<第1実施形態>
この発明の実施の形態として、この発明をスロットマシンに適用した場合について説明する。図1は第1実施形態のスロットマシンの正面図、図2は筐体内部の正面図である。このスロットマシンは、たとえば図1および図2に示すように構成されている。すなわち、図1および図2に示すように、スロットマシン1では、筐体3の前面開口が前面パネル5により開閉自在に閉塞され、この前面パネル5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設されるとともに、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。このとき、前面パネル5の左端部がヒンジにより筐体3に回転自在に支持されて、筐体3の前面全体が前面パネル5により覆われて閉塞される。
そして、この正面板9には3個のリール窓11が並設され、各リール窓11の内側には左、中、右の各回転リール12L,12M,12Rが配置され、右端のリール窓11の横には、ゲームの演出用画面を表示する液晶ディスプレイ13が配設されており、各リール窓11からは、各回転リール12L,12M,12Rの図柄が各々3個ずつ見えるように設定されている。
さらに、この操作板7には、クレジットされているメダルの枚数を減じてメダル投入に代えるベットスイッチ15、各リールの回転を開始させるためのスタートスイッチ17、第1ないし第3ストップスイッチ19L,19M,19R、および、メダル投入口25や貯留メダルを払い出すための精算スイッチ27が設けられている。また、正面板9には入賞ラインが描かれるとともに、入賞ライン中の有効ラインを表示する有効表示ランプ31、ボーナスゲームの状態などを表示する種々の演出表示ランプ33、クレジットメダルの枚数を表示するメダル枚数表示器35が正面板9に配設され、操作板7の下方にはメダル払出口37やメダル受け39が設けられている。また、図2に示すように、筐体3内部の各回転リール12L,12M,12Rの下方には、メダルをメダル払出口37に排出するためのホッパーユニット(メダル払出装置)41が配設されている。
図3はホッパーユニットの正面図、図4および図5はディスクの正面図である。ホッパーユニット41は、その底部を右下がりに傾斜して配設されメダルを貯留するためのホッパータンク43と、このホッパータンク43の下方に配設されたホッパーモータ45と、ホッパータンク43内の底部に回転自在に配設されたディスク47とを備えている。ここで、ディスク47の回転中心である中心軸49がホッパータンク43の底面43aに貫通してディスク47が配設され、ホッパーモータ45の回転軸がディスク47の中心軸49に直結されており、ホッパーモータ45の回転に連動してディスク47が回転する。
ディスク47はその回転軸49周りに回転自在に構成された円形の板状体であり、その表面にメダル51を落とし込む大きさの円形の嵌挿部53が複数個(この実施形態では8個)回転軸49を中心として同一半径上に透設されている。そして、ホッパーモータ45に連動したディスク47の回転に伴い、嵌挿部53に嵌挿したメダル51が、ホッパータンク43の側面下部に形成されたメダル排出通路55に向けて移動する。ホッパータンク43の底面43aのメダルの回転移動経路上には、メダル51の移動方向を規制する2つのガイドピン57が突設されている。そして、嵌挿部53に嵌挿した状態でディスク47の回転に伴い移動するメダル51がガイドピン57に当接すると、嵌挿部53の後端部53aに押されたメダル51は、ガイドピン57に案内され、嵌挿部53の外周端部53bに設けられた切欠きを通って嵌挿部53から離脱し、メダル排出通路55に配設されたメダルキッカ59に当接する。
メダルキッカ59は、支軸61を中心に始点位置(図4)から終点位置(図5)までの揺動範囲内で揺動可能に構成されている。また、一端がメダルキッカ59の揺動軸63近傍に連結され、他端がホッパータンク43の底面43aに固定されたコイルばね65が配設されており、このコイルばね65によってメダルキッカ59は終点位置(図5)から始点位置(図4)に向けて付勢されている。そして、メダルキッカ59の揺動軸63に当接したメダル51は、さらにディスク47により押されてメダルキッカ59の揺動軸63をコイルばね65の付勢力に逆らってさらに押し込み、メダルキッカ59を終点位置に向けて移動させる。メダルキッカ59が終点位置(図5)に位置すると、メダル51はディスク47から完全に離れる。その結果、コイルばね65の付勢力によりメダルキッカ59が始点位置(図4)に勢いよく復帰し、これによってメダル51がメダル排出通路55を通ってメダル排出口37に向けてはじき出される。
また、ホッパータンク43の底面43aには、メダルキッカ59の揺動範囲内に2つのフォトインタラプタ67,69が配設されている。フォトインタラプタ67は始点位置に位置するメダルキッカ59を検出するもので、フォトインタラプタ69は終点位置に位置するメダルキッカ59を検出するものである。フォトインタラプタ67,69はセンサ用筐体71に予め固定されており、これによって、センサ用筐体71をホッパータンク43の底面43aに取り付けるだけで双方のフォトインタラプタ67,69の取付けが可能になっており、取付けの作業性を向上している。なお、フォトインタラプタ67,69の詳細な機能については後述する。このように、この実施形態では、ガイドピン57が本発明の「ガイド部」に相当し、メダルキッカ59が本発明の「揺動部材」に相当し、コイルばね65が本発明の「付勢手段」に相当する。
