JP2005139921A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、排気通路に設けられたNOx触媒に吸蔵されたNOxやSOxを放出させるに際して、エミッションの悪化を抑制するとともに、NOx触媒の下流側に設ける酸化触媒を小容量化する。
【解決手段】内燃機関の排気浄化システムにおいて、酸素吸蔵能力を有するNOx触媒と、NOx触媒の酸素吸蔵能力の程度を推定する酸素吸蔵能力推定手段と、を備え、NOx触媒における吸蔵NOxの還元、放出時に又は吸蔵SOxの放出時に、NOx触媒から流出する排気の空燃比L1をストイキ近傍の空燃比とすべく、酸素吸蔵能力推定手段によって推定されるNOx触媒の酸素吸蔵能力に基づいて決定されるストイキ近傍AF0の所定空燃比幅(AFT〜AFB)において、NOx触媒に流入する排気の空燃比L2をリッチ側空燃比とリーン側空燃比とに交互に変動させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
内燃機関における燃料の燃焼によって生成されるNOxを浄化するために、いわゆるNOx吸蔵還元型触媒(以下、「NOx触媒」という)が用いられる。NOx触媒は、排気の空燃比がリーン状態であるときは排気中のNOxを触媒内へ吸蔵し、排気の空燃比がストイキ又はリッチ状態となると吸蔵されていたNOxを放出する性質を有している。そこで、排気の酸素濃度がリーン状態のときは排気中のNOxを吸蔵し、その後排気中に還元剤である燃料を供給し排気中の酸素濃度を低下させて吸蔵されていたNOxを放出させて、且つ燃料によってNOxを浄化する技術が公開されている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、NOx触媒には、NOxと同様に排気中のSOxをも吸蔵する性質を有し、吸蔵SOx量が増加するとNOxの吸蔵能力が低下し排気中のNOxを十分に浄化することが困難となる。そこで、NOx触媒温度を約600度から700度の高温状態とするとともに、排気への燃料供給量を調整して排気の空燃比を基準のリッチ空燃比を中心として変動させることで、NOx触媒に吸蔵されているSOxを徐々にNOx触媒から放出させてNOx吸蔵能力を回復させ、且つ、SOxを放出させることで発生する硫化水素の発生量を抑制する技術が公開されている(例えば、特許文献2を参照。)。
特許第2845056号公報 特開2000−274232号公報 特開2003−65042号公報 特開2003−166415号公報 特開2001−82137号公報
内燃機関における燃料の燃焼によって生成されるNOxを浄化するために、内燃機関の排気通路にNOx触媒を配置する。そのとき、NOx触媒に吸蔵されたNOxをNOx触媒から放出させて還元、浄化する場合や、NOx触媒に吸蔵されたSOxを放出させる場合に、排気の空燃比をストイキ若しくはリッチ空燃比に調整すると、NOxやSOxの還元、放出に供された燃料以外の余剰燃料やNOx触媒からSOxが放出されることで発生する有毒な硫化水素が大気へ放出され、エミッションが悪化する虞がある。
また、余剰燃料や硫化水素が大気へ放出されるのを抑制するためには、NOx触媒の下流側に更に酸化触媒を設けて、余剰燃料を酸化させて水や二酸化炭素として、若しくは硫化水素を酸化させてSOxとして大気中へ放出する必要がある。そのため、内燃機関の排気系を構成するにあたりこれらの酸化能力を発揮し得るために酸化触媒の容量を大きくする必要があり、以て内燃機関の排気系構成のためのコストが高くなる。
本発明では、上記した問題に鑑み、排気通路に設けられたNOx触媒に吸蔵されたNOxやSOxを放出させるに際して、エミッションの悪化を抑制するとともに、NOx触媒の下流側に設ける酸化触媒を小容量化することを目的とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、NOx触媒の有する酸素吸蔵能力に着目し
た。NOx触媒の有する酸素吸蔵能力とは、NOx触媒に流入する排気中の酸素濃度に応じて、NOx触媒に排気中の酸素を吸蔵したり、または吸蔵している酸素を排気中へ放出したりする能力をいう。具体的には、NOx触媒に流入する排気の空燃比がストイキよりリーン側の空燃比であれば排気中の酸素をNOx触媒に吸蔵し、NOx触媒に流入する排気の空燃比がストイキよりリッチ側の空燃比であればNOx触媒に吸蔵されている酸素を排気中に放出する。従って、NOx触媒の酸素吸蔵能力を利用することで、NOx触媒から流出する排気の空燃比をストイキ近傍に維持し、排気中の酸素量を確保することが可能となる。その結果、NOx触媒の下流側に酸化触媒を置かずともエミッションの悪化を回避することが可能となり、若しくはエミッションの悪化を招かない範囲において該酸化触媒の容量を可及的に小さくすることが可能となる。
そこで、内燃機関の排気浄化システムにおいて、内燃機関の排気通路に設けられ、排気中のNOxを吸蔵する触媒であって且つ排気中の酸素濃度に応じて該排気中の酸素を吸蔵、放出する酸素吸蔵能力を有するNOx触媒と、前記NOx触媒が吸蔵、放出可能とする酸素吸蔵能力の程度を推定する酸素吸蔵能力推定手段と、前記NOx触媒に吸蔵されたNOxを還元、放出するために該NOx触媒に流入する排気の空燃比を制御するとき、又は該NOx触媒が排気中のSOxも吸蔵する場合に該NOx触媒に吸蔵されたSOxを放出するために該NOx触媒に流入する排気の空燃比を制御するとき、該NOx触媒から流出する排気の空燃比をストイキ近傍の空燃比とすべく、前記酸素吸蔵能力推定手段によって推定される該NOx触媒の酸素吸蔵能力に基づいて決定されるストイキ近傍の所定空燃比幅において、該NOx触媒に流入する排気の空燃比をリッチ側空燃比とリーン側空燃比とに交互に変動させる排気空燃比制御手段と、を備える。
