特許文献1に記載の画像形成装置には、用紙搬送に用いるベルトの用紙幅方向の移動を検知する変位センサと、ベルトを支持するとともに、回転軸をその水平面内において角度変更可能なローラとが備えられている。これにより、変位センサによって検知されたベルトの用紙幅方向の移動量に基づいて、ローラの回転軸角度を変更し、ベルトの移動量が許容の範囲内に収まるようにするものである。特許文献2に記載の画像形成装置には、用紙搬送に用いるベルトの用紙幅方向両端における張力を検知する張力センサと、ベルトを支持するとともに、回転軸をその垂直面内において角度変更可能なローラとが備えられている。これにより、張力センサによって検知されたベルトの用紙幅方向両端の張力に基づいて、ローラの回転軸角度を変更してベルトの蛇行を防止するものである。
上記いずれの特許文献に記載の画像形成装置においても、用紙搬送ベルトの移動や張力を検知するセンサと、ベルトを支持するローラの角度変更機構が必要である。したがって、部品点数の増加によるコストアップと、構造、及び制御の複雑化が問題となる。さらに、ベルトに不具合が生じて初めて異常が起きたことを認識できるので、対応が後手にまわり、ベルトの移動補正が間に合わなくなる恐れがある。そして、このベルトの不具合により、ベルトの端部が破損したり、伸びてしまったりする問題が起こる可能性もある。
このような不具合の発生の原因となる用紙搬送ベルトの移動や張力異常は、画像形成装置が平滑で水平な床に設置されていないことに起因する場合が多い。したがって、ベルトの移動や張力異常が発生した後に、それらを補正するのではなく、当初からベルトの移動や張力異常が発生しないようにすることが望ましい。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、像担持体と、その周辺の構成要素との平行度を好適に保持し、用紙の移動やベルト部材の蛇行を防止して、鮮明な印刷画像を得ることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、本体と、本体底面に設けられ、本体を支持する複数の脚部と、トナー像形成のために用いられる像担持体とを備えた画像形成装置において、前記脚部の1個が、前記本体の周囲4辺のうち、前記像担持体の軸線と平行な1辺の重心近傍に配置されることとした。
また、本体と、本体底面に設けられ、本体を支持する複数の脚部と、トナー像形成のために用いられる像担持ベルトとを備えた画像形成装置において、前記脚部の1個が、前記本体の周囲4辺のうち、前記像担持ベルトを支持するローラの軸線と平行な1辺の重心近傍に配置されることとした。
また、本体と、本体底面に設けられ、本体を支持する複数の脚部と、トナー像形成のために用いられる複数の像担持体とを備え、各像担持体表面に形成されたトナー像を、転写搬送ベルトにて搬送される用紙に順次転写する画像形成装置において、前記脚部の1個が、前記本体の周囲4辺のうち、前記転写搬送ベルトを支持するローラの軸線と平行な1辺の重心近傍に配置されることとした。
また、本体と、本体底面に設けられ、本体を支持する複数の脚部と、トナー像形成のために用いられる複数の像担持体とを備え、各像担持体表面に形成されたトナー像を、これらの像担持体に接触する中間転写体へ順次一次転写した後、トナー像を用紙に二次転写する画像形成装置において、前記脚部の1個が、前記本体の周囲4辺のうち、前記中間転写体の軸線と平行な1辺の重心近傍に配置されることとした。
また、本体と、本体底面に設けられ、本体を支持する複数の脚部と、トナー像形成のために用いられる複数の像担持体とを備え、各像担持体表面に形成されたトナー像を、これらの像担持体に接触する中間転写ベルトへ順次一次転写した後、トナー像を用紙に二次転写する画像形成装置において、前記脚部の1個が、前記本体の周囲4辺のうち、前記中間転写ベルトを支持するローラの軸線と平行な1辺の重心近傍に配置されることとした。
また、前記本体底面に、本体の傾斜とともに床面に対する接地圧が増加する複数の補助脚部を設けることとした。
また、前記補助脚部が、前記本体底面に固定される基体部と、床面に接触する可動部と、これら基体部と可動部との間に設けられ、可動部を床面方向に付勢する付勢手段とを備えることとした。
また、前記本体の周囲4辺のうち、1辺の重心近傍に配置された前記1個の脚部が、水平方向に移動可能であることとした。
また、前記脚部が3個であることとした。