図6はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。なお、図6では、説明の便宜上、電源部Vccおよびアースは、フォトインタラプタ67,69についてのみ図示しており、他の素子については図示を省略している。メモリ73には遊技機用プログラムが格納されており、CPU75は、この遊技機用プログラムにしたがって動作すると、スロットマシン全体の動作を制御する動作制御手段として機能するとともに、遊技制御手段75aおよび状態判定手段75bとして機能する。
このスロットマシンにおける遊技の概要について説明する。スタートスイッチ17を操作すると、まず、当選か否かの抽選が行われ、ほぼ同時に、3個すべての回転リール12L,12M,12Rの回転が開始する。その後に、3個のストップスイッチ19L,19M,19Rのうちの1個を操作すると、当該ストップスイッチ19L,19M,19Rに対応した回転リール12L,12M,12Rの回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ19L,19M,19Rを操作し終えると、3個すべての回転リール12L,12M,12Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が所定の位置に停止すると入賞になり、遊技者に対して所定枚数の遊技メダルが払い出されるか、又は遊技者に対して所定の利益が付与される。なお、遊技メダルの払い出しに代えて、遊技メダルの貯留(クレジット)が行われることもある。このように、この実施形態では、遊技メダルが払い出されるような入賞になると、メダル払出条件を満足することとなる。
遊技制御手段75aは、メダル払出条件を満足すると、モータドライバ77に払出指令信号を出力する。モータドライバ77は、CPU75から払出指令信号が入力されると、ハイレベルの駆動信号をホッパーモータ45に出力する。これによって、ホッパーモータ45に電力が供給され、ホッパーモータ45の回転駆動が開始される。
モータドライバ77からホッパーモータ45への信号ラインはNPNトランジスタQ1のベースに接続されている。このトランジスタQ1のエミッタはアースされ、コレクタはフォトインタラプタ67を介して電源部Vccに接続されている。この構成により、モータドライバ77からハイレベルの駆動信号が出力されるとトランジスタQ1がオンになって、電源部Vccからフォトインタラプタ67への電力供給が開始され、フォトインタラプタ67が動作を開始する。フォトインタラプタ67の出力端子67aはCPU75に接続され、その信号レベルがCPU75により検出可能になっている。
このフォトインタラプタ67は、この実施形態では、その出力端子67aの信号レベルが、メダルキッカ59の検出時(図4の状態)はローレベル、メダルキッカ59の非検出時(図5の状態)はハイレベル、非動作(トランジスタQ1がオフ)時はハイレベルとなる構成のものが採用されている。したがって、正常動作のときは、遊技制御手段75aからモータドライバ77に払出指令信号が出力され、モータドライバ77からハイレベルの駆動信号がホッパーモータ45に出力されると、フォトインタラプタ67の出力端子67aの信号レベルは、ハイレベルからローレベルに反転することとなる。
また、フォトインタラプタ69の出力端子69aの信号レベルは、メダルキッカ59の検出時(図5の状態)はローレベル、メダルキッカ59の非検出時(図4の状態)はハイレベルとなる構成のものが採用されている。このフォトインタラプタ69には、電源部Vccから常に電力が供給されており、常に動作状態になっている。フォトインタラプタ69の出力端子69aもCPU75に接続され、その信号レベルがCPU75により検出可能になっている。
不正報知用ランプ79aおよび異常報知用ランプ79bは、それぞれ不正行為や装置の異常を例えばスロットマシン1の管理者に報知するためのもので、この実施形態では例えば、図1に示すように筐体3の天板に配置されている。
状態判定手段75bは、遊技制御手段75aから払出指令信号が出力されていないのにフォトインタラプタ67の出力端子67aの信号レベルがハイレベルからローレベルに反転したときには、モータドライバ77の入力側の信号ライン76に対して払出指令信号に代わる不正信号が外部から印加されたか、またはモータドライバ77の出力側の信号ライン78に対して駆動信号に代わる不正信号が外部から印加されたと判定する。
また、状態判定手段75bは、遊技制御手段75aから払出指令信号が出力されたときにフォトインタラプタ67の出力端子67aの信号レベルがハイレベルからローレベルに反転しないときには、フォトインタラプタ67が動作開始するための駆動信号がモータドライバ77からホッパーモータ45に出力されていない、トランジスタQ1が故障している、または電源部Vccからの回路が断線していることになるので、モータドライバ77などの周辺回路の異常と判定する。
また、状態判定手段75bは、遊技制御手段75aから払出指令信号が出力されてフォトインタラプタ67の出力端子67aの信号レベルがハイレベルからローレベルに反転したときに、その反転時から所定時間以内に再びローレベルからハイレベルに反転しないときには、メダルキッカ59が始点位置から終点位置に向けて移動していないことになるので、ホッパーモータ45の異常と判定する。なお、ホッパーモータ45の異常には、メダル切れを含むものとする。
また、状態判定手段75bは、遊技制御手段75aから払出指令信号が出力されてフォトインタラプタ67の出力端子67aの信号レベルがハイレベルからローレベルに反転して、所定時間以内に再びローレベルからハイレベルに反転した時点から、フォトインタラプタ67の出力端子67aおよびフォトインタラプタ69の出力端子69aの双方の信号レベルがたとえば後述する図7に示すように規則的に反転したときは正常と判定する一方、いずれか一方または双方の信号レベルが規則的に反転しないなど互いに整合しないときは装置に異常が生じたと判定する。