上記内燃機関の排気浄化システムにおいては、NOx触媒によって排気中のNOxが吸蔵されることで大気中へNOxが放出されるのを抑制する。しかし、NOx触媒へのNOx吸蔵量が増加することでNOx触媒によるNOx吸蔵能力が低下するため、吸蔵されたNOxを還元し大気中へ窒素として放出する。また、NOxと同様に排気中のSOxがNOx触媒に吸蔵され、該SOxの吸蔵量が増加することでNOx触媒によるNOx吸蔵能力が低下するため、吸蔵されたSOxをNOx触媒から放出する。
そのような場合、NOx触媒に流入する排気の空燃比を、酸素濃度が低い状態であって且つ還元剤が存在する状態、即ちストイキ空燃比またはリッチ空燃比とすることで、NOx触媒に吸蔵されているNOxを還元し、NOx触媒から放出させ、又はNOx触媒に吸蔵されているSOxをNOx触媒から放出させることが可能となる。しかし、この際に排気の酸素濃度を低下させるために供給されたが、還元反応に還元剤として供されなかった余剰燃料や、SOxの放出に際して発生する硫化水素が大気中へ放出され、エミッションが悪化する虞が生じる。
そこで、NOx触媒の酸素吸蔵能力を利用して、NOxの還元、放出やSOxの放出時において、NOx触媒から流出する排気の空燃比をストイキに保持することでエミッションの悪化を防止する。即ち、排気空燃比制御手段によって、NOxの還元、放出やSOxの放出時におけるNOx触媒に流入する排気の空燃比を、ストイキ近傍の所定空燃比幅においてリッチ側空燃比とリーン側空燃比とに交互に変動させる。ここで、ストイキ近傍の所定空燃比幅とは、NOx触媒の有する酸素吸蔵能力によってNOx触媒から流出する排気の空燃比がストイキに保持され得る排気の空燃比の変動幅である。
従って、該所定空燃比幅において排気の空燃比がストイキよりリーン側空燃比となるとNOx触媒に酸素が吸蔵されることで、NOx触媒から流出する排気の空燃比がストイキ状態へと移行し、また該所定空燃比幅において排気の空燃比がストイキよりリッチ側空燃比となるとNOx触媒に吸蔵されている酸素が放出されることで、NOx触媒から流出す
る排気の空燃比がストイキ状態へと移行する。従って、NOxの還元、放出やSOxの放出時において、NOx触媒から放出される排気中に一定量の酸素量が確保されることになる。従って、排気中の酸素によって余剰燃料や硫化水素を酸化し、エミッションの悪化を抑制することが可能となる。
また、NOx触媒の酸素吸蔵能力はNOx触媒における排気の状態、例えば排気の流量や排気の空燃比等に影響されるため、酸素吸蔵能力推定手段はこれらNOx触媒の酸素吸蔵能力に影響を及ぼす要素を考慮して、該酸素吸蔵能力を推定する。そして、この推定された酸素吸蔵能力に従い、上述のストイキ近傍の空燃比幅が決定される。例えば、酸素吸蔵能力推定手段によって推定された酸素吸蔵能力が比較的高い場合、ストイキ近傍の空燃比幅を広く設定することで、NOx触媒によって吸蔵、放出される酸素量を多くし、より効率的に排気の空燃比をストイキに維持することが可能である。尚、ストイキ近傍の空燃比幅を可変とせず、NOx触媒が平均的に発揮し得る酸素吸蔵能力に固定してもよい。
以上より、NOxの還元、放出やSOxの放出時において、NOx触媒の酸素吸蔵能力を利用することで、NOx触媒の下流側に設ける酸化触媒の容量を小容量化し且つエミッションの悪化を抑制することが可能となる。
ここで、前記酸素吸蔵能力推定手段は、前記内燃機関の機関負荷および機関回転速度に基づいて前記NOx触媒が吸蔵、放出可能とする酸素吸蔵能力の程度を推定するもとし、更に、前記排気空燃比制御手段は、前記酸素吸蔵能力推定手段によって推定された前記NOx触媒の酸素吸蔵能力に基づいて、該NOx触媒に流入する排気の空燃比をリッチ側空燃比およびリーン側空燃比へと変動するときの変動周期、又は該NOx触媒に流入する排気の空燃比をリッチ側空燃比とする時間と該排気の空燃比をリーン側空燃比とする時間との時間割合を調整するようにしてもよい。
先述したように、NOx触媒の酸素吸蔵能力は排気の流量や排気の空燃比に影響されるため、これらNOx触媒の酸素吸蔵能力に影響を及ぼす要素を内燃機関の機関負荷および機関回転速度に基づいて算出し、そして該要素からNOx触媒の酸素吸蔵能力を推定するものである。
また、NOx触媒に流入する排気の空燃比を、ストイキ近傍の所定空燃比幅においてリッチ側空燃比とリーン側空燃比とに変動させる場合、NOx触媒の有する酸素吸蔵能力に応じてNOx触媒に吸蔵し得る酸素量が変動することを考慮に入れ、該変動周期又は該時間割合をNOx触媒の有する酸素吸蔵能力に基づいて調整する。例えば、NOx触媒の酸素吸蔵能力が比較的低い場合、NOx触媒に吸蔵し得る酸素量が少ないため、該変動周期を短くすることで、またはリッチ側空燃比時間に対するリーン側空燃比の時間割合を多くすることで、より効率的に排気中の酸素濃度をストイキに保持することが可能となる。
更には、前記排気空燃比制御手段は、前記内燃機関の機関出力の変動を所定の範囲内に収めるべく前記変動周期又は前記時間割合を調整する。所定の範囲とは、内燃機関の出力変動が大きいために内燃機関を備える車両の搭乗者等が操作性の低下を感じ得る内燃機関の出力変動の幅である。即ち、所定空燃比幅において排気の空燃比を変動させることで生じる内燃機関の機関出力の変動を所定の範囲内に収めることで、該搭乗者等が車両の操作性の低下を感じるのを回避する。
ここで、上述までの内燃機関の排気浄化システムにおいて、NOxの還元、放出やSOxの放出時にNOx触媒から流出する排気の空燃比をストイキに保持するためには、NOx触媒の酸素吸蔵能力をより正確に推定することが重要である。そこで、酸素吸蔵能力をより正確に推定するための手法について以下に説明する。
