JP2005140813A - フレネルレンズシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同心円状の輪帯からなるレンズ部を有するフレネルレンズシートにおいて、中心部近傍でのレンズ谷部の高さを可変に設定する。レンズ谷部の高さは、基準平面上に単位レンズを配置する際、中心部近傍における単位レンズは、基準平面上に底上げした状態で配置することで実現される。
【選択図】図2
Description
リアプロジェクションスクリーンは、投影レンズから投射された光を、観察者の方向に集光させて略平行光とするフレネルレンズシートと、フレネルレンズシートから出た光を水平方向および垂直方向に拡散させて視野角を拡大する、レンチキュラーレンズシートと拡散板から構成されているのが一般的である。
フレネルレンズシートは、図1で概念的に示すように、求める光学特性を有する凸レンズ20(図1(a))のレンズ面を同心円状に均等に分割し(図1(b))、図1(c)に示すように、平板上に図1(b)で分割された単位レンズ部31を配置してなる構成であり、同等の光学特性を有する凸レンズが薄型・軽量化されることになる。
フレネルレンズシートの単位レンズ部31は、図1(c)に示すように、レンズ機能を奏するフレネル面33と非レンズ面(ライズ面)34とからなるが、中心部と周辺部とでは、隣接する単位レンズ間ではライズ面の面積(谷部から山部までの距離)が異なっており、一般的に、周辺部のレンズの高さが大きく、隣接するレンズ部との段差が明確であり、中心部ではレンズは低く、隣接するレンズ部との段差は明確になりづらい。
リアプロジェクションテレビは、画素数の増加による高精細画像化が進む方向にあり、それに伴い、投影画素の周期性とレンズシート(レンチキュラーシートやフレネルレンズシート)の単位レンズの配列周期性との関係に起因するモアレ防止のため、フレネルレンズシートのレンズピッチの微細化が必要となる。このような課題に対する解決策が、特許文献1に示されている。
特許文献1に示されている解決策は、フレネルレンズシートを構成する単位レンズを、隣り合う単位レンズ間での配列ピッチを一定とせず、ランダムで不規則にすることである。
最適ピッチの±10〜±20%の範囲でピッチを可変に設定することにより、単位レンズの配列ピッチにおける「周期性」がなくなることで、モアレは解消されるというものである。
一方で、単位レンズの配列ピッチに一層の微細化が要求されてくると、モアレとは別な課題が生じることになる。
すなわち、図1(c)で示したように、中心部では隣接するレンズ部との段差が不明確となる傾向があるため、単位レンズの配列ピッチの微細化に伴って、輪帯状の単位レンズの凹凸が浅くなり、隣り合う単位レンズの境界が不明瞭となりやすく、正確に加工できる限界を超えると、山部/谷部が認識できない平坦な表面となる、いわゆるレンズの飛びの現象が発生し、最適な設計値通りのレンズ特性を奏することができなくなる。
同心円状の輪帯からなるレンズ部を有するフレネルレンズシートにおいて、中心部近傍でのレンズ谷部の高さが可変に設定されてなることを特徴とする。
レンズ谷部の高さの可変量は、隣り合うレンズ谷部の間で均一でもランダムであっても良い。また、前記可変量は、隣り合ったレンズ谷部で、1μmから10μmの範囲が好ましい。
レンズ谷部の高さは、中心部から周辺部にかけて漸次高くなっていることが好ましい。
図2(a)は、本発明によるフレネルレンズシートの一例を示す断面図である。
図1(c)の場合と比較して、中心部において、単位レンズ間の境界(段差)が明らかであるが、レンズ谷部の高さの位置を変えていることによる。
最終的に得られるフレネルレンズシートの断面が、中心部から周辺部にかけて漸次高くなっている図2(a)に示す構成が、金型の切削工程の上では作業時間の短縮(切削する円周が長い周辺部では、切り込み深さの増加は、切削時間の増加となる)の上で好ましい。
レンズ谷部の高さの可変量としては、隣り合ったレンズ谷部で、1μmから10μmの範囲が好ましい。
単位レンズの配列ピッチを98μmに設定した場合、ある目的の設計値では、中心部におけるレンズの中心からの距離と、その距離におけるレンズの高さの差は0.034μmであった。
この条件で、レンズの高さの差が1μm以上となるのは、30輪目のレンズとなり、その間のレンズでは、加工精度上の問題から、飛びが発生しやすい。
そこで、周辺に向かうに従い、単位レンズの谷部の位置を、1.1μmずつ底上げして高くなるようにすることで、飛びの問題は解決できた。
同じ設計値で、単位レンズの配列ピッチを61μmに設定した場合、中心部におけるレンズの中心からの距離と、その距離におけるレンズの高さの差は0.021μmであり、この条件で、レンズの高さの差が1μm以上となるのは48輪目のレンズとなり、
同様に、単位レンズの配列ピッチを43μmに設定した場合、レンズの高さの差が1μm以上となるのは68輪目のレンズとなり、
単位レンズの配列ピッチが微細化するほど、隣り合う単位レンズ間の境界(段差)を明確化するのが困難であり、飛びの問題を一層招きやすいが、
上記と同様に、周辺に向かうに従い、単位レンズの谷部の位置を、1.1μmずつ底上げして高くなるようにすることで、飛びの問題は解決された。
31,51,52,53・・・単位レンズ部
33・・・フレネル面
34・・・ライズ面
60・・・基準平面
61,62・・・底上げ部分
Claims (5)
- 同心円状の輪帯からなるレンズ部を有するフレネルレンズシートにおいて、中心部近傍でのレンズ谷部の高さが可変に設定されてなることを特徴とするフレネルレンズシート。
- レンズ谷部の高さの可変量は、隣り合うレンズ谷部の間で均一であることを特徴とする請求項1記載のフレネルレンズシート。
- レンズ谷部の高さの可変量は、隣り合うレンズ谷部の間でランダムであることを特徴とする請求項1記載のフレネルレンズシート。
- レンズ谷部の高さは、中心部から周辺部にかけて漸次高くなっていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のフレネルレンズシート。
- レンズ谷部の高さの可変量は、隣り合ったレンズ谷部で、1μmから10μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のフレネルレンズシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003374011A JP2005140813A (ja) | 2003-11-04 | 2003-11-04 | フレネルレンズシート |
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JP2003374011A JP2005140813A (ja) | 2003-11-04 | 2003-11-04 | フレネルレンズシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005140813A true JP2005140813A (ja) | 2005-06-02 |
Family
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022201727A1 (ja) * | 2021-03-23 | 2022-09-29 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | フレネルレンズ、電子機器、および、フレネルレンズの製造方法 |
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2003
- 2003-11-04 JP JP2003374011A patent/JP2005140813A/ja active Pending
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CN110268318B (zh) * | 2017-02-03 | 2021-08-31 | 苹果公司 | 菲涅尔透镜中的非对称区 |
WO2022201727A1 (ja) * | 2021-03-23 | 2022-09-29 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | フレネルレンズ、電子機器、および、フレネルレンズの製造方法 |
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