JP2005146920A - 耐熱部材の拡散ろう付補修方法 - Google Patents

耐熱部材の拡散ろう付補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】亀裂部内部の酸化物を除去しない状態、あるいは一部残存した状態であっても、母材と補修材との密着性を良好にする。
【解決手段】亀裂部2の内部に酸化物3が存在する状態で、亀裂部2の上部にニッケル基合金のろう材あるいはガスタービン部品の基材と近似した成分または組成のものにB、Siなどの融点降下元素を添加したろう材からなる補修材4を載置し、真空中で補修材の溶融温度よりも若干高い温度で基材1および補修材4を加熱することにより補修材を溶融させて、亀裂部2内の酸化物3を補修面から分離させ、補修材4が亀裂部2内部に充満して基材1と金属的に接合したのち、冷却する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガスタービン部品等の耐熱部材の亀裂箇所をろう材によって補修する耐熱部材の拡散ろう付補修方法に関する。
ガスタービンは効率上、1000℃を超える高い温度領域で運転されることから動翼や静翼等の部品には高い引張応力、曲げ応力が繰り返し作用し、運転時間の経過とともに高サイクル熱疲労により亀裂が発生する。亀裂の入った動翼や静翼等を新部品に交換すれば技術的な問題は特に発生しないが、ガスタービン部品は一般に高価であり、製造にも期間を要するため、通常、亀裂の生じた部分を補修して再利用している。
従来、補修部分を基材の特性に近づけるために亀裂部内に母材同等粉末のみを充填し、表面部分から低融点粉末を流し込むことで、補修部をより母材の特性に近づけるようにして補修を実施していた(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
特許文献1には、表面の異物を亀裂部回りの翼表面から除く技術に関しては開示されているが、亀裂内部の異物除去方法に関しては記載されていない。しかも、酸化物除去の省略、あるいはこれに替わる特別な方法の実施に関しても記載されていない。このため、特許文献1の記載では通常の酸化物除去を実施するものと解釈される。
なお、特許文献2に記載の亀裂部内を酸洗処理することにより酸化スケールを除去し、その後HF洗浄工程でNi基耐熱材の酸化膜を除去することが記載されている。
特開2001−115857号公報(第2−4頁、図1−6) 特開2002−144079号公報(第6頁、図8、9)
上記特許文献1の請求項3には、「物品が、Fe、NiおよびCoからなる群から選択される少なくとも1種の元素を主材とする高温超合金製」と記載されている。これらの元素のうちFe、Co基の場合は、熱処理によりある程度酸化物の除去は可能ではあるが、亀裂部の内部は外表面と比較して一般に酸化物の残留が多いため、補修時にこの酸化物を完全に除去しておかないと、亀裂部の内部ほど母材と補修材との密着面積が減少することになる。
また、Ni基の場合は、通常の熱処理では酸化物が分解しないため除去は困難である。酸化物を除去するためには、弗化物など特殊な物質を使用する必要があり、設備、環境負荷、処理費用の観点からデメリットが大きい。
さらに、特許文献2に記載の発明では、酸化物除去工程は大掛かりとなり、設備、環境負荷、処理費用、補修時間が掛り過ぎるという欠点がある。
本発明は以上述べた従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、亀裂部内部の酸化物を除去しない状態、あるいは一部残存した状態であっても、母材と補修材との密着性を良好にすることができ、しかも設備等が大掛かりにならないガスタービン部品の拡散ろう付補修方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係るガスタービン部品の拡散ろう付補修方法の発明は、ガスタービン部品に発生した亀裂部をろう材によって補修する補修方法において、亀裂部の内部に酸化物が存在する状態で、当該亀裂部の上部にニッケル基のろう材あるいはガスタービン部品の基材と近似した成分または組成のものにB、Siなどの融点降下元素を添加したろう材からなる補修材を載置し、真空中で補修材の溶融温度よりも高い温度で基材および補修材を加熱することにより補修材を溶融させるとともに、予め定められた時間その温度に保持し、亀裂部内の酸化物を補修面から分離させ、補修材が亀裂部内部に充満して基材と金属的に接合したのち、冷却することを特徴とする。