また、状態判定手段75bは、不正行為があったと判定したときは、不正報知用ランプ79aを点灯してその旨を報知し、装置の異常があったと判定したときは、異常報知用ランプ79bを点灯してその旨を報知する。このように、この実施形態では、フォトインタラプタ67が本発明の「検出器」に相当し、NPNトランジスタQ1が本発明の「スイッチ手段」に相当し、フォトインタラプタ67およびNPNトランジスタQ1が本発明の「モータ検出手段」に相当し、フォトインタラプタ69が本発明の「メダル払出検出手段」に相当し、不正報知用ランプ79aおよび異常報知用ランプ79bが本発明の「報知手段」に相当する。
次に、図7〜図11を参照して動作について説明する。図7〜図11は各部の信号レベルを示すタイミングチャートで、図7は正常な動作を示し、図8は不正信号が外部から印加されたときの動作を示し、図9は周辺回路が異常のときの動作を示し、図10はホッパーモータが異常のときの動作を示し、図11はホッパーモータまたはディスクに対して不正行為があったときの動作を示している。なお、図7〜図11における信号レベルの反転や動作のオンオフの切換えは互いに多少の時間差を有して行われるが、図7〜図11では、説明の便宜上、同時に行われるように図示している。
まず、図7を参照して正常動作について説明する。遊技メダルが払い出されるような入賞になってメダル払出条件を満足し、時刻t1にCPU75からモータドライバ77に払出指令信号が出力されると、モータドライバ77からホッパーモータ45に駆動信号が出力される。そして、この駆動信号により、ホッパーモータ45が回転を開始するとともに、トランジスタQ1がオンになってフォトインタラプタ67に電源部Vccから電力が供給されて動作を開始する。この動作開始時には、フォトインタラプタ67は始点位置に位置しているメダルキッカ59を検出するので、出力端子67aの信号レベルがハイレベルからローレベルに反転する。
ホッパーモータ45の回転によりディスク47が回転し、ディスク47の回転に伴って嵌挿部53に嵌挿しているメダル51によりメダルキッカ59が押されると、メダルキッカ59はコイルばね65の付勢力に逆らって始点位置から終点位置に向けて移動する。メダルキッカ59がフォトインタラプタ67から外れると、出力端子67aの信号レベルはローレベルからハイレベルに反転する。メダルキッカ59が終点位置に移動すると、フォトインタラプタ69の出力端子69aの信号レベルがハイレベルからローレベルに反転する。そして、メダル51がディスク47から完全に離れると、コイルばね65の付勢力によりメダルキッカ59は終点位置から始点位置に復帰し、このメダルキッカ59の復帰により、メダル51はメダル排出通路55からメダル払出口37に向けて排出される。また、メダルキッカ59が始点位置に復帰すると、フォトインタラプタ67の出力端子67aの信号レベルがハイレベルからローレベルに反転する。
このように、メダルキッカ59は始点位置から終点位置までの揺動範囲内で揺動を繰り返し、これによって、フォトインタラプタ67の出力端子67aおよびフォトインタラプタ69の出力端子69aの信号レベルの反転がそれぞれ所定時間ごとに規則的に繰り返される。そして、所定枚数(図7では3枚)のメダル払出しが終了すると、メダルキッカ59が始点位置に位置する状態(フォトインタラプタ67の出力端子67aの信号レベルがローレベルの状態)の時刻t2に、CPU75からの払出指令信号の出力が停止する。これによってモータドライバ77からの駆動信号が停止し、その結果トランジスタQ1がオフになり、フォトインタラプタ67の動作が停止して、出力端子67aの信号レベルがローレベルからハイレベルに反転する。なお、図7の例では正常に動作しているので、不正報知用ランプ79aおよび異常報知用ランプ79bはオフの状態が維持される。
次に、図8を参照して説明する。CPU75からモータドライバ77に払出指令信号が出力されていないのに、時刻t3にフォトインタラプタ67の出力端子67aの信号レベルがハイレベルからローレベルに反転している。これは、トランジスタQ1がオンになってフォトインタラプタ67が動作を開始したことを意味する。そこで、モータドライバ77の入力側の信号ライン76に対して払出指令信号に代わる不正信号が外部から印加されたか、またはモータドライバ77の出力側の信号ライン78に対して駆動信号に代わる不正信号が外部から印加されたと判定し、不正報知用ランプ79aをオンにして、その旨を報知する。この場合、そのまま放置してホッパーモータ45の駆動が継続されると、図8に示すように、フォトインタラプタ67,69のオンオフが繰り返される。すなわちメダルが不正に払い出されてしまうこととなる。図8に示すように、この実施形態によれば、フォトインタラプタ67,69によるメダルキッカ59の検出前の時点で不正行為と判定することができるため、素早く対処することでメダルの不正払出しを未然に防止することが可能になる。
次に、図9を参照して説明する。遊技メダルが払い出されるような入賞になってメダル払出条件を満足し、時刻t4にCPU75からモータドライバ77に払出指令信号が出力されたのに、フォトインタラプタ67の出力端子67aの信号レベルがローレベルに反転せずハイレベルのままとなっている。これは、電源部Vccからフォトインタラプタ67に電力が供給されず、フォトインタラプタ67が動作を開始していないことを意味する。そこで、モータドライバ77から駆動信号が出力されているがトランジスタQ1の故障または電源部Vccとの間に断線がある、あるいはモータドライバ77に異常が生じてモータドライバ77からホッパーモータ45に駆動信号が出力されていないなど、周辺回路に異常が発生したと判定し、異常報知用ランプ79bをオンにして、その旨を報知する。
