JP2005144641A - 放電加工方法および放電加工装置 - Google Patents

放電加工方法および放電加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電極の種々の形状と加工深さに応じた最適のジャンプ動作で放電加工行なうことにより加工効率を向上させる。
【解決手段】電極形状に関する特徴から電極形状を識別する識別手法を用いて、CAD装置で設計された電極モデルのデータが、どの電極形状の分類に属するかを識別し、さらに、電極モデルデータから所定加工深さごとの加工面積を求めて、複数の電極形状に対して加工面積と加工深さを関連付けてジャンプの設定が記憶されているジャンプ設定データベースに基づいて、求めた加工面積に応じた加工深さに対するジャンプ設定値を決定して、該ジャンプ設定データを用いて加工の進行に伴なってジャンプ設定を切換えながら放電加工を行なう。
【選択図】 図1

Description

本発明は、3次元形状の電極を被加工物に対してジャンプ動作させつつ放電加工を行なう放電加工方法と装置に関し、とくに、加工の進行に伴なう加工深さと加工形状の変化に応じた最適なジャンプ動作条件で加工が行える放電加工方法及び放電加工装置に関する。
一般に、工具電極と被加工物とを所定の間隔をおいて対向配置し、電極と被加工物の両極に放電電圧を印加して前記極間に放電を発生させると共に電極と被加工物とを相対移動させて被加工物に加工を施し、所望の形状に加工するようにした放電加工装置が知られている。放電加工では、加工の進行に従って、電極は徐々に降下されるが、加工に際しては工具電極はサーボ制御、揺動制御、及び加工屑を排除するため、放電加工のサーボ動作とは独立して電極と被加工物を開離させる動作(以下、ジャンプ動作)の制御が行なわれるのが一般的である。そして、ジャンプ動作の設定は、例えば設定された上昇時間、下降時間及び速度あるいは距離で行なわれる。
このジャンプ動作の設定及び制御の態様としては、既に多種多様なものがあり、その代表的なものとしては、ジャンプ動作の繰り返し周期とストローク(ジャンプ量、即ち開離距離)を作業者が選択設定し、必要に応じて作業者が切換える態様のものが知られており、これを始めとして、各種の自動化を図ったものがある。
例えば、特許文献1に示されるように、大小複数のジャンプ距離と近接時の加工時間(周期)とを組合わせたジャンプ条件の切換条件テーブルを用意しておき、放電加工の進行にともなう加工穴の深さの増大、加工時間の経過による加工間隙における加工状態の悪化に対応し、ジャンプ動作の開離距離を長く増大させると共に、近接時の近接加工時間を短かく減少させる切換えを行なうものがある。
また、近年、熟練作業者が経験に基づいて行なうジャンプ周期とジャンプ距離の調整手法を取入れ、放電加工間隙から検出した電圧、電流の値やその波形特徴から、放電加工状態の安定度とその変化率を算出し、この安定度と安定度の変化率とからファジィ推論によりジャンプ周期の増分とジャンプ動作による電極の開離距離の増分とを出力して、ジャンプの周期と距離とを変更制御するもの(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
上述のように加工間隙の状態を検出して、その状態に応じてジャンプ周期とジャンプ距離を最適な値に常に制御する構成のほか、特許文献3に提案されるような加工条件の一部としてジャンプ動作の設定を行なうものがある。特許文献3に示された放電加工装置では、加工電極の形状及び材質、被加工物の材質、加工深さ、加工面粗度に関する項目を含む加工情報の組み合せと、その組合せに適した加工条件とを対応させるデータベースを作成しておき、加工情報の各項目を入力すると、加工情報の各項目の組合せに応じて適した加工条件をデータベースの加工条件テーブルの中から選択する。そして、選択した電気的加工条件とその条件に適したジャンプ条件を含む加工条件が、数値制御装置により設定されて放電加工が行なわれる構成となっている。
上述のように従来のジャンプ条件の設定方式は、大別すると特許文献1及び2に示されたような加工間隙の状態に応答してジャンプの周期と開離距離等を設定あるいは変更制御する方式のものと、特許文献3に示されるように、ジャンプ条件設定を加工条件としてデータベースにしておき、加工形態に関する情報をもとにその加工に適したジャンプ条件を選択して予め設定する方式のものがある。
特公昭54−7998号号公報 特開平6−170645号公報 特開2001−38530号公報
ところで、放電加工中に於けるジャンプ動作は、電極形状や被加工物の形状、設定されている電気的加工条件、現在加工深さ、加工面積、加工液の加工間隙への供給条件及び設定加工間隙維持のサーボ制御条件等によって、ジャンプの開離距離、近接時の加工時間又は周期、往復運動の速度、特に開離時や近接時の送り速度等の夫々の値及びそれらを組み合わせた時の各値に特有の適値がある。したがって、最適値の調整設定は殆んど困難で、また、仮りに或る程度の調整設定が出来たとしても、加工の進行により加工穴の深さや加工面積及び加工形状等が変化すると、上記各ジャンプ条件の値の適値が変化する。
