JP2005140700A - 非接触式車両用接近体検出装置 - Google Patents

非接触式車両用接近体検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両に接近する接近体の種別を精度よく判定する装置を提供する。
【解決手段】車両のバンパ4には、渦巻きシートコイル401と人体検出用の電極ライン402、403とをもつフレキシブルプリント配線基板400が取り付けられ、これらのインピーダンス変化により、金属体と歩行者とを判別する。
【選択図】図16

Description

本発明は、車両への物体接近とその種類とを非接触に判定する装置に関し、特に歩行者の接近を検出する装置に関する。
車両衝突時に衝突対象が歩行者か否かを判定し、歩行者と判定した場合には歩行者保護するための装置を起動する歩行者保護技術が提案され、かつ、実用化が検討されており、このため、車両への接近体が歩行者であるかどうかを判別する技術が要望されている。また、乗員保護のために、金属体である車両の接近を衝突前に検出することも期待されている。
先行する歩行者判別技術として、特許文献1、2は、導電体(この明細書では抵抗体を含むものとする)である衝突対象とセンサの電極板との間の静電容量変化に基づいて歩行者と導電体との間の静電容量の差を電気的に検出する導電性をもつ接近体の接近を検出する方式(静電容量式接近体検出方式)を提案している。
また、車両への障害物の接近を非接触にて検出する従来方法として、超音波を照射してその反射波を受信する方法もあった。
特開2000-177514号公報 特開2000-326808号公報
しかしながら、上記した従来の静電容量式接近体検出方式では、人体と金属体との間の静電容量の差が小さく、かつセンサ出力の傾きも同一方向となるため、金属体の形状や種類によっては人間との分別が難しいという欠点があった。また、静電容量変化に伴う出力変化を大きくするためには高周波での運用が必要となるため、回路出力に重畳する高周波ノイズや外来雑音電波の影響が大きくなり、判別精度が低下するという問題もあった。
また、上記した超音波形式は実用化されているが、価格競争が極めて激しい自動車分野において超音波発振受信器を車両周囲に全面的に配置することはコスト的に困難でありたとえばバックソナーなど限定的にしか実用化されていなかった。更に、この超音波形式では、接近体の種類を判別することが難しいという欠点もあった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、製造コストの点で実用性に優れるとともに、良好に金属体や歩行者を分別可能な非接触式車両用接近体検出装置を提供することをその目的としている。
本発明の非接触式車両用接近体検出装置は、車両の表面部に設置されて車両近傍への金属体である接近体の接近により自己のコイルインピーダンスZcの変化を発生させるコイルと、前記コイルに給電する交流電源と、前記コイルインピーダンスZcの変化に関連する電気量に基づいて前記金属体の接近を判別する判別回路とを備え、
前記コイルは、略水平方向かつ前記車両の前記コイルの設置部分に対して略直角方向に設定されたコイル軸心と、前記車両の前面又は後面に左右方向へ略水平に延設されるかもしくは前記車両の側面に前後方向へ略水平に配置された長辺とを有して略長方形で扁平なシートコイルからなることを特徴としている。
すなわち、この発明では、交流磁界を車両周囲に形成するコイルを車両の表面部に設置し、このコイルの交流インピーダンス変化により導電性を有する接近体の接近を検出する。
本発明のコイルは、略水平方向かつ車両の前記コイルの設置部分に対して略直角方向に設定されたコイル軸心と、車両の前面又は後面に左右方向へ略水平に延設されるかもしくは車両の側面に前後方向へ略水平に配置された長辺とを有して略長方形で扁平なシートコイルにより構成されており、かつバンパや樹脂モールなどに容易に埋設することができるため車両の美観を損なうことがなく、かつ、従来の超音波式に比べて格段に低コストで車両周囲の広い範囲を簡単に非接触監視することができる。また、このコイルは、超音波式や静電容量式に比べて金属体を人体から分離することができるので、金属体の衝突に反応して歩行者保護装置が作動するなどの不具合を防止することができる。
更に説明すると、コイルの交流磁界が金属体に作用すると、金属体には渦電流が流れてコイルインピーダンスZcが変化するが、コイルの交流磁界が歩行者に作用しても歩行者には渦電流がほとんど流れないので、これら両者を良好に分別することが可能となる。
なお、ここで言う金属体とは、人体よりも小さい比抵抗をもつ導電体を意味し、磁性体でもよく、非磁性体でもよい。また、接近体に流れる渦電流に起因するコイルインピーダンスZcに関連する電気量は、種々の方法にて測定することができる。たとえば、定電圧電源から負荷インピーダンス素子を通じてこのコイルに交流電力を供給することにより、この負荷インピーダンス素子又はコイルの電圧降下を検出してもよい。また、定電流交流電源からコイルに通電することにより、コイルの電圧降下を検出してもよい。更には、コイルインピーダンスZcを含む共振回路を自励発振させてその周波数を検出してもよい。
好適な態様1において、前記シートコイルは、渦巻き状にターン導体が形成された渦巻きシートコイルからなる。このようにすれば、必要なインダクタンスと検出エリアを確保しつつシートコイルの厚さを薄くすることができるので、車両美観を損なうことなく、高い検出感度で車両周囲に広く検出領域を設定することができる。
好適な態様2において、前記シートコイルに近接して前記車両の表面部に設置される電極部を有して車両近傍への前記接近体である歩行者の接近による自己の対地静電容量Coの変化を発生させる対地コンデンサと、前記電極部に給電する交流電源とを備え、前記判別回路は、前記コイルインピーダンスZcの変化に関連する電気量と前記対地静電容量Coの変化に関連する電気量とに基づいて、前記接近体が金属体か若しくは歩行者かを判別する。
すなわち、この態様2によれば、コイルに近接して静電容量式接近体検出センサを配置する。このようにすれば、コイルインピーダンスZcの変化による金属体の選択的検出と、対地静電容量Coの変化による人体の選択的検出を実現することができ、接近体が金属体か歩行者かを更に良好に判別することができる。
なお、金属体も電極部の対地静電容量Coを変化させる。しかし、コイルインピーダンスZcの変化により金属体を選択的に判別することができるので、静電容量センサが歩行者又は金属体の接近を判別することにより、両センサが検出すれば金属体であり、静電容量センサだけが検出すれば歩行者であることを、分別することができるわけである。
好適な態様3は態様2において、前記シートコイルの一端は、一端が接地された前記交流電源の他端から給電され、前記シートコイルの他端は、前記対地コンデンサの前記電極部に接続されて前記電気量検出のための検出端をなし、前記判別回路は、前記検出端の電圧上昇により金属体の接近を、前記検出端の電圧低下により歩行者の接近を分別する。
このようにすれば、渦電流に関連する電気量と対地静電容量Coに関連する電気量とを、一つのセンサ装置により検出することができ、回路構成を格段に簡素化することができる。特に都合がよいことに、出力電圧は、歩行者の接近時に低下し、金属体の接近により増加するので、一つのセンサ装置により歩行者と金属体との分別が容易かつ確実に行うことができる。
更に説明すると、上述したように人体接近によるコイルの交流インピーダンス(渦電流増加)減少は金属体に比べて格段に小さい。しかし、人体の表面積が比較的大きいために対地コンデンサの対地静電容量Coは人体の接近により大きくなる。この対地静電容量Coの増加は、たとえばコイルと対地コンデンサとの接続端の電位を低下させるため、人体接近を検出することができる。
なお、金属体が電極部からみて人体と同等の面積を持つとみなされる場合には、人体同様に電極部の対地静電容量Coの変化は等しくなる。しかし、既述したように金属体の場合ではこの静電容量Cによる上記接続端の電位降下よりもコイルの交流インピーダンスの減少(渦電流増加)による上記接続端の電位上昇の影響が優勢なために、上記接続端の電位変化方向は金属体と人体とで反対となり、両者の弁別が可能となる。つまり、金属体が接近する場合、渦電流によるコイルインピーダンスZcの減少と、金属体の接近による金属体と電極部との間の容量増加による対地静電容量Coの増加とが同時に発生するが、実験によれば前者は後者より大きいために、金属体の接近の場合には、前者の原因による出力電圧の増加は後者の原因による出力電圧の低下より優勢となり、その結果として、金属体接近時には、出力電圧は増大することがわかった。
