JP2005148387A - 電気光学装置の製造方法及び電気光学装置、並びにこれを備えた電子機器 - Google Patents

電気光学装置の製造方法及び電気光学装置、並びにこれを備えた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 電気光学装置において、光漏れや光リーク電流の発生を抑制し、高品質な表示を行う。
【解決手段】 基板上に、表示用電極と、表示用電極を駆動するための配線及び電子素子の少なくとも一方とを備えている。配線及び電子素子の少なくとも一方は、所定部分の側面が、所定部分よりも反射率が低い反射防止膜で覆われている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置の製造方法及び該電気光学装置、並びに、例えば液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置では、画素スイッチング用の素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下適宜“TFT”と呼ぶ)を備えたTFTアクティブマトリクス駆動形式を採ることが多い。TFTのチャネル領域に入射光が照射されると、光による励起で光リーク電流が発生してTFTの特性が劣化し、表示面における画質の不均一やコントラスト比の低下、フリッカ特性の劣化等の原因となる。TFTは通常、画素の非開口領域に配置されているが、それにも関わらずTFTに光が当たる。これは、入射光自体が基板に垂直な成分だけではないためである。更に、TFTアレイ基板上に形成される配線がAl−Si−Cu、Al−Cu等のAl(アルミニウム)含有材料からなる場合には、反射率が高いために、入射光が配線によって乱反射し、TFTに照射するおそれがある。とりわけ、プロジェクタのライトバルブ用の電気光学装置では、入射光強度が高いために、このような入射光のTFTへの入射は問題となる。
このため従来から、TFTのチャネル領域やその周辺領域を遮光する各種技術が提案されている。例えば、TFTよりも上層に遮光膜を設け、かかるチャネル領域やその周辺領域を遮光する構造が提案されている。特許文献1には、TFTのソース領域におけるソース引き出し電極とのコンタクト領域及びドレイン領域におけるソース引き出し電極とのコンタクト領域のうち少なくとも一方を、導電性の遮光片で覆う技術が開示されている。これによれば、コンタクトホールからTFTへの光の進入経路が遮断される。
他方、入射光を反射するAl系配線に関しては、これまでに抵抗ないし接触抵抗の低減、或いはヒロック等による配線欠陥を改善するなどの目的で、Al含有層と他材料の層とを積層する技術が提案されている(例えば、特許文献2から特許文献4を参照)。
特開2002−236460号公報 特開平5−235360号公報 特開平9−307113号公報 特開2001−119028号公報
しかしながら、上述の遮光技術には以下の問題点がある。即ち、前記遮光膜については、TFTアレイ基板上の積層構造の多層化、複雑化に伴い、平坦に成膜することが困難となっている。その結果、遮光膜表面の凸凹において入射光が乱反射し、或いは更に多重反射して、TFTの半導体層ないしその一部であるチャネル領域に入射するおそれがある。更に、上述したAl系配線等の高反射率の配線が存在すると、その上方に遮光膜を配置することで、該配線の上面を遮光しても、なお乱反射や多重反射を十分に防止できないという問題点がある。
加えて、画素の非開口領域に入射する光が、配線表面で乱反射等したり、配線のコンタクトホールを介して漏れたりすることで、開口領域内に侵入し、コントラスト比の低下を招きかねないという問題点もある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、光漏れや光リーク電流の発生を抑制し、高品質な表示を可能とする電気光学装置及びその製造方法、並びに、そのような電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上に、表示用電極と、該表示用電極を駆動するための配線及び電子素子の少なくとも一方とを備えており、前記配線及び電子素子の少なくとも一方は、所定部分の側面が、前記所定部分よりも反射率が低い反射防止膜で覆われている。
本発明の電気光学装置によれば、基板上には、表示用電極の他に走査線、データ線等の配線や、TFT等の電子素子が必要に応じて設けられている。例えば、液晶装置においては、走査線、データ線、TFT、蓄積容量、更にはそれらの間を接続する配線が設けられている。これら配線又は電子素子は、通常、層状に形成され、上面と下面との間に側面を有している。ちなみに、配線及び電子素子における上面、及び下面は夫々、基板上を平面的に見た場合の基板表側の表面領域、基板裏側の表面領域とみなすことができる。更に、それらのうちの所定部分は、側面が少なくとも部分的に反射防止膜で覆われている。
ここでいう「所定部分」は、複数ある配線及び電子素子のうちから選ばれた特定のものを指しており、設けられる配線及び電子素子の全てであってもよい。また、反射防止膜は、そのような特定の配線又は電子素子の概ね全体を覆ってもよいし、特定の配線又は電子素子の側面を含んだ部分のみを覆うように設けられてもよい。
本発明の発明者は、先ず、例えば高反射率のAl系配線において、Al層の上又は下に例えば低反射率の窒化チタン(TiN)層を設ける場合には、配線の反射率が低減し、TFTへの光の入射が防止されることに着目する。しかしながら、こうした積層構造の配線では、上面又は下面に入射してくる光についての反射を防止することはできるが、その側面における反射は防止することができない又は困難である。ここに、配線の側面は、上面や下面とは異なり、ほぼ基板面に垂直な面であるので、側面における反射光は、入射した側から装置外部に出てゆくよりも、むしろ装置内部に射出されるのである。従って、側面における反射光は、表示に悪影響を及ぼすおそれが大きく、他の部位における反射光と比べ、特に抑制すべきものと考察される。
そこで本発明に係る反射防止膜は、所定部分の側面を覆うように設けられており、且つ所定部分、つまり覆う対象である配線又は電子素子より反射率が低い材料からなる。そのため、基板上では、配線又は電子素子の所定部分のうち、側面における反射率が低下し、配線及び電子素子の表面、特に側面を介して入射光が表示面側に射出されたり、装置内部で入射光の乱反射が起きたりすることが阻止される。従って、光漏れによるコントラスト比低下が防止でき、良好な画質を維持することが可能となる。しかも、電気光学装置がTFTアクティブマトリクス駆動方式の場合など、光リーク電流の発生し得る半導体素子を各画素に備える場合には、TFT等の半導体素子への光の入射が回避されるので、光リーク電流の発生が阻止される。よって、これが原因となって生じる画質の不均一やコントラスト比低下、フリッカ特性の劣化等を防止することが可能となる。
特に、所定部分の側面のみを反射防止膜で覆うようにすると、配線又は電子素子の輻射熱による熱吸収を最低限に抑えることができ、温度上昇による電子素子等の信頼性低下、寿命低下などの不具合発生を防止することが可能となる。
尚、本発明において「側面が覆われている」とは、側面が完全に覆われていることの他、上述の如く側面での乱反射の防止という効果が奏せられる限りにおいて、側面の概ね全域や大部分或いは特定の一部分が覆われていることをも意味する。何れの場合にも、何らの対策を講じられない場合に乱反射等を生じ得る側面が反射防止膜で覆われるのに応じて該乱反射等が防止或いは低減されることになる。
例えば、近年の液晶装置においては、高精細化に伴い、低抵抗のアルミニウム(Al)が配線材料として用いられるようになっている。しかしながら、Alの反射率が高いので、Al系配線は入射光を乱反射させ、上記のコントラスト比低下や光リーク電流の発生といった問題を発生させている。よって、本発明の如く、こうしたAl系配線を選択的に反射防止膜で覆うのは、非常に有効である。更にいえば、Alに代表される高反射率材料を用いてなる配線或いは電子素子、つまり、入射光を反射する可能性のある部位を適宜に反射防止膜で覆うようにすれば、装置内部での光の反射を未然に防ぐことが可能であり、上述の技術的課題を効率よく改善することができる。
このように、本発明は、入射光のうち非開口領域に入射する成分が、最終的に入射する非開口領域を遮光膜でシールドするという従来の手法とは異なり、この成分を、まず配線ないし電子素子において反射させないようにするという着想に基づいている。装置内部で反射した光の進行方向は複雑であり、反射光が当たることが予期される部位に遮光膜を設けるよりは、本発明のように、光を反射させる構成要素をなくして反射自体を未然に防ぐほうが、簡単で確実に乱反射を防止することができるのである。
