JP2005145847A - 植物病害防除組成物および植物病害防除方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 灰色かび病菌や根腐萎凋病菌等の植物病原菌に対して、少量の散布で有効にそれらの病原菌の繁殖を抑制するとともに、当該効果が持続する安全性の高い植物病害防除組成物および植物病害防除方法を提供する
【解決手段】 サイプレス材抽出液およびサイプレスオイルからなる群より選ばれた一種またはそれ以上の精油成分を有効成分として含有する。
【解決手段】 サイプレス材抽出液およびサイプレスオイルからなる群より選ばれた一種またはそれ以上の精油成分を有効成分として含有する。
Description
この発明はサイプレス材に含有される精油成分を有効成分として含有する植物病害防除組成物および植物病害防除方法に関する。
植物病害は、農産物を安定して供給するのに非常に大きな障害となるもので、特に、灰色かび病によって、ぶどう、桃、梨、きゅうり、イチゴ、トマト等の幼果が侵されると、病班は速やかに果実全体に広がり、褐変または黒褐変し、湿気の少ないときは硬くなり、多湿のときは軟化腐敗し、灰色のかびを密生する。
また、根腐萎凋病は、イチゴ、ねぎ、トマト、レンゲ、インゲンマメ、ホウレンソウ、ビートなどに病原性を示し、腐生的で、かつ多犯性である。
一方、これらの病害を防止するため、ベンズイミダゾール系やジカルボキシイミド系の薬剤を長年使用すると、薬剤の耐性菌が出現し、大きな問題となっている。特に、灰色かび病は、耐性菌の出現頻度が高く、防除が難しい病害のひとつである。また、これらの薬剤は、人畜への安全性が高いとはいえ、グリーンケミストリーの観点から、さらに安全性の高いものが望まれる。
そこで、ユーカリ油、ヒバ油等の精油を有効成分とする農業用殺菌剤が提案されている(特許文献1参照)。また、ヒバ抽出液、台湾ヒノキ抽出液およびウエスタンレッドシダー抽出液から選ばれる一種以上とHLBが8以上の界面活性剤とを含有してなるイチゴの病害虫組成物が提案されている(特許文献2参照)
また、根腐萎凋病は、イチゴ、ねぎ、トマト、レンゲ、インゲンマメ、ホウレンソウ、ビートなどに病原性を示し、腐生的で、かつ多犯性である。
一方、これらの病害を防止するため、ベンズイミダゾール系やジカルボキシイミド系の薬剤を長年使用すると、薬剤の耐性菌が出現し、大きな問題となっている。特に、灰色かび病は、耐性菌の出現頻度が高く、防除が難しい病害のひとつである。また、これらの薬剤は、人畜への安全性が高いとはいえ、グリーンケミストリーの観点から、さらに安全性の高いものが望まれる。
そこで、ユーカリ油、ヒバ油等の精油を有効成分とする農業用殺菌剤が提案されている(特許文献1参照)。また、ヒバ抽出液、台湾ヒノキ抽出液およびウエスタンレッドシダー抽出液から選ばれる一種以上とHLBが8以上の界面活性剤とを含有してなるイチゴの病害虫組成物が提案されている(特許文献2参照)
上記提案のヒバ油やヒバ抽出物等精油成分は、極めて揮発しやすく、散布後、短時間で殺菌効果が低下するため、散布処理を頻繁に行なわなければならないという課題がある。徐放性を高めるマイクロカプセル化も検討されているが、徐放速度を適切に調整するのが困難であり、かつ、製剤コストの上昇等経済的なデメリットを生じる。そこで、この発明は、灰色かび病菌や根腐萎凋病菌等の植物病原菌に対して、少量の散布で有効にそれらの病原菌の繁殖を抑制するとともに、当該効果が持続する安全性の高い植物病害防除組成物および植物病害防除方法を提供することを課題とする。
この発明の発明者らは、各種精油の揮発性および病害菌の抑制効果について鋭意研究した結果、土壌に多く生息し、植物の接地部分の病害菌となり得る根腐萎凋病菌(Fusarium oxysporum)に対してサイプレスオイルはヒバオイルとほぼ同等の発育阻止効果有すること、灰色かび病(Botrytis cinerea)
に対して、ヒバオイル(ヒノキチオール約2%含有)よりも顕著に強い発育阻止効果を発揮すること、およびヒバオイルやセダーウッドオイルなどに比較して極めて揮発し難く、したがって残存性が良好なため、その発育阻止効果と相俟って植物病害菌、特に灰色かび病菌に対して優れた植物病害防除効果を発揮するとともに当該効果が顕著に持続することを見出し、この発明を完成させた。
に対して、ヒバオイル(ヒノキチオール約2%含有)よりも顕著に強い発育阻止効果を発揮すること、およびヒバオイルやセダーウッドオイルなどに比較して極めて揮発し難く、したがって残存性が良好なため、その発育阻止効果と相俟って植物病害菌、特に灰色かび病菌に対して優れた植物病害防除効果を発揮するとともに当該効果が顕著に持続することを見出し、この発明を完成させた。