好適な態様4では、前記シートコイルは、前記車両の前面又は後面又は側面に互いに隣接して上下に複数に配置され、前記判別回路は、前記複数のシートコイルの各コイルインピーダンスZcに関する電気量に基づいて、高さが低くて車両走行に支障がない低位置金属体を、高さが高く車両走行に支障が生ずる金属体から分別する。
すなわち、この態様では、車両の上下方向にたとえば二つのコイルを配置し、下側のコイルのコイルインピーダンスが上側のそれよりもあるしきい値以上大きい状況を判別した場合に、たとえば列車線路などと判定する。これにより、走行に支障がない路上になんらかの金属体が落ちていたり、敷設されていた場合を障害物と誤検出してしまうのを防止することができる。
好適な態様5では態様4において、前記複数のシートコイルは、異なる周波数の電圧を印加され、前記判別回路は、各シートコイルごとに前記周波数成分のみを抽出して前記電気量をする。このようにすれば、これら二つのコイルの干渉を低減することができる。
好適な態様6では態様5において、前記複数のシートコイルは、磁束形成方向が逆向きとなるように形成されている。これにより、二つのシートコイル間の二つのコイルの磁束が強め合うために金属体中の渦電流を増加し、検出感度を増加することができる。
好適な態様7では、前記シートコイルは、前記車両の前面又は後面に左右へ、もしくは、前記車両の側面に前後へ互いに近接乃至隣接して複数配置され、前記判別回路は、前記各シートコイルのコイルインピーダンスZc又は前記対地コンデンサの対地静電容量Coに関連する電気量を前記各シートコイルごとに判定する。このようにすれば、コイルの全インピーダンスのうち金属などの導電体の接近により変化するインピーダンス成分の割合を大きくすることができるのでセンサ感度を向上することができる。また、接近体の左右方向又は前後方向の位置も検出することができる効果を奏することができる。
好適な態様8では態様7において、前記判別回路は、前記判定結果に基づいて前記接近体の左右方向位置を判定する。これにより、接近体が接近する部位の歩行者保護装置のみを作動させるなどの対策を施すことが可能となる。
好適な態様9は態様7又は8において、互いに近接乃至隣接する二つの前記シートコイルは、異なる周波数の電圧を印加され、前記判別回路は、各シートコイルごとに前記周波数成分のみを抽出して前記電気量をする。これにより、隣り合う二つのシートコイル間の信号漏れがなく、ある一つのコイルのコイルインピーダンスZcの変化が隣のコイルのコイルインピーダンスZcに影響するのを抑止することができる。
好適な態様10は態様7又は8において、互いに近接乃至隣接する二つの前記シートコイルは、磁束形成方向が逆向きとなるように形成されている。これにより、二つのシートコイル間の二つのコイルの磁束が強め合うために金属体中の渦電流を増加し、検出感度を増加することができる。
好適な態様11は態様7又は8において、互いに近接乃至隣接する二つの前記シートコイルの短辺は、互いにオーバーラップしているかもしくは隙間なしにもしくは前記電極部の介在なしに隣接している。このようにすれば、隣接する二つのシートコイルの境界付近に接近体が接近する場合においても、コイルの検出感度を低下させることがない。
できるだけ隙間なしに隣接させることにより、コイル感度を向上することができる。ただし、この場合には二つのコイルの磁束形成方向は逆向きとされることが好ましく、オーバーラップしている場合には隣接する二つのコイルの磁束形成方向は等しくされることが好ましい。オーバーラップしている場合には、たとえば接近体がこれら二つのコイルのコイルインピーダンスZcを同時に変化させる場合には、コイル境界部に接近と判定することができ、一方のコイルのコイルインピーダンスZcの変化が他方より優勢であれば、この一方のコイルのうち、接近体は上記コイル境界部以外の部分へ接近していると判定することができる。
好適な態様12は態様7又は8において、前記判別回路は、互いに近接乃至隣接して左右方向又は前後方向に配列された前記複数のシートコイルのうち、中央部の前記シートコイルの前記電気量と端部の前記シートコイルの前記電気量とに対して異なるしきい値を用いて判定を行う。すなわち、中央のコイルはその両側に隣接コイルをもち、これら隣接コイルの磁界の影響を受ける。中央のコイルと両側の隣接コイルとが等しい周波数の磁界を発生するのであれば、これらコイル間の相互インダクタンスの影響により出力が変調される。これに対して、一番端のコイルでは、隣接コイルは一方側だけであり、上記した相互インダクタンスの影響による出力変調の影響は小さい。
また、たとえば車両がメタリック塗装される場合、このメタリック塗装がコイル内もコイル外も区別せず一面になされる場合は別として、コイル内のエリアはメタリック塗装しない場合、メタリック塗装面は渦電流を発生させるため、中央のコイルと周縁のコイルとでは磁束が貫通するメタリック塗装面の広さが異なり、これが両コイル間で出力の変化をもたらす。そこでこの発明では、左右又は前後に配列された各コイルのうち少なくとも中央のコイルと周辺のコイルとで検出しきい値を変更する。好適には、左右又は前後に配列された各コイルごとに磁性体である車体の形状や磁束が貫通するメタリック塗装面の大きさなどがばらつくため、コイルインピーダンスZcの値が異なる。そこで、各コイルごとにそれぞれ異なる最適検出しきい値を設定すれば、各コイルごとに最良の検出精度を得ることができる。
好適な態様13は態様2乃至12において、前記対地コンデンサの前記電極部は、前記シートコイルの上または下に近接して前記シートコイルの長辺に平行に延設されていることを特徴としている。このようにすれば、対地コンデンサの検出エリアとシートコイルの検出エリアとが左右又は前後又は上下にずれることが少なくなり、判別精度を向上することができる。
好適な態様14は態様13において、前記電極部は、前記シートコイルの最外ターンよりも広幅に形成されているので、対地コンデンサの感度を向上することができる。
好適な態様15は態様13において、前記渦巻きシートコイルの最外ターンは、前記渦巻きシートコイルの他のターンよりも幅広に形成されて前記電極部を構成するので、対地コンデンサの感度を向上することができる。
好適な態様16では、前記シートコイルは、樹脂製のバンパに保持されている。このようにすれば、コイルを大きな磁性体であり、渦電流損も大きい車体から可能な範囲で引き離すことができるため、検出のための磁束が広がるのを抑止して検出感度を向上することができ、渦電流損失も低減することができる。また、美観低下を防ぎ、コイルの電気絶縁確保も容易となる。好適には、シートコイルは、バンパに固定又は一体形成されている。たとえば、シートコイルは、バンパに直接プリント又は貼着される。
好適な態様17は態様16において、前記シートコイルは、非磁性で比抵抗が大きい特性を有して前記バンパの裏面に配置された押さえプレートと前記バンパとの間に形成されたコイル収容室に前記バンパに対して相対変位可能に収容されている。このようにすれば、バンパが局部的に凹んだとしても、シートコイルはバンパに対して相対変位して同様に凹み形状となるため、シートコイルの導体線に大きな張力が掛かって断線することがない。また、バンパを交換する時に、シートコイルを再利用することもできる。
好適な態様18では態様17において、前記押さえプレートは、厚さ方向に貫通する多数の孔を有する。たとえば、押さえプレートは、樹脂によりメッシュ状に形成される。このようにすれば、シートコイル内に泥水などが浸入し、乾燥してシートコイル周辺に土砂が詰まってシートコイルの移動性が損なわれるのを防止することができる。
好適な態様18では態様17において、前記押さえプレートは、前記各シートコイルに給電する給電線、又は、前記各シートコイルの一端からその電位を取り出す出力信号配線を有し、前記給電線又は出力信号配線は、前記シートコイルの端部に接続される。このようにすれば、シートコイルへの配線を簡素化することができる。たとえば、その最外側の端部に出力信号配線を接続し、その最内側のターンに給電線を接続すれば、シートコイルを単層のフレキシブルプリント配線基板により構成することができる。
好適な態様18では態様17において、前記押さえプレートは、前記バンパと同等以上の柔軟性を有する。このようにすれば、バンパの変形を阻止することがない。