本発明の電気光学装置の一態様では、前記所定部分の上面は、前記反射防止膜で覆われている。
この態様によれば、配線又は電子素子の所定部分は、反射防止膜によって上面から側面まで覆われている。そのため、この所定部分は、基板の上方から入射してくる光に対して上面も側面も反射率が低く、装置内部での光の乱反射を更によく防止することができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記所定部分の下面は、前記反射防止膜で覆われている。
この態様によれば、配線及び電子素子の少なくとも一方における所定部分は、側面に加えて、下面までも、又は側面に加えて上面及び下面までも、反射防止膜で覆われている。例えば、反射防止膜が電気絶縁性或いは導電率に乏しい場合には、配線又は電子素子の少なくとも一部における電気的な接続をとる個所を除く表面全体が反射防止膜で覆われている。また例えば、反射防止膜が導電材料である場合には、配線又は電子素子の少なくとも一部における表面全体が反射防止膜で覆われている。そのため、基板上では、配線又は電子素子の所定部分の全面で反射率が低下し、この所定部分に入射する光は、どの角度から入射しようとも反射が防止される。従って、所定部分における反射が原因となって生じる光漏れや光リーク電流の発生を、根本的に阻止することができる。特に、所定部分のどの部位においても反射が防止されることから、入射光の装置内部での乱反射に対して非常に有効である。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記反射防止膜は、窒化膜、酸窒化膜又は酸化膜を含む。
この態様では、反射防止膜は、具体的には、窒化チタン(TiN)、窒化シリコン(SiN)等の窒化膜、酸窒化チタン、酸窒化シリコン等の酸窒化膜、酸化チタン等の酸化膜などを、単一層構造又は多層構造内に含んでなる。例えば、TiNは、前述のように低抵抗化、配線欠陥防止のために、多層配線に用いられる他、半導体製造技術においてはエレクトロマイグレーションを防止する目的で用いられたり、フォトリソグラフィの際のレジストに対する反射防止膜として用いられたりしている。そのため、TiNを含む反射防止膜は、反射をよく防止することが可能である。また、TiNを用いれば、上記の配線被覆材としての優れた性質により、配線抵抗の低減や配線欠陥の防止が可能となる。
他方、例えばSiNもまた低反射率材料であり、反射をよく防止することが可能である。尚、反射防止膜は、SiNを含有する単層膜であってもよいし、SiN層とその他の層の積層膜であってもよい。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記反射防止膜は、前記所定部分を酸化して得られる酸化皮膜としてよい。
この態様によれば、反射防止膜を、CVDやスパッタ等で成膜するのではなく、陽極酸化や化成処理により配線又は電子素子の表面を酸化し、皮膜として生成する。これによれば、配線又は電子素子の表面に、均一な反射防止膜が設けることができる。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記所定部分は、アルミニウム(Al)を含んでもよい。
Alは低抵抗、安価である等の長所を備えるため、従来より配線材料として多用されている。但し、その一方でAlは反射率が高く、電気光学装置においては反射光の影響を顕著とならしめている。これに対し、本態様によれば、配線又は電子素子の所定部分のうちの少なくとも側面が反射防止膜で覆われるため、所定部分がこうした高反射率材料で構成されていても、その反射による悪影響は抑制され、良好な表示品質を維持することが可能である。また、配線等に、従来と同様にAlを使用することができるので、好都合である。
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記配線及び電子素子として薄膜トランジスタ(TFT)を備えており、前記所定部分は、前記薄膜トランジスタよりも上層に形成された前記配線及び電子素子の少なくとも一方であるようにしてもよい。
この態様によれば、TFTよりも上層の配線や電子素子に反射防止膜が形成される。本発明は、配線や電子素子のうちでも側面における反射に着目しており、側面での反射光がTFTに照射される位置、つまりTFTよりも上層の配線等に反射防止膜を設けることによって、反射光による光漏れ及び光リーク電流の発生等の悪影響が効率よく低減される。
通常、TFTは、アクティブマトリクス駆動のために必要とされ、基板の下層に設けられる。特に、高温プロセス型ポリシリコンTFTでは、1000℃以上の熱処理により熱酸化ゲート絶縁膜が形成されるため、高温で揮発したり変形したりする可能性がある材料で構成される回路要素は、TFTと同じ層面に形成することが困難である。従って、入射光を反射する配線等は、TFTの上層にある場合が多い。そこで、TFTより上の配線等を反射防止膜で覆うようにすれば、効率よく上記の問題を改善することが可能である。
実際、高反射率であるAlは、融点が低く、TFTより上層の配線等にしか概ね用いられていない。例えば、データ線や容量配線はAlを含む場合が多く、そうした場合には反射防止膜で覆うことが好ましい。尚、容量配線は、表示状態を保つために設けられた、表示用電極の電圧を一定に保持する蓄積容量に接続されている。通常、蓄積容量は、一端を表示用電極に接続され、他端を固定電位に保たれた容量配線に接続されている。データ線や容量配線は、TFTより上に配置されるだけでなく、TFTを入射光から護る遮光膜としても機能するように非開口領域の形状にパターン化されることがある。そのような広範な領域に形成される配線をAl等の反射率の高い材料で構成すると、反射光の光量が多大となる可能性がある。また、遮光膜として機能するデータ線や容量配線等は、端部が開口領域に向かって最大限張り出すように設計されるが、その結果、これら配線の側面は入射光を反射しやすい位置にある。このようなデータ線や容量配線を反射防止膜で覆うようにすれば、効率よく上記の問題を改善することが可能である。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む)を具備してなる。
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品位の表示が可能な、投射型表示装置、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置の他に、電子放出素子を利用した表示装置(Field Emission Display及びSurface-Conduction Electron-Emitter Display)等も実現することが可能である。
本発明の電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、基板上に、表示用電極と、該表示用電極を駆動するための配線及び電子素子の少なくとも一方とを備えた電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法であって、前記基板上に前記配線及び電子素子の少なくとも一方を形成する工程と、前記配線及び電子素子の少なくとも一方の所定部分の側面に、前記所定部分よりも反射率が低い材料で反射防止膜を形成する工程とを備えている。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、基板上に形成された配線、又は電子素子のうちの所定部分に対し、反射防止膜が形成される。ここで、反射防止膜は、必ず所定部分である配線或いは電子素子の側面を含むように形成される。その結果、配線又は電子素子の所定部分、特にその側面における反射率が低減され、配線及び電子素子の表面、特に側面を介して入射光が表示面側に射出されたり、装置内部で入射光の乱反射が起きたりすることが阻止される。従って、光漏れによるコントラスト比低下が防止された、表示品質が良好な電気光学装置の製造が可能となる。また、TFTアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置に対して本製造方法を適用すれば、TFTへの光の入射が回避され、光リーク電流に起因する画質劣化が防止される。
本発明の電気光学装置の製造方法の一態様では、前記反射防止膜を形成する工程は、前記所定部分の上面から前記側面にかけて、前記反射防止膜を形成する工程を含む。