また、本体と、本体底面に設けられ、本体を支持する複数の脚部と、トナー像形成のために用いられる像担持体とを備えた画像形成装置において、前記脚部が4個備えられ、この4個の脚部が、前記本体の周囲4辺の、前記像担持体の軸線と平行な2辺と、その軸線と直角をなす2辺の、各々の重心近傍に配置されることとした。
また、本体と、本体底面に設けられ、本体を支持する複数の脚部と、トナー像形成のために用いられる像担持ベルトとを備えた画像形成装置において、前記脚部が4個備えられ、この4個の脚部が、前記本体の周囲4辺の、前記像担持ベルトを支持するローラの軸線と平行な2辺と、その軸線と直角をなす2辺の、各々の重心近傍に配置されることとした。
また、本体と、本体底面に設けられ、本体を支持する複数の脚部と、トナー像形成のために用いられる複数の像担持体とを備え、各像担持体表面に形成されたトナー像を、転写搬送ベルトにて搬送される用紙に順次転写する画像形成装置において、前記脚部が4個備えられ、この4個の脚部が、前記本体の周囲4辺の、前記転写搬送ベルトを支持するローラの軸線と平行な2辺と、その軸線と直角をなす2辺の、各々の重心近傍に配置されることとした。
また、本体と、本体底面に設けられ、本体を支持する複数の脚部と、トナー像形成のために用いられる複数の像担持体とを備え、各像担持体表面に形成されたトナー像を、これらの像担持体に接触する中間転写体へ順次一次転写した後、トナー像を用紙に二次転写する画像形成装置において、前記脚部が4個備えられ、この4個の脚部が、前記本体の周囲4辺の、前記中間転写体の軸線と平行な2辺と、その軸線と直角をなす2辺の、各々の重心近傍に配置されることとした。
また、本体と、本体底面に設けられ、本体を支持する複数の脚部と、トナー像形成のために用いられる複数の像担持体とを備え、各像担持体表面に形成されたトナー像を、これらの像担持体に接触する中間転写ベルトへ順次一次転写した後、トナー像を用紙に二次転写する画像形成装置において、前記脚部が4個備えられ、この4個の脚部が、前記本体の周囲4辺の、前記中間転写ベルトを支持するローラの軸線と平行な2辺と、その軸線と直角をなす2辺の、各々の重心近傍に配置されることとした。
本発明の構成によれば、トナー像形成のために用いられる像担持体を備えた画像形成装置において、脚部の1個が、画像形成装置本体の周囲4辺のうち、像担持体の軸線と平行な1辺の重心近傍に配置されることとしたので、像担持体と、光学装置等の像担持体周辺の構成要素とが床面の凹凸の影響を受ける可能性が低くなる。したがって、像担持体に形成されるトナー像に発生するずれや、用紙の用紙幅方向の移動を抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
また、トナー像形成のために用いられる像担持ベルトを備えた画像形成装置において、脚部の1個が、本体の周囲4辺のうち、像担持ベルトを支持するローラの軸線と平行な1辺の重心近傍に配置されることとしたので、像担持ベルトが床面の凹凸の影響を受ける可能性が低くなり、像担持ベルトのトナー像を担持する面のねじれを抑制することができる。したがって、像担持ベルトと用紙との間で発生するずれを抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
また、複数の像担持体を備え、各像担持体表面に形成されたトナー像を、転写搬送ベルトにて搬送される用紙に順次転写する画像形成装置において、脚部の1個が、本体の周囲4辺のうち、転写搬送ベルトを支持するローラの軸線と平行な1辺の重心近傍に配置されることとしたので、転写搬送ベルトが床面の凹凸の影響を受ける可能性が低くなり、転写搬送ベルトの用紙搬送面のねじれを抑制することができる。したがって、転写搬送ベルトと像担持体との間や、転写搬送ベルトと用紙との間で発生するずれを抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
また、複数の像担持体を備え、各像担持体表面に形成されたトナー像を、これらの像担持体に接触する中間転写体へ順次一次転写した後、トナー像を用紙に二次転写する画像形成装置において、脚部の1個が、本体の周囲4辺のうち、中間転写体の軸線と平行な1辺の重心近傍に配置されることとしたので、中間転写体が床面の凹凸の影響を受ける可能性が低くなる。したがって、中間転写体と像担持体との間で発生するずれや、用紙の用紙幅方向の移動を抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