好適な態様19は態様2において、前記渦巻きシートコイルは、フレキシブルプリント配線基板により構成されていることを特徴とする。このようにすれば、渦巻きシートコイルを簡単に作ることができる。なお、このフレキシブルプリント配線基板を折り畳んだり、巻回した後に平坦にしたりすれば、多層の渦巻きシートコイルを作ることができるので、導体線幅を狭くすることなく、ターン数を稼ぐことができる。なお、対地コンデンサの電極部も同時にフレキシブルプリント配線基板に形成することが好適である。
好適な態様20は態様19において、前記判別回路は、前記フレキシブルプリント配線基板に実装されているので、コイルや対地コンデンサの電極部から判別回路までの出力信号配線を短縮することができ、そのインピーダンスによる信号損失や、この出力信号配線に重畳する電磁波ノイズなどを低減することができる。なお、交流電源もフレキシブルプリント配線基板に実装することができ、この場合には交流電源とコイルとを接続する給電線も同様にフレキシブルプリント配線基板に形成することができる。
好適な態様21は態様19において、前記フレキシブルプリント配線基板に配線されて前記判別回路と前記渦巻きシートコイルとを接続する接続配線は、磁気シールドされて点にある。このようにすれば、エンジンなどからの電磁波ノイズによる誤検出を減らすことができる。同様に、交流電源からコイルまでの給電線も電磁波シールドすることができる。
好適な態様22は態様19において、前記フレキシブルプリント配線基板は、車両の前後又は左右方向に配列された複数の前記渦巻きシートコイルを有し、前記判別回路は、前記各渦巻きシートコイルのコイルインピーダンスZc又は前記対地コンデンサの対地静電容量Coに関連する電気量を個別に判定する。つまり、この態様ではフレキシブルプリント配線基板に複数の渦巻きシートコイルを形成する。これにより、部品点数を減らし、組み付け工数を減らし、回路配線を簡素化することができる。また、コイル数を思い切って増加するのも容易となる。
本発明の好適態様を以下の実施例により具体的に説明する。
本発明装置の一実施例を図1を参照して説明する。
(回路構成の説明)
1は低出力インピーダンスの正弦波発振器である交流電源、2はセンサ部、3は判別部である。センサ部2は、互いに直列に接続された交流インピーダンス回路21と電圧降下検出抵抗22とからなる。交流インピーダンス回路21は、車両のバンパ4に埋設されたコイル211と、コンデンサ212と、抵抗素子213とを並列接続してなる。交流電源1は交流インピーダンス回路21の一端に接続され、交流電源1の他端と電圧降下検出抵抗22の他端とは接地されている。電圧降下検出抵抗22の電圧降下は判別部3に入力される。コイル211とコンデンサ212とからなる並列LC回路の共振周波数は交流電源1の発振周波数より大きく設定されている。
判別部3は、電圧降下検出抵抗22の電圧降下であるセンサ部2の出力電圧からバンドパスフィルタにより交流電源1の発振周波数成分を抽出した後、それを整流し、平滑して直流信号電圧とし、それをデジタル信号に変換してマイコンに取り込み、このマイコンが障害物(接近体)5の種類とその接近を検出する。
もしくは、この直流信号電圧をコンパレータ回路により直接判定する。コンパレータを用いる場合、コンパレータ回路は、障害物が存在しない場合の直流信号電圧値より所定値だけ大きい第一のしきい値をもつ第一コンパレータと、障害物が存在しない場合の直流信号電圧値より所定値だけ小さい第二のしきい値をもつ第二コンパレータとからなる。第一コンパレータは、直流信号電圧が第一のしきい値より大きいと判定した場合、金属体の接近と判定し、第二コンパレータは、直流信号電圧が第二のしきい値より小さいと判定した場合、歩行者の接近と判定する。この種の判別部3の回路構成自体は周知であり、図示説明を省略する。
(障害物分別処理の説明)
この回路による近接障害物5の弁別方法を図2〜図4を参照して説明する。これらの図において、Lはコイル211のインダクタンス、Cはコンデンサ212の静電容量、Rは抵抗素子213の抵抗値、Roは電圧降下検出抵抗22の抵抗値、Viは交流電源1の出力電圧、Voは電圧降下検出抵抗22の電圧降下であり、センサ部2の出力電圧である。
図2は近接障害物5が電気絶縁体であること場合を示す。コンデンサ212はコイル211とは別に設けても良いが、コイル211の分布容量としてもよく、コイル211の分布容量を含んでもよい。抵抗RはコイルLと別に設けても良いが、コイルL自体の内部抵抗としてもよい。コイル211に接近する近接障害物5が電気絶縁体である場合には、近接障害物5はセンサ部2に電気的に影響を与えないので、出力電圧Voは、変化しない。なお、超音波センサなどにより近接障害物5の接近を検出すれ場合には、この接近にかかわらずセンサ部2の出力電圧Voが変化しないので、近接障害物5が電気絶縁物すなわち人間ではないと判定することができる。
図3は近接障害物5がたとえばアルミニウムなどの金属体であること場合を示す。この場合には、金属体の接近により金属体に渦電流が流れ、コイル211のコイルインピーダンスZcが減少するため、交流インピーダンス回路21の合成交流インピーダンスが減少し、電圧降下検出抵抗22の電圧降下すなわち出力電圧Voが増大する。すなわち、出力電圧Voが増大する場合に金属体が接近したと判別することができる。障害物5が軟鉄などの磁性体の場合にはコイル211のインダクタンスは増大する。しかし、その渦電流損失の増加はコイル211のインダクタンス増加よりも交流インピーダンス回路21のコイルインピーダンスZcの低下に与える影響が大きいため、交流インピーダンス回路21の電圧降下自体は減少する。同様に、これらの金属体は後述する人体の場合と同様に、電圧降下検出抵抗22と並列接続されるコンデンサの容量を増大させ、電圧降下検出抵抗22の電圧降下を減少する作用も行う。しかし、このコンデンサ容量の増加による電圧降下検出抵抗22の電圧降下低下よりも、金属体による渦電流損失増加により交流インピーダンス回路21の電圧降下減少の影響が優勢であるために、金属体が接近すると、センサ部2の出力電圧は、増加することがわかった。
図4は近接障害物5が人体である場合を示す。人体は金属体に比較して格段に(二桁以上)比抵抗が大きいので、コイル211による渦電流はほとんど無視することができる。これに対して、人体の表面積は大きいので、人体とコイル21(回路的にはコイル21と電圧降下検出抵抗22との接続点)との間の間の静電容量C1が大きくなる。ここで、交流インピーダンス回路21と電圧降下検出抵抗22との接点と人体との接続点と人体との間の静電容量をC1、人体の対地静電容量をC2とすれば、上記接続点は静電容量C1、C2の直列回路を通じて接地されることになる。その結果、この直列接続静電容量が電圧降下検出抵抗22に並列接続されて、それらの合成交流インピーダンスが小さくなるために、電圧降下検出抵抗22の電圧降下すなわち出力電圧Voが減少する。すなわち、出力電圧Voが減少する場合に人体が接近したと判定することができる。なお、上記接続点は、電圧降下検出抵抗22と並列接続されたコンデンサ(対地コンデンサ)の電極部と考えることができる。また、コイル211のこの接続点側のターン導体はこの電極部を兼ねるはずである。
図5に人体と金属と電気絶縁体(それ以外の物体)とがコイル211に接近する際の出力電圧Voの変化の計算例を図5に示し、実測例を図6に示す。
次に、比較例として、従来の静電容量センサに電気絶縁体、金属体、人体がコンデンサCに接近する場合の静電容量センサ部の交流インピーダンスの変化とそれによる出力電圧Voの変化について図7〜図9を参照して説明する。
図7は電気絶縁体が接近する場合であり、この場合には出力電圧Voは当然変化しない。図8は接地金属体が接近する場合であり、この場合には、電圧降下検出抵抗Roに並列に静電容量C1が並列接続されるため、電圧降下検出抵抗22の電圧降下が生じ、出力電圧Voが低下する。図9は人間が接近する場合であり、この場合には、前述したように直列接続された静電容量C1、C2が電圧降下検出抵抗Roに並列接続されるため、金属体接近の場合ほどではないが、電圧降下検出抵抗22の電圧降下すなわち出力電圧Voが低下する。この静電容量センサによる人体と金属と電気絶縁体(それ以外の物体)とがコイル211に接近する際の出力電圧Voの変化の計算例を図10に示す。図5と図10との比較により、この実施例のセンサでは、人体と金属体との分別が出力電圧Voに与える影響が反対向きとなるために優れた判別精度が得られることが理解される。
