JP2005148147A - トーリックコンタクトレンズのモールド成形装置 - Google Patents

トーリックコンタクトレンズのモールド成形装置 Download PDF

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    • B29L2011/00Optical elements, e.g. lenses, prisms
    • B29L2011/0016Lenses

Abstract

【課題】 トーリック軸角度の設定を、簡単な装置構造をもって高精度に安定して行うことが出来る、トーリックコンタクトレンズの新規なモールド成形装置およびモールド成形方法を提供すること。
【解決手段】 雌型成形用金型30を用いて樹脂成形したレンズ成形用雌型34を、該雌型成形用金型30から得られる情報に基づいて中心軸43回りの位置を特定すると共に、雄型成形用金型32を用いて樹脂成形したレンズ成形用雄型36を、該雄型成形用金型32から得られる情報に基づいて中心軸43回りの位置を特定して、それらレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36を周方向での特定の相対位置関係をもって相互に型合わせすることにより、レンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36の型合わせ面間に画成されたレンズ成形キャビティ38において、後面トーリック且つ前面バラストのトーリックコンタクトレンズ10をモールド成形するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トーリックコンタクトレンズをモールド成形する装置や方法等に係り、特に、円柱度数が設定された光学部の円柱軸角度を高精度に設定することができると共に、かかる円柱軸角度の変更にも容易に対応することのできる、トーリックコンタクトレンズの新規なモールド成形装置やモールド成形方法などに関するものである。
従来から、コンタクトレンズ(ハードタイプとソフトタイプを含む。以下、同じ。)の製造方法の一種として、モールド成形法が知られている。かかるモールド成形法は、凹形球状成形面を備えたレンズ成形用雌形と凸形球状成形面を備えたレンズ成形用雄型を型合わせすることによって、それら雌雄両型の型合わせ面間に画成したレンズ成形キャビティにレンズ成形材料としての所定の重合用モノマを充填して重合することにより、成形キャビティに対応した形状のコンタクトレンズを製造するものである。特に、他の公知のコンタクトレンズの製造方法であるレースカット法(切削研磨法)やスピンキャスト法(遠心注型法)に比して、生産効率等に優れている。
ところで、コンタクトレンズには、装用時における向きを周方向で特定する必要のあるものがある。例えば、乱視矯正用に用いられるトーリックコンタクトレンズでは、円柱レンズの軸(以下、トーリック軸という)を装用眼の乱視軸に合わせることが必要となる。そこで、トーリックコンタクトレンズでは、一般に、レンズ後面をトーリック形状として円柱レンズ度数を付与する一方、レンズ前面をバラスト形状として装用時の周方向位置を特定するようにした構造が採用されている。なお、本発明におけるバラスト形状は、レンズ前面の光学中心をレンズ後面の幾何中心から偏心させたプリズムによるバラストや、レンズ上下部分をレンズ前面側から薄肉化したスラブオフによるバラストなど、レンズ前面を特定形状とすることによってレンズ装用時にコンタクトレンズの向きを周方向で設定し得る各種の構造を含むものとする。
このようなコンタクトレンズでは、レンズ後面に設定されるトーリック軸の方向と、レンズ前面に設定されるバラストによって装用時に鉛直方向となる軸(以下、バラスト軸という)の方向とを、相対的に精度良く設定して製造することが必要となる。また、レンズ後面のトーリック軸とレンズ前面のバラスト軸の相対的な方向は、装用者に応じて設定する必要があることから、トーリック軸とバラスト軸の相対的な方向設定を、要求に応じて適宜に精度良く変更設計して製造することが必要となる。
そこで、従来から、レンズ前面を成形するレンズ成形用雌型と、レンズ後面を成形するレンズ成形用雄型とを型合わせしてレンズ成形キャビティを画成するに際して、それら雌雄両型を周方向で相対的に位置合わせする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このような従来のレンズ成形方法では、雌型と雄型の周方向での相対的な位置合わせを実現するために、各型の周方向位置を検出するセンサ手段や、それら各型を周方向に回動させたり位置決めする回転駆動手段が必要となり、装置が複雑で製造コストも高くなるという問題がある。また、雌雄両型を人手で位置合わせすることは現実的でなく、センサ手段や周方向駆動手段等を用いて位置合わせする場合には、構造や作動が複雑であることに起因して、作動の精度や安定性の確保が難しく、装置の調製やメンテナンスも面倒となることが避けられないのである。
特表平9−501876号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、レンズ前面に付与されるバラスト軸とレンズ後面に付与されるトーリック軸との相対的な角度設定を、簡単な装置構造をもって高精度に安定して行うことが出来る、トーリックコンタクトレンズの新規なモールド成形装置およびモールド成形方法を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(モールド成形装置に関する本発明の態様1)
モールド成形装置に関する本発明の態様1の特徴とするところは、(a) バラスト形状のレンズ前面を成形する凹形球状成形面を備えたレンズ成形用雌型を成形するための雌型成形用金型と、(b)トーリック形状のレンズ後面を成形する凸形球状成形面を備えたレンズ成形用雄型を成形するための雄型成形用金型と、(c)前記雌型成形用金型によって成形された前記レンズ成形用雌型と、前記雄型成形用金型によって成形された前記レンズ成形用雄型とを、それぞれ、成形時における中心軸回りの位置を特定した状態で相互に型合わせして、トーリックコンタクトレンズをモールド成形するためのレンズ成形キャビティを画成する型移送手段とを、含んで構成することにより、前記レンズ前面のバラスト形状を決定する前記雌型成形用金型におけるバラスト設定軸の方向と、前記レンズ後面のトーリック形状を決定する前記雄型成形用金型におけるトーリック設定軸の方向とに基づいて、前記レンズ成形キャビティで成形される前記トーリックコンタクトレンズのバラスト軸に対するトーリック軸の相対角度が設定されるようにすると共に、(d)前記雌型成形用金型において、前記バラスト設定軸の方向を変更可能とすると共に、該バラスト設定軸の方向を固定的に位置決めする雌型成形用金型セッティング手段と、(e)前記雄型成形用金型において、トーリック設定軸の方向を変更可能とすると共に、該トーリック設定軸の方向を固定的に位置決めする雄型成形用金型セッティング手段との、少なくとも一方の金型セッティング手段を採用することにより、前記レンズ成形キャビティで成形される前記トーリックコンタクトレンズのバラスト軸に対するトーリック軸の相対角度を変更設定することができるようにしたトーリックコンタクトレンズのモールド成形装置にある。
本態様において、前記型移送手段としては、例えば、前記レンズ成形用雌型及び/又は前記レンズ成形用雄型を負圧吸着して中心軸回りの自由な回転変位を阻止せしめた状態で、型開きした前記雌型成形用金型及び/又は前記雄型成形用金型から離型させると共に、該レンズ成形用雌型と該レンズ成形用雄型の型合わせ位置まで移送する、負圧を利用した吸引吸着型の移送機構によって構成されたものが、好適に採用される。
