JP2005146482A - プラスチックの生分解性評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、プラスチックの生分解性を容易・迅速に分解評価できるキット及び方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート等のプラスチックを紙、繊維、布等の多孔質支持体に吸着させたことを特徴とする生分解性の評価のためのプラスチック吸着体、該吸着体を含むプラスチックの生分解性測定キット、及び該吸着体を用いたプラスチックの生分解性評価方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生分解性の評価のためのプラスチック吸着体、該吸着体を含むプラスチックの生分解性測定キット、及び該吸着体を用いたプラスチックの生分解性評価方法に関する。
ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエートのような生分解性プラスチックは、自然界において二酸化炭素と水に完全に分解されるため、環境に優しいプラスチックである。特に、ポリ乳酸やポリヒドロキシアルカノエートは澱粉や糖などの植物由来成分を原料として合成できるため、カーボンニュートラルの観点からも注目されている。今後、生分解性プラスチックの市場は加速度的に大きくなると予想される。
これら生分解性プラスチックの市場が広まるにつれ、消費者が生分解性プラスチック製品を購入する際の決め手として、機能性はもちろん、環境保全意識の高まりから、分解性を重要視するようになってきている。
これまで、プラスチックの機能性を評価する方法は多く報告されているが、分解性に関する評価方法はあまり報告されていない。特に分解に時間のかかるポリ乳酸の生分解性を評価する場合、特殊で煩雑なサンプル調製方法を必要としたり(非特許文献1を参照)、特殊な酵素、微生物を使用しないと生分解性を評価できないという欠点があった(特許文献1、非特許文献2及び3参照)。
特開平9−37776号公報 「マクロモレキュラー バイオサイエンス(Macromolecular Bioscience)」、(ドイツ) 2001年 第1巻、p.25−29 「エンジニアリング イン メディシン(Engineering in Medicine)」、(英国) 1981年 第10巻 第1号 p.5−7 「アプライド アンド エンバイロメンタル マイクロバイオロジー(Applied and Environmental Microbiology)」、(米国) 1997年 第63巻 第4号 p.1637−1640
本発明は、生分解性プラスチックを容易・迅速に分解評価できるキット及び方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するため、プラスチックの生分解性の測定を容易にし、且つ検出感度を向上すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエートなどの脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルを含有する共重合体、脂肪族ポリエステルとポリアミドを含有する共重合体、ポリカーボネート等のプラスチックを紙、繊維、布等の多孔質支持体に吸着させて基質として用いることにより、生分解性の測定を容易にし、且つ検出感度を向上することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は次の(1)〜(12)を提供する。
(1)プラスチックを多孔質支持体に吸着させたことを特徴とする、生分解性の評価のためのプラスチック吸着体。
(2)多孔質支持体が平面状である、上記(1)記載のプラスチック吸着体。
(3)多孔質支持体が紙、繊維または布である、上記(1)または(2)記載のプラスチック吸着体。
(4)プラスチックが脂肪族ポリエステルを10〜100%含む生分解性プラスチックである、上記(1)〜(3)のいずれか記載のプラスチック吸着体。
(5)プラスチックが脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルからなる共重合体を10〜100%含む生分解性プラスチックである、上記(1)〜(3)のいずれか記載のプラスチック吸着体。
(6)プラスチックが脂肪族ポリエステルとポリアミドからなる共重合体を10〜100%含む生分解性プラスチックである、上記(1)〜(3)のいずれか記載のプラスチック吸着体。