第一に、上述までの内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記NOx触媒の温度を推定又は検出する触媒温度検出手段を更に備える場合、前記酸素吸蔵能力推定手段は、更に、前記触媒温度検出手段によって推定又は検出された前記NOx触媒の温度に基づいて該NOx触媒が吸蔵、放出可能とする酸素吸蔵能力の程度を補正してもよい。
NOx触媒に流入する排気の流量等のNOx触媒の酸素吸蔵能力に影響を及ぼすその他の要素の条件が同じであっても、NOx触媒の温度が異なるとNOx触媒の酸素吸蔵能力は変動する。そこで、NOx触媒の温度と酸素吸蔵能力との関連性を予め実験等で測定しておき、NOx触媒の酸素吸蔵能力に影響を及ぼすその他の要素の条件の下推定される酸素吸蔵能力をNOx触媒の温度に基づいて補正することで、最終的にNOx触媒の酸素吸蔵能力をより正確に推定することが可能となる。
更に、前記酸素吸蔵能力推定手段は、前記触媒温度検出手段によって推定又は検出された前記NOx触媒の温度の履歴に基づいて該NOx触媒の熱劣化の程度を推定するとともに、更に推定された該NOx触媒の熱劣化の程度に基づいて該NOx触媒が吸蔵、放出可能とする酸素吸蔵能力の程度を補正してもよい。
NOx触媒は、その使用とともに曝される排気の温度等によって熱劣化を起こす。NOx触媒が熱劣化するとNOx触媒の酸素吸蔵能力は低下するため、NOx触媒の熱劣化の程度に基づいて補正することで、最終的にNOx触媒の酸素吸蔵能力をより正確に推定することが可能となる。ここで、NOx触媒の熱劣化の程度は、NOx触媒がそれまでに曝されてきた温度環境、即ちそれまでのNOx触媒の温度の履歴に基づいて推定することが可能である。
第二に、上述までの内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記NOx触媒が排気中のSOxを吸蔵する場合に該NOx触媒に吸蔵されたSOx量を推定する吸蔵SOx量推定手段を、更に備えるときは、前記酸素吸蔵能力推定手段は、更に、前記吸蔵SOx量推定手段によって推定された前記NOx触媒に吸蔵されたSOx量に基づいて該NOx触媒が吸蔵、放出可能とする酸素吸蔵能力の程度を補正してもよい。
即ち、NOx触媒に吸蔵されたSOx量の増加に伴いNOx触媒の酸素吸蔵能力が低下することを考慮することで、NOx触媒の酸素吸蔵能力をより正確に推定することを可能とする。
第三に、上述までの内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記排気空燃比制御手段によって前記NOx触媒から流出する排気の空燃比をストイキ近傍の空燃比とするときに該NOx触媒から流出する排気の空燃比とストイキとのずれが所定ずれ量を越える場合、前記酸素吸蔵能力推定手段は、更に、該ずれ量に基づいて該NOx触媒が吸蔵、放出可能とする酸素吸蔵能力の程度を補正してもよい。
NOx触媒はその使用とともに経年的にその触媒機能が劣化し、一般的に経年劣化は緩やかに進行する。そして、NOx触媒が経年劣化すると、排気空燃比制御手段によって前記変動周期や時間割合を同一の条件下で排気の空燃比を所定空燃比幅において変動させても、NOx触媒から流出する排気の空燃比がストイキに保持されなくなる。更に、NOx触媒の経年劣化が進行するに従い、NOx触媒から流出する排気の空燃比のストイキからのずれ量が拡大し、エミッションが悪化する虞がある。また、本補正以外の補正が行われているとき、該補正において誤差が存在するときも同様にエミッションが悪化する虞がある。
そこで、NOx触媒から流出する排気の空燃比のストイキからのずれ量に着目してNOx触媒の経年劣化を推定し、該NOx触媒の経年劣化の程度に基づいて補正することで、最終的にNOx触媒の酸素吸蔵能力をより正確に推定することが可能となる。従って、上記の所定ずれ量とは、NOx触媒の経年劣化が進行し吸蔵還元能力が低下することでエミッションの悪化の虞があるか否かを判断するための閾値である。
ここで、上述までの内燃機関の排気浄化システムにおけるNOx触媒に流入する排気の空燃比の制御は以下のように実施してもよい。即ち、上述までの内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記内燃機関への吸気量を調整する吸気絞り弁と、前記内燃機関から排出された排気の少なくとも一部を該内燃機関の吸気通路へ再循環させるEGR装置と、前記EGR装置を介した前記吸気通路への再循環排気量を調整するEGR弁と、を更に備える場合、前記排気空燃比制御手段は、前記吸気絞り弁の開度を閉じ側へ移行して前記内燃機関への吸気量を減量するとともに前記EGR弁の開度を開き側へ移行して再循環排気量を増量し且つ該内燃機関における燃料噴射量を繰り返し増減することで、前記所定空燃比幅において前記NOx触媒に流入する排気の空燃比をリッチ側空燃比とリーン側空燃比とに交互に変動させる。
即ち、吸気絞り弁の開度を閉じ側へ移行して内燃機関への吸気量を減量するとともにEGR弁の開度を開き側へ移行して再循環排気量を増量することで、排気中の酸素濃度を低下させ、該排気の空燃比をストイキ近傍の空燃比に近づける。そして、内燃機関における燃料噴射量を繰り返し増減して排気の空燃比を周期的に変動させることで、所定空燃比幅においてNOx触媒に流入する排気の空燃比をリッチ側空燃比とリーン側空燃比とに交互に変動させることが可能となる。これにより、NOxの還元、放出やSOxの放出時において、NOx触媒の酸素吸蔵能力を利用することで、NOx触媒の下流側に設ける酸化触媒の容量を小容量化し且つエミッションの悪化を抑制することが可能となる。
排気通路に設けられたNOx触媒に吸蔵されたNOxやSOxを放出させるに際して、エミッションの悪化を抑制するとともに、NOx触媒の下流側に設ける酸化触媒を小容量化することが可能となる。
