JP2005139415A - 開環重合方法 - Google Patents

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茂樹 伊藤
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Abstract

【課題】
アルコール類および/またはアミン類へエポキシドを開環せしめて付加、重合する方法において、触媒を予め活性化させる工程を踏まえる必要が無く、生成物の分子量分布を狭くする方法を提供する。
【解決手段】
アルコール類および/またはアミン類へ、メタロセン型錯体とルイス酸の存在下、エポキシドを付加、重合せしめることによる。本発明の方法により得られる生成物は分子量分布が狭くなり、遊離(未反応)のアルコール類および/またはアミン類の残存量を低減することができる。
【選択図】なし。

Description

本発明は界面活性剤や化学品誘導体などに用いられるエポキシド誘導体の製法に関する。詳しくは、アルコール類および/またはアミン類へのエポキシドの開環重合方法に関する。
アルコール類やフェノール類、アミン類などの活性水素を有する化合物にエチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを開環せしめて付加重合させたアルコキシレートは界面活性剤や溶剤、有機中間体として汎用されている。
この様なアルコキシレートを得るためには、活性水素含有化合物に触媒を加え、過熱下、アルキレンオキシドを常圧もしくは加圧下に添加して反応せしめる。アルコキシレート以外のエポキシドでも、類似の手法によって反応させうる。
これらの反応に用いられる触媒は、酸性あるいは塩基性触媒で行われるのが一般的である。従来用いられてきた触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属やその水酸化物、酸化物、炭酸塩、アルコキシドなどの塩基性化合物や三弗化硼素ジエチルエーテル錯体などのルイス酸、アンチモンや錫などのハロゲン化物、硫酸やヘテロポリ酸などの酸性物質などがある。
しかしながら、これら触媒にはいずれにも欠点がある。例えば、酸性物質を触媒とした場合、エポキシドの環状2量体(例えるならば1,4−ジオキサン)やその誘導体、エポキシドのホモポリマーが副生したり、酸が金属を腐食する為に工業的製造触媒としては不向きなことが多い。一方、塩基性化合物を触媒とした場合、付加重合物の分布が広い化合物しか得られなかったり、遊離(未反応)の活性水素含有化合物が多く残るなどの問題がある。特に、遊離の活性水素含有化合物が多量に残ると、臭気がしたり(特公昭51−43483号公報)それを用いて配合した場合の温度変化、特に低温安定性に問題が生じることが多い。
これらの問題を解決する目的で、付加重合物の分子量分布を狭くする試みが続けられている。米国特許4,239,917号公報には酸化バリウムを触媒とするエトキシル化方法が開示されている。また、米国特許4,835,321号公報、米国特許4,775,653号公報にはカルシウムベース混合触媒系でのアルコキシル化方法が開示されている。J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1985年1148頁、Macromolecules,1988年21巻1195頁にはアルミニウムのポルフィリン錯体によるアルコキシル化方法が開示されている。特開平4−28717号公報においては、複金属シアン化物錯体触媒が開示されている。これらの報告は分布を狭くする効果が満足できるものではなかったり、ポルフィリン錯体では触媒を工業レベルで得ることは難しく、またシアン化物触媒ではシアンの使用は安全、環境上の観点から好ましいものとはいえない。
近年に於いては複合酸化物系触媒や天然または合成の鉱物を触媒として用いる検討が盛んに行われ、特許第3322587号公報、特許第3174479号公報、特許第2784622号公報、特表平6−505986号公報、特開平2−71841号公報、特開平6−182206号公報、特開平6−198169号公報、特公平6−15038号公報、特開平11−114417号公報など数多くの報告がある。これらに至ってはいずれも分子量分布が狭いアルコキシレートを得る製造方法としては優れた方法といえる。しかし、特許第2784622号公報によると、特開平2−71841号公報の如く焼成されたハイドロタルク石、即ち複合酸化物を触媒とするには触媒活性を付与する為に高温で焼成する必要があり工程が煩雑で不必要なエネルギーを要するなどの問題点が指摘されている。鉱物を用いる特許第2784622号公報でさえ、鉱物を予め活性化させる工程が必要であり前記問題を解決したとは言い難い。
