JP2005139399A - アセチレン系重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】第8族金属錯体触媒を用いても、重合体収率が高く、工業的な製造が可能なアセチレン系重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明のアセチレン系重合体の製造方法は、有機金属錯体触媒の存在下、置換基を有するアセチレン化合物を、溶媒を含む混合液中で重合するに際し、混合液中の水分含有量を3質量%以下、好ましくは1質量%以下にすることを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明のアセチレン系重合体の製造方法は、有機金属錯体触媒の存在下、置換基を有するアセチレン化合物を、溶媒を含む混合液中で重合するに際し、混合液中の水分含有量を3質量%以下、好ましくは1質量%以下にすることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、有機金属錯体触媒の存在下で、置換基を有するアセチレン化合物を重合するアセチレン系重合体の製造方法に関する。
アセチレン系重合体はその優れた特性ゆえに、電気材料や医薬材料等への用途展開が期待されている。
アセチレン系重合体を製造する方法としては、従来から、例えばTi化合物/有機アルミニウム系、鉄錯体/有機アルミニウム系などのチーグラー・ナッタ触媒や、モリブデン、タングステン系などのメタセシス触媒、第8族金属錯体触媒等の存在下で、アセチレン化合物を重合する方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
とりわけ、第8族金属(特にロジウム)錯体触媒を用いて重合したアセチレン系重合体は、チーグラー・ナッタ触媒およびメタセシス触媒を用いて重合したアセチレン系重合体と異なり、不溶性のゲルを与えず、また頭−頭あるいは尾−尾結合による不規則構造を含まない重合体が得られる(例えば、非特許文献1参照)。そのため、立体規則性の高い重合体が得られるという特徴を有している。
特開昭59−210914号公報
特開昭63−277212号公報
特開昭63−275613号公報
田畑昌祥ら,高分子論文集,第59巻,第4号,2002年4月,pp.168-177
アセチレン系重合体を製造する方法としては、従来から、例えばTi化合物/有機アルミニウム系、鉄錯体/有機アルミニウム系などのチーグラー・ナッタ触媒や、モリブデン、タングステン系などのメタセシス触媒、第8族金属錯体触媒等の存在下で、アセチレン化合物を重合する方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
とりわけ、第8族金属(特にロジウム)錯体触媒を用いて重合したアセチレン系重合体は、チーグラー・ナッタ触媒およびメタセシス触媒を用いて重合したアセチレン系重合体と異なり、不溶性のゲルを与えず、また頭−頭あるいは尾−尾結合による不規則構造を含まない重合体が得られる(例えば、非特許文献1参照)。そのため、立体規則性の高い重合体が得られるという特徴を有している。
しかしながら、第8族金属錯体触媒は重合活性が低いため、重合転化率などが低く、アセチレン系重合体の収率が十分に高くはなく、工業的ではなかった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、第8族金属錯体触媒を用いても、重合体収率が高く、工業的な製造が可能なアセチレン系重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、第8族金属錯体触媒を用いても、重合体収率が高く、工業的な製造が可能なアセチレン系重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、第8族金属錯体触媒を用いたアセチレン系重合体の製造において、重合転化率など重合体の収率を低下させる原因は、溶媒、モノマー中の水分であることを見出した。そして、この知見をもとにさらに検討して以下のアセチレン系重合体の製造方法を発明した。
すなわち、本発明のアセチレン系重合体の製造方法は、有機金属錯体触媒の存在下、置換基を有するアセチレン化合物を、溶媒を含む混合液中で重合するに際し、
混合液中の水分含有量を3質量%以下、好ましくは1質量%以下にすることを特徴とする。
本発明のアセチレン系重合体の製造方法においては、有機金属錯体触媒が下記一般式(I)で示される化合物であることが好ましい。
[MLmL’n]pXq (I)
(式中、MはVIIa族又はVIII族の元素、Lは多重結合を有する化合物に由来する配位子、L’は孤立電子対を有する化合物に由来する配位子、Xは陰イオン、mは0〜7の整数、nは0〜6の整数、pは1〜2の整数、qは0〜2の整数を表す。)
また、本発明のアセチレン系重合体の製造方法は、置換基を有するアセチレン化合物が、置換基が結合していても良い芳香族基、脂肪族基、脂環族基から選ばれた少なくとも1つの置換基を有するアセチレン化合物であることが好ましい。
すなわち、本発明のアセチレン系重合体の製造方法は、有機金属錯体触媒の存在下、置換基を有するアセチレン化合物を、溶媒を含む混合液中で重合するに際し、
混合液中の水分含有量を3質量%以下、好ましくは1質量%以下にすることを特徴とする。
本発明のアセチレン系重合体の製造方法においては、有機金属錯体触媒が下記一般式(I)で示される化合物であることが好ましい。
[MLmL’n]pXq (I)
(式中、MはVIIa族又はVIII族の元素、Lは多重結合を有する化合物に由来する配位子、L’は孤立電子対を有する化合物に由来する配位子、Xは陰イオン、mは0〜7の整数、nは0〜6の整数、pは1〜2の整数、qは0〜2の整数を表す。)
また、本発明のアセチレン系重合体の製造方法は、置換基を有するアセチレン化合物が、置換基が結合していても良い