一般に、配線又は電子素子に対し、その側面にのみ成膜することは、側面の幅(即ち、配線又は電子素子の厚み)が狭く、側面が基板にほぼ垂直であること等から困難な作業である。そこで、この態様では、側面に反射防止膜を形成する際に、配線又は電子素子の側面及び上面を覆うように成膜するようにしたので、簡便に側面を覆うことができる。
この工程では、側面と共に上面も反射防止膜で覆うので、このまま上面に反射防止膜を残しておけば、上面における光の反射も防止でき、より効率よく上述の問題を改善することができる電気光学装置を製造することが可能となる。尚、側面のみを反射防止膜で覆う場合には、例えば以下のエッチング等を利用して側面にのみ反射防止膜を残すような工程を更に施すとよい。
このように所定部分の上面から側面にかけての領域に反射防止膜を形成する態様では、前記反射防止膜を形成する工程は、更に、フォトリソグラフィ及びエッチングを用い、前記反射防止膜を前記側面に残しつつ部分的に除去する工程を含んでいてもよい。
この場合には、先に所定部分の上面から側面にかけて形成された反射防止膜が、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、側面に残しつつ選択的に除去される。よって、簡便な方法で、反射防止膜を必要とされる領域に限って設けることができる。また、反射防止膜を、所定部分の側面にのみ形成することが可能となる。
また、所定部分の上面から側面にかけての領域に反射防止膜を形成する態様では、前記反射防止膜を形成する工程は、更に、異方性エッチングを施し、前記反射防止膜を前記所定部分の側面に残しつつ部分的に除去する工程を含んでいてもよい。
この場合には、異方性エッチングにより、所定部分の上面から側面にかけて形成された反射防止膜がエッチングされる。その際、エッチングの深さ方向にあたる上面の方が側面に比べてエッチング速度が速いので、反射防止膜を側面には確実に残しつつ、上面の厚みを薄くすることができる。この結果、反射防止膜の厚みによって基板表面に凹凸が生じるのを軽減することができ、凹凸に起因する装置の画質劣化を助長せずに済む。
或いは、更にエッチングを進行させることにより、反射防止膜は上面からは除去され、側面に選択的に残される。即ち、反射防止膜は、例えばLDD(Lightly Doped Drain)構造のTFT形成時に一般的に利用されるサイドウォールと同様にして形成される。その結果、側面のみが反射防止膜に選択的に覆われた構造を実現することが可能となる。
更に、所定部分の上面から側面にかけての領域に反射防止膜を形成する態様では、前記反射防止膜を形成する工程は、少なくとも前記所定部分の形成前に、前記所定部分の形成領域に前記反射防止膜を形成する工程を含むようにしてもよい。
この場合には、反射防止膜の上に、所定部分である配線又は電子素子が形成され、更にその上を覆うように、反射防止膜が所定部分の上面から側面にかけて形成される。従って、所定部分は、下面、側面及び上面、即ち表面全体が反射防止膜に覆われ、入射してくる光に対しては、どこから入射しても反射しないようになる。従って、この製造方法によれば、上述の問題を効果的に改善することができる電気光学装置を得ることができる。
尚、所定部分にコンタクトホールで下層と導通する配線を含む場合に、反射防止層を所定部分の形成面と共にコンタクトホール内面にも形成するようにすれば、コンタクトホールからの光漏れを低減することができ、一層良好な電気光学装置が得られる。
一方、反射防止膜を形成する工程において、前記所定部分の形成後、前記基板に対して斜め方向から材料を供給する成膜方法により、前記所定部分の側面を含む領域に前記反射防止膜を形成するようにしてもよい。
この態様では、例えば斜め蒸着等の成膜方法が適用され、基板面に対して、水平方向の成分を含む方向から材料が供給されることにより、特に、所定部分の側面に反射防止膜が形成される。よって、側面に対して確実に反射防止膜を形成することが可能である。
或いは、反射防止膜を形成する工程において、前記所定部分の側面を含む領域に酸化処理を施し、酸化皮膜として前記反射防止膜を形成する工程を含むようにしてもよい。
この態様では、所定部分の側面ないし上面から側面にかけての領域に、陽極酸化又は化成処理等によって酸化処理が施され、陽極酸化皮膜又は化成皮膜等の酸化皮膜として反射防止膜が形成される。従って、この製造方法によれば、所定部分のうち側面を含む所望の領域に、均一に反射防止膜が形成され、入射光の反射を確実に防止することが可能な電気光学装置を簡便に製造することができる。一般に、側面に成膜することは比較的難しく、膜厚が厚く形成されがちであるが、この方法によれば、側面に対しても反射防止膜を薄く形成することができる。
この酸化皮膜として反射防止膜を形成する態様では、前記反射防止膜を形成する工程は、前記基板上の一面にレジストマスクを形成する工程と、前記レジストマスクのうち前記所定部分の側面を含む領域に開口部を設ける工程と、前記レジストマスクを介して陽極酸化を行う工程とを含んでいてもよい。
この場合には、まず基板の一面にレジストマスクを塗布形成し、レジストマスクのうち、所定部分の側面を含む領域を開口する。その後、この基板に対し、レジストマスクを介して陽極酸化を行う。このとき、基板上のレジストマスクに覆われた領域は酸化されず、その開口部から露出した領域、即ち所定部分の側面を含む領域において、選択的に陽極酸化皮膜が形成される。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
〔第1実施形態〕
先ず、本発明の第1実施形態の電気光学装置について、図1から図4を参照して説明する。図1は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。図2は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。図3は、図2のA−A'断面図であり、図4は、図2のB−B'断面図である。尚、図3及び図4においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
図1において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には夫々、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、後述する対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。
(電気光学装置の構成)
図2において、電気光学装置のTFTアレイ基板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a'により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。
また、半導体層1aのうち図2中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a'に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲート電極を含む。このように、走査線3aとデータ線6aとの交差する個所には夫々、チャネル領域1a'に走査線3aの一部がゲート電極として対向配置された画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
データ線6aは、その上面が平坦化された第2層間絶縁膜42を下地として形成されており、コンタクトホール81を介してTFT30の高濃度ソース領域に接続されている。本実施形態では、データ線6a及びコンタクトホール81の内部は、Al−Si−Cu、Al−Cu等のAl(アルミニウム)含有材料、若しくはAl単体からなり、反射防止膜61a及び62aによってこれらの表面全体が覆われている(図2から図4を参照)。即ち、データ線の上面から側面にかけては反射防止膜61aに覆われ、残る下面は反射防止膜62aに覆われている。
反射防止膜61a及び62aは、データ線6aに当たる光の反射を抑制するために設けられ、少なくともデータ線6aよりは低反射率となるように構成される。ここでは、反射防止膜61a及び62aは、窒化チタン(TiN)の単層膜、又はTiN層とTi層との積層膜としている。尚、反射防止膜61aと反射防止膜62aとは、同じ構成であってもよいし、夫々異なっていてもよい。