ここで、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明が適用される内燃機関の吸排気系の概略構成を表すブロック図である。ここで、内燃機関1は、圧縮着火式の内燃機関である。内燃機関1の燃焼室には吸気通路2が接続されている。吸気通路2には、吸気の流量を調整する吸気絞り弁5が設けられている。また、内燃機関1において燃焼により生成された排気は、内燃機関1から排気通路3へと排出される。排気通路3の途中には、排気中のNOxを吸蔵するいわゆる吸蔵還元型NOx触媒(以下、「NOx触媒」という)6が設けられている。
NOx触媒6は触媒担体上にアルカリ金属および貴金属が担持されており、排気中のNOxを吸蔵するとともに、排気中の酸素濃度に応じてNOx触媒6に酸素を吸蔵したり、NOx触媒6に吸蔵された酸素を放出したりする酸素吸蔵能力を有する。具体的には、NOx触媒6に流入する排気の空燃比がストイキよりリーン側の空燃比であれば排気中の酸素を吸蔵し、該排気の空燃比がストイキよりリッチ側の空燃比であればNOx触媒6に吸蔵された酸素を排気へ放出する特性を示す。
また、NOx触媒6の上流側の排気通路3には、排気通路3を流れる排気に燃料を添加する燃料添加弁8が設けられている。更に、内燃機関1から排出された排気の少なくとも一部を吸気通路2へ再循環する排気再循環装置(以下、「EGR装置」という)4が設けられている。EGR装置4は、内燃機関1の直下流の排気通路3から吸気絞り弁5の下流側の吸気通路2へつながり再循環排気(以下、「EGRガス」という)が流れるEGR通路4aと、EGR通路4aにおけるEGRガス流量を調整するEGR弁4bから構成される。
また、内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(以下、「ECU」という)9が併設されている。このECU9は、CPUの他、後述する各種のプログラム及びマップを記憶するROM、RAM等を備えており、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。
ECU9には、アクセル開度センサ11、クランクポジションセンサ12等の内燃機関1の運転状態を検出する種々のセンサが電気配線を介して接続され、それらの出力信号がECU9に入力されるようになっている。更に、ECU9には、NOx触媒6に流入する排気の温度を検出する排気温度センサ7と、NOx触媒6から流出する排気の空燃比を検出する排気空燃比センサ10が電気的に接続されている。
一方、ECU9には、EGR弁4b、燃料添加弁8、吸気絞り弁5が電気配線を介して接続され、ECU9からの指令に従って吸気通路2へ再循環されるEGRガス流量、燃料添加弁8から排気通路3を流れる排気に添加される燃料量等、吸気通路2を流れる吸気流量等が制御される。また、図1には図示されていないが内燃機関1に備えられている燃料噴射弁もECU9と電気的に接続され、ECU9からの指令に従って燃料噴射弁からの燃料の噴射時期や噴射量が制御される。
このように構成される内燃機関1の吸排気系においては、NOx触媒6にNOxが吸蔵されることで大気へのNOxの放出が抑制される。そして、燃料添加弁8から排気中へ燃料を添加することで、または内燃機関1における燃料噴射時期や燃料噴射量を調整することで排気中の燃料濃度を上昇させて、排気の空燃比をストイキまたはリッチ状態としてNOx触媒6に吸蔵されたNOxを還元し、浄化する。
また、NOx触媒6には、NOxと同様に排気中のSOxも吸蔵され、いわゆるSOx被毒状態となる。NOx触媒6がSOx被毒状態となると、NOx触媒6によるNOx吸蔵能力が低下し、エミッションが悪化する。そこで、NOx触媒6に流入する排気の空燃比をリッチ状態とすることでNOx触媒6に吸蔵されたSOxをNOx触媒6から放出させて、NOx触媒6のNOx吸蔵能力を回復させるとともに、その際に発生する硫化水素や排気中の余剰燃料の大気中へ放出を抑制するSOx被毒解消制御を行う。以下に、該SOx被毒解消制御について、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。尚、SOx被毒解消制御は、一定のサイクルで繰り返し実行されるルーチンである。
先ず、S101では、NOx触媒6におけるSOxの吸蔵量Rsを推定する。具体的には、内燃機関1における燃料の消費量等からSOx吸蔵量Rsを推定する。S101の処理が終了すると、S102へ進む。
S102では、S101で推定したSOx吸蔵量RsがSOx被毒基準量R0以上であるか否かが判断される。SOx被毒基準量R0とは、NOx触媒6におけるSOxの吸蔵量が増加したためにNOx触媒6のNOx吸蔵能力が低下し、該吸蔵されたSOxをNOx触媒6から放出する必要があると判断されるためのSOx吸蔵量の閾値である。SOx吸蔵量RsがSOx被毒基準量R0以上であると判断されるとS103へ進み、SOx吸
蔵量RsがSOx被毒基準量R0未満であると判断されるとS101以降の処理が再度行われる。
S103では、内燃機関1における燃料噴射弁からの燃料噴射時期を遅角側へ移行することで、内燃機関1から排出される排気の温度を上昇させる。これにより、NOx触媒6に比較的高温の排気が流入することになり、以てNOx触媒6の温度も上昇される。S103の処理が終了すると、S104へ進む。
S104では、EGR弁4bの開度を現時点の開度より更に開き側へと移行し、且つ吸気絞り弁5の開度を現時点での開度より閉じ側へと移行する。これにより、NOx触媒6に流入する排気中の酸素濃度を低下させ、該排気の空燃比をストイキに準ずる空燃比とする。S103およびS104の処理により、NOx触媒6に吸蔵されたSOxがより放出されやすい環境が形成される。S104の処理が終了すると、S105へ進む。
