JP2005143295A - ディスク装置のスピンドルモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造コストの低減
【解決手段】 動圧軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7に固定された軸受スリーブ8およびスラスト部材10と、軸部材2とを構成部品して構成される。軸受スリーブ8は、レーザビーム溶接又は高周波パルス接合により、ハウジング7の内周面7cの所定位置に固定される。
【選択図】 図2
【解決手段】 動圧軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7に固定された軸受スリーブ8およびスラスト部材10と、軸部材2とを構成部品して構成される。軸受スリーブ8は、レーザビーム溶接又は高周波パルス接合により、ハウジング7の内周面7cの所定位置に固定される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で回転部材を非接触支持する動圧軸受装置を備えたディスク装置のスピンドルモータに関する。このスピンドルモータは、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置などに好適である。
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化などが求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の一つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、この種の軸受として、上記要求性能に優れた特性を有する動圧軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
例えば、HDD等のディスク装置のスピンドルモータに組込まれる動圧軸受装置では、軸部材をラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジアル軸受部と、軸部材をスラスト方向に回転自在に非接触支持するスラスト軸受部とが設けられ、これら軸受部として、軸受面に動圧発生用の溝(動圧溝)を有する動圧軸受が用いられる。ラジアル軸受部の動圧溝は、軸受スリーブの内周面又は軸部材の外周面に形成され、スラスト軸受部の動圧溝は、フランジ部を備えた軸部材を用いる場合、そのフランジ部の両端面、又は、これに対向する面(軸受スリーブの端面や、ハウジングの底部に配設されるスラスト部材の端面等)にそれぞれ形成される。通常、軸受スリーブはハウジングの内周の所定位置に固定され、また、ハウジングの底部をスラスト部材で構成する場合は、該スラスト部材を位置決めするためのインロー部(段状の部位)をハウジングに設ける場合が多い(スラスト部材をインロー部に嵌め合わせることで、ハウジングに対するスラスト部材の位置決めを行う。)。さらに、ハウジングの内部空間に注油した潤滑油が外部に漏れるのを防止するために、ハウジングの開口部にシール部材を配設する場合が多い。
上記構成の動圧軸受装置は、ハウジング、軸受スリーブ、軸部材、及びシール部材といった部品で構成され、情報機器の益々の高性能化に伴って必要とされる高い軸受性能を確保すべく、各部品の加工精度や組立精度を高める努力がなされている。一方、情報機器の低価格化の傾向に伴い、この種の動圧軸受装置に対するコスト低減の要求も益々厳しくなっている。
本発明の課題は、動圧軸受装置の組立工程の効率を高め、より一層低コストなディスク装置のスピンドルモータを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、軸部材と、軸部材と一体に回転するディスクハブと、軸部材を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置とを備え、ステータとロータとの間の励磁力で軸部材及びディスクハブを回転させるディスク装置のスピンドルモータにおいて、動圧軸受装置は、ハウジングと、ハウジングの内周に固定された軸受スリーブと、軸部およびフランジ部を有する軸部材と、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で軸部をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用でフランジ部をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを備え、軸受スリーブがハウジングにレーザビーム溶接又は高周波パルス接合で固定されている構成を提供する。
