JP2005145171A - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両が被駆動状態にあるときに、ロックアップクラッチの係合又は半係合を確実に実行可能とする車両用駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン20の出力を制御するエンジン出力制御部52、53と、前記エンジンと駆動輪との間に設けられたロックアップクラッチ31と前記駆動輪との間に設けられ前記駆動輪に伝達される駆動力を低減可能な駆動力低減手段230とを備え、車両が被駆動状態であるとき、又は車両が駆動状態から被駆動状態への過渡時であるときであって、前記ロックアップクラッチが係合又は半係合される場合には、前記ロックアップクラッチが係合又は半係合されない場合に比べて、前記エンジン出力制御部は、前記エンジンの出力が大きくなるように制御し、前記駆動力低減手段は、前記駆動輪に伝達される駆動力を低減させるように作動する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用駆動力制御装置に関し、特に、車両が被駆動状態にあるときに、ロックアップクラッチの係合又は半係合を確実に実行可能とする車両用駆動力制御装置に関する。
図3に示すように、車両の自動変速機の流体継手として用いられるトルクコンバータ21には、ポンプインペラ(エンジン側)24とタービンランナ(変速機側)26との間に、ロックアップクラッチ31と呼ばれる機械式のクラッチが設けられている。所定の車速以上になると、ロックアップクラッチ31をフロントカバー35に押し付け、このとき発生する摩擦力により入力軸(フロントカバー35)と出力軸(タービンランナ26)を締結させて、トルクコンバータ21を介さずに直接動力を伝えることで、自動変速機の伝達効率を高め、燃費を向上させる。
ロックアップしていない解放状態では、油圧制御回路34のオイルポンプから供給される油によってロックアップピストン36の両側の圧力、即ち解放側油室33内の圧力と係合側油室32内の圧力が略同じになっている。
ロックアップの制御機構が作動すると、オイルポンプから供給される油によって係合側油室32内の圧力が解放側油室33内の圧力より高くなり、ロックアップクラッチ31(クラッチフェージング)とフロントカバー35が接続(係合)されロックアップする。
特開平10−184896号公報 特開平7−81460号公報
ところで、ロックアップクラッチは、車両が被駆動状態(パワーオフ状態)のときに、係合され難いという性質がある。ここで、車両の被駆動状態とは、駆動輪からエンジンに向かってトルクが伝達される(エンジンが負トルクを発生する)状態をいう。
ロックアップクラッチは、上記のように、その両側に作用する油圧のバランスにより係合/解放がなされる。図11において、車両の駆動状態(パワーオン状態)では、トルクコンバータ21のトーラスT内の流れは、矢印Y1に示すようになり、フロントカバー35とロックアップピストン36間の流速が大きくなる(圧力のバランスは、ロックアップクラッチ31をフロントカバー35に押す力のバランスと等価である)。
一方、車両の被駆動状態では、トーラスT内の流れは、図11の矢印Y1に示す方向から逆転し(タービン26がポンプ24を駆動する)、フロントカバー35とロックアップピストン36間の流速が十分に得られないため(ロックアップクラッチ31をフロントカバー35に押す力が低下することと等価)、ロックアップクラッチ31の係合が困難となる。
車両が被駆動状態のときに、ロックアップクラッチの係合が確実に行われることが望まれている。車両の被駆動状態において、ロックアップクラッチが係合されると、駆動輪の回転トルクがトルクコンバータを介さずに直接エンジンに伝達され、これにより、エンジン回転数が向上する。そのエンジン回転数の上昇により、フューエルカットが実現され、燃費の向上に寄与するためである。
また、車両が被駆動状態のときに自動変速機の変速が行われると、ロックアップクラッチの係合が困難になる場合がある。例えば、被駆動状態になることによるアップシフト(パワーオフアップシフト)がなされる場合に、その変速が遅れると、ロックアップクラッチの係合が困難になる場合がある。即ち、一般に自動変速機では、所定の低速段は、スロットル弁開度と車速に関わらずロックアップクラッチが解放状態とされると予め設定されているが、そのように設定された低速段から、ロックアップクラッチを係合可能な高速段に、アクセルオフに伴いアップシフトされる場合に、その変速が遅れると、ロックアップクラッチの係合が困難になる。以下にその理由を説明する。
アップシフト時にはエンジン回転数が引き下げられることにより、トルクコンバータに作用するトルクが大きくなり、その分、ロックアップクラッチの係合が困難になる。これが一つ目の理由である。
また、変速に伴う変速ショックやロックアップクラッチの係合に伴うショックの関係から、ロックアップクラッチの係合は、変速動作が完了した後に行われるというシーケンスとされており、そのため、変速の遅れはそのままロックアップクラッチの係合の遅れにつながる。また、ロックアップクラッチの係合に伴うショック対策として、アクセルオフ時に瞬時にロックアップクラッチを係合させるのではなく、係合動作を所定時間かけて行うようにしており、これによりロックアップクラッチの係合時期が遅れる。ここで、一般に、アクセルオフ時のショック対策として、アクセルがオフされても暫くは駆動力を残す制御(急激な動きの変化の緩衝)がなされているが、その緩衝機能がなくなり実質的にも被駆動状態となる時期まで、ロックアップクラッチの係合が遅れると、ロックアップクラッチの係合が困難となる。これが二つ目の理由である。
ところで、上記のように、被駆動状態ではロックアップクラッチの係合が困難であることから、アクセルオフに伴うダウンシフトに関して、以下のような変速段の選択制御(変速マップの設定)がなされる場合があった。