次に、図10を参照して説明する。遊技メダルが払い出されるような入賞になってメダル払出条件を満足し、時刻t5にCPU75からモータドライバ77に払出指令信号が出力され、フォトインタラプタ67の出力端子67aの信号レベルがハイレベルからローレベルに反転し、反転時から所定時間T1が経過しても、出力端子67aの信号レベルがローレベルからハイレベルに反転していない。これは、メダルキッカ59が始点位置から移動していないことを意味する。そこで、ホッパーモータ45に異常が生じて回転していないと判定し、異常報知用ランプ79bをオンにして、その旨を報知する。
次に、図11を参照して説明する。CPU75からモータドライバ77に払出指令信号が出力されておらず、フォトインタラプタ67の出力端子67aの信号レベルが反転していないのに、時刻t6にフォトインタラプタ69の出力端子69aの信号レベルがハイレベルからローレベルに反転している。これは、フォトインタラプタ69がメダルキッカ59を検出したことを意味する。そこで、状態判定手段75bは、外部から直接ホッパーモータ45に対して電力が不正に供給される、ディスク47が強制的に回転されるなどの不正行為があったと判定し、不正報知用ランプ79aをオンにして、その旨を報知する。この場合、そのまま放置してホッパーモータ45の駆動が継続されると、図11に示すように、フォトインタラプタ69のオンオフが繰り返される。すなわちメダルが不正に払い出されてしまうこととなる。
以上説明したように、この実施形態によれば、フォトインタラプタ67をメダルキッカ59の始点位置に配置し、モータドライバ77からの駆動信号に基づきフォトインタラプタ67の動作を開始させ、この動作開始時にフォトインタラプタ67の出力端子67aの信号レベルが反転するようにしているため、払出指令信号が出力されていないのに出力端子67aの信号レベルが反転すると、モータドライバ77への信号ライン76またはホッパーモータ45への信号ライン78に対して不正な電気信号が外部から印加されたと判定することで、不正行為を発見することができる。また、払出指令信号が出力されたのに出力端子67aの信号レベルが反転しないときは、モータドライバ77の異常と判定することで、モータドライバ77の故障を発見することができる。また、払出指令信号が出力され出力端子67aの信号レベルが反転し、その反転時から所定時間以内に再び反転しないときは、ホッパーモータ45の異常と判定することで、ホッパーモータ45の故障を発見することができる。
また、この実施形態によれば、状態判定手段75bにより不正行為または装置の異常と判定されたときは不正報知用ランプ79aまたは異常報知用ランプ75bを点灯するようにしているため、不正行為や装置の異常に対して適切に対処することが可能になる。
また、この実施形態によれば、フォトインタラプタ69をフォトインタラプタ67と異なる位置、すなわちメダルキッカ59の終点位置に配置し、終点位置に位置するメダルキッカ59を検出するようにしているため、フォトインタラプタ67および69の双方による検出結果が整合しているか否か、例えばメダルキッカ59の検出時点の時間差が所定範囲内であるか否かに基づき、メダルキッカ59の揺動動作が正常であるか異常であるかをより確実に判定することができる。また、一方のフォトインタラプタに対して不正行為が行われたとしても、他方のフォトインタラプタによりメダルキッカ59の揺動動作の有無を検出できるため、不正行為が成立するのをより難しくすることができる。
また、この実施形態によれば、メダルキッカ59の終点位置に配置し、終点位置に位置するメダルキッカ59を検出するフォトインタラプタ69に対しては、常に電力を供給するようにしているため、CPU75から払出指令信号が出力されていないのにフォトインタラプタ69がメダルキッカ59を検出したときに、外部から直接ホッパーモータ45に対して不正に電力が供給されたと判定することができる。
また、この実施形態によれば、電源部Vccとアースとの間にフォトインタラプタ67とトランジスタQ1とを直列接続し、モータドライバ77からの駆動信号によりトランジスタQ1がオンになってフォトインタラプタ67に電源部Vccから電力が供給されるようになっているため、簡素な回路構成で、モータドライバ77からの駆動信号に基づきフォトインタラプタ67の動作を開始させることができる。また、図6ではトランジスタQ1をフォトインタラプタ67とアースとの間に接続しているが、電源部Vccとフォトインタラプタ67との間にトランジスタQ1を接続しても同様の作用効果が得られる。
なお、上記第1実施形態では、フォトインタラプタ67をメダルキッカ59の始点位置に配置しているが、フォトインタラプタの配置位置は、使用するフォトインタラプタの出力信号特性に応じて配置位置を決定する必要がある。すなわち、例えば、フォトインタラプタの出力端子の信号レベルが、メダルキッカ59の検出時(図4の状態)はハイレベル、メダルキッカ59の非検出時(図5の状態)はローレベル、非動作(トランジスタQ1がオフ)時はハイレベルとなる特性を有する場合には、フォトインタラプタをメダルキッカ59の始点位置から外れた位置(動作開始時にメダルキッカ59を検出しない位置)に配置する必要がある。この配置によって、フォトインタラプタの動作開始時に出力端子の信号レベルを反転させることができる。以下、このような特性を有するフォトインタラプタを用いた形態を第2実施形態として説明する。
<第2実施形態>
図12は第2実施形態のホッパータンクを示す斜視図、図13は第2実施形態のホッパー本体を示す斜視図である。また、図14はホッパー本体からディスクを取り外した状態の要部平面図である。また、図15および図16はメダルキッカの正面図で、図15は始点位置に位置するメダルキッカを示し、図16は終点位置に位置するメダルキッカを示している。
