JP2005147138A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 インジェクタ9と;インジェクタ9を駆動するピエゾ素子38と;インジェクタ9に燃料を圧送する高圧燃料ポンプ10と;高圧燃料ポンプ10を駆動する磁歪素子と;磁歪素子を駆動するコイル30と;を備える燃料噴射制御装置において、コイル30が、ピエゾ素子38を駆動する昇圧回路50の昇圧コイルを兼ねることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
また、燃焼効率の向上のために噴射制御量を微妙に制御する必要から、燃料噴射弁を開閉するためにピエゾ素子などの圧電素子や磁歪素子などが用いられる場合がある(例えば、下記の特許文献2参照)。
近年、燃焼効率を向上させるために直接的にエンジンに燃料を噴射するいわゆる直噴型のエンジンが採用されてきているが、この種のエンジンでは高圧に圧縮された燃料を気筒の頭部に設けられた燃料噴射装置に送り直接気筒内へ燃料を噴射する構造であるため、高圧燃料ポンプ、高圧配管および応答性の良い燃料噴射弁とこれを駆動する昇圧回路が必須の構成となっている。
本発明においては、磁歪素子駆動用コイルが、圧電素子またはソレノイドを駆動する駆動回路の昇圧コイルを兼ねることにより、応答性の良い燃料噴射を実現できるとともに、部品点数を削減してコストダウンを図ることが可能となる。
本発明においては、燃料ポンプから燃料噴射弁への距離が短縮され、燃料の圧送距離を短縮することが可能となり、燃料タンクから燃料を圧送するための高圧ポンプ、高圧配管等の構成部品に安価な低圧用のものを使用することが可能になる。
本発明においては、磁歪素子をドライバユニットに接続するための外部配線、および圧電素子またはソレノイドをドライバユニットに接続するための外部配線を省略することが可能になり、磁歪素子周囲の空間を有効利用することが可能となる。
本発明においては、燃料ポンプ、燃料噴射弁およびドライバユニットの各々の距離が短くなり、各機器を接続する配線や高圧配管を短縮することが可能になるので、さらなるコストダウンを図ることができる。
本発明においては、燃料ポンプから燃料噴射弁に供給される燃料の圧力損失をできる限り抑えることが可能となる。
図1は、この発明におけるシステム構成を示している。1は12Vバッテリを示し、このバッテリ(BATT)1に電源供給線2,2を介して制御ユニット3とドライバユニット4(ドライバユニット)とが接続されている。ここで、一方の電源供給線2はイグニッションスイッチ(IG)5を有し、イグニッションスイッチ5の下流側で分岐してドライバユニット4に接続されている。
制御ユニット3とドライバユニット4とは、制御ユニット3からドライバユニット4に噴射信号を送る信号線13と、ドライバユニット4から制御ユニット3にフェールセーフ信号を送る信号線14とで接続されている。
燃料噴射ユニットUとドライバユニット4とは、駆動信号を送受信する高電圧信号線16と磁歪駆動信号を送受信する信号線17で接続されている。具体的には、高電圧信号線16は前記インジェクタ9側に接続され、信号線17は前記高圧燃料ポンプ10側に接続されている。
図2に示すように、燃料噴射ユニットUのケーシングC内にはインジェクタ9の収容部9aと高圧燃料ポンプ10の収容部10aが形成され、これら収容部10aと収容部9aとが高圧流路18によって接続されている。前記高圧燃料ポンプ10の収容部10aには前述した低圧配管8の接続ポート19が設けられ、この接続ポート19に併設してフィルタ59が設けられた前記高圧流路18の出口側ポート20が配置されている。高圧燃料ポンプの収容部10aの下半部には前述した低圧配管8の接続ポート19と高圧流路18の出口側ポート20に対応した位置にバルブブロック21が配置されている。このバルブブロック21内には前述した低圧配管8の接続ポート19に対応した位置に吸引弁22が設けられ、前述した高圧流路18の出口側ポート20に対応した位置には加圧弁23が設けられている。