このことは、上述の前者の従来技術に当る、加工間隙の状態に応じてジャンプの設定を変更制御する方式を採用すると問題とならないかのように考えられているが、実際には放電加工では、原理的に加工屑が加工穴の外に排出されない限り加工は進行しないし、加工は安定しない。つまり、従来の加工間隙状態追随型のジャンプ設定制御方式では、加工屑が加工穴に滞留することにより生じる加工状態の悪化を検出してから、その状態を改善するためジャンプ動作を制御することになるから、加工屑を有効に排除できるジャンプ設定が行われているとはいえない。そして、加工状態が悪化すると異常放電を避けるために、他の制御、例えば、加工電流パルス間の休止幅を長く延す制御や加工電流パルスエネルギーを減少させる制御などが同時に働く。そして、これらの制御は、加工状態の悪化を、加工量を減らす方向に常に制御して、加工間隙の状態を改善しようとするものであるから、当然加工速度が遅くなる。
また、このジャンプ動作の制御方式では、加工屑の加工間隙からの排出が適切に行なわれなくなった状態を検出してからジャンプ動作により加工屑を排除しようとするために、どうしても過度なジャンプ動作が行なわれることになる。また、溜まっていた加工屑が排出でき加工状態が改善されても、すぐに元の状態に戻すと同じ加工状態に陥る虞があるため、どうしても安全サイドの制御が行なわれ必要以上に加工している時間が短くなってしまうことになる。この傾向は、加工深さが深くなるにつれてさらに顕著になる。
また、後者の従来技術のように、電極形状及び材質、被加工物の材質、加工深さ加工面粗さなどの加工情報から、その加工に適したジャンプ条件をデータベースから選んで設定すれば、より所望の加工形態に適したジャンプ動作の設定を行なうことができるようになる。しかし、放電加工に用いられる電極形状は多種多様なものがあり、後者の従来技術の場合では大体の電極形状にあったジャンプ動作をデータテーブルから選択して設定しているので、放電加工の進行に伴って変化していく、実際に加工している形状、加工深さ、加工面積等に応じたジャンプの開離距離、近接時の加工時間又は周期、往復運動の速度などを設定することはできないから、実際の加工においては、加工中にアーク放電が発生せず、電極・被加工物にオシャカを生じさせないように安全サイドの条件の選択設定が行なわれることになる。このため平均加工速度が設定加工条件による推定又は理論的加工速度からどうしても低下したものとならざるを得ない。
このように従来の技術では、ジャンプ動作の設定を加工間隙の状態に基づいて判断してジャンプ動作を変更制御するか、あるいは、大体の加工形状あるいは電極形状に対応したジャンプ条件をデータベースから呼出して使用するもので、加工の進行に伴なって刻々と変化する実際に加工している形状に対応した最適なジャンプ条件が設定される構成となっているとはいえない。
本発明は、上記従来技術の欠点を解決すべくなされたもので、本発明の目的は、放電加工中のジャンプ動作を、加工の進行に伴って変化する実際の加工形状、加工深さ、或は加工面積等に応じた最適なジャンプ動作を予め設定することにより、常に加工屑の排出が良好に行なわれ続けるようにして、加工効率を向上させることにより、加工時間を短縮することができる放電加工方法と放電加工装置を提供することにある。さらに、本発明の目的は、電極形状等に適したジャンプ設定で加工が行われているにもかかわらず、万一、何らかの理由で加工状態が悪化した場合においても、予め設定された範囲で実行中のジャンプ動作を変更制御して加工効率を従来の装置のように低下させることなく放電加工を行なうことができる放電加工方法と装置を提供することにある。
本発明は、リレーショナルデータベース構造のCAD装置で設計された電極モデルに関するCADデータ(電極のソリッドモデルデータ)を、その形状に関する特徴から電極形状を識別する識別手法を用いて、前記電極モデルによる加工がどの電極形状分類(又は加工タイプの分類)に属するかを識別する。そして、その電極モデルにより加工を行なった場合の所定深さごとの加工断面面積(又は加工体積)を求めて、複数の電極形状分類に対して加工面積ごとに用意された加工深さに対するジャンプ設定のデータベースをもとに、求めた加工面積に対応するデータベースから加工深さに応じたジャンプ設定値を決定する。そして、該決定されたジャンプ設定データを用いて加工の進行に伴なってジャンプ設定を切換えながら放電加工を行なうようにしたものであり、また、所定の範囲内で前記設定されたジャンプ設定を変更制御できる構成を付加して、万一の加工状態の悪化にも対応し得るように構成したものである。
そして、請求項1に記載の本発明の方法は、上記目的を達成するために、三次元形状の形彫電極をジャンプ動作させながら被加工物を放電加工する放電加工方法において、CAD装置で設計された前記電極のモデルデータをもとに、電極形状の識別手法を用いて前記電極形状に関する特徴から電極形状を分類するステップ、前記電極により加工を行なった時の所定深さごとの加工面積を求めるステップ、複数の電極形状に対して加工深さに関連付けたジャンプ設定データが格納されているデータベースから、前記分類された電極形状に一致するデータベースを選択して、前記求められた加工面積に対応するジャンプ設定データを基に前記所定深さごとのジャンプ設定を決定するステップからなり、前記決定されたジャンプ設定を用いて加工の進行に伴なってジャンプ設定を切換えながら加工を行なう放電加工方法を特徴とするものである。