(モールド成形装置に関する本発明の態様2)
モールド成形装置に関する本発明の態様2の特徴とするところは、循環型の搬送路によって循環移動せしめられる搬送テーブルを採用すると共に、該搬送路上に、(f)バラスト形状のレンズ前面を成形する凹形球状成形面を備えたレンズ成形用雌型を、該搬送テーブルに供給して支持せしめる雌型供給エリアと、(g) トーリック形状のレンズ後面を成形する凸形球状成形面を備えたレンズ成形用雄型を、該搬送テーブルに供給して支持せしめる雄型供給エリアと、(h)前記搬送テーブルで支持された前記レンズ成形用雌型内に重合用モノマを供給するモノマ供給エリアと、(i)前記搬送テーブル上で互いに型合わせされた前記レンズ成形用雌型と前記レンズ成形用雄型で画成されたレンズ成形キャビティにおいて前記重合用モノマを重合せしめてトーリックコンタクトレンズを成形する重合成形エリアと、(j)前記レンズ成形用雌型と前記レンズ成形用雄型を型開きして、重合成形された前記トーリックコンタクトレンズを脱型して取り出すと共に、それらレンズ成形用雌型とレンズ成形用雄型を処分する脱型エリアとを、設けて、循環移動せしめられる前記搬送テーブル上でトーリックコンタクトレンズの重合成形を繰り返して連続的に行うようにしたトーリックコンタクトレンズのモールド成形装置であって、前記レンズ成形用雌型を成形するための雌型成形用金型と、該雌型成形用金型によって成形された前記レンズ成形用雌型をその成形時における中心軸回りの位置を特定した状態で前記搬送プレート上に移送して支持せしめる雌型移送手段とを、前記雌型供給エリアに設置すると共に、前記レンズ成形用雄型を成形するための雄型成形用金型と、該雄型成形用金型によって成形された前記レンズ成形用雄型をその成形時における中心軸回りの位置を特定した状態で前記搬送プレート上に移送して支持せしめる雄型移送手段とを、前記雄型供給エリアに設置し、更に、(I)前記トーリックコンタクトレンズのレンズ前面におけるバラスト形状を決定する前記雌型成形用金型において、そのバラスト設定軸の方向を変更可能とすると共に、該バラスト設定軸の方向を固定的に位置決めする雌型成形用金型セッティング手段と、(II)前記トーリックコンタクトレンズのレンズ前面におけるトーリック形状を決定する前記雄型成形用金型において、そのトーリック設定軸の方向を変更可能とすると共に、該トーリック設定軸の方向を固定的に位置決めする雄型成形用金型セッティング手段との、少なくとも一方の金型セッティング手段を採用することにより、前記レンズ成形キャビティでモールド成形される該トーリックコンタクトレンズのバラスト軸に対するトーリック軸の相対角度を変更設定することができるようにしたトーリックコンタクトレンズのモールド成形装置にある。
本態様において、前記雌型移送手段および前記雄型移送手段としては、何れも、例えば、前記レンズ成形用雌型または前記レンズ成形用雄型を負圧吸着して中心軸回りの自由な回転変位を阻止せしめた状態で、型開きした前記雌型成形用金型または前記雄型成形用金型から離型させると共に、前記搬送プレート上の支持位置にまで移送する、負圧を利用した吸引吸着型の移送機構によって構成されたものが、好適に採用される。
(モールド成形用の雌型成形用金型に関する本発明)
コンタクトレンズのモールド成形に用いられる雌型成形用金型に関する本発明の特徴とするところは、トーリック形状のレンズ後面を成形する凸形球状成形面を備えたレンズ成形用雄型に対して型合わせされることにより、後面トーリック且つ前面バラストのトーリックコンタクトレンズの成形キャビティを画成する、バラスト形状のレンズ前面を成形する凹形球状成形面を備えたレンズ成形用雌型を、所定の合成樹脂材料で成形するための雌型成形用金型であって、前記凹形球状成形面を成形する凸状の雌型成形面を備えており、該雌型成形面に対して前記トーリックコンタクトレンズのレンズ前面におけるバラスト形状を決定するバラスト設定軸が設定された雌型成形用金型コアを、別体の雌型成形用金型ベースに組み付けて、該雌型成形用金型コアの該雌型成形用金型ベースに対する相対位置を周方向で変更することにより該雌型成形面のバラスト設定軸の方向を設定することができるようにすると共に、該雌型成形用金型コアの該雌型成形用金型ベースに対する周方向の相対位置を解除可能に固定する位置決め手段を設けたコンタクトレンズの雌型成形用金型にある。
本発明において、前記位置決め手段としては、例えば、前記雌型成形用金型ベースに貫通孔を設けて、該雌型成形用金型ベースの型合わせ面と反対側から該貫通孔に対して前記雌型成形用金型コアを嵌め込んで組み付けるようにする一方、該雌型成形用金型コアにおける該型合わせ面と反対側の面に中心軸回りで複数の係合凹部を形成すると共に、それら複数の係合凹部に対して選択的に係合される係合凸部を該雌型成形用金型コアに設けることにより、有利に構成される。
(モールド成形用の雄型成形用金型に関する本発明)
コンタクトレンズのモールド成形に用いられる雄型成形用金型に関する本発明の特徴とするところは、バラスト形状のレンズ前面を成形する凹形球状成形面を備えたレンズ成形用雌型に対して型合わせされることにより、後面トーリック且つ前面バラストのトーリックコンタクトレンズの成形キャビティを画成する、トーリック形状のレンズ後面を成形する凸形球状成形面を備えたレンズ成形用雄型を、所定の合成樹脂材料で成形するための雄型成形用金型であって、前記凸形球状成形面を成形する凹状の雄型成形面を備えており、該雄型成形面に対して前記トーリックコンタクトレンズのレンズ後面におけるトーリック形状を決定するトーリック設定軸が設定された雄型成形用金型コアを、別体の雄型成形用金型ベースに組み付けて、該雄型成形用金型コアの該雄型成形用金型ベースに対する相対位置を周方向で変更することにより該雄型成形面のトーリック設定軸の方向を設定することができるようにすると共に、該雄型成形用金型コアの該雄型成形用金型ベースに対する周方向の相対位置を解除可能に固定する位置決め手段を設けたコンタクトレンズの雄型成形用金型にある。
本発明において、前記位置決め手段としては、例えば、前記雄型成形用金型ベースに貫通孔を設けて、該雄型成形用金型ベースの型合わせ面と反対側から該貫通孔に対して前記雄型成形用金型コアを嵌め込んで組み付けるようにする一方、該雄型成形用金型コアにおける該型合わせ面と反対側の面に中心軸回りで複数の係合凹部を形成すると共に、それら複数の係合凹部に対して選択的に係合される係合凸部を該雄型成形用金型コアに設けることにより、有利に構成される。
(トーリックコンタクトレンズの製造方法に関する本発明)
トーリックコンタクトレンズの製造方法に関する本発明の特徴とするところは、前述の本発明に従うモールド成形用の雌型成形用金型を用いて樹脂成形した前記レンズ成形用雌型を、該雌型成形用金型から得られる情報に基づいて中心軸回りの位置を特定すると共に、前述の本発明に従う雄型成形用金型を用いて樹脂成形した前記レンズ成形用雄型を、該雄型成形用金型から得られる情報に基づいて中心軸回りの位置を特定して、該レンズ成形用雌型と該レンズ成形用雄型を周方向での特定の相対位置関係をもって相互に型合わせすることにより、それらレンズ成形用雌型とレンズ成形用雄型の型合わせ面間に画成されたレンズ成形キャビティにおいて、後面トーリック且つ前面バラストのトーリックコンタクトレンズをモールド成形するトーリックコンタクトレンズの製造方法にある。
本発明方法においては、例えば、前記雌型成形用金型における前記雌型用金型コアの前記雌型用金型ベースに対する中心軸回りの相対位置と、前記雄型成形用金型における前記雄型用金型コアの前記雄型用金型ベースに対する中心軸回りの相対位置との、少なくとも一方を変更することにより、バラスト軸に対するトーリック軸の相対角度が異なる複数種類のトーリックコンタクトレンズをモールド成形するトーリックコンタクトレンズの製造方法が、有利に採用され得る。