(7)脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエートから選ばれる1種以上である、上記(4)〜(6)のいずれか記載のプラスチック吸着体。
(8)プラスチックがポリカーボネートを10〜100%含む生分解性プラスチックである、上記(1)〜(3)のいずれか記載のプラスチック吸着体。
(9)ポリカーボネートが、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリブチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネートから選ばれる1種以上である、上記(8)記載のプラスチック吸着体。
(10)上記(1)〜(9)のいずれか記載のプラスチック吸着体を含む、プラスチックの生分解性測定用キット。
(11)プラスチックを吸着させるための多孔質支持体を含む、プラスチックの生分解性測定用キット。
(12)上記(1)〜(9)のいずれか記載のプラスチック吸着体を酵素及び/または微生物と接触させることを特徴とする、プラスチックの生分解性評価方法。
本発明により、これまでにプラスチックの生分解性の評価にプラスチックの粉末やフィルムを使用していたのに対し、紙や不織布にプラスチックを吸着させることにより、生分解性の測定を容易にし、且つ迅速に高い感度で評価できる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明は、プラスチックを多孔質支持体に吸着させたことを特徴とする、生分解性の評価のためのプラスチック吸着体を提供する。
本発明において、プラスチックとは、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の双方を含み、更にこれらの樹脂を10〜100%の比率で含有する如何なる材料をも包含する。本発明の目的の一つは、一般の消費者が簡便に身近にあるプラスチック製品の生分解性を評価することを可能とするものであり、一般に「プラスチック」であると認識できるものであれば良く、限定されるものではない。
従って、本発明におけるプラスチックは任意のプラスチックを包含するが、本発明の主たる対象は生分解性を有するプラスチック、すなわち生分解性プラスチックである。
現在、生分解性プラスチックとして認識されているものとして、ポリ乳酸、ポリエチレ
ンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエートから選ばれる脂肪族ポリエステル、これら脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルを含有する共重合体、脂肪族ポリエステルとポリアミドを含有する共重合体、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリブチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネートから選ばれるポリカーボネート等が挙げられる。本発明において、プラスチックは上記生分解性プラスチックを10〜100%含む場合に、特に良好な分解が確認できる。
上記脂肪族ポリエステル系生分解性プラスチックは、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ(2,2−ジメチルトリメチレンサクシネート)(PDMS)等のホモ重合体の他、他の成分との共重合体であっても良い。
例えば、ポリ乳酸の場合、原料のポリラクチドとグリコリド、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、15−ペンタデカラクトン、アラニン無水物などとの共重合体が考えられるが、これに限定されない。
ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートなどの場合、原料となるコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、エチレングリコール、プロパンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオールなどの共重合体が考えられるが、これに限定されない。また、第3成分としてポリブチレンカーボネートなどを含んでもよい。
ポリカプロラクトンの場合、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、15−ペンタデカラクトン、アラニン無水物などとの共重合体が考えられるが、これに限定されない。
