JP2005148027A - 屈折率測定装置および濃度測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来、試料の濃度や透明薄膜の厚さを測定する手段として、低コヒーレンス干渉法などによってその屈折率を求める方法が挙げられる。しかし、従来の低コヒーレンス干渉法における光学測定においては、機械的動作が必要となるため、非常に高精度を必要とする機器の調整が必要で、更にステージを移動させるという機械的な動作が生じるため、その際に必ず振動が生じてしまい、測定精度に大きな影響を及ぼしてしまう。
【解決手段】 機械的動作を液晶素子による光変調などによる電気的な動作に置き換えることによって、非常に高精度を必要とする機器の調整が不要となり、また、振動などの影響がないため高精度の測定が可能となる。また、これまで、ミラーを可動とし、ミラーによる反射光を参照光としていたため機器の配置の制約が大きかったが、透過光線を利用できる液晶素子を用いることにより、小型化など様々な状況に応じた装置構成が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は低コヒーレンス干渉法によって試料の屈折率を高精度に測定する技術に関するものであり、また、測定した試料の屈折率より、例えば試料中に含まれるグルコース等の濃度を算出する技術に関するものである。
従来、試料の濃度や透明薄膜の厚さを測定する手段として、低コヒーレンス干渉法によりその屈折率を測定する方法が用いられている。低コヒーレンス干渉法は、例えば、白色光やスーパールミネッセントダイオードのような可干渉性の低い光源を用い、測定対象物を透過もしくは測定対象物で反射した光と参照光を重ね合わせたときに、二つの光の飛行時間差がほぼゼロのときにのみ干渉することを利用するもので、参照光の光路長を参照鏡を移動させることによって変化させ、干渉信号が観察されたときの参照鏡の位置より、試料の屈折率を測定するものである。
低コヒーレンス干渉法を用いる光学測定系としては、例えば特許文献1に示されるものが挙げられる。ここに掲載された光学測定系は、測定対象物に対して光を照射する光源と、この光源と測定対象物の間に順次配置されたビームスプリッターおよび対物レンズと、光源と測定対象物とを結ぶ直線と交差するとともにビームスプリッターを通る直線上のビームスプリッターを挟んだ一方に配置された参照鏡と、ビームスプリッターを挟んだ他方に配置された検出器を備えるというものである。ここで、参照鏡は可動となっており、参照鏡の変位量と検出器から得られる信号より、測定対象物の屈折率等を測定することができる。上記の方法は、低コヒーレンス干渉法を用いる上では一般的な構成として知られている。
また、非特許文献1においては、低コヒーレンス光源としてフェムト秒レーザーを用いた干渉法である、フェムト秒パルス干渉法を用いてグルコース溶液の屈折率を求め、その測定値よりグルコース濃度の算出を行っている。図5は非特許文献1を参考にした光学系の構成の概略を示す。光源であるフェムト秒レーザー501から出射された光線は、ビームスプリッター502に到達する。ビームスプリッター502によって光線は直進光と反射光に分割される。ビームスプリッター502における反射光は試料503に入射し、試料503を通過した後、固定ミラー504で反射され、ビームスプリッター502における透過成分が、検出器505に入射する。また、ビームスプリッター502における直進光は可動ミラー506に入射し、反射されて再びビームスプリッター502に入射し、その反射成分が検出器505に入射する。
ここで、検出器505により二本の光線が干渉した場合に干渉信号が観察される。光源として低コヒーレンス光源を用いているため、二本の光線の飛行時間がほぼ等しい場合に検出器505によって干渉信号が観察される。ビームスプリッター502における直進光は試料503を通過する際、試料503の屈折率に依存して飛行時間の遅延が発生するため、その遅延量に相当する量だけ可動ミラー506の位置を変位させることによって干渉信号が観察される。このときの可動ミラー506の変位量より、試料の屈折率を求めることが可能となる。ここで、グルコース溶液の屈折率が濃度に比例することが知られており、求めた屈折率より試料の濃度を算出することが出来る。
特開平10−2855号公報(図1) 堀、「フェムト秒パルス干渉法を用いたグルコース濃度測定法の開発」 、第64回応用物理学会学術講演会講演予稿集、平成15年、p.915
