JP2005146859A - インペラおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 GTLプラントやPTAプラントなどに採用される遠心式圧縮機の大容量化および/または高圧縮比化を図ることのできるインペラおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 複数枚のブレード11a,11bと、これら複数枚のブレード11a,11bの根元部Rに配置される本体12と、前記複数枚のブレード11a,11bの先端部Tに配置されるシュラウド13とを有するインペラ10であって、前記複数枚のブレード11a,11bの根元部Rから先端部Tにかけての板厚が、漸次薄くなるように形成されているとともに、前記本体12と前記ブレード11a,11bの根元部R、および前記シュラウド13と前記ブレード11a,11bの先端部Tがそれぞれ溶接により接合されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 複数枚のブレード11a,11bと、これら複数枚のブレード11a,11bの根元部Rに配置される本体12と、前記複数枚のブレード11a,11bの先端部Tに配置されるシュラウド13とを有するインペラ10であって、前記複数枚のブレード11a,11bの根元部Rから先端部Tにかけての板厚が、漸次薄くなるように形成されているとともに、前記本体12と前記ブレード11a,11bの根元部R、および前記シュラウド13と前記ブレード11a,11bの先端部Tがそれぞれ溶接により接合されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明はインペラ、たとえばGTL(Gas
To Liquid)プラントやPTA(高純度テレフタル酸)プラントなどの(大型)遠心式圧縮機に用いられるインペラおよびその製造方法に関するものである。
To Liquid)プラントやPTA(高純度テレフタル酸)プラントなどの(大型)遠心式圧縮機に用いられるインペラおよびその製造方法に関するものである。
従来、遠心式圧縮機に用いられるインペラとしては、複数枚のブレードと、これら複数枚のブレードの根元部に配置されるブレードハブと、これら複数枚のブレードの先端部に配置される外側シュラウドとを有するものがある(たとえば、特許文献1参照)。
特開平7−102903号公報
さて、昨今の時流として、GTLプラントやPTAプラントなどでは、遠心式圧縮機の大容量化および高圧縮比化の要望が高まってきている。
しかしながら、上述した特許文献1のようなインペラは、一般に、片持ち支持されたカッタで鍛造品材料を削り出すことにより作製される。そのため、作製しようとするインペラの直径が大きくなるにつれて製品のできあがり精度が悪くなるばかりか、製作に要する時間が膨大となり、さらには材料の歩留まりも悪く、遠心式圧縮機の大容量化に限界があった。
しかしながら、上述した特許文献1のようなインペラは、一般に、片持ち支持されたカッタで鍛造品材料を削り出すことにより作製される。そのため、作製しようとするインペラの直径が大きくなるにつれて製品のできあがり精度が悪くなるばかりか、製作に要する時間が膨大となり、さらには材料の歩留まりも悪く、遠心式圧縮機の大容量化に限界があった。
また、上述した特許文献1のようなインペラでは、ブレードハブと外側シュラウドとの周速の差により大きな遠心応力が生じるため、インペラの回転数を上げるのに限界があって、遠心式圧縮機の高圧縮比化に限界があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、GTLプラントやPTAプラントなどに採用される遠心式圧縮機の大容量化および/または高圧縮比化を図ることのできるインペラおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載のインペラは、複数枚のブレードと、これら複数枚のブレードの根元部に配置される本体と、前記複数枚のブレードの先端部に配置されるシュラウドとを有するインペラであって、前記各ブレードは、三次元翼とされるとともに、その根元部から先端部にかけての板厚が漸次薄くなるように形成され、前記本体と前記ブレードの根元部、および前記シュラウドと前記ブレードの先端部がそれぞれ溶接により接合されていることを特徴とする。