なお、第2実施形態では、上記第1実施形態と同一機能を果たすものには同一符号を付している。また、第2実施形態におけるスロットマシン1の構成およびホッパーユニット41の配置は、図1および図2を参照して説明した第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。また、説明の便宜上、図14ではディスク47およびメダル51の外周を二点鎖線で示し、図15ではディスク47の外周およびガイド孔442を二点鎖線で示し、図16ではディスク47の外周、メダル51およびガイド孔442を二点鎖線で示している。
ホッパータンク43(図12)の底面に透設されたほぼ円形の貫通孔431が、ホッパー本体44(図13)の上面441に配設されたディスク47に対向するように、ホッパータンク43がホッパー本体44に嵌め込まれて、図2に示すようなホッパーユニット41が構成される。ホッパー本体44の上面441には、ディスク47が回転軸49を中心に回転可能に配設されている。また、ホッパー本体44の上面441の左端には、リード板551が突設されている。また、同じくホッパー本体44の上面441の左端でリード板551に対応する位置(図13中、リード板551の斜め左上方)には、案内壁552が立設されている。そして、ホッパータンク43がホッパー本体44に嵌め込まれると、ホッパータンク43の下端432とホッパー本体44の上面441とリード板551と案内壁552とで挟まれるメダル51より多少大きい間隙が形成され、これがメダル排出通路55となる。
また、ディスク47の外周近傍であってメダル排出通路55の近傍には、ホッパー本体44の上面441にガイド孔442が透設されている。このガイド孔442は、後述するように、メダルキッカ59の揺動を案内するためのものである。図13に示すように、ガイド孔442から上方に、メダルキッカ59の一部であるメダルキッカローラ部591と、リテーナ60の一部であるリテーナローラ部601とが突出している。すなわち、ホッパー本体44の上面441は薄板で形成され、ホッパー本体44の内部は空洞となっており、この空洞に、以下に説明するように、メダルキッカ59やリテーナ60などの部材が配設されている。
メダルキッカ59は、ホッパー本体44の内部において支軸590を中心に始点位置(図15)から終点位置(図16)までの揺動範囲内で揺動可能に支持されており、支軸590と平行に突設されて先端がホッパー本体44の上面441に透設されたガイド孔442から上方に突出したメダルキッカローラ部591と、支軸590と垂直な一方向(図14中、ほぼ上方)に延設されたメダルキッカレバー部592とを有している。メダルキッカレバー部592のほぼ中央には、ばね固定部593が設けられており、このばね固定部593と、ホッパー本体44に設けられたばね支持部443とに、コイルばね65(図15、図16参照)の両端が係止されている。このコイルばね65によって、メダルキッカ59は終点位置(図16)から始点位置(図15)に向けて支軸590を中心として平面視時計回り方向に付勢されている。
また、ホッパー本体44の内部には、メダルキッカ59の揺動範囲内に2つのフォトインタラプタ670,690が配設されている。フォトインタラプタ670は終点位置近傍に位置するメダルキッカ59(メダルキッカレバー部592)を検出するもので、フォトインタラプタ690はフォトインタラプタ670より始点位置側で揺動途中のメダルキッカ59(メダルキッカレバー部592)を検出するものである。ここで、メダルキッカレバー部592の先端は、支軸590を中心に円弧状に延設されている。このため、例えば図16に示すように、フォトインタラプタ670,690の各検出位置とメダルキッカ59の終点位置との間では、フォトインタラプタ670,690によるメダルキッカ59の検出状態がそれぞれ維持される。フォトインタラプタ670,690は一体的に形成されており、これによって、ホッパー本体44へのフォトインタラプタ670,690の取付けの作業性を向上している。なお、フォトインタラプタ670,690の詳細な機能については後述する。
このホッパーユニット41の動作について説明する。回転軸49を中心にディスク47が例えば図13中、時計回りに回転すると、嵌挿部53(この実施形態では6個)に嵌挿したメダル51が移動する。そして、メダル51がガイドピン57に当接すると、メダル51はガイドピン57に案内されつつ嵌挿部53に押されて、メダルキッカローラ部591に当接する。メダルキッカローラ部591に当接したメダル51は、さらにディスク47により押されてメダルキッカローラ部591を押し込み、メダルキッカ59をコイルばね65の付勢力に逆らって支軸590を中心として反時計回りに揺動させる。メダルキッカ59が図16に示す終点位置まで揺動すると、メダル51はディスク47から完全に離れる。その結果、コイルばね65の付勢力によりメダルキッカ59が図15に示す始点位置に勢いよく復帰し、これによって、リード板551と案内壁552とによって形成されたメダル排出通路55を通って、メダルキッカ59によってメダル51がメダル排出口37に向けてはじき出される。このように、この実施形態では、ガイドピン57が本発明の「ガイド部」に相当し、メダルキッカ59が本発明の「揺動部材」に相当し、コイルばね65が本発明の「付勢手段」に相当する。