上記のように、本発明では、動圧軸受装置における軸受スリーブをハウジングにレーザビーム溶接又は高周波パルス接合で固定するので、接着剤等で固定する場合に比べて、軸受スリーブの固定作業を簡素にし、また、作業時間を短縮することができる。例えば、軸受スリーブのレーザビーム溶接による固定は、ハウジングの外径側から軸受スリーブの固定部位にレーザビームを照射し、あるいは、軸受スリーブの固定部位に直接レーザビームを照射することにより行うことができる。
上記構成において、スラスト軸受部は、軸受スリーブの一端面とこれに対向するフランジ部の一端面との間に設けられた第1スラスト軸受部と、ハウジングに固定されたスラスト部材の端面とこれに対向するフランジ部の他端面との間に設けられた第2スラスト軸受部とで構成することができる。また、第1スラスト軸受部及び第2スラスト軸受部のスラスト軸受隙間は、ハウジングの所定位置に位置決めされた軸受スリーブの一端面を基準として、スラスト部材のハウジングに対する位置を設定することにより、所定寸法に形成することができる。
例えば、スラスト部材の位置設定をハウジングに設けたインロー部(段状の部位)で行う(スラスト部材をインロー部に嵌め合わせることで、ハウジングに対するスラスト部材の位置決めを行う。)構成では、スラスト軸受隙間が、ハウジングに対する軸受スリーブの組立精度(インロー部の段部と軸受スリーブの端面と間の軸方向寸法)の影響を受ける。また、ハウジングに対する軸受スリーブの位置決めを専用の治具で行う必要があるので、各部品を最終的に組立み合わせたとき、スラスト軸受隙間が、スラスト面(フランジ部の両端面、軸受スリーブおよびスラスト部材の端面)の面精度の影響を受ける。これに対して、ハウジングの所定位置に位置決めされた軸受スリーブの一端面を基準として、スラスト部材のハウジングに対する位置を設定すると、スラスト軸受隙間が、ハウジングに対する軸受スリーブの組立精度やスラスト面の面精度の影響を受けない。そのため、スラスト軸受隙間を精度良く形成することができ、これにより軸受性能の一層の向上を図ることができる。しかも、スラスト軸受隙間を精度良く形成するために、必要以上に高精度な部品加工や複雑な組立作業を行う必要がないので、動圧軸受装置の製造コスト低減にもなる。
上記構成において、ハウジングは、金属製又は樹脂製(樹脂の射出成形品等)とすることができる。ハウジングを金属製とする場合、アルミ合金等のダイキャスト品、金属板等のプレス加工品(絞り成形品等)、真ちゅう等の金属材の機械加工品(旋削加工品等)、金属粉末の射出成形品等を用いることができる。
ここで、金属粉末の射出成形法は「メタル・インジェクション・モールディング」(MIM:Metal Injection Molding)と呼ばれている。このMIM法は、一般に、金属粉末と樹脂バインダとを混練後、金型に射出して成形し、続いて脱脂してバインダを除いた成形体を焼結して完成品とする成形法であり(焼結後、必要に応じて後処理を行う。)、次のような特長を有している。すなわち、複雑な形状の小物部品をニア・ネット・シェイプで形成することができ、金型形状を転写し同一形状のものを量産することができ、成型時の収縮率、脱脂・焼結時の収縮率などを見極めることにより、寸法精度の高い部品を生産することができ、金型形状を転写するので、金型の仕上精度と同一の面精度(面粗度等)を確保することができ、ステンレス鋼等の難加工材のニア・ネット・シェイプ化が可能である。
ハウジングを上記のMIM法で形成することにより、製造コスト低減を図ることができる。ハウジングに加え、あるいは、ハウジングに代えて、軸部材やスラスト部材を上記のMIM法で形成しても良い。軸部材やスラスト部材のように、ラジアル軸受部を構成するラジアル面、スラスト軸受部を構成するスラスト面を有する部材をMIM法で形成することにより、ラジアル面やスラスト面の面粗度等を精度良く仕上げることができるので、加工コスト低減になる。また、成形金型の所要部位に動圧溝の形状を加工しておくことにより、ラジアル面やスラスト面に動圧溝を成形と同時に形成(転写)することができるので、その後の動圧溝加工を不要として、加工コスト低減を図ることもできる。
上記構成において、ハウジングの内周形状は特に限定されないが、軸方向にストレートな形状とすることができる。これにより、ハウジングの形状を簡単化して、加工コストの低減を図ることができる。
あるいは、ハウジングの内周に段差部が設けられ、軸受スリーブの一端部が段差部に当接することにより、軸受スリーブのハウジングに対する位置決めがなされる構成とすることもできる。これにより、軸受スリーブの位置決め作業を容易にして、組立作業を簡素化することができる。
上記構成において、軸受スリーブは焼結金属で形成することができる。