また、請求項2に係るガスタービン部品の拡散ろう付補修方法の発明は、ガスタービン部品に発生した亀裂部をろう材によって補修する補修方法において、亀裂部の内部に酸化物が存在する状態で、当該亀裂部の上部にニッケル基のろう材あるいはガスタービン部品の基材と近似した成分または組成のものにB、Siなどの融点降下元素を添加したろう材からなる補修材を載置し、熱間等方圧加工法を用いて補修材の溶融温度よりも高い温度で基材および補修材を加熱することにより補修材を溶融させるとともに、予め定められた時間その温度に保持し、亀裂部内の酸化物を補修面から分離させ、補修材が亀裂部内部に充満して基材と金属的に接合したのち、冷却することを特徴とする。
本発明によれば、補修材としてはニッケル基のろう材、あるいは基材と近似した成分または組成のものにB、Siなどの融点降下元素を添加したろう材を用い、これを亀裂部上に載置し、真空炉内で加熱処理をしたので、基材から事前に酸化物を除去しなくても、補修材が酸化物に密着し、補修材が酸化物の隙間に侵入し、酸化物が基材から分離・浮上し、補修材と基材とが金属的に接合して亀裂部分を拡散ろう付補修することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、各図を通して共通する部分には同一符号を付けて説明する。
図1は本発明の実施例1による拡散ろう付補修の過程を示す図である。また、図2は実施例1の拡散ろう付補修の流れを示すフロー図である。
以下、図1と図2とを併せて説明する。文中ST1〜STnなる符号は図2のプロセス中の符号である。図1(a)は、ガスタービンの運転によりガスタービン基材1の表面から内部に向けて例えば断面がV字状の亀裂部2が発生し、基材1の表面および亀裂部2の表面に酸化物3が生成されている状態を示している。そしてこの亀裂部2を補修するために、亀裂部2の上部に補修材4を載置する(ST1−1)。
この補修材4としてはニッケル基のろう材、あるいは基材1と近似した成分・組成のものにB、Siなどの融点降下元素を添加したろう材を用い、特に断面積の大きい亀裂部に対しては基材1と同等の粉末と前出のろう材粉末とを混合したものを用いる。補修材の形態としては、粉末をペースト状にしたもの、シート状にしたもの、あるいは粉末状のものがある。
なお、この補修材4が補修部近傍から他の部分に広がらないように予め亀裂部2を囲むように基材1の表面に環状のガイド5を載置する。さらに、補修材4を亀裂部2に押し込むために、荷重6を補修材4の上に載せた状態でガイド5に嵌合させる。この場合、溶融した補修材4がガイド5および荷重6に付着しないように、ガイド5および荷重6は、アルミナなどのセラミックス製とするか、あるいは溶射などにより表面にセラミックスをコーティングした金属製のものを用いる。
これらを真空炉内に挿入し(ST1−2)、ろう材が溶融する温度以上に加熱する(ST1−3)。加熱温度は補修材の溶融温度よりも50℃程度高い温度、あるいは基材1の溶体化熱処理温度などが適当である。加熱途中では、図1(b)で示すように、荷重6に作用する外力Fによって補修材4が亀裂部2の内部に押し込まれていく。このとき基材1の熱膨張などにより酸化物3に隙間7が発生する。さらに温度が上昇して補修材4が溶融(ST1−4)すると、隙間7に補修材4が侵入し基材1に拡散し、密着する(ST1−5)。
酸化物3が図1(b)で示した状態から次第に分断され、補修材4の侵入と拡散が増すと、酸化物3は基材1から分離(ST1−6)し、補修材4中を浮上する。このときの加熱温度を予め定められた時間保持すると、図1(C)のように、亀裂部2内部の酸化物3の多くが基材1から分離し、亀裂部2内部に補修材4が充満し、補修材4と基材1とが金属的に接合する。この加熱保持の後冷却し(ST1−7)、炉から取り出し(ST1−8)、亀裂部2の補修を完了する。