即ち、活性水素含有化合物へエポキシドを開環せしめて付加、重合する方法において、触媒を予め活性化させる工程を踏まえる必要が無く、生成物の分子量分布を狭くする方法が望まれている。
補足的に述べる。これらのように活性水素含有化合物とエポキシドとの反応には大きな興味がもたれて活発に研究されており、特徴ある化合物が得られている。付加重合物の分子量分布を狭くすることは非常に興味深いことであるが、この種の研究のみが行われているわけではなく、特徴ある反応物を得るために特開2002−187951号公報の様にヘテロ環状化合物の末端ヘテロ原子団基の1級化率を向上させるといった研究もされている。
特公昭51−43483号公報 米国特許4,239,917号公報 米国特許4,835,321号公報 米国特許4,775,653号公報 特開平4−28717号公報 特許第3322587号公報 特許第3174479号公報 特許第2784622号公報 特表平6−505986号公報 特開平2−71841号公報 特開平6−182206号公報 特開平6−198169号公報 特公平6−15038号公報 特開平11−114417号公報 特開2002−187951号公報 J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1985年1148頁 Macromolecules,1988年21巻1195頁
本発明者らは、鋭意検討の結果、アルコール類および/またはアミン類へエポキシドを開環せしめて付加、重合する方法において、触媒を予め活性化させる工程を踏まえる必要が無く、生成物の分子量分布を狭くする方法を開発し、本発明に至った。
本発明は、アルコール類および/またはアミン類へ、メタロセン型錯体とルイス酸の存在下、エポキシドを付加、重合せしめる方法である。本発明の方法により得られる生成物は分子量分布が狭くなり、遊離(未反応)のアルコール類および/またはアミン類の残存量を低減することができる。遊離(未反応)のアルコール類および/またはアミン類の残存量を低減するという点を考えると、活性水素を有する化合物が(高級)アルコール類の場合、他触媒系と比較してとりわけ効果が大きい。ただし、本発明の開環重合方法は、活性水素を有する化合物がフェノール類などの酸性度が高い化合物の場合は副反応を起こしやすく、好ましくない。即ち、本発明は活性水素を有する化合物がアルコール類および/またはアミン類の場合に限定される。
前述の特開2002−187951号公報においてもチタノセンクロライドが例示されており、本発明と類似点を有するが、本発明の効果を得ることはできない。即ち、該公報は本発明と類似点を有するものの、該公報の効果を得るためのものであり本発明の効果を得るためのものではなく、本発明の効果を得るには後述する要件を満たす必要がある。
本発明は、アルコール類および/またはアミン類へエポキシドを反応させ、ポリエーテル化合物を得るための触媒としてメタロセン型錯体とルイス酸を用いることを特徴とする、アルコール類および/またはアミン類とエポキシドを反応させる方法を提供するものである。即ち、メタロセン型錯体とルイス酸により触媒される、アルコール類および/またはアミン類へのエポキシドの開環重合方法である。更に詳しく述べるならば、メタロセン型触媒が4価金属を有することを特徴とするアルコール類および/またはアミン類へのエポキシドの請求項1記載の開環重合方法であり、メタロセン型触媒がチタン(IV)および/またはジルコニウム(IV)イオンを有することを特徴とするアルコール類および/またはアミン類へのエポキシドの請求項1記載の開環重合方法、ルイス酸が三弗化硼素錯体、塩化鉄(III)、塩化アルミニウムから選ばれる1種またはそれ以上であることを特徴とするアルコール類および/またはアミン類へのエポキシドの請求項1記載の開環重合方法、反応温度が40℃〜250℃で行うことを特徴とするアルコール類および/またはアミン類へのエポキシドの請求項1記載の開環重合方法、常圧もしくは加圧下に反応を行うことを特徴とするアルコール類および/またはアミン類へのエポキシドの請求項1記載の開環重合方法、エポキシドが炭素数2〜4のアルキレンオキシドおよび/またはグリシドールであるアルコール類および/またはアミン類へのエポキシドの請求項1記載の開環重合方法、メタロセン型触媒がチタン(IV)および/またはジルコニウム(IV)イオンを有し、ルイス酸が三弗化硼素錯体類であり、エポキシドが炭素数2〜4のアルキレンオキシドおよび/またはグリシドールであることを特徴とするアルコール類および/またはアミン類へのエポキシドの請求項1記載の開環重合方法である。