一般に、データ線6aには低抵抗で安価なAlが好適に用いられる。また、Alを用いたデータ線6aは、遮光膜としても機能するものとして設計される場合がある。しかしながら、Alは反射率が高いために、入射光の一部がデータ線6aに当たればこれが乱反射され、コントラスト比が低下したり、TFT30のチャネル領域1a´又は半導体層1aに光が入射して光リーク電流が発生したりして、画質が劣化する可能性がある。そうした問題の原因となる反射は、特に、データ線6aの側面及び下面において生ずる。側面は、TFTアレイ基板10とほぼ垂直な面であり、入射光を装置内に反射させてしまう。また、下面は、装置内に留まっている光を装置内に向かって反射する。例えば、上部容量電極300等の、より下層の配線がAlを含むなどして高反射率であれば、その上面における反射光は、データ線6aの下面に照射される可能性が高い。
これに対し、本実施形態では、TFT30よりも上層のデータ線6aに対して反射防止膜61a及び62aを付設するようにしたので、データ線6aの側面や下面における反射光が低減され、このような反射光のチャネル領域1a´及びその周辺に対する入射を、適切に抑制することができる。
このデータ線6aは、表面全体が低反射率の反射防止膜61a及び62aによって被覆されているため、データ線6aのどこに光が照射したとしても反射光が殆ど生じない。従って、データ線6aは、Alを用いることで、良好な配線抵抗のおかげで配線の微細化にも対応できるという利点を有しつつも、表面における光の反射が未然に防止される。また、ここでは、表面に付設された反射防止膜61a及び62a共々、データ線6aは反射のない、良好な遮光膜として機能する。
尚、本実施形態では、コンタクトホール81の内部も、表面全体を反射防止膜62aにより被覆されているので、この部分における反射光が殆ど生じない。同時に、コンタクトホール81を通じてTFTアレイ基板10側に抜ける光によって、表示面に光漏れが生じるのを防止することもまた可能となる。
蓄積容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての下部容量電極71と、固定電位側容量電極としての上部容量電極300の一部とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。
上部容量電極300は、例えば金属又は合金を含む導電性の遮光膜からなり、上側遮光膜(内蔵遮光膜)の一例としてTFT30の上側に設けられている。また、この上部容量電極300は、固定電位側容量電極としても機能する。上部容量電極300は、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。或いは、上部容量電極300は、Al(アルミニウム)、Ag(銀)等の他の金属を含んでもよい。但し、上部容量電極300は、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる第1膜と高融点金属を含む金属シリサイド膜等からなる第2膜とが積層された多層構造を持ってもよい。
他方、下部容量電極71は、例えば導電性のポリシリコン膜からなり画素電位側容量電極として機能する。下部容量電極71は、画素電位側容量電極としての機能の他、上側遮光膜としての上部容量電極300とTFT30との間に配置される、光吸収層或いは上側遮光膜の他の例としての機能を持ち、更に、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能を持つ。但し、下部容量電極71も、上部容量電極300と同様に、金属又は合金を含む単一層膜若しくは多層膜から構成してもよい。
容量電極としての下部容量電極71と上部容量電極300との間に配置される誘電体膜75は、例えば膜厚5〜200nm(ナノメートル)程度の比較的薄いHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。蓄積容量70を増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体膜75は薄い程良い。
また上部容量電極300は、画素電極9aが配置された画像表示領域からその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされる。係る定電位源としては、TFT30を駆動するための走査信号を走査線3aに供給するための後述の走査線駆動回路や画像信号をデータ線6aに供給するサンプリング回路を制御する後述のデータ線駆動回路に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位でも構わない。
一方、TFT30の下には、下地絶縁膜12を介して下側遮光膜11aが格子状に設けられている。
下側遮光膜11aは、TFTアレイ基板10側から装置内に入射する戻り光からTFT30のチャネル領域1a´及びその周辺を遮光するために設けられている。この下側遮光膜11aは、上側遮光膜の一例を構成する上部容量電極300と同様に、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。更に、下側遮光膜11aについても、その電位変動がTFT30に対して悪影響を及ぼすことを避けるために、上部容量電極300と同様に、画像表示領域からその周囲に延設して定電位源に接続するとよい。
下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。
画素電極9aは、下部容量電極71を中継することにより、コンタクトホール83及び85を介して半導体層1aのうち高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。即ち、本実施形態では、下部容量電極71は、蓄積容量70の画素電位側容量電極としての機能及び光吸収層としての機能に加えて、画素電極9aをTFT30へ中継接続する機能を果たす。このように下部容量電極71を利用すれば、層間距離が例えば2000nm程度に長くても、両者間を一つのコンタクトホールで接続する技術的困難性を回避しつつコンタクトホール及び溝で両者間を良好に接続でき、画素開口率を高めること可能となり、コンタクトホール開孔時におけるエッチングの突き抜け防止にも役立つ。
図3及び図4に示すように、電気光学装置は、透明なTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。
TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
他方、対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
対向基板20には、格子状又はストライプ状の遮光膜を設けるようにしてもよい。このような構成を採ることで、反射防止膜61a、62aや上部容量電極300として設けられた上側遮光膜と併せ、TFTアレイ基板10側からの入射光のチャネル領域1a'ないしその周辺への侵入を阻止するのをより確実に阻止することができる。尚、対向基板20上の遮光膜は、少なくとも外光が照射される面において反射率が高くなるように形成することにより、電気光学装置の温度上昇を防ぐ働きをする。
このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、後述のシール材により囲まれた空間に電気光学物質の一例である液晶が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22により所定の配向状態をとる。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。シール材は、TFTアレイ基板10及び対向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材が混入されている。
図3において、画素スイッチング用TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a'、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。
走査線3a上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔された第1層間絶縁膜41が形成されている。
第1層間絶縁膜41上には下部容量電極71及び上部容量電極300が形成されており、これらの上には、コンタクトホール81及び85が各々開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。