S105では、NOx触媒6の酸素吸蔵能力OSCを内燃機関の運転状態に基づいて推定する。ここで、酸素吸蔵能力OSCはNOx触媒6によって排気中の酸素を吸蔵する能力または触媒に吸蔵されている酸素を放出する能力である。そこで、本制御においては、その単位時間あたりの酸素吸蔵量もしくは酸素放出量を数値化したものを酸素吸蔵能力OSCとして扱う。例えば、単位時間あたりの酸素吸蔵量もしくは酸素放出量が高いほど、酸素吸蔵能力OSCの数値は高くなる。
酸素吸蔵能力OSCは、NOx触媒6に流入する排気の流量と排気の空燃比に大きく影響される。そこで、内燃機関1の運転状態を示すパラメータであって、該排気流量と排気空燃比に大きく関連する内燃機関1の機関負荷および機関回転速度に基づいて、酸素吸蔵能力OSCを推定する。具体的には、内燃機関1の機関負荷をアクセル開度センサ11等からの信号に基づいて算出し、内燃機関1の機関回転速度をクランクポジションセンサ12等からの信号に基づいて算出する。そして、これらのパラメータから構成される酸素吸蔵能力推定マップをECU9内のROMに格納しておき、各パラメータ値と該マップとを照合することで、NOx触媒6の酸素吸蔵能力を推定する。S105の処理が終了すると、S106へ進む。
S106では、S105で推定されたNOx触媒6の酸素吸蔵能力OSCの補正を行う。酸素吸蔵能力OSCは、NOx触媒6に流入する排気の流量や該排気温度の他にも、様々な要因の影響を受ける。そこで、酸素吸蔵能力OSCをより正確に推定するために該補正が行われる。以下、その補正について説明する。
第一に、NOx触媒6の温度に基づく補正を行う。ここで、図3に、NOx触媒6の温度と酸素吸蔵能力OSCとの相関関係を示す。図3に示すグラフの横軸はNOx触媒6の温度を表し、該グラフの縦軸は酸素吸蔵能力OSCを表す。尚、NOx触媒6の温度は、排気温度センサ7によって検出される排気温度に基づいて推定される。図3に示すように、本実施の形態においては、NOx触媒6の温度上昇とともに酸素吸蔵能力OSCは上昇し、比較的高温となるとほぼ酸素吸蔵能力の推移は飽和状態となる。即ち、NOx触媒6に流入する排気の流量と該排気温度が同一の条件であっても、NOx触媒6の温度が異なると酸素吸蔵能力OSCも変動する。そこで、図3に示されるNOx触媒6の温度と酸素吸蔵能力OSCとの相関関係に基づいて、S105で推定された酸素吸蔵能力OSCの値を補正する。例えば、NOx触媒6の温度が基準となる温度より高い場合は、その基準温度との温度差に従って酸素吸蔵能力OSCを高い値へと補正する。
尚、図3に示すNOx触媒6の温度と酸素吸蔵能力OSCとの相関関係は一例であり、使用されるNOx触媒における触媒温度と酸素吸蔵能力との相関関係毎に、酸素吸蔵能力
を補正すればよい。
ここで、上述のNOx触媒6の温度に基づく補正は、現時点における触媒温度に基づく補正である。しかし、NOx触媒6の現時点の触媒温度ではなく、現時点までの使用環境における触媒温度の履歴によって、NOx触媒6の酸素吸蔵能力OSCが変動する場合がある。即ち、該触媒温度の履歴によってはNOx触媒6が熱劣化することが考えられ、その熱劣化の程度が進行するほど、酸素吸蔵能力OSCは低下すると考えられる。そこで、NOx触媒6の温度の履歴において、比較的高温となる状態が長期間継続されている場合等NOx触媒6の熱劣化の程度が進行していると推定されるときは、その熱劣化の進行の程度に基づいて、S105で推定された酸素吸蔵能力OSCの値を補正してもよい。例えば、該熱劣化の進行の程度が大きいと推定されると、酸素吸蔵能力OSCを低い値へと補正する。
第二に、NOx触媒6におけるSOxの吸蔵量に基づく補正を行う。ここで、図4に、NOx触媒6におけるSOx吸蔵量と酸素吸蔵能力OSCとの相関関係を示す。図4に示すグラフの横軸はNOx触媒6におけるSOx吸蔵量を表し、該グラフの縦軸は酸素吸蔵能力OSCを表す。尚、NOx触媒6におけるSOx吸蔵量とは、S101によって推定されたSOx吸蔵量や、本制御が行われることでNOx触媒6から放出されたSOx量が加味されたSOx吸蔵量である。図4に示すように、本実施の形態においては、NOx触媒6におけるSOx吸蔵量の下降とともに酸素吸蔵能力OSCは上昇する。即ち、NOx触媒6に流入する排気の流量と該排気温度が同一の条件であっても、NOx触媒6におけるSOx吸蔵量が異なると酸素吸蔵能力OSCも変動する。そこで、図4に示されるNOx触媒6におけるSOx吸蔵量と酸素吸蔵能力OSCとの相関関係に基づいて、S105で推定された酸素吸蔵能力OSCの値を補正する。例えば、本制御が行われることによりNOx触媒6におけるSOx吸蔵量が減少するほど、酸素吸蔵能力OSCを高い値へと補正する。
これらの補正を行うことで、酸素吸蔵能力OSCをより正確に推定することが可能となる。S106の処理が終了すると、S107へ進む。
S107では、S105で推定された酸素吸蔵能力OSCまたはS106で補正された酸素吸蔵能力OSCに基づいて、内燃機関1の燃料噴射弁からの燃料噴射量が調整される。ここで、該燃料噴射量の調整について、図5に基づいて説明をする。図5は、本制御が行われるときのNOx触媒6に流入する排気の空燃比と、NOx触媒6から流出する排気の空燃比の推移を示すグラフである。該グラフの横軸は時間を表し、縦軸は排気の空燃比を表す。グラフ中線L1で表されるのが、NOx触媒6から流出する排気の空燃比の推移であり、グラフ中線L2で表されるのが、NOx触媒6に流入する排気の空燃比の推移である。