本発明の重合方法によってアルコール類および/またはアミン類とエポキシドから生成する重合物は分子量分布が狭いものとなり、特に活性水素を有する化合物が(高級)アルコールである場合には遊離(未反応)のアルコールの残存量が他の系と比して少なくなるものである。
本発明に用いられるアルコール類やアミン類は1価でも多価でもかまわない。アルコール類としては、炭素数2〜24直鎖または分岐または環状の飽和または不飽和アルコールが好ましく、炭素数8〜24のアルコールがより好ましい。具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−テトラデカノール、1−ヘキサデカノール、1−オクタデカノール、2−エチルヘキサノール、2−オクチルヘキサノール、イソトリデカノール、2−オクチルドデカノール、オレイルアルコール、ヤシアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、オキソアルコールなどの1価アルコールや、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ヘキサントリオール、ソルビット、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどの多価アルコールなどが挙げられる。アミン類としては具体的にはエチレンジアミン、ジエチレンテトラミン、ココナッツアミン、1−オクチルアミン、1−ドデシルアミン、1−オクタデシルアミン、オレイルアミン、ジステアリルアミン、アニリンなどが挙げられる。これらアルコール類とアミン類の1種または2種以上が用いられる。
アルカノールアミド類は活性水素を有しているがその活性水素は本質的にアルコールであり、本発明の範疇とみなす。アルカノールアミド類とは、ラウリン酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノエタノールアミド、イソステアリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、パーム核油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ミリスチン酸モノイソプロパノールアミド、パルミチン酸モノイソプロパノールアミド、ステアリン酸モノイソプロパノールアミド、オレイン酸モノイソプロパノールアミド、イソステアリン酸モノイソプロパノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、イソステアリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジイソプロパノールアミド、パーム核油脂肪酸ジプロパノールアミド、ミリスチン酸ジイソプロパノールアミド、パルミチン酸ジイソプロパノールアミド、ステアリン酸ジイソプロパノールアミド、オレイン酸ジイソプロパノールアミド、イソステアリン酸ジイソプロパノールアミドなどが例示される。
また、アルカノールアミン類も活性水素はアルコールおよび/またはアミンであり、本発明の範疇とみなせる。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンが例示される。
本発明に用いられるエポキシドとしては、開環重合可能な化合物であれば限定されないが、反応活性な炭素数2〜4のアルキレンオキシド、グリシドールが好ましい。他に、α−オレフィンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルエーテル類、グリシジルエステル類、スチレンオキシドなどが挙げられるが、反応性が低いエポキシドの場合には長い反応時間を要する。これらの単一、または2種以上の混合物が用いられる。
本発明に用いられる触媒として、メタロセン型錯体とルイス酸の混合系が用いられる。メタロセン型錯体としてはチタノセン、ジルコノセンなど4価金属錯体が好ましい。これらの錯体は金属イオンとシクロペンタジエニルアニオン、他の配位子から構成されるが、化学式1記載のビスシクロペンタジエニル型、化学式2で表されるモノシクロペンタジエニル型の錯体が例示される。これら錯体中のシクロペンタジエニル環やXで表される他の配位子は置換基があっても無くとも良い。化学式1、2中のXで表される他の置換基がキレート配位子のこともあり得る。