本発明によれば、動圧軸受装置の組立工程の効率を高め、より一層低コストなディスク装置のスピンドルモータを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、この実施形態に係る動圧軸受装置1を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置1と、軸部材2に装着されたディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたモータステータ4およびモータロータ5とを備えている。ステータ4はケーシング6の外周に取付けられ、ロータ5はディスクハブ3の内周に取付けられる。動圧軸受装置1のハウジング7は、ケーシング6の内周に装着される。ディスクハブ3には、磁気ディスク等のディスクDが一又は複数枚保持される。ステータ4に通電すると、ステータ4とロータ5との間の励磁力でロータ5が回転し、それによって、ディスクハブ3および軸部材2が一体となって回転する。
図2は、動圧軸受装置1を示している。この動圧軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7に固定された軸受スリーブ8およびスラスト部材10と、軸部材2とを構成部品して構成される。
軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材2の軸部2aの外周面2a1との間に第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが軸方向に離隔して設けられる。また、軸受スリーブ8の下側端面8cと軸部材2のフランジ部2bの上側端面2b1との間に第1スラスト軸受部S1が設けられ、スラスト部材10の端面10aとフランジ部2bの下側端面2b2との間に第2スラスト軸受部S2が設けられる。尚、説明の便宜上、スラスト部材10の側を下側、スラスト部材10と反対の側を上側として説明を進める。
ハウジング7は、例えば、マグネシウム等の金属粉末からMIM法で逆コップ状に形成され、円筒状の側部7bと、側部7bの上端から内径側に一体に延びた環状のシール部7aとを備えている。シール部7aの内周面7a1は、軸部2aの外周面2a1と所定のシール空間を介して対向する。また、側部7bの内周面7cは軸方向にストレートな形状である。
軸部材2は、例えば、ステンレス鋼等の金属材で形成され、軸部2aと、軸部2aの下端に一体又は別体に設けられたフランジ部2bとを備えている。
軸受スリーブ8は、例えば、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする燒結金属の多孔質体で円筒状に形成され、レーザビーム溶接又は高周波パルス接合により、ハウジング7の内周面7cの所定位置に固定される。軸受スリーブ8の上側端面8bは、ハウジング7のシール部7aに当接している。
この焼結金属で形成された軸受スリーブ8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、該2つの領域には、例えば図3(a)に示すようなヘリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2がそれぞれ形成される。尚、動圧溝の形状として、スパイラル形状や軸方向溝形状等を採用しても良い。
また、第1スラスト軸受部S1のスラスト軸受面となる、軸受スリーブ8の下側端面8cには、例えば図3(b)に示すようなスパイラル形状の動圧溝8c1が形成される。尚、動圧溝の形状として、ヘリングボーン形状や放射溝形状等を採用しても良い。
図4に示すように、スラスト部材10は、例えば、マグネシウム等の金属粉末からMIM法で円盤状に形成され、圧入+接着、レーザビーム溶接、高周波パルス接合等の適宜の手段により、ハウジング7の内周面7cの下端部に固定される。第2スラスト軸受部S2のスラスト軸受面となる、スラスト部材10の端面10aには、例えば図4(b)に示すようなヘリングボーン形状の動圧溝10a1が形成される。スラスト部材10をMIM法で形成する場合、この動圧溝10a1は成形と同時に形成(成形金型で転写)することができる。尚、動圧溝の形状として、スパイラル形状や放射溝形状等を採用しても良い。
軸部材2の軸部2aは軸受スリーブ8の内周面8aに挿入され、フランジ部2bは軸受スリーブ8の下側端面8cとスラスト部材10の端面10aとの間の空間部に収容される。また、シール部7aで密封されたハウジング7の内部空間には潤滑油が給油される。
