JP2005141916A - リチウムイオン二次電池用負極材料及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リチウムイオン二次電池用の負極材料であって、ハイレート特性に優れ、安全で安価な負極材料を提供する。
【解決手段】 結晶性炭素粒子核の表面に結晶性炭素が被覆されたリチウムイオン二次電池用負極材料であって、満充電した該負極材料の7Li−NMRスペクトルが、LiCl水溶液基準で10〜20ppmに一つのシグナルを有し、好ましくはXRD法による002格子定数が0.68〜0.70nm、比表面積が4m2/g以下であるリチウムイオン二次電池用負極材料とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 結晶性炭素粒子核の表面に結晶性炭素が被覆されたリチウムイオン二次電池用負極材料であって、満充電した該負極材料の7Li−NMRスペクトルが、LiCl水溶液基準で10〜20ppmに一つのシグナルを有し、好ましくはXRD法による002格子定数が0.68〜0.70nm、比表面積が4m2/g以下であるリチウムイオン二次電池用負極材料とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池用の負極材料、特に、大容量で優れたハイレート充放電特性を有する負極材料に関し、並びに、同負極材料を備えたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、携帯電話、携帯パソコン等の携帯電子機器の電源として急速に発達している。これら携帯機器用の電源において、最も必要とされる特性はエネルギー密度、即ち、単位体積当たりのエネルギー貯蔵量であり、いかに長時間携帯機器が使用できるかに関心が持たれている。リチウムイオン二次電池の負極材料としては、各種の炭素材料が開発されてきたが、何れもエネルギー密度やサイクル特性の向上を目的としたものである。
一方、リチウムイオン二次電池は、ハイブリッド自動車(HEV)用の電池等を対象として大型化が図られている。従来、大型のリチウムイオン二次電池に用いる負極材料としては、等方性炭素が用いられている。その理由は、等方性炭素は急速充放電性に優れ、黒鉛や結晶性炭素と比較して溶媒に対する触媒的な反応性が低いために安全性に優れているためと考えられる。しかしながら、等方性炭素は、黒鉛や結晶性炭素と比較して高価である。
また、HEVで最も必要とされる特性は出力であり、短時間に充電或は放電できるエネルギー量である。即ち、自動車の発進時には大きな出力を必要とするので、急速放電性能が要求され、減速時や制動時には回生エネルギーを取り込むために、急速充電性能が要求される。
急速充放電の性能は、充放電レートを高くした場合のエネルギー密度で示される。充放電レートは、電池を(1/n)時間で充放電した場合をnCと表現する。携帯機器の電源とする場合には、長時間連続して使用できることが望まれるために、1C以下でのエネルギー密度が問題とされることが多かった。これに対してHEV用の電池は、1C以上での充放電におけるエネルギー密度が問題とされ、最近では10C〜20Cのように、非常にハイレートでの特性が問題とされるようになった。
リチウムイオン二次電池の負極材料には、種々の炭素材料が用いられているが、1C以上の充放電レートを対象として性能評価を行った例は少なく、また、10C以上については全く見当たらない。例えば、特許文献1には、黒鉛を用いる負極材料が提案され、急速充放電できることが記載されているが、3Cまでの値が示されているにすぎない。
特開2002−367611号公報 (段落番号[0187]〜[0188])
本発明者等は、ハイレートにおける負極材料の充放電容量を確認した。その結果、黒鉛では充電容量が低い問題があり、等方性炭素では放電容量が低い問題があるのに対して、結晶性炭素では充電容量と放電容量が共に良好であることが確認された。また、研究の結果、結晶性炭素粒子を核として、これを結晶性炭素で被覆したものは充電容量と放電容量が更に向上することを確認した。更に、この負極材が安全性や経済性に優れていることを確認し、本発明を完成するに到った。
