JP2005145817A - 水廻り窯業製品の防汚処理方法 - Google Patents

水廻り窯業製品の防汚処理方法 Download PDF

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治幸 水野
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Abstract

【課題】水廻り窯業製品の汚れ防止効果の高い防汚処理方法を提供する。
【解決手段】水廻り窯業製品の処理面に防汚処理剤からなる被膜を形成し、処理面に防汚処理を施す。この際、防汚処理剤として、処理面に存在する水酸基と脱水反応又は脱水素反応により結合するケイ素含有官能基を有するものを採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、家屋の中でトイレ、台所、洗面所等、水を使う箇所で用いられる水廻り窯業製品、例えば水洗式便器、洗面器等に防汚処理を施す方法に関する。
水洗式便器等の水廻り窯業製品は、使用時、水の他に屎尿、石鹸液、洗顔液、洗髪液、口紅、毛染め液等と接触する。このため、かかる窯業製品の内面等には、屎尿等の汚れを容易に除去できるように、ガラス質をなす釉薬層が形成されている。また、近年、これらの汚れに起因するヌメリや尿石の発生を防止すべく、釉薬層にオリゴジナミー効果をもたせる抗菌処理を施すこともなされつつある。さらに、屎尿、石鹸液、洗顔液、洗髪液、毛染め液等は水性であり、これらが使用する水とともに内面等に付着し、その後にこれらが乾燥して汚れとなると考えられたことから、釉薬面を撥水処理し、これらが釉薬面に残留しないようにすることもなされつつある。
しかし、発明者らの試験結果によれば、かかる水廻り窯業製品の汚れは、単に屎尿等が乾燥して釉薬面に残留しているものではなく、釉薬面に存在する水酸基に屎尿等の成分が結合してなることが明らかとなった。そして、その水酸基と屎尿等の成分との結合は、その水酸基と水中の金属イオンとの脱水反応又は脱水素反応による結合を介して行なわれている。かかる金属イオンのうち、特に溶性シリカは、網目構造をなすケイ酸として析出し、汚れを取り込みやすいと考えられる。
実際、発明者らが調査した結果によれば、表1〜4に示すように(数値の単位はppm)、一般的には汚れを有さないと考えられる全国の水道水及び名水であっても、平均10ppm程度の溶性シリカを含んでいる。
Figure 2005145817
Figure 2005145817
Figure 2005145817
Figure 2005145817
こうして、溶性シリカ等の金属イオンを多く含む水を同時に使う水廻り窯業製品にあっては、屎尿等の汚れがこびり付きやすく、その清掃が困難となってしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、水廻り窯業製品の汚れ防止効果の高い防汚処理方法を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の水廻り窯業製品の防汚処理方法は、水廻り窯業製品の処理面に防汚処理剤からなる被膜を形成し、該処理面に防汚処理を施す水廻り窯業製品の防汚処理方法であって、
前記防汚処理剤は、前記処理面に存在する水酸基と脱水反応又は脱水素反応により結合するケイ素含有官能基を有することを特徴とする。
この防汚処理方法では、防汚処理剤がケイ素含有官能基(X−Si−O−)を有し、このケイ素含有官能基が釉薬層等の処理面に存在する水酸基(−OH)と脱水反応又は脱水素反応により結合してその水酸基をシールドする。このため、多くの溶性シリカ等の金属イオンを含む水を使用するとしても、その水酸基はもはや不能化されてそれら金属イオンと結合せず、屎尿等の成分を結合しなくなる。特に、金属イオンとして溶性シリカを含む水を使用しても、網目構造をなすケイ酸として析出せず、又は析出しにくく、汚れを取り込みにくい。こうして、防汚処理剤がこのケイ素含有官能基を有すれば、溶性シリカ等の金属イオンを多く含む水を同時に使う水廻り窯業製品にあって、屎尿等の汚れがこびり付きにくく、その清掃が容易となる。
なお、防汚処理剤のケイ素含有官能基は窯業製品の釉薬層にあるケイ素と同様に高い耐久性を発揮する。
防汚処理剤として、ケイ素含有官能基同士では結合していないものを採用することが好ましい。発明者らの試験結果によれば、これにより耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して効果が高いからである。防汚処理剤のケイ素含有官能基同士が結合しておれば、ケイ素が多くなって被膜に網目構造をなすケイ酸が析出し、そこに汚れが取り込まれやすいと考えられるからである。
また、防汚処理剤としては、ケイ素含有官能基と結合した末端のフッ化炭素基を有するものを採用することが好ましい。発明者らの試験結果によれば、こうしてフッ化炭素基を有すれば、フッ化炭素基の小さな臨界表面張力により、防汚効果が撥水効果としても現れ、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ及び耐アルカリ性に対して効果が高いからである。
フッ化炭素基は−Cn2n+1(nは1≦n≦12の自然数)であることができる。発明者らの試験結果によれば、これによりフッ素数が多く、フルオロシランが嵩高くなるため、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して効果が大きい。