ポリヒドロキシアルカノエート、例えばポリヒドロキシ酪酸の場合、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリヒドロキシヘキサン酸、ポリヒドロキシヘプタン酸、ポリヒドロキシオクタン酸、ポリヒドロキシデカン酸、ポリ4−ヒドロキシブタン酸などとの共重合体が考えられるが、これに限定されない。
上記脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルを含有する共重合体の例としては、上記生分解性脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルであるポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEIP)、ポリシクロヘキシレンジメチルサクシネート(PETG)、PETとPETGとの共重合体、ポリ(2,2−ジメチルトリメチレンイソフタレート)(PDMIP)、ポリ(エチレンテトラクロロフタレート)(PETP)などとの共重合体
が考えられるが、これに限定されない。
脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルを含有する共重合体において、芳香族ポリエステルの含量は少ない方が生分解性の感度が高い。芳香族ポリエステルの含量は0.1〜50%、好ましくは0.1〜20%である。
脂肪族ポリエステルとポリアミドを含有する共重合体の例としては、上記生分解性脂肪族ポリエステルとポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパアミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンアジルアミド(ナイロン69)、ポリ(11−アミノウンデカノイックアシッド)(ナイロン11)、ポリ(12−アミノラウリックアシッド)(ナイロン12)などとの共重合体が考えられるが、これに限定されない。また、第3成分として、PEG、PPGなどのグリコール酸を含んでもよい。
脂肪族ポリエステルとポリアミドを含有する共重合体において、芳香族ポリエステルの含量は少ない方が生分解性の感度が高い。ポリアミドの含量は0.1〜50%、好ましくは0.1
〜20%である。
本発明のプラスチック吸着体を作製するために使用する多孔質支持体は、孔の大きさが0.1〜100μm、望ましくは0.2〜10μmのものであれば良く、特に限定されるものではないが、好ましくは紙、繊維、布、シリコン膜、ろ過膜、ミリポアフィルターである。多孔質支持体であれば、セライト、土、粘土、木、石、金属なども使用できる。また、形状及び大きさも特に限定するものではなく粉末状、ペレット状、塊状のものでも良いが、平面状であると、吸着体の簡便な作製及び分解反応を行う上で好ましい。簡便かつ高感度の検出を達成するために好ましい大きさは、0.5〜5cmの範囲であり、望ましくは1〜2cmの範囲である。
多孔質支持体として紙を用いる場合、紙として一般的に更紙、中質紙、上質紙、微塗工紙、書籍用紙、ファンシーペーパー、色上質紙、アート紙、コート紙、ミラーコート紙、キャストコート紙、ロール紙、板紙、α−セルロースをシート状にしたものなども使用できるが、ろ紙のように液体を通過させる程度の隙間をもった紙が望ましい。この場合、隙間は0.1〜100μm、望ましくは0.2〜10μmである。
また、多孔質支持体として繊維または布を用いる場合、繊維及び布の材質は石油から作られたナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリウレタン、天然物から作られたコットン、絹、ウール、麻、レーヨンが使用できる。また、ガラス、シリカ、炭素、金属などの無機物も繊維状にできるものであれば、使用することが可能である。形状としては繊維のまま、布状、不織布状で使用できるが、不織布のように液体を通過させる程度の隙間をもったものが望ましい。
プラスチックの多孔質支持体への吸着方法は、生分解性プラスチックをジクロロメタンやクロロホルム等に溶解して、シャーレ上で多孔質支持体を浸せきさせるのが望ましいが、生分解性プラスチックを溶かしたジクロロメタンあるいはクロロホルム以外の溶媒でもプラスチックを溶解できれば問題なく使用できる。浸せき後、例えば室温で溶媒が蒸発するのを1〜2日間待つとプラスチック吸着体が完成するが、ジクロロメタン、クロロホルム等の溶媒に多孔質支持体を浸せき後、エバポレータやドライヤーでプラスチック吸着体を乾燥させてもよい。また、PBS、PLAなどの生分解性プラスチックのエマルジョンを多孔質支持体にコーティングさせてもよい。