また、複数の像担持体を備え、各像担持体表面に形成されたトナー像を、これらの像担持体に接触する中間転写ベルトへ順次一次転写した後、トナー像を用紙に二次転写する画像形成装置において、脚部の1個が、本体の周囲4辺のうち、中間転写ベルトを支持するローラの軸線と平行な1辺の重心近傍に配置されることとしたので、中間転写ベルトが床面の凹凸の影響を受ける可能性が低くなり、中間転写ベルトのトナー像を担持する面のねじれを抑制することができる。したがって、中間転写ベルトと用紙との間で発生するずれを抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
また、前記画像形成装置の本体底面に、本体の傾斜とともに床面に対する接地圧が増加する複数の補助脚部を設けることとしたので、画像形成装置の転倒を防止することができる。
また、前記補助脚部が、前記本体底面に固定される基体部と、床面に接触する可動部と、これら基体部と可動部との間に設けられ、可動部を床面方向に付勢する付勢手段とを備えることとしたので、画像形成装置本体傾斜時における床面との接触の衝撃を吸収することができる。したがって、画像形成装置の損傷を防止することが可能となる。
また、本体の周囲4辺のうち、1辺の重心近傍に配置された前記1個の脚部が、水平方向に移動可能であることとしたので、画像形成装置を設置する床面の平滑さや平行度に合わせて装置本体の姿勢を調節することができる。したがって、床面がどのような形態であっても、像担持体や中間転写体、用紙搬送部材の平行度を好適に保持することが可能である。また、ベルトを支持するローラ間のねじれや、ベルト自体の用紙幅方向両端部の周長差等に起因するベルトの蛇行を、この移動可能な脚部を微調整することにより修正することができる。
また、前記脚部が3個であることとしたので、画像形成装置を設置する床面に凹凸があったとしても、本体全体がたわんだり、ねじれたりすることがなく、3点で確実に本体を支持することができる。したがって、像担持体や中間転写体、用紙搬送部材の平行度を保持する作用をさらに高めることが可能である。
また、トナー像形成のために用いられる像担持体を備えた画像形成装置において、脚部が4個備えられ、この4個の脚部が、本体の周囲4辺の、像担持体の軸線と平行な2辺と、その軸線と直角をなす2辺の、各々の重心近傍に配置されることとしたので、画像形成装置を設置する床面に凹凸があり、4個の脚部のいずれか3個で本体を支えることになったとしても、水平断面が矩形である本体底面四隅の4点で支持するよりも、本体の重心から脚部までの距離が短いため、本体のたわみを抑制することができる。これにより、像担持体と、その周辺の構成要素との位置関係を好適な状態に保持することができる。したがって、像担持体に形成されるトナー像に発生するずれや、用紙の用紙幅方向の移動を抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
また、トナー像形成のために用いられる像担持ベルトを備えた画像形成装置において、脚部が4個備えられ、この4個の脚部が、本体の周囲4辺の、像担持ベルトを支持するローラの軸線と平行な2辺と、その軸線と直角をなす2辺の、各々の重心近傍に配置されることとしたので、画像形成装置を設置する床面に凹凸があり、4個の脚部のいずれか3個で本体を支えることになったとしても、水平断面が矩形である本体底面四隅の4点で支持するよりも、本体の重心から脚部までの距離が短いため、本体のたわみを抑制することができる。これにより、像担持ベルトのトナー像を担持する面のねじれを抑え、床面と平行な状態により近づけて保持することができる。したがって、像担持ベルトと用紙との間で発生するずれを抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
また、複数の像担持体を備え、各像担持体表面に形成されたトナー像を、転写搬送ベルトにて搬送される用紙に順次転写する画像形成装置において、脚部が4個備えられ、この4個の脚部が、本体の周囲4辺の、転写搬送ベルトを支持するローラの軸線と平行な2辺と、その軸線と直角をなす2辺の、各々の重心近傍に配置されることとしたので、画像形成装置を設置する床面に凹凸があり、4個の脚部のいずれか3個で本体を支えることになったとしても、水平断面が矩形である本体底面四隅の4点で支持するよりも、本体の重心から脚部までの距離が短いため、本体のたわみを抑制することができる。これにより、転写搬送ベルトの用紙搬送面のねじれを抑え、床面と平行な状態により近づけて保持することができる。したがって、転写搬送ベルトと像担持体との間や、転写搬送ベルトと用紙との間で発生するずれを抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