(変形態様1)
他の変形態様を図11を参照して以下に説明する。
この変形態様は、図1において、ボビン210に巻回されたコイル211を短軸で半径が大きい形状とし、前方に向けて開口したものである。このようにすれば、コイル211が形成する磁束が対象に到達しやすくなるので、金属体検出感度が向上する。100はコイル211を囲む両端開口の金属筒であり、接地されている。これにより、この金属筒100はコイル211の径方向におけるコイル211の感度を低下させ、前方感度を相対的に向上することができる。なお、この金属筒をコイル211と電圧降下検出抵抗22との接続点に接続して、上記した対地コンデンサの電極部としてもよい。当然この場合には、金属筒100は接地されない。101は、コイル211と電圧降下検出抵抗22との接続点に接続された金属プレートであり、それは上下方向及び左右方向に延設されている。このようにすれば、この金属プレート101とその前方の人体との間の静電容量C1を増加することができ、人体検出感度を向上することができる。
(変形態様2)
上記実施例では、交流インピーダンス回路21のコイル211は車両のバンパに設置したが、他の部位に設けてもよい。また、バンパの異なる位置に別々に複数設けてもよい。
本発明装置の他の実施例を図12を参照して説明する。
(回路構成の説明)
この実施例は、図1に示す回路装置において、電圧降下検出抵抗22と並列に静電容量C4をもつ外付けのコンデンサ214を並列接続した点をその特徴としている。
図12において、コイル211は、インダクタンスL1、L2、抵抗r、分布容量C3により等価されている。ただし、コイルの電気抵抗は無視されているが、それを考慮する場合にはインダクタンスL1と直列に接続すればよい。
インダクタンスL1は、その磁束が障害物と鎖交しないいわゆる漏れインダクタンスであり、インダクタンスL2は、その磁束が障害物と鎖交するいわゆる励磁インダクタンスである。rは渦電流損失を等価する抵抗素子でありインダクタンスL2と並列接続される。コイル211の各ターン間の静電容量である分布容量C3は、互いに直列接続されたインダクタンスL1、L2と並列接続されているコンデンサにより等価されている。この他、コイル211のターンと大地との間に寄生静電容量が存在するが、この寄生静電容量は、図12において静電容量C5、C6として示されている。
抵抗素子213と、抵抗素子22とは、出力端である接続端200から出力される出力電圧Voのオフセットレベルを設定するためのバイアス抵抗の機能を有している。
C1は接続端200と接近体との間の静電容量、C2は接近体と大地との間の静電容量、接続端200と接近体との間の静電容量、rhは接近体の内部電気抵抗、rh'は接近体の接地抵抗を示す。
前述したように、接続端すなわち出力端200の電圧である出力電圧Voは、初段アンプ300により増幅された後、バンドパスフィルタ301により交流電源1が出力する交流電圧Viの発振周波数成分だけ抽出され、検波平滑回路302により直流信号電圧とされてコンパレータ303,304に入力される。この二つのコンパレータ303、304の機能自体は既に説明した通りである。
図12に示す等価回路を簡素化した等価回路を図13に示す。コイル211とコンデンサ212と抵抗素子213は、互いに並列接続されたインダクタンスL、静電容量C、抵抗Rにより等価され、接続端200と接地との間の交流インピーダンスは、互いに並列接続された静電容量Co、抵抗Roにより等価される。ただし、図13に示す静電容量Cは、図12に示すコンデンサ212の静電容量Cとは異なる値である。すなわち、図13に示す静電容量Cは、図12に示すコンデンサ212の静電容量Coとコイル211に付随する静電容量C3を含んでいる。また、静電容量Coは、図12に示す静電容量C1、C2の合成静電容量Cと、コイル211の寄生静電容量C6とコンデンサ214の静電容量C4との合成静電容量である。コイル211の寄生静電容量C5は交流電源1の出力抵抗や配線インピーダンスが小さければ出力電圧Voに影響を及ぼさないので、無視されることができる。この場合の、出力電圧Voの計算式を数1に示す。
Figure 2005140700
数1において抵抗R、Roが無限大と仮定すれば、数1の計算式の分子項が0となるときの周波数値fo1は数2で示され、数1の計算式の分母項が0となるときの周波数値fo2は数3で示される。つまり、抵抗R、Roが十分に大きい場合、交流電圧Viの周波数が周波数値fo1の場合には出力電圧Voは略0Vとなり、交流電圧Viの周波数が周波数値fo2の場合には出力電圧Voは非常に大きくなる。
Figure 2005140700
Figure 2005140700
数1の計算式において交流電圧Viの周波数を種々変更した場合の出力電圧Voを図14に実線にて示す。また、コイル211のコイルインピーダンスを減少させた場合(金属体の接近に相当)と、静電容量Coを増大させた場合(人体の接近に相当)とも示す。
図14から、周波数値fo1、fo2付近では、接近体がない場合又は接近体が電気絶縁体である場合と、接近体が金属体である場合と、接近体が人体である場合とで十分な弁別が行えないことがわかる。また、抵抗R、Roの影響を無視した場合、交流電圧Viの周波数が、周波数値fo1、fo2の間の帯域W、特に周波数値fo1、fo2の中央値を中心としてその−40%〜+25%の範囲において、好適な弁別精度が得られることがわかる。
抵抗R、Roとして実際のモデルとして適切な値を代入した場合の交流電圧Viの周波数と出力電圧Voとの関係を図15に示す。交流電圧Viの周波数が、周波数値fo1、fo2の間の帯域W、特に周波数値fo1、fo2の中央値を中心としてその−40%〜+40%の範囲において好適な弁別精度が得られ、−40%〜+25%の範囲において更に好適な弁別精度が得られ、−25%〜+25%の範囲において更に好適な弁別精度が得られることがわかる。
なお、上記実施例では、コンデンサ212、214を外付けした。その理由は、これらのコンデンサの外付けにより共振周波数値fo1、fo2を最適値に調整するためである。つまり、これらのコンデンサの静電容量の増加により、コイル211のインダクタンスがそれほど大きくなくても共振周波数値fo1、fo2を所望の値に設定することができる。ただし、図13の等価回路において、静電容量Coが静電容量Cに比較してあまりに大きいと、周波数値fo2と周波数値fo1との間の帯域幅が広くなりすぎ、感度が低下してしまう。すなわち、図15からわかるように、この帯域幅のなかで、特性曲線の傾斜が大きいインダクタンスほど、金属体と人体との間で出力差を大きくできることがわかる。すなわち、図15に示す特性曲線において、この帯域幅が大きいと、インダクタンスLや静電容量Coが変化しても出力電圧Voの変化が小さくなってしまう。
ただし、周波数値fo1、fo2があまりに接近しすぎると、これらの周波数値fo1、fo2近傍での出力感度の低下が出力電圧Voに影響するため、周波数値fo1、fo2の差は少なくとも100kHz〜10MHz、好適には0.3〜3MHzの範囲とすることが好適である。ここで、静電容量Coの増加は、周波数値fo1に対して相対的に周波数値fo2を低下させるため、図13における対地静電容量(ここでは対地コンデンサの静電容量と呼ぶ)Coは、図13におけるコイル並列接続静電容量Cに対して10〜300%に設定されることが好適である。
本発明装置の他の実施例を図16を参照して説明する。図16は、車両のフロントバンパを垂直に切断した縦断面図を示す。
400はバンパ4の裏面に貼設されたフレキシブルプリント配線基板であり、フレキシブルプリント配線基板400の表面には、コイル211に相当する角形の渦巻きシートコイル401と、電極ライン(この発明で言う対地コンデンサの電極部)402、403がプリントされている。なお、図16において、シートコイル401の車両左右に水平に延設される部分が模式図示されている。404はフレキシブルプリント配線基板400に実装された判別部や交流電源回路である。
渦巻きシートコイル401は、フレキシブルプリント配線基板400表面に印刷又はエッチングで渦巻き状に形成された導体層により形成されたコイルであって、左右に水平に延設される二つの長辺部分と、上下に垂直に延設される二つの短辺部分とからなる長方形の渦巻きコイルである。