上述の如き、本発明に従う構造とされたモールド成形装置、或いは本発明に従うモールド成形方法によれば、レンズ成形用雌型とレンズ成形用雄型の周方向での型合わせ位置がそれらの成形用金型の位置決めによって設定されることとなり、それ故、レンズ成形用雌型とレンズ成形用雄型の周方向での相対的な型合わせ位置を、それらの型合わせの度に検出して設定する必要がなくなる。
従って、成形品であるトーリックコンタクトレンズにおけるバラスト軸とトーリック軸の相対角度(トーリック軸角度)を、簡易に且つ高精度に設定することが出来るのであり、特に、一定のトーリック軸角度を備えたトーリックコンタクトレンズを連続して成形する際に、極めて優れた生産効率と成形精度が実現され得ることとなる。
また、本発明に従う構造とされた雌型成形用金型或いは雄型成形用金型を採用すれば、本発明に従うモールド成形方法を一層有利に実施することが可能であり、特に、異なるトーリック軸角度が設定された多種類のトーリックコンタクトレンズを容易に且つ効率的に成形することが可能となる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1(イ),(ロ),(ハ),(ニ),(ホ)には、本発明方法に従うトーリックコンタクトレンズのモールド成形工程の概略が示されている。そこにおいて、(ニ)及び(ホ)には、目的とする成形品であるトーリックコンタクトレンズ10が図示されている。かかるトーリックコンタクトレンズ10は、全体として部分的な略球殻形状を有しており、良く知られているように、眼球における角膜の表面に重ね合わせて装用される。また、このトーリックコンタクトレンズ10は、(ニ)に示された正面視において円形状とされており、略凹状球面とされたレンズ後面12と、略凸状球面とされたレンズ前面14を有している。レンズ後面12は、全体として、装用される角膜の表面形状に対応した略凹状球面形状のベースカーブとされている。レンズ前面14は、(ニ)に図示された正面視で円形状の光学部16の周囲に周辺部18が形成されており、更に外周縁部にはスラブオフ20が形成されている。
また、レンズ後面12には、円柱レンズ度数が付与されており、装用される眼の乱視軸の角度に対応した傾斜角度:θをもって、円柱軸(トーリック軸という)22が設定されている。なお、この傾斜角度:θは、装用時に略上下方向となる鉛直方向線を基準としており、かかる鉛直方向線は、レンズ前面14に付与されたバラスト軸24として設定されている。即ち、例示的に図示されたトーリックコンタクトレンズ10では、レンズ後面12の光学中心を通るレンズ幾何中心軸26に対して、レンズ前面14の光学部16および周辺部18の光学中心軸28が、下方に所定距離:δだけ偏心しており、それによってプリズムが設定されている。そして、このプリズムによってバラスト形状が付与されており、トーリックコンタクトレンズ10の重心が、レンズ幾何中心軸26に対して光学中心軸28の偏心方向であるバラスト軸24上で下方に偏倚せしめられている。これにより、装用時には、重力の作用に基づいて、かかるバラスト軸24が略鉛直方向となるように、周方向で位置決め保持されるようになっているのである。具体的には、トーリックコンタクトレンズ10の装用時には、(ニ)の上下方向が鉛直上下方向となる状態で、角膜上で周方向に位置決めされることとなり、それにより、トーリック軸22が、眼光学系の乱視軸の角度に対応した傾斜角度:θだけ鉛直方向から傾斜せしめられるのである。
このようなトーリックコンタクトレンズ10を本発明方法に従ってモールド成形するに際しては、先ず、図1(ロ)に示されている雌型成形用金型30と、同図(イ)に示されている雄型成形用金型32を用いて、同図(ハ)に示されているレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36をそれぞれ樹脂成形する。そして、これらレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36を型合わせすることによって画成されるレンズ成形キャビティ38内において、重合用モノマとしての適当なモノマ材料を重合成形することにより、同図(ニ),(ホ)に示されている、上述の如き目的とするトーリックコンタクトレンズ10を得る。
そこにおいて、(ハ)に示されたレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36で画成されるレンズ成形キャビティ38は、目的とするトーリックコンタクトレンズ10に対応した形状を有していなければならない。
すなわち、レンズ成形用雌型34においてキャビティ形成面を構成する凹形球状成形面40は、目的とするトーリックコンタクトレンズ10のレンズ前面14に対応した形状とされており、従って、図面上に明示はされていないが、かかる凹形球状成形面40には、トーリックコンタクトレンズ10のバラスト軸24に対応する特定の径方向にバラスト形成用の軸が設定されている。また、レンズ成形用雄型36においてキャビティ形成面を構成する凸形球状成形面42は、目的とするトーリックコンタクトレンズ10のレンズ後面12に対応した形状とされており、従って、図面上に明示はされていないが、かかる凸形球状成形面42には、トーリックコンタクトレンズ10のトーリック軸22に対応する特定の径方向にトーリック形成用の軸が設定されている。
そして、これらレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36は、レンズ成形用雌型34においてバラスト形成用の軸が設定された径方向と、レンズ成形用雄型36においてトーリック形成用の軸が設定された径方向とが、特定の相対角度をもつようにレンズ成形キャビティ38の中心軸43回りの周方向で相対的に位置決めされて型合わせされる。具体的には、目的とするトーリックコンタクトレンズ10に設定される円柱軸角度(トーリック軸角度):θだけ、それら両径方向が相対的に周方向でずれるようにして型合わせされるのであり、これにより、前述の如き後面トーリック且つ前面バラストの目的とするトーリックコンタクトレンズ10に対応した形状のレンズ成形キャビティ38を画成することが出来る。
ところで、レンズ成形用雌型34を射出成形等で樹脂成形する雌型成形用金型30は、図1(ロ)に示されているように、雌型成形用上金型44と雌型成形用下金型46によって構成されている。そして、これら上下金型44,46の型合わせ面間に、レンズ成形用雌型34を成形するための雌型成形キャビティ48が画成されるようになっている。
また、雌型成形用金型30における雌型成形用上金型44は、レンズ成形用雌型34の凹形球状成形面40を成形する球形凸状の雌型成形面56を備えている。即ち、この雌型成形面56の形状が、レンズ成形用雌型34の凹形球状成形面40に転写され、かかる凹形球状成形面40に対応した形状をもって、目的とするトーリックコンタクトレンズ10のレンズ前面14が形成されるのである。従って、雌型成形用上金型44の雌型成形面56は、目的とするトーリックコンタクトレンズ10のレンズ前面14に対応した形状とされており、図面上に明示はされていないが、かかる雌型成形面56には、トーリックコンタクトレンズ10のバラスト軸24に対応する特定の径方向にバラスト設定軸が設定されている。
一方、レンズ成形用雄型36を射出成形等で樹脂成形する雄型成形用金型32は、図1(イ)に示されているように、雄型成形用上金型50と雄型成形用下金型52によって構成されている。そして、これら上下金型50,52の型合わせ面間に、レンズ成形用雄型36を成形するための雄型成形キャビティ54が画成されるようになっている。