このようなインペラによれば、根元部から先端部にかけて板厚が減少するブレードの根元部と本体とが溶接により接合されているとともに、ブレードの先端部とシュラウドとが溶接により接合されている。
すなわち、予め三次元翼に成形(加工)されたブレード、本体、およびシュラウドが溶接により互いに接合されているとともに、ブレードの先端部(すなわち、本体の半径方向外方に位置する部分)の板厚が薄くなるように構成されている。
なお、ブレードの根元部から先端部にかけて板厚が減少する形状に加えて、ブレード前縁と後縁との略中央部から前縁および後縁にかけての板厚がそれぞれ漸次薄くなるように形成して、3平面が削り落とされた形状としても良い。
請求項1に記載のインペラは、複数枚のブレードと、これら複数枚のブレードの根元部に配置される本体と、前記複数枚のブレードの先端部に配置されるシュラウドとを有するインペラであって、前記各ブレードは、三次元翼とされるとともに、その根元部から先端部にかけての板厚が漸次薄くなるように形成され、前記本体と前記ブレードの根元部、および前記シュラウドと前記ブレードの先端部がそれぞれ溶接により接合されていることを特徴とする。
このようなインペラによれば、根元部から先端部にかけて板厚が減少するブレードの根元部と本体とが溶接により接合されているとともに、ブレードの先端部とシュラウドとが溶接により接合されている。
すなわち、予め三次元翼に成形(加工)されたブレード、本体、およびシュラウドが溶接により互いに接合されているとともに、ブレードの先端部(すなわち、本体の半径方向外方に位置する部分)の板厚が薄くなるように構成されている。
なお、ブレードの根元部から先端部にかけて板厚が減少する形状に加えて、ブレード前縁と後縁との略中央部から前縁および後縁にかけての板厚がそれぞれ漸次薄くなるように形成して、3平面が削り落とされた形状としても良い。
請求項2に記載のインペラは、前記複数枚のブレードは、インデューサ部を有するブレードを備え、このインデューサ部を有するブレードは、その前縁が当該インペラの回転軸中心から半径方向に延びる放射線上に位置するように設けられていることを特徴とする。
インデューサ部の前縁が半径方向に伸びているので、遠心力によってシュラウドに慣性力が加わっても、半径方向に伸びたインデューサ部は半径方向に沿った位置を保持しようとする。したがって、シュラウドに遠心力が加わっても、ブレードの周方向の変形は抑制され、これに伴いシュラウドの周方向の変形を抑制できる。
インデューサ部の前縁が半径方向に伸びているので、遠心力によってシュラウドに慣性力が加わっても、半径方向に伸びたインデューサ部は半径方向に沿った位置を保持しようとする。したがって、シュラウドに遠心力が加わっても、ブレードの周方向の変形は抑制され、これに伴いシュラウドの周方向の変形を抑制できる。
請求項3に記載の遠心式圧縮機は、請求項1または2に記載のインペラを具備してなることを特徴とする。
このような遠心式圧縮機によれば、ブレード、本体、およびシュラウドが溶接により互いに接合されるため、インペラ直径の大型化が図られることとなる。
また、ブレードの先端部の板厚を薄くしたり、インデューサ部の前縁を当該インペラの回転軸中心から半径方向に延びる放射線上に位置させることにより、最大応力を低減するとともに、シュラウドの周方向の変形を防止し、インペラの高速回転化が図られることとなる。
このような遠心式圧縮機によれば、ブレード、本体、およびシュラウドが溶接により互いに接合されるため、インペラ直径の大型化が図られることとなる。
また、ブレードの先端部の板厚を薄くしたり、インデューサ部の前縁を当該インペラの回転軸中心から半径方向に延びる放射線上に位置させることにより、最大応力を低減するとともに、シュラウドの周方向の変形を防止し、インペラの高速回転化が図られることとなる。
請求項4に記載のインペラの製造方法は、三次元翼とされるとともに根元部から先端部にかけての板厚が漸次薄くなるように形成された複数枚のブレードと、これら複数枚のブレードの根元部に配置される本体と、前記複数枚のブレードの先端部に配置されるシュラウドとを有するインペラの製造方法であって、前記本体と前記ブレードの根元部、および前記シュラウドと前記ブレードの先端部をそれぞれ溶接により接合することを特徴とする。
このようなインペラの製造方法によれば、予め三次元翼に成形(加工)されたブレードの根元部と本体とが溶接により接合されるとともに、当該ブレードの先端部とシュラウドとが溶接により接合される。