かくして、この発明によれば、サイプレス材抽出液およびサイプレスオイルからなる群より選ばれた一種またはそれ以上の精油成分を有効成分として含有することを特徴とする植物病害防除組成物および当該組成物を水で希釈し、対象植物に散布することを特徴とする植物病害防除方法が提供される。
この発明の植物病害防除組成物の有効成分であるサイプレス材抽出液は、オーストラリアに広く分布する豪州檜(Callitris spp. 例えば Callitris columellaris , Callitris glauca、オーストラリアハードサイプレス、ホワイトサイプレス、サイプレスパインとも呼ばれる)から水蒸気蒸留あるいは各種溶剤(石油エーテル等)により抽出される樹木成分であり、シトロネル酸(約10〜30%含有)、グアイオール(約10〜20%含有)、オイデスモール(約10%〜25%含有)を主成分とするものである。特に、水蒸気蒸留により抽出されたものがサイプレスオイルであり、例えば、株式会社マルホンから市販されている商品を好適に用いることができる。
この発明の有効成分であるサイプレス材抽出液およびサイプレスオイルからなる群より選ばれた一種またはそれ以上の精油成分は、そのままで、または水、界面活性剤、溶剤、分散剤等を適宜混合して、水和剤、乳剤、溶液剤の形態で使用することができる。
この発明の有効成分であるサイプレス材抽出液およびサイプレスオイルからなる群より選ばれた一種またはそれ以上の精油成分は、そのままで、または水、界面活性剤、溶剤、分散剤等を適宜混合して、水和剤、乳剤、溶液剤の形態で使用することができる。
界面活性剤としては、精油中の疎水性成分を乳化あるいは可溶化させるために使用される。界面活性剤としては、市販のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が利用可能であるが、毒性や環境安全性の観点からは特にノニオン性界面活性剤の使用が好ましく、HBL値は9以上が好ましく、さらにはHLB値が12〜18程度のものが特に好適に使用できる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物〔以下、エチレンオキサイドを(EO)と略す〕、脂肪酸(EO)付加物、多価アルコール脂肪酸エステル(EO)付加物、高級アルキルアミン(EO)付加物、脂肪酸アミド(EO)付加物、油脂の(EO)付加物、プロピレンオキサイド〔以下、(PO)と略す〕(EO)共重合体、アルキルアミン(PO)(EO)共重合体付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリトリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルキロールアミドおよびこれらの(EO)付加物などが挙げられる。環境への影響や人体への安全性の点で、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリトリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールもしくはソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステルならびにこれらの(EO)付加物、高級アルコールエチレンオキサイド付加物等を用いるのが好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物〔以下、エチレンオキサイドを(EO)と略す〕、脂肪酸(EO)付加物、多価アルコール脂肪酸エステル(EO)付加物、高級アルキルアミン(EO)付加物、脂肪酸アミド(EO)付加物、油脂の(EO)付加物、プロピレンオキサイド〔以下、(PO)と略す〕(EO)共重合体、アルキルアミン(PO)(EO)共重合体付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリトリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルキロールアミドおよびこれらの(EO)付加物などが挙げられる。環境への影響や人体への安全性の点で、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリトリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールもしくはソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステルならびにこれらの(EO)付加物、高級アルコールエチレンオキサイド付加物等を用いるのが好ましい。