電極ライン402、403は、図11の電極板101に相当するものであり、回路の接続端(接続部)200に接続されて、静電容量C1をなすコンデンサの一方の電極を構成している。電極ライン402は渦巻きシートコイル401の上側の長辺部の上方にそれと平行に配置され、電極ライン403は渦巻きシートコイル401の下側の長辺部の下方にそれと平行に配置されている。
この渦巻きシートコイル401をもつフレキシブルプリント配線基板400を後方からみた場合の一部正面図を図17に示す。ただし、バンパ4は図示省略する。
401a、401b、401cはそれぞれ図16に示す渦巻きシートコイル401であり、バンパ4の裏面に左右一列に配置されている。各渦巻きシートコイル401a、401b、401c間の隙間はできるだけ狭く設定されている。これは、接近体がこの隙間近傍へ接近した場合のコイルインピーダンス変化を大きくするためである。
402a、402b、402cはそれぞれ図16に示す導電ライン402であり、それぞれ対地コンデンサの電極部をなす。同じく、403a、403b、403cはそれぞれ図16に示す導電ライン403であり、それぞれ対地コンデンサの電極部をなす。この実施例では、渦巻きシートコイル401a、401b、401cの間の隙間には、対地コンデンサの電極部をなす導電ラインは設けられない。これは、これは、接近体がこの隙間近傍へ接近した場合のコイルインピーダンス変化を大きくするためである。
この実施例において、渦巻きシートコイル401aと導電ライン402a、403aとは図12に示すコイル211及びコンデンサ214の電極部を構成し、その出力電圧Voは第一の判別部3に入力される。同様に、渦巻きシートコイル401bと導電ライン402b、403bとは他のコイル211及びコンデンサ214の電極部を構成し、その出力電圧Voは第二の判別部3に入力される。同様に、渦巻きシートコイル401cと導電ライン402c、403cとは更に他のコイル211及びコンデンサ214の電極部を構成し、その出力電圧Voは第三の判別部3に入力される。すなわち、渦巻きシートコイルの数に等しい数の判別部3が設置され、各判別部3が各コイルの出力電圧Voを個別に判定する。このようにすれば、接近体の接近によるコイルインピーダンスや静電容量Coの変化が大きくなるので、感度を向上することができる。また、金属又は歩行者である接近体を判別した場合に、判別したコイル位置により接近体の左右方向位置を判定することもできる。当然、渦巻きシートコイル401、電極ライン402、403及び判別部3のセットの数は適宜選択することができる。また、フレキシブルプリント配線基板400をフロントバンパの代わりにバックバンパに設けてもよく、車体側面に設けてもよい。フレキシブルプリント配線基板400を車体側面に設ける場合、各渦巻きシートコイルは前後方向に配列される。
また、互いに隣接する二つの渦巻きシートコイル401が作る磁界の方向は反対方向とすることが好ましい。このようにすれば、感度を向上することができる。図12に示す交流電源1や判別部3は、フレキシブルプリント配線基板400に実装することができる。この場合、交流電源1や判別部3と渦巻きシートコイル401とを接続する配線の距離を短縮することができるので、この配線の電圧降下と重畳電磁波ノイズや抵抗雑音を低減することができる。図示しないが、これらの配線は接地された金属ラインにより覆われて電磁波シールドされることが好適である。もちろん、各渦巻きシートコイル401を個別に製作してもよく、渦巻きシートコイルの代わりに、軸方向に短い樹脂ボビンにコイル導体を集中巻きしてコイル211を製作してもよい。
なお、渦巻きシートコイルやシートコイルを樹脂製のバンパに保持又は固定又は一体化はバンパが渦電流損失もなく、磁束を迷走させる磁性体でもなく、コイルの電気絶縁においても、感度向上においても特に有効である。
(変形態様)
図16の各渦巻きシートコイル401の出力電圧Voの処理回路の他の態様を図18に示す。401〜403は、図12に示すコンデンサ212、214及び抵抗213、22を示す。図12において、渦巻きシートコイルであるコイル211とこれらコンデンサ212、214及び抵抗213、22はセンサ部を構成している。図18において、各センサ部が個別に出力する三つの出力電圧Voは、マルチプレクサ424にて時間順次信号に転換されて図12に示す判別部3による処理が行われる。各センサ部は共通の交流電源1から給電される。これにより、交流電源1及び判別部3の回路構成を簡素化することができる。
(変形態様)
上記マルチプレクサを用いて複数のセンサ部の出力信号を共通の判別部3により時間順次に処理する代わりに、各センサ部の出力をそれぞれアンプにて電圧増幅したのち、アナログ加算又はデジタル加算して複数のセンサ部の出力信号を時間順次化してもよい。ただし、この場合には、交流電源から各センサ部への交流電圧Viは時間順次に印加されるように設定される。このようにすれば、回路構成を簡素化することができる。
本発明装置の他の実施例を図19を参照して説明する。この実施例は、コイル211の電気抵抗(以下、コイル抵抗ともいう)の温度変化を補償する態様をしめすものである。実験によれば、コイル抵抗は小さければ小さいほうが好ましく、コイル抵抗が大きい場合には、温度変化によるコイル抵抗の変動が出力電圧Voを変化させるため、判定精度が低下するという問題があることがわかった。
図19に示す回路において、センサ部2の出力電圧Voを処理する判別部3の回路構成自体は図12に示すものと同じである。ただ、図19に示す判別部3はサーミスタ31と、このサーミスタ31の電圧降下に連動するしきい値電圧Vth1、Vth2を出力するしきい値電圧発生回路30が追加されている。しきい値電圧発生回路30は、サーミスタ31は定電流源から給電されており、サーミスタ31の温度変化による電圧降下の変動に応じて変化するしきい値電圧Vth1、Vth2をコンパレータ303,304に出力する。もちろん、しきい値電圧発生回路30は、温度変化に起因するコイル211のコイル抵抗変動による出力電圧Voの変動が判定精度を低下させることを抑止する方向に、サーミスタ31の温度変化による電圧降下に基づいて出力電圧Voを変動させる。このようにすれば、コイル211のコイル抵抗の温度変動による判定精度の悪化を抑止することができる。
なお、コンパレータ303,304のしきい値電圧Vth1、Vth2を変更する代わりに、サーミスタ31の電圧降下に応じて、アンプ300の電圧増幅率や交流電源1の出力電圧Viを変化させてもよい。サーミスタの代わりに種々の温度連動出力を発生する回路を採用してもよく、あるいは、整流平滑回路302の出力電圧をデジタル信号に変換してマイコンに取り込み、そのソフトウエアにより同等の温度補償処理することも可能である。
(変形態様)
その他、図20に示すように、センサ部2に等しい擬似センサ部2’を設けてもよい。
この擬似センサ部2’は、図19に示すセンサ部2と等しい回路構成をもつ。ただし、この擬似センサ部2’のコイル211’や対地コンデンサ(図19では214により等価されるコンデンサに相当するコンデンサであり図示省略)は、電磁シールドされるなどされることにより常に、図19に示すセンサ部2に接近体が接近していない状態に相当する各部回路定数を有するものとする。擬似センサ部2’に内蔵されるコイル211’は、センサ部2のコイル211に等しい温度抵抗変化率をもつものとする。
このようにすれば、擬似センサ部2’の出力電圧Vo’は、常に接近体がない場合の出力電圧Vo’を出力するため、センサ部2の出力電圧Voがこの出力電圧Vo’よりも所定レベル以上小さい場合には、歩行者の接近と判定し、センサ部2の出力電圧Voがこの出力電圧Vo’よりも所定レベル以上大きい場合には、金属体の接近と判定することができ、コイル211のコイル抵抗が温度により変動する影響を良好に防止することができる。
なお、上記擬似センサ部2’として、図18に設けた複数のセンサ部のうち、類似の回路定数をもつどれかひとつを選択して使用することもできる。この場合、擬似センサ部2’はなるべく、センサ部2より離れて配置されることが好ましい。これは、離れた複数のセンサ部2、2’に同時に同種の接近体が接近する確率が小さいためである。
(変形態様)