このようなインペラの製造方法によれば、予め三次元翼に成形(加工)されたブレードの根元部と本体とが溶接により接合されるとともに、当該ブレードの先端部とシュラウドとが溶接により接合される。
本発明のインペラおよびその製造方法によれば、以下の効果を奏する。
ブレードとシュラウドとを溶接により接合するとともに、ブレードとブレードハブ(本体)とを溶接により接合してインペラが作製されることとなり、従来のような片持ち支持されたカッタで鍛造品材料を削り出す工法を採用しないで済むので、たとえば、インペラ直径が2.0m以上となるものも精度良く作製することができる。したがって、遠心式圧縮機においては大容量化(大流量化)を実現することができる。
また、ブレード、シュラウド、およびブレードハブが溶接により接合されることとなるので、鍛造品材料を少しずつ削り出していく工法に比べて作業時間を短縮させることができ、生産性の向上を図ることができる。さらに、材料の歩留まり悪化が解消される。
ブレードとシュラウドとを溶接により接合するとともに、ブレードとブレードハブ(本体)とを溶接により接合してインペラが作製されることとなり、従来のような片持ち支持されたカッタで鍛造品材料を削り出す工法を採用しないで済むので、たとえば、インペラ直径が2.0m以上となるものも精度良く作製することができる。したがって、遠心式圧縮機においては大容量化(大流量化)を実現することができる。
また、ブレード、シュラウド、およびブレードハブが溶接により接合されることとなるので、鍛造品材料を少しずつ削り出していく工法に比べて作業時間を短縮させることができ、生産性の向上を図ることができる。さらに、材料の歩留まり悪化が解消される。
さらに、ブレードの根元部から先端部にかけて、ブレードの板厚が漸次小さくなるように形成されているので、ブレードの先端部の重量を減少させて遠心力による低減することができる。これにより、ブレードの根元部とブレードハブとの溶接部(接合部)に加わる曲げ応力を減少させることができる。
一方、ブレードハブの回転軸中心から外方に延びる線上(放射線上)に、ブレードの前縁がブレードハブに対して半径方向に立設されているので、遠心力がシュラウドに作用してもブレードが周方向に変形することを抑制できる。したがって、ブレードの変形に伴いシュラウドが周方向に変形することを抑制できるため、インペラ出口部の流路面積を確保するとともに、ブレード接合部に加わる曲げ応力を低減させることができる。
これにより、インペラの回転速度(回転数)を増加させることができて、遠心式圧縮機においては高圧縮比化を実現することができる。
一方、ブレードハブの回転軸中心から外方に延びる線上(放射線上)に、ブレードの前縁がブレードハブに対して半径方向に立設されているので、遠心力がシュラウドに作用してもブレードが周方向に変形することを抑制できる。したがって、ブレードの変形に伴いシュラウドが周方向に変形することを抑制できるため、インペラ出口部の流路面積を確保するとともに、ブレード接合部に加わる曲げ応力を低減させることができる。
これにより、インペラの回転速度(回転数)を増加させることができて、遠心式圧縮機においては高圧縮比化を実現することができる。
以下、本発明による遠心式圧縮機のインペラの一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るインペラ10は、複数枚(たとえば、22枚)のブレード11a,11bと、これらブレード11a,11bの根元部Rに配置されるブレードハブ(本体)12と、これらブレード11a,11bの先端部Tに配置されるシュラウド13とを主たる要素として構成されたものである。
図1に示すように、本実施形態に係るインペラ10は、複数枚(たとえば、22枚)のブレード11a,11bと、これらブレード11a,11bの根元部Rに配置されるブレードハブ(本体)12と、これらブレード11a,11bの先端部Tに配置されるシュラウド13とを主たる要素として構成されたものである。
ブレード11a,11bは、ブレードハブ12の小径側端部12aにその前縁LE1が位置するとともに、ブレードハブ12の大径側端部12bにその後縁TEが位置する11枚のフルブレード(長翼)11aと、ブレードハブ12の小径側端部12aと大径側端部12bとの略中央部にその前縁LE2が位置するとともに、ブレードハブ12の大径側端部12bにその後縁TEが位置する11枚のスプリッタブレード(短翼)11bとから構成されたものである。なお、フルブレード11aのスプリッタブレード11bよりも長い部分、すなわち、図1においてフルブレード11aの前縁LE1とスプリッタブレード11bの前縁LE2との間に位置する部分は、一般にインデューサ部(入口部)Dと呼ばれる部分である。