軸部材2の回転時、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域(上下2箇所の領域)は、それぞれ、軸部2aの外周面2a1とラジアル軸受隙間を介して対向する。また、軸受スリーブ8の下側端面8cのスラスト軸受面となる領域はフランジ部2bの上側端面2b1とスラスト軸受隙間を介して対向し、スラスト部材10の端面10aのスラスト軸受面となる領域はフランジ部2bの下側端面2b2とスラスト軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材2の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2の軸部2aが上記ラジアル軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが構成される。同時に、上記スラスト軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2のフランジ部2bが上記スラスト軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によって両スラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト方向に回転自在に非接触支持する第1スラスト軸受部S1と第2スラスト軸受部S2とが構成される。
この実施形態の動圧軸受装置1は、例えば、図5〜図8に示すような態様で組立てる。尚、図5〜図8は、図2と上下が逆向きになっている。
まず、図5に示すように、軸受スリーブ8をハウジング7の内周面7cに挿入し(圧入しても良い。)、その上側端面8bをシール部7aに当接させる。これにより、軸受スリーブ8のハウジング7に対する軸方向位置が決まる。そして、この状態で軸受スリーブ8をハウジング7に固定する。
つぎに、図6に示すように、軸部材2を軸受スリーブ8に装着する。尚、軸受スリーブ8をハウジング7に固定した状態でその内径寸法を測定しておき、軸部2aの外径寸法(予め測定しておく。)との寸法マッチングを行うことにより、ラジアル軸受隙間を精度良く設定することができる。
つぎに、図7に示すように、スラスト部材10をハウジング7の内周面7cに挿入し(圧入しても良い。)、軸受スリーブ8の側に推し進めて、その端面10aをフランジ部2bの下側端面2b2に当接させ、同時に、フランジ部2bの上側端面2b1を軸受スリーブ8の下側端面8cに当接させる。この状態が、スラスト軸受隙間ゼロ(第1スラスト軸受部S1および第2スラスト軸受部S2のスラスト軸受隙間がゼロ)の状態である。尚、軸受スリーブ8のハウジング7に対する固定はこの段階で行っても良い。
つぎに、図8に示すように、スラスト部材10を軸部材2と伴に、第1スラスト軸受部S1のスラスト軸受隙間(大きさをδ1とする。)と第2スラスト軸受部S2のスラスト軸受隙間(大きさをδ2とする。)の合計量に相当する寸法δ(δ=δ1+δ2)だけ、ハウジング7および軸受スリーブ8に対して軸方向に相対移動させる。そして、スラスト部材10をその位置でハウジング7に固定すると、所定のスラスト軸受隙間δ(δ=δ1+δ2)が形成される。
上記の方法によれば、動圧軸受装置1の各構成部品を実際に組み合わせてスラスト軸受隙間ゼロの状態を一旦実現し、その状態から、スラスト部材10とハウジング7および軸受スリーブ8とを軸方向に所定量相対移動させてスラスト軸受隙間を形成するので、上記の軸方向相対移動量δ(δ=δ1+δ2)を管理するだけで、ハウジング7に対する軸受スリーブ8の組立精度やスラスト面(8c、10a、2b1、2b2)の面精度、フランジ部2bの軸方向寸法精度等の影響を受けることなく、スラスト軸受隙間を精度良く形成することができる。
図9は、他の実施形態に係る動圧軸受装置11を示している。この動圧軸受装置11は、薄肉のハウジング17と、ハウジング17に固定された軸受スリーブ8およびスラスト部材10と、軸部材2と、シール部材9とを構成部品して構成される。尚、図2に示す動圧軸受装置1と実質的に同一の部品及び部位については同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
ハウジング17は、例えば、金属板(板材又はパイプ材)からプレス成形(絞り加工)で形成され、円筒状の側部17bと、側部17bの上端から内径側に一体に延びた環状の係止部17aとを備えている。側部17bの下側部分17b1の内径は他の部分よりも若干小径に形成され、両者の境界部分は段差部17b2になっている。尚、この実施形態では、側部17bの下側部分17b1を他の部分よりも若干小径に絞ることで段差部17b2を形成しているが、例えば、側部17bの下側部分17b1と他の部分の肉厚を相互に異ならせたり、あるいは、上記の境界部分に対応する部分を内径側に局部的に屈曲させることで段差部17b2を形成してもよい。また、段差部17b2は、全周にわたって形成してもよいし、円周方向の複数箇所に部分的に形成してもよい。
シール部材9は、ハウジング17の側部17bの上端部内周にエポキシ系接着剤等による接着、圧入、レーザビーム溶接(ハウジング17の外径側からシール部材9の固定部位にレーザビームを照射する。あるいは、シール部材9の固定部位に直接レーザビームを照射する。)、高周波パルス接合、加締め等で固定され、軸方向には、ハウジング17の係止部17aと軸受スリーブ8の上側端面8bとで挟持される。シール部材9の内周面9aは、軸部2aの外周面2a1と所定のシール空間を介して対向する。
