JP2005147206A - 突き合わせ接続用継手構造 - Google Patents

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【課題】部材の突き合わせ接続を、外力により部材相互がずれないように強固にすることができる突き合わせ接続用継手構造を提供する。
【解決手段】対向する部材の端面を突き合わせて接続するための突き合わせ接続用継手構造であって、継手構造の継手板1には、接続する部材2a,2bのそれぞれの端部に設けられたネジ孔5に螺合させて継手板1を固定するボルト3を通すためのボルト用孔4が形成されるとともに、一方の部材2bのネジ孔5に軸回りに回転自在に差し込まれた歯車付き杆8の歯車9に噛み合い、且つ他方の部材2bにボルト3で固定された継手板1の一方の部材2bに位置する領域に歯車9の回転により部材を引き寄せるためのラック6が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、コンクリート管の接続など部材を突き合わせて接続するための突き合わせ接続用継手構造に関する。
近年、都市の景観向上を図るため市街地等では、電力線及び通信線等(以下「電線類」という。)のケーブルを地下に埋設する共同溝が構築されている。共同溝は電線類を分岐または接続するために設ける桝と、桝相互間に電線類を配置するための管路をコンクリート管を接続して構成している。
従来、コンクリート管どうしの接続方法として、特許文献1にはソケット式の接続方式が提案されている。このソケット式の接続方法は、一方のコンクリート管の端部に形成されたソケット部内に他方のコンクリート管の端部に形成されたスピゴット部を挿入してシール材を介して接続するものである。
特開平06−117588号公報
前記のソケット式の接続方法では、ソケット部内にスピゴット部を挿入しただけなので、管の接続強度が十分でないため、地盤の沈下や地震などの外力によりコンクリート管がずれて、その結果、内部のケーブルに影響を与えたり、ケーブル通線工事に支障を来たしたりする場合があった。
また、コンクリート管のソケット部の外径がコンクリート管本体の外径よりも大きいために、コンクリート管を敷設する際にソケット部の外径に合わせて掘削幅を広くする必要があるために、工事費用が割高となっていた。
そこで、本発明は、部材の突き合わせ接続を、外力により部材相互がずれないように強固にすることができる突き合わせ接続用継手構造を提供するものである。
本発明は、対向する部材の端面を突き合わせて接続するための突き合わせ接続用継手構造であって、前記継手構造の継手板には、接続する部材のそれぞれの端部に設けられたネジ孔に螺合させて継手板を固定するボルトを通すためのボルト用孔が形成されるとともに、一方の部材のネジ孔に軸回りに回転自在に差し込まれた歯車付き杆の歯車に噛み合い、且つ他方の部材にボルトで固定された継手板の一方の部材に位置する領域に歯車の回転により部材を引き寄せるためのラックが形成されていることを特徴とする。
前記構成において、ラックの上方に、一方の部材のネジ孔に軸回りに回転自在に差し込まれた歯車付き杆の歯車をラックに噛み合わせるとともに、一方の部材を他方の部材の端面に向かって移動させるようにガイドするガイド溝を形成してもよく、また、継手板で接続する部材が、その一端面の周囲に係合凸条が形成され、他端面の周囲に接続する部材の係合凸条を係合する係合溝が形成され、係合溝内に部材の係合凸条により圧着されるシール材を配置することができる。
本発明では、突き合わせ接続用継手構造(以下「継手構造」という。)の継手板のラックとこれに噛み合う歯車を回転させて部材を引き寄せた後、継手板を部材に固定することにより部材を強固に接続できるので、地盤沈下、地震時の作用土圧力に対して部材相互がずれるのを防止することができる。
本発明では、部材相互の接続が継手板による引き寄せで容易に行なえるので、作業効率が向上する。また、継手板で部材どうしを強固に接続できるため、事前に工場で数本の部材を接続した状態で運搬して敷設できるので、効率よく施工することができる。
本発明では、継手板にガイドを設けて部材を吊り降ろす際にそのガイドに沿って部材を降ろすことにより、容易に接合周面の係合凸条と係合溝の位置合わせができる。
本発明では、管の接合を係合凸条と係合溝の突き合せ式にすることによって部材の接続部の外径が本体と同じ大きさでよいので、施工時の掘削土量が減少し、工事費用を削減することができる。
本発明では、予め一方の部材接合周面に係合凸条を、もう一方の部材接合周面に係合凹条を施して凹凸の突き合せ式にすることにより容易に接合周面の係合凸条と係合溝の位置合わせができる。