溶剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール類、メチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、炭素数8までのアルコール類、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-t-ブチルジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン等のアミノアルコール類もしくはメチルアセテート、エチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシメチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、プロピレンカーボネート、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチルなどのエステル類、N,N−ジメチルアセトアミドなどの酸アミド類、大豆油、ココナッツオイル等の植物油が挙げられ、中でも安定性の点で、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレンカーボネート、グルタル酸ジメチル、アミノアルコールおよび植物油を用いるのが特に好ましい。
分散剤としては、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの水溶性高分子が挙げられる。これらの分散剤は、この発明の組成物において界面活性剤の替わりに用いることもできる。
このような液状形態での製剤においては、この発明の植物病害防除組成物中の精油成分量は、通常1〜80%(重量)、好ましくは15〜60%(重量)である。
このような液状形態での製剤においては、この発明の植物病害防除組成物中の精油成分量は、通常1〜80%(重量)、好ましくは15〜60%(重量)である。
また、例えばタルク、ベントナイト、クレー、カオリン、珪藻土、ホワイトカーボン、バーミキュライト、消石灰、珪砂、硫安、尿素等の不活性な固体担体に吸着させて、粒剤または粉剤として用いることもできる。粉剤及び粒剤とする場合には、この発明の植物病害防除組成物中の精油成分量は、通常0.1〜20%(重量)である。
この発明において、製剤の長期安定性、水での希釈安定性、噴霧時の目詰まり防止、取り扱いやすさ等の観点から、特に好ましい製剤形態は水を含有する溶液製剤である。この溶液製剤は、精油成分1〜30重量部に溶剤として例えばジエチレングリコールモノメチルエーテルやアミノアルコール類0〜20重量部およびHLBが12以上のノニオン系界面活性剤8〜40重量部を加え混合撹拌後、100重量部となるように水を加えて混合撹拌することにより調製することができる。
この発明の植物病害防除組成物は、これらの製剤をそのまま直接施用するか、あるいは水に希釈して散布することができる。施用方法は、植物に適用される通常の方法のいずれを用いてもよく、例えば、灰色かび病の予防や防除の場合には、この発明の植物病害防除組成物を水で希釈し幼果や果実に噴霧するなどして散布する方法や、根腐萎凋病の予防や防除の場合には、土壌処理を行なった上で、この発明の植物病害防除組成物10%含有製剤の500倍稀釈液に植物の苗を1〜3時間浸漬する方法などが挙げられる。
この発明の植物病害防除組成物の施用量は、対象病害、対象作物、発生傾向、被害の程度、環境条件、使用する剤型などによって変動するが、サイプレスオイル中に含まれる主成分のシトロネル酸の含有量をもとに設定するのが好ましい。例えば、水で稀釈して使用する場合のシトロネル酸の含有量は1〜2000ppmが好ましく、10〜1500ppmがさらに好ましく、50〜500ppmが特に好ましい。
この発明の植物病害防除組成物または植物病害防除方法において、防除の対象となる病原菌としては、灰色かび病、根腐萎凋病菌病、うどんこ病、炭そ病等の病原菌である。具体的には Botrytis cinerea , B. bassiana, B. byssoidea, B. fabae 等のBotryotinia属、 Fusarium oxysporum, F.avenaceum, F. culmorum 等のFusarium 属、 Colletotrichum orbiculate, C. atramentarium, C.fragariae 等のColletotrichum属等が挙げられる。また、ハダニ、スリップス、アブラムシ類、センチュウ類等の害虫も防除することができる。