また、好ましくは、加工間隙の状態を検出し、加工間隙状態の悪化が検出された時には、予め設定された範囲で、加工時間を短くあるいはジャンプ距離を大きくするようにジャンプ動作条件を変更制御しながら放電加工を行なうことに特徴を有する放電加工方法である。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の本発明の放電加工装置は、形彫電極をジャンプ動作させながら被加工物を放電加工する放電加工装置において、CAD装置で設計された電極モデルに関するCADデータを取り込む手段と、CADデータ解析手段と、電極形状に関する特徴から電極形状を識別する識別手法が格納されている記憶装置と、前記識別手法を用いて前記CADデータの電極による加工がどの電極形状に属するかを識別する電極形状識別手段と、前記CADデータの電極形状による加工における所定深さごとの加工面積を求める加工面積演算手段と、複数の電極形状に対して加工面積に応じた加工深さに対するジャンプ設定データが格納されているジャンプ設定データベースと、識別された前記電極形状のジャンプ設定データを用いて、所定の加工深さごとにジャンプ動作の設定値を決定し出力するジャンプ設定手段とを有し、前記設定値をもとに加工の進行に伴なってジャンプ設定を切換えながら加工を行なうように構成したものである。
本発明は、上記目的を達成するために、形彫電極をジャンプ動作させながら被加工物を放電加工する放電加工装置において、CAD装置で設計された電極モデルに関するCADデータを取り込む手段と、CADデータ解析手段と、電極形状に関する特徴から電極形状を識別する識別手法が格納されている記憶装置と、前記識別手法を用いて前記CADデータの電極による加工がどの電極形状に属するかを識別する電極形状識別手段と、前記CADデータの電極形状による加工における所定深さごとの加工面積を求める加工面積演算手段と、複数の電極形状に対して加工面積に応じた加工深さに対するジャンプ設定データが格納されているジャンプ設定データベースと、識別された前記電極形状のジャンプ設定データを用いて、所定の加工深さごとにジャンプ動作の設定値を決定し出力するジャンプ設定手段と、加工間隙の状態を検出して加工状態が悪化しているとき出力信号を発生する加工間隙検出手段と、前記加工間隙検出手段の出力に応答して前記ジャンプ動作の設定値を予め決められた範囲で変更する設定値変更手段とを有し、前記設定値又は変更された設定値に基づいて、加工の進行に伴なってジャンプ動作を変更制御しながら加工を行なう放電加工装置とした。
本発明の放電加工方法によれば、既にCAD装置で設計された電極モデルのデータから電極形状を識別して形状の分類を特定することで、その電極形状に最も適したデータベースを用いることが可能になるばかりではなく、さらに加工の進行に応じて刻々と変化する加工面積に対応し、かつ、加工深さに応じた最適のジャンプ設定値が決定されるので、加工の進行に伴なった最も適切なジャンプ動作が行なわれ常に良好に加工チップの排除行なわれるため、加工効率を向上させることができる。また、従来のジャンプ制御のように加工間隙の状態が悪化してから変更制御するものではないから、加工効率を低下させる他の制御が働くことが極めて少なく、常に最も加工効率の良い加工間隙状態で放電加工をおこなうことができる。また、万一、加工間隙の状態が何らかの理由により悪化した場合でも、予め設定されている範囲内でチップ排除効果を高めるジャンプ設定値に変更されるので、必要以上に加工効率を低下させることなく加工を行なうことができるという効果を奏する。
また、本発明の放電加工装置によれば、すでに電極製作用に準備された電極モデルのCADデータ(ソリッドモデルデータ)を取り込む手段を用意し、電極形状に関する特徴から電極形状を識別する識別手法が格納されている記憶装置から識別手法を呼び出して、前記識別手法を用いて前記CADデータの電極による加工がどの電極形状(又は形状分類)に属するかを識別する電極形状識別手段とを有しており、電極形状の分類がより正確に行われる。また、前記CADデータの電極形状による加工における所定深さごとの加工面積を求める加工面積演算手段を有しており、所定深さごとの加工面積の変化が正確に演算される。そして、複数の電極形状に対して前記加工面積に応じた加工深さに対するジャンプ設定データが格納されているジャンプ設定データベースが用意されていて、電極の形状のみならず加工深さと面積変化に対応するジャンプ設定が、正確に行われるため、加工間隙は常に最良の状態に維持され、加工速度を遅くする制御がほとんど働くことがない。したがって最も効率的な加工が行なわれ加工速度が向上する。
さらに、本発明の放電加工装置に、加工間隙検出装置を設けその出力により所定範囲でジャンプ動作を変更制御できる構成としたときは、万一、何らかの原因で加工間隙が悪化した時だけ、加工屑の排出効率を高めるよう制御されるので、必要以上にジャンプ動作が安全サイドで行なわれることがなく加工効率を従来のように低下させることがない。
図1に、本発明の最良の実施の形態を示す放電加工装置の全体構成を示す。
本発明の放電加工装置において、三次元形状を有する形彫電極1が、Z軸加工ヘッド部10を構成するクイル12の下端に設けられた電極保持部材に取付けられている。形彫電極1のZ軸方向にサーボ動作及びジャンプ動作を可能にするため、クイル12が、加工ヘッド部10内に設けられた図示していない直線案内装置により昇降自在に案内されている。クイル12の向い合う2側面には、複数個の永久磁石を列設した磁石板13が取付けられ、クイル12と磁石板が一体となってリニアモータの可動子となるよう構成されている。磁石板13と微小な間隔を隔てて2つのリニアモータの電機子11がそれぞれの磁石板13と対向配置するように加工ヘッド10のハウジングに固定されており、電機子11と磁石板3からなるリニアモータは、リニアモータ駆動部14により駆動制御される。