その他、図21に示すように、図12のセンサ部2において、ダミーコイル211’を対地コンデンサ214に並列接続してもよい。この実施例では、コンデンサ212とコンデンサ214は等しい静電容量とし、抵抗213と抵抗22とは等しい抵抗値とし、ダミーコイル211’は接近体がない場合のコイル211のコイルインピーダンスに等しいコイルインピーダンスをもつものとすることが好適である。ただし、ダミーコイル211’は電磁シールドされるなどして接近体に対してコイルインピーダンスが変化しないように設定され、コイル211とダミーコイル211’の抵抗温度変化率は等しく設定されている。このようにすれば、コイル211の温度抵抗変化による出力電圧Voの変動と、ダミーコイル211’の温度抵抗変化による出力電圧Voの変動とが相殺しあうので、高精度の弁別が可能となる。その他、ダミーコイルを無誘導コイルすなわち抵抗素子としてもよい。
本発明装置の他の実施例を図22を参照して説明する。この実施例は、図18のように複数のセンサ部2を順番に隣接配置する場合において、各センサ部2に異なる周波数の交流電圧Via、Vib、Vicを印加する態様を示す。
図22において、1a、1b、1cは交流電圧Viであり、それぞれ異なる周波数の交流電圧Via、Vib、Vicを個別に出力する。交流電圧Viaはセンサ部2aに、交流電圧Vibはセンサ部2bに、交流電圧Vicはセンサ部2cに印加される。センサ部2aは出力電圧Voaを、センサ部2bは出力電圧Vobを、センサ部2cは出力電圧Vocを出力する。出力電圧Voa、Vob、Vocは、それぞれ別々の判別部3で回路処理される。当然、各判別部3に内蔵される前述のバンドパスフィルタは自己が処理すべき出力電圧の周波数成分だけを抽出する。このようにすれば、隣接するコイル211に流れる電流の変化の影響を低減することができるので、判定精度及び接近体の左右又は前後位置判別精度を改善することができる。
本発明装置の他の実施例を図23を参照して説明する。この実施例は、図12に示す回路において、二つの周波数f1、f2の正弦波電圧を混合した交流電圧Viを一つのセンサ部2に印加することを特徴とする。初段アンプ300の出力電圧は、二つのバンドパスフィルタ301a、301bに入力され、バンドパスフィルタ301aは周波数f1の交流電圧を、バンドパスフィルタ301bは周波数f2の交流電圧を抽出する。交流電源1が更に異なる周波数の正弦波電圧を混合出力してもよい。各バンドパスフィルタが出力する交流電圧はそれぞれ別々に検波平滑化されてコンパレータで処理されたり、デジタル信号に変換されてマイコンで処理されることができる。
図15に示されるように、接近体がない場合の特性曲線を基準として、周波数値f02より小さい帯域と、周波数値f02より大きい帯域領域とでは、人体と金属体との接近に対する出力電圧Voの変化が反対となる。そこで、上記周波数f1を周波数値f02より小さい所定値とし、上記周波数f2を周波数値f02より大きい所定値とする。このようにすれば、一つのセンサ部2により、二つの信号を得ることができる。したがって、バンドパスフィルタ301aが出力する周波数f1の交流電圧の検波平滑電圧に、バンドパスフィルタ301bが出力する周波数f2の交流電圧の検波平滑電圧を反転加算すれば、判定精度を一層向上することができる。
(変形態様)
その他、周波数f、f2を両方とも、周波数値fo1、fo2の間に設定してもよい。この場合には、バンドパスフィルタ301aが出力する周波数f1の交流電圧の検波平滑電圧と、バンドパスフィルタ301bが出力する周波数f2の交流電圧の検波平滑電圧とをそのまま加算すれば、判定精度を一層向上することができる。これは、これら二つの信号電力に混入する抵抗雑音などのノイズ電力が上記加算により2倍未満たとえば1.4倍程度となるためである。
(変形態様)
その他、上記のように、複数の交流電圧を得ると、数1に示す式の値を周波数ごとに複数得ることになるので、これを利用して、L又はCoを直接算出することも可能となる。
本発明装置の他の実施例を図17及び図18を参照して説明する。この実施例は、左右方向に互いに隣接して配置された複数のセンサ部2a、2b、2cごとに、図図12に示すコンデンサ212、214、抵抗213、22を調整することにより、各センサ部2a、2b、2cの周波数値fo1、fo2を一致させるものである。センサ部2aの寄生静電容量やそのコイル401aのインダクタンスと、センサ部2bの寄生静電容量やそのコイル401bのインダクタンスと、センサ部2cの寄生静電容量やそのコイル401cのインダクタンスとは、車体に対する取り付け位置が異なるなどの理由により異なる。それによる周波数値fo1、fo2のばらつきを外付けのコンデンサ212や214の容量調整などにより調整する。これにより、センサ部2a、2b、2cの取り付け位置が異なっても、周波数値fo1、fo2を一致させることができる。その結果、交流電源の出力周波数を一致させ、等しい通過周波数をもつバンドパスフィルタをもつ判別部3を用いて信号処理を行うことができ、たとえばマルチプレクサ処理する場合などにおいて判別精度を向上することができる。
(変形態様)
その他、上記の代わりに、それぞれ異なる周波数値fo1、fo2をもつ各センサ部2a、2b、2cに、それぞれ最適の交流電圧をそれぞれ異なる交流電源から個別に印加してもよい。この場合には、判別部3は、各センサ部2a、2b、2cが出力する各出力電圧Voを個別に処理する各判別部3に内蔵するバンドパスフィルタ301の通過周波数をそれぞれ変更すればよい。
他の実施例を図24を参照して以下に説明する。この実施例は、バンパ4の裏面の上半分にコイル211eを、バンパ4の裏面の下半分にコイル211fを設け、コイル211eの上方に電極ライン402を、コイル211fの下側に電極ライン403を張り付けたものである。したがって、コイル211eと電極ライン402とは上側のセンサ部2eの回路素子を構成し、コイル211fと電極ライン403とは下側のセンサ部2fの回路素子を構成する。このようにすれば、上側のセンサ部2eの出力電圧Vo1と、下側のセンサ部2fの出力電圧Vo2とを比較することにより、接近体の高さ方向の位置を判定することができる。たとえば、金属体がレールなどのように道路上に埋設されている場合には、下側のセンサ部2fの金属体検出レベルが上側のセンサ部2eのそれよりも格段に大きくなるため、このような場合には、レールと判定して衝突物とみなさないことができる。なお、この場合、上側のセンサ部2eへ印加する交流電圧Vi1と、下側のセンサ部2fへ印加する交流電圧Vi2とは同じ周波数でもよく、異なる周波数でもよく、時間順次に印加されてもよい。
(変形態様)
また、両センサ部2e、2fへ印加する交流電圧の周波数が等しい場合、上側のコイル211eの磁界形成方向と下側のコイル211fの磁界形成方向とは反対とすることが検出感度向上のために好ましい。また、上側のセンサ部2eの出力電圧Vo1と下側のセンサ部2fの出力電圧Vo2との差異が小さい場合には、両者を加算して金属体と歩行者との判別に用いることによりS/N比を向上することができる。
他の実施例を図25を参照して説明する。この実施例は、左右に隣接するコイル211aの短辺とコイル211bの短辺とをオーバーラップさせた態様を示す。このようにすれば、二つのコイル211a、211bの境界部に接近体が接近した場合において、二つのコイルとも高い感度でそれを検出することができる。したがって、これら二つのコイルがともに大きな出力変化を同じ方向に出力する場合に、接近体が左右に大きいか又はこれら二つのコイルの境界部に接近中と判定することができる。なお、これら二つのコイルには同じ周波数の交流電圧Viが印加されてもよく、異なる周波数の交流電圧Viが印加されてもよく、交流電圧Viが時間順次に印加されてもよい。
同一周波数の交流電圧Viを同時に二つのコイルに印加する場合には、隣接する二つのコイルの磁束形成方向は等しくされることが好ましい。
二つのコイルとも高い感度でそれを検出することができる。したがって、これら二つのコイルがともに大きな出力変化を同じ方向に出力する場合に、接近体が左右に大きいか又はこれら二つのコイルの境界部に接近中と判定することができる。なお、これら二つのコイルには同じ周波数の交流電圧Viが印加されてもよく、異なる周波数の交流電圧Viが印加されてもよく、交流電圧Viが時間順次に印加されてもよい。
同一周波数の交流電圧Viを同時に二つのコイルに印加する場合には、隣接する二つのコイルの磁束形成方向は等しくされることが好ましい。