用いるプラスチック中における生分解性プラスチックの含有量は混合であるか、あるいは共重合体であるかに係わらず、10〜100%の範囲であれば分解反応の検出が可能であるが、50〜100%であるのがより望ましい。
本発明のプラスチック吸着体においては、プラスチックとその他の物質をブレンドしても良い。この場合、プラスチック以外のブレンド物としては金属、石、土、セライト、タルクなどの無機物、核酸、リグニン、ヘミセルロース、タンパク質、澱粉、糖類、木粉、プラスチック類などの有機物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明はまた、上記本発明のプラスチック吸着体を含む、プラスチックの生分解性測定用キットを提供する。該キットは、種類及び組成の異なる複数のプラスチック吸着体を含んでいても良く、また該プラスチック吸着体の他、緩衝液等の反応のための溶液、反応容器、反応条件等を記載した説明書等を含むことができるが、これらを含むことは必須ではなく、更なる成分等を含んでいても良い。この態様におけるキットは、例えば水中や土壌中に存在する微生物のプラスチック生分解活性を評価するために用いることができる。従
って、用いるプラスチック吸着体は、生分解性プラスチックであることが予め判明しているプラスチックを用いることが好ましい。
あるいはまた、本発明は、プラスチックを吸着させるための多孔質支持体を含む、プラスチックの生分解性測定用キットを提供する。該キットは、1以上の多孔質支持体の他、
プラスチックを溶解するための溶媒、溶解のために用いる容器、分解反応のための適当な1種以上の酵素または該酵素活性を有する微生物、緩衝液等の反応のための溶液、反応容
器、反応条件等を記載した説明書等を含むことができるが、これらを含むことは必須ではなく、更なる成分等を含んでいても良い。この態様におけるキットは、任意のプラスチックの生分解性を評価するために用いることができる。この場合、使用する酵素または微生物としては、特に限定するものではないが、例えばポリ乳酸の場合、ICN社製のプロテネ
ースK、シグマ社製のキモトリプシン、独立行政法人 理化学研究所 系統保存施設から入手可能なアミコラトプシス属 JCM4936、 独立行政法人 製品評価技術基盤機構 バ
イオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門から入手可能なアミコラトプシス属オリエンタス 亜種オリエンタリスIFO12326、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトン:ポリエチレンテレフタレート共重合体、ポリカプロラクトン:ポリカプロラクタム共重合体の場合、シグマ社製のリゾパスアリザスリパーゼ及びシュードモナスリパーゼ、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源部門から入手可能なマイクロビスポーラ属ロゼア亜種アエラタ IFO14046、ポリヒドロキシ酪酸の場合、独立行政法人 理化学研究所 系統保存施設から入手可能なストレプトマイセス サーモハイグロスコピカス JCM4917、ストレプトマイセス サーモオリバセウス
JCM4921、ストレプトマイセス サーモブルガリス等が挙げられる。
本発明は更に、本発明のプラスチック吸着体を酵素及び/または微生物と接触させることを特徴とする、プラスチックの生分解性評価方法を提供する。分解反応の検出に用いる反応条件は、プラスチックの種類や用いる微生物によって異なり、特に限定されるものではないが、例えば反応温度が5〜70℃、好ましくは30〜50℃、反応時間が1分〜24時間、好ましくは1分〜14時間、pHが5〜10、好ましくは6.5〜9の条件で反応を行うことで良好な結果を得ることができる。
本発明のプラスチック吸着体の分解反応は、例えば適当な緩衝溶液中で反応させた後、酵素及び/または微生物と分解されずに残ったプラスチック吸着体をろ過し、水溶液に溶解した有機物量を島津社製全有機炭素測定装置TOC-5000A等の分析装置で測定することに
よって検出することができる。また、分解によって生じたモノマーを乳酸測定キットやD-ヒドロキシ酪酸測定キット等で検出したり、モノマー、ダイマー、トリマーなどの分解物をHPLCで検出することもできる。更に、分解物が酸である場合には、アルカリによる滴定によっても分解反応の検出が可能である。
あるいは、分解反応後に反応液からプラスチック吸着体を引き上げ、乾燥させて重量を測定し、反応前と比較して吸着体の重量が減少していれば、酵素や微生物によって吸着体が分解され、分解物が反応液の方に溶解していることになるため、簡単に誰でもプラスチックの分解を確認することができる。