この発明によると、灰色かび病菌や根腐萎凋病菌等の植物病原菌に対して、少量の散布で有効にそれらの病原菌の繁殖を抑制するとともに、当該効果が持続する安全性の高い植物病害防除組成物および植物病害防除方法が提供される。特に、この発明の植物病害防除組成物は、灰色かび病菌に対して、低濃度の散布で卓越した発育阻止効果と効果の持続性を発揮することができる。しかも天然由来の成分を含有してなるため、人畜に対する安全性が高くかつ環境汚染等の悪影響が極めて小さく、さらには長期間保存しても安定でその剤型、効果を良好に保持することができるという優れた効果を有する。
以下に試験例、実施例を示し、この発明をさらに詳細に説明するが、この発明はかかる実施例により何ら限定されるものではない。
試験例1(植物病原菌に対する抗菌効果確認試験)
サイプレスオイル((株)マルホンから販売されている製品)の各種病原菌に対する抗菌効果を、ヒバ油と対比させて調べた。抗菌効果の検定対象とした植物病害菌は Botrytis cinereaおよびFusarium oxysporumおよびの2種類とした。これらの植物病害菌に対する抗菌効果の検定は平板稀釈法によって行ない、培地はポテトデキストロース寒天(PDA)平板培地を使用した。なお、種菌は予めPDA培地で前培養した菌糸叢を直径5mmのコルクボーラーで打ち抜き、薬剤所定濃度の薬剤を含有する平板培地中央部に接種し、27℃で3日間培養後の菌叢の成長度合いから、製剤の最小阻止濃度を求めた。表1に各植物病害菌に対する各有効成分の最小生育阻止濃度(MIC、ppm)を示す。
使用した薬剤は以下のとおりである。なお、各組成物に配合されているノニオン界面活性剤はこの試験結果に影響を与えないことを確認した。
サイプレスオイル((株)マルホンから販売されている製品)の各種病原菌に対する抗菌効果を、ヒバ油と対比させて調べた。抗菌効果の検定対象とした植物病害菌は Botrytis cinereaおよびFusarium oxysporumおよびの2種類とした。これらの植物病害菌に対する抗菌効果の検定は平板稀釈法によって行ない、培地はポテトデキストロース寒天(PDA)平板培地を使用した。なお、種菌は予めPDA培地で前培養した菌糸叢を直径5mmのコルクボーラーで打ち抜き、薬剤所定濃度の薬剤を含有する平板培地中央部に接種し、27℃で3日間培養後の菌叢の成長度合いから、製剤の最小阻止濃度を求めた。表1に各植物病害菌に対する各有効成分の最小生育阻止濃度(MIC、ppm)を示す。
使用した薬剤は以下のとおりである。なお、各組成物に配合されているノニオン界面活性剤はこの試験結果に影響を与えないことを確認した。
組成物A:サイプレスオイルのエマルション製剤
サイプレスオイル 5重量部
ノニオン系界面活性剤イオネットT-20C 5重量部
水 90重量部
組成物B:ヒバオイルのエマルション製剤
ヒバオイル(ヒノキチオール約2%含有) 5重量部
ノニオン系界面活性剤イオネットT-20C 5重量部
水 90重量部
サイプレスオイル 5重量部
ノニオン系界面活性剤イオネットT-20C 5重量部
水 90重量部
組成物B:ヒバオイルのエマルション製剤
ヒバオイル(ヒノキチオール約2%含有) 5重量部
ノニオン系界面活性剤イオネットT-20C 5重量部
水 90重量部
試験例2(各精油の揮発性挙動確認試験)
また、直径5cm、高さ3cmの容器に試験例1で使用した純分100%のサイプレスオイル(HCYO)とヒバオイル(ヒノキチオール含有量0:HBO−I)、ヒバオイル(ヒノキチオール約2%含有:HBO−II)、セダーウッドオイル(CWO)を各5グラム添加し、60℃の恒温槽で送風加熱試験をおこなった。精油残存率の経時的変化を表2(グラフ)に示す。
また、直径5cm、高さ3cmの容器に試験例1で使用した純分100%のサイプレスオイル(HCYO)とヒバオイル(ヒノキチオール含有量0:HBO−I)、ヒバオイル(ヒノキチオール約2%含有:HBO−II)、セダーウッドオイル(CWO)を各5グラム添加し、60℃の恒温槽で送風加熱試験をおこなった。精油残存率の経時的変化を表2(グラフ)に示す。
試験例1および2の結果より、土壌に多く生息し、植物の接地部分の病害菌となり得るFusarium oxysporumに対してサイプレスオイルはヒバオイル(ヒノキチオール約2%含有)とほぼ同等の効力値を有すること、ブドウの葉などを病害するBotrytis cinerea に対してはサイプレスオイルはヒバオイル(ヒノキチオール約2%含有)よりも顕著な抗菌活性を有することが示されている。