また、複数の像担持体とを備え、各像担持体表面に形成されたトナー像を、これらの像担持体に接触する中間転写体へ順次一次転写した後、トナー像を用紙に二次転写する画像形成装置において、脚部が4個備えられ、この4個の脚部が、本体の周囲4辺の、中間転写体の軸線と平行な2辺と、その軸線と直角をなす2辺の、各々の重心近傍に配置されることとしたので、画像形成装置を設置する床面に凹凸があり、4個の脚部のいずれか3個で本体を支えることになったとしても、水平断面が矩形である本体底面四隅の4点で支持するよりも、本体の重心から脚部までの距離が短いため、本体のたわみを抑制することができる。これにより、中間転写体と、その周辺の複数の像担持体との位置関係を好適な状態に保持することができる。したがって、中間転写体と像担持体との間で発生するずれや、用紙の用紙幅方向の移動を抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
また、複数の像担持体とを備え、各像担持体表面に形成されたトナー像を、これらの像担持体に接触する中間転写ベルトへ順次一次転写した後、トナー像を用紙に二次転写する画像形成装置において、脚部が4個備えられ、この4個の脚部が、本体の周囲4辺の、中間転写ベルトを支持するローラの軸線と平行な2辺と、その軸線と直角をなす2辺の、各々の重心近傍に配置されることとしたので、画像形成装置を設置する床面に凹凸があり、4個の脚部のいずれか3個で本体を支えることになったとしても、水平断面が矩形である本体底面四隅の4点で支持するよりも、本体の重心から脚部までの距離が短いため、本体のたわみを抑制することができる。これにより、中間転写ベルトのトナー像を担持する面のねじれを抑え、床面と平行な状態により近づけて保持することができる。したがって、中間転写ベルトと用紙との間で発生するずれを抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図13に基づき説明する。
最初に、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図1を用いてその構造の概略を説明する。図1は画像形成装置の一例であるタンデム方式カラープリンタの概略構造を示す模型的垂直断面図、図2はプリンタの画像形成部の概略構造を示す模型的垂直断面図である。このタンデム方式カラープリンタは、中間転写ベルトを用いたタイプである。図1において右側がプリンタの右側面、左側が左側面である。
図1のプリンタ1においては、外部コンピュータからの原稿画像データの色情報に応じてフルカラー画像出力とモノクロ画像出力のいずれかが選択される。画像出力速度はフルカラーの場合でもモノクロの場合でもA4サイズで26枚/分とされている。
プリンタ1の本体2の内部には、中間転写体を無端ベルトの形で用いた中間転写ベルト3が配置されている。中間転写ベルト3は、駆動ローラ4と従動ローラ5に巻き掛けられて支持され、図1において時計回りに回転する。中間転写ベルト3は、合成樹脂、またはゴムで構成されている。中間転写ベルト3を隔てて従動ローラ5と対峙する位置には二次転写ローラ6が配置され、これら従動ローラ5と二次転写ローラ6とが当接して形成されるニップに用紙Pが挿通される。図1において、二次転写ローラ6の上流側には給紙装置7、用紙搬送路8、及びレジストローラ9が、下流側には定着装置10、用紙搬送路11、及び排出部12が配置されている。排出部12は本体2の上面に設けられている。なお、本体2は脚部30により、床面上に支持されている。
中間転写ベルト3の上には、計4台の画像形成部がベルト回転方向の上流側から下流側に向けて直列に配置されている。4台の画像形成部とは、上流側から順に、ブラック用の画像形成部20B、イエロー用の画像形成部20Y、シアン用の画像形成部20C、及びマゼンタ用の画像形成部20Mである。
画像形成部の20B、20Y、20C、20Mの構造を図2に示す。各画像形成部とも構造は共通なので、「B」、「Y」、「C」、「M」の識別記号を省略し、「20」の符号のみ置いている。