加工テーブル3には加工液を貯留するための加工槽が設けられ、図示していないリニアモータによりX、Y軸方向に位置決め制御可能な構成となっている。被加工物2は加工テーブル3に載置されており、放電電源装置20から電気パルスエネルギーを供給する出力線が被加工物2と形彫電極1のそれぞれに接続されている。また、放電加工中の加工状態を監視する加工間隙検出部21は、加工間隙の状態を検出するため、放電加工の平均加工電圧、加工放電パルスの電圧値や電流値、放電電圧が印加されてから放電が発生するまでの放電遅延時間などを検出する回路が設けられており、この加工間隙検出部21で検出された検出値あるいは検出値と評価値を比較して出力される評価信号は、サーボ動作の制御や加工状態が悪化した場合の放電休止時間や放電電流の減少制御などの放電加工パルスの制御などにも用いられる。本発明の構成においてもこの従来用いられている加工間隙検出部21を用いることができる。
ジャンプ変更制御部22は、従来の放電加工機におけるジャンプ動作制御部に相当する部分で、設定されたジャンプ動作の上昇あるいは下降時間及びジャンプ速度などに基づき、ジャンプ動作指令をリニアモータ駆動部14に出力する。本発明のジャンプ変更制御部22は、加工間隙検出部21から出力される加工状態の悪化を示す信号が出力されている期間、予め設定されている長さの時間だけ、(例えば、10%から20%程度の範囲で)加工時間を短縮及び/あるいは上昇時間を増加させる追加的な制御を行なう部分が付加されている。このような設定は、通常より過酷な加工設定条件、例えば、通常設定される放電パルスの休止時間より短めに設定するかあるいは平均加工電圧が低めになるサーボ電圧設定をした状態で放電加工を行ない、その環境下でジャンプ動作により放電加工状態の悪化を解消できる設定を実験などで検証することで容易に所定の範囲は見つけることができる。
また、加工状態を評価する手法としては、検出された平均加工電圧と基準値を比較して検出値が基準値以下のときに加工状態の悪化と判断する方法や、本出願人が特許文献2にて提案した、放電加工パルス波形の理論値データを加工条件に従つて計算し、測定された実際の放電加工パルス波形に関する実際値データと理論値データとを比較して得た加工間隙の状態の評価値により判断する方法などが採用できる。
電極形状識別部30、形状識別手法記憶部31、ジャンプ設定部32、ジャンプ設定データベース33及びジャンプ設定記憶部34は、CADデータ解析部40と加工面積演算部41と共に動作する本発明の主要部で、CAD装置で設計された電極の3次元モデルのデータをもとにその形状の特徴から加工形状を識別すると共に、その形状の電極で加工した場合の加工面積の変化に応じたジャンプ設定を所定深さ毎に求める一連の動作を行なう部分である。
また、CADデータ解析部40は、形彫電極のソリッドモデルのCADデータを取り込んで、その電極モデルのCADデータから電極形状を識別する情報を電極形状識別部30の要求により提供する。CADデータ解析部40は、一般に市販されているCADソフトウエアの機能のうち設計に関する機能やソリッドモデルのグラフィック表示機能、図面作成機能など不要部分を取除いた構成でよく、製品寸法、属性情報などを含むソリッドモデルのデータを解析できる機能があれば良い。加工面積演算部41は、電極モデルの下端から所定距離ごとの電極の断面積あるいは、下端から所定距離までの加工体積あるいは電極表面積など演算する部分である。
CADデータ解析部40と加工面積演算部41は、一般に市販されている、例えば、ソリッドワークス社のソリッドワークス(登録商標)CADソフトウエアをパソコンのハードディスクにインストールしておき、OLE(Object Linking Embeding) を利用してOELコントロールを作成するか あるいはCOM(Component Object Model)を利用して、CADソフトウエアが解析機能として有しているソリッドモデルの体積、表面積あるいは断面積計算機能を用いるように構成することができる。
さらに好ましくは、本発明の実施装置のCADデータ解析部40に、リレーショナルデータベース構造を有する上述のCADソフトウエアを用いるようにすれば、製品設計用のCAD装置で設計された製品モデルのデータを金型設計用のCAD装置に取込んで、あるいは本発明の装置を用いて製品モデルのデータから形彫電極を設計し、その電極設計データをそのまま利用すれば、設計の上流段階で作成されたCADデータを煩雑な設計作業や入力作業なしに利用することができる。
HI部50は、数値制御装置の操作を行なうために必要な機能を掌る部分で、数値制御装置から電極位置情報を取得して表示装置52に表示させたり、放電加工機への加工条件の設定・編集、NCプログラムの作成、実行等の作業者と数値制御装置間のいわばインターフェイスの機能を有する部分である。入力装置51としては、キーボード、フレキシブルディスク読取装置、CD又はDVD―ROM読取装置、Ethernet(登録商標)によるLAN接続入力部などを用いることができる。表示装置52は、CRTやLCDなどで、電極の3Dモデル表示、作業者と放電加工機の数値制御装置とのインターフェースとなるHI部50で行なわれた操作内容などの表示を行なう。