しかし、従来の低コヒーレンス干渉法における光学測定においては、ビームスプリッターによって二本に分割された光線がそれぞれ検出器に向かうまでの光路長を等しく設定することが必須の条件となる。このため、可動ミラーなどの可動ステージの移動量は非常に厳しい精度で制御される必要がある。また、光学測定に必要なステージ走査範囲を持たせることが必要であるため、それぞれの機器の配置も制約を受ける。更に、測定にはステージを移動させるという機械的な動作が生じるため、その際に振動が生じてしまい、測定精度に大きな影響を及ぼしてしまう。
そこで、本発明では上述した従来技術による問題点を解消するため、低コヒーレンス干渉法を用いた測定において、機械的動作を必要とせず、振動などの影響を受けずに屈折率の測定ができる装置を提供することを目的とする。
これらの課題を解決するために本発明による屈折率測定装置および濃度測定装置は、下記に記載の手段を採用する。すなわち本発明の屈折率測定装置は、低コヒーレンス光を出力する光源を含む光出力手段と、光出力手段から出力された光線を二本の光線に分割する光分割手段と、光分割手段によって分割された二本の光線のうち、一方の光線のみを試料に入射し、試料に入射した測定光と、試料に入射しない参照光を集光するレンズと、レンズによって集光された光の強度を検出する光強度検出手段を備え、測定光と参照光を合波して干渉させる干渉光学系による屈折率測定装置であって、参照光を電気的な光変調素子に入射して変調し、光変調素子への印加電圧値と、光強度検出手段において検出される測定光と参照光の干渉信号より試料の屈折率を測定することを特徴とする。
また、本発明の屈折率測定装置における電気的な光変調素子は液晶素子によって構成されることが望ましい。
また、本発明の屈折率測定装置は、低コヒーレンス光を出力する光源を含む光出力手段と、光出力手段から出力された光線を二本の光線に分割する光分割手段と、光分割手段によって分割された二本の光線のうち、一方の光線のみを試料に入射し、試料に入射した測定光と、試料に入射しない参照光を集光するレンズと、レンズによって集光された光の強度を検出する光強度検出手段を備え、測定光と参照光を合波して干渉させる干渉光学系による屈折率測定装置であって、光線のビーム径より十分大きな面積の電極を配置してある面と光線のビーム径より十分大きな面積の電極を配置していない面を同一面上に有する基板で構成される分割型の液晶素子を有し、測定光を分割型の液晶素子における電極を配置していない面に入射し、参照光を分割型の液晶素子における電極を配置してある面に入射して変調し、分割型の液晶素子への印加電圧値と、光強度検出手段において検出される測定光と参照光の干渉信号より試料の屈折率を測定することを特徴とする。
また、本発明の屈折率測定装置における液晶素子はホモジニアス配向の液晶素子であることが望ましい。
また、本発明の屈折率測定装置は、測定光と参照光が光強度検出手段に入射する前に、ともに、任意の偏光軸を持った偏光子を透過することが望ましい。
また、本発明の屈折率測定装置は、試料を入れる試料セルが少なくとも二種類の溶液を
別個に入れることができ、試料セルに少なくとも試料と基準液が別個に入れられており、参照光が基準液を通過することが望ましい。
また、本発明における試料は水溶液であり、基準液は純水である場合により有用である。
また、本発明における光出力手段は直線偏光を出力することが望ましい。
また、本発明における光源は直線偏光を出力することが望ましい。
また、本発明における光源はスーパールミネッセントダイオード、フェムト秒レーザ、または発光ダイオードであることが望ましい。
また、本発明における試料はグルコース溶液、血液、または尿であり、試料中の溶質はグルコースである場合により有用である。
また、本発明の濃度測定装置はこれらのいずれかの屈折率測定装置によって試料の屈折率を測定し、試料中の物質の濃度を算出することを特徴とする。
(作用)
低コヒーレンス干渉法を用いて試料の屈折率を測定する屈折率測定装置および濃度測定装置において、光分割手段によって二本に分割された光線の内、参照用に用いる光線の飛行時間を機械的ではなく、液晶素子を用い電気的に変化させることにより、高い精度を必要とする機器の調整が不要となり、また、振動などの影響がないため高精度の測定が可能となる。また、これまで、ミラーを可動とし、ミラーによる反射光を参照光としていたため機器の配置の制約が大きかったが、透過光線を利用できる液晶素子を用いることにより、小型化など様々な状況に応じた装置構成が可能となる。
以上の説明のように、本発明の屈折率測定装置および濃度測定装置においては、下記に記載する効果を有する。