画像形成部20の中核をなすのは、アモルファスシリコンを感光体とする像担持体である感光体ドラム21であり、その周囲に主帯電器22、LEDプリントヘッドユニット23、現像装置24、及びクリーニング装置25が配置されている。また、図1に見られるように、一次転写ローラ26が中間転写ベルト3を隔てて感光体ドラム21に対峙している。一次転写ローラ26は中間転写ベルト3を支持し、感光体ドラム21に当接させる役割も担う。
現像装置24には、図示しない固定磁石を内蔵した現像スリーブ24aが設けられている。そして、現像により現像装置24の中のトナーが消費される。消費したトナーを補うため、画像形成部20B、20Y、20C、20Mに対応してトナー供給容器27B、27Y、27C、27Mを設け、図示しない搬送手段によりトナーを補給する。これにより、現像装置24は常に適量のトナーを内部に保有することになる。
プリンタ1は、次のように画像出力動作を行う。
感光体ドラム21の表面は、主帯電器22により一様に+400Vに帯電せしめられる。外部のコンピュータ等から原稿画像データが入力されると、LEDプリントヘッド23が、原稿画像データに対応するLED光を感光体ドラム21の表面に照射する。感光体ドラム21の表面は、LED光の照射された露出部の電圧が+25Vにまで減衰し、非露光部の+400Vの部分と合わせて静電潜像が形成される。現像スリーブ24aに印加された+300Vの現像バイアス電圧により、トナー中の正帯電トナーが前記露光部に付着し、静電潜像がトナーで可視化される。
中間転写ベルト3は、感光体ドラム21の表面の移動方向と同じ方向に、感光体ドラムの周速度と同じ100mm/secで走行している。中間転写ベルト3上の所定位置からトナーの一次転写が開始されるよう、LEDプリントヘッド23による感光体ドラム21の露光タイミングが設定される。
中間転写ベルト3上の所定位置が感光体ドラム21の下に来る時、一次転写ローラ26に印加された−1.5kVの電圧により、感光体ドラム21に付着したトナーが中間転写ベルト3に引きつけられ、トナー像が中間転写ベルト3に一次転写される。
中間転写ベルト3に転写されなかったトナーは、クリーニング装置25により図示しない回収容器に排出される。
画像形成部20B、20Y、20C、20Mで、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色のトナーを順次転写され、中間転写ベルト3上に形成されたトナーによるカラー画像は、給紙装置7からレジストローラ9により同期をとって送られてきた用紙Pが、従動ローラ5と二次転写ローラ6とが当接して形成されるニップに挿通される際、用紙Pに転写される。そして、未定着のトナー像を担持した用紙Pは定着装置10へ送られる。定着装置10の内部で熱ローラによりトナーが加熱、溶融され定着された後、本体2の上面に設けられた排出部12に排出される。
次に、本発明の第1の実施形態を図3、及び図4に基づき説明する。図3はプリンタを底面側から見た斜視図、図4はプリンタの模型的底面図である。図4において右側がプリンタの右側面、左側が左側面である。なお、以下の実施形態において、同じ構成要素が複数備えられる場合には、それらを識別するために「A」、「B」、「C」、「D」の識別記号を付すものとするが、説明の過程で複数のうちの特に1個に限定する必要がない場合は、この識別記号の記載を省略する。
図3、及び図4において、プリンタ1の本体2は、その底面に設けられた3個の脚部30によって床面上に支持されている。3個の脚部30は、本体2の右側面側に設けられた2個の脚部30A、30Bと、左側面側に設けられた1個の脚部30Cとで構成されている。脚部30A、30Bは、右側面側の前後の隅部に配置されている。脚部30Cは、本体2の周囲4辺のうち、中間転写ベルト3を支持する従動ローラ5の軸線と平行な左側面側の1辺2aの重心近傍、すなわち本体2の重心を通り用紙搬送方向と平行に延びる線上、またはその近傍に配置されている。脚部30はその全体がゴムで構成されている。底面の左側面寄りには、本体2の底面の強度を適正に保持するための補強プレート31が設けられ、この補強プレート31を貫通する形で脚部30Cが設けられている。