また、係合溝内のシール材を引き寄せにより圧着し、継手板を固定することによりシール状態をそのまま維持できるので、確実に止水することができる。
本発明における継手構造は、コンクリート管の接続に限定されるものではなく、例えば側溝ブロックやボックスカルバート、擁壁他のコンクリート製品にも使用することができる。
以下、突き合わせ接続する部材として電線類を通す複数の貫通孔を有するコンクリート管の例について説明する。
図1は(a)は本発明の継手構造における継手板を示す正面図、(b)は歯車付き杆の側面図、図2はコンクリート管の突き合わせ面の断面図、図3は図1に示す継手板によるコンクリート管の接続施工の説明図である。
図1及び図3に示されるように、鋼製で板状の継手板1には、継手板1をコンクリート管2a,2bに固定するためのボルト3を通すボルト用孔4がコンクリート管2a,2bの接続後にコンクリート管2a,2bに設けられたネジ孔5の位置に合うように穿孔されている。継手板1の大きさや厚さ、ボルト用孔4の数は、要求される作用土圧力やコンクリート管2a,2bの引込みに必要な力などにより決定する。
さらに、継手板1にはラック6が形成されている。本実施例では、矩形の開口7の下辺にラック6が形成されている。ラック6は上辺に形成してもよい。
ラック6は歯車付き杆8の歯車9に噛み合うように形成される。歯車付き杆8のヘッド10は、大型のスパナの口で回せるようにボルト頭と同様に六角形に形成し、ヘッド10の下部に歯車9が形成され、杆11はコンクリート管2bのネジ孔5に差し込んでラック6に歯車9を噛み合わせて回転可能にする。
図3において、電線類を通す貫通孔12を有するコンクリート管2a,2bの両側面の端部には、継手板1を固定するボルト3を螺合させるためのネジ孔5を有するインサートが複数埋設されている。インサートは、作用土圧力により数量やサイズを増減する。
コンクリート管2aには一方の端面の周囲に連続した係合凸条13が形成されるとともに、他方の端面の周囲に連続した係合溝14が形成されている。係合溝内には、溝に沿って合成ゴムなどの弾性を有するシール材15となるパッキンが設けられている。
コンクリート管2a,2bを接続する際に、一方のコンクリート管2aの係合凸条13が、接続する他方のコンクリート管2bの係合溝14に押し込まれて継手板1で管路方向にコンクリート管2bを引き寄せることによりシール材15を圧着してシールする。係合凸条13や係合溝14、シール材15は要求される防水性能により、大きさや厚さを変える。
図3を参照して本実施例の継手板の使用方法について説明する。接続するコンクリート管2a,2bを管路に沿って端面を合わせて並べた後、継手板1のボルト用孔4にボルト3を通して一方のコンクリート管2aのネジ孔5に螺合させて締め付けることにより継手板1をコンクリート管2aに固定する。
次いで、他方のコンクリート管2bの側に位置している継手板1の矩形の開口7を通して歯車付き杆8をコンクリート管2bのネジ孔5に差し込むとともに、歯車付き杆8の歯車9をラック6に噛み合わせてセットする。
歯車付き杆のセットが完了した後、大型のスパナの口に歯車付き杆8の六角形のヘッド10を合わせて回転させると、歯車付き杆8の回転により歯車9が継手板1のラック6上を回転し、継手板1は一方のコンクリート管2aに固定されているので、歯車付き杆8がセットされているコンクリート管2bは、一方のコンクリート管2aに引き寄せられる。この引き寄せにより、一方のコンクリート管2aの係合凸条13が他方のコンクリート管2bの係合溝14に係合し、さらに押し込まれて管路方向に移動してシール材15が圧着されてシールされる。
コンクリート管2a,2bどうしの管路方向への引き寄せが完了すると、図3(b)に示すように、歯車付き杆8がセットされたコンクリート管2bのネジ孔5に継手板1のボルト用孔4を通したボルト3を螺合させて締め付けて継手板1をコンクリート管2bに固定することにより、接続作業が完了する。
本実施例の継手板1により接合するコンクリート管2a,2bを引き寄せて継手板1を固定することにより、コンクリート管2どうしは強固に接続されるので、土圧力の作用、地盤沈下や地震時の作用に対してコンクリート管2a,2bがずれるのを防止でき、また、シール材15の圧着状態を維持できるので、接続部を確実にシールすることができる。
図4は本発明の継手構造における継手板の別実施例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。図5は図4に示す継手板によるコンクリート管の接続施工の説明図である。