本来、車速等の走行条件によれば、燃費の面で所定の高速段(例えば4速)が選択された方が良い状況を考える。ここで、その高速段(本例では4速)が予めロックアップクラッチが解放状態にされると設定された変速段であるとする。この場合、アクセルオフ時にアクセルオフに伴うダウンシフトがなされる際に、上記被駆動状態時のロックアップクラッチの係合の困難性の理由や、被駆動状態でのダウンシフトの際にロックアップクラッチに作用する解放側への力の影響から、ロックアップクラッチが係合(又は半係合)されずに、ダウンシフト後の変速段(例えば3速)に変速された後でも、ロックアップクラッチが非係合状態のままとなる。これにより、被駆動状態時のロックアップクラッチの係合によるエンジン回転数の上昇効果が得られずに、エンジン回転数が低下する。その結果、フューエルカットの効果が十分に得られない。
そこで、従来は、変速前の高速段(本例では4速)の選択による燃費向上よりも変速後のフューエルカットの効果が大きいことに着目して、アクセルオフ時(ダウンシフト前)の変速段として、アクセルオフにより、ロックアップクラッチが解放状態にされると予め設定された変速段(本例では4速)にアップシフトされ難く(ロックアップクラッチが係合可能な変速段(本例では3速)が選択され易く)なるように、変速マップのアップ点が上側に設定される場合があった。このように、ロックアップクラッチが係合される変速段(低速段)が選択され易くされることで、アクセルオフに伴う被駆動状態となった後も同一のロックアップクラッチが係合される変速段にて継続してロックアップクラッチを係合状態に維持させて、フューエルカットの効果を得ることとしている。
従来の上記のような変速段の選択制御に対し、被駆動状態時におけるロックアップクラッチの係合の困難性が解消されれば、アクセルオフ時の変速段として、走行条件から燃費の面で最適な上記高速段(本例では4速)が選択されることに問題が無くなり、燃費の向上(低速段の使用による燃費損の解消)に役立つ。
なお、上記特許文献1では、ロックアップクラッチが開放状態で、アクセルオフの減速状態に移行したときに、ISCバルブを制御することで、ロックアップクラッチのスリップ制御が行われ、その後、ロックアップクラッチの完全係合が行われるという技術が開示されている。ところが、ISCコントロールバルブを開いても被駆動状態であれば、スリップ制御への移行が上手くいかないという問題がある。また、スリップ制御への移行を実現可能な程度までISCコントロールバルブを開くと、アクセルオフの状態にもかかわらず、車両が駆動状態となり又はアクセルオフに対応する減速加速度が得られなくなり、運転者の走行フィーリングが悪化する場合がある。また、ISCコントロールバルブを開くことで、減速中にトルク変動が発生するため、走行フィーリングが低下するという問題がある。
本発明の目的は、車両が被駆動状態にあるときに、ロックアップクラッチの係合又は半係合を確実に実行可能とする車両用駆動力制御装置を提供することである。
本発明の車両用駆動力制御装置は、エンジンの出力を制御するエンジン出力制御部と、前記エンジンと駆動輪との間に設けられたロックアップクラッチと前記駆動輪との間に設けられ前記駆動輪に伝達される駆動力を低減可能な駆動力低減手段とを備え、車両が被駆動状態であるとき、又は車両が駆動状態から被駆動状態への過渡時であるときであって、前記ロックアップクラッチが係合又は半係合される場合には、前記ロックアップクラッチが係合又は半係合されない場合に比べて、前記エンジン出力制御部は、前記エンジンの出力が大きくなるように制御し、前記駆動力低減手段は、前記駆動輪に伝達される駆動力を低減させるように作動することを特徴としている。
上記本発明では、車両が被駆動状態であるとき、又は車両が駆動状態から被駆動状態への過渡時であるときであって、前記ロックアップクラッチが係合又は半係合される場合には、通常のときに比べて、エンジンの出力が大きくなり、かつ駆動輪に伝達される駆動力が低減される。これにより、エンジンから車両までの動力伝達経路では駆動状態となるので、ロックアップクラッチの係合又は半係合が確実に実行される。上記本発明において、前記エンジン出力制御部では、電子制御スロットルの開度を通常のときと比べて大きくすることによって、エンジンの出力が通常のときよりも大きくなるように制御することができる。
本発明の車両用駆動力制御装置において、前記駆動力低減手段は、変速機の係合要素、ブレーキ、及びモータジェネレータの少なくともいずれか一つであることを特徴としている。
本発明の車両用駆動力制御装置において、更に、前記ロックアップクラッチと前記駆動輪の間にある回転体の回転状態を検出する第1検出部と、前記エンジンの回転状態を検出する第2検出部を備え、前記回転体の回転状態の検出結果及び前記エンジンの回転状態の検出結果に基づいて、前記エンジン出力制御部による前記制御及び前記駆動力低減手段の前記作動を終了することを特徴としている。両方の検出結果に基づいて、ロックアップクラッチが係合又は半係合の状態となったことが検出され、、ロックアップクラッチが係合又は半係合の状態となったときに、前記エンジン出力制御部による前記制御及び前記駆動力低減手段の前記作動を終了することができる。その場合の終了態様は、運転者に違和感を与えないように、制御量又は作動量を漸次減少させることができる。
本発明は、エンジンと、ロックアップクラッチと、ロックアップクラッチと駆動輪との間にあって駆動輪に伝達される駆動力を低減させることが可能な手段(変速機の係合要素、ブレーキ、及びモータジェネレータの少なくともいずれか一つ)を備えた車両の駆動力制御装置において、車両が被駆動状態にあるとき又は駆動状態から被駆動状態への過渡時に前記ロックアップクラッチを係合又は半係合させる必要があるか否かを判断し、前記判断の結果、車両が被駆動状態にあるとき又は駆動状態から被駆動状態への過渡時に前記ロックアップクラッチを係合又は半係合させる必要があると判断されたときに、前記エンジンの出力を通常の被駆動状態又は駆動状態から被駆動状態への過渡時に比べて高い状態にする(電子スロットルを開状態にする、開状態に保つ)エンジン出力制御を行うとともに、前記ロックアップクラッチと前記駆動輪との間にあって前記駆動輪に伝達される駆動力を低減することが可能な手段を作動させる制動力制御を行うことを特徴としている。