以上述べたように、本実施例によれば補修材4としてはニッケル基のろう材、あるいは基材1と近似した成分・組成のものにB、Siなどの融点降下元素を添加したろう材を用い、これを亀裂部上に載置し、真空炉内で加熱処理をしたので、基材1から事前に酸化物3を除去しなくても、補修材4が酸化物に密着して酸化物の隙間に侵入する。この結果、酸化物3が基材1から分離・浮上するので、補修材4と基材1とが金属的に接合して亀裂部分を拡散ろう付補修することができる。
このため、酸化物除去工程を省略することができ、補修作業のコストダウンと補修時間の短縮を図ることができる。
また、本実施例によれば、亀裂部内部まで補修材を充填し接合することができるので、接合面積が増加し、補修部の強度を向上させることができる。
図3は本発明の実施例2による拡散ろう付補修方法の構成図である。
本実施例は、拡散ろう付け補修をする前に基材を真空中で加熱処理して酸化物を除去するようにしたものである。
基材1に亀裂部2が発生し、その表面に酸化物3が生成した場合、基材1を真空中で加熱し、その加熱状態を保持することにより、酸化物3を分解し除去することができる。ただし、酸化物3は基材1がコバルト基合金の場合真空中で加熱することにより分解しやすいが、ニッケル基合金の場合は真空中で加熱してもほとんど分解、除去されない。コバルト基合金の場合は、水素ガス雰囲気中で加熱・保持しても同様の効果が得られるが、ニッケル基合金の場合はほとんど分解、除去されない。真空中あるいは水素ガス雰囲気中のどちらも、外表面の酸化物は除去されやすいが、亀裂部内部は除去されにくい。
図3は基材1を真空中あるいは水素ガス雰囲気中で加熱することにより、表面の酸化物3が除去されて亀裂部2内に一部残留した状態を示している。このような前処理を行った後、実施例1と同様に、亀裂部2の上に補修材4、ガイド5、荷重6を載置し、真空炉中で加熱・保持することにより亀裂部の拡散ろう付け補修を行う。
本実施例によれば、拡散ろう付け補修を行う前に酸化物の一部を除去したので、補修材の溶融初期段階から補修材の基材への密着部分を多くすることができ、この結果、残留酸化物を基材から容易に分離、浮上させることができる。また、事前の酸化物除去が不完全な状態で良いので、事前の酸化物除去工程を短時間で行うことができる。
図4は本発明の実施例3による拡散ろう付補修方法の構成図である。
本実施例が実施例1と異なるのは、補修部の周囲をガイド5で囲み、荷重6で補修材4を亀裂部2に押し込む替わりに、熱間等方加圧法(HIP)により補修材を亀裂部内に押し込むように処理した点である。
本実施例はこのため、亀裂部2の上部に補修材4を配置した後、この補修材4に皿状のシール材8を被せ、さらにこのシール材8の外周縁9を真空中で基材1に電子ビーム溶接するようにしたものであり、その他の基材1、補修材4の構成および亀裂部2、酸化物3の状態は実施例1との場合と同様である。
シール材8で覆われた基材1の亀裂部2、酸化物3および補修材4は、電子ビーム溶接されるとき真空状態になっている。図4で示す被処理物をアルゴンガス雰囲気のHIP炉に搬入し、熱間等方加圧する。すると基材1およびシール材8には全方向から等しい圧力が加わるため、シール材8は押されて内部の空間部が無くなるまで凹むことにより、補修材4が亀裂部2に内部に充填され、酸化物3に密着する。
この状態を高温保持することにより、実施例1と同様に酸化物3の隙間にろう材が侵入し、酸化物3が分離し、浮上することにより補修材4と基材1とが金属的に接合する。HIP処理の条件としては、加圧力100MPaで、温度は前出と同様に、補修材の溶融温度よりも50℃程度高めの温度、あるいは基材1の溶体化熱処理温度などが適当である。
本実施例によれば、亀裂部の上に補修材を載置した後シール材で覆い、これをHIP炉に搬入して熱間等方加圧処理するようにしたので、補修材は確実に亀裂部内部に侵入し密着する。この結果、亀裂部が枝分かれしたり曲がったりした複雑な形状であっても、あるいは幅に比べて深さの深い亀裂部であっても確実に補修することができる。
また、HIP処理は挿入した被処理物のあらゆる方向からかかるので、基材の色々な部分に異なった方向に発生した亀裂部を同時に補修することができる。
図5は本発明の実施例4による拡散ろう付補修の過程を示す図である。
本実施例は、実施例1あるいは実施例3による拡散ろう付け補修の前処理として、亀裂部の近傍および内部の酸化物3をブラスト装置により機械的に除去するようにしたものである。なお、図5中、基材1、亀裂部2、酸化物3は前出の実施例の場合と同様である。