第2層間絶縁膜42上には反射防止膜61a及び62aで被覆されたデータ線6aが形成されており、これらの上には、下部容量電極71へ通じるコンタクトホール85が形成された第3層間絶縁膜43が形成されている。画素電極9aは、このように構成された第3層間絶縁膜43の上面に設けられている。
尚、図3及び図4に示したように、蓄積容量70、走査線3a、TFT30等の第2層間絶縁膜42下に存在する各種部材に応じて生じる段差は、第2層間絶縁膜42の表面を平坦化処理することで緩和されている。例えば、この平坦化はCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理等の研磨処理、或いは有機SOG(Spin On Glass)を用いることで実施される。但し、このように第2層間絶縁膜42に平坦化処理を施すのに代えて又は加えて、TFTアレイ基板10、下地絶縁膜12及び第1層間絶縁膜41のうち少なくとも一つに溝を掘り、蓄積容量70、走査線3a、TFT30等を埋め込むことによって平坦化処理を行うようにしてもよい。
(製造プロセス)
次に、上述した第1実施形態の電気光学装置の製造プロセスについて、図5及び図6を参照して説明する。ここに、図5及び図6は、図4に示したB−B'断面に概ね対応する個所における断面構造を工程ごとに示す工程図である。
先ず図5(a)の工程では、シリコン基板、石英基板、ガラス基板等の基板10を用意する。ここで、好ましくはN2(窒素)等の不活性ガス雰囲気下、約850〜1300℃、より好ましくは1000℃の高温でアニール処理し、後に実施される高温プロセスにおいて基板10に生じる歪みが少なくなるように前処理しておく。
続いて、このように処理された基板10の全面に、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPd等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリング法などにより、100〜500nm程度の膜厚、好ましくは約200nmの膜厚の遮光層を形成した後、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、図2に示したようなパターンの下側遮光膜11aを画像表示領域10a内に形成する。
次に図5(b)の工程では、下側遮光膜11aの上に、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜等からなる下地絶縁膜12を形成する。
続いて、下地絶縁膜12の上に、減圧CVD等によりアモルファスシリコン膜を形成しアニール処理を施すことにより、ポリシリコン膜を固相成長させる。或いは、アモルファスシリコン膜を経ないで、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を直接形成する。次に、このポリシリコン膜に対し、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等を施すことにより、図2に示した所定パターンを有する半導体層1aを画像表示領域10a内に形成する。更に、熱酸化すること等により、ゲート絶縁膜となる絶縁膜2を形成する。この結果、半導体層1aの厚さは、約30〜150nmの厚さ、好ましくは約35〜50nmの厚さとなり、絶縁膜2の厚さは、約20〜150nmの厚さ、好ましくは約30〜100nmの厚さとなる。
続いて、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を約100〜500nmの厚さに堆積し、更にP(リン)を熱拡散して、このポリシリコン膜を導電化した後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、図2に示した所定パターンを有する走査線3aを画像表示領域10a内に形成する。次に、低濃度及び高濃度の2段階で不純物イオンをドープすることにより、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを含む、LDD構造の画素スイッチング用TFT30の半導体層1aを画像表示領域10a内に形成する。
次に図5(c)の工程では、例えば、常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜等からなる第1層間絶縁膜41を形成する。続いて、ドライエッチング又はウエットエッチング若しくはこれらの組み合わせにより、第1層間絶縁膜41にコンタクトホール81、83等を開孔する。
続いて、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を堆積し、更にリン(P)を熱拡散し、このポリシリコン膜を導電化して下部容量電極71を形成する。更に、減圧CVD法、プラズマCVD法等により高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜からなる誘電体膜75を膜厚50nm程度の比較的薄い厚さに堆積した後、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPd等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリングにより上部容量電極300を形成する。これらにより、画像表示領域10a内に、蓄積容量70を形成する。
続いて、例えば常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる層間絶縁膜42Sを形成する。
次に図5(d)の工程では、層間絶縁膜42Sの表面をCMP処理により平坦化する。具体的には、例えば研磨プレート上に固定された研磨パッド上に、シリカ粒を含んだ液状のスラリー(化学研磨液)を流しつつ、スピンドルに固定した基板表面(層間絶縁膜42Sの側)を、回転接触させることにより、層間絶縁膜42Sの表面を研磨する。そして、上部容量電極300が露出する前に、時間管理により或いは適当なストッパ層をTFTアレイ基板10上の所定位置に形成しておくことにより、研磨処理を停止する。この結果、膜厚が、例えば約500〜1500nmであると共に上面が平坦化された第2層間絶縁膜42が完成する。
尚、このようなCMP処理に代えて又は加えて、第2層間絶縁膜42をSOG膜から形成することで、或いは第2層間絶縁膜42上にSOG膜を形成することで、第2層間絶縁膜42の上面の平坦化を行ってもよい。
次に図6(a)の工程では、第2層間絶縁膜42に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホール81を開孔する。その後、第2層間絶縁膜42上の全面に、スパッタリング等によりTiN単層或いはTiN/Ti積層膜を堆積し、更にその上に、AlないしAl合金等のAlを含有した配線材料を堆積する。そして、これらの堆積膜にフォトリソグラフィ及びエッチングを施し、所定パターンを有するデータ線6a及び反射防止膜62aを形成する。
次に図6(b)の工程では、更に、第2層間絶縁膜42上の全面にスパッタリング等によりTiN単層或いはTiN/Ti積層膜を堆積する。そして、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、この膜に、データ線6aのパターンに合わせてパターニングを行い、反射防止膜62aを形成する。このとき、反射防止膜61aと反射防止膜62aによってデータ線6aの表面が完全に覆い尽くされるように、反射防止膜62aのパターン幅には多少のマージンをとっておく。
次に図6(c)の工程では、例えば常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜43を形成する。続いて、第3層間絶縁膜43に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより、下部容量電極71に至るコンタクトホール85(図3参照)を開孔し、スパッタ処理等によりITO膜を形成し、更にフォトリソグラフィ及びエッチングを行なうことにより、画素電極9aを形成する。その後、この上にポリイミド系の配向膜の塗布液を塗布し、更に所定のプレティルト角を持つように所定方向にラビング処理を施すこと等により、配向膜16が形成される。
以上説明した製造プロセスにより、上述した電気光学装置を構成するTFTアレイ基板10を比較的容易に製造できる。