また、防汚処理剤として、ケイ素含有官能基と結合した末端のアルキル基を有さないものを採用することも好ましい。発明者らの試験結果によれば、これにより耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ及び耐アルカリ性に対して効果が大きい。
他方、防汚処理剤として、ケイ素含有官能基と結合した末端のアルキル基を有するものも採用することも好ましい。発明者らの試験結果によれば、こうしてアルキル基を有すれば、アルキル基の大きな臨界表面張力により、防汚効果が耐口紅汚れ、耐摩耗性としても現れるからである。
耐摩耗性の観点からは、アルキル基として、メチル基を採用し得る。他方、耐アルカリの観点からは、アルキル基として、プロピル基又はヘキシル基を採用し得る。発明者らの試験結果によれば、アルキル基がプロピル基、ヘキシル基等であれば、アルキル基が嵩高くなって耐アルカリの点で優れる一方、耐摩耗性の点で劣る。他方、アルキル基がメチル基であれば、耐摩耗性の点で優れる一方、耐アルカリの点で劣る。
防汚処理剤がケイ素含有官能基と結合した末端のフッ化炭素基を有するとともに、ケイ素含有官能基と結合した末端のアルキル基を有する場合、フッ化炭素基よりアルキル基が多いものを採用することが好ましい。発明者らの試験結果によれば、これにより防汚処理剤がパーフルオロアルキルシランだけでなくなり、耐口紅汚れ及び耐摩耗性に対して効果が高い。
他方、防汚処理剤がケイ素含有官能基と結合した末端のフッ化炭素基を有するとともに、ケイ素含有官能基と結合した末端のアルキル基を有する場合、アルキル基よりフッ化炭素基が多いものを採用することも好ましい。発明者らの試験結果によれば、これにより防汚処理剤中のパーフルオロアルキルシランが多くなり、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して効果が高い。
ケイ素含有官能基とアルキル基とはジメチルシロキサン(O−Si(CH32)により結合していることが好ましい。発明者らの試験結果によれば、これにより耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して効果が高い。
このジメチルシロキサンは、直鎖状にケイ素含有官能基とアルキル基とを結合しているものの他、環状にケイ素含有官能基とアルキル基とを結合しているものを採用することが好ましい。発明者らの試験結果によれば、これにより耐水アカ汚れ、耐口紅汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して安定して高い効果を発揮する。
ジメチルシロキサンが直鎖状にケイ素含有官能基とアルキル基とを結合しているものの具体例としては、特開平8−209118号公報記載の第1剤と第2剤とを混合した防汚処理剤を採用することができる。ここで、第1剤はパーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合物と加水分解性基含有メチルポリシロキサン化合物との親水性溶媒中での共加水分解物であり、第2剤オルガノポリシロキサンと強酸との混合物である。より具体的には、第1剤は、C817CH2CH2Si(OCH33と、Si(CH3O)3CH2CH2−(Si(CH32O)10−Si(CH32CH2CH2Si(OCH33とを0.1N塩酸水、t−ブタノール及びヘキサンからなる親水性溶媒中で共加水分解したものであり、第2剤は、HO−(Si(CH32O)30−Si(CH32OHとメタンスルホン酸との混合物がある。
以下、本発明を試験例1〜15及びこれらについての評価に基づいて説明する。
(試験例1)
まず、水洗式便器、洗面器等の表面に釉薬層をもつ水廻り窯業製品を用意し、この窯業製品の内面等の処理面をエタノールによりで洗浄する。
また、防汚処理剤として、第1剤と第2剤とを重量比1:1〜5:1の割合で混合したものを用意する。重量比は第1剤及び第2剤中の成分量によって選択する。
ここで、第1剤は、パーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合物としての
817CH2CH2Si(OCH33
と、加水分解性基含有メチルポリシロキサン化合物としての
Si(CH3O)3CH2CH2−(Si(CH32O)10−Si(CH32CH2CH2Si(OCH33
とを用意し、これらを0.1N塩酸水、t−ブタノール及びヘキサンからなる親水性溶媒中で共加水分解したものである。これにより、
817CH2CH2Si(OCH33
Si(CH3O)3CH2CH2−(Si(CH32O)10−Si(CH32CH2CH2Si(OCH33
とはそれぞれシラノール(Si−OH)基を有するものになると考えられる。
他方、第2剤は、オルガノポリシロキサン(HO−(Si(CH32O)30−Si(CH32OH)と、強酸としてのメタンスルホン酸との混合物である。
これら第1剤と第2剤とを混合すると、共加水分解物のシラノール基はオルガノポリシロキサン及び強酸と反応して脱水反応によりシロキサン結合(Si−O−Si)し、複数の分子が複雑に絡み合った付加化合物になると考えられる。このため、第1剤と第2剤とを混合してなる防汚処理剤は、パーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合物、加水分解性基含有メチルポリシロキサン化合物、オルガノポリシロキサン等の1分子だけから構成されているのではなく、図1(A)に示すように、これら複数の分子が複雑に絡み合った付加化合物、一種のポリマーとして結合されて構成されていると考えられる。