また、雄型成形用金型32における雄型成形用下金型52は、レンズ成形用雄型36の凸形球状成形面42を成形する球形凹状の雄型成形面58を備えている。即ち、この雄型成形面58の形状が、レンズ成形用雄型36の凸形球状成形面42に転写され、かかる凸形球状成形面42に対応した形状をもって、目的とするトーリックコンタクトレンズ10のレンズ後面12が形成されるのである。従って、雄型成形用下金型52の雄型成形面58は、目的とするトーリックコンタクトレンズ10のレンズ後面12に対応した形状とされており、図面上に明示はされていないが、かかる雄型成形面58には、トーリックコンタクトレンズ10のトーリック軸22に対応する特定の径方向にトーリック設定軸が設定されている。
そして、これら雌型成形用金型30と雄型成形用金型32は、それぞれ、中心軸60,62の回りの周方向で位置決めされて、所定のベース等によって固定的に支持されて設置されている。これにより、雌型成形用金型30では、その雌型成形面56に設定されたバラスト設定軸の方向が中心軸60回りで特定方向に位置決めされると共に、雄型成形用金型32では、その雄型成形面58に設定されたトーリック設定軸の方向が中心軸62回りで特定方向に位置決めされている。従って、雌型成形用金型30で樹脂成形されたレンズ成形用雌型34は、型開きして脱型する際、少なくとも雌型成形用金型30に保持せしめられたままの状態において、プリズム形成用の軸の方向が中心軸60回りで特定されている。また、雄型成形用金型32で樹脂成形されたレンズ成形用雄型36は、型開きして脱型する際、少なくとも雄型成形用金型32に保持せしめられたままの状態において、トーリック形成用の軸の方向が中心軸62回りで特定されている。
さらに、雌型成形用金型30で成形されたレンズ成形用雌型34と、雄型成形用金型32で成形されたレンズ成形用雄型36は、それぞれ、脱型されて所定の領域に搬送されて、前述のように型合わせされてトーリックコンタクトレンズ10の重合成形に供される。なお、レンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36の型合わせは、何れか一方の型を成形用金型に保持せしめたままの状態で、他方の型だけを脱型して搬送し、成形用金型に保持せしめたままの状態で保持された当該一方の型に対して型合わせするようにしても良い。その際、一方の型を保持せしめたままの成形用金型は、金型ごと型合わせ領域まで搬送しても良いが、当該一方の型を成形した場所にそのまま据え置いて、かかる成形場所まで他方の型を搬送して、そこで型合わせすることも可能である。
そこにおいて、一方の型或いは両方の型を脱型して型合わせするにしても、また、何処で型合わせを行うにしても、相互に型合わせするレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36は、何れも、成形用金型30,32における中心軸60,62回りの位置情報を保持したまま、周方向の位置を特定して相互に型合わせされる。具体的には、上述の如く雌型成形用金型30の型開き時に特定されていたレンズ成形用雌型34におけるバラスト設定軸の方向と、雄型成形用金型32の型開き時に特定されていたレンズ成形用雄型36におけるトーリック設定軸の方向とを、それぞれ特定したまま、即ち中心軸回りの自由な回転を拘束した状態でレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36を所定位置まで搬送して両型を型合わせするようになっている。
それ故、図1(ハ)に示す如く相互に型合わせされたレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36は、それぞれの型34,36自体において中心軸43回りの位置を検出したり周方向で位置合わせする必要がないのである。即ち、雌型成形用金型30と雄型成形用金型32を各中心軸60,62回りで位置固定に設置しておけば、レンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36は、中心軸43回りで常に安定した周方向の相対位置関係をもって型合わせされることとなる。その結果、重合成形されるトーリックコンタクトレンズ10において、レンズ成形用雌型34で特定されるバラスト軸24に対する、レンズ成形用雄型36で特定されるトーリック軸22の相対角度(円柱軸角度):θが、安定して高精度に設定され得るのである。
特に、固定的に設置される雌型成形用金型30と雄型成形用金型32によってトーリックコンタクトレンズ10の円柱軸角度:θが設定されることから、順次に樹脂成形されるレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36を用いて、円柱軸角度:θが一定のトーリックコンタクトレンズ10を連続して多数成形する場合でも、成形毎にレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36を位置合わせする必要がないのであり、初めに雌型成形用金型30と雄型成形用金型32を位置決め設置すれば、目的とする円柱軸角度:θを備えたトーリックコンタクトレンズ10を、優れた成形効率をもって且つ高精度に連続して成形することが可能となるのである。
しかも、雌型成形用金型30と雄型成形用金型32の少なくとも一方の設置状態を、中心軸60,62の回りで回動させて変更することにより、それら雌型成形用金型30と雄型成形用金型32に設定されたバラスト設定軸とトーリック設定軸の相対方向を変更せしめて、成形されるトーリックコンタクトレンズ10に設定される円柱軸角度:θの値を変更設定することが出来る。そして、その際にも、レンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36の中心軸43回りの位置を各別に検出する必要もなく、円柱軸角度:θの値を高精度に設定することが可能となる。
なお、雌型成形用金型30の設置状態を中心軸60回りで回動させて変更設定するに際しては、雌型成形用の上下型44,46を全体として回動変位させて設置位置を変更することも可能であるが、バラスト設定軸の方向が中心軸60回りで変更されれば、最終成形品であるトーリックコンタクトレンズ10の円柱軸角度:θの変更設定に十分である。従って、雌型成形用金型30においてバラスト設定軸の方向を変更可能に設定する雌型成形用金型セッティング手段は、例えば、雌型成形用下金型46を位置固定したままで雌型成形用上金型44だけを、中心軸60の回りで相対回転可能で且つ固定的に位置決め可能に構成することによっても、実現され得ることとなる。
また、雄型成形用金型32においても同様であり、その設置状態を中心軸62回りで回動させて変更設定するに際しては、雄型成形用の上下型50,52を全体として回動変位させて設置位置を変更することも可能であるが、トーリック設定軸の方向が中心軸62回りで変更されれば、最終成形品であるトーリックコンタクトレンズ10の円柱軸角度:θの変更設定に十分である。従って、雄型成形用金型32においてトーリック設定軸の方向を変更可能に設定する雄型成形用金型セッティング手段は、例えば、雄型成形用上金型50を位置固定したままで雄型成形用下金型52だけを、中心軸62の回りで相対回転可能で且つ固定的に位置決め可能に構成することによっても、実現され得ることとなる。
さらに、雌型成形用金型30において、バラスト設定軸の方向の変更設定を一層簡易とするためには、例えば、雌型成形用上金型44において、雌型成形面56を形成する金型コア部分だけを中心軸60回りで相対回動可能に且つ固定的に位置決め可能に構成することが可能である。また、雄型成形用金型32においても、同様に、トーリック設定軸の方向の変更設定を一層簡易とするためには、例えば、雄型成形用下金型52において、雄型成形面58を形成する金型コア部分だけを中心軸62回りで相対回動可能に且つ固定的に位置決め可能に構成することが可能である。