高圧燃料ポンプ10の収容部10aの上半部にはバルブブロック21に密接配置されたピストン24が設けられている。このピストン24は、前述したバルブブロック21との間にピストン戻しスプリング25を介して常時互いに離反する方向に付勢されるものであって、ポンプ加圧室26は容積が極めて小さいものであるが、この部位に燃料が充填されるようになっている。尚、図示都合上バルブブロック21とピストン24のハッチングは省略している。
前記収容部9aの上部側壁には樹脂モールドによってカプラ40が突設されている。このカプラ40は前記ピエゾ素子38に接続されており、前記電圧信号線16(図1参照)が接続されるものである。前記ピエゾ素子はこの電圧信号線16を介して前述のドライバユニット4に接続されている。
尚、ピエゾ素子38は前述した磁歪素子27と同様、セット加重を調整するナット28を備えたボルト29を介して位置調整可能に押圧されている。ここで、弁本体35を配設されたケーシングCの先端は、下側に延出して形成され、この先端部分が前述した燃焼室内11に臨むように配設されている。
図3に示すように、ドライバユニット4は、この制御を行う制御コンピュータ(ECU)41を有している。この制御コンピュータ41は通信インターフェース回路(IF)42を介して、または、直接的に前記制御ユニット3に接続されている。具体的には、前記制御コンピュータ41は前記通信インターフェース回路42を介して制御ユニット3に状態監視信号を出力し、前記制御ユニット3は前記通信インターフェース回路42を介して制御コンピュータ41に噴射時期信号、噴射時間信号および状態監視信号等を出力する。
さらに、前記制御ユニット3は直接的に前記制御コンピュータ41にインジェクション噴射信号を出力している。
尚、前記トランジスタ450のベースとアース間には保護用としての抵抗470が接続されている。
この高圧用コンデンサ51のダイオード52側は、昇圧した電圧をモニタするためのモニタ回路53と高電圧信号線16を介して前記ピエゾ素子38に接続されている。このモニタ回路53は前記制御コンピュータ41に接続されており、前記昇圧回路50で発生した高電圧を分圧し、低電圧の昇圧電圧モニタ信号として前記制御コンピュータ41に出力するものである。
尚、前記コイル駆動回路44と同様に前記ピエゾ駆動回路43のトランジスタ451のベースとアース間には保護用抵抗471が接続されている。
尚、前記制御コンピュータ41には基準電位としてのアース(GND)が接続されている。
図4は縦軸を流量Q、横軸を圧力Pとし、ポンプを駆動する駆動周波数、デューティ比およびコイルピーク電流を一定とした場合の高圧燃料ポンプの特性を実線で示している。図中破線は実施の形態におけるポンプの作動点を示したものである。
ここで、このポンプの作動点AをB方向に引き上げるためには、ポンプの駆動周波数と磁歪素子のコイル通電電流(N・I)により前記コイル30の磁界を強くすれば良い。すなわち、前記ポンプの駆動周波数を上げると流量Qが上昇し、コイル通電電流を大きくすると圧力Pと流量Qとが同時に上昇する関係にあるため、エンジン特性から要求されるポンプ作動点での流量Qと、後述する昇圧回路50の昇圧特性からバランスの取れた駆動周波数、デューティ比およびコイル通電電流が求められ、前記ドライバユニット4にて演算処理させることで、前記磁歪素子27と前記ピエゾ素子38とを駆動させることが可能となる。
図5は縦軸を電圧と電流、横軸を時間Tとし、図4と同様に駆動周波数、デューティ比およびコイルピーク電流を一定にした場合の各箇所の電圧、電流を示したものである。
ここで、前記高圧燃料ポンプを駆動する際、前記コイル駆動回路44をオン、オフさせると、前記コイル30に流れるコイル電流(図中実線で示す。)がオン、オフされる。そして、このコイル30のコイル電流がオフされるときに、前記コイル駆動回路44のトランジスタ450のコレクタとアース間にはコレクタ電圧(図中一点鎖線で示す)として昇圧エネルギーb(L・I2)が生じる。この昇圧エネルギーbは通常エネルギー損失として扱われているため、この昇圧エネルギーbを前記昇圧回路50のコンデンサ51にチャージし、前記ピエゾ素子38を駆動するエネルギー(C・V2、図中太い破線のコンデンサ電圧で示す)として利用しているのである。