これらの電極形状識別部30から表示装置52までの構成は、一般的なパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)を利用することができる。図1中の四角の枠を用いて表現された部分はソフトウエアを機能ブロックとして表現したものである。また、形状識別手法記憶部31、ジャンプ設定データベース33及びジャンプ設定記憶部34の設定値の記憶には、パソコンに設けられたハードディスクドライブあるいはCD−R/RWを用いたCDROMなどの記憶装置あるいは記憶媒体を用いることもできる。
電極形状識別部30は、OLEコントロールまたはCOMにより、CADデータ解析部40に取込まれた電極モデルのデータから必要な情報を取出す。ここで、例えば、ソリッドモデルデータがB−rep(Boundary Representations)構造で作成されているCADデータから電極モデルの必要となる情報を取り出す場合について説明すると、B―repの構造では、ソリッドモデルのデータの構成要素として稜線、頂点、面があり、その構造は、稜線は2つの頂点をつないだもの、面は稜線で囲まれたもの、ソリッドは面で囲まれたものとなっている。そして、「1本の稜線は必ず2面で共有される」という規則に基づいて、稜線、頂点、面が相互にリンクするように構成されている。このB―rep構造体の中をたどるように頂点や面をの構成要素を検索して必要なデータを取得する。さらに、稜線、頂点、面は様々なパラメータ情報、例えば、頂点:座標値、稜線:直線か曲線かのタイプ及び線の方程式の係数、面:平面か曲面かのタイプ及び面の方程式の係数とリンクしており、これらの情報から、曲面か平面かなどの判定を行なうことができる。
形状識別手法記憶部31には、複数の電極形状の識別手法が記憶されており、この識別手法に必要な情報を電極形状識別部30に用意されたOLEコントロールを用いてCADデータ解析部40から取得する。図2に形彫放電加工に用いられるいくつかの電極形状を例示してある。(a)から(j)の符号と共に記載されているのは加工のタイプ、形状、あるいは特徴を表す名称として表したものである。(a)は一般的な特徴として、加工面積あるいは投影面積(電極上方から光をあてたときにできる影の面積で、実際に放電加工に曝される被加工物表面の穴の断面積)が25平方ミリメータ以下で、加工面積Sの平方根の値が加工深さLより大きい。これはコネクターのコアピン加工に多い電極形状である。
(b)は、細長く先端が円錐形状をしている電極形状である。そして、加工面積の平方根の3倍より加工深さLが大きいような加工を行なうもので、一般的には射出金型のゲート穴加工に多い形状である。特にゲートの加工であると判断する場合には、加工を行なう時に電極が被加工物の穴の中に位置する部分の最大の円錐面積が90%以上のときにゲート加工であると分類する。
ある程度の加工面積のある加工においては電極の先端のトポロジーと電極寸法から識別する。(c)は電極底面に長方形の平面部分があり電極の短辺の長さ(厚さ)が約3mm以下の形状で加工深さが例えば短辺の長さの5倍以上あるような加工を行なう電極で、一般的にはリブ加工と呼ばれるものである。リブ加工用電極であると識別するためには電極各部の寸法と予定されている加工深さから識別することができるので、識別手法の中に予め前述のような値を決めておけばよい。(d)や(e)は底面に平面を有しない形状である。底面形状が図に示されるように横向きの半円筒形状であり加工部分の約90%以上を占めている場合は、カマボコ形状のであると認識し、底面が球形状であれば3次元球形状として分類する。このような形状では、放電加工時に電極と被加工物を相対移動させる所謂、揺動加工の揺動方向や揺動形状も影響を与えるのでジャンプ動作の設定のみならず形状分類から揺動方法も決定できる。
(f)の形状は底面に直線のエッジ部を有しかつ側面に傾斜があるかどうかで識別される。(g)や(h)では底面にエッジとしては一点だけの形状で電極側面に平面があれば角錐形状に分類し、平面がなく断面が円であれば円錐形状に分類する。さらに、(i)のように(f)と同様底面が直線エッジで両面に傾斜があり、かつ、所定の加工面積より小さい場合にはクサビ状電極として識別し形状を分類する。(j)は加工面積が加工深さに対して極めて大きい形状で、例えば10,000平方ミリ以上で深さが10mm以下というような平坦で大きい面積の形状として識別し、大面積面付け電極として分類する。
このように電極の形状、即ち、加工面積を含む電極各部の寸法、側面の傾斜の有無と角度、底面の形状、底面に存在するエッジ数などの形状の特徴から電極形状を識別して分類することができる。このような識別手法が、形状識別手法記憶部31に記憶されており、電極形状識別部30は、OLEコントロールによりCAD解析部40から必要な情報を取込み、識別手法に沿って電極形状の識別分類を行なう。電極モデルのCADデータには、属性情報として、電極の材質、加工する箇所数、加工深さなどの値が付加されている。これらの情報と同様に設計の際、形状分類の情報も付加しておくこともできる。その情報をもとに電極形状の分類を行なっても良いが、作業者により電極の識別の基準が異なることも考えられるので、属性情報として与えられた分類と電極形状識別部30で判断した結果が一致することを確認する処理が必要となり、判断が異なる場合には表示装置に識別の相違を表示して、作業者による確認を行なえるようにすることが好ましい。
