄を買い持ちとする変形的なロングショート運用にも適用可能である。
図1は、本発明の一実施形態が適用された株式運用システムの全体構成図である。 図2は、各装置のハードウエア構成例を示す図である。 図3は、銘柄データの一例を示す図である。 図4は、ファクターエクスポージャデータの一例を示す図である。 図5は、株式運用システムのメニュー画面の一例を示す図である。 図6は、回帰分析の入力画面の一例を示す図である。 図7は、回帰分析のフローチャートを示す図である。 図8は、回帰分析の分析結果画面の一例を示す図である。 図9は、平均ネットリターン分析の入力画面の一例を示す図である。 図10は、平均ネットリターン分析のフローチャートを示す図である。 図11は、平均ネットリターン分析の分析結果画面の一例を示す図である。 図12は、パフォーマンス分析の入力画面の一例を示す図である。 図13は、パフォーマンス分析のフローチャートを示す図である。 図14は、パフォーマンス分析の析結果画面の一例を示す図である。 図15は、取引コストの修正方法の一例を示した図である。
符号の説明
1:分析装置、11:入力受付部、12:回帰分析部、13:平均リターン分析部、14:パフォーマンス分析部、15:出力部、16:データ取得部、2:データベースサーバ、21:データ登録部、22:記憶部、23:銘柄データベース、24:ファクターエクスポージャデータベース

Claims (13)

  1. 株式のリターンを分析する株式運用支援システムにおいて、
    銘柄毎に、価格情報と、複数の株価指標であるファクターの値が記憶されたファクター情報と、を記憶する記憶手段と、
    前記複数のファクターのうち1つ以上のファクターと、株式の売買に要する取引コスト情報と、を受け付ける受付手段と、
    前記受付手段が受け付けたファクターの銘柄毎の値を前記記憶手段に記憶されたファクター情報から読み出し、前記読み出した銘柄毎のファクターの値と、前記記憶手段に記憶された銘柄毎の価格情報とに基づいて銘柄毎のリターンを算出し、当該銘柄毎のリターンからポートフォリオの構成銘柄を選定する選定手段と、
    前記選定手段が選定した構成銘柄各々のリターンを合計して当該構成銘柄で構成されるポートフォリオのリターンを算出し、前記受付手段が受け付けた取引コスト情報からポートフォリオの取引コストを算出し、前記ポートフォリオのリターンから前記取引コストを除いたネットリターンを算出し、出力する分析手段と、を有すること
    を特徴とする株式運用支援システム。
  2. 請求項1記載の株式運用支援システムにおいて、
    前記記憶手段は、過去の複数の時点の、前記価格情報およびファクター情報を、有し、
    前記選定手段は、前記過去の複数時点各々のポートフォリオの構成銘柄を選定し、
    前記分析手段は、前記選定手段が選定した前記過去の複数時点のポートフォリオの構成銘柄に基づき、前記ポートフォリオの銘柄が入れ替わる回転率を算出し、当該回転率および前記取引コスト情報を用いて所定の投資期間内の複数時点各々のポートフォリオの取引コストを算出すること
    を特徴とする株式運用支援システム。
  3. 前記請求項2に記載の株式運用支援システムにおいて、
    前記分析手段は、前記投資期間内の複数時点各々の前記選定手段が選定した構成銘柄で構成されるポートフォリオのリターンを算出し、前記投資期間内の複数時点各々の前記ポートフォリオのリターンから該当する時点のポートフォリオの取引コストを除いたネットリターンを算出し、前記ネットリターンが最も大きくなる時点を特定し、投資開始から前記特定した時点までの期間を銘柄入れ替え周期として決定すること
    を特徴とする株式運用支援システム。
  4. 株式のリターンを分析する株式運用支援システムにおいて、
    銘柄毎に、価格情報と、複数の株価指標であるファクターの値が記憶されたファクター情報と、を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された価格情報とファクター情報とを回帰分析して、銘柄のリターンの推定に有効なファクターを1つ以上選定するファクター選定手段と
    株式の売買に要する取引コスト情報を受け付ける受付手段と、
    前記ファクター選定手段が選定したファクターの銘柄毎の値を前記記憶手段に記憶されたファクター情報から読み出し、前記読み出した銘柄毎のファクターの値と、前記記憶手段に記憶された銘柄毎の価格情報とに基づいて銘柄毎のリターンを算出し、当該銘柄毎のリターンからポートフォリオの構成銘柄を選定する銘柄選定手段と、
    前記銘柄選定手段が選定した構成銘柄各々のリターンを合計して当該構成銘柄で構成されるポートフォリオのリターンを算出し、前記受付手段が受け付けた取引コスト情報からポートフォリオの取引コストを算出し、前記ポートフォリオのリターンから前記取引コストを除いたネットリターンを算出し、出力する分析手段と、を有すること
    を特徴とする株式運用支援システム。
  5. 株式のリターンを分析する株式運用支援システムにおいて、
    銘柄毎に、価格情報と、複数の株価指標であるファクターの値が記憶されたファクター情報と、を記憶する記憶手段と、