この防汚処理剤をティッシュペーパに染み込ませ、処理面をそのティッシュペーパで約10回擦ることにより、その処理面に防汚処理剤を塗布する。約10分間、処理面に塗布した防汚処理剤を乾燥させる。これにより、付加化合物のシラノール基と窯業製品の表面のシラノール基とが脱水反応によりシロキサン結合(Si−O−Si)し、付加化合物と窯業製品の処理面とが強固に化学結合されると考えられる。この後、処理面に残った未反応の防汚処理剤をエタノールで除去する。
こうして、図1(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成し、処理面に防汚処理を施す。
(試験例2)
図2(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図2(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。なお、防汚処理剤2のC817及びCH3の上方の括弧書きはそれぞれC817基及びCH3基の比率である(以下、同様。)。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例3)
図3(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図3(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例4)
図4(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図4(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例5)
図5(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図5(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例6)
図6(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図6(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例7)
図7(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図7(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例8)
図8(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図8(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例9)
図9(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図9(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例10)
図10(A)に示す2液からなる防汚処理剤2を採用し、図10(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例11)
図11(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図11(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例12)
図12(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図12(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例13)
図13(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図13(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例14)
図14(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図14(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(試験例15)
図15(A)に示す1液の防汚処理剤2を採用し、図15(B)に示すように、窯業製品1の処理面に防汚処理剤2からなる被膜を形成する。他の条件は試験例1と同様である。
(評価)
未処理の窯業製品及び上記試験例1〜15で得られた窯業製品に対し、以下の耐水アカ汚れ試験、耐口紅汚れ試験、耐毛染め液汚れ試験、耐摩耗性試験及び耐アルカリ性試験を行った。
耐水アカ汚れ試験:200ppmのケイ酸ナトリウムを含む水溶液を用意し、70°Cのこの水溶液に約3時間各窯業製品の釉薬層を浸漬する。この後、各窯業製品の喫水部の境界である喫水面に析出したケイ酸を着色する。そして、目視により、最もよいものを○、ややよいものを△、悪いものを×として評価した。
耐口紅汚れ試験:市販の油性の口紅を各窯業製品の釉薬層に塗り付け、48時間放置した後でふき取る。そして、目視により、最もよいものを○、ややよいものを△、悪いものを×として評価した。
耐毛染め液汚れ試験:市販の毛染め液を各窯業製品の釉薬層に塗り付け、48時間放置した後でふき取る。そして、目視により、最もよいものを○、ややよいものを△、悪いものを×として評価した。