他の実施例を図26を参照して説明する。この実施例は、図示しない渦巻きシートコイル及び対地コンデンサの電極部が形成されているフレキシブルプリント配線基板400をバンパ4の裏面と固定プレート(押さえプレート)5との間に収容した点をその特徴としている。このようにすれば、フレキシブルプリント配線基板400は固定プレート5及びバンパ4により覆われるため、フレキシブルプリント配線基板400の保護が改善される。なお、この固定プレート5は非磁性かつ電気絶縁性とされ、かつ、バンパ4の変形性を損なわない剛性をもつ樹脂板部材とされ、バンパ4の裏面に固定される。好適には、固定プレート5は、その周縁部においてフレキシブルプリント配線基板400を囲むリブをフレキシブルプリント配線基板400側の表面にもち、このリブがバンパ4の裏面と嵌合などにより固定プレート5がバンパ4に支持されることが好ましい。このようにすれば、バンパ4と固定プレート5との間にフレキシブルプリント配線基板400が移動可能に保持される前後方向の隙間を確保できるので、万が一バンパ4が局部的に凹んでも、この凹みに合わせてフレキシブルプリント配線基板400が変形することができ、フレキシブルプリント配線基板400のコイル211の破断を防止することができる。この固定プレート5は、バンパと同等以上の柔軟性を有することが好ましく、このようにすればバンパの変形を抑止することがない。
(変形態様)
変形態様を図27を参照して説明する。図27は、三個の渦巻きシートコイル401と固定プレート5とを分解した模式図を示す。この態様では、図26に示す固定プレート(押さえプレート)5は、樹脂成形によりメッシュ状に形成されている。このようにすれば、渦巻きシートコイル401と固定プレート5との間の前後方向隙間に泥水などが浸入し、乾燥してシートコイル周辺に土砂が詰まって渦巻きシートコイル401の移動性が損なわれるのを防止することができる。なお、渦巻きシートコイル401としてフレキシブルプリント配線基板400を用いる場合には、フレキシブルプリント配線基板400の渦巻きシートコイル401が形成されていない部位にも多くの孔を形成することにより、バンパ4とフレキシブルプリント配線基板400との間に泥水が浸入しても、この泥水は、これらフレキシブルプリント配線基板400の孔や固定プレート5の開口を通じて容易に排出されることができる。もちろん、フレキシブルプリント配線基板400と固定プレート5とを囲覆するカバーを設けることも可能である。
(変形態様)
変形態様を図28を参照して説明する。図27は、三個の渦巻きシートコイル401と固定プレート5とを分解した模式図を示す。この態様では、図26に示す樹脂板である固定プレート(押さえプレート)5には、たとえばインサート成形などにより各渦巻きシートコイル401に給電する給電線8と、各渦巻きシートコイル401から信号を取り出す3本の出力信号配線9とが形成され、各渦巻きシートコイル401の最内端408は給電線8の各端部81に個別に接続され、各渦巻きシートコイル401の最外端409は各出力信号配線9の各端に接続される。これらの接続は単純な半田付けでもよく、あるいはコネクタ機構を用いて脱着可能としてもよい。このようにすれば、シートコイルへの配線を簡素化し、かつ、シートコイルを単純な導体層構成をもつフレキシブルプリント配線基板とすることもできる。
(その他の態様)
上記各実施例において、コイル211は、略水平方向かつ車両のコイルの設置部分に対して略直角方向に設定されたコイル軸心をもつことが好適である。また、車両の前面又は後面に左右方向へ略水平に延設されるかもしくは車両の側面に前後方向へ略水平に配置された長辺とを有して略長方形で扁平なシートコイルにより構成することが接近体の検出感度向上において特に有効である。特に扁平なシートコイルは、バンパや樹脂モールなどに容易に埋設することができるため車両の美観を損なうことがなく、かつ、従来の超音波式に比べて格段に低コストで車両周囲の広い範囲を簡単に非接触監視することができる。
また、対地コンデンサの電極部をなす上記電極ライン402、403の幅は、シートコイルの最外ターンの幅よりも広くすることが好適である。また、渦巻きシートコイルの最外ターンは他のターンよりも幅広に形成することが好適である。
本発明の一つの態様を示す模式回路図である。 図1の回路に電気絶縁体が接近する場合を示す等価回路図である。 図1の回路に金属体が接近する場合を示す等価回路図である。 図1の回路に人体が接近する場合を示す等価回路図である。 図1の回路による出力特性(計算例)を示す特性図である。 図1の回路による出力特性(実測例)を示す特性図である。 従来の静電容量センサに電気絶縁体が接近する場合を示す等価回路図である。 従来の静電容量センサに金属体が接近する場合を示す等価回路図である。 従来の静電容量センサに人体が接近する場合を示す等価回路図である。 従来の静電容量センサによる出力特性(計算例)を示す特性図である。 他の態様を示す模式回路図である。 図1の回路の精密な等価回路図である。 図12の等価回路を簡略化した等価回路図である。 図13の等価回路の周波数ー出力電圧の理想を示す特性図である。 図13の等価回路の周波数ー出力電圧の現実を示す特性図である。 他の態様におけるセンサ部配置状態を示す縦断面図である。 他の態様におけるセンサ部配置状態を示す正面図である。 他の態様を示す回路図である。 他の態様を示す回路図である。 他の態様を示す回路図である。 他の態様を示す回路図である。 他の態様を示す回路図である。 他の態様を示す回路図である。 他の態様を示す回路図である。 他の態様におけるセンサ部配置状態を示す正面図である。 他の態様におけるセンサ部配置状態を示す縦断面図である。 図26の変形態様を示す分解模式図である。 図26の変形態様を示す分解模式図である。
符号の説明
1 交流電源
2 センサ部
3 判別部
21 交流インピーダンス回路
22 抵抗素子
211 コイル
212 コンデンサ
213 抵抗素子
214 コンデンサ

Claims (25)

  1. 車両の表面部に設置されて車両近傍への金属体である接近体の接近により自己のコイルインピーダンスZcの変化を発生させるコイルと、
    前記コイルに給電する交流電源と、
    前記コイルインピーダンスZcの変化に関連する電気量に基づいて前記金属体の接近を判別する判別回路と、
    を備え、
    前記コイルは、
    略水平方向かつ前記車両の前記コイルの設置部分に対して略直角方向に設定されたコイル軸心と、前記車両の前面又は後面に左右方向へ略水平に延設されるかもしくは前記車両の側面に前後方向へ略水平に配置された長辺とを有して略長方形で扁平なシートコイルからなることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  2. 請求項1記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記シートコイルは、渦巻き状にターン導体が形成された渦巻きシートコイルからなることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  3. 請求項1又は2記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記シートコイルに近接して前記車両の表面部に設置される電極部を有して車両近傍への前記接近体である歩行者の接近による自己の対地静電容量Coの変化を発生させる対地コンデンサと、
    前記電極部に給電する交流電源と、
    を備え、
    前記判別回路は、
    前記コイルインピーダンスZcの変化に関連する電気量と前記対地静電容量Coの変化に関連する電気量とに基づいて、前記接近体が金属体か若しくは歩行者かを判別することを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  4. 請求項3記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記シートコイルの一端は、
    一端が接地された前記交流電源の他端から給電され、
    前記シートコイルの他端は、
    前記対地コンデンサの前記電極部に接続されて前記電気量検出のための検出端をなし、
    前記判別回路は、
    前記検出端の電圧上昇により金属体の接近を、前記検出端の電圧低下により歩行者の接近を分別することを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記シートコイルは、
    前記車両の前面又は後面又は側面に互いに隣接して上下に複数に配置され、
    前記判別回路は、