そのような構成を採用した雌型成形用金型および雄型成形用金型の具体的な構造例を、図2,3および図4,5に、それぞれ示す。なお、これら図2,3に図示された雌型成形用金型64および図4,5に図示された雄型成形用金型66は、何れも、図1(ロ)および(イ)に図示された上述の雌型成形用金型30および雄型成形用金型32と別の実施形態であって、各成形キャビティの形状等も異なるが、図1(ニ)および(ホ)に示されたトーリックコンタクトレンズ10を重合成形するために用いられる、図1(ハ)に示されたものと同様なレンズ成形用雌型34およびレンズ成形用雄型36を樹脂成形するものである。
すなわち、図2,3に示された雌型成形用金型64は、図示しない型締装置の固定盤に取り付けられる雌型成形用上金型64aと雌型成形用下金型64bから構成されている。雌型成形用下金型64bは、固定盤に固定される図示しない取付板に対してそれぞれ固定的に取り付けられた下金型ベース70と下金型コア72から構成されている。下金型ベース70は矩形ブロック形状を有しており、中央部分には型合わせ方向に貫通する装着孔74が設けられている。そして、この装着孔74に対して下金型コア72が嵌め込まれて固定的に組み付けられており、下金型ベース70と下金型コア72の両下端面が取付板によって支持されて抜け出し不能に位置決めされている。而して、下金型ベース70の上端面が型合せ面75とされていると共に、下金型コア72の上端面が下金型キャビティ形成面76とされている。
一方、図2,3に示された雌型成形用上金型64aは、図示しない型締装置の可動盤に固定される取付板に対して固定的に取り付けられた上金型ベース82と上金型コア86から構成されている。上金型ベース82は矩形ブロック形状を有しており、中央部分には型合わせ方向に貫通する貫通孔としての装着孔88が設けられている。そして、この装着孔88に対して、上金型コア86が嵌め込まれて組み付けられている。なお、これら上金型ベース82と上金型コア86は、組付状態下において各上端面が取付板で支持されて軸方向に固定的に位置決めされている。而して、上金型ベース82の下端面が型合せ面92とされていると共に、上金型コア86の下端面が上金型キャビティ形成面94とされている。
ここにおいて、本実施形態の雌型成形用金型64で樹脂成形されるレンズ成形用雌型34(図1(ハ)参照)において、レンズ成形面たる凹形球状成形面40の成形面は、上金型コア86の下端面によって構成されている。即ち、上金型コア86は、図6〜8に示されているように、目的とするトーリックコンタクトレンズ10(図1(ニ),(ホ)参照)のレンズ前面14に対応した形状とされており、型中心軸96に対して径方向に所定距離:δだけ偏心した位置に曲率中心軸98を有する球形凸状の雌型成形面100とされている。即ち、この型中心軸96に対して曲率中心軸98の偏心せしめられた軸直角方向の軸が、バラスト設定軸102とされているのである。
従って、かかる雌型成形用金型64においては、雌型成形用下金型64bを型締装置の固定盤に固定したまま、雌型成形用上金型64aだけを型締装置から取り外して、上金型ベース82に対して上金型コア86を型中心軸96回りで適当量だけ回動させるだけで、バラスト設定軸102の方向を変更設定することが出来るのである。
さらに、上金型コア86には、取付板に重ね合わされる上端面において、径方向一方向で直線的に延びる嵌合凹溝104が、一定幅寸法をもって形成されている。また、上金型ベース82には、取付板に重ね合わされる上端面において、装着孔88の内周縁部に開口する切欠形状の係合凹部108が、略180度の領域に亘って所定間隔で複数(本実施形態では、型中心軸96回りの周方向に10度間隔で計18個)形成されている。
そして、上金型コア86を上金型ベース82に対して位置決めして、嵌合凹溝104に嵌合プレート114を嵌め込むことによって、上金型コア86と上金型ベース82を型中心軸96回りで相対回転不能に連結せしめ得るようになっている。かかる嵌合プレート114は、図9、図10に示すように、長手の矩形平板形状を有しており、その長手方向一方の端部において上金型コア86の外周面上に突出する係合凸部112が一体形成されている。そして、上金型コア86を上金型ベース82に組み付けた状態下において、この係合凸部112を任意の係合凹部108に嵌め込んで係合せしめることにより、上金型コア86を上金型ベース82に対して型中心軸96回りで固定的に位置決めすることが出来るようになっている。
従って、このような雌型成形用金型64においては、嵌合プレート114の係合凸部112の係合位置を、上金型ベース82に設けられた複数の係合凹部108の中から任意に選択することにより、型締装置の可動盤に対して一定方向で固定される上金型ベース82に対して、雌型成形面100におけるバラスト設定軸102の設定方向を適宜に且つ容易に調節設定することが可能となるのである。なお、本実施形態では、図7〜8から明らかなように、嵌合プレート114が嵌め込まれる嵌合凹溝104の長手方向がバラスト設定軸102の方向となるように設定されている。
また、図4,5に示された雄型成形用金型66は、その基本的構造を上述の雌型成形用金型64と同じとするものであることから、ここでは概略的な説明にとどめる。
すなわち、図示された雄型成形用金型66は、雄型成形用上金型66aと雄型成形用下金型66bから構成されている。雄型成形用下金型66bは、下金型ベース128と下金型コア130から構成されており、固定盤に固定される図示しない取付板に対してそれぞれ固定的に組み付けられている。そして、下金型ベース128の上端面が型合せ面134とされていると共に、下金型コア130の上端面が下金型キャビティ形成面136とされている。
一方、雄型成形用上金型66aは、上金型ベース140と上金型コア144から構成されて、図示しない型締装置の可動盤に固定される取付板に対して固定的に組み付けられている。上金型コア144は上金型ベース140の装着孔148に嵌め込まれている。また、上金型コア144は上金型ベース140に対して型中心軸150回りで回動可能とされている。そして、上金型ベース140の下端面が型合せ面151とされていると共に、上金型コア144の下端面が上金型キャビティ形成面152とされている。
また、この雄型成形用金型66で樹脂成形されるレンズ成形用雄型36(図1(ハ)参照)において、レンズ成形面たる凸形球状成形面42の成形面は、上金型コア144の下端面によって構成されている。即ち、上金型コア144の下端面は、図11〜13に示されているように、目的とするトーリックコンタクトレンズ10(図1(ニ),(ホ)参照)のレンズ後面12に対応した形状とされており、型中心軸150を中心とする球形凹状で且つトーリック形状の雄型成形面154とされている。
更にまた、上金型コア144の上端面には、嵌合凹溝156が形成されており、そこに嵌合プレート160が嵌め込まれて、上金型コア144と上金型ベース140の相対回動が阻止されている。なお、本実施形態では、上金型コア144における嵌合凹溝156の中心線方向が、雄型成形面154におけるトーリック設定軸157の方向(即ち、雄型成形面154において最も曲率半径が大きい径方向)と平行となるようにされている。また、上金型ベース140には、装着孔148の内周縁部に開口する複数(本実施形態では、型中心軸150の回りの周方向に10度間隔で18個)の係合凹部162が形成されている。そして、係合凹部162に対して、嵌合プレート160の係合凸部166が選択的に係合せしめられることにより、上金型コア144が、型中心軸150回りの周方向において、上金型ベース140に対して相対的に位置決めされるようになっている。