このようにして、脚部30の1個30Cが、本体2の周囲4辺のうち、中間転写ベルト3を支持する従動ローラ5の軸線と平行な1辺2aの重心近傍に配置されることとしたので、中間転写ベルト3が床面の凹凸の影響を受ける可能性が低くなり、中間転写ベルト3のトナー像を担持する面のねじれを抑制することができる。したがって、中間転写ベルト3と用紙Pとの間で発生するずれを抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
また、脚部30が3個であることとしたので、プリンタ1を設置する床面に凹凸があったとしても、本体2全体がたわんだり、ねじれたりすることがなく、3点で確実に本体2を支持することができる。したがって、感光体ドラム21や中間転写ベルト3、用紙搬送部材の平行度を保持する作用をさらに高めることが可能である。
次に、本発明の第2の実施形態を図5〜図7に基づき説明する。図5はプリンタを底面側から見た斜視図、図6はプリンタの模型的左側面図、図7は補助脚部の垂直断面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は、前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
図5、及び図6において、プリンタ1の本体2の底面には、その左側面側の前後の隅部に、2個の補助脚部40A、40Bが設けられている。補助脚部40は、本体2からの突き出し量が3個の脚部30と同じである。
図7において、補助脚部40は、基体部41、可動部42、ばね43、及びネジ44で構成される。基体部41は合成樹脂で構成され、本体2の底面にネジ44で固定されている。可動部42はゴムで構成され、基体部41に設けられた凹部41aに、上下方向に移動可能に収容されている。凹部41aにおいて、基体部41と可動部42との間には、ばね43が備えられている。ばね43は圧縮コイルばねであり、可動部42を床面方向に付勢する付勢手段である。ネジ44は、可動部42、及びばね43を貫通する形で基体部41のみを固定している。ネジ44の頭部44aが、可動部42の凹部42aに収容されて係合部42bと係合するので、ばね43の作用により可動部42が下方に飛び出してしまうことはない。
これにより、プリンタ1の通常の設置時には、補助脚部40が床面Gに接地してはいるものの、その接地圧は小さく、脚部30による3点で確実に本体2が支持される。そして、ばね43の作用により、補助脚部40は、本体2の傾斜とともに床面Gに対する接地圧が増加することになる。
このようにして、プリンタ1の本体2の底面に、本体2の傾斜とともに床面Gに対する接地圧が増加する複数の補助脚部40を設けることとしたので、プリンタ1の転倒を防止することができる。
また、補助脚部40が、本体2の底面に固定される基体部41と、床面Gに接触する可動部42と、これら基体部41と可動部42との間に設けられ、可動部42を床面方向に付勢する付勢手段であるばね43とを備えることとしたので、本体2の傾斜時における床面Gとの接触の衝撃を吸収することができる。したがって、プリンタ1の損傷を防止することが可能となる。
なお、補助脚部40の本体2からの突き出し量は、3個の脚部30より小さくても、大きくても、上記実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。また、ばね43は圧縮コイルばねに限定されるものではなく、板ばねやゴム、スポンジ等の付勢手段であっても構わない。さらに、ばね43は、ダンパー等の緩衝装置に代えることも可能である。
次に、本発明の第3の実施形態を図8、及び図9に基づき説明する。図8はプリンタを底面側から見た斜視図、図9はプリンタの模型的底面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は、前記第1、及び第2の実施形態と同じであるので、これらの実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
図8、及び図9において、本体2の底面の左側面寄りには、補強プレート31が設けられている。補強プレート31には、本体2の周囲の1辺2aと平行に伸びるスリット31aが設けられている。脚部30Cは、スリット31aに沿って水平に移動することが可能である。脚部30Cは、スリット31a内の所望の位置に移動し、図示しないネジによって固定される。
このようにして、本体2の周囲4辺のうち、1辺2aの重心近傍に配置された1個の脚部30Cが、水平方向に移動可能であることとしたので、プリンタ1を設置する床面の平滑さや平行度に合わせて本体2の姿勢を調節することができる。したがって、床面がどのような形態であっても、感光体ドラム21や中間転写ベルト3、用紙搬送部材の平行度を好適に保持することが可能である。