上記本発明において、前記ロックアップクラッチと前記駆動輪の間にある回転体の回転状態と、前記エンジンの回転状態に基づいて、前記ロックアップクラッチの係合又は半係合状態を検出し、前記ロックアップクラッチが係合又は半係合状態になったときに、前記エンジン出力制御及び前記制動力制御を終了することを特徴としている。
本発明の車両用駆動力制御装置によれば、車両が被駆動状態にあるときに、ロックアップクラッチの係合又は半係合が確実に実行可能となる。
以下、本発明の車両用駆動力制御装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態の目的は、被駆動状態(パワーオフ状態)において、ロックアップクラッチの係合を確実に行うことである。
本実施形態は、ロックアップクラッチを含むトランスミッションと、ロックアップクラッチの後流側に配置されたモータジェネレータ装置又はブレーキ及びその制御装置と、ロックアップクラッチの上流側の動力源(エンジン)の出力制御装置を有し、被駆動状態又は駆動状態(パワーオン状態)から被駆動状態への過渡状態において、通常のアクセル開度に対応する電子制御スロットル開度以上に電子制御スロットル開度を大きくするとともに、モータジェネレータ回生ブレーキ、ブレーキの作動又はトランスミッションの係合要素の係合による制動力を付加することで、タイヤにおける駆動力特性を大きく変更することなく、ロックアップクラッチの係合を可能とするものである。
図3は、車両用駆動装置のスケルトン図である。エンジン20の動力は、ロックアップクラッチ付トルクコンバータ(流体継手)21、3組の遊星歯車ユニット等から構成された有段自動変速機10、及び図示しない差動歯車装置等を経て駆動輪へ伝達される。
トルクコンバータ21は、エンジン20のクランク軸23と連結されるポンプ(ポンプインペラ)24と、自動変速機10の入力軸25に固定され、ポンプ24とオイルを介して対峙されたタービン(タービンランナ)26と、一方向クラッチ27を介してハウジング28に固定されたステータ29と、ダンパ30を介して入力軸25に連結されたロックアップクラッチ31とを備える。
トルクコンバータ21において、ロックアップピストン36よりも図中右側には、係合側油室32が形成され、また、ロックアップピストン36よりも図中左側には、解放側油室33が形成されている。
油圧制御装置34により、トルクコンバータ21の係合側油室32よりも解放側油室33内の油圧が高められると、ロックアップクラッチ31は解放状態とされオイルを介してポンプ24からタービン26へとトルクが伝達される。
一方、解放側油室33よりも係合側油室32内の油圧が高められると、ロックアップクラッチ31はフロントカバー35に押し付けられて係合状態となり、トルクコンバータ21の入出力部材、即ちクランク軸23及び入力軸25が機械的に直結される。また、解放側油室33と係合側油室32の油圧が適宜のバランスで維持されると、ロックアップクラッチ31はスリップ状態となり、解放と係合の中間の動力伝達状態が形成される。
自動変速機10は、ハイ及びローの2段の切り換えを行う第1変速部320と、後進変速段及び前進4段の切り換えが可能な第2変速部340とを備えている。第1変速部320は、サンギヤS0、リングギヤR0、及びキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0及びリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置360と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0及び一方向クラッチF0と、サンギヤS0及びハウジング380間に設けられたブレーキB0とを備えている。
第2変速部340は、サンギヤS1、リングギヤR1、及びキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1及びリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置400と、サンギヤS2、リングギヤR2、及びキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2及びリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置420と、サンギヤS3、リングギヤR3、及びキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3及びリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置440とを備えている。
サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸120cに連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3及び中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1及びサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1及びサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1及びサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1及びブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1及びサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられる。
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられる。