この実施形態の動圧軸受装置11は、例えば、図10〜図12に示すような態様で組立てる。
まず、図10に示すように、軸受スリーブ8をハウジング17の側部17bの内周に挿入し(圧入しても良い。)、その下側端部(端面8cの側)を側部17bの段差部17b2に当接させ、さらに、シール部材9をハウジング17の側部17bの内周に挿入し(圧入しても良い。)、軸受スリーブ8の上側端面8bに当接させる。これにより、軸受スリーブ8のハウジング17に対する軸方向位置が決まる。そして、この状態で軸受スリーブ8およびシール部材9をハウジング17に固定する。その後、ハウジング17の側部17bの上側端部を内径側に屈曲変形させて係止部17aを形成し、シール部材9に当接させる。尚、軸受スリーブ8、シール部材9の一方又は双方を固定する手段として、ハウジング17の側部17bを加締めてもよい。この場合、軸受スリーブ8、シール部材9の一方又は双方の外周に凹部を設けておき、この凹部に側部17bを加締めるようにするとよい。あるいは、軸受スリーブ8、シール部材9の一方又は双方を側部17bの内周に圧入することで、これら部品のハウジング17に対する固定作業を省略することもできる。
つぎに、図11に示すように、軸部材2を軸受スリーブ8に装着する。そして、スラスト部材10を側部17bの下側端部17b1の内周に挿入し(圧入しても良い。)、軸受スリーブ8の側に推し進めて、その端面10aをフランジ部2bの下側端面2b2に当接させ、同時に、フランジ部2bの上側端面2b1を軸受スリーブ8の下側端面8cに当接させる。この状態が、スラスト軸受隙間ゼロ(第1スラスト軸受部S1および第2スラスト軸受部S2のスラスト軸受隙間がゼロ)の状態である。
つぎに、図12に示すように、スラスト部材10を軸部材2と伴に、第1スラスト軸受部S1のスラスト軸受隙間(大きさをδ1とする。)と第2スラスト軸受部S2のスラスト軸受隙間(大きさをδ2とする。)の合計量に相当する寸法δ(δ=δ1+δ2)だけ、ハウジング17および軸受スリーブ8に対して軸方向に相対移動させる。そして、スラスト部材10をその位置でハウジング17に固定すると、所定のスラスト軸受隙間δ(δ=δ1+δ2)が形成される。
図13は、他の実施形態に係る動圧軸受装置21を示している。この動圧軸受装置21は、ハウジング27と、ハウジング27に固定された軸受スリーブ8およびスラスト部材10と、軸部材2と、シール部材9とを構成部品して構成される。尚、図2に示す動圧軸受装置1と実質的に同一の部品及び部位については同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
ハウジング7は、例えば、マグネシウム等の金属粉末からMIM法で円筒状に形成され、その内周面27bは軸方向にストレートな形状である。
シール部材9は、ハウジング27の上端部内周にエポキシ系接着剤等による接着、圧入、レーザビーム溶接、高周波パルス接合、加締め等で固定され、その内周面9aは、軸部2aの外周面2a1と所定のシール空間を介して対向する。
この実施形態の動圧軸受装置21は、まず、シール部材9をハウジング17に固定し、その後、図5〜図8と同様の態様で組立てる。
図14は、他の実施形態に係る動圧軸受装置31を示している。この動圧軸受装置31は、ハウジング37と、ハウジング37に固定されたスラスト部材10と、軸部材2とを構成部品して構成される。尚、図2に示す動圧軸受装置1と実質的に同一の部品及び部位については同一の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
ハウジング37は、例えば、マグネシウム等の金属粉末からMIM法で形成され、第1ラジアル軸受部R1のラジアル軸受面37aと第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面37bと、第1スラスト軸受部S1のスラスト軸受面37cと、シール面37dとを備えている。例えば、ラジアル軸受面37a、37b、スラスト軸受面37cには、ヘリングボーン形状やスパイラル形状等の動圧溝が形成され、これら動圧溝はハウジング37の成形と同時に形成(成形金型で転写)される。
この実施形態の動圧軸受装置31は、例えば、以下に説明するような態様で組立てる。
まず、軸部材2をハウジング37に装着する。つぎに、スラスト部材10をハウジング37の下端部内周に挿入し(圧入しても良い。)、その端面10aをフランジ部2bの下側端面2b2に当接させ、同時に、フランジ部2bの上側端面2b1をスラスト軸受面37cに当接させる。この状態が、スラスト軸受隙間ゼロ(第1スラスト軸受部S1および第2スラスト軸受部S2のスラスト軸受隙間がゼロ)の状態である。その後、スラスト部材10を軸部材2と伴に、第1スラスト軸受部S1のスラスト軸受隙間(大きさをδ1とする。)と第2スラスト軸受部S2のスラスト軸受隙間(大きさをδ2とする。)の合計量に相当する寸法δ(δ=δ1+δ2)だけ、ハウジング37に対して軸方向に相対移動させる。そして、スラスト部材10をその位置でハウジング37に固定すると、所定のス