耐摩耗性試験:ガーゼを約17g/cm2の荷重で各窯業製品の釉薬層に押し付けつつ、12往復/分の速さで2000回摩耗する。そして、水接触角の変化を調べた。
耐アルカリ性試験:0.05wt%のNaOH水溶液を用意し、この水溶液に24時間各窯業製品の釉薬層を浸漬する。そして、水接触角の変化を調べた。
結果を表5に示す。
Figure 2005145817
表5の試験例1〜15より、防汚処理剤2がケイ素含有官能基を有し、このケイ素含有官能基が釉薬層である処理面に存在する水酸基と脱水反応によりシロキサン結合してその水酸基をシールドすると考えられ、多くの溶性シリカを含む水を使用しても、その水酸基はもはや不能化されてそれら溶性シリカと結合しないと考えられる。このため、網目構造をなすケイ酸が析出せず、又は析出しにくく、汚れを取り込みにくい。こうして、防汚処理剤2がこのケイ素含有官能基を有すれば、溶性シリカを多く含む水を同時に使う水廻り窯業製品にあって、屎尿等の汚れがこびり付きにくく、その清掃が容易となることがわかる。また、防汚処理剤2のケイ素含有官能基は窯業製品の釉薬層にあるケイ素と同様に高い耐久性を発揮する。
また、試験例11〜13より、ケイ素含有官能基同士が結合していた防汚処理剤2を用いれば、ケイ素が多くなって被膜に網目構造をなすケイ酸が析出し、そこに汚れが取り込まれやすいと考えられる。これに対し、他の試験例1〜10、14、15より、ケイ素含有官能基同士では結合していない防汚処理剤2を用いれば、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して効果が高く、好ましいことがわかる。
さらに、試験例1〜8、10〜14より、ケイ素含有官能基と結合した末端のフッ化炭素基を有する防汚処理剤2を用いれば、フッ化炭素基の小さな臨界表面張力により、防汚効果が撥水効果として現れ、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ及び耐アルカリ性に対して好ましいことがわかる。特に、フッ化炭素基が−Cn2n+1(nは1≦n≦12の自然数)であれば、フッ素数が多く、フルオロシランが嵩高くなるため、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して効果が大きい。特に、n=8の−C817がコスト的に好ましい。
また、試験例14、15より、ケイ素含有官能基と結合した末端のアルキル基を有さない防汚処理剤2を用いれば、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ及び耐アルカリ性に対して効果が大きく、好ましいことがわかる。
他方、他の試験例1〜13より、ケイ素含有官能基と結合した末端のアルキル基を有する防汚処理剤2を用いれば、アルキル基の大きな臨界表面張力により、防汚効果が耐口紅汚れ、耐摩耗性として現れて好ましいことがわかる。特に、試験例1〜3、6、10より、耐摩耗性の観点からは、アルキル基として、メチル基を採用し得る。他方、試験例2、3、4〜6より、耐アルカリの観点からは、アルキル基として、プロピル基又はヘキシル基を採用し得る。アルキル基がプロピル基、ヘキシル基等であれば、アルキル基が嵩高くなって耐アルカリの点で優れる一方、耐摩耗性の点で劣り、アルキル基がメチル基であれば、耐摩耗性の点で優れる一方、耐アルカリの点で劣るからである。
また、試験例8より、防汚処理剤2がケイ素含有官能基と結合した末端のフッ化炭素基を有するとともに、ケイ素含有官能基と結合した末端のアルキル基を有する場合、フッ化炭素基よりアルキル基が多いものを採用すれば、防汚処理剤2がパーフルオロアルキルシランだけでなくなり、耐口紅汚れ及び耐摩耗性に対して効果が高いことがわかる。
他方、試験例3、5より、防汚処理剤2がケイ素含有官能基と結合した末端のフッ化炭素基を有するとともに、ケイ素含有官能基と結合した末端のアルキル基を有する場合、アルキル基よりフッ化炭素基が多いものを採用すれば、防汚処理剤2中のパーフルオロアルキルシランが多くなり、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して効果が高いことがわかる。
また、試験例1、10より、ケイ素含有官能基とアルキル基とがジメチルシロキサンにより結合しておれば、耐水アカ汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して効果が高いことがわかる。特に、試験例1ではジメチルシロキサンが直鎖状にケイ素含有官能基とアルキル基とを結合している一方、試験例10ではジメチルシロキサンが環状にケイ素含有官能基とアルキル基とを結合しており、これらは耐水アカ汚れ、耐口紅汚れ、耐毛染め液汚れ、耐摩耗性及び耐アルカリ性に対して安定して高い効果を発揮できることがわかる。