図5(a)において、亀裂部2の表面近傍に対向してブラスト装置のノズル10を設置し、このノズル10から補修材4の粉末を噴射させる。この結果、図5(b)のように亀裂部2内部の酸化物3をある程度まで機械的に除去することができる。ここである程度というのは、亀裂部2は狭隘で深さもあるため、内部の酸化物3は完全に除去することは困難であり、若干残るという意味である。
その後、前出の実施例1同様に荷重6によるか、あるいは実施例3同様にHIP処理により拡散ろう付け補修を実施する。図5(c)は補修完了後の状態を示す。
なお、補修材4の粉末をブラストにより亀裂部3内部に充填したまま、前出の実施例と同様の補修を実施するようにしてもよい。また、ブラストは始めにブラスト効果の大きいブラスト専用の材料を用いても良いし、最初から補修材粉末を用いても良い。また、亀裂部内部に補修材を充填する方法としては、ブラストの高速噴射による方法、あるいはペーストを塗布する方法のいずれでも良い。
本実施例によれば、酸化物除去を行う方法として、大気中でしかも室温で実施することが可能なブラストを用いるようにしたので、真空炉や水素炉などによる除去方法と比較して簡便に実施できる。また、ブラスト材に補修材を用いれば、補修材以外の材料が補修部に混入することを防止でき、補修部の品質を向上させることができる。また、ブラスト材に補修材を用いると、高速噴射により亀裂部内部まで補修材を充填できるので、亀裂部内部まで酸化物の分離および浮上を促進することができる。
図6は本発明の実施例5による拡散ろう付補修方法の構成図である。
本実施例は亀裂部2の開口部から内部に第2の補修材11を充填し、さらにこの上に前述した補修材4を配置し、以後前出の実施例1、3と同様にして亀裂部2の補修を行うようにしたものである。
なお、第2の補修材11は、補修材4の構成材の一つであるろう材よりも、さらに融点降下元素の含有量を増したろう材を構成材とするものである。第2の補修材11としては、この他に補修材4の中の基材と同等の粉末を除き、ろう材のみとしたもの、あるいは、このろう材に含まれない融点降下元素を含有するろう材を用いても良い。補修材4のろう材の融点降下元素がSiで、第2の補修材11の融点降下元素がBのような例がこれに該当する。
本実施例によれば、酸化物の残留が多く、また補修材の侵入、密着が外表面よりも劣る亀裂部近傍に、流動性に優れるろう材のみ、あるいは基材との拡散・母材の溶融能の高い成分および組成のろう材を配置しているので、亀裂部内部においても酸化物が分離して浮上しやすくなり、亀裂部内部での補修材と基材との金属的な接合が確実になる。
図7は本発明の実施例6による拡散ろう付補修方法の構成図である。
本実施例は、既に説明した実施例2あるいは4と同様に、拡散ろう付け補修を行う前に、基材1表面および亀裂部2の入口部分を予め機械的にこすって酸化物を除去するようにしたものである。
図7は基材1表面および亀裂部2の入口部分を機械的にこすって酸化物を除去した状態を示す。
本実施例の場合、酸化物3は亀裂部2内部に残留しているものの、表面および亀裂部2入口部分12にはほとんど残留しない。このため補修材は、基材1表面および亀裂部入口12部分に密着しやすく、この部分に滞留しやすいので、亀裂部内部への補修材4の供給が容易になり、亀裂部内部の補修材4と基材1との密着接合が良好になる。
図8は本実施例による拡散ろう付け補修前に行う亀裂部内部の酸化状態を測定する模式図である。
本実施例は、酸化物除去を行う前の亀裂部内部の酸化状態を定量的に測定することにより、補修工程に進むか否かの判定を行うようにしたものである。また、図9は本実施例のフロー図である。
図8(a)および図9において、入射装置13から亀裂部2に向けて入射光14を入射させ(ST9−1)、亀裂部2からの反射光16を受光する位置に受光装置15を設置して反射光量を測定する(ST9−2)。
この受光量が予め設定した範囲内であるか否かを判定し(ST9−3)、設定範囲内(YES)であれば前出の実施例と同様の補修を実施する(ST9−4)。しかし反射光量が設定範囲より少ない場合(NO)は、図8(b)のように、ブラストによる酸化物除去処理を行い(ST9−5)、再び亀裂部2内部の酸化状態を測定する。この操作を反射光量が設定範囲内になるまで、繰り返し行う。