ラスト軸受隙間δ(δ=δ1+δ2)が形成される。
ラスト軸受隙間δ(δ=δ1+δ2)が形成される。
1、11、21、31 動圧軸受装置
2 軸部材
2a 軸部
2b フランジ部
2b1 上側端面
2b2 下側端面
7、17、27,37 ハウジング
7a シール部
8 軸受スリーブ
8a 内周面
8b 上側端面
8c 下側端面
9 シール部材
10 スラスト部材
10a 端面
R1 第1ラジアル軸受部
R2 第2ラジアル軸受部
S1 第1スラスト軸受部
S2 第2スラスト軸受部
2 軸部材
2a 軸部
2b フランジ部
2b1 上側端面
2b2 下側端面
7、17、27,37 ハウジング
7a シール部
8 軸受スリーブ
8a 内周面
8b 上側端面
8c 下側端面
9 シール部材
10 スラスト部材
10a 端面
R1 第1ラジアル軸受部
R2 第2ラジアル軸受部
S1 第1スラスト軸受部
S2 第2スラスト軸受部
Claims (1)
- 軸部材と、該軸部材と一体に回転するディスクハブと、該軸部材を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置とを備え、ステータとロータとの間の励磁力で前記軸部材及びディスクハブを回転させるディスク装置のスピンドルモータにおいて、
前記動圧軸受装置は、ハウジングと、該ハウジングの内周に固定された軸受スリーブと、軸部およびフランジ部を有する軸部材と、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で前記軸部をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、スラスト軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で前記フランジ部をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを備え、
前記軸受スリーブが前記ハウジングにレーザビーム溶接又は高周波パルス接合で固定されていることを特徴とするディスク装置のスピンドルモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005033441A JP2005143295A (ja) | 2005-02-09 | 2005-02-09 | ディスク装置のスピンドルモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005033441A JP2005143295A (ja) | 2005-02-09 | 2005-02-09 | ディスク装置のスピンドルモータ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002042629A Division JP4216509B2 (ja) | 2002-02-20 | 2002-02-20 | 動圧軸受装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005143295A true JP2005143295A (ja) | 2005-06-02 |
Family
ID=34698255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005033441A Pending JP2005143295A (ja) | 2005-02-09 | 2005-02-09 | ディスク装置のスピンドルモータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005143295A (ja) |
-
2005
- 2005-02-09 JP JP2005033441A patent/JP2005143295A/ja active Pending
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Legal Events
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070711 |
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A521 | Request for written amendment filed |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071009 |