これらブレード11a,11bはそれぞれ、図2に示すような形状に(削り)加工された後、プレス加工機により3次元形状に加工されるようになっている。これらブレード11a,11bは鋳造により作製することもできるが、高速回転機械におけるブレードでは数mgの誤差が振動発生の原因となるため、条件に合わないブレードは廃棄されることとなって、歩留まりが悪くなるため、本実施形態ではそのような不具合を生じないプレス加工を採用した。
図2(b)はブレード11a,11bを一平面上に展開した展開図(3次元形状にプレス加工する前の平面図)である。図2(b)に示すように、ブレード11a,11bはその展開図において、前縁LE1,LE2から後縁TEにかけてその幅が漸次狭まるように形成されているとともに、全体として湾曲させられた平面視形状を有する板状の部材である。
図2(a)は図2(b)を矢印a方向から見た側面図であり、図2(c)は図2(b)を矢印c方向から見た側面図である。
図2(a)に示すように、ブレード11a,11bの先端部Tの板厚は、その中央部よりも若干後縁TEよりの部分で最大となるとともに、この板厚が最大となる部分から前縁LE1,LE2および後縁TEにかけてその板厚が漸次小さくなるように形成されている。
一方、図2(c)に示すように、ブレード11a,11bの根元部Rの板厚は、その中央部よりも若干前縁LE1,LE2よりの部分で最大となるとともに、この板厚が最大となる部分から前縁LE1,LE2および後縁TEにかけてその板厚がそれぞれ漸次小さくなるように形成されている。
図2(a)に示すように、ブレード11a,11bの先端部Tの板厚は、その中央部よりも若干後縁TEよりの部分で最大となるとともに、この板厚が最大となる部分から前縁LE1,LE2および後縁TEにかけてその板厚が漸次小さくなるように形成されている。
一方、図2(c)に示すように、ブレード11a,11bの根元部Rの板厚は、その中央部よりも若干前縁LE1,LE2よりの部分で最大となるとともに、この板厚が最大となる部分から前縁LE1,LE2および後縁TEにかけてその板厚がそれぞれ漸次小さくなるように形成されている。
また、これら図2(a)および図2(c)からわかるように、ブレード11a,11bは、3平面で削り落とされた形状となっている。
すなわち、ブレード11a,11bは、根元部Rから先端部Tにかけての板厚が漸次薄くなるように形成されているとともに、前縁LE1,LE2と後縁TEとの略中央部から前縁LE1,LE2および後縁TEにかけての板厚がそれぞれ漸次薄くなるように形成されている。
このように各ブレード11a,11bの重量を減少させて、ブレード重量に起因する遠心力を低減することができる。これにより、ブレード11a,11bの根元部Rとブレードハブ12との接合部に加わる曲げ応力を減少させることができる。FEM解析の結果、ブレード形状を本実施形態の形状とすることにより、ブレード11a,11bの根元部Rとブレードハブ12との接合部における最大発生応力(曲げ応力)を約30%低減できるということがわかった。
したがって、本実施形態のインペラ10によれば、インペラ10の回転速度(回転数)を増加させることができて、遠心式圧縮機においては高圧縮比化を実現することができる。
なお、前縁LE1,LE2には、流体損失低減のためにR(アール)がつけられている。
すなわち、ブレード11a,11bは、根元部Rから先端部Tにかけての板厚が漸次薄くなるように形成されているとともに、前縁LE1,LE2と後縁TEとの略中央部から前縁LE1,LE2および後縁TEにかけての板厚がそれぞれ漸次薄くなるように形成されている。
このように各ブレード11a,11bの重量を減少させて、ブレード重量に起因する遠心力を低減することができる。これにより、ブレード11a,11bの根元部Rとブレードハブ12との接合部に加わる曲げ応力を減少させることができる。FEM解析の結果、ブレード形状を本実施形態の形状とすることにより、ブレード11a,11bの根元部Rとブレードハブ12との接合部における最大発生応力(曲げ応力)を約30%低減できるということがわかった。
したがって、本実施形態のインペラ10によれば、インペラ10の回転速度(回転数)を増加させることができて、遠心式圧縮機においては高圧縮比化を実現することができる。
なお、前縁LE1,LE2には、流体損失低減のためにR(アール)がつけられている。