本実施例の場合、前記設定範囲は、基材と補修材の種類、補修の加熱および加圧条件さらに亀裂部の形状および大きさなどにより異なるが、例えば、亀裂幅に対する入射光量の20%以上とすることができる。入射光を亀裂幅と同等とするために、スリットを通過させたり、レーザ光のような細く絞った光を用いたりすると良い。
また、入射装置、受光装置を対にして亀裂部分を走査させ、亀裂部周辺の反射光量を測定し、その平均値、最大・最小値、あるいは偏差値など統計処理した値を用いて補修実施の判定をしても良い。またさらに、入射装置と受光装置の相対的な位置を変化させた場合の反射光量の測定を実施しても良い。
以上述べたように本実施例によれば、酸化物除去を行う前の亀裂部内部の酸化状態、および酸化物除去を漸次実施した場合の亀裂部内部の酸化状態を光量に置き換えて定量的に測定し、この測定値により補修工程に進むか否かの判定を実施できるので、亀裂部内部の酸化状態の判定を自動化することが可能となる。
また、常に一定の判定基準により補修が可能となるので、補修部の品質が安定する。
図10は本実施例による拡散ろう付け補修前に行う亀裂部内部の酸化状態を測定する模式図である。
本実施例も実施例7同様、酸化物除去を行う前の亀裂部内部の酸化状態を定量的に測定することにより、補修工程に進むか否かの判定を行うようにしたものであるが、本実施例は特に貫通亀裂部17の酸化状態を測定する場合に適用するものである。
図10に示すように、入射装置13から貫通亀裂部17に入射光14を入射し、貫通亀裂部17の反対側に設けた受光装置15により透過光18の光量を測定する。この場合の処理フローは図9と同じであるが、反射光量を透過光量に読み替えればよい。
なお、亀裂部が貫通か非貫通か不明の場合は、これら両方の受光装置を併用し、反射光16と透過光18の両方の光量を測定して判定すれば良い。
図11は本実施例による拡散ろう付け補修前の亀裂部内部の酸化状態を測定する模式図である。
本実施例の場合は、電気抵抗を測定して酸化物除去を行う前の亀裂部内部の酸化状態を定量的に測定することにより、補修工程に進むか否かの判定を行うようにしたものである。
図11において、電気抵抗測定器20の一端子を導電端子19として亀裂部2内部に挿入し、他端子21を酸化物除去した基材1の表面(金属面)に接続し、これらの端子間に電流を流して端子19,21間の電気抵抗を測定し、この電気抵抗から亀裂内部の酸化状態を判定する。なお、導電端子19としては、亀裂部2内部に十分入り込むことができるように、例えば細かい金属線から成るブラシ状のものを用いる。
本実施例によれば、判定に電気抵抗を用いるので、金属露出面と酸化物残留面の比率を的確に測定することができ、補修可能かどうかの判定を的確に行うことができる。
本発明の実施例1による拡散ろう付補修方法の構成を示す構成図。 本発明の実施例1による拡散ろう付補修方法の流れを示すフロー図。 本発明の実施例2による拡散ろう付補修方法の構成を示す構成図。 本発明の実施例3による拡散ろう付補修方法の構成を示す構成図。 本発明の実施例4による拡散ろう付補修方法の構成を示す構成図。 本発明の実施例5による拡散ろう付補修方法の構成を示す構成図。 本発明の実施例6による拡散ろう付補修方法の構成を示す構成図。 本発明の実施例7による拡散ろう付け補修前に行う亀裂部内部の酸化状態を測定する模式図。 本発明の実施例7による拡散ろう付補修方法の流れを示すフロー図。 本発明の実施例8による拡散ろう付け補修前に行う亀裂部内部の酸化状態を測定する模式図。 本発明の実施例9による拡散ろう付け補修前に行う亀裂部内部の酸化状態を測定する模式図。
符号の説明
1…基材、2…亀裂部、3…酸化物、4…補修材、5…ガイド、6…荷重、7…隙間、8…シール材、9…溶接部、10…ノズル、11…第2の補修材、12…亀裂部入口部分、13…入射装置、14…入射光、15…受光装置、16…反射光、17…貫通亀裂部、18…透過光、19…導電端子、20…電気抵抗測定器、21…他の端子。

Claims (10)