本発明のプラスチック吸着体を使用することによって、対応するプラスチックの粉末よりも高い感度で生分解性を評価できる。また、プラスチック単独で作製したフィルムは酵素や微生物がプラスチックの中まで浸透することができず、分解を評価しにくいという欠点があるが、本発明のプラスチック吸着体はそのようなこともない。
以下に、脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルからなる共重合体、脂肪族ポリエス
テルとポリアミドからなる共重合体の合成方法を参考例として示す。
参考例1
ポリカプロラクトン:ポリエチレンテレフタレート共重合体の合成
ユニオンカーバイド社製ポリカプロラクトン767(数平均分子量1.8×104)9.5g、旭化
成社製ポリエチレンテレフタレート0.5g、0.05gの酢酸亜鉛を反応容器に加えて、窒素気
流下、270℃で2時間反応させた。
参考例2
ポリカプロラクトン:ポリカプロラクタム共重合体の合成
ユニオンカーバイド社製ポリカプロラクトン767(数平均分子量1.8×104)9.5g、東洋
化成工業社製ポリカプロラクタム0.5gを反応容器に加えて、窒素気流下、270℃で4時間
反応させた。
プラスチックのろ紙への吸着1
島津社製ポリ乳酸1012(数平均分子量2.1×105)100mgをクロロホルム10mlに溶解した
。ポリ乳酸のクロロホルム溶液をシャーレに移し、5cm2 角のアドバンテック社製定性用
(セルロース)2号ろ紙を浸せきさせた。2日間乾燥させた後、ポリ乳酸が吸着したろ紙を1cm2角に切断し、生分解性評価のために用いた。
プラスチックのろ紙への吸着2
ユニオンカーバイド社製ポリカプロラクトン767(数平均分子量1.8×104)100mgをクロロホルム10mlに溶解した。ポリカプロラクトンのクロロホルム溶液をシャーレに移し、5cm2 角のアドバンテック社製定性用(セルロース)2号ろ紙を浸せきさせた。2日間乾燥
させた後、ポリカプロラクトンが吸着したろ紙を1cm2角に切断し、生分解性評価のために用いた。
プラスチックのろ紙への吸着3
日本触媒社製ポリエチレンサクシネート(数平均分子量5.92×104)100mgをクロロホルム10mlに溶解した。ポリエチレンサクシネートのクロロホルム溶液をシャーレに移し、5cm2 角のアドバンテック社製定性用(セルロース)2号ろ紙を浸せきさせた。2日間乾燥
させた後、ポリエチレンサクシネートが吸着したろ紙を1cm2角に切断し、生分解性評価のために用いた。
プラスチックのろ紙への吸着4
大日本インキ社製ポリエチレンアジペート(数平均分子量2×103)100mgをクロロホル
ム10mlに溶解した。ポリエチレンアジペートのクロロホルム溶液をシャーレに移し、5cm2
角のアドバンテック社製定性用(セルロース)2号ろ紙を浸せきさせた。2日間乾燥さ
せた後、ポリエチレンアジペートが吸着したろ紙を1cm2角に切断し、生分解性評価のために用いた。
プラスチックの不織布への吸着1
昭和高分子社製ポリブチレンサクシネート1020(数平均分子量2.92×104)100mgをクロロホルム10mlに溶解した。ポリブチレンサクシネートのクロロホルム溶液をシャーレに移し、5cm2 角のアドバンテック社製ガラス繊維不織布GA-200を浸せきさせた。2日間乾燥
させた後、ポリブチレンサクシネートが吸着した不織布を1cm2角に切断し、生分解性評価のために用いた。
プラスチックの不織布への吸着2
大日本インキ社製ポリブチレンアジペート1020(数平均分子量2×103)100mgをクロロ
ホルム10mlに溶解した。ポリブチレンアジペートのクロロホルム溶液をシャーレに移し、5cm2 角のアドバンテック社製ガラス繊維不織布GA-200を浸せきさせた。2日間乾燥させ
た後、ポリブチレンアジペートが吸着した不織布を1cm2角に切断し、生分解性評価のために用いた。
プラスチックの不織布への吸着3
三菱ガス化学社製ポリヒドロキシ酪酸(数平均分子量9.4×104)100mgをクロロホルム10mlに溶解した。ポリヒドロキシ酪酸のクロロホルム溶液をシャーレに移し、5cm2 角のアドバンテック社製シリカ繊維不織布QR-100を浸せきさせた。2日間乾燥させた後、ポリヒドロキシ酪酸が吸着した不織布を1cm2角に切断し、生分解性評価のために用いた。
プラスチックの不織布への吸着4
参考例1で合成したポリカプロラクトン:ポリエチレンテレフタレート共重合体(共重合比率95:5)100mgをクロロホルム10mlに溶解した。ポリカプロラクトン:ポリエチ
レンテレフタレート共重合体のクロロホルム溶液をシャーレに移し、5cm2 角のアドバン