図1に示すように、ブレードハブ12は、小径側端部12a(図1において左側に位置する端部)と、大径側端部12b(図1において右側に位置する端部)とを有する略円錐状の部材であり、その傾斜したスカート状の外壁面12c上には、前述したフルブレード11aおよびスプリッタブレード11bが溶接により交互に接合されるようになっている。
シュラウド13は、ブレードハブ12上に接合された22枚のブレード11a,11bの先端部Tをすべて覆うように形成された概略円錐状の部材であり、図1に示すように、ブレードハブ12の小径側端部12aから大径側端部12bにかけてその板厚が漸次薄くなるように形成されているとともに、その両周縁にはそれぞれR(アール)がつけられている。また、シュラウド13の内壁面13a上には、フルブレード11aおよびスプリッタブレード11bの先端部Tが溶接により接合されるようになっている。
シュラウド13は、ブレードハブ12上に接合された22枚のブレード11a,11bの先端部Tをすべて覆うように形成された概略円錐状の部材であり、図1に示すように、ブレードハブ12の小径側端部12aから大径側端部12bにかけてその板厚が漸次薄くなるように形成されているとともに、その両周縁にはそれぞれR(アール)がつけられている。また、シュラウド13の内壁面13a上には、フルブレード11aおよびスプリッタブレード11bの先端部Tが溶接により接合されるようになっている。
つぎに、本発明によるインペラ10の製造方法について説明する。
まずはじめに、プレス加工機により3次元形状に加工されたフルブレード11aとスプリッタブレード11bとを、シュラウド13の内壁面13a上に溶接により交互に接合する。すなわち、フルブレード11aおよびスプリッタブレード11bの先端部Tを、シュラウド13の内側表面に溶接により固定する。
すべてのブレード(本実施形態では22枚のブレード)11a,11bをブレードハブ12の内壁面13a上に溶接し終えたら、つぎにフルブレード11aおよびスプリッタブレード11bの根元部Rとブレードハブ12の外壁面12cとが隙間無く接するように、ブレードハブ12を配置する。
そして、最後にこれらブレード11a,11bの根元部Rを、ブレードハブ12の外壁面12cに溶接する。すなわち、フルブレード11aおよびスプリッタブレード11bの根元部Rをブレードハブ12の外壁面12c上に溶接により固定し、インペラ10の作製を終了する。
まずはじめに、プレス加工機により3次元形状に加工されたフルブレード11aとスプリッタブレード11bとを、シュラウド13の内壁面13a上に溶接により交互に接合する。すなわち、フルブレード11aおよびスプリッタブレード11bの先端部Tを、シュラウド13の内側表面に溶接により固定する。
すべてのブレード(本実施形態では22枚のブレード)11a,11bをブレードハブ12の内壁面13a上に溶接し終えたら、つぎにフルブレード11aおよびスプリッタブレード11bの根元部Rとブレードハブ12の外壁面12cとが隙間無く接するように、ブレードハブ12を配置する。
そして、最後にこれらブレード11a,11bの根元部Rを、ブレードハブ12の外壁面12cに溶接する。すなわち、フルブレード11aおよびスプリッタブレード11bの根元部Rをブレードハブ12の外壁面12c上に溶接により固定し、インペラ10の作製を終了する。
このように、ブレード11a,11bとシュラウド13とを溶接により接合するとともに、ブレード11a,11bとブレードハブ12とを溶接により接合してインペラ10が作製されることとなり、従来のような片持ち支持されたカッタで鍛造品材料を削り出す工法を採用しないで済むので、たとえば、インペラ直径が2.0m以上となるものも精度良く作製することができる。したがって、遠心式圧縮機においては大容量化(大流量化)を実現することができる。
また、予め成形されたブレード11a,11b、シュラウド13、およびブレードハブ12が溶接により接合されることとなるので、鍛造品材料を少しずつ削り出していく工法に比べて作業時間を短縮させることができ、生産性の向上を図ることができる。
また、予め成形されたブレード11a,11b、シュラウド13、およびブレードハブ12が溶接により接合されることとなるので、鍛造品材料を少しずつ削り出していく工法に比べて作業時間を短縮させることができ、生産性の向上を図ることができる。
次に、本実施形態のようにブレード11a,11bの前縁LE1,LE2を半径方向に立設したことによる作用効果について説明する。