具体的には二塩化チタノセン(二塩化ビスシクロペンタジエニルチタン)、二塩化ジルコノセン(二塩化ビスシクロペンタジエニルジルコニウ厶)、三塩化シクロペンタジエニルチタン、三塩化シクロペンタジエニルジルコニウム、塩化水酸化ビスシクロペンタジエニルチタン、塩化水酸化ビスシクロペンタジエニルジルコニウム、塩化アルコキシビスシクロペンタジエニルチタン、塩化アルコキシビスシクロペンタジエニルジルコニウム、ジアルコキシビスシクロペンタジエニルチタン、ジアルコキシビスシクロペンタジエニルジルコニウム、塩化ジメチルアミノビスシクロペンタジエニルチタン、塩化ジメチルアミノビスシクロペンタジエニルジルコニウム、シクロペンタジエニルレニウムトリカルボニル、二塩化ビスシクロペンタジエニルハフニウムなどが例示される。好ましくは二塩化チタノセン、二塩化ジルコノセン、三塩化シクロペンタジエニルチタン、三塩化シクロペンタジエニルジルコニウム、塩化アルコキシビスシクロペンタジエニルチタン、塩化アルコキシビスシクロペンタジエニルジルコニウム、ジアルコキシビスシクロペンタジエニルチタン、ジアルコキシビスシクロペンタジエニルジルコニウムであり、特に好ましくは二塩化チタノセン、二塩化ジルコノセン、塩化アルコキシビスシクロペンタジエニルチタン、塩化アルコキシビスシクロペンタジエニルジルコニウムである。これらの他に、μ−オキソビス{クロロビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム}の如きメタロセン型錯体の二量体でもかまわず、メタロセン型触媒であればその構造は特に限定されない。二量体に関しては、故意に用いずともメタロセン型触媒の不純物、分解物として触媒中に認められることがある。
化学式1
化学式2
ルイス酸としては、一般に流通されているものであれば特に問題は無い。三弗化硼素ジエチルエーテル錯体、三弗化硼素テトラヒドロフラン錯体、塩化アルミニウム、三塩化鉄などが例示される。好ましくは三弗化硼素錯体類である。塩化アルミニウムや三塩化鉄は三弗化硼素錯体類に比して反応の初期速度が遅い場合が多く、またステンレスを侵しやすいため反応機の材質を適切に選択する必要がある。また、塩化アルミニウム、三塩化鉄は副生物を与える場合が多く、反応条件を適切に厳密に行わなければならない。これらの点からも、三弗化硼素錯体類は副反応が少なく、優れており、好ましい。
メタロセン型錯体とルイス酸の混合比は用いるアルコール類および/またはアミン類により最適条件が異なり、特に制限されない。通常はメタロセン型錯体に対してルイス酸を2モル当量以下で用いることが望ましい。また、触媒の使用量はアルコール類および/またはアミン類やエポキシドの種類や両者のモル比、反応温度や反応圧力などの反応条件より異なるが、通常はアルコール類および/またはアミン類の0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%であり、より好ましくは1〜10重量%である。
本発明の重合方法は、回分式、半回分式、連続式のいずれでも合成できるが、回分式、半回分式が好ましい。
反応温度は40℃〜250℃、好ましくは100℃〜230℃、より好ましくは120℃〜200℃である。反応温度が低くては反応速度が遅く、高すぎては生成物の分解を招く為に避けるべきである。
また、反応圧に関しては常圧、もしくは加圧下に行う。低沸点のエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどを用いる場合には加圧する必要がある。逆に高沸点のグリシドールやグリシジルエーテル、長鎖のα−オレフィンオキシドなどを用いる場合には加圧は必ずしも必要とはならない。必ずしも必要ではないが、蒸気圧の関係で少しずつ逸散することもあり、加圧下に行われることが望ましい。具体的にはゲージ圧が0〜1.0MPa、好ましくは0〜0.5MPaで行われることが望ましい。
これらの反応は溶媒を用いずとも適切に進行するが、溶媒を用いてもかまわない。用いるべき溶媒はアルコール類やアミン類触媒やエポキシドと反応性を有さないことが重要である。もちろん、溶媒を用いずに反応させても良い。
本発明の方法では酸化防止剤、着色防止剤などを加えることもできる。反応前、反応途中に加えることができる。このことにより反応中の酸化防止、着色防止に繋がる。また、反応後に加えるならば重合物の経時安定性に繋がる。
発明を実施するための裁量の形態
以下に実施例、比較例により本発明を更に詳しく説明する。しかし、これら実施例は発明の一態様であり、本発明を制限するものではない。