リーン空燃比AFLの排気がNOx触媒6に流入している状態から、先述したS104において排気中の酸素濃度を低下させることで、結果的に排気の空燃比がストイキ近傍に近づけられる。尚、図5のグラフ中、ストイキはAF0で表される。その後、S107において、酸素吸蔵能力OSCに基づいて決定される空燃比幅であって、本制御においては図5のグラフ中にストイキの前後に設定される空燃比AFBからAFTまでの空燃比幅(以下、「所定空燃比幅」という)において、線L2で示すように排気の空燃比がリッチ側空燃比AFBからリーン側空燃比AFTの間を交互に変動させて、線L1で示すようにNOx触媒6から流出する排気の空燃比をストイキに保持する。以下に、その詳細を説明する。
排気空燃比がストイキよりリーン側の空燃比であれば、即ち排気空燃比がAF0からA
FTまでの間である場合には、NOx触媒6の酸素吸蔵能力OSCによって排気中の酸素がNOx触媒6に吸蔵される。これにより、排気中の酸素濃度が調整されて、NOx触媒6から流出する排気の空燃比がストイキに保持され得る。そのとき、単位時間あたりのNOx触媒6に吸蔵される酸素量は酸素吸蔵能力OSCが高いほど多くなる。従って、NOx触媒6に一定時間内に吸蔵し得る酸素吸蔵量も酸素吸蔵能力OSCが高いほど多くなる。また、排気空燃比がストイキよりリッチ側の空燃比であれば、即ち排気空燃比がAF0からAFBまでの間である場合には、NOx触媒6の酸素吸蔵能力によってNOx触媒6に吸蔵されていた酸素が排気中へ放出される。これにより、排気中の酸素濃度が調整されて、NOx触媒6から流出する排気の空燃比がストイキに保持され得る。そのとき、単位時間あたりのNOx触媒6からの酸素放出量は酸素吸蔵能力OSCが高いほど多くなる。従って、NOx触媒6から一定時間内に放出し得る酸素放出量も酸素吸蔵能力OSCが高いほど多くなる。
そこで、酸素吸蔵能力OSCが高いほど、ストイキAF0の前後に設定される所定空燃比幅を広くすることで、NOx触媒6による酸素吸蔵能力を効率的に発揮し得る。換言すると、酸素吸蔵能力OSCが高いときは、所定空燃比幅を広く設定してNOx触媒6と排気との間の酸素の移動量を多くし、酸素吸蔵能力による排気空燃比のストイキ化をより効率的に行うことが可能となる。よって、本制御においては、S105で推定された酸素吸蔵能力OSCまたはS106で補正された酸素吸蔵能力OSCが高いほど、ストイキAF0の前後に設定される所定空燃比幅AFBからAFTの幅を広く設定する。
また、NOx触媒6に流入する排気の空燃比をリッチ側空燃比AFBとリーン側空燃比AFTの間で変動させるとき、内燃機関1の燃料噴射弁による燃料噴射量を調整する。即ち、該排気の空燃比をリッチ側空燃比AFBとするときは、リーン側空燃比AFTとするときと比べて燃料噴射量を増量する。
ここで、先述したように、酸素吸蔵能力OSCが低いときはNOx触媒6と排気との間の酸素の移動量が少なくなる。そこで、そのようなときは、所定空燃比幅におけるリーン側空燃比AFTとリッチ側空燃比AFBとの変動周期を短くし、即ちNOx触媒6と排気との間の酸素の移動頻度を高くすることで、NOx触媒6の酸素吸蔵能力によって排気の空燃比をより安定的にストイキに維持することが可能となる。
また、NOx触媒6の特性により、単位時間あたりにNOx触媒6に吸蔵される酸素量とNOx触媒6から放出される酸素量とが異なる場合には、所定空燃比幅において排気空燃比をリーン側空燃比AFTとする時間とリッチ側空燃比AFBとする時間の時間割合を違えてもよい。またNOx触媒6の酸素吸蔵能力OSCによって、その単位時間あたりにNOx触媒6に吸蔵される酸素量とNOx触媒6から放出される酸素量の差が変動する場合には、酸素吸蔵能力OSCに従って該時間割合を調整してもよい。
また、所定空燃比幅において排気空燃比をリーン側空燃比AFTとリッチ側空燃比AFBとに変動することによって、内燃機関1の機関出力の変動が拡大する虞がある。そしてその変動が拡大して所定量を越えると、内燃機関1を備える車両等の搭乗者等が、該車両等の操作性が低下したと感じる場合が考えられる。そこで、排気空燃比をリーン側空燃比AFTとリッチ側空燃比AFBとに変動するときに、内燃機関1の機関出力の変動が所定量を越えると予見される場合、または該変動が所定量を超えた場合には、該変動が所定量に収まるべく燃料噴射弁による燃料噴射量を調整し、所定空燃比幅におけるリーン側空燃比AFTとリッチ側空燃比AFBとの変動周期や所定空燃比幅において排気空燃比をリーン側空燃比AFTとする時間とリッチ側空燃比AFBとする時間の時間割合を調整する。
ここで、内燃機関1の機関出力の変動が所定量を越えると予見される場合とは、現時点
における内燃機関1の機関負荷や機関回転速度のもと、酸素吸蔵能力OSCに基づいて決定される所定空燃比幅において排気空燃比を変動すると内燃機関1の機関出力の変動が所定量を越えると推定される場合をいう。そして、そのように内燃機関1の機関出力の変動が所定量を越えると予見される場合、若しくは該変動が所定量を超えた場合には、例えば、内燃機関1における燃料噴射量の変動幅を意味する所定空燃比幅を狭めたり、所定空燃比幅における排気空燃比の変動周期を長くしたりすることで、内燃機関1の機関出力の変動を所定量以内に収める。
また、内燃機関1の機関出力の変動が所定量を越えると予見される場合、若しくは該変動が所定量を超えた場合には、内燃機関1における燃料噴射量を増減させることを中断するとともに、若しくは燃料噴射量の増減幅を小さくするとともに、燃料添加弁8から排気へ燃料を添加しその添加量を増減させることで、NOx触媒6に流入する排気の空燃比を所定空燃比幅において変動させてもよい。これにより、内燃機関1の機関出力の変動を所定量以内に収めることが可能となる。