以上のように構成された自動変速機10では、例えば図4に示す作動表に従って後進1段及び変速比が順次異なる前進5段(1st〜5th)の変速段の何れかに切り換えられる。図4において「○」は係合で、空欄は解放を表し、「◎」はエンジンブレーキ時の係合を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。前記クラッチC0〜C2、及びブレーキB0〜B4は何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
図5に示すように、車両のエンジン20の吸気配管には、電子スロットル弁52が設けられている。アクセルペダル50の操作によって変化するアクセル開度がアクセル開度センサ51によって検出される。制御装置100は、アクセル開度センサ51によって検出されたアクセル開度に基づいて、スロットル弁制御指令SG1をスロットル開度制御装置53に出力する。スロットル開度制御装置53は、スロットル弁制御指令SG1に基づいて、電子スロットル弁52の開度を制御する。
エンジン回転速度センサ54は、エンジン20の回転速度Neを検出し、そのエンジンの回転速度Neを示す信号を制御装置100に出力する。ここで、エンジン回転速度Neは、クランク軸23の回転速度に対応する。
スロットル開度センサ55は、電子スロットル弁52の開度TAを検出し、その検出結果を示す信号を制御装置100に出力する。
車速センサ56は、自動変速機10の出力軸120cの回転速度Noなどから車速Vを検出し、その検出結果を示す信号を制御装置100に出力する。
操作位置センサ57は、自動変速機10のシフトレバーの操作位置を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置100に出力する。
タービン回転速度センサ58は、タービン26の回転速度又はクラッチC0のクラッチドラムの回転速度を検出することによって実質的に入力軸回転速度Ninを検出し、その検出結果を示す信号を制御装置100に出力する。ここで、入力軸回転速度Ninは、入力軸25の回転速度に対応する。
制御装置100は、エンジン20の燃料噴射弁80を閉じることで、フューエルカット制御を行う。フューエルカット制御では、本実施形態のようにアクセル開度が全閉状態とされたときのような被駆動状態(車両の減速走行時)においては、制御装置100は、所定のフューエルカット復帰回転速度よりもエンジン回転速度Neが高い期間において、エンジン20の燃料噴射弁80を閉じる。
本実施形態では、被駆動状態においてロックアップクラッチ31が係合されることにより、駆動輪の回転力(入力軸回転速度Ninに対応)によってエンジン回転速度Neが上昇するため、フューエルカット復帰回転速度よりもエンジン回転速度Neが高い期間を延ばすことができ、燃費の向上に貢献する。
制御装置100は、ロックアップクラッチ31の係合制御及びスリップ制御を実行する。制御装置100のROM79には、自動変速機10の第1変速段(1st)及び第2変速段(2nd)では、スロットル開度TAと車速Vに関わらず、ロックアップクラッチ31が解放状態とされると予め設定されている。また、ROM79には、自動変速機10の第3変速段(3rd)〜第5変速段(5th)では、例えば図7に示すように、スロットル弁開度TAと車速(出力軸回転速度Noに対応)Vに基づいて、ロックアップクラッチ31が解放、スリップ制御及び係合のいずれかが行われる旨が設定されている。
制御装置100は、自動変速機10が第3変速段(3rd)〜第5変速段(5th)にあるときには、図7の関係に基づいて、ロックアップクラッチ31の解放、スリップ制御及び係合のいずれを行うかを決定し、その決定した解放、スリップ制御及び係合のいずれかを示すロックアップクラッチ制御信号SG2を、油圧制御装置34に出力する。
油圧制御装置34は、そのロックアップクラッチ制御信号SG2に基づいて、上記のように、トルクコンバータ21の係合側油室32及び解放側油室33に供給する油圧を制御し、ロックアップクラッチ31に解放、スリップ及び係合のいずれかの状態を生成させる。
上記スリップ制御では、車両の駆動状態において運転性を損なうことなく燃費を可及的に良くすることを目的としてエンジン20の回転変動を吸収しつつ連結させてトルクコンバータ21の回転損失を可及的に抑制するために、ロックアップクラッチ31がスリップ状態に維持される。
また、車両の被駆動状態すなわち減速惰行走行中でも、エンジン回転速度Neをフューエルカット復帰回転速度よりも高めてフューエルカット制御の制御域を拡大したり、大きな減速Gを車両に作用させたりすること等を目的として、ロックアップクラッチ31の減速時係合制御として減速スリップ制御が実行される。この減速スリップ制御は、スロットル弁開度TAが略ゼロであること、車速Vが所定値以上であることなどを条件として実行される。
制御装置100は、ブレーキ(制動力)制御装置230に対して、制動力制御信号SG3を出力する。ブレーキ制御装置230は、制動力制御信号SG3に基づいて、フットブレーキを所定量、所定時間作動させて、車両に所定の減速Gを与える。本実施形態では、ブレーキ制御装置230に代えて、後置式モータジェネレータの回生ブレーキを作動させ、又は自動変速機10の係合要素であるブレーキB3又はB4を係合させる制動力制御装置230を使用することができる。ここで、後置式モータジェネレータの回生ブレーキとは、ロックアップクラッチ31と駆動輪との間に配置されて、駆動輪に伝達される駆動力を低減させることが可能なものである。
本実施形態では、ブレーキ又は回生ブレーキの作動状態若しくは自動変速機の係合要素の係合状態を制御して所定の制動力を与える制動力制御装置230と、電子スロットル装置52、53とを用いて、駆動力特性(タイヤトルクなど)を変更することなく、ロックアップクラッチ31を係合可能な状態とする。この場合、本実施形態において、制動力制御装置230及び電子スロットル装置52、53を用いた制御は、車両が「被駆動状態」のとき、又は、「駆動状態から被駆動状態への過渡時」に行われる。以下、この本実施形態の制御がなされる時期について説明する。