このように本実施形態の電気光学装置では、データ線6aを反射防止膜61a、62aで覆い、その表面における反射率を低減するようにしたので、データ線6aにおける反射自体が未然に防止される。特に、データ線6aの表面全体が反射防止膜61a、62aで覆われるようにしたので、予期しない方向から当たる光についても反射が抑制されている。そのため、駆動中に対向基板20側から入射される入射光がデータ線6aの表面で反射される場合に生じる、光漏れや光リーク電流等が抑制され、画質の不均一やコントラスト比の低下、フリッカ特性の劣化等の悪影響を防止することが可能となる。
ここでは、更に上部容量電極300及びデータ線6aを上部遮光膜としたことで、光漏れや光リーク電流等の発生がより確実に抑えられる。尚、遮光膜として機能するデータ線6a等は、端部が画素領域に向かって最大限張り出すように設計されるために、その上面及び側面は入射光を反射しやすい位置にある。しかし、データ線6aの上面及び側面は反射防止膜61aで覆われているので、ここでは入射光の反射を考慮せず、その位置形状は自由に設計することができる。
また、本実施形態では、コンタクトホール81の内部も表面全体を反射防止膜62aにより被覆されているので、コンタクトホール81における光の反射も抑制される。同時に、反射防止膜62aによって、コンタクトホール81を通じてTFTアレイ基板10側に光が抜けることが抑制され、光漏れが防止される。
また、データ線6aはAlを含んで構成されているようにしたので、低抵抗化が可能であり、配線の微細化にも対応することができる。
一方、反射防止膜61a、62aはTiNを含んで構成されているようにしたので、データ線6aの表面における反射率を低減するという作用効果に加え、データ線6aにおける低抵抗化、配線欠陥防止、エレクトロマイグレーションの防止等の効果を発揮することが可能である。これにより、データ線6aを、より特性良好な配線とすることができる。
更に、ここでは、TFT30よりも上層に配置されたデータ線6aに対して反射防止膜61a及び62aを付設するようにしたので、データ線6aの側面や下面における反射光が低減され、このような反射光のチャネル領域1a´及びその周辺に対する入射を、適切に抑制することができる。ちなみに、Alは融点が低く、高温プロセスで形成されるTFT30より上層の配線等にしか用いることができない。そのため、TFTアレイ基板10上に形成されるAl含有の構成要素では、データ線6aに限らず、上記反射光に関する問題が生じる。そうしたTFT30より上層の構成要素にも、反射防止膜は有効である。
〔変形例〕
上記第1実施形態においては、反射防止膜61a及び62aによってデータ線6aの表面全体を覆うようにしたが、少なくとも、データ線6aの側面が反射防止膜で覆われれば、入射光の反射が軽減される。従って、データ線6aには、まず側面が覆われた状態、更にその上面又は下面が覆われた状態、最終的に表面全体が覆われた状態の4つの態様がある。また、反射防止膜には種々の形成方法がある。そこで、以下では、図7から図9を参照し、形成方法に応じたデータ線6aの反射防止膜に係る変形例について説明する。
図7及び図9は、反射防止膜の変形例を表しており、図2のB−B´線における装置断面に対応した部分断面図である。但し、図7及び図9は、図4から図6のB−B´線断面図よりも拡大されている。
図7(a)は、上記第1実施形態において、反射防止膜62aが除かれた状態を表している。このように構成しても、反射防止膜61aの上から入射する入射光がデータ線6aの上面及び側面で反射することが阻止される。従って、より簡便な構成で、反射光に起因する表示への悪影響を防止することができる。
また、図7(b)の変形例では、データ線6aの側面にのみ反射防止膜61bを設けるようにしている。この反射防止膜61bは、例えば、図7(a)に示した反射防止膜61aの上面を、フォトリソグラフィ及びエッチングにより除去することにより得られる。或いは、データ線6aの上面にレジストを形成した後に、反射防止膜を形成し、上面における反射防止膜をレジストと共にリフトオフすることによって形成することも可能である。
このような構成においても、入射光がデータ線6aの側面で反射することが阻止されるので、反射光に起因する表示への悪影響を防止することができる。加えて、このように側面にのみ反射防止膜を形成する場合には、配線又は電子素子の輻射熱による熱吸収を最低限に抑えることができ、温度上昇による電子素子等の信頼性低下、寿命低下などの不具合発生を防止することが可能となる。尚、本変形例に、データ線6aの下面に反射防止膜を設ける変形を更に施すことも可能である。
図7(c)の変形例では、データ線6aの上面、下面及び側面に夫々、反射防止膜61ca、反射防止膜61cb、反射防止膜61ccが設けられている。こうした構造は、次のようにして得られる。
まず、図8(a)に示したように、第2層間絶縁膜42上の全面に、反射防止膜用材料、データ線用材料、更に反射防止膜用材料を堆積し、これらの堆積膜に一括エッチングを施すことにより、同じパターン形状の反射防止膜61ca、データ線6a及び反射防止膜61cbを形成する。
次に、図8(b)に示したように、データ線6aを覆うように反射防止膜61cc´を厚めに堆積する。次に、図8(c)に示したように、反射防止膜61cc´の上から異方性エッチングを施す。このとき、反射防止膜61cc´は、データ線6aの上面のほうが側面より早くエッチングが進行し、最終的に側面にだけ堆積する。これにより、データ線6aの側面にのみ反射防止膜61ccが形成され、図7(c)の構成が完成する。
この反射防止膜61ccの形成方法は、例えばMOSFFT等の不純物ドーピングの際に利用される、サイドウォールの形成方法と同様である。このような形成方法を採ることによっても、反射防止膜を、データ線6aの表面全体を覆うように設けることができる。
尚、図7(d)に示したように、データ線6aの側面に、反射防止膜61ccと同様にして形成された反射防止膜61dを付設するのみの構成としてもよい。また、図示はしないが、図7(c)に示した反射防止膜のうち、反射防止膜61ca又は反射防止膜61cbの一方のみを除いた構成としてもよい。
図9(a)の変形例では、反射防止膜61eが、データ線6aの上面から側面にかけての表面を覆っている。この反射防止膜61eは、データ線6aの表面を陽極酸化することにより得られる皮膜であり、データ線6aがAlを含むことから、例えばAl等のアルミ酸化膜となっている。
例えば、データ線6aが形成された第2層間絶縁膜42上に、レジストマスクを塗布形成し、そのデータ線6aの形成領域を開孔し、露出させる。次いで、このような基板表面に対して陽極酸化を施す。このようにすれば、レジストマスクから露出したデータ線6aの表面に、選択的に陽極酸化皮膜を形成することができる。
この場合も、反射防止膜をTiN或いはTiN/Tiで構成した場合と同様、データ線6aの表面における反射率が低下し、入射光がデータ線6aの上面及び側面で反射することが阻止される。このような皮膜として反射防止膜を形成する方法としては、そのほかにも、化学酸化剤の反応によって酸化被膜を生成させる化成処理等が挙げられる。こうした酸化処理は、データ線6aの側面においても薄く、均一な反射防止膜を形成することができる点で、優れている。尚、この態様において、データ線6aの下面に反射防止膜を設けるようにしてもよい。
図9(b)の変形例では、反射防止膜61fがデータ線6aの側面を覆っている。この反射防止膜61fは、斜め蒸着により形成されている。図10は、この場合に適用される蒸着装置の主要部の構成を示している。即ち、蒸発源90からの直進方向を示すX1軸に対し、TFTアレイ基板10の中心軸X2は角度θ(0°<θ<90°)で傾くように配置される。つまり、このときには蒸発材料の進行方向からTFTアレイ基板10の基板面が角度θだけ傾いている。更に、TFTアレイ基板10は、図示しない回転治具により、蒸着中は中心軸X2を中心に回転しているようになっている。こうして、回転させながら斜め蒸着を施すことにより、データ配線6aの両側面に優先的に成膜することができる。尚、成膜状態は大きく角度θに依存するが、蒸着位置の精度を上げるためには、蒸発材料を一定方向に直進させなければならない。それには、例えば、蒸発源90とTFTアレイ基板10との距離を十分とるとよい。また、蒸発源90とTFTアレイ基板10の間に、細かな筒を配列させた構造のコリメーションを配置し、コリメーションを通過した蒸発材料のみをTFTアレイ基板10に供給することで、蒸発材料の方向性を制御するようにしてもよい。これにより、データ線6aの側面に対しても、容易かつ確実に反射防止膜を付設することができる。