加工面積演算部41では、設計された電極モデルから放電加工を行なった場合の加工の進行にともなう所定距離(深さ)ごとの加工面積を求める。具体的には、電極モデルの先端部から加工方向に所定の位置の断面積を求める計算をCADデータ解析部40に要求し、各深さ毎に加工面積の値を得て、その面積データをジャンプ設定部32に送る。断面積を演算する間隔は電極形状により当然異なる。加工に伴ない大きく加工面積が変化する形状(例えば、図2の(f)、(g)、(h)のような形状)では間隔を狭めて断面積を演算する。電極が柱状の形状のように加工面積の変化がない場合は、電極の一断面のみの面積を求めればよい。電極の断面積を求める間隔については、形状分類に対して予め決めておけばよく、大きく加工面積が変化する場合でも深さにして0.1ミリ間隔で十分である。このようにして求められた加工面積データはジャンプ設定部32に送られる。
なお、ここでの電極断面積とは、加工面積と略同じ意味で用いている。加工面積は、加工開始時点では電極の底面で放電が開始されるので電極底面の面積であり、加工深さが所定距離h進んだ位置では、被加工物の上面位置の電極断面が加工面積となる。これを電極の投影面積と呼ぶこともある。電極モデルデータから、上述の加工面積を求めて本発明のように構成するほかに、電極のモデルから深さごとの加工体積を求めて利用する方法や、深さごとの電極表面積(側面の面積を含む)を加工面積として求めて用いる、あるいはこれらを適宜組合わせて加工面積とするなどいろいろな変更を加えることができる。
ジャンプ設定部32は、電極形状識別部30で識別された形状分類に相当する電極形状に対するジャンプ設定をジャンプ設定データベース33から呼出して、加工面積演算部から送られてくる加工面積データをもとに加工面積に一致するジャンプ設定データからジャンプ動作の下降時間、ジャンプ速度、ジャンプアップ時間を決定する。図3は、ジャンプ設定データベース34に収納されているデータを説明する図である。ジャンプ設定データベース34には、電極形状識別部30で識別された分類に一致するジャンプ設定データが複数格納されており、各形状分類データはさらに加工面積単位で分けられている。図3では、3つの異なる加工面積に対するジャンプ設定データがグラフの形で例示されている。
ジャンプ動作の設定データは、所定の加工面積範囲に対して、加工深さと下降時間の関係のデータあるいは関数、その時に用いられるジャンプ速度のデータとして記憶されており、また、使用するジャンプ速度に対して電極上昇させる時間を求める変換データまたは関数が用意されている。電極の上昇時間については、ジャンプ速度との関係で上昇距離が変わるので換算式を用いているが、これに限らず電極の上昇距離を加工深さに対して設定できるようにデータを用意しておいても良く、距離で設定する場合には、現在加工している位置からの開離距離として設定する。
電極形状によりジャンプの最適条件はそれぞれ異なるが、例えば、図2の(c)のようなリブ加工と呼ばれる電極形状で加工するときは放電加工時間を短く(下降時間を短く)して、ジャンプの速度は速く、上昇時間は短く設定されるようなデータとなっており、また、薄板状の電極、例えば電極の厚みが0.6mm以下のような電極でスリット加工を行なう場合などでは、放電加工時間は短く、ジャンプ速度を遅く設定し、図2の(b)のような電極形状でゲート穴加工を行なう場合では放電加工時間を短く、ジャンプ速度を速く、ジャンプ上昇時間を大きくとる。図2の(j)のような形状で加工する場合は、電極が加工液より負圧を受けるのでジャンプ速度を遅く設定することが必要となる。このようにジャンプ設定データベース33には、それぞれの電極形状に合わせたジャンプ設定データが加工深さに対して求めることができるように記憶されている。
ジャンプ設定部32が、加工面積演算部41から送られてくる所定深さhごとの加工面積に対しジャンプ設定データベース33から取得したジャンプ設定を加工深さ位置の進行に応じてジャンプ設定記憶部34に蓄えられていく。加工の開始点から加工終了深さまで所定深さhごとのジャンプ設定がすべて決定され、各深さ位置でのジャンプ動作の設定がすべて加工深さ位置と関係付けて記憶される。この記憶されたジャンプ設定を基にHI部50で加工深さとジャンプ設定変更のNC加工プログラムを作成させて出力するように構成しておくこともできる。
図4にジャンプの変更制御を行なうNCプログラムとして出力した例を示している。図中Aの領域は加工条件が登録されるプログラムのヘッダ部で、C007からC011までは加工条件を呼出すプログラムコードで、それぞれの加工条件を呼出すプログラムコードには、加工条件の設定が組み合わされている。ここで、PLは電極の加工極性、ONは放電パルスのオン時間、OFFは放電休止時間、IPは加工電流の設定、SVは加工サーボ電圧設定、Sはサーボスピード、UPはジャンプ動作の上昇時間設定、DNはジャンプ動作の下降時間設定、JSはジャンプ速度の設定である。なお、数字は各パラメータの設定値を示しており実際の値ではない。Bの領域はNCプログラムを示し、加工深さが深くなるとともに加工条件コードを順次呼出してジャンプ設定を変更しながら加工するプログラムである。このプログラムを実行することにより、加工深さと加工形状の変化に応じてジャンプ設定を変更しながら放電加工を行なう本発明の方法を実施することもできる。