スーパールミネッセントダイオードなどの低コヒーレンス光源からの光線を光分割手段によって二本に分割し、一方の光線を試料に入射し、他方の光線を参照用の光線として、二本の光線の干渉信号より試料の屈折率を測定する低コヒーレンス干渉法を用いた屈折率測定装置および濃度測定装置において、参照用に用いる光線の飛行時間を変化させる際に、反射ミラーの移動など機械的動作を行うのではなく、液晶素子を用いて電気的に行うことにより、高い精度を必要とする機器の調整が不要となり、また、ステージ移動の際の振動等の影響もなくなるため、高精度の屈折率測定および濃度測定が可能となる。
また、機械的動作の場合の測定の際に必要であったステージの走査範囲のスペースも不要となり、更に、光線を透過させる液晶素子を用いることによってミラーやビームスプリッタを用いない構成も可能となるため、小型化など様々な状況に応じた装置構成が可能となる。
以下、図面を用いて本発明を利用した屈折率測定装置および濃度測定装置の最適な実施形態を説明する。
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態の例である。図1において駆動回路109によって駆動されるスーパールミネッセントダイオードなどの光源101より出射された直線偏光した光線をコリメートレンズ102に入射する。ここで、光源101はスーパールミネッセントダイオードに限るものではなく、白色光や発光ダイオード、フェムト秒レーザーなど、可干渉性の低い低コヒーレンス光を出射する光源である。仮に光源の種類により、光源101より出射された光線が直線偏光ではない場合、偏光子などを配置し、直線偏光が出射されるようにする。コリメータレンズ102は入射してきた光線を平行光にするものであって、光線の広がり角等によって配置を変え、光源からの距離を変化させる。次に、コリメータレンズ102によって平行光となった光線を光分割手段103に入射する。ここで、本実施形態においては光分割手段103として開口を用い、二本の光線に分割している。光分割手段103としては、他に、回折格子、プリズム、及びそれらと反射板などを組み合わせたものが考えられる。次に、光分割手段103によって分割された二本の光線の内、一方の光線は試料104に入射する。本実施形態においては試料104としてはグルコース溶液とする。ここで、光線が試料104を通過する際、グルコース溶液の屈折率により光の速度が低下する。仮にグルコース溶液の屈折率をngとすると、光線が試料104を通過する際の速度c1は、
1=c/ng
となる。このとき、cは真空中の光の速度である。すなわち、試料を通過する際の光路長をLとすると、試料104を通過することによる光線の飛行時間の遅延量T1は、
1=(ng−1)・L/c
となる。次に、試料104を通過した光線は偏光子106に入射し、入射した光線の偏光子106の透過軸方向の成分のみが透過する。次に、偏光子106を透過した光線は集光レンズ107に入射し、受光器108の受光部に集光される。
また、光分割手段103によって分割された二本の光線の内、他方の光線は液晶素子105に入射する。ここで、液晶素子105はホモジニアス配向の液晶素子であり、その配向方向は入射する光線の偏光方向と等しい方向とする。液晶素子105は液晶駆動回路110によって駆動し、液晶駆動回路110より液晶素子105へ印加する電圧に応じて液晶素子を通過する際の光線の速度が変化する。これは、液晶素子105への印加電圧によって素子内の液晶分子の配向方向が、光線に対して平行方向からほぼ垂直方向まで変化することによって、液晶素子105全体としての屈折率が変化するためである。ここで、屈折率が最小となる場合の屈折率をnlcd1とし、屈折率が最大となる場合の屈折率をnlcd2とすると、光線が液晶素子105を通過する際の速度c2は、
c/nlcd2 < c2 < c/nlcd1
となる。すなわち、液晶素子105のギャップをLlcdとすると、液晶素子105を通過することによる光線の飛行時間の遅延量T2は、
(nlcd1−1)・Llcd/c<T2<(nlcd2−1)・Llcd/c
となる。ここで、Tlcd1=(nlcd1−1)・Llcd/cとし、Tlcd2=(nlcd2−1)・Llcd/cとする。次に、液晶素子105を通過した光線は偏光子106に入射し、入射した光線の偏光子106の透過軸方向の成分のみが透過する。次に、偏光子106を透過した光線は集光レンズ107に入射し、受光器108の受光部に集光される。
受光器108は受光した光線の強度変化を電圧変化として出力するもので、受光器より検出された信号はPCなどの演算器111に入力する。また、演算器111はコントローラとして液晶駆動回路110のコントロールも行う。
この時、受光器108へ入射する二本の光線に関して、光源101を出射してから、受光器108に到達するまでの光線の飛行時間がほぼ等しい場合にのみ干渉信号が観察される。干渉信号は、例えば二本の光線の飛行時間にずれがある場合は受光器108で検出される光強度は二本の光線の強度を足した値で一定であるが、二本の光線が干渉した場合、