上述のように、車両が被駆動状態にあるとき(エンジン20が負トルクを発生する状態)には、ロックアップクラッチ31の係合が困難である。図6に示すように、T1の時点でアクセル開度が全閉にされると、T1の時点よりも少し遅れてエンジントルクの低下が開始されて、時間の経過とともに低下が進んでT2の時点でゼロになり、そのT2の時点の後は、負トルクが発生する。
ここで、「被駆動状態」とは、T2の時点以降であり、「駆動状態から被駆動状態への過渡時」とは、T1からT2の間である。本実施形態は、「被駆動状態」における、ロックアップクラッチ31の確実な係合を実現するものであるが、ブレーキ等の制御の応答遅れ等を考慮して、「駆動状態から被駆動状態への過渡時」から、制動力制御装置230及び電子スロットル装置52の制御が開始される。
また、「被駆動状態」に移行した後に、ダウンシフト指令が出されて更にエンジンが大きな負トルクを発生する場合(新たにロックアップクラッチ31の係合が困難になる場合)があり、その場合には「被駆動状態」において、制動力制御装置230及び電子スロットル装置52の制御が開始される。
次に、図1を参照して、本実施形態の動作について説明する。図1は、第1実施形態の制御フローを示している。図1の制御フローのデータは、制御装置100のROM79に予め格納されている。
[ステップS1]及び[ステップS2]
ステップS1では、アクセルが全閉か否かが判定される。制御装置100は、アクセル開度センサ51の検出結果に基づいて、アクセルが全閉か否かを判定する。ステップS1の判定の結果、アクセルが全閉である場合(ステップS1−Y)には、ステップS2においてフラグFがチェックされる。
ステップS2において、本制御フローの最初は、フラグF=0であるので、ステップS3に進む。一方、ステップS1の判定の結果、アクセルが全閉ではない場合(ステップS1−N)には、ステップS11に進み、制動力制御装置230及び電子スロットル52の制御が終了/中止される。
[ステップS3]
ステップS3では、ロックアップクラッチ31の係合判断の有無が判定される。ここでは、制御装置100により、ロックアップクラッチ31を係合させるべきか否かが判断される。この判断は、ロックアップクラッチ31を解放するとして予めROM79に設定された変速段(第1変速段及び第2変速段)以外の変速段(第3変速段〜第5変速段)に関して、図5を参照して行われる。
図5に示すように、自動変速機10の出力軸回転速度Noとスロットル弁開度TAに基づいて、ロックアップクラッチ31の状態が解放、スリップ制御、及び係合のいずれかに決定される。一方、ロックアップクラッチ31を解放するとして予め設定された変速段(第1変速段及び第2変速段)に関しては、ステップS3の判定の結果は、否定的なものとなる。
ステップS3の判定の結果、ロックアップクラッチ31の係合判断が有り(係合させるべき)と判定されると(ステップS3−Y)、ステップS4が行われる。一方、ステップS3の判定の結果、ロックアップクラッチ31の係合判断が無し(係合させるべきではない)と判定されると(ステップS3−N)、本制御フローはリセットされる。
[ステップS4]
ステップS4では、ロックアップクラッチ31を係合させる旨の指令が出力される(ステップS4)。このロックアップクラッチ31の係合指令は、ロックアップクラッチ制御信号SG2として、制御装置100から油圧制御装置34に出力される。ステップS4の次にステップS5が行われる。
[ステップS5]
ステップS5では、電子スロットル52の開指令が出力される。即ち、通常のアクセル開度に対応する電子スロットル52の開き量よりも電子スロットル52の開き量を増加させる。制御装置100は、ステップS5の電子スロットル52の開指令をスロットル弁制御指令SG1としてスロットル開度制御装置53に出力する。このステップS5は、ステップS4と同時に実行される。ステップS5に続いてステップS6が行われる。
[ステップS6]
ステップS6では、ステップS5と同時に、上記電子スロットルの開指令(ステップS5)によるタイヤの駆動力の増加分をキャンセルするように、制動力制御装置230により制動力を増加する制御が行われる。制御装置100は、ステップS6において増加させるべき制動力を示す制動力制御信号SG3を、制動力制御装置230に出力する。ステップS6に続いて、ステップS7が実行される。
[ステップS7]及び[ステップS13]
ステップS7では、ロックアップクラッチ31の係合が完了したか否かが判定される。制御装置100は、エンジン回転速度Neと、入力軸回転速度(自動変速機10を構成する回転要素(ATメンバー)の回転速度)Ninとが同じになった時(図2のt5参照)に、ロックアップクラッチ31の係合が完了したと判定する。
ステップS7の判定の結果、ロックアップクラッチ31の係合が完了していない場合(ステップS7−N)には、フラグF=1にセットされ(ステップS13)、その後、本制御フローはリセットされ、ステップS1→S2→S7でロックアップクラッチ31の係合が完了するのを待つ。
このロックアップクラッチ31の係合が完了するまでに、アクセルの全閉状態が解除されれば(アクセルペダル50が踏まれれば)、制動力制御装置230及び電子スロットル52の制御が中止される(ステップS11)。その場合の制動力制御装置230及び電子スロットル52の制御の中止態様は、その制御量を漸次減少させるなどにより、運転者に違和感が生じないようなものとされる。一方、ステップS7の判定の結果、ロックアップクラッチ31の係合が完了したと判定された場合(ステップS7−Y)には、ステップS8に進む。
[ステップS8]
ステップS8では、電子スロットル52の閉指令が出力される。ここでは、電子スロットル52が徐々に(漸次)閉まるような指令が出力される。制御装置100は、ステップS8の電子スロットル52の閉指令を、スロットル弁制御指令SG1として、スロットル開度制御装置53に出力する。ステップS8に次いで、ステップS9が実行される。
[ステップS9]及び[ステップS10]
ステップS9では、制動力制御装置230による制動力を徐々に減少させるような指令が出力される。制御装置100は、ステップS9の制動力漸減指令を制動力制御信号SG3として制動力制御装置230に出力する。ステップS9は、ステップS8と同時に実行される。その後、フラグF=0にセットされた後に、本制御フローはリセットされる。