    前記複数のファクターのうち1つ以上のファクターと、株式の売買に要する取引コスト情報と、を受け付ける受付手段と、
    前記受付手段が受け付けたファクターの銘柄毎の値を前記記憶手段に記憶されたファクター情報から読み出し、前記読み出した銘柄毎のファクターの値と、前記記憶手段に記憶された銘柄毎の価格情報とに基づいて銘柄毎のリターンを算出し、当該銘柄毎のリターンからポートフォリオの構成銘柄を選定する選定手段と、
    前記選定手段が選定した構成銘柄各々のリターンを合計して当該構成銘柄で構成されるポートフォリオのリターンを算出し、前記ポートフォリオのリターンに基づいて当該ポートフォリオに一定期間投資した場合のリターンと、前記受付手段が受け付けた取引コスト情報から前記一定期間に発生する取引コストとを算出し、前記一定期間投資した場合のリターンから前記一定期間に発生する取引コストを除いた前記一定期間のネットリターンを算出し、出力する分析手段と、を有すること
    を特徴とする株式運用支援システム。
  6. 前記請求項5記載の株式運用支援システムにおいて、
    前記受付手段は、前記ポートフォリオの銘柄入れ替え周期を、さらに受け付け、
    前記分析手段は、前記受付手段が受け付けた銘柄入れ替え周期で前記ポートフォリオの銘柄の入れ替えを行って、一定期間、前記ポートフォリオに投資した場合のリターンおよび取引コストを算出すること
    を特徴とする株式運用支援システム。
  7. 前記請求項5記載の株式運用支援システムにおいて、
    前記選定手段は、前記銘柄毎のリターンを算出したあとで、各銘柄が既にポートフォリオに組み入れられているか否かにより、前記算出した銘柄毎のリターンを前記受付手段が受け付けた取引コスト情報を用いて修正すること
    を特徴とする株式運用支援システム。
  8. 株式のリターンを分析する株式運用支援システムにおいて、
    銘柄毎に、価格情報と、複数の株価指標であるファクターの値が記憶されたファクター情報と、を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された価格情報とファクター情報とを回帰分析して、銘柄のリターンの推定に有効なファクターを1つ以上選定するファクター選定手段と
    株式の売買に要する取引コスト情報を受け付ける受付手段と、
    前記ファクター選定手段が選定したファクターの銘柄毎の値を前記記憶手段に記憶されたファクター情報から読み出し、前記読み出した銘柄毎のファクターの値と、前記記憶手段に記憶された銘柄毎の価格情報とに基づいて銘柄毎のリターンを算出し、当該銘柄毎のリターンからポートフォリオの構成銘柄を選定する銘柄選定手段と、
    前記銘柄選定手段が選定した構成銘柄各々のリターンを合計して当該構成銘柄で構成されるポートフォリオのリターンを算出し、前記ポートフォリオのリターンに基づいて当該ポートフォリオに一定期間投資した場合のリターンを算出するとともに、前記受付手段が受け付けた取引コスト情報から前記一定期間に発生する取引コストを算出し、前記一定期間に投資したリターンから前記一定期間に発生した取引コストを除いた前記一定期間のネットリターンを算出し、出力する分析手段と、を有すること
    を特徴とする株式運用支援システム。
  9. 株式のリターンを分析する株式運用支援システムにおいて、
    銘柄毎に、価格情報と、複数の株価指標であるファクターの値が記憶されたファクター情報と、を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された価格情報とファクター情報とを回帰分析して、銘柄のリターンの推定に有効なファクターを1つ以上選定するファクター選定手段と
    株式の売買に要する取引コスト情報を受け付ける受付手段と、
    前記ファクター選定手段が選定したファクターの銘柄毎の値を前記記憶手段に記憶されたファクター情報から読み出し、前記読み出した銘柄毎のファクターの値と、前記記憶手段に記憶された銘柄毎の価格情報とに基づいて銘柄毎のリターンを算出し、当該銘柄毎のリターンからポートフォリオの構成銘柄を選定する銘柄選定手段と、
    所定の投資期間内の複数の時点毎に、前記銘柄選定手段が選定した銘柄各々のリターンの総和である前記ポートフォリオのリターンを算出するとともに、前記受付手段が受け付けた取引コスト情報を用いて前記ポートフォリオの取引コストを算出し、前記投資期間内の複数時点各々の前記ポートフォリオのリターンから当該時点の取引コストを除いたネットリターンを算出する算出手段と、
    前記算出手段が算出したネットリターンが最も大きくなる時点を特定し、投資開始から前記特定した時点までの期間を銘柄入れ替え周期として決定する周期決定手段と、
    前記周期決定手段が決定した銘柄入れ替え周期でポートフォリオの銘柄の入れ替えを行って、前記選定手段が選定した銘柄のポートフォリオに一定期間投資した場合のリターンを前記ポートフォリオのリターンを用いて算出するとともに、前記ポートフォリオに一定期間投資した場合に発生する取引コストを前記受付手段が受け付けた取引コスト情報を用いて算出し、前記一定期間投資した場合のポートフォリオのリターンから前記一定期間に発生するポートフォリオの取引コストを除いてネットリターンを算出し、出力するパフォーマンス分析手段と、を有すること