また、サイプレスオイルはヒバオイルやセダーウッドオイルなどの精油に比べて極めて揮発し難く、したがって残存性が良好なため、その抗菌性と相俟って植物病害菌とくにBotrytis cinerea(灰色かび病菌)に対して優れた防除持続効果を有することが期待される。
また、サイプレスオイルはヒバオイルやセダーウッドオイルなどの精油に比べて極めて揮発し難く、したがって残存性が良好なため、その抗菌性と相俟って植物病害菌とくにBotrytis cinerea(灰色かび病菌)に対して優れた防除持続効果を有することが期待される。
試験例3(安定な乳化液を得るための製剤試験)
試験例1で使用したサイプレスオイル20部にノニオン系界面活性剤(三洋化成工業(株)製、イオネットT-20C(HLB 16.7)30部を撹拌しながら徐々にくわえ,次ぎにグリコール系溶剤20部を添加し均一に混合し、更に水を30部加えて透明な黄色液体を得た。これを、水で逐次稀釈して、各濃度の稀釈液について乳化安定性を観察した結果、散布処理に必要な実用期間中は安定で分離は認められなかった。
試験例1で使用したサイプレスオイル20部にノニオン系界面活性剤(三洋化成工業(株)製、イオネットT-20C(HLB 16.7)30部を撹拌しながら徐々にくわえ,次ぎにグリコール系溶剤20部を添加し均一に混合し、更に水を30部加えて透明な黄色液体を得た。これを、水で逐次稀釈して、各濃度の稀釈液について乳化安定性を観察した結果、散布処理に必要な実用期間中は安定で分離は認められなかった。
試験例4(安定な水可溶化液を得るための製剤試験)
試験例1で使用したサイプレスオイル20部にアルコール系溶剤(MDG:ジエチレングリコールモノメチルエーテルおよび/またはアミノアルコール類を攪拌しながら徐々に加え、次ぎにノニオン系界面活性剤(三洋化成工業(株)製、ナロアクティHN-140(HLB 14.7)を添加し均一に混合し、さらに水を残部加えて透明な黄色液体を得た。調製した製剤例を表2に示す。これを、水で逐次稀釈して、各濃度の稀釈液について溶解状態を観察した結果、散布処理に必要な実用期間中、溶液は透明で分離は認められなかった。
試験例1で使用したサイプレスオイル20部にアルコール系溶剤(MDG:ジエチレングリコールモノメチルエーテルおよび/またはアミノアルコール類を攪拌しながら徐々に加え、次ぎにノニオン系界面活性剤(三洋化成工業(株)製、ナロアクティHN-140(HLB 14.7)を添加し均一に混合し、さらに水を残部加えて透明な黄色液体を得た。調製した製剤例を表2に示す。これを、水で逐次稀釈して、各濃度の稀釈液について溶解状態を観察した結果、散布処理に必要な実用期間中、溶液は透明で分離は認められなかった。
実施例(フィールド試験)
試験例4の製剤例5で調製したサイプレスオイル水溶性製剤を水で200倍に稀釈したものをブドウ畑A地域(約200坪)のブドウ果樹に5月中旬に噴霧器で散布した、この期間灰色かび病、ハダニ、スリップスの発生がかなり見られた。散布後6日目、灰色かび病の拡大は見られなかった。また、散布後3日後、ハダニやスリップスの死骸がみられた。散布14日後、ハダニやスリップスの発生は見られなかった。
試験例4の製剤例5で調製したサイプレスオイル水溶性製剤を水で200倍に稀釈したものをブドウ畑A地域(約200坪)のブドウ果樹に5月中旬に噴霧器で散布した、この期間灰色かび病、ハダニ、スリップスの発生がかなり見られた。散布後6日目、灰色かび病の拡大は見られなかった。また、散布後3日後、ハダニやスリップスの死骸がみられた。散布14日後、ハダニやスリップスの発生は見られなかった。
Claims (5)
- サイプレス材抽出液およびサイプレスオイルからなる群より選ばれた一種またはそれ以上の精油成分を有効成分として含有することを特徴とする植物病害防除組成物。
- さらにHLB 9以上の界面活性剤を含有する請求項1記載の植物病害防除組成物。
- 植物病害が灰色かび病である請求項1または2に記載の植物病害防除組成物。
- 請求項1または2のいずれかに記載の組成物を水で希釈し、対象植物に散布することを特徴とする植物病害防除方法。
- 植物病害が灰色かび病である請求項4記載の植物病害防除方法。
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WO2015072361A1 (ja) | 2013-11-18 | 2015-05-21 | 宇部マテリアルズ株式会社 | 植物病害防除剤及び植物病害防除方法 |
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