従って、本発明の目的とするところは、上記問題を解決した、リチウムイオン二次電池用の負極材料であって、ハイレート特性に優れ、安全で安価な負極材料を提供することにある。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 結晶性炭素粒子核の表面に結晶性炭素が被覆されたリチウムイオン二次電池用負極材料であって、満充電した該負極材料の7Li−NMRスペクトルが、LiCl水溶液基準で10〜20ppmに一つのシグナルを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料。
〔2〕 XRD法による002格子定数が0.68〜0.70nmである〔1〕に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
〔3〕 比表面積が4m2/g以下である〔1〕に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
〔4〕 〔1〕乃至〔3〕の何れかに記載の負極材料を用いて形成したリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、核となる結晶性炭素粒子の表面に結晶性炭素が被覆されたリチウムイオン二次電池用負極材料であって、満充電した該負極材料の7Li−NMRスペクトルが、LiCl水溶液基準で10〜20ppmに一つのシグナルを有し、好ましくはXRD法による002格子定数が0.68nm〜0.70nm、比表面積が4m2/g以下である負極材料を採用しているので、10C〜20Cの非常にハイレートな充放電におけるエネルギー密度が高く、かつ、安全で安価なリチウムイオン二次電池を実現することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の負極材料は、結晶性炭素粒子を核として、これを結晶性炭素で被覆したものである。核として用いる結晶性炭素は、後述するXRD法による002格子定数が0.68nm〜0.70nmであることが好ましい。XRD法による002格子定数が0.68nm未満の場合は、放電容量が低下し、XRD法による002格子定数が0.70nmを超える場合は、ハイレート特性が低下する。
核として用いる結晶性炭素の粒度は、平均径で0.2〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。結晶性炭素の粒度が0.2μm未満の場合は、表面積が大きくなって安全性に問題が生じる虞があり、結晶性炭素の粒度が20μmを超える場合は、良好なハイレート特性が得難い。
このような結晶性炭素は、石炭系のピッチやタールを原料とするディレイドコークス、又は石油系重質油を原料としたディレイドコークスやフリュードコークスを原料とし、これを900〜1400℃で焼成したコークスを用いることができる。このため、黒鉛や等方性炭素と比較して、安価に製造することができる。
結晶性炭素の粒度調節は、焼成の前、或は焼成後の何れの段階で行っても良い。
結晶性炭素中の灰分は、好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。結晶性炭素中の灰分が0.2質量%を超えると、異常電極反応が起こる危険性が増える。
本発明の負極材料は、核となる結晶性炭素粒子の表面を、結晶性炭素で被覆した二層構造からなる粒子である。被覆した二層構造は比表面積の変化で確認できる。被覆が完全になるに従い比表面積は減少する。被覆後の炭素粒子の比表面積は、4m2/g以下が好ましく、3.5m2/g以下がより好ましい。被覆する結晶性炭素は、後述するXRD法による002格子定数が0.68nm〜0.70nmであることが好ましい。
二層構造とすることによって、結晶性炭素の良好なハイレート充放電特性は一層向上することになる。その理由は、蒸着炭素で粒子表面を均一に被覆することにより粒子の表面積が低下し、その結果、表面に生成する不導体膜が減少して電極抵抗が低下するためと考えられる。また、表面積の低下により、溶剤との反応に対する炭素系負極の安全性を一層向上させることができる。
炭素被覆は、流動床化学蒸着や固定床化学蒸着等の方法によって行うことができる。特に、流動床で行う場合には、粒子の表面を少量の蒸着炭素で均一に被覆することが可能である。化学蒸着温度は650〜1200℃とすることが好ましいが、好適な温度は化学蒸着に用いる化学種によって異なる。例えば化学種にアセチレンを用いると650℃での化学蒸着が可能である。