テック社製シリカ繊維不織布QR-100を浸せきさせた。2日間乾燥させた後、ポリカプロラクトン:ポリエチレンテレフタレート共重合体が吸着した不織布を1cm2 角に切断し、生
分解性評価のために用いた。
プラスチックの不織布への吸着5
参考例2で合成したポリカプロラクトン:ポリカプロラクタム共重合体(共重合比率95:5)100mgをクロロホルム10mlに溶解した。ポリカプロラクトン:ポリカプロラクタ
ム共重合体のクロロホルム溶液をシャーレに移し、5cm2 角のアドバンテック社製シリカ
繊維不織布QR-100を浸せきさせた。2日間乾燥させた後、ポリカプロラクトン:ポリカプロラクタム共重合体が吸着した不織布を1cm2 角に切断し、生分解性評価のために用いた
プラスチックの不織布への吸着6
東亜合成社製ポリヘキサメチレンカーボネート100mgをクロロホルム10mlに溶解した。
ポリヘキサメチレンカーボネートのクロロホルム溶液をシャーレに移し、5cm2 角のアド
バンテック社製シリカ繊維不織布QR-100を浸せきさせた。2日間乾燥させた後、ポリヘキサメチレンカーボネートが吸着した不織布を1cm2 角に切断し、生分解性評価のために用
いた。
生分解性の評価
実施例1〜10で調製したプラスチック吸着体、及び対応するプラスチックの粉末(粒径250μm以下)を使って同じ反応条件下で生分解性を比較した。
反応はプラスチック10mgを含む、実施例1〜10で調製した本発明のプラスチック吸着
体(評価例1〜10)、あるいはプラスチック粉末10mg(比較例1〜10)、0.1Mリン酸緩衝液3ml、0.05%オクチルグルコシド水溶液1ml、0.1%酵素水溶液1mlを加えて、37℃で14時間反応させた。反応後酵素とプラスチックをろ過し、水溶液に溶解した有機物を島津社製全有機炭素測定装置TOC-5000Aで測定した。その結果、表1に示すように。いずれの場
合も基質としてプラスチック吸着体を用いた方が対応するプラスチックの粉末よりも高い有機炭素量を示し、本発明のプラスチック吸着体を用いた場合に高い感度で生分解性を評価できることが明らかとなった。

Figure 2005146482
Figure 2005146482

Claims (12)

  1. プラスチックを多孔質支持体に吸着させたことを特徴とする、生分解性の評価のためのプラスチック吸着体。
  2. 多孔質支持体が平面状である、請求項1記載のプラスチック吸着体。
  3. 多孔質支持体が紙、繊維または布である、請求項1または2記載のプラスチック吸着体。
  4. プラスチックが脂肪族ポリエステルを10〜100%含む生分解性プラスチックである、請求項1〜3のいずれか1項記載のプラスチック吸着体。
  5. プラスチックが脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルからなる共重合体を10〜100%含む生分解性プラスチックである、請求項1〜3のいずれか1項記載のプラスチック吸着体。
  6. プラスチックが脂肪族ポリエステルとポリアミドを含有する共重合体を10〜100%含む生分解性プラスチックである、請求項1〜3のいずれか1項記載のプラスチック吸着体。
  7. 脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエートから選ばれる1種以上である、請求項4〜6のいずれか1項記載のプラスチック吸着体。
  8. プラスチックがポリカーボネートを10〜100%含む生分解性プラスチックである、請求項1〜3のいずれか1項記載のプラスチック吸着体。
  9. ポリカーボネートが、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリブチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネートから選ばれる1種以上である、請求項8記載のプラスチック吸着体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項記載のプラスチック吸着体を含む、プラスチックの生分解性測定用キット。
  11. プラスチックを吸着させるための多孔質支持体を含む、プラスチックの生分解性測定用キット。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項記載のプラスチック吸着体を酵素及び/または微生物と接触させることを特徴とする、プラスチックの生分解性評価方法。
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