そして、上述までのように、NOx触媒6に流入する排気の空燃比を所定空燃比幅においてリッチ側空燃比AFBとリーン側空燃比AFTとの間で交互に変動させることで、NOx触媒6に空燃比の低い排気が流入し、以てNOx触媒6に吸蔵されたSOxが放出される。更に、NOx触媒6の酸素吸蔵能力によりNOx触媒6から流出する排気の空燃比はほぼストイキに保持される。そのため、NOx触媒6からのSOx放出に要した燃料であって余剰状態にある燃料や、SOx放出時に発生する硫化水素を酸化するための酸素が排気中に確保され得る。これにより、これら余剰燃料や硫化水素がそのままの状態で大気へ放出されるのが抑制される。S107の処理が終了すると、S108へ進む。
S108では、NOx触媒6におけるSOx吸蔵量が減少し、NOx触媒6のSOx被毒状態が解消したか否かが判断される。具体的には、NOx触媒6に流入する排気の空燃比が所定空燃比幅において変動されている時間等に基づいて判断される。その基準となる時間は、予め実験等で決定する。NOx触媒6のSOx被毒状態が解消したと判断されると、本制御を終了する。また、NOx触媒6のSOx被毒状態が解消していないと判断されると、S106以降の処理が再び行われる。その際に、S106においては、既に以前までのS107において放出されたSOx量を加味して酸素吸蔵能力OSCを補正することが好ましい。
本制御によると、NOx触媒6に吸蔵されたSOxを放出させるにあたって、NOx触媒6から流出する排気の空燃比をストイキに保持することが可能となるため、NOx触媒6の下流側の排気通路3に酸化触媒を配置しなくとも、若しくはより容量の小さい酸化触媒を配置しても、余剰燃料や硫化水素によるエミッションの悪化を抑制することが可能となる。
尚、酸素吸蔵能力OSCの補正について、上述した補正方法に加えて、NOx触媒6の経年劣化による酸素吸蔵能力OSCの低下、または上述までの補正における誤差を吸収する補正を行ってもよく、該補正について図6に基づいて以下に説明する。図6は、本制御が行われるときのNOx触媒6に流入する排気の空燃比と、NOx触媒6から流出する排気の空燃比の推移を示すグラフである。該グラフの横軸は時間を表し、縦軸は排気の空燃比を表す。グラフ中、点線L1は、図5に示す実線L1と同じであり、本来本制御によってNOx触媒6から流出する排気の空燃比の推移であり、実線L1’は、実際に本制御によってNOx触媒6から流出する排気の空燃比の推移である。尚、実際にNOx触媒6から流出する排気の空燃比は、排気空燃比センサ10によって検出される。また、グラフ中線L2は、図5に示す実線L2と同じであり、NOx触媒6に流入する排気の空燃比の推移である。
NOx触媒6において、経年劣化によって酸素吸蔵能力OSCが低下する場合、または上述までの補正において誤差が存在する場合には、NOx触媒6に流入する排気の空燃比を線L2で示すように調整しても、NOx触媒6から流出する排気の空燃比は、点線L1で示す本来あるべき推移とならずに、排気空燃比がストイキからリッチ側にΔAFずれた実線L1’で示す推移となる。そこで、本制御を行い本来NOx触媒6から流出する排気の空燃比であるストイキ空燃比と、実際にNOx触媒6から流出する排気の空燃比とのずれΔAFに基づいて、NOx触媒6の酸素吸蔵能力OSCを補正してもよい。例えば、図6に示すように排気空燃比のずれΔAFがリッチ側に存在する場合には、推定若しくは補正された酸素吸蔵能力OSCは、実際のNOx触媒6の酸素吸蔵能力OSCより高い値となっていることを意味する。そこで、このような場合には、予め定められたずれ量の許容範囲を超えたずれ量に応じて酸素吸蔵能力OSCの値を低くする補正を行う。また、排気空燃比のずれΔAFがリーン側に存在する場合には、逆に酸素吸蔵能力OSCの値を、許容範囲を超えたずれ量ΔAFに応じて高くする補正を行う。これにより、酸素吸蔵量OSCの推定をより正確に行うことが可能となる。
また、本制御においては、NOx触媒6に流入する排気の空燃比を所定空燃比幅において変動させるために、基本的に内燃機関1における燃料噴射量を増減させているが、それに代わり燃料添加弁8による排気への燃料添加量を増減することで、NOx触媒6に流入する排気の空燃比を所定空燃比幅において変動させてもよい。
図2に示すSOx被毒解消制御におけるS104からS107までの処理は、図1に示すNOx触媒6に吸蔵されたNOxを還元、除去する際にも適用することが可能である。即ち、NOx触媒6に吸蔵されたNOxを還元、除去するために、NOx触媒6に流入する排気の空燃比をストイキ近傍の空燃比とするとき、内燃機関1における燃料噴射量や燃料添加弁8による燃料添加量を増減することで、所定空燃比幅において排気空燃比を変動し、以てNOx触媒6から流出する排気の空燃比をストイキに維持することが可能となる。そして、その結果、NOx触媒6の下流側の排気通路3に酸化触媒を配置しなくとも、若しくはより容量の小さい酸化触媒を配置しても、余剰燃料や硫化水素によるエミッションの悪化を抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化システムの吸排気系の概略構成を表すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化システムにおいて、NOx触媒のSOx被毒状態を回復させるための制御のフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化システムにおいて、NOx触媒の温度とNOx触媒の酸素吸蔵能力との相関関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化システムにおいて、NOx触媒におけるSOx吸蔵量とNOx触媒の酸素吸蔵能力との相関関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化システムにおいて、図2に示す制御が行われるときのNOx触媒に流入する排気の空燃比と、NOx触媒から流出する排気の空燃比の推移を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化システムにおいて、図2に示す制御が行われるときのNOx触媒に流入する排気の空燃比と、NOx触媒から流出する排気の空燃比の推移を示す第二のグラフである。