化学蒸着温度が高いほど熱分解炭素の析出速度が大きくなり、有機物ガスの炭素への変換率は高くなるが、同時に炭素は膜状に成長するよりもむしろ繊維状或はスス状に成長し、表面被覆を目的とした処理には好ましくない。また、結晶性も低下する傾向が認められる。従って、化学蒸着処理温度は1200℃以下とすることが好ましく、1150℃以下とすることが更に好ましい。
炭素蒸着源として用いられる化学種としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、ジフェニルメタン、ジフェニル、ナフタレン、フェノール、クレゾール、ニトロベンゼン、クロルベンゼン、インデン、クマロン、ピリジン、アントラセン、フェナントレン等の1環ないし3環の芳香族炭化水素、又はその誘導体あるいはこれらの混合物が挙げられる。
また、石炭系のタール蒸留工程で得られるガス軽油、クレオソート油、アントラセン油、あるいは石油系の分留油やナフサ分解タール油のほか、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素やその誘電体であるアルコールも単独あるいは混合物として用いることができる。
さらにはアセチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブタジエン等の二重結合を有する有機化合物も用いることが出来る。中でも、化学蒸着処理時にタールを発生しない芳香環数が1のベンゼン、若しくは、トルエン、キシレン、スチレン等の誘導体、あるいはそれらの混合物が好ましい。
化学蒸着処理は窒素等の不活性ガス雰囲気下で実施される。不活性ガスは、反応系より酸素や未反応有機ガスを排出するのに用いられるが、同時に流動床を形成する流動化媒体として重要である。従って、化学蒸着炭素源となる有機物は、窒素等の不活性ガスで稀釈されて流動床に導入される。
有機物の濃度は、生成する蒸着炭素の結晶性に大きな影響を与える。モル濃度が低い場合、炭素蒸着速度は下がるが、蒸着炭素の結晶性は向上する。一方、モル濃度が高い場合、炭素蒸着速度は増大するが、同時にスス状炭素が発生し、蒸着炭素の結晶性は低下する。そのため本発明においては、有機物の不活性ガスに対するモル濃度は、2〜50%が好ましく、5〜33%がより好ましい。
流動床化学蒸着処理において、形成する被覆炭素は、負極材料全体に対して1〜30質量%とすることが好ましく、3〜15質量%がより好ましい。1質量%以上で、表面積低減効果が発現するからである。30質量%を超える炭素を蒸着させた場合は、電池特性の改良効果はほぼ飽和すると共に、粒子間の接着が顕著となり粒子の粗大化を招きやすいので好ましくない。
本発明は、核となる炭素粒子が結晶性炭素であると共に、その表面を被覆する炭素も結晶性炭素であることを必要とする。これによって、核粒子のハイレート特性を更に向上させることが可能となる。
核粒子及び被覆炭素の結晶性は、次のようにして確認することができる。即ち、本発明の負極材料と金属リチウムとで電池を構成し、負極にリチウムイオンをインターカレーションした状態で7Li−NMRスペクトルを測定すると、塩化リチウム基準(0ppm)でケミカルシフトのほぼ0〜20ppmの位置に、1本のスペクトルが現れる(図1参照)。
このスペクトルは、結晶性炭素にインターカレーションしたリチウムイオンの状態を示すものである。即ち、核粒子炭素と被覆炭素が共に結晶性炭素であることを示し、これらに挿入されたリチウムイオンが互いに分離して検出されることはない。
一方、非晶質炭素を核粒子とし、その表面を結晶性炭素で被覆した二層構造からなる負極材料や、結晶性炭素を核粒子とし、その表面を非晶質の炭素で被覆した二層構造からなる負極材料を用いて同様にスペクトルを測定すると、0〜20ppmの位置に1本のスペクトルと、70〜100ppmの位置に1本のスペクトルが現れる。即ち、核粒子炭素及び被覆炭素にインターカレーションしたリチウムイオンが互いに分離して検出される(図3参照)。図3に等方性炭素を核粒子とし、その表面を結晶性炭素で被覆した場合の例を示す。
スペクトル位置は、充電量によって多少シフトする。本発明の負極材料、即ち核粒子炭素と被覆炭素が共に結晶性炭素である場合、充電量が少ない状態では0ppmに近いところにスペクトルが現れるが、充電量が増えるに伴いスペクトル位置はシフトし、満充電の状態(Liイオンによるインターカレーションが飽和した状態)では10〜20ppmにスペクトルが現れる。この場合においても核粒子炭素と被覆炭素にそれぞれインターカレーションしたLiスペクトルがそれぞれ分離することはない。