なお、補強プレート31を設けなくても、上記実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
次に、本発明の第4の実施形態を図10、及び図11に基づき説明する。図10はプリンタを底面側から見た斜視図、図11はプリンタの模型的底面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は、前記第1〜第3の実施形態と同じであるので、これらの実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
図10、及び図11において、プリンタ1の本体2は、その底面に設けられた4個の脚部30によって床面上に支持されている。4個の脚部30は、本体2の周囲4辺の、従動ローラ5の軸線と平行な2辺2a、2bの各々の重心近傍、すなわち本体2の重心を通り用紙搬送方向と平行に延びる線上、またはその近傍と、従動ローラ5の軸線と直角をなす2辺2c、2dの各々の重心近傍、すなわち本体2の重心を通り用紙幅方向と平行に延びる線上、またはその近傍に配置されている。
これにより、プリンタ1を設置する床面に凹凸があり、4個の脚部30のいずれか3個で本体2を支えることになったとしても、3個のうち2個は本体2の重心を通る線上にあるので、水平断面が矩形である本体2の底面四隅の4点で支持するよりも、本体2の重心から脚部30までの距離が短いため、本体2のたわみを抑制することができる。これにより、中間転写ベルト3のトナー像を担持する面のねじれを抑え、床面と平行な状態により近づけて保持することができる。したがって、中間転写ベルト3と用紙Pとの間で発生するずれを抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
なお、上記第1〜第4の実施形態において、プリンタ1には、中間転写体を無端ベルトの形で用いた中間転写ベルト3が備えられているが、中間転写体がローラ状のドラムタイプのものであっても、上記実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
次に、本発明の第5の実施形態を図12に基づき説明する。図12は、図1とは異なるタイプのタンデム方式カラープリンタの概略構造を示す模型的垂直断面図である。このタンデム方式カラープリンタは、転写搬送ベルトを用いたタイプである。なお、この実施形態の基本的な構成は、前記第1〜第4の実施形態と同じであるので、これらの実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
プリンタ1の本体2の内部には、転写搬送ベルト13が配置されている。転写搬送ベルト13は駆動ローラ4、従動ローラ5に巻き掛けられて支持され、用紙Pを図12において右から左へと水平に搬送するとともに、用紙上にトナー像を転写するために用いられる。転写搬送ベルト13の上流側には給紙装置7、用紙搬送路8、及びレジストローラ9が、下流側には定着装置10、用紙搬送路11、及び排出部12が配置されている。排出部12は本体2の上面に設けられている。
転写搬送ベルト13の上には、計4台の画像形成部が用紙搬送方向の上流側から下流側に向けて直列に配置されている。4台の画像形成部とは、上流側から順に、マゼンタ用の画像形成部20M、シアン用の画像形成部20C、イエロー用の画像形成部20Y、及びブラック用の画像形成部20Bである。これらの画像形成部に現像剤を補うため、画像形成部20M、20C、20Y、20Bに対応してトナー供給容器27M、27C、27Y、27Bが設けられ、図示しない搬送手段により現像剤が各画像形成部に補給される。プリンタ1においては、外部のコンピュータからの原稿画像データの色情報に基づいて、フルカラー画像出力とモノクロ画像出力のいずれかが選択される。
このような転写搬送ベルト13を備えたプリンタ1においても、脚部30の構成については、前記第1〜第4と同様の構成を適用することが可能である。