尚、前記Lはコイル30のインダクタンス、Iはコイル30の通電電流、Cはコンデンサ51のキャパシタンス、Vは前記コンデンサ51に発生する昇圧電圧を示している。
図6に示すように、前記燃料噴射ユニットUは各気筒のシリンダヘッド12毎に設けられ、これらの燃料噴射ユニットUのインジェクタ9と高圧燃料ポンプ10は信号線を介してドライバユニット4に接続されている。
そして、前記低圧配管8は各燃料噴射ユニットUの高圧燃料ポンプ10に分岐して接続されている。そして、前述したようにこの高圧燃料ポンプ10に隣接するインジェクタ9の延出部分が各燃焼室内11に臨むように配置されている。
尚、図示都合上、図6におけるドライバユニット4は、一つのケース内に各燃料噴射ユニットUに対応するドライバユニット4の4回路分が収容されているものとして表している。
制御ユニット3からドライバユニット4に対して燃料噴射のためのインジェクション噴射信号が送られると、制御コンピュータ41からトランジスタ450のベース(コイル駆動回路44)にポンプ用磁歪素子駆動信号が入力され、バッテリ1からコイル30にポンプ用磁歪素子駆動信号に対応した電流が流れる。このとき、前記コイル30に発生した磁界により磁歪素子27が変位する。
燃料噴射ユニットUの高圧燃料ポンプ10では、前記磁歪素子27によってピストン24が上方から押圧されるため、ポンプ加圧室26に吸引されていた燃料が加圧される。そして、所定以上の圧力がポンプ加圧室26に印加されると、加圧弁23の弁が開いて高圧流路18に高圧の燃料が押し出される。この高圧の燃料が高圧流路18を介してインジェクタ9の弁本体35の近傍に圧送される。
前記燃料噴射ユニットUのインジェクタ9では、前記ピエゾ素子38の変位によりピエゾ素子38によってピストン37が上方から押圧される。そして、前記ピストン37に連動して前記弁本体35が開き前述した高圧燃料ポンプ10から圧送された燃料がエンジンEの燃焼室内11に供給されることとなる。
また、インジェクタ9と高圧燃料ポンプが同一ケーシングC内に収容されているため、高圧燃料ポンプ10から送られた燃料の圧力損失をできる限り抑えて弁本体35に供給することが可能となる。
さらに、燃料タンク6からの配管が低圧のものでよく(低圧配管8)高圧流路18により高圧配管を廃止できるのでコストダウンを図ることができる。
したがって、エンジンEの燃焼室内11に供給される前記燃料の圧力をエンジンEの燃焼室内11の圧力に対応して高圧に維持したまま噴射することが可能となるので、応答性の上で有利な直噴型エンジンに用いた場合に好適である。
尚、図7において、ソレノイド式インジェクタ以外の構成および作用は前述の第一の実施の形態と同様であるので同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、インジェクタ9の収容部9a内には、前述した高圧流路18の吐出端が開口する部位に、ニードル70(開閉弁)が設けられている。ニードル70は、スプリング60を介してスライド自在に設けられている。スプリング60の上部は、円筒状の固定コア61と、この内側に上方から圧入されたインナーカラー62によって形成された凹部63に嵌合されている。このインナーカラー62は前述したセット加重を調整するナット28と同様に、前記スプリング60の上面を押圧するものである。
したがって、前記凹部65へのスプリング60の押圧力はニードル70を下方に付勢する力として作用することとなる。
尚、前記バルブボディ66と、この上部に設けられた非磁性材のパイプ67と前記固定コア61とは溶接によって一体化されている。
ここで、前記噴出孔72は前記ニードル70の下端部の形状に対応したものである。
具体的には、前記ドライバユニット4からの高電圧が前記コイル68に印加され、前記可動コア64がコイル68の発生する磁気力によって、前記バルブボディ66に沿って上方にスライドし噴出孔72が開放される。そして、前記高圧燃料ポンプ10から圧送された燃料が開放された噴出孔72から燃焼室内11に供給されることとなる。
また、インジェクタ9と高圧燃料ポンプが同一ケーシングC内に収容されているため、高圧燃料ポンプ10から送られた燃料の圧力損失をできる限り抑えて噴出孔72に供給することが可能となる。