[ステップS11]及び[ステップS12]
上記のように、アクセルが全閉ではなくなると(ステップS1−N)、ステップS11において、制動力制御装置230及び電子スロットル52の制御が終了される。制動力制御装置230及び電子スロットル52の制御が実行されていない場合には、そのままとされる。ステップS11に次いで、フラグFがF=0にセットされて(ステップS12)、本制御フローはリセットされる。
次に、図2を参照して、本実施形態のロックアップクラッチ31の係合に関する動作について説明する。
図2は、本実施形態を説明するためのタイムチャートである。図2には、エンジン回転速度Ne、自動変速機10の入力回転速度(トルクコンバータ21よりも後流側の自動変速機10に入力される回転数)Nin、アクセル開度、MG回生ブレーキ又はブレーキの制御量、電子スロットル52の開度、変速指令、タイヤトルク、トレーントルクが示されている。
まず、本実施形態による制御がなされないときの従来一般の動作について説明する。
図2に示すように、t1の時点でアクセルがオフにされて、アクセル開度101がゼロになる。電子スロットル52の開度102は、通常一般に、このt1の時点のアクセルオフと略同時に低下され始め、図中破線で示すように、アクセル開度101に比べてやや遅れて全閉となる。この時のタイヤトルク103は、時間の経過にとともに低下し、正の値から負の値に移行する。ここで、タイヤトルク103が正の値のときに車両が駆動状態となり、負の値のときに被駆動状態となる。
図2に示すようなタイヤトルク103の特性において、t2の時点でロックアップクラッチ31の係合判断がなされた場合(ステップS3−Y)には、既に被駆動状態(タイヤトルク103が負:パワーオフ状態)であるため、ロックアップクラッチ31は係合が困難となる。
ロックアップクラッチ31が係合されないと、符号107の二点鎖線で示すように、エンジン回転速度107が低下し、所定のフューエルカット復帰回転速度よりも下回り、フューエルカットが復帰してしまい(フューエルカットされない状態に戻る)、燃費が悪化する。車両の被駆動状態において、ロックアップクラッチ31の係合が困難な状態では、エンジン回転速度Neをフューエルカット復帰回転速度よりも高めてフューエルカット制御の制御域を拡大するようなロックアップクラッチ31の減速スリップ制御の実行が困難となる。そこで、本実施形態では、車両の被駆動状態において、ロックアップクラッチ31を確実に係合させるべく以下に示すような動作が行われる。
以下では、本実施形態の制御が行われたときの動作について説明する。
本実施形態では、上記のケースにおいてt2の時点でロックアップクラッチ31の係合判断がなされ(ステップ3−Y)、ロックアップクラッチ31の係合指令が出力されると(ステップS4)、t2の時点付近において、電子スロットル52の閉動作が途中で停止される(ステップS5、電子スロットル開度102の上記破線と対比される実線参照)。
上記において、t2の時点付近で、電子スロットル52の閉動作が途中で停止されたままでは、タイヤトルク特性103が一点鎖線で示すように、駆動状態側となってしまう(又は、被駆動状態になったとしてもアクセルの全閉状態に対応する減速トルクが十分に得られない)。
そのため、その減速トルクの不足分を補うべく、符号104に示すように、制動力制御装置230により補正制御がなされる(ステップS6)。その補正制御により、タイヤトルク103の特性(駆動力特性)は、電子スロットル52の閉動作が途中で停止されないとき(通常一般の動作時)と同じ状態(実線で示すタイヤトルク103)にすることができ、ドライバビリティに影響を与えない。
この場合、電子スロットル52の閉動作が途中で停止されているので、パワートレーンはパワーオンの状態となる(トレーントルク105は、正の値のままである)。この状態であれば、ロックアップクラッチ31の係合は、問題なく可能である。
符号105の破線は、電子スロットル開度102の閉動作が途中で停止されない場合のトレーントルク105を示しており、ロックアップクラッチ31の係合判断(ステップS3−Y)がなされた時点t2において、トレーントルク105が負の値となっているため、ロックアップクラッチ31の係合が困難となっている。これに対し、本実施形態では、トレーントルク105が負の値とならないように制御することで、ロックアップクラッチ31の係合を問題なく行えるようにしている。
ロックアップクラッチ31の係合は、例えば、上記t2の時点の係合判断(ステップS3−Y)と同時に出力される係合指令(ステップS4)に基づいて、エンジン回転速度107に示すように、t3からt5の時点で行われる。ロックアップクラッチ31の係合に伴い、トルクコンバータ21による駆動輪の回転力(入力回転速度106、Ninに対応する)の伝達ロス(滑り)がなくなる分、t3からt5の時点において、エンジン回転速度107が漸次上昇している。ここで、入力回転速度106は、入力軸25(図3)の回転速度に対応し、エンジン回転速度107は、クランク軸23の回転速度に対応する。
t5の時点でロックアップクラッチ31の係合が完了すると、トルクコンバータ21の入出力部材が機械的に直結するので、入力回転速度106とエンジン回転速度107とが一致する。
t4の時点において、入力回転速度106とエンジン回転速度107との関係に基づいて、ロックアップクラッチ31の係合完了の直前を検出する(ステップS7−Y)と、t5の時点以降から電子スロットル開度102及び制動力104を漸次低減させる(ステップS8及びステップS9)。
以上述べたように、本実施形態によれば、車両の被駆動状態又は、駆動状態から被駆動状態への過渡時であっても、ロックアップクラッチ31の係合が可能となり、減速時のフューエルカットが有効に実現され、燃費が向上する。
(第2実施形態)
次に、図8及び図9を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態において、上記実施形態と共通する部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