符号の説明
1・・・・内燃機関
2・・・・吸気通路
3・・・・排気通路
4・・・・排気再循環装置(EGR装置)
4b・・・・EGR弁
5・・・・吸気絞り弁
6・・・・NOx触媒
7・・・・排気温度センサ
8・・・・燃料添加弁
9・・・・ECU
10・・・・排気空燃比センサ
11・・・・アクセル開度センサ
12・・・・クランクポジションセンサ

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、排気中のNOxを吸蔵する触媒であって且つ排気中の酸素濃度に応じて該排気中の酸素を吸蔵、放出する酸素吸蔵能力を有するNOx触媒と、
    前記NOx触媒が吸蔵、放出可能とする酸素吸蔵能力の程度を推定する酸素吸蔵能力推定手段と、
    前記NOx触媒に吸蔵されたNOxを還元、放出するために該NOx触媒に流入する排気の空燃比を制御するとき、又は該NOx触媒が排気中のSOxも吸蔵する場合に該NOx触媒に吸蔵されたSOxを放出するために該NOx触媒に流入する排気の空燃比を制御するとき、該NOx触媒から流出する排気の空燃比をストイキ近傍の空燃比とすべく、前記酸素吸蔵能力推定手段によって推定される該NOx触媒の酸素吸蔵能力に基づいて決定されるストイキ近傍の所定空燃比幅において、該NOx触媒に流入する排気の空燃比をリッチ側空燃比とリーン側空燃比とに交互に変動させる排気空燃比制御手段と、
    を備える内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記酸素吸蔵能力推定手段は、前記内燃機関の機関負荷および機関回転速度に基づいて前記NOx触媒が吸蔵、放出可能とする酸素吸蔵能力の程度を推定し、
    前記排気空燃比制御手段は、前記酸素吸蔵能力推定手段によって推定された前記NOx触媒の酸素吸蔵能力に基づいて、該NOx触媒に流入する排気の空燃比をリッチ側空燃比およびリーン側空燃比へと変動するときの変動周期、又は該NOx触媒に流入する排気の空燃比をリッチ側空燃比とする時間と該排気の空燃比をリーン側空燃比とする時間との時間割合を調整することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記排気空燃比制御手段は、更に、前記内燃機関の機関出力の変動を所定の範囲内に収めるべく前記変動周期又は前記時間割合を調整することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記NOx触媒の温度を推定又は検出する触媒温度検出手段を更に備え、
    前記酸素吸蔵能力推定手段は、更に、前記触媒温度検出手段によって推定又は検出された前記NOx触媒の温度に基づいて該NOx触媒が吸蔵、放出可能とする酸素吸蔵能力の程度を補正することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
  5. 前記酸素吸蔵能力推定手段は、更に、前記触媒温度検出手段によって推定又は検出された前記NOx触媒の温度の履歴に基づいて該NOx触媒の熱劣化の程度を推定するとともに、更に推定された該NOx触媒の熱劣化の程度に基づいて該NOx触媒が吸蔵、放出可能とする酸素吸蔵能力の程度を補正することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  6. 前記NOx触媒が排気中のSOxを吸蔵する場合に該NOx触媒に吸蔵されたSOx量を推定する吸蔵SOx量推定手段を、更に備え、
    前記酸素吸蔵能力推定手段は、更に、前記吸蔵SOx量推定手段によって推定された前記NOx触媒に吸蔵されたSOx量に基づいて該NOx触媒が吸蔵、放出可能とする酸素吸蔵能力の程度を補正することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
  7. 前記排気空燃比制御手段によって前記NOx触媒から流出する排気の空燃比をストイキ近傍の空燃比とするときに該NOx触媒から流出する排気の空燃比とストイキとのずれが所定ずれ量を越える場合、前記酸素吸蔵能力推定手段は、更に、該ずれ量に基づいて該NOx触媒が吸蔵、放出可能とする酸素吸蔵能力の程度を補正することを特徴とする請求項1
    から請求項3の何れかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
  8. 前記内燃機関への吸気量を調整する吸気絞り弁と、
    前記内燃機関から排出された排気の少なくとも一部を該内燃機関の吸気通路へ再循環させるEGR装置と、
    前記EGR装置を介した前記吸気通路への再循環排気量を調整するEGR弁と、を更に備え、
    前記排気空燃比制御手段は、前記吸気絞り弁の開度を閉じ側へ移行して前記内燃機関への吸気量を減量するとともに前記EGR弁の開度を開き側へ移行して再循環排気量を増量し且つ該内燃機関における燃料噴射量を繰り返し増減することで、前記所定空燃比幅において前記NOx触媒に流入する排気の空燃比をリッチ側空燃比とリーン側空燃比とに交互に変動させることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
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