図4において、鋼製で板状の継手板1には、実施例1と同様にコンクリート管2a,2bの接続後にコンクリート管2a,2bに形成されたネジ孔5に合うようにボルト3を通すボルト用孔4が穿孔されている。継手板1には、さらにコンクリート管2bを降ろして接続するコンクリート管2a,2bの端面どうしを合わせる際に歯車付き杆8を案内するガイド溝16が形成され、ガイド溝16の終端の下部に歯車付き杆8の歯車9が噛み合うラック6が溶接により固定されている。
図5を参照して本実施例の継手板の使用方法について説明する。継手板1が一方のコンクリート管2aにボルト3で固定され、接続する他方のコンクリート管2bには歯車付き杆8がネジ孔5に差し込まれる。
コンクリート管2bが降ろされて行くと、歯車付き杆8が継手板1のガイド溝16に沿って案内されるとともに、コンクリート管2bも管路方向に移動してコンクリート管2a,2bどうしの端面が突き合わされて位置決めされ、歯車付き杆8の歯車9がラック6に噛み合う。
次いで、大型のスパナの口に歯車付き杆8の六角形のヘッド10を合わせて回転させる。ヘッド10の回転により歯車9が継手板1のラック6上を回転し、継手板1は一方のコンクリート管2aに固定されているので、歯車付き杆8がセットされているコンクリート管2bが一方のコンクリート管2aに引き寄せられる。この引き寄せにより、一方のコンクリート管2aの係合凸条13が他方のコンクリート管2bの係合溝14に係合し、さらに押し込まれて管路方向に移動してシール材15が圧縮されてシールされる。
コンクリート管2a,2bどうしの管路方向への引き寄せが完了すると、歯車付き杆8がセットされたコンクリート管2bのネジ孔5に継手板1のボルト用孔4を通したボルト3を螺合させて継手板1を締め付けてコンクリート管2bに固定することにより、接続作業が完了する。
本実施例の継手板1により、継手板1のガイド溝16によりコンクリート管2a,2bの位置合わせが容易になる。また、実施例1と同様に、接合するコンクリート管2a,2bを引き寄せて継手板1を固定することにより、コンクリート管2どうしは強固に接続されので、土圧力の作用、地盤沈下や地震時の作用に対してコンクリート管2a,2bがずれるのを防止でき、また、シール材15の圧着状態を維持できるので、接続部を確実にシールすることができる。
(a)は本発明の継手構造における継手板を示す正面図、(b)は歯車付き杆の側面図である。 コンクリート管の突き合わせ面の断面図である。 図1に示す継手板によるコンクリート管の接続施工の説明図である。 本発明の継手構造における継手板の別実施例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図4に示す継手板によるコンクリート管の接続施工の説明図である。
符号の説明
1:継手板、2a,2b:コンクリート管、3:ボルト、4:ボルト用孔、5:ネジ孔、6:ラック、7:矩形の開口、8:歯車付き杆、9:歯車、10:ヘッド、11:杆、12:貫通孔、13:係合凸条、14:係合溝、15:シール材、16:ガイド溝

Claims (3)

  1. 対向する部材の端面を突き合わせて接続するための突き合わせ接続用継手構造であって、
    前記継手構造の継手板には、接続する部材のそれぞれの端部に設けられたネジ孔に螺合させて継手板を固定するボルトを通すためのボルト用孔が形成されるとともに、一方の部材のネジ孔に軸回りに回転自在に差し込まれた歯車付き杆の歯車に噛み合い、且つ他方の部材にボルトで固定された継手板の一方の部材に位置する領域に歯車の回転により部材を引き寄せるためのラックが形成されていることを特徴とする突き合わせ接続用継手構造。
  2. ラックの上方に、一方の部材のネジ孔に軸回りに回転自在に差し込まれた歯車付き杆の歯車をラックに噛み合わせるとともに、一方の部材を他方の部材の端面に向かって移動させるようにガイドするガイド溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載の突き合わせ接続用継手構造。
  3. 継手板で接続する部材が、その一端面の周囲に係合凸条が形成され、他端面の周囲に接続する部材の係合凸条を係合する係合溝が形成され、係合溝内に部材の係合凸条により圧着されるシール材が配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の突き合わせ接続用継手構造。
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