本発明の負極材料を用いてリチウムイオン二次電池の負極を調製する方法は特に限定されないが、例えば、この負極材料にバインダー(例えばPVDF)を溶解した溶剤(例えば1−メチル−2−ピロリドン)を加えて、十分に混練することにより固形物濃度40質量%以上の高濃度スラリーを調製することができる。
この負極材スラリーを、金属箔(例えば銅箔)の集電体にドクターブレード等を用いて20〜100μmの厚みにコーティングする。金属箔上の炭素微粒子スラリーは、乾燥することにより金属箔集電体に密着される。必要があれば、加圧して金属箔集電体への密着性を高め、かつ電極密度を高める。
バインダーには公知の材料、例えば各種ピッチやラバーや合成樹脂等が用いられるが、なかでもポリビニリデンフルオライド(PVDF)やカルボキシメチルセルロース(CMC)が最適である。また、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、澱粉、カゼイン等も用いることができる。炭素微粒子とバインダーとの混合比(質量比)は、100:2〜100:20とすることが望ましい。
正極材料は特に限定されないが、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等、又はこれらの混合物或は金属置換物が好適である。またLiFePO4等も用いることができる。粉末状の正極材料は必要があれば導電材を加え、バインダーを溶解した溶剤と十分に混練後、集電体とともに成型して調製することができる。これらは公知の技術である。また、セパレーターについても特に限定はなく、ポリプロピレンやポリエチレン等の公知の材料を用いることができる。
リチウムイオン二次電池の電解液用非水系溶媒としては、リチウム塩を溶解できる非プロトン性低誘電率の公知の溶媒が用いられる。例えば、エチレンカーボネイト、ジメチルカーボネイト、プロピレンカーボネイト、ジエチレンカーボネイト、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒が単独又は二種類以上が混合して用いられる。
電解質として用いられるリチウム塩にはLiClO4、LiAsF5、LiPF6、LiBF4、LiB(C6H5)、LiCl、LiBr、CH3SO3Li、CF3SO3Li等があり、これらの塩が単独に、あるいは二種類以上の塩が混合して用いられる。
また、上記電解液と電解質をゲル化したゲル電解質や、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル等の高分子電解質等を用いてリチウムポリマー二次電池とすることもできる。さらには固体電解質を用いてリチウム全固体二次電池とすることもできる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明する。また、これら実施例及び比較例における負極材料の各物性値は以下の方法で測定した。
結晶格子定数Co(002):フィリップス社製X線回折装置(Xpert−MPD PW3040)を用い、Cu−Kα線をNiとモノクロメーターで単色化し、高純度シリコンを標準物質として学振法で測定した。
7Li固体NMR:ブルカー社製固体核磁気共鳴装置(DSX300wb)に多核種広巾プローブヘッドを装着し、塩化リチウム水溶液を標準として測定を行った。
比表面積:日本ベル社製高精度自動ガス吸着装置(BELSORB28)を用い液体窒素温度で窒素吸着量を多点法で測定しBET法にて比表面積を算出した。
電気的特性:試料濃度53.3質量%、バインダーとしてCMC1質量%、SBRラテックス2質量%の水スラリーを調製し、アプリケーターを用いて銅箔にコートした。乾燥後1tonf/cm2(98MPa)でロールプレスした後、2cm2の電極を打ち抜き、対極に金属リチウムを用いてコイン電池をアルゴン雰囲気中で組み立てた。
実施例1〜9
新日本石油(株)製ニードルコークスをロッドミルで粉砕後、900〜1400℃の表1に示す温度で30分焼成して平均粒子径1〜8μmの結晶性炭素を調製した。これを流動床反応装置中で、化学種にトルエンを用いて化学蒸着処理を行い、2〜15質量%の結晶性炭素で被覆したものを試料とした。