上記第1実施形態では、ロックアップクラッチ31が係合状態とされた場合について説明したが、第2実施形態では、ロックアップクラッチ31がスリップ状態(半係合)とされる場合について説明する。
図8に示す第2実施形態の制御フローでは、図1に示した第1実施形態の制御フローのステップS3、ステップS4及びステップS7において、それぞれ「係合」とあるのが、「半係合」に変更されている。それ以外は、第1実施形態の制御フローと共通である。
図9は、第2実施形態のタイムチャートを示している。図3では、エンジン回転速度107と入力回転速度106の関係のみが図2と相違している。第2実施形態のように、ロックアップクラッチ31が半係合にされる場合には、半係合が完了された後(ステップS7、t5以降)に、入力回転速度106よりも例えば約50[rpm]だけエンジン回転速度107が下回った状態で維持される。t1にてアクセルがオフにされて車両が被駆動状態であるので、エンジン回転速度107よりも入力回転速度106の方が大きい。
第2実施形態によれば、車両の被駆動状態又は、駆動状態から被駆動状態への過渡時であっても、ロックアップクラッチ31の半係合(スリップ状態)が可能となり、減速時のフューエルカットが有効に実現され、燃費が向上する。
(第3実施形態)
次に、図10を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態において、上記各実施形態と共通する部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態は、車両の被駆動状態又は駆動状態から被駆動状態への過渡時に変速が行われる際に、ロックアップクラッチの係合を確実に行うものである。図7を参照して、第3実施形態の制御フローについて説明する。
上記第1実施形態と同様に、まず、アクセルが全閉か否かが判定され(ステップS1)、全閉であれば(ステップS1−Y)、フラグFがチェックされる(ステップS2)。フラグFは最初はゼロであるため、ステップS3が行われる。
[ステップS3]
ステップS3では、制御装置100により、ROM79に格納された変速マップ(図示せず)に従い、車速Vとスロットル開度TAに基づいて、ダウンシフトを行うか否かが判定される。制御装置100は、ステップS3の判定の結果、ダウンシフトを行うと判断したとき(ステップS3−Y)には、ステップS4を行い、ダウンシフトを行わないと判断したとき(ステップS3−N)には、ステップS4をパスしてステップS5を行う。
[ステップS4]
ステップS4において、制御装置100は、油圧制御装置34にダウンシフト指令を出力する。油圧制御装置34では、ダウンシフト指令によって指示された変速段に変速すべく、図4に示すような自動変速機10の係合要素等の係合/解放を行うための油圧の制御を行う。ステップS4の次に、ステップS5が行われる。
ステップS5及びステップS6は、図1のステップS3及びステップS4と共通である。なお、ステップS5、ステップS6及びステップS12の括弧に示されるように、本制御フローは、係合・半係合の場合に共通に実施されることができる。
第3実施形態では、ステップS3からステップS6に示すように、ロックアップクラッチ31の係合の動作(ステップS5及びステップS6)の前に、ダウンシフトの動作(ステップS3及びステップS4)が行われる。一般に、ロックアップクラッチ31の係合指令から係合開始までの時間が長いので、第3実施形態では、ダウンシフトを行った後に、ロックアップクラッチ31の係合を開始させるものとする(ステップS3からステップS6)。
これは、ロックアップクラッチ31の係合動作を制御すること(例えば、係合指令を受けてから所定時間経過後に係合を開始するなど)によって実現可能である。また、このようなロックアップクラッチ31の係合制御に代えて、変速指令(ステップS4)の後、所定時間経過後に、係合指令(ステップS6)を出力させることでも実現することができる。
[ステップS7]
ステップS7では、非変速又は変速が完了したか否かが判定される。その判定の結果、未完了であれば(ステップS7−N)、フラグFが1にセットされ(ステップS15)、完了するまで待つ(ステップS2→ステップS7)。完了したら、ステップS8が行われる。
ステップスS8からステップS11は、図1のステップS3からステップS9と共通である。ステップS11の次に、ステップS12が行われる。
[ステップS12]
上記ステップS6において、ロックアップクラッチ31の半係合指令が出力された場合には、ステップS12として、ロックアップクラッチ31の半係合制御(スリップ制御)が行われる。即ち、ロックアップクラッチ31の半係合に際しては、上記のように、入力回転速度106とエンジン回転速度107とが所定の回転速度(上記例では50[rpm])で保持されるように、フィードバック制御が行われる。
第3実施形態によれば、上記した従来のような変速段の選択制御に関し、アクセルオフ時の変速段として、走行条件から燃費の面で最適な上記高速段(上記例では4速)が選択され易いような変速マップの設定が可能となり、かつ、アクセルオフにより車両が被駆動状態にされた状態で、アクセルオフに伴うダウンシフトが行われ、そのダウンシフト後の変速段(上記例では3速)において、ロックアップクラッチを確実に係合させることができる。
第3実施形態では、パワーオフ状態とされることに伴い、ダウンシフトがなされる際にロックアップクラッチを(半)係合させる場合について説明したが、パワーオフ状態とされることに伴い、アップシフトがなされる際にロックアップクラッチを(半)係合させる場合についても、同様の制御フローで、確実なロックアップクラッチの(半)係合が可能となる。
以上のように、本実施形態では、被駆動状態において、タイヤトルク(車両全体)は被駆動状態に保持しつつ、パワートレーン(トレーントルク)を(仮想的に)駆動状態(パワーオン状態)とするものである。これにより、ドライバビリティの悪化を抑制しつつ、ロックアップクラッチを確実に係合可能とする。