    を特徴とする株式運用支援システム。
  10. 株式のリターンを分析する株式運用支援プログラムであって、
    前記プログラムは、情報処理装置に、
    銘柄毎に、価格情報と、複数の株価指標であるファクターの値が記憶されたファクター情報と、を記憶する記憶手段、
    前記複数のファクターのうち1つ以上のファクターと、株式の売買に要する取引コスト情報と、を受け付ける受付手段、
    前記受付手段が受け付けたファクターの銘柄毎の値を前記記憶手段に記憶されたファクター情報から読み出し、前記読み出した銘柄毎のファクターの値と、前記記憶手段に記憶された銘柄毎の価格情報とに基づいて銘柄毎のリターンを算出し、当該銘柄毎のリターンからポートフォリオの構成銘柄を選定する選定手段、および、
    前記選定手段が選定した構成銘柄各々のリターンを合計して当該構成銘柄で構成されるポートフォリオのリターンを算出し、前記受付手段が受け付けた取引コスト情報からポートフォリオの取引コストを算出し、前記ポートフォリオのリターンから前記取引コストを除いたネットリターンを算出し、出力する分析手段、として機能させること
    を特徴とする株式運用支援プログラム。
  11. 株式のリターンを分析する株式運用支援プログラムにおいて、
    前記プログラムは、情報処理装置に、
    銘柄毎に、価格情報と、複数の株価指標であるファクターの値が記憶されたファクター情報と、を記憶する記憶手段、
    前記複数のファクターのうち1つ以上のファクターと、株式の売買に要する取引コスト情報と、を受け付ける受付手段、
    前記受付手段が受け付けたファクターの銘柄毎の値を前記記憶手段に記憶されたファクター情報から読み出し、前記読み出した銘柄毎のファクターの値と、前記記憶手段に記憶された銘柄毎の価格情報とに基づいて銘柄毎のリターンを算出し、当該銘柄毎のリターンからポートフォリオの構成銘柄を選定する選定手段、および、
    前記選定手段が選定した構成銘柄各々のリターンを合計して当該構成銘柄で構成されるポートフォリオのリターンを算出し、前記ポートフォリオのリターンに基づいて当該ポートフォリオに一定期間投資した場合のリターンと、前記受付手段が受け付けた取引コスト情報から前記一定期間に発生する取引コストとを算出し、前記一定期間投資した場合のリターンから前記一定期間に発生する取引コストを除いた前記一定期間のネットリターンを算出し、出力する分析手段、として機能させること
    を特徴とする株式運用支援プログラム。
  12. 株式のリターンを分析する株式運用支援方法であって、
    情報処理装置の演算処理部は、
    銘柄毎に、価格情報と、複数の株価指標であるファクターの値が記憶されたファクター情報と、を記憶する記憶ステップと、
    前記複数のファクターのうち1つ以上のファクターと、株式の売買に要する取引コスト情報と、を受け付ける受付ステップと、
    前記受付手段が受け付けたファクターの銘柄毎の値を前記記憶手段に記憶されたファクター情報から読み出し、前記読み出した銘柄毎のファクターの値と、前記記憶手段に記憶された銘柄毎の価格情報とに基づいて銘柄毎のリターンを算出し、当該銘柄毎のリターンからポートフォリオの構成銘柄を選定する選定ステップと、
    前記選定手段が選定した構成銘柄各々のリターンを合計して当該構成銘柄で構成されるポートフォリオのリターンを算出し、前記受付手段が受け付けた取引コスト情報からポートフォリオの取引コストを算出し、前記ポートフォリオのリターンから前記取引コストを除いたネットリターンを算出し、出力する分析ステップと、を有すること
    を特徴とする株式運用支援方法。
  13. 株式のリターンを分析する株式運用支援方法において、
    情報処理装置の演算処理部は、
    銘柄毎に、価格情報と、複数の株価指標であるファクターの値が記憶されたファクター情報と、を記憶する記憶ステップと、
    前記複数のファクターのうち1つ以上のファクターと、株式の売買に要する取引コスト情報と、を受け付ける受付ステップと、
    前記受付手段が受け付けたファクターの銘柄毎の値を前記記憶手段に記憶されたファクター情報から読み出し、前記読み出した銘柄毎のファクターの値と、前記記憶手段に記憶された銘柄毎の価格情報とに基づいて銘柄毎のリターンを算出し、当該銘柄毎のリターンからポートフォリオの構成銘柄を選定する選定ステップと、
    前記選定手段が選定した構成銘柄各々のリターンを合計して当該構成銘柄で構成されるポートフォリオのリターンを算出し、前記ポートフォリオのリターンに基づいて当該ポートフォリオに一定期間投資した場合のリターンと、前記受付手段が受け付けた取引コスト情報から前記一定期間に発生する取引コストとを算出し、前記一定期間投資した場合のリターンから前記一定期間に発生する取引コストを除いた前記一定期間のネットリターンを算出し、出力する分析ステップと、を有すること
    を特徴とする株式運用支援方法。
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