従来のブレードは、半径方向に対して傾かせた状態でハブに固定されている。このようなブレードを有する従来のインペラを回転軸中心Cまわりに回転させると、遠心力によってブレードは半径方向に沿うように変形しようとする。このブレードの変形に伴い、ブレードの先端部に取付けら得たシュラウドも変形する。このようなインペラ上流側での変形がインペラ下流側に影響を及ぼし、インペラ下流側では図3に二点鎖線で示すような変形が生じる(実線はインペラ静止時、すなわち変形前の状態を示す)。すなわち、ブレード前縁部においてシュラウド13がブレードハブ12に対して周方向に変形しようとするため、ブレードの後縁部はさらに半径方向から傾いた状態(寝た状態)に変形する。これでは、ブレードに大きな曲げ応力が加わるだけでなく、インペラの出口流路面積が小さくなってしまう。なお、図中において符号Fはフィレット(肉厚部)を示す。
しかしながら、本実施形態によるインペラ10では、図4に示すように、各ブレード(図4にはフルブレード11aのみを示す)の前縁LE1が放射状に配置されているので、遠心力が加わってもシュラウド13が周方向に変形することを抑制できる。
従来のブレードは、半径方向に対して傾かせた状態でハブに固定されている。このようなブレードを有する従来のインペラを回転軸中心Cまわりに回転させると、遠心力によってブレードは半径方向に沿うように変形しようとする。このブレードの変形に伴い、ブレードの先端部に取付けら得たシュラウドも変形する。このようなインペラ上流側での変形がインペラ下流側に影響を及ぼし、インペラ下流側では図3に二点鎖線で示すような変形が生じる(実線はインペラ静止時、すなわち変形前の状態を示す)。すなわち、ブレード前縁部においてシュラウド13がブレードハブ12に対して周方向に変形しようとするため、ブレードの後縁部はさらに半径方向から傾いた状態(寝た状態)に変形する。これでは、ブレードに大きな曲げ応力が加わるだけでなく、インペラの出口流路面積が小さくなってしまう。なお、図中において符号Fはフィレット(肉厚部)を示す。
しかしながら、本実施形態によるインペラ10では、図4に示すように、各ブレード(図4にはフルブレード11aのみを示す)の前縁LE1が放射状に配置されているので、遠心力が加わってもシュラウド13が周方向に変形することを抑制できる。
すなわち、ブレードハブ12を平面視したとき(ブレードハブ12の小径側端部12aからブレードハブ12を見たとき)、ブレードハブ12の回転軸中心Cから外方に延びる線上(放射線上)に、ブレード11a,11bの前縁LE1,LE2が位置するように溶接されている(言い換えれば、ブレード11a,11bの前縁LE1,LE2がブレードハブ12に対して半径方向に立設されている)ので、遠心力によってブレード11a,11bが周方向に変形することを抑制できる。したがって、シュラウド13の周方向の変形が防止され、ブレード11a,11bに過大な応力が加わることがなく、また、インペラ10出口の流路面積を確保できる。
FEM解析の結果、ブレードハブ12の回転軸中心Cから外方に延びる線上に、ブレード11a,11bの前縁LE1,LE2をさせることにより、ブレード11a,11bの先端部Tとシュラウド13の内壁面13aとの接合部における最大発生応力(曲げ応力)を約30%低減できるとともに、出口部(ブレード後縁部)の流路の変形を約20%低減できるということがわかった。
これにより、インペラ10の回転速度(回転数)をさらに増加させることができて、遠心式圧縮機においてはさらなる高圧縮比化を実現することができる。
FEM解析の結果、ブレードハブ12の回転軸中心Cから外方に延びる線上に、ブレード11a,11bの前縁LE1,LE2をさせることにより、ブレード11a,11bの先端部Tとシュラウド13の内壁面13aとの接合部における最大発生応力(曲げ応力)を約30%低減できるとともに、出口部(ブレード後縁部)の流路の変形を約20%低減できるということがわかった。
これにより、インペラ10の回転速度(回転数)をさらに増加させることができて、遠心式圧縮機においてはさらなる高圧縮比化を実現することができる。
なお、上述した実施形態では、フルブレード11aおよびスプリッタブレード11bがそれぞれ11枚ずつ設けられたものを一例として挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば22枚すべてのブレードがフルブレード11aあるいはスプリッタブレード11bであってもよい。