なお、メダルキッカ59の右方には、リテーナ60が配設されている。このリテーナ60も、メダルキッカ59と同様に構成されている。すなわち、ホッパー本体44の内部において支軸600を中心に揺動可能に支持されており、支軸600と平行に突設されて先端がガイド孔442から突き出ているリテーナローラ部601と、支軸600と垂直な一方向(図14中、右斜め上)に延設されたリテーナレバー部602とを有している。リテーナレバー部602の先端と、ホッパー本体44に設けられたばね支持部444との間にコイルばね603が張設されており、このコイルばね603によってリテーナ60は支軸600を中心に反時計回り方向に付勢されている。この実施形態ではコイルばね603としてばね定数の大きいものが採用されており、この強い付勢力によりリテーナローラ部601の揺動範囲は小さくなっており、これによって、嵌挿部53から外れてガイドピン57の先端とディスク47の下面との間に挟まって移動してきたようなメダル51を、リテーナローラ部601がディスク47側に向けて押し戻す機能を果たしている。なお、メダルキッカ59とリテーナ60とは、揺動したときに互いに干渉しないように、ホッパー本体44の内部において図14中、奥行き方向に位置を互いにずらせて配設されている。
図17は第2実施形態のスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。なお、図17では図6と同様に、説明の便宜上、電源部Vccおよびアースは、フォトインタラプタ670,690についてのみ図示しており、他の素子については図示を省略している。メモリ73には遊技機用プログラムが格納されており、CPU75は、この遊技機用プログラムにしたがって動作すると、スロットマシン全体の動作を制御する動作制御手段として機能するとともに、遊技制御手段75aおよび状態判定手段75bとして機能する点は第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
フォトインタラプタ670は、その出力端子671の信号レベルが、メダルキッカ59の検出時(図16の状態)はハイレベル、メダルキッカ59の非検出時(図15の状態)はローレベル、非動作(トランジスタQ1がオフ)時はハイレベルとなる構成のものが採用されている。すなわち、フォトインタラプタ670の動作時の特性は、第1実施形態のフォトインタラプタ67と逆になっている。また、フォトインタラプタ670は、第1実施形態のフォトインタラプタ67と異なり、メダルキッカ59の終点位置近傍に配置されている。したがって、正常動作のときは、遊技制御手段75aからモータドライバ77に払出指令信号が出力され、モータドライバ77からハイレベルの駆動信号がホッパーモータ45に出力されると、トランジスタQ1がオンになって、フォトインタラプタ670に電力が供給されて動作を開始する。このとき、メダルキッカ59を検出していないので、フォトインタラプタ670の出力端子671の信号レベルは、ハイレベルからローレベルに反転することとなる。
一方、フォトインタラプタ690の出力端子691の信号レベルは、メダルキッカ59の検出時(図16の状態)はローレベル、メダルキッカ59の非検出時(図15の状態)はハイレベルとなる構成のものが採用されている。すなわち、フォトインタラプタ690の動作時の特性は、第1実施形態のフォトインタラプタ69と同じになっている。このフォトインタラプタ690には、電源部Vccから常に電力が供給されており、常に動作状態になっている。フォトインタラプタ670の出力端子671およびフォトインタラプタ690の出力端子691はCPU75に接続され、それぞれの信号レベルがCPU75により検出可能になっている。このように、この実施形態では、フォトインタラプタ670が本発明の「検出器」に相当し、NPNトランジスタQ1が本発明の「スイッチ手段」に相当し、フォトインタラプタ670およびNPNトランジスタQ1が本発明の「モータ検出手段」に相当し、フォトインタラプタ690が本発明の「メダル払出検出手段」に相当し、不正報知用ランプ79aおよび異常報知用ランプ79bが本発明の「報知手段」に相当する。
なお、第2実施形態では、図17に示すように、トランジスタQ1のベースが、CPU75の出力端子751にも接続されている。したがって、モータドライバ77からの駆動信号によらずにトランジスタQ1をオンにすることができる。すなわち、CPU75の出力端子751から例えばハイレベルの制御信号を出力することによって、トランジスタQ1をオンにすることができる。このため、第2実施形態では、CPU75の出力端子751からトランジスタQ1のベースにハイレベルの制御信号を出力したときのフォトインタラプタ670の出力端子671の信号レベルを判定することによって、トランジスタQ1やフォトインタラプタ670の動作テストを行うことができる。
次に、図18〜図22を参照して第2実施形態の動作について説明する。図18〜図22は各部の信号レベルを示すタイミングチャートで、図18は正常な動作を示し、図19は不正信号が外部から印加されたときの動作を示し、図20は周辺回路が異常のときの動作を示し、図21はホッパーモータが異常のときの動作を示し、図22はホッパーモータまたはディスクに対して不正行為があったときの動作を示している。なお、図18〜図22における信号レベルの反転や動作のオンオフの切換えは互いに多少の時間差を有して行われるが、図18〜図22では、説明の便宜上、同時に行われるように図示している。
まず、図18を参照して正常動作について説明する。遊技メダルが払い出されるような入賞になってメダル払出条件を満足し、時刻t11にCPU75からモータドライバ77に払出指令信号が出力されると、モータドライバ77からホッパーモータ45に駆動信号が出力される。そして、この駆動信号により、ホッパーモータ45が回転を開始するとともに、トランジスタQ1がオンになってフォトインタラプタ670に電源部Vccから電力が供給されて動作を開始する。この動作開始時には、フォトインタラプタ670はメダルキッカ59を検出しないので、出力端子671の信号レベルがハイレベルからローレベルに反転する。