極大、もしくは極小のピークが観察される。
ここで、試料104を通過する光線と液晶素子105を通過する光線の光路長が等しい場合、試料104を通過することによる光線の飛行時間の遅延量T1が、
lcd1<T1<Tlcd2
の条件を満たすとすれば、液晶素子105への印加電圧を変化させていったときに、ある電圧値のところで干渉信号が観察される。このとき、干渉信号が観察される電圧値と試料104の屈折率の間には相関が見られるため、試料104の屈折率が測定できる。また、屈折率に比例するグルコース濃度の算出が可能となる。
実際の測定では、試料104を入れる容器や、液晶素子105のガラスの種類などの影響が発生してしまうため、試料104を通過する光線と液晶素子105を通過する光線の光路長にずれが生じてしまい、測定前に校正が必要となる。校正の方法としては、例えば試料104として、まず純水を入れて測定し、その値を基準とするなどの方法が挙げられる。
また、試料104が透明ではなく、散乱体を含むものである場合、観察される干渉信号はきれいなピークを示さず、図2に示すように、ピークが複数観察されるなどの現象が起こる。これは、散乱体を通過する際、光線は散乱の影響をほとんど受けない前方直進光と散乱を受けた散乱光に分別され、光の粒子が散乱を受ける回数が多いほど光路長も長くなるため、広い範囲に渡って干渉信号が検出されるためである。この場合、一番早く現れた信号が前方直進光による干渉信号であると考えられ、この信号を用いることにより、散乱体においても測定が可能となる。
上述のように、低コヒーレンス干渉法において、ステージ移動などの機械的動作を液晶素子による電気的な動作に置き換える方法においても、試料の屈折率の測定が可能である。機械的動作を必要としないことで、非常に高精度を必要とする機器の調整が不要となり、また、振動などの影響がないため高精度の測定が可能となる。また、これまで、ミラーを可動とし、ミラーによる反射光を参照光としていたため機器の配置の制約が大きかったが、透過光線を利用できる液晶素子を用いることにより、小型化など様々な状況に応じた装置構成が可能となる。
なお、本実施形態においては試料としてグルコース溶液を用いており、この場合グルコースのもつ旋光性により、試料を透過した光線の偏光軸が回転してしまう。そのため、受光器に到達する二本の光線の偏光方向を合わせ、干渉信号へのノイズを低減するために、偏光子106を配置した。試料に旋光性がない場合、もしくは試料における散乱が非常に小さい場合は、偏光子106は不要となる。
(第二の実施形態)
次に第二の実施形態について図3を用いて説明する。光学素子等に関しては第一の実施形態と同様のものとする。第一の実施形態と同様に、駆動回路109によって駆動される低コヒーレンスの光源101より出射された直線偏光した光線をコリメートレンズ102に入射する。光源の種類により、光源101より出射された光線が直線偏光ではない場合、偏光子などを配置し、直線偏光が出射されるようにする。次に、コリメータレンズ102によって平行光となった光線を光分割手段103に入射する。ここで、本実施形態においても、第一の実施形態と同様に光分割手段103として開口を用い、二本の光線に分割している。次に、光分割手段103によって分割された二本の光線を分割型の液晶素子301に入射する。
分割型の液晶素子301はホモジニアス配向の液晶素子で、その配向方向は入射する光
線の偏光方向と等しい方向であり、液晶注入部の半分の面、面Bのみに電極を配置してある。液晶駆動回路110によって分割型の液晶素子301に電圧を印加した場合、面Bにだけ電圧が印加され液晶分子の配向方向が変化する。電極のない面Aは電圧を印加しても変化は起こらない。ここで、光分割手段103によって分割された二本の光線をそれぞれ分割型の液晶素子301の面Aと面Bに入射する。このとき、分割型の液晶素子301の面Aに入射する光線を光線a、面Bに入射する光線を光線bとする。
光線aは分割型の液晶素子301を通過する際、その屈折率により光線の飛行時間が遅延するが、その遅延量は分割型の液晶素子301への印加電圧に依存せず一定である。光線aは分割型の液晶素子301を透過した後、試料セル302に入射する。本実施形態においても試料104としてはグルコース溶液とする。ここで、図4に示すように試料セル302は、二本の光線が異なる経路を通る構造で、二種類の試料を入れる構造になっており、一方に試料104を入れ、他方に純水などの基準液303を入れる。また、光線aは試料104を通過するように、光線bは基準液303を通過するように配置する。光線aが試料104を通過する際、グルコース溶液の屈折率により光の速度が低下する。第一の実施形態と同様に仮にグルコース溶液の屈折率をng、真空中の光の速度をc、試料を通過する際の光路長をLとすると、試料104を通過することによる光線の飛行時間の遅延量T1は、