従って、このような雄型成形用金型66においても、前述の雌型成形用金型64と同様に、嵌合プレート160の係合凸部166の係合位置を、上金型ベース140に設けられた複数の係合凹部162の中から適宜に選択することにより、型締装置の可動盤に対して一定方向で固定される上金型ベース140に対して、雄型成形面154におけるトーリック設定軸157の設定方向を適宜に且つ容易に調節設定することが可能となるのである。
さらに、上述の如き構造とされた雌型成形用金型30又は64と雄型成形用金型32又は66を用いて樹脂成形されたレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36を、図1に示されているように、それぞれに設定されたバラスト設定軸とトーリック設定軸の相対方向を特定したまま型合わせして、目的とするトーリックコンタクトレンズ10の重合成形に供するには、例えば、成形後に雌型成形用金型30又は64および雄型成形用金型32又は66を型開きして、離型せしめたレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36を、それぞれ、負圧を利用して被搬送物を吸引吸着する移送機構が、好適に採用されることとなり、それによって、レンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36を、傷等の損傷を回避しつつ、中心軸回りの自由変位を阻止して周方向位置を特定したままの状態で、型合せ位置まで有利に移送することが可能となる。
そのような負圧吸引型の移送機構を備えたトーリックコンタクトレンズ10のモールド成形装置の一実施形態が、図14に示されている。
すなわち、図14は、トーリックコンタクトレンズの製造装置としての搬送ライン170の全体概略モデル図であり、かかる搬送ライン170は、五つの製造工程:No.1〜No.5の実施領域と、それら五つの製造工程:No.1〜No.5の実施領域にレンズ成形用の雌雄型34,36等を順次に搬送して、それら五つの製造工程:No.1〜No.5を順次に実施せしめるための搬送手段としての循環型の搬送路172を含んで構成されている。
搬送ライン170は、図14〜16に示されているように、無端環状の左右一対のレール金具174,174からなる搬送レール176と、該搬送レール176で案内されて移動せしめられる搬送トレー178と、該搬送トレー178を搬送レール176に沿って駆動移動せしめる駆動ロッド180を含んで構成されている。なお、駆動ロッド180は、ボール螺子機構等によって、搬送トレー178の下部に装着された駆動ブロック182を駆動するようになっている。また、搬送トレー178には、適数個(本実施形態では4個)の型保持孔184が形成されており、これらの型保持孔184によってレンズ成形用雌雄型34,36が保持されるようになっている。
そして、このような搬送路172上に設けられた五つの製造工程:No.1〜No.5の実施領域には、それぞれ、トーリックコンタクトレンズ10を製造するための処理装置が設置されている。即ち、(i)製造工程:No.1の実施領域には、レンズ成形用雌型34を成形する射出成形機が設置されており、(ii)製造工程:No.2の実施領域には、レンズ成形用雄型36を成形する射出成形機が設置されており、(iii)製造工程:No.3の実施領域には、レンズ成形用の雌雄両型34,36で画成されるレンズ成形キャビティにモノマ材料を注入するモノマ注入機が設置されており、(iv)製造工程:No.4の実施領域には、型合せしたレンズ成形用の雌雄両型34,36で画成されるレンズ成形キャビティ内に充填したモノマ材料を、光重合や熱重合等によって重合処理して目的とするトーリックコンタクトレンズ10を成形する重合装置が設置されており,(v)製造工程:No.5の実施領域には、レンズ成形用の雌雄両型34,36を搬送トレー178から取り出す取出機が設置されている。
また、製造工程:No.1の実施領域に設置された射出成形機においては、前述の如き雌型成形用金型30又は64が、その型中心軸60,96回りの周方向位置を特定されて位置決めされた状態で装着された型締装置が設置されている。そして、この型締装置を含む射出成形機によって、搬送ライン170に対して特定の方向に延びるバラスト設定軸をもってレンズ成形用雌型34が成形されるようになっている。
更にまた、製造工程:No.2の実施領域に設置された射出成形機においては、前述の如き雄型成形用金型32又は66が、その型中心軸62,150回りの周方向位置を特定されて位置決めされた状態で装着された型締装置が設置されている。そして、この型締装置を含む射出成形機によって、搬送ライン170に対して特定の方向に延びるトーリック設定軸をもってレンズ成形用雄型36が成形されるようになっている。
更にまた、製造工程:No.1,2,3,5の各実施領域には、それぞれ、図17,18に示されているように、搬送レール176で支持された搬送トレー178上に延び出す支持ビーム186が設置されている。この支持ビーム186は、剛性のフレーム188において複数本(本実施形態では4本)の支持ロッド190が設けられており、それら各支持ロッド190が、搬送トレー178の各型保持孔184の位置に対応付けられている。また、支持ビーム186は、中心軸回りの回動位置を特定された状態で、図示しない電動モータ等の駆動手段で駆動されて、製造工程:No.1,2,3,5の各実施領域と搬送レール176上を往復変位せしめられるようになっている。
また、各支持ロッド190の下端部分には、吸着パッド192が固着されていると共に、この吸着パッド192内に開口する負圧通路196が、支持ロッド190内とエア供給管194を通じて、図示しない負圧ポンプ等に接続されている。これにより、製造工程:No.1,2では、各実施領域に設置された射出成形機で成形されたレンズ成形用雌型34またはレンズ成形用雄型36を、吸着パッド192で吸引吸着して雌型成形用金型30または雄型成形用金型32から脱型させて、搬送トレー178上に移送し、型保持孔184に導き入れるようになっている。
なお、支持ロッド190等においては、その移動機構として、例えばガイドレール機構や一軸回りの揺動機構の他、関節ロボット等の各種運動機構が適宜に採用可能であるが、そのような何れの機構を採用したものであっても、製造工程:No.1,2においては、各実施領域に設置された射出成形機で射出成形されたレンズ成形用雌型34およびレンズ成形用雄型36を、何れも、周方向の位置を特定した状態で、搬送トレー178の型保持孔184まで移送するようになっている。また、負圧吸引機構の具体的構成は、例えば特開平9−19972号公報等に記載されている公知のものであるから、ここではその詳細を省略する。
このような構造とされたトーリックコンタクトレンズの製造装置においては、先ず、製造工程:No.1の実施領域において、並設された射出成形機によって成形されたレンズ成形用雌型34が、支持ビーム186によって搬送トレー178上に移送されて、型保持孔184にセットされる。続く製造工程:No.2の実施領域において、並設された射出成形機によって成形されたレンズ成形用雄型36が、支持ビーム186によって搬送トレー178上に移送されて、先にセットされたレンズ成形用雌型34に載置され、仮に型合せされる。なお、これらの仮に型合せされたレンズ成形用雌型34とレンズ成形用雄型36は、それぞれに設定されたバラスト設定軸とトーリック設定軸が、周方向で適当な角度:θをもって相対的に位置決めされることとなる。