    前記複数のシートコイルの各コイルインピーダンスZcに関する電気量に基づいて、高さが低くて車両走行に支障がない低位置金属体を、高さが高く車両走行に支障が生ずる金属体から分別することを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  6. 請求項5記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記複数のシートコイルは、異なる周波数の電圧を印加され、
    前記判別回路は、各シートコイルごとに前記周波数成分のみを抽出して前記電気量をすることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  7. 請求項5記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記複数のシートコイルは、磁束形成方向が逆向きとなるように形成されていることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記シートコイルは、
    前記車両の前面又は後面に左右へ、もしくは、前記車両の側面に前後へ互いに近接乃至隣接して複数配置され、
    前記判別回路は、
    前記各シートコイルのコイルインピーダンスZc又は前記対地コンデンサの対地静電容量Coに関連する電気量を前記各シートコイルごとに判定することを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  9. 請求項8記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記判別回路は、
    前記判定結果に基づいて前記接近体の左右方向位置を判定することを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  10. 請求項8又は9記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    互いに近接乃至隣接する二つの前記シートコイルは、異なる周波数の電圧を印加され、
    前記判別回路は、各シートコイルごとに前記周波数成分のみを抽出して前記電気量をすることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  11. 請求項8又は9記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    互いに近接乃至隣接する二つの前記シートコイルは、磁束形成方向が逆向きとなるように形成されていることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  12. 請求項8又は9記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    互いに近接乃至隣接する二つの前記シートコイルの短辺は、互いにオーバーラップしているかもしくは隙間なしにもしくは前記電極部の介在なしに隣接していることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  13. 請求項8又は9記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記判別回路は、
    互いに近接乃至隣接して左右方向又は前後方向に配列された前記複数のシートコイルのうち、中央部の前記シートコイルの前記電気量と端部の前記シートコイルの前記電気量とに対して異なるしきい値を用いて判定を行うことを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  14. 請求項3乃至13のいずれか記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記対地コンデンサの前記電極部は、
    前記シートコイルの上または下に近接して前記シートコイルの長辺に平行に延設されていることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  15. 請求項14記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記電極部は、
    前記シートコイルの最外ターンよりも広幅に形成されていることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  16. 請求項14記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記渦巻きシートコイルの最外ターンは、
    前記渦巻きシートコイルの他のターンよりも幅広に形成されて前記電極部を構成することを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  17. 請求項1乃至16のいずれか記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記シートコイルは、樹脂製のバンパに固定乃至一体形成されていることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  18. 請求項17記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記シートコイルは、非磁性で比抵抗が大きい特性を有して前記バンパの裏面に配置された押さえプレートと前記バンパとの間に前記バンパに対して相対変位可能に収容されていることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  19. 請求項18記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記押さえプレートは、厚さ方向に貫通する多数の孔を有することを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  20. 請求項19記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記押さえプレートは、前記各シートコイルに給電する給電線、又は、前記各シートコイルの一端からその電位を取り出す出力信号配線を有し、
    前記給電線又は出力信号配線は、前記シートコイルの端部に接続されることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  21. 請求項18記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記押さえプレートは、前記バンパと同等以上の柔軟性を有することを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  22. 請求項2記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記渦巻きシートコイルは、
    フレキシブルプリント配線基板により構成されていることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  23. 請求項22記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記判別回路は、
    前記フレキシブルプリント配線基板に実装されていることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  24. 請求項22記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記フレキシブルプリント配線基板に配線されて前記判別回路と前記渦巻きシートコイルとを接続する接続配線は、磁気シールドされていることを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
  25. 請求項22記載の非接触式車両用接近体検出装置において、
    前記フレキシブルプリント配線基板は、
    車両の前後又は左右方向に配列された複数の前記渦巻きシートコイルを有し、
    前記判別回路は、
    前記各渦巻きシートコイルのコイルインピーダンスZc又は前記対地コンデンサの対地静電容量Coに関連する電気量を個別に判定することを特徴とする非接触式車両用接近体検出装置。
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