アクセルオフ時にパワートレーンを駆動状態にするために、電子スロットルが開状態に制御される。タイヤ側を被駆動状態とするために、フットブレーキ、後置式モータジェネレータの回生ブレーキ、又は自動変速機の係合要素であるブレーキが作動されて制動力が加えられる。
本実施形態のように、所定段(上記例では3速)以上でロックアップクラッチの係合又は半係合が行われる場合、アクセルオフに伴うアップシフト(パワーオフアップ)のとき又はその後においては、車両が被駆動状態(パワーオフ状態)になっているので、従来は、ロックアップクラッチの係合又は半係合が困難であったが、本実施形態では、このような場合にも問題なくロックアップクラッチの係合又は半係合を行うことができる。
一般に、変速が行われる際には、エンジンにイナーシャトルクを超える負荷が作用するので、係合状態又は半係合状態にあるロックアップクラッチに対し、解放側の力が作用する。車両が駆動状態にあるときには、アップシフトの際に上記ロックアップクラッチへの解放側の力が作用する。車両が被駆動状態にあるときには、ダウンシフトの際に上記ロックアップクラッチへの解放側の力が作用する。
車両が被駆動状態にあるときにダウンシフトが行われると、エンジン回転速度Neが引き上げられ、ロックアップクラッチに解放側への力が大きく作用する。
アクセルオフに伴う車両の被駆動状態におけるダウンシフトが行われて、ロックアップクラッチに解放側への力が作用する場合、従来は、その解放側への力に抗して、ロックアップクラッチの係合状態又は半係合状態の維持又は復帰を行うために、正のエンジントルクが発生させて車両を駆動状態にする制御を行うことで、係合状態又は半係合状態の維持又は復帰を行うことが考えられていた。これに対し、本実施形態によれば、アクセルオフに伴う車両の被駆動状態におけるダウンシフトが行われて、ロックアップクラッチに解放側への力が作用した場合には、車両が被駆動状態のままで、問題なくロックアップクラッチの係合状態又は半係合状態の維持又は復帰が行われることができる。
上記各実施形態では、変速機は、有段の自動変速機10として説明したが無段変速機であってもよい。
本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の動作を示すタイムチャートである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態が適用されるロックアップクラッチ、トルクコンバータ、及び自動変速機を示す構成図である。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態が適用される自動変速機の作動表を示す図である。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態の動作時を説明するための説明図である。 本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施形態のロックアップクラッチの係合、スリップ、解放領域を示すグラフである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第2実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第2実施形態の動作を示すタイムチャートである。 本発明の車両用駆動力制御装置の第3実施形態の制御方法を示すフローチャートである。 従来一般の車両の駆動時におけるロックアップクラッチの状態を説明するための説明図である。
符号の説明
10 自動変速機
20 エンジン
21 トルクコンバータ
23 クランク軸
24 ポンプ
25 入力軸
26 タービン
31 ロックアップクラッチ
32 係合側油室
33 解放側油室
34 油圧制御装置
35 フロントカバー
36 ロックアップピストン
50 アクセルペダル
51 アクセル開度センサ
52 電子スロットル
53 スロットル開度制御装置
54 エンジン回転速度センサ
55 スロットル開度センサ
56 車速センサ
58 タービン回転速度センサ
79 ROM
80 燃料噴射弁
100 制御装置
120c 出力軸
230 制動力制御装置
C0〜C2 クラッチ
B0〜B4 ブレーキ
Ne エンジン回転速度
Ni 入力軸回転速度
No 出力軸の回転速度
SG1 スロットル弁制御指令
SG2 ロックアップクラッチ制御信号
SG3 制動力制御信号
T トーラス
TA スロットル開度
V 車速

Claims (3)

  1. エンジンの出力を制御するエンジン出力制御部と、
    前記エンジンと駆動輪との間に設けられたロックアップクラッチと前記駆動輪との間に設けられ前記駆動輪に伝達される駆動力を低減可能な駆動力低減手段とを備え、
    車両が被駆動状態であるとき、又は車両が駆動状態から被駆動状態への過渡時であるときであって、前記ロックアップクラッチが係合又は半係合される場合には、前記ロックアップクラッチが係合又は半係合されない場合に比べて、前記エンジン出力制御部は、前記エンジンの出力が大きくなるように制御し、前記駆動力低減手段は、前記駆動輪に伝達される駆動力を低減させるように作動する
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  2. 請求項1記載の車両用駆動力制御装置において、
    前記駆動力低減手段は、変速機の係合要素、ブレーキ、及びモータジェネレータの少なくともいずれか一つである
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用駆動力制御装置において、
    更に、
    前記ロックアップクラッチと前記駆動輪の間にある回転体の回転状態を検出する第1検出部と、
    前記エンジンの回転状態を検出する第2検出部を備え、
    前記回転体の回転状態の検出結果及び前記エンジンの回転状態の検出結果に基づいて、前記エンジン出力制御部による前記制御及び前記駆動力低減手段の前記作動を終了する
    ことを特徴とする車両用駆動力制御装置。
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