1=(ng−1)・L/c
となる。実際には光線は試料セル302も通過しているため、試料セルを通過する際にも飛行時間の遅延は発生している。次に、試料104を通過した光線は偏光子106に入射し、入射した光線の偏光子106の透過軸方向の成分のみが透過する。次に、偏光子106を透過した光線は集光レンズ107に入射し、受光器108の受光部に集光される。
また、光線bは分割型の液晶素子301を通過する際、その屈折率により光線の飛行時間が遅延し、その遅延量は分割型の液晶素子301への印加電圧に依存する。次に、光線bは分割型の液晶素子301を透過した後、試料セル302に入射し、基準液303を通過する。ここで、基準液303の屈折率をn0とすると、基準液303を通過することによる光線の飛行時間の遅延量T2は、
2=(n0−1)・L/c
となる。次に、基準液303を通過した光線は偏光子106に入射し、入射した光線の偏光子106の透過軸方向の成分のみが透過する。次に、偏光子106を透過した光線は集光レンズ107に入射し、受光器108の受光部に集光される。
受光器108は受光した光線の強度変化を電圧変化として出力するもので、受光器より検出された信号はPCなどの演算器111に入力する。また、演算器111はコントローラとして液晶駆動回路110のコントロールも行う。このとき、受光器108へ入射する光線a、光線bに関して、光源101を出射してから、受光器108に到達するまでの光線の飛行時間がほぼ等しい場合にのみ干渉信号が観察される。干渉信号は、例えば二本の光線の飛行時間にずれがある場合は受光器108で検出される光強度は二本の光線の強度を足した値で一定であるが、二本の光線が干渉した場合、極大、もしくは極小のピークが観察される。すなわち、第一の実施形態と同様に、分割型の液晶素子301への印加電圧を変化させていったときに、ある電圧値のところで干渉信号が観察される。このとき、干渉信号が観察される電圧値と試料104の屈折率の間には相関が見られるため、試料104の屈折率が測定できる。また、屈折率に比例するグルコース濃度の算出が可能となる。
ここで、干渉信号を観察するとき、光線a、光線bの経路を出来るだけ等しくすることにより、外乱の影響を小さくでき、また、分割型の液晶素子301による変調幅を小さくすることが出来るため、高精度の測定が可能となる。本実施形態においては、光線aと光線bを共に分割型の液晶素子301に入射し、液晶素子の面Bのみを変調させることによ
り、液晶分子による変調分以外の要素、すなわち、液晶素子のガラスや配向膜などの影響を打ち消すことが出来る。また、同様に同一の試料セル302に入射し、光線aを試料、光線bを基準液に入射することにより、試料セル302を通過する際の影響も光線a、光線b間でキャンセルすることが出来る。すなわち、光線aと光線bの飛行時間において、遅延差が発生するのは液晶分子による変調分と、試料104と基準液303の屈折率差のみとなり、測定に必要な要素以外はキャンセルできるため、上述のように高精度の測定が可能となる。また、第一の実施形態と同様に、本実施形態においても散乱体の測定も可能である。
上述のように、低コヒーレンス干渉法において、ステージ移動などの機械的動作を液晶素子による電気的な動作に置き換える方法においても、試料の屈折率の測定が可能である。機械的動作を必要としないことで、非常に高精度を必要とする機器の調整が不要となり、また、振動などの影響がないため高精度の測定が可能となる。また、これまで、ミラーを可動とし、ミラーによる反射光を参照光としていたため機器の配置の制約が大きかったが、透過光線を利用できる液晶素子を用いることにより、小型化など様々な状況に応じた装置構成が可能となる。更に、本実施形態のように、測定に必要な要素以外はキャンセルできる構成とすることにより、上述のように高精度の測定が可能となる。
また、本明細書中に記載の実施形態においては、透過光を利用できる利点を生かし、従来の低コヒーレンス干渉系と異なる光学系の構成としたが、従来の光学系の構成においても、ステージ移動などの機械的動作を液晶素子による電気的な動作に置き換える方法によって上記と同様の効果が得られる。