また、フルブレード11aおよびスプリッタブレード11bは必ずしも交互に配置されている必要はなく、必要に応じて適宜その配置順を変更することができる。
さらに、インペラを製造する際、ブレード11a,11bの根元部Rを、ブレードハブ12の外壁面12cに溶接し、その後、フルブレード11aおよびスプリッタブレード11bの先端部Tをシュラウド13の内壁面13aに溶接してインペラ10を製造するようにしてもよい。
また、フルブレード11aおよびスプリッタブレード11bは必ずしも交互に配置されている必要はなく、必要に応じて適宜その配置順を変更することができる。
さらに、インペラを製造する際、ブレード11a,11bの根元部Rを、ブレードハブ12の外壁面12cに溶接し、その後、フルブレード11aおよびスプリッタブレード11bの先端部Tをシュラウド13の内壁面13aに溶接してインペラ10を製造するようにしてもよい。
10 インペラ
11a フルブレード
11b スプリッタブレード
12 ブレードハブ(本体)
13 シュラウド
C 回転軸中心
D ディフーザ部
R 根元部
T 先端部
LE1 前縁
11a フルブレード
11b スプリッタブレード
12 ブレードハブ(本体)
13 シュラウド
C 回転軸中心
D ディフーザ部
R 根元部
T 先端部
LE1 前縁
Claims (4)
- 複数枚のブレードと、これら複数枚のブレードの根元部に配置される本体と、前記複数枚のブレードの先端部に配置されるシュラウドとを有するインペラであって、
前記各ブレードは、三次元翼とされるとともに、その根元部から先端部にかけての板厚が漸次薄くなるように形成され、
前記本体と前記ブレードの根元部、および前記シュラウドと前記ブレードの先端部がそれぞれ溶接により接合されていることを特徴とするインペラ。 - 前記複数枚のブレードは、インデューサ部を有するブレードを備え、
このインデューサ部を有するブレードは、その前縁が当該インペラの回転軸中心から半径方向に延びる放射線上に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインペラ。 - 請求項1または2に記載のインペラを具備してなることを特徴とする遠心式圧縮機。
- 三次元翼とされるとともに根元部から先端部にかけての板厚が漸次薄くなるように形成された複数枚のブレードと、これら複数枚のブレードの根元部に配置される本体と、前記複数枚のブレードの先端部に配置されるシュラウドとを有するインペラの製造方法であって、
前記本体と前記ブレードの根元部、および前記シュラウドと前記ブレードの先端部をそれぞれ溶接により接合することを特徴とするインペラの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003380754A JP2005146859A (ja) | 2003-11-11 | 2003-11-11 | インペラおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003380754A JP2005146859A (ja) | 2003-11-11 | 2003-11-11 | インペラおよびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005146859A true JP2005146859A (ja) | 2005-06-09 |
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ID=34690330
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JP (1) | JP2005146859A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3708774A1 (en) * | 2019-03-13 | 2020-09-16 | Siemens Aktiengesellschaft | Guide blade and stationary cascade for a turbomachinery |
-
2003
- 2003-11-11 JP JP2003380754A patent/JP2005146859A/ja not_active Withdrawn
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