  1. ガスタービン部品に発生した亀裂部をろう材によって補修する補修方法において、亀裂部の内部に酸化物が存在する状態で、当該亀裂部の上部にニッケル基のろう材あるいはガスタービン部品の基材と近似した成分または組成のものにB、Siなどの融点降下元素を添加したろう材からなる補修材を載置し、真空中で補修材の溶融温度よりも高い温度で基材および補修材を加熱することにより補修材を溶融させるとともに予め定められた時間その温度に保持し、亀裂部内の酸化物を補修面から分離させ、補修材が亀裂部内部に充満して基材と金属的に接合したのち、冷却することを特徴とするガスタービン部品の拡散ろう付補修方法。
  2. ガスタービン部品に発生した亀裂部をろう材によって補修する補修方法において、亀裂部の内部に酸化物が存在する状態で、当該亀裂部の上部にニッケル基のろう材あるいはガスタービン部品の基材と近似した成分または組成のものにB、Siなどの融点降下元素を添加したろう材からなる補修材を載置し、熱間等方圧加工法を用いて補修材の溶融温度よりも高い温度で基材および補修材を加熱することにより補修材を溶融させるとともに予め定められた時間その温度に保持し、亀裂部内の酸化物を補修面から分離させ、補修材が亀裂部内部に充満して基材と金属的に接合したのち、冷却することを特徴とするガスタービン部品の拡散ろう付補修方法。
  3. 前記亀裂部の上部に補修材を載置する前に、ガスタービン部品を真空中あるいは水素ガス雰囲気中で加熱し、亀裂部内の酸化物の一部を除去することを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン部品の拡散ろう付補修方法。
  4. 前記亀裂部の上部に補修材を載置する前に、予め亀裂部内部に補修材料を高速噴射して酸化物の一部を除去することを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン部品の拡散ろう付補修方法。
  5. 前記亀裂部内部への補修材料の高速噴射を1回以上行い、少なくとも最終回の噴射材料を亀裂部内部に残留させた状態にすることを特徴とする請求項4記載のガスタービン部品の拡散ろう付補修方法。
  6. 前記補修部に載置する補修材構成として、酸化物に近接する部分を母材溶融能の高い成分・組成の補修材料とすることを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン部品の拡散ろう付補修方法。
  7. 前記亀裂部の入口部分の酸化物を除去したのち、当該亀裂部の上に補修材を載置し、拡散ろう付補修を行うことを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン部品の拡散ろう付補修方法。
  8. 前記亀裂部の表面から亀裂部内部に光を入射し、亀裂部内部からの反射光を受光し、その受光量を予め定めた設定範囲と比較し、反射光の量が設定範囲から外れている場合、設定範囲に入るまで亀裂内の酸化物の除去および受光量の測定を繰り返し行い、反射光の量が設定範囲内に存在する場合、亀裂部補修を行うことを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン部品の拡散ろう付補修方法。
  9. 前記貫通状態にある亀裂部の片側から亀裂部内部に光を入射し、亀裂部反対側での透過光を受光し、その受光量を予め定めた設定範囲と比較し、透過光の量が設定範囲から外れている場合、設定範囲に入るまで亀裂内の酸化物の除去および受光量の測定を繰り返し行い、透過光の量が設定範囲内に存在する場合、亀裂部補修を行うことを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン部品の拡散ろう付補修方法。
  10. 前記亀裂部内部に導電端子を挿入し、亀裂部外部の金属面との電気抵抗値を測定し、この電気抵抗値が予め設定しておいた設定範囲と比較し、電気抵抗値が設定範囲から外れている場合、設定範囲に入るまで亀裂内の酸化物の除去および受光量の測定を繰り返し行い、電気抵抗値が設定範囲内に存在する場合、亀裂部補修を行うことを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン部品の拡散ろう付補修方法。
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