試験例1に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例2に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例3に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例4に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例5に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例6に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例7に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例8に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例9に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例10に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例11に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例12に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例13に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例14に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。 試験例15に係り、(A)は防汚処理剤の化学式であり、(B)はその防汚処理剤からなる被膜の模式構造図である。
符号の説明
1…水廻り窯業製品
2…防汚処理剤、被膜

Claims (14)

  1. 水廻り窯業製品の処理面に防汚処理剤からなる被膜を形成し、該処理面に防汚処理を施す水廻り窯業製品の防汚処理方法であって、
    前記防汚処理剤は、前記処理面に存在する水酸基と脱水反応又は脱水素反応により結合するケイ素含有官能基を有することを特徴とする水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  2. ケイ素含有官能基同士では結合していないことを特徴とする請求項1記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  3. 防汚処理剤は、ケイ素含有官能基と結合した末端のフッ化炭素基を有することを特徴とする請求項1又は2記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  4. フッ化炭素基は−Cn2n+1(nは1≦n≦12の自然数)であることを特徴とする請求項3記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  5. 防汚処理剤は、ケイ素含有官能基と結合した末端のアルキル基を有さないことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  6. 防汚処理剤は、ケイ素含有官能基と結合した末端のアルキル基を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  7. アルキル基はメチル基であることを特徴とする請求項6記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  8. アルキル基はプロピル基又はヘキシル基であることを特徴とする請求項6記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  9. 防汚処理剤は、ケイ素含有官能基と結合した末端のフッ化炭素基を有するとともに、該ケイ素含有官能基と結合した末端のアルキル基を有し、該フッ化炭素基より該アルキル基が多いことを特徴とする請求項1又は2記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  10. 防汚処理剤は、ケイ素含有官能基と結合した末端のフッ化炭素基を有するとともに、該ケイ素含有官能基と結合した末端のアルキル基を有し、該アルキル基より該フッ化炭素基が多いことを特徴とする請求項1又は2記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  11. ケイ素含有官能基とアルキル基とはジメチルシロキサンにより結合していることを特徴とする請求項6記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  12. ジメチルシロキサンは直鎖状にケイ素含有官能基とアルキル基とを結合していることを特徴とする請求項11記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  13. ジメチルシロキサンは環状にケイ素含有官能基とアルキル基とを結合していることを特徴とする請求項11記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
  14. 防汚処理剤は第1剤と第2剤とを混合したものであり、該第1剤はパーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合物と加水分解性基含有メチルポリシロキサン化合物との親水性溶媒中での共加水分解物であり、該第2剤はオルガノポリシロキサンと強酸との混合物であることを特徴とする請求項11又は12記載の水廻り窯業製品の防汚処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013141462A1 (ko) * 2012-03-20 2013-09-26 Park Jung Ho 세척수 절감을 위한 소변기의 내면코팅층 형성방법

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