攪拌、温度調節機構、排気管、窒素導入部、滴下管が付いたステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール150gおよび二塩化チタノセン5g、三弗化硼素ジエチルエーテル錯体2.5gを仕込み、窒素ガスで十分に置換して酸素を除いた。攪拌下、160℃でエチレンオキシドを滴下し始め、反応温度が170±5℃、反応圧が0.3MPa(ゲージ圧)を保つように調整しながら、エチレンオキシドを141.7g反応させた。滴下終了後、1時間同温で保持し十分に熟成させた後、冷却した。反応時間は4時間を要した。得られたポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルを静置し、少量の沈降物をデカンテーションして分離し、ガスクロマトグラフィーにより各エチレンオキシド付加モル数毎の含有率を求めた。ガスクロマトグラフィーには試料をシリル化剤によりシリル化処理したものを用い、含有率は各ピークの面積比により決定した。測定結果を図1に示す。また、この反応において、ステンレス製オートクレープを使用しても、ステンレスの腐食は見られなかった。
使用する触媒を二塩化チタノセン3g、三弗化硼素ジエチルエーテル錯体1.5gに、エチレンオキシド量を106.3gに変更し、他は実施例1と同条件でポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテルを合成した。反応時間は4時間を要した。ガスクロマトグラフィーによる各エチレンオキシド付加モル数毎の含有率の測定結果を図2に示す。
使用する触媒を二塩化チタノセン1.5g、三弗化硼素ジエチルエーテル錯体0.5gに、エチレンオキシド量を42.5gに変更し、他は実施例1と同条件でエチレンオキシドの平均重合度が1.2のポリオキシエチレンラウリルエーテルを合成した。反応時間は2.5時間を要した。ガスクロマトグラフィーによる各エチレンオキシド付加モル数毎の含有率の測定結果を図3に示す。
使用する触媒を二塩化ジルコノセン5g、三弗化硼素ジエチルエーテル錯体2.5gに変更し、他は実施例1と同条件で得られたポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルを合成した。反応時間は5.5時間を要した。ガスクロマトグラフィーによる各エチレンオキシド付加モル数毎の含有率の測定結果を図1に示す。
攪拌、温度調節機構、還流管、窒素導入部、滴下管が付いた4つ口フラスコに、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを100gおよび二塩化チタノセン5g、三弗化硼素ジエチルエーテル錯体2.5gを仕込み、窒素ガス気流下、攪拌下、140℃でグリシドールを滴下し始め、反応温度が155±5℃を保つように調整しながら、グリシドールを184.9g反応させた。滴下には1.5時間要した。滴下終了後、1時間同温で保持し十分に熟成させた後、冷却し、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールのポリグリセリルエーテル(平均重合度4)を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフにより分子量分布を求めた。測定結果を図4に示す。
攪拌、温度調節機構、排気管、窒素導入部、滴下管が付いたステンレス製オートクレーブに、ラウリルアミン150gおよび二塩化チタノセン5g、三弗化硼素ジエチルエーテル錯体2.5gを仕込み、窒素ガスで十分に置換して酸素を除いた。攪拌下、160℃でエチレンオキシドを滴下し始め、反応温度が170±5℃、反応圧が0.3MPa(ゲージ圧)を保つように調整しながら、エチレンオキシドを178.4g反応させた。滴下終了後、0.5時間同温で保持し十分に熟成させた後、冷却した。反応時間は2時間を要した。得られたポリオキシエチレン(5)ラウリルアミノエーテルをガスクロマトグラフィーにより各エチレンオキシド付加モル数毎の含有率を求めた。ガスクロマトグラフィーには試料をシリル化剤によりシリル化処理したものを用い、含有率は各ピークの面積比により決定した。測定結果を図5に示す。また、比較のために一般に流通しているポリオキシエチレン(5)ラウリルアミノエーテル(ゾンテスAL−5:松本油脂製薬株式会社製)の分析結果も図5に併記する。
比較例1
攪拌、温度調節機構、排気管、窒素導入部、滴下管が付いたステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール150gおよび水酸化カリウム0.3gを仕込み、窒素ガスで十分に置換して酸素を除いた。攪拌下、160℃でエチレンオキシドを滴下し始め、反応温度が165±5℃、反応圧が0.3MPa(ゲージ圧)を保つように調整しながら、エチレンオキシドを141.7g反応させた。滴下終了後、0.5時間同温で保持し十分に熟成させた後、冷却した。反応に要した時間は1.5時間であった。0.32gの酢酸で中和した後、ガスクロマトグラフィーにより各エチレンオキシド付加モル数毎の含有率を求めた。ガスクロマトグラフィーには試料をシリル化剤によりシリル化処理したものを用い、含有率は各ピークの面積比により決定した。測定結果を図1に示す。