ホッパーモータ45の回転によりディスク47が回転し、ディスク47の回転に伴って嵌挿部53に嵌挿しているメダル51によりメダルキッカ59が押されると、メダルキッカ59はコイルばね65の付勢力に逆らって始点位置から終点位置に向けて移動を開始する。メダルキッカ59がまずフォトインタラプタ690により検出されると、出力端子691の信号レベルはハイレベルからローレベルに反転する。さらにメダルキッカ59が終点位置近傍まで移動し、フォトインタラプタ670により検出されると、出力端子671の信号レベルがローレベルからハイレベルに反転する。そして、さらにメダルキッカ59が終点位置まで移動し、その後にメダル51がディスク47から完全に離れると、コイルばね65の付勢力によりメダルキッカ59は終点位置から始点位置に復帰し、このメダルキッカ59の復帰により、メダル51はメダル排出通路55を通ってメダル払出口37に向けて排出される。このとき、メダルキッカ59(メダルキッカレバー部592)がまずフォトインタラプタ670の検出位置から外れると出力端子671の信号レベルがハイレベルからローレベルに反転し、さらにフォトインタラプタ690の検出位置から外れると出力端子691の信号レベルがローレベルからハイレベルに反転する。
このように、メダルキッカ59は始点位置から終点位置までの揺動範囲内で揺動を繰り返し、これによって、フォトインタラプタ670の出力端子671およびフォトインタラプタ690の出力端子691の信号レベルの反転がそれぞれ所定時間ごとに規則的に繰り返される。そして、所定枚数(図18では3枚)のメダル払出しが終了すると、メダルキッカ59が始点位置に位置する状態(フォトインタラプタ670の出力端子671の信号レベルがローレベル、かつフォトインタラプタ690の出力端子691の信号レベルがハイレベルの状態)の時刻t12に、CPU75からの払出指令信号の出力が停止する。これによってモータドライバ77からの駆動信号が停止し、その結果トランジスタQ1がオフになり、フォトインタラプタ670の動作が停止して、出力端子671の信号レベルがローレベルからハイレベルに反転する。なお、図18では正常に動作しているので、不正報知用ランプ79aおよび異常報知用ランプ79bはオフの状態が維持される。
次に、図19を参照して説明する。CPU75からモータドライバ77に払出指令信号が出力されていないのに、時刻t13にフォトインタラプタ670の出力端子671の信号レベルがハイレベルからローレベルに反転している。これは、トランジスタQ1がオンになってフォトインタラプタ670が動作を開始したことを意味する。そこで、モータドライバ77の入力側の信号ライン76に対して払出指令信号に代わる不正信号が外部から印加されたか、またはモータドライバ77の出力側の信号ライン78に対して駆動信号に代わる不正信号が外部から印加されたと判定し、不正報知用ランプ79aをオンにして、その旨を報知する。この場合、そのまま放置してホッパーモータ45の駆動が継続されると、図19に示すように、各フォトインタラプタ670,690の出力端子671,691の信号レベルの反転が繰り返される。すなわちメダルが不正に払い出されてしまうこととなる。図19に示すように、この実施形態によれば、フォトインタラプタ670,690によるメダルキッカ59の検出前の時刻t13に不正行為と判定することができる。
次に、図20を参照して説明する。遊技メダルが払い出されるような入賞になってメダル払出条件を満足し、時刻t14にCPU75からモータドライバ77に払出指令信号が出力されたのに、フォトインタラプタ670の出力端子671の信号レベルがローレベルに反転せずハイレベルのままとなっている。これは、電源部Vccからフォトインタラプタ670に電力が供給されず、フォトインタラプタ670が動作を開始していないことを意味する。そこで、モータドライバ77から駆動信号が出力されている(図20)が、トランジスタQ1が故障または電源部Vccからの回路が断線している、あるいはモータドライバ77に異常が生じてモータドライバ77からホッパーモータ45に駆動信号が出力されていないなどの異常が発生したと判定し、異常報知用ランプ79bをオンにして、その旨を報知する。このように、モータドライバ77やトランジスタQ1などの周辺回路の異常がフォトインタラプタ670の出力端子671の信号レベルで判定することができる。
次に、図21を参照して説明する。遊技メダルが払い出されるような入賞になってメダル払出条件を満足し、時刻t15にCPU75からモータドライバ77に払出指令信号が出力され、フォトインタラプタ670の出力端子671の信号レベルがハイレベルからローレベルに反転し、反転時から所定時間T11が経過しても、フォトインタラプタ690の出力端子691の信号レベルがハイレベルからローレベルに反転していない。これは、メダルキッカ59が始点位置からフォトインタラプタ690の検出位置まで移動していないことを意味する。そこで、ホッパーモータ45に異常が生じて回転していないと判定し、異常報知用ランプ79bをオンにして、その旨を報知する。
次に、図22を参照して説明する。CPU75からモータドライバ77に払出指令信号が出力されておらず、フォトインタラプタ670の出力端子671の信号レベルが反転していないのに、時刻t16にフォトインタラプタ690の出力端子691の信号レベルがハイレベルからローレベルに反転している。これは、フォトインタラプタ690がメダルキッカ59を検出したことを意味する。そこで、状態判定手段75bは、外部から直接ホッパーモータ45に対して電力が不正に供給される、ディスク47が強制的に回転されるなどの不正行為があったと判定し、不正報知用ランプ79aをオンにして、その旨を報知する。この場合、そのまま放置してディスク47の回転が継続されると、図22に示すように、フォトインタラプタ690の出力端子691の信号レベルの反転が繰り返される。すなわちメダルが不正に払い出されてしまうこととなる。