図1の実施例装置では、ジャンプ設定記憶部34に加工深さと共に記憶されているジャンプ設定を、図示していない数値制御装置からの加工深さ情報に応答して記憶されている加工深さに達した時ジャンプ変更制御部22にジャンプ設定信号を出力してジャンプ動作を変更する。実際に放電加工が進行すると順次数値制御装置から深さ情報がHI部50を介して送られ、ジャンプ設定記憶部34が深さに応じたジャンプ設定をジャンプ設定変更部22に出力すると共に、放電間隙検出部21から加工間隙の状態を示す信号がジャンプ設定変更部22に送られてくる。前述したように加工状態が悪化し状態悪化を知らせる信号がジャンプ設定変更部に出力されると、ジャンプ設定変更部は予め設定されている範囲でジャンプ設定を変更し、より安全サイドのジャンプ設定に変更する信号をリニアモータ駆動部14に出力しジャンプ動作が変更される。
次に、本発明の装置の動作について図5のフローチャートを参照しながら説明する。入力51から、CAD装置で設計された電極モデルのデータとそれに付属するデータを含む電極モデルデータファイルが入力され、CADデータ解析部40に送られる(ステップS1)。電極モデルのデータファイルは、CADデータ解析部40の解析ソフトウエアにより開かれ、表示装置52に電極形状モデルとその属性情報が表示される。作業者の操作による本発明の実行が要求されていると、電極形状識別部30が、OLEコントロールを実行することにより、CADデータ解析部40から電極の特徴、即ち、電極の寸法や底面の形状(電極底面の平面面積、エッジの有無、エッジの数、電極の厚さ、底面の曲面状態、側面の傾斜の有無と角度、加工深さ情報など)の情報を要求して抽出する(ステップS2)。
加工面積演算部41は、所定の加工送り深さh毎に、取込まれた電極モデルで実際に加工したときの投影面積(電極の断面積)を演算するようCADデータ解析部40に要求し、所定深さごとの電極断面積の値を得る。この値は電極形状識別部30、及びジャンプ設定部32の要求により各部に出力される。なお、この断面積を計算する所定の送り深さhは、最初は、例えば0.5〜1mmぐらいの間隔で行い。電極形状を識別後、その電極の形状に合わせて加工送りの間隔を再設定して計算し直すようにすることにより処理時間を短くすることが望ましい(ステップS3)。
電極形状識別部30は、抽出された電極の形状に関するデータを形状識別手法記憶部31に記憶されている形状識別手法を用いて識別し電極形状の分類を行なう。電極の識別は、上述の電極に関する寸法や特徴から順次識別していく。具体的には、加工面積演算部41で求めた断面面積の最大値から、最初に電極の大きさについて判定し、電極断面積が所定の大きさより大きいか小さいかでまず分類し、次に、その時の加工深さが所定値より深いか浅いかで小物加工(図2(a)のコアピンのような加工)そして、ゲート加工である旨の属性情報などにより図2(b)ゲート加工として識別分類する。さらに、電極の大きさが所定値より大きい場合、電極の先端形状の幾何学的特性により、即ち、エッジがあるか否か、頂点の形状(エッジの点、線あるいは平面か)、あるいは底面平面、エッジ共になく球面または曲面であるかなどにより、電極形状を識別して行き電極形状を用意された電極形状の一つに分類する。(ステップS4)
図2の(h)のような電極で、例えば、円錐底面の半径が10mmで、頂点の角度が60度の円錐で15mmの深さ加工するような電極を識別し分類するには、まず、加工面積の最大値を、大きさを判定する所定面積と比較する。この場合最大加工面積は約235平方ミリであり小物加工ではないので、先端の形状について特徴を見ると頂点が一つであることが分かり、次に断面形状をを判断して、断面形状が丸であることから電極は円錐形状であると分類される。その他の形状についても同様に先端のトポロジーにより識別し分類することができる。
電極形状識別部30で電極の形状が識別され分類されるとその情報はジャンプ設定部32に送られ、ジャンプ設定部32は、加工面積演算部41から所定深さごとの加工面積のデータを受け取り、電極形状の一致する分類のジャンプ設定データを呼出し、所定の加工送り深さh毎にの実際に加工したときの加工面積(電極の断面積)の値に一致するデータ(または関数)を用いてジャンプの下降時間、ジャンプの速度及びジャンプ上昇時間を決定する(ステップS5)。決定されたジャンプ設定はその時の深さと関連付けて、ジャンプ設定記憶部34に送られ記憶されていく(ステップS6)。
ステップS7では、プログラムを作成するように作業者により指定されていると、ジャンプ設定記憶部34に記憶されているデータは、HI部50に送られ、図4に示す加工深さと加工条件が関連付けられたプログラムが作成される。なお、放電時間、放電休止時間、電流ピーク値など電気的加工条件は、加工面積演算部41により計算された加工面積に基づいて決めることができ、加工面積と電気的加工条件の設定方法については、詳細な説明は省略する。
ステップS8で加工が選ばれていると、放電加工が開始され、加工ではない場合は処理を終了する(ステップS8)。加工が選ばれていると、ジャンプ設定記憶部34に記憶されている最初のジャンプ設定がジャンプ設定変更部に出力される。(ステップS9)。設定されたジャンプ下降時間、速度、上昇時間でジャンプ動作を行ないながら放電加工が行なわれる。ジャンプ設定記憶部34には、HI部51から現在の加工深さの情報が常に送られており、記憶されているジャンプ設定変更深さに達したかどうか判断され(ステップS10)、変更加工深さに達していない場合は、ステップS11に進み、加工終了深さに達していないと、ステップ10に戻り変更深さに達するまで加工を続ける。また、加工終了深さに達していると処理が終了する。