尚、データ線6aの側面に対して十分成膜した後に、斜め蒸着を更に続け、データ線6aの上面まで成膜するようにしても構わない。この例では、側面部分が優先的に成膜されることで、基板面に垂直方向に材料を供給して行う成膜方法より、側面に対しては確実に成膜することができる。また、ここでは、基板面に対して斜め方向から材料を供給する成膜方法として蒸着を例にとり説明したが、基板面を傾斜させて行えば、スパッタやCVDなどその他の成膜方法を適用することもできる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る電気光学装置について図11を参照して説明する。図11は、本実施形態に係る電気光学装置の断面構成図であり、第1実施形態における図3に対応している。この電気光学装置の基本的な構造は、概ね上述した第1実施形態の場合と同様である。よって、以下の説明では、第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を適宜省略することにする。
ここでは、第3層間絶縁膜43の上に更に第4層間絶縁膜44を設け、この第4層間絶縁膜44上に画素電極9aが形成されている。画素電極9aは、コンタクトホール89、中継電極402、コンタクトホール804、中継電極6a2、コンタクトホール882、中継電極719、及びコンタクトホール881を介して、TFT30の下部容量電極71に接続されている。
一方、第3層間絶縁膜43上には、非開口領域に対応した格子形状に容量配線400が形成されている。容量配線400は、画像表示領域からその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて固定電位とされており、上部容量電極300に対し、コンタクトホール801、中継電極6a1、及びコンタクトホール803を介して接続されている。
尚、遮光膜11aは、ここでは走査線としても機能し、コンタクトホール12cv及び中継電極3bによってTFT30のゲート電極3aに接続されている。
容量配線400は、上面から側面にかけて反射防止膜411で覆われ、下面を反射防止膜412で覆われることによって、表面全体を反射防止膜で被覆されている。尚、容量配線は、Al含有材料で構成され、反射防止膜411,402は、TiN膜又はTi/TiN積層膜となっている。また、容量配線400は、データ線6a、上部容量電極300と共に上部遮光膜として機能するようになっている。
このように広範な領域に形成される容量配線400をAl等の高反射率材料で構成すると、その表面における反射により、反射光全体の光量が増大する可能性がある。特に、遮光膜である容量配線400の側面は、開口領域に近接しており、この側面における反射は発生しやすい。また、その反射方向は、開口領域ないし隣接する非開口領域に向いているため、光漏れや光リーク電流を生じやすい。
しかしながら、容量配線400は、反射防止膜411,412で覆われているため、その表面における反射は低減されており、反射光が及ぼす表示品質への悪影響が抑制される。
また、第2層間絶縁膜42上の中継電極6a1及びコンタクトホール801、中継電極6a2及びコンタクトホール882は、データ線6a及びコンタクトホール81と同様の一体的な構成とされ、これらは全て、同時一括して形成される。
更に、第3層間絶縁膜43上の中継電極402及びコンタクトホール804は、容量配線400及びコンタクトホール803と同様の一体的な構成とされ、これらは同時一括して形成される。
即ち、本実施形態では、第2層間絶縁膜42よりも上層(但し、コンタクトホール81、882を含む)の配線が全てAl系材料で構成され、その表面全体が反射防止膜で覆われたものとなっている。従って、これらTFTアレイ基板10の上層側の配線は、Al系材料を用いることで特性が良好であるうえ、その全ての表面が反射防止膜で覆われていることで、入射光の反射を極めてよく抑えることができる。
これら上層側の配線は、上記第1実施形態で説明したように、スパッタ等による成膜、エッチング及びフォトリソグラフィなどを用いて形成すればよい。また、これら上層側の配線は、層ごとに一括して形成されるため、このような優れた構造を持つ電気光学装置を簡易に製造することができる。
尚、この第2実施形態は、以上に説明した作用効果に加え、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
また、第2実施形態では、反射防止膜を第1実施形態の反射防止膜61a、62aと同様の構成としたが、例えば第1実施形態の変形例に挙げた構成などのその他の構成をとるようにしてもよい。
また、第1及び第2実施形態では、第2層間絶縁膜42よりも上層の配線を本発明に係る構成としたが、第2層間絶縁膜42よりも下層の配線及び電子素子をAl含有材料で形成し、その表面を反射防止膜で覆うようにすることもできる。例えば、上部容量電極300等の電子素子或いはその一部をAl含有材料で構成し、その少なくとも側面を反射防止膜で覆うようにしてもよい。このように、Alに代表される高反射率材料を用いてなる配線或いは電子素子、つまり、入射光を反射する可能性のある部位を適宜に反射防止膜で覆うようにすれば、装置内部での光の反射を未然に防ぐことが可能であり、光漏れやTFTにおける光リーク電流の発生をよく抑え、表示品質を効率よく改善することができる。
更に、上記第1及び第2実施形態では、反射防止膜はデータ線6a等の配線の表面全体を覆うようにしたが、場合によっては、これら配線の表面のうち少なくとも側面を含んだ部分のみを覆うようにしてもよい。ここで反射防止膜に覆われる側面は、必ずしも両側面を指すのではなく、いずれか片側の側面のみであってもよい。
〔電気光学装置の全体構成〕
以上の実施形態及び変形例に係る液晶装置の全体構成を、図12及び図13を参照して説明する。尚、図12は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であり、図13は、図12のH−H'断面図である。
図12において、TFTアレイ基板10上にはシール材52がその周縁に沿って設けられており、その内側に、画像表示領域10aの周辺を規定する額縁状の遮光膜53が設けられている。シール材52の外側の領域には、データ線6aに画像信号を所定タイミングで供給することによりデータ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。また、この一辺に隣接する2辺に沿って、走査線3a又は11aに走査信号を所定タイミングで供給することにより走査線3a又は11aを駆動する走査線駆動回路104が設けられている。尚、走査線3a又は11aに供給される走査信号遅延が問題にならないのであれば、走査線駆動回路104を片方だけとしてもよく、逆にデータ線駆動回路101を画像表示領域10aの両側に配列させてもよい。更に、TFTアレイ基板10の残る一辺に、走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20の角部の少なくとも1箇所には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間を電気的に導通させる導通材106が設けられている。そして、図13に示すように、図12に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52によりTFTアレイ基板10に固着されている。
尚、TFTアレイ基板10上には、これらデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
また、投射光が入射する対向基板20側及び出射光が出射するTFTアレイ基板10側には、夫々、例えばTN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
以上に説明した液晶装置は、例えばプロジェクタに適用される。その場合、3つの液晶装置がRGB3原色夫々のライトバルブとして用いられ、各ライトバルブには、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色光が投射されるように構成される。また、上記実施形態の液晶装置は、プロジェクタ以外の直視型や反射型のカラー表示装置に適用することもできる。その場合、対向基板20上における画素電極9aに対向する領域に、RGBのカラーフィルタをその保護膜と共に形成すればよい。あるいは、TFTアレイ基板10上のRGBに対向する画素電極9a下にカラーレジスト等でカラーフィルタ層を形成することも可能である。更に、この態様において、対向基板20上に1画素に1個対応するマイクロレンズを形成するようにすれば、入射光の集光効率が向上するため、表示輝度を向上させることができる。更にまた、対向基板20上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積することで、光の干渉を利用してRGB色を作り出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付き対向基板によれば、より明るい表示が可能となる。