以上説明したように、第2実施形態によれば、フォトインタラプタ670をメダルキッカ59の終点位置近傍に配置し、モータドライバ77からの駆動信号に基づきフォトインタラプタ670の動作を開始させ、この動作開始時にフォトインタラプタ670の出力端子671の信号レベルが反転するようにしているため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、払出指令信号が出力されていないのに出力端子671の信号レベルが反転すると、モータドライバ77への信号ライン76またはホッパーモータ45への信号ライン78に対して不正な電気信号が外部から印加されたと判定することで、不正行為を発見することができる。また、払出指令信号が出力されたのに出力端子671の信号レベルが反転しないときは、モータドライバ77またはトランジスタQ1の異常と判定することで、モータドライバ77などの周辺回路の故障を発見することができる。また、払出指令信号が出力され出力端子671の信号レベルが反転し、その反転時から所定時間T11以内にフォトインタラプタ690の出力端子691の信号レベルが反転しないときは、ホッパーモータ45の異常と判定することで、ホッパーモータ45の故障を発見することができる。
また、第2実施形態によれば、状態判定手段75bにより不正行為または装置の異常と判定されたときは不正報知用ランプ79aまたは異常報知用ランプ75bを点灯するようにしているため、第1実施形態と同様に、不正行為や装置の異常に対して適切に対処することが可能になる。
また、第2実施形態によれば、フォトインタラプタ690をフォトインタラプタ670の検出位置よりメダルキッカ59の始点位置側に配置しているため、第1実施形態と同様に、フォトインタラプタ670および690の双方による検出結果が整合しているか否か、例えばメダルキッカ59の検出時点の時間差が所定範囲内か否かに基づき、メダルキッカ59の揺動動作が正常であるか異常であるかをより確実に判定することができる。また、一方のフォトインタラプタに対して不正行為が行われたとしても、他方のフォトインタラプタによりメダルキッカ59の揺動動作の有無を検出できるため、不正行為が成立するのをより難しくすることができる。
また、第2実施形態によれば、メダルキッカ59の揺動範囲内の途中でメダルキッカ59を検出するフォトインタラプタ690に対しては、常に電力を供給するようにしているため、CPU75から払出指令信号が出力されていないのにフォトインタラプタ690がメダルキッカ59を検出したときに、外部から直接ホッパーモータ45に対して不正に電力が供給される、または直接ディスク47に対して不正行為が行われるなどの不正行為があったと判定することができる。
また、第2実施形態によれば、電源部Vccとアースとの間にフォトインタラプタ670とトランジスタQ1とを直列接続し、モータドライバ77からの駆動信号によりトランジスタQ1がオンになってフォトインタラプタ670に電源部Vccから電力が供給されるようになっているため、簡素な回路構成で、モータドライバ77からの駆動信号に基づきフォトインタラプタ670の動作を開始させることができる。また、図17ではトランジスタQ1をフォトインタラプタ670とアースとの間に接続しているが、電源部Vccとフォトインタラプタ670との間にトランジスタQ1を接続しても同様の作用効果が得られる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記第1実施形態では、フォトインタラプタ69をメダルキッカ59の終点位置に配置しているが、これに限られず、メダルキッカ59の揺動範囲内であってフォトインタラプタ67の配置位置と異なる位置であればよい。
また、上記第1実施形態では、メダルキッカ59は支軸61を中心に揺動するようにしているが、この支軸61はメダル51に押されたときに多少移動可能に構成してもよい。例えば、コイルばね65よりばね定数の大きいばねの一端を支軸61に連結し、他端をホッパータンク43の底面43aのコイルばね65とほぼ同一位置に固定するようにしてもよい。このように構成することでメダル51をより滑らかに移動させることができる。
また、上記第1および第2実施形態では、不正行為と判定したときにその旨を報知するための不正報知用ランプ79aと装置の異常と判定したときにその旨を報知するための異常報知用ランプ79bとを備えているが、これに限られない。例えば、報知用ランプを1つだけ備え、不正行為および装置の異常と判定したときに、その報知用ランプを点灯するようにしてもよい。また、報知用ランプを別途備えることなく、演出表示ランプ33や異常メッセージを表示可能な液晶ディスプレイ13により報知するようにしてもよい。この場合には、装置の異常の態様や不正行為によって、演出表示ランプ33や液晶ディスプレイ13の表示内容などを変更すればよい。これらの形態によれば、部品点数を削減して構成を簡素化できる。
また、上記第1および第2実施形態では、3リール式のスロットマシンとしているが、これに限られない。例えば4個以上のリールを備えたスロットマシンや、スロットマシン以外でメダルを払い出すような遊技機に本発明を適用することができる。
1…スロットマシン(遊技機)、37…メダル払出口、41…ホッパーユニット(メダル払出装置)、43…ホッパータンク、45…ホッパーモータ(払出モータ)、47…ディスク、49…中心軸、51…メダル、53…嵌挿部、55…メダル排出通路、57…ガイドピン(ガイド部)、59…メダルキッカ(揺動部材)、67,670…フォトインタラプタ(モータ検出手段、検出器)、69,690…フォトインタラプタ(メダル払出検出手段)、67a,69a,671,691…フォトインタラプタの出力端子、75…CPU、75a…遊技制御手段、75b…状態判定手段、77…モータドライバ、79a…不正報知用ランプ、79b…異常報知用ランプ、Q1…NPNトランジスタ(モータ検出手段、スイッチ手段)、Vcc…電源部