さらに、燃料タンク6からの配管が低圧のもの(低圧配管8)でよく高圧流路18により高圧配管を廃止できるのでコストダウンを図ることができる。
したがって、エンジンEの燃焼室内11に供給される前記燃料の圧力をエンジンEの燃焼室内11の圧力に対応して高圧に維持したまま噴射することが可能となるので、応答性の上で有利な直噴型エンジンに用いた場合に好適である。
前述した実施の形態では、構成要素としてドライバユニット4を示しているのみで、具体的な配置、位置については説明していないが、この実施の形態は、ドライバユニット4(図示都合上ハッチングで示す)を、磁歪素子27を取り囲むように配置したものである。
そして、図2の説明で述べたコイル通電用引き出しハーネス39とカプラ40に代えて、前記ドライバユニット4には前記ドライバユニット4と制御ユニット3を接続するためのハーネス58が設けられている。
尚、他の構成および作用については前述の実施の形態と同様であるので同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
前述した第一から第三の実施の形態では磁歪素子を用いた高圧ポンプまたはドライバユニット4がインジェクタ9と一体に形成されていたが、この第四の実施の形態では、前記高圧燃料ポンプ10がインジェクタ9の近傍に設けられている。
前記高圧燃料ポンプ10には低圧ポンプ7を介して前述した燃料タンク6に設けられた低圧ポンプ7が接続されている。そして、前記高圧燃料ポンプ10から高圧配管73を介して前記各インジェクタ9が接続されている。
尚、他の構成および作用については前述の第一から第三の実施の形態と同様であるので同一部分に同一符号を付して説明は省略する。
また、直列四気筒エンジンに適用した場合について説明したが、これに限られるものではなく様々なレイアウトおよび気筒数のエンジンに対して適用することができる。
9 インジェクタ(燃料噴射弁)
10 高圧燃料ポンプ(燃料ポンプ)
18 高圧流路
27 磁歪素子
30 コイル(磁歪素子駆動用コイル)
35 弁本体(開閉弁)
38 ピエゾ素子(圧電素子)
44 コイル駆動回路(駆動回路)
50 昇圧回路(駆動回路)
68 コイル(ソレノイド)
70 ニードル(開閉弁)
Claims (5)
- 燃料噴射弁と;
前記燃料噴射弁を駆動する圧電素子またはソレノイドと;
前記燃料噴射弁に燃料を圧送する燃料ポンプと;
前記燃料ポンプを駆動する磁歪素子と;
前記磁歪素子を駆動する磁歪素子駆動用コイルと;を備え、
前記磁歪素子駆動用コイルが、前記圧電素子または前記ソレノイドを駆動する駆動回路の昇圧コイルを兼ねることを特徴とする燃料噴射制御装置。 - 前記燃料噴射弁と前記燃料ポンプとが一体化されていることを特徴する請求項1記載の燃料噴射制御装置。
- 前記磁歪素子を駆動する駆動回路と、前記圧電素子または前記ソレノイドを駆動する駆動回路とが、ドライバユニットに設けられ、
前記ドライバユニットが、前記燃料噴射弁および前記燃料ポンプと一体化されていることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射制御装置。 - 前記磁歪素子を駆動する駆動回路と前記圧電素子または前記ソレノイドを駆動する駆動回路とがドライバユニットに設けられ、
前記ドライバユニットと前記燃料ポンプと前記燃料噴射弁とが、隣接して配置されていることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射制御装置。 - 前記燃料噴射弁の開閉弁近傍に、前記燃料ポンプから前記燃料噴射弁に燃料を供給する高圧流路が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の燃料噴射制御装置。
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CN105386912A (zh) * | 2015-10-12 | 2016-03-09 | 中国第一汽车股份有限公司无锡油泵油嘴研究所 | 能在线调节的压电式喷油器驱动装置 |
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