したがって、複数の感光体ドラム21を備え、各感光体ドラム21表面に形成されたトナー像を、転写搬送ベルト13にて搬送される用紙Pに順次転写するプリンタ1において、脚部30の1個が、本体2の周囲4辺のうち、転写搬送ベルト13を支持する駆動ローラ4の軸線と平行な1辺の重心近傍に配置されることとしたので、転写搬送ベルト13が床面の凹凸の影響を受ける可能性が低くなり、転写搬送ベルト13の用紙搬送面のねじれを抑制することができる。したがって、転写搬送ベルト13と感光体ドラム21との間や、転写搬送ベルト13と用紙Pとの間で発生するずれを抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
また、そのようなプリンタ1において、脚部30が4個備えられ、この4個の脚部30が、本体2の周囲4辺の、転写搬送ベルト13を支持する駆動ローラ4の軸線と平行な2辺と、その軸線と直角をなす2辺の、各々の重心近傍に配置されることとしたので、プリンタ1を設置する床面に凹凸があり、4個の脚部30のいずれか3個で本体を支えることになったとしても、3個のうち2個は本体2の重心を通る線上にあるので、水平断面が矩形である本体2の底面四隅の4点で支持するよりも、本体2の重心から脚部30までの距離が短いため、本体2のたわみを抑制することができる。これにより、転写搬送ベルト13の用紙搬送面のねじれを抑え、床面と平行な状態により近づけて保持することができる。したがって、転写搬送ベルト13と感光体ドラム21との間や、転写搬送ベルト13と用紙Pとの間で発生するずれを抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
次に、本発明の第6の実施形態を図13に基づき説明する。図13は、モノクロプリンタの概略構造を示す模型的垂直断面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は、前記第1〜第5の実施形態と同じであるので、これらの実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、説明は省略するものとする。
プリンタ1の本体2の内部には、画像形成部20が配置されている。画像形成部20には、像担持体である感光体ドラム21が備えられている。この感光体ドラム21と、転写ローラ26とが当接して形成されるニップに用紙Pが挿通される。画像形成部20の上流側には給紙装置7、用紙搬送路8、及びレジストローラ9が、下流側には定着装置10、用紙搬送路11、及び排出部12が配置されている。排出部12は本体2の上面に設けられている。
このような単一の感光体ドラム21を備えたモノクロタイプのプリンタ1においても、脚部30の構成については、前記第1〜第5と同様の構成を適用することが可能である。
したがって、トナー像形成のために用いられる感光体ドラム21を備えたプリンタ1において、脚部30の1個が、本体2の周囲4辺のうち、感光体ドラム21の軸線と平行な1辺の重心近傍に配置されることとしたので、感光体ドラム21と、光学装置等の感光体ドラム21周辺の構成要素とが床面の凹凸の影響を受ける可能性が低くなる。したがって、感光体ドラム21に形成されるトナー像に発生するずれや、用紙Pの用紙幅方向の移動を抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
また、そのようなモノクロタイプのプリンタ1において、脚部30が4個備えられ、この4個の脚部30が、本体の周囲4辺の、感光体ドラム21の軸線と平行な2辺と、その軸線と直角をなす2辺の、各々の重心近傍に配置されることとしたので、プリンタ1を設置する床面に凹凸があり、4個の脚部30のいずれか3個で本体を支えることになったとしても、3個のうち2個は本体2の重心を通る線上にあるので、水平断面が矩形である本体2の底面四隅の4点で支持するよりも、本体2の重心から脚部30までの距離が短いため、本体2のたわみを抑制することができる。これにより、感光体ドラム21と、その周辺の構成要素との位置関係を好適な状態に保持することができる。したがって、感光体ドラム21に形成されるトナー像に発生するずれや、用紙Pの用紙幅方向の移動を抑制することができ、鮮明な印刷画像を得ることが可能である。
なお、上記第6の実施形態において、プリンタ1には、像担持体としてローラ状の感光体ドラム21が備えられているが、像担持体を無端ベルトの形で用いた像担持ベルトであっても、上記実施形態と同様の作用、効果を得ることができる。
上記のように本発明の実施形態を示したが、この他、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。