本発明の第一の実施形態における屈折率測定装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態における受光器の検出信号を示す図である。 本発明の第二の実施形態における屈折率測定装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態における試料セルの構成を示す図である。 従来例における屈折率測定装置の概略図である。
符号の説明
101 光源
102 コリメートレンズ
103 光分割手段
104 試料
105 液晶素子
106 偏光子
107 集光レンズ
108 受光器
301 分割型の液晶素子
302 試料セル

Claims (12)

  1. 低コヒーレンス光を出力する光源を含む光出力手段と、該光出力手段から出力された光線を二本の光線に分割する光分割手段と、該光分割手段によって分割された二本の光線のうち、一方の光線のみを試料に入射し、該試料に入射した測定光と、前記試料に入射しない参照光を集光するレンズと、該レンズによって集光された光の強度を検出する光強度検出手段を備え、前記測定光と前記参照光を合波して干渉させる干渉光学系による屈折率測定装置であって、前記参照光を電気的な光変調素子に入射して変調し、該光変調素子への印加電圧値と、前記光強度検出手段において検出される前記測定光と前記参照光の干渉信号より前記試料の屈折率を測定する屈折率測定装置。
  2. 前記電気的な光変調素子は液晶素子によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の屈折率測定装置。
  3. 低コヒーレンス光を出力する光源を含む光出力手段と、該光出力手段から出力された光線を二本の光線に分割する光分割手段と、該光分割手段によって分割された二本の光線のうち、一方の光線のみを試料に入射し、該試料に入射した測定光と、前記試料に入射しない参照光を集光するレンズと、該レンズによって集光された光の強度を検出する光強度検出手段を備え、前記測定光と前記参照光を合波して干渉させる干渉光学系による屈折率測定装置であって、光線のビーム径より十分大きな面積の電極を配置してある面と前記面積の電極を配置していない面を同一面上に有する基板で構成される分割型の液晶素子を有し、前記測定光を前記分割型の液晶素子における前記電極を配置していない面に入射し、前記参照光を前記分割型の液晶素子における前記電極を配置してある面に入射して変調し、前記分割型の液晶素子への印加電圧値と、前記光強度検出手段において検出される前記測定光と前記参照光の干渉信号より前記試料の屈折率を測定する屈折率測定装置。
  4. 前記液晶素子はホモジニアス配向の液晶素子であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の屈折率測定装置。
  5. 前記測定光と前記参照光が前記光強度検出手段に入射する前に、ともに、任意の偏光軸を持った偏光子を透過することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の屈折率測定装置。
  6. 前記試料を入れる試料セルが少なくとも二種類の溶液を別個に入れることができ、前記試料セルに少なくとも前記試料と基準液が別個に入れられており、前記参照光が前記基準液を通過することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の屈折率測定装置。
  7. 前記試料は水溶液であり、前記基準液は純水であることを特徴とする請求項6に記載の屈折率測定装置。
  8. 前記光出力手段は直線偏光を出力することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の屈折率測定装置。
  9. 前記光源は直線偏光を出力することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の屈折率測定装置。
  10. 前記光源はスーパールミネッセントダイオード、フェムト秒レーザ、または発光ダイオードであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の屈折率測定装置。
  11. 前記試料はグルコース溶液、血液、または尿であり、前記試料中の溶質はグルコースであることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の屈折率測定装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の屈折率測定装置によって試料の屈折率を測定し、前記試料中の物質の濃度を算出する濃度測定装置。
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