続いて、製造工程:No.3の実施領域において、搬送トレー178上で仮に型合せされたレンズ成形用雄型36を支持ロッド190で負圧吸着して型開きすると共に、かかる型開状態下で、上方に開口せしめたレンズ成形用雌型34の凹形球状成形面40上に所定のモノマ材料を供給する。その後、一旦型開きしたレンズ成形用雄型36をレンズ成形用雌型34に対して、当初の周方向相対位置関係を再現して載置せしめて型閉じする。更に後、製造工程:No.4の実施領域において、そこに設置した重合装置によって、レンズ成形キャビティ内に充填したモノマ材料を重合処理して目的とするトーリックコンタクトレンズ10を成形する。続いて、製造工程:No.5の実施領域において、例えば、搬送レール176の下方に設置したエジェクト手段によって、搬送トレー178の各型保持孔184からレンズ成形用雌雄型34,36を上方に突き上げて取り外した後、上述の支持ビーム186で吸引吸着して、レンズ成形用雌雄型34,36を搬送トレー178から並設された脱型装置に移送する。そして、この脱型装置により、レンズ成形用雌雄型34,36を型開きした後、必要に応じて適当な溶剤を使用して、レンズ成形用雌雄型34,36から製品であるトーリックコンタクトレンズを脱型させて取り出す。そして、使用されたレンズ成形用雌雄型34,36は処分されることとなる。
このようにして、トーリックコンタクトレンズの一製造サイクルが行われるのであり、型保持孔184が空となった搬送トレー178は、循環型の搬送ライン170で移送されて、再び製造工程:No.1に返戻されることにより、上述の如きトーリックコンタクトレンズの製造工程に供されることによって、かかるトーリックコンタクトレンズの製造サイクルが連続して繰り返し実施されることとなる。
従って、このような製造装置を採用することにより、本発明方法に従うトーリックコンタクトレンズ10の製造を容易に且つ効率的に行うことが可能となるのであり、特に、そこにおいて、レンズ成形用雌雄型34,36を、型合わせの度に周方向で相対的に位置決めする必要がなく、予め固定的に設置された各射出成形機における雌型成形用金型30,64と雄型成形用金型32,66によって、それらレンズ成形用雌雄型34,36が自動的に周方向で位置合わせされて、目的とするトーリック軸角度:θを有するトーリックコンタクトレンズ10を安定して高い精度で製造することが出来るのである。
しかも、レンズ成形用雌雄型34,36を、型合わせの度に周方向で相対的に位置決めするための高価なセンサ手段や位置合わせ駆動手段を設ける必要がないことから、装置構造も簡単となり、保守も容易となる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
例えば、レンズ成形用雌雄型34,36の型合わせ時における周方向での相対位置、即ち設定されるトーリック軸角度:θの値を確認等するために、それらレンズ成形用雌雄型34,36の周方向の相対位置を検出するセンサ手段を、本発明において併用することも、勿論、可能である。
また、前記実施形態では、製造工程:No.1の実施領域によって雌型供給エリアが構成されており、製造工程:No.2の実施領域によって雄型供給エリアが構成されており、製造工程:No.3の実施領域によってモノマ供給エリアが構成されており、製造工程:No.4の実施領域によって重合成形エリアが構成されており、製造工程:No.5の実施領域によって脱型エリアが構成されていたが、それらの各実施領域の他に、例えば確認エリアや選別エリア、貯留エリアや洗浄エリア等、適当な工程用エリアを追加的に採用することも、勿論、可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明に従うトーリックコンタクトレンズの製造方法の一実施形態を説明するための工程説明図である。 本発明に従う雌型成形用金型の一実施形態を示す縦断面図であって、図3におけるII−II断面に相当する図である。 図2に示された雌型成形用金型の平面図である。 本発明に従う雄型成形用金型の一実施形態を示す縦断面図であって、図5におけるIV−IV断面に相当する図である。 図4に示された雄型成形用金型の平面図である。 図2に示された雌型成形用金型を構成する上金型コアを示す一部切欠正面図である。 図6における底面図である。 図6における上面図である。 図2に示された雌型成形用金型において利用される嵌合プレートを示す平面図である。 図9に示された嵌合プレートの側面図である。 図4に示された雄型成形用金型を構成する上金型コアを示す縦断面図である。 図11における底面図である。 図11における上面図である。 トーリックコンタクトレンズの製造ラインの一実施形態における全体概略構造を示す平面説明図である。 図14に示された製造ラインにおける搬送トレーの駆動機構を説明するための平面説明図である。 図15におけるXVI−XVI断面に相当する説明図である。 図14に示された製造ラインにおける支持ビームの構造を説明するための平面説明図である。 図17におけるXVIII−XVIII断面に相当する説明図である。
符号の説明
10 トーリックコンタクトレンズ
12 レンズ後面
14 レンズ前面
22 トーリック軸
24 バラスト軸
26 レンズ幾何中心軸
28 光学中心軸
30 雌型成形用金型
32 雄型成形用金型
34 レンズ成形用雌型
36 レンズ成形用雄型
38 レンズ成形キャビティ
40 凹形球状成形面
42 凸形球状成形面
48 雌型成形キャビティ
54 雄型成形キャビティ
64 雌型成形用金型
66 雄型成形用金型
82 上金型ベース
86 上金型コア
102 バラスト設定軸
108 係合凹部
112 係合凸部
114 嵌合プレート
140 上金型ベース
144 上金型コア
157 トーリック設定軸
160 嵌合プレート
162 係合凹部
166 係合凸部
170 搬送ライン
178 搬送トレー
186 支持ビーム
190 支持ロッド
192 吸着パッド
196 負圧通路

Claims (10)

  1. (a) バラスト形状のレンズ前面を成形する凹形球状成形面を備えたレンズ成形用雌型を成形するための雌型成形用金型と、
    (b)トーリック形状のレンズ後面を成形する凸形球状成形面を備えたレンズ成形用雄型を成形するための雄型成形用金型と、
    (c)前記雌型成形用金型によって成形された前記レンズ成形用雌型と、前記雄型成形用金型によって成形された前記レンズ成形用雄型とを、それぞれ、成形時における中心軸回りの位置を特定した状態で相互に型合わせして、トーリックコンタクトレンズをモールド成形するためのレンズ成形キャビティを画成する型移送手段と
    を、含んで構成することにより、前記レンズ前面のバラスト形状を決定する前記雌型成形用金型におけるバラスト設定軸の方向と、前記レンズ後面のトーリック形状を決定する前記雄型成形用金型におけるトーリック設定軸の方向とに基づいて、前記レンズ成形キャビティで成形される前記トーリックコンタクトレンズのバラスト軸に対するトーリック軸の相対角度が設定されるようにすると共に、
    (d)前記雌型成形用金型において、前記バラスト設定軸の方向を変更可能とすると共に、該バラスト設定軸の方向を固定的に位置決めする雌型成形用金型セッティング手段と、(e)前記雄型成形用金型において、トーリック設定軸の方向を変更可能とすると共に、該トーリック設定軸の方向を固定的に位置決めする雄型成形用金型セッティング手段との、少なくとも一方の金型セッティング手段を採用することにより、前記レンズ成形キャビティで成形される前記トーリックコンタクトレンズのバラスト軸に対するトーリック軸の相対角度を変更設定することができるようにしたことを特徴とするトーリックコンタクトレンズのモールド成形装置。
  2. 前記型移送手段が、前記レンズ成形用雌型及び/又は前記レンズ成形用雄型を負圧吸着して中心軸回りの自由な回転変位を阻止せしめた状態で、型開きした前記雌型成形用金型及び/又は前記雄型成形用金型から離型させると共に、該レンズ成形用雌型と該レンズ成形用雄型の型合わせ位置まで移送する、負圧を利用した吸引吸着型の移送機構によって構成されている請求項1に記載のトーリックコンタクトレンズのモールド成形装置。