比較例2
使用する水酸化カリウム量を0.25gに、エチレンオキシド量を106.3g、酢酸量を0.27gに変更し、他は比較例1と同条件でポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテルを合成した。ガスクロマトグラフィーによる各エチレンオキシド付加モル数毎の含有率の測定結果を図2に示す。
比較例3
使用する水酸化カリウム量を0.25gに、エチレンオキシド量を42.5g、酢酸量を0.27gに変更し、他は比較例1と同条件でエチレンオキシドの平均重合度が1.2のポリオキシエチレンラウリルエーテルを合成した。ガスクロマトグラフィーによる各エチレンオキシド付加モル数毎の含有率の測定結果を図3に示す。
比較例4
攪拌、温度調節機構、排気管、窒素導入部、滴下管が付いたステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール150gおよび三弗化硼素ジエチルエーテル錯体0.5gを仕込み、窒素ガスで十分に置換して酸素を除いた。攪拌下、120℃でエチレンオキシドを滴下し始め、反応温度が120±5℃、反応圧が0.2MPa(ゲージ圧)を保つように調整しながら、エチレンオキシドを141.7g反応させた。滴下終了後、0.5時間同温で保持し十分に熟成させた後、冷却した。ガスクロマトグラフィーにより各エチレンオキシド付加モル数毎の含有率を求めた。ガスクロマトグラフィーには試料をシリル化剤によりシリル化処理したものを用い、含有率は各ピークの面積比により決定した。測定結果を図1に示す。
比較例5
攪拌、温度調節機構、還流管、窒素導入部、滴下管が付いた4つ口フラスコに、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを100gおよび水酸化カリウム0.36gを仕込み、窒素ガス気流下、攪拌下、140℃でグリシドールを滴下し始め、反応温度が150±5℃を保つように調整しながら、グリシドールを184.9g反応させた。滴下には1.5時間要した。滴下終了後、1時間同温で保持し十分に熟成させた後、90℃まで冷却、0.39gの酢酸で中和し、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールのポリグリセリルエーテル(平均重合度4)を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフにより分子量分布を求めた。測定結果を図6に示す。
比較例6
攪拌、温度調節機構、排気管、窒素導入部、滴下管が付いたステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール150gおよび二塩化チタノセン5gを仕込み、窒素ガスで十分に置換して酸素を除いた。攪拌下、160〜180℃でエチレンオキシドを圧力が0.3MPa(ゲージ圧)となるまで導入した。2時間の同条件を保持したが、圧力の低下は見られず、実質的に反応している状態ではなかった。
本発明の効果
本発明により、アルコール類および/またはアミン類へエポキシドを開環せしめて付加、重合する方法において、触媒を予め活性化させる工程を踏まえる必要が無く、生成物の分子量分布を狭くすることができる。また、遊離(未反応)のアルコール類および/またはアミン類の残存量も少ないものとなる。
Figure 2005139415
Figure 2005139415

Claims (7)

  1. メタロセン型錯体とルイス酸により触媒される、アルコール類および/またはアミン類へのエポキシドの開環重合方法。
  2. メタロセン型触媒が4価金属を有することを特徴とする、請求項1記載の開環重合方法。
  3. メタロセン型触媒がチタン(IV)および/またはジルコニウム(IV)イオンを有することを特徴とする、請求項1記載の開環重合方法。
  4. ルイス酸が三弗化硼素錯体、塩化鉄(III)、塩化アルミニウムから選ばれる1種またはそれ以上であることを特徴とする、請求項1記載の開環重合方法。
  5. 反応温度が40℃〜250℃で行うことを特徴とする、請求項1記載の開環重合方法。
  6. 開環重合を常圧もしくは加圧下に反応を行うことを特徴とする、請求項1記載の開環重合方法。
  7. エポキシドが炭素数2〜4のアルキレンオキシドおよび/またはグリシドールであることを特徴とする、請求項1記載の開環重合方法。
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