ステップ10でジャンプ変更深さに達していると判断されたときには、ジャンプ設定記憶部34から次のジャンプ設定がジャンプ変更制御部22に送られジャンプ動作が変更される。ステップS8〜S11の間では、加工間隙検出部21が常に加工間隙を監視し、加工間隙が悪化した場合にはその悪化を知らせる信号がジャンプ変更制御部22に出力され、ジャンプ設定記憶部34からのジャンプ設定は予め設定された範囲内で、ジャンプ設定の下降時間を短くするなどの制御が行なわれる。当然所定の範囲でのジャンプ設定を安全サイドに変更しても加工間隙の状態が所定時間以上改善されない場合には加工を終了する制御が別途設けられていることが望ましい。
本発明は、形彫用電極を用いて被加工物に電極形状と同じ穴を形成する金型の形彫放電加工に利用することができる。また、CAD装置で作成された電極のCADデータをそのまま取込みそのデータからその加工に最適なジャンプ動作の設定を決定することができ、その値を加工用プログラムとして出力するようにすれば、放電加工機用のNCプログラムを作成するCAM装置にも応用することができる。本発明の主要な構成部分をCAD装置と組合わせて用いることにより、放電加工用のCADCAM装置に利用するなど、放電加工機以外の各装置と組合わせて利用することができる。
本発明の放電加工装置の全体構成を示す模式図である。 形彫放電加工に用いられる電極モデル形状を例示する図である。 形状別に記憶されているジャンプ設定用のデータベースの内容を説明する図。 ジャンプの変更制御を行なうNCプログラムとして出力した1例 本発明の放電加工装置の動作を説明する動作フローチャート図である。
符号の説明
1 形彫電極
2 被加工物
3 加工テーブル
10 加工ヘッド部
11 電機子
12 クイル
13 磁石板
14 リニアモータ駆動部
20 放電電源装置
21 加工間隙検出部
22 ジャンプ変更制御部
30 電極形状識別部
31 形状識別手法記憶部
32 ジャンプ設定部
33 ジャンプ設定データベース
34 ジャンプ設定記憶部
40 CADデータ解析部
41 加工面積演算部
50 HI部
51 入力部
52 表示部

Claims (4)

  1. 三次元形状の形彫電極をジャンプ動作させながら被加工物を放電加工する放電加工方法において、CAD装置で設計された前記電極のモデルデータをもとに、電極形状の識別手法を用いて前記電極形状に関する特徴から電極形状を分類するステップ、前記電極により加工を行なった時の所定深さごとの加工面積を求めるステップ、複数の電極形状に対して加工深さに関連付けたジャンプ設定データが格納されているデータベースから、前記分類された電極形状に一致するデータベースを選択して、前記求められた加工面積に対応するジャンプ設定データを基に前記所定深さごとのジャンプ設定を決定するステップからなり、前記決定されたジャンプ設定を用いて加工の進行に伴なってジャンプ設定を切換えながら加工を行なう放電加工方法。
  2. 請求項1記載の放電加工方法において、加工間隙の状態を検出し、加工間隙状態の悪化が検出された時には、予め設定された範囲で、加工時間を短くあるいはジャンプ距離を大きくするようにジャンプ動作条件を変更制御しながら放電加工を行なう放電加工方法。
  3. 形彫電極をジャンプ動作させながら被加工物を放電加工する放電加工装置において、CAD装置で設計された電極モデルに関するCADデータを取り込む手段と、CADデータ解析手段と、電極形状に関する特徴から電極形状を識別する識別手法が格納されている記憶装置と、前記識別手法を用いて前記CADデータの電極による加工がどの電極形状に属するかを識別する電極形状識別手段と、前記CADデータの電極形状よる加工における所定深さごとの加工面積を求める加工面積演算手段と、複数の電極形状に対して加工面積に応じた加工深さに対するジャンプ設定データが格納されているジャンプ設定データベースと、識別された前記電極形状のジャンプ設定データを用いて、所定の加工深さごとにジャンプ動作の設定値を決定し出力するジャンプ設定手段とを有し、前記設定値をもとに加工の進行に伴なってジャンプ設定を切換えながら加工を行なうことを特徴とする放電加工装置。
  4. 形彫電極をジャンプ動作させながら被加工物を放電加工する放電加工装置において、CAD装置で設計された電極モデルに関するCADデータを取り込む手段と、CADデータ解析手段と、電極形状に関する特徴から電極形状を識別する識別手法が格納されている記憶装置と、前記識別手法を用いて前記CADデータの電極による加工がどの電極形状に属するかを識別する電極形状識別手段と、前記CADデータの電極形状による加工における所定深さごとの加工面積を求める加工面積演算手段と、複数の電極形状に対して加工面積に応じた加工深さに対するジャンプ設定データが格納されているジャンプ設定データベースと、識別された前記電極形状のジャンプ設定データを用いて、所定の加工深さごとにジャンプ動作の設定値を決定し出力するジャンプ設定手段と、加工間隙の状態を検出して加工状態が悪化しているとき出力信号を発生する加工間隙検出手段と、前記加工間隙検出手段の出力に応答して前記ジャンプ動作の設定値を予め決められた範囲で変更する設定値変更手段とを有し、前記設定値又は変更された設定値に基づいて、加工の進行に伴なってジャンプ動作を変更制御しながら加工を行なう放電加工装置。
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