  3. 循環型の搬送路によって循環移動せしめられる搬送テーブルを採用すると共に、該搬送路上に、
    (f)バラスト形状のレンズ前面を成形する凹形球状成形面を備えたレンズ成形用雌型を、該搬送テーブルに供給して支持せしめる雌型供給エリアと、
    (g) トーリック形状のレンズ後面を成形する凸形球状成形面を備えたレンズ成形用雄型を、該搬送テーブルに供給して支持せしめる雄型供給エリアと、
    (h)前記搬送テーブルで支持された前記レンズ成形用雌型内に重合用モノマを供給するモノマ供給エリアと、
    (i)前記搬送テーブル上で互いに型合わせされた前記レンズ成形用雌型と前記レンズ成形用雄型で画成されたレンズ成形キャビティにおいて前記重合用モノマを重合せしめてトーリックコンタクトレンズを成形する重合成形エリアと、
    (j)前記レンズ成形用雌型と前記レンズ成形用雄型を型開きして、重合成形された前記トーリックコンタクトレンズを脱型して取り出すと共に、それらレンズ成形用雌型とレンズ成形用雄型を処分する脱型エリアと
    を設けて、循環移動せしめられる前記搬送テーブル上でトーリックコンタクトレンズの重合成形を繰り返して連続的に行うようにしたトーリックコンタクトレンズのモールド成形装置であって、
    前記レンズ成形用雌型を成形するための雌型成形用金型と、該雌型成形用金型によって成形された前記レンズ成形用雌型をその成形時における中心軸回りの位置を特定した状態で前記搬送プレート上に移送して支持せしめる雌型移送手段とを、前記雌型供給エリアに設置すると共に、前記レンズ成形用雄型を成形するための雄型成形用金型と、該雄型成形用金型によって成形された前記レンズ成形用雄型をその成形時における中心軸回りの位置を特定した状態で前記搬送プレート上に移送して支持せしめる雄型移送手段とを、前記雄型供給エリアに設置し、更に、
    (I)前記トーリックコンタクトレンズのレンズ前面におけるバラスト形状を決定する前記雌型成形用金型において、そのバラスト設定軸の方向を変更可能とすると共に、該バラスト設定軸の方向を固定的に位置決めする雌型成形用金型セッティング手段と、(II)前記トーリックコンタクトレンズのレンズ前面におけるトーリック形状を決定する前記雄型成形用金型において、そのトーリック設定軸の方向を変更可能とすると共に、該トーリック設定軸の方向を固定的に位置決めする雄型成形用金型セッティング手段との、少なくとも一方の金型セッティング手段を採用することにより、前記レンズ成形キャビティでモールド成形される該トーリックコンタクトレンズのバラスト軸に対するトーリック軸の相対角度を変更設定することができるようにしたことを特徴とするトーリックコンタクトレンズのモールド成形装置。
  4. 前記雌型移送手段および前記雄型移送手段が、何れも、前記レンズ成形用雌型または前記レンズ成形用雄型を負圧吸着して中心軸回りの自由な回転変位を阻止せしめた状態で、型開きした前記雌型成形用金型または前記雄型成形用金型から離型させると共に、前記搬送プレート上の支持位置にまで移送する、負圧を利用した吸引吸着型の移送機構によって構成されている請求項3に記載のトーリックコンタクトレンズのモールド成形装置。
  5. トーリック形状のレンズ後面を成形する凸形球状成形面を備えたレンズ成形用雄型に対して型合わせされることにより、後面トーリック且つ前面バラストのトーリックコンタクトレンズの成形キャビティを画成する、バラスト形状のレンズ前面を成形する凹形球状成形面を備えたレンズ成形用雌型を、所定の合成樹脂材料で成形するための雌型成形用金型であって、
    前記凹形球状成形面を成形する凸状の雌型成形面を備えており、該雌型成形面に対して前記トーリックコンタクトレンズのレンズ前面におけるバラスト形状を決定するバラスト設定軸が設定された雌型成形用金型コアを、別体の雌型成形用金型ベースに組み付けて、該雌型成形用金型コアの該雌型成形用金型ベースに対する相対位置を周方向で変更することにより該雌型成形面のバラスト設定軸の方向を設定することができるようにすると共に、該雌型成形用金型コアの該雌型成形用金型ベースに対する周方向の相対位置を解除可能に固定する位置決め手段を設けたことを特徴とするコンタクトレンズの雌型成形用金型。
  6. 前記雌型成形用金型ベースに貫通孔を設けて、該雌型成形用金型ベースの型合わせ面と反対側から該貫通孔に対して前記雌型成形用金型コアを嵌め込んで組み付けるようにする一方、該雌型成形用金型コアにおける該型合わせ面と反対側の面に中心軸回りで複数の係合凹部を形成すると共に、それら複数の係合凹部に対して選択的に係合される係合凸部を該雌型成形用金型コアに設けることにより、前記位置決め手段を構成した請求項5に記載の雌型成形用金型。
  7. バラスト形状のレンズ前面を成形する凹形球状成形面を備えたレンズ成形用雌型に対して型合わせされることにより、後面トーリック且つ前面バラストのトーリックコンタクトレンズの成形キャビティを画成する、トーリック形状のレンズ後面を成形する凸形球状成形面を備えたレンズ成形用雄型を、所定の合成樹脂材料で成形するための雄型成形用金型であって、
    前記凸形球状成形面を成形する凹状の雄型成形面を備えており、該雄型成形面に対して前記トーリックコンタクトレンズのレンズ後面におけるトーリック形状を決定するトーリック設定軸が設定された雄型成形用金型コアを、別体の雄型成形用金型ベースに組み付けて、該雄型成形用金型コアの該雄型成形用金型ベースに対する相対位置を周方向で変更することにより該雄型成形面のトーリック設定軸の方向を設定することができるようにすると共に、該雄型成形用金型コアの該雄型成形用金型ベースに対する周方向の相対位置を解除可能に固定する位置決め手段を設けたことを特徴とするコンタクトレンズの雄型成形用金型。
  8. 前記雄型成形用金型ベースに貫通孔を設けて、該雄型成形用金型ベースの型合わせ面と反対側から該貫通孔に対して前記雄型成形用金型コアを嵌め込んで組み付けるようにする一方、該雄型成形用金型コアにおける該型合わせ面と反対側の面に中心軸回りで複数の係合凹部を形成すると共に、それら複数の係合凹部に対して選択的に係合される係合凸部を該雄型成形用金型コアに設けることにより、前記位置決め手段を構成した請求項7に記載の雄型成形用金型。
  9. 請求項5又は6に記載の雌型成形用金型を用いて樹脂成形した前記レンズ成形用雌型を、該雌型成形用金型から得られる情報に基づいて中心軸回りの位置を特定すると共に、請求項7又は8に記載の雄型成形用金型を用いて樹脂成形した前記レンズ成形用雄型を、該雄型成形用金型から得られる情報に基づいて中心軸回りの位置を特定して、該レンズ成形用雌型と該レンズ成形用雄型を周方向での特定の相対位置関係をもって相互に型合わせすることにより、それらレンズ成形用雌型とレンズ成形用雄型の型合わせ面間に画成されたレンズ成形キャビティにおいて、後面トーリック且つ前面バラストのトーリックコンタクトレンズをモールド成形することを特徴とするトーリックコンタクトレンズの製造方法。
  10. 前記雌型成形用金型における前記雌型用金型コアの前記雌型用金型ベースに対する中心軸回りの相対位置と、前記雄型成形用金型における前記雄型用金型コアの前記雄型用金型ベースに対する中心軸回りの相対位置との、少なくとも一方を変更することにより、バラスト軸に対するトーリック軸の相対角度が異なる複数種類のトーリックコンタクトレンズをモールド成形する請求項9に記載のトーリックコンタクトレンズの製造方法。
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