尚、以上の説明においては、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10上に設けるようにしたが、その代わりに、例えばTAB(Tape Automated bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしても構わない。
〔電子機器〕
次に、以上詳細に説明した電気光学装置を各種の電子機器に適用される場合について説明する。
ここでは、この電気光学装置たる液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図14は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶装置100R、100B及び100Gに入射される。液晶装置100R、100B及び100Gの構成は上述した液晶装置と同等であり、それぞれにおいて画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号が変調される。これらの液晶装置によって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。ダイクロイックプリズム1112では、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。これにより各色の画像が合成され、投射レンズ1114を介して、スクリーン1120等にカラー画像が投写される。
以上では、本発明の電気光学装置の一具体例として液晶装置を挙げて説明したが、本発明の電気光学装置は、その他にも例えば電子ペーパなどの電気泳動装置や、電子放出素子を用いた表示装置(Field Emission Display及びSurface-Conduction Electron-Emitter Display)等として実現することができる。また、このような本発明の電気光学装置は、先に説明したプロジェクタの他にも、テレビジョン受像機や、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の各種の電子機器に適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の製造方法及び電気光学装置、並びにこれを備えた電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る液晶装置の構成を示す等価回路図である。 図1に示した液晶装置の具体的な構成を表す部分平面図である。 図2のA−A’断面図である。 図3のB−B’断面図である。 第1実施形態における液晶装置の製造方法を説明するための工程図である。 図5に続く工程図である。 第1実施形態における液晶装置の変形例に係る断面図である。 図7(c)に示した変形例の製造方法を説明するための工程図である。 第1実施形態における液晶装置の変形例に係る断面図である。 図9(b)に示した変形例の製造方法を説明するための工程図である。 第2実施形態に係る液晶装置の構成を示す断面構成図である。 実施形態における液晶装置の全体構成を表す平面図である。 図12のH−H´断面図である。 本発明の電子機器の一実施形態に係る液晶プロジェクタの構成を表す断面図である。
符号の説明
10…TFTアレイ基板、1a…半導体層、3a…走査線、6a…データ線、9a…画素電極、11a…遮光膜、16,22…配向膜、20…対向基板、21…対向電極、30…TFT、41〜44…層間絶縁膜、50…液晶層、61a、62a…反射防止膜、70…蓄積容量、71…下部容量電極、75…誘電体膜、89…コンタクトホール、300…上部容量電極、400…容量配線、401,402…反射防止膜

Claims (16)

  1. 基板上に、表示用電極と、該表示用電極を駆動するための配線及び電子素子の少なくとも一方とを備えており、
    前記配線及び電子素子の少なくとも一方における所定部分の側面は、前記所定部分よりも反射率が低い反射防止膜で覆われていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記所定部分の上面は、前記反射防止膜で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記所定部分の下面は、前記反射防止膜で覆われていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記反射防止膜は、窒化膜、酸窒化膜又は酸化膜を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記反射防止膜は、前記所定部分を酸化して得られる酸化皮膜であることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
  6. 前記所定部分は、アルミニウム(Al)を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記配線及び電子素子として薄膜トランジスタを備えており、前記所定部分は、前記薄膜トランジスタよりも上層に形成された前記配線及び電子素子の少なくとも一方の少なくとも一部分であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
  9. 基板上に、表示用電極と、該表示用電極を駆動するための配線及び電子素子の少なくとも一方とを備えた電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法であって、
    前記基板上に前記配線及び電子素子の少なくとも一方を形成する工程と、
    前記配線及び電子素子の少なくとも一方の所定部分の側面に、前記所定部分よりも反射率が低い材料で反射防止膜を形成する工程と
    を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  10. 前記反射防止膜を形成する工程は、前記所定部分の上面から前記側面にかけて前記反射防止膜を成膜する工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置の製造方法。
  11. 前記反射防止膜を形成する工程は、更に、フォトリソグラフィ及びエッチングを用い、前記反射防止膜を前記側面に残しつつ部分的に除去する工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の電気光学装置の製造方法。
  12. 前記反射防止膜を形成する工程は、更に、異方性エッチングを施し、前記反射防止膜を前記側面に残しつつ部分的に除去する工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の電気光学装置の製造方法。
  13. 前記反射防止膜を形成する工程は、少なくとも前記所定部分の形成前に、前記所定部分の形成領域に前記反射防止膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項10に記載の電気光学装置の製造方法。
  14. 前記反射防止膜を形成する工程は、前記所定部分の形成後、前記基板に対して斜め方向から材料を供給する成膜方法により、前記所定部分の側面を含む領域に前記反射防止膜を形成することを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置の製造方法。
  15. 前記反射防止膜を形成する工程は、前記所定部分の側面を含む領域に酸化処理を施し、酸化皮膜として前記反射防止膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の電気光学装置の製造方法。
  16. 前記反射防止膜を形成する工程は、前記基板上の一面にレジストマスクを形成する工程と、前記レジストマスクのうち前記所定部分の側面を含む領域に開口部を設ける工程と、前記レジストマスクを介して陽極酸化を行う工程とを含むことを特徴とする請求項15に記載の電気光学装置の製造方法。
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