新日本石油(株)製ニードルコークスをロッドミルで粉砕後、900〜1400℃の表1に示す温度で30分焼成して平均粒子径1〜8μmの結晶性炭素を調製した。これを流動床反応装置中で、化学種にトルエンを用いて化学蒸着処理を行い、2〜15質量%の結晶性炭素で被覆したものを試料とした。
この試料を用いて上記の方法でコイン電池を作製し、充放電流量を0.2Cから20Cまで変化させて充放電レート特性を測定した。その結果を表1に示す。
比較例1〜7
実施例1〜9で用いた結晶性の核粒子炭素を試料として、実施例1〜9と同様にして充放電レート特性を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1〜9で用いた結晶性の核粒子炭素を試料として、実施例1〜9と同様にして充放電レート特性を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1〜9及び比較例1〜7の結果を比較すると、結晶性炭素で被覆した二層構造(実施例1〜9)とすることにより、レート0.2C充放電での初期効率が上昇すると共に、レート20Cでの充電容量、及びレート0.2Cで充電した電極のレート20Cでの放電容量が増加することが分かる。
実施例1の試料について、満充電の状態で測定したNMRスペクトルを図1に、比較例1の試料について同様に測定したNMRスペクトルを図2に示す。実施例1では被覆炭素の影響により、ピークが若干シフトしているが、どちらも0〜20ppmの範囲に、一つのシグナルを有していることが分かる。尚、図2における290.41ppmのシグナルは、ノイズによるものである。
比較例8
等方性炭素を核粒子とし、これを流動床反応装置中で、化学種にトルエンを用いて化学蒸着処理を行い、6質量%の結晶性炭素で被覆した平均粒度5μmのものを試料として、実施例1〜9と同様にして充放電レート特性を測定した。
等方性炭素を核粒子とし、これを流動床反応装置中で、化学種にトルエンを用いて化学蒸着処理を行い、6質量%の結晶性炭素で被覆した平均粒度5μmのものを試料として、実施例1〜9と同様にして充放電レート特性を測定した。
その結果、結晶性の核粒子炭素を使用していないため、結晶性炭素で被覆した二層構造としているにも拘らず、レート0.2C充放電での初期効率86%、レート20Cでの充電容量72mAh/g、及びレート0.2Cで充電した電極のレート20Cでの放電容量128mAh/gと、充放電レート特性は何れも低いものであった。
また、比較例8の試料について、満充電の状態で測定したNMRスペクトルは、19.341ppmの位置に1本のスペクトルと、93.230ppmの位置に1本のスペクトルが現れた。即ち、核粒子炭素及び被覆炭素にインターカレーションしたリチウムイオンが互いに分離して検出された。
更に、比較例8の試料は、XRD法による002格子定数0.7420nmと、0.68〜0.70nmの範囲を逸脱するものであった。
Claims (4)
- 結晶性炭素粒子核の表面に結晶性炭素が被覆されたリチウムイオン二次電池用負極材料であって、満充電した該負極材料の7Li−NMRスペクトルが、LiCl水溶液基準で10〜20ppmに一つのシグナルを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料。
- XRD法による002格子定数が0.68〜0.70nmである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
- 比表面積が4m2/g以下である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
- 請求項1乃至3の何れかに記載の負極材料を用いて形成したリチウムイオン二次電池。
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WO2008007752A1 (fr) * | 2006-07-10 | 2008-01-17 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Oxyde métallique composite de lithium |
JP2008041653A (ja) * | 2006-07-10 | 2008-02-21 | Sumitomo Chemical Co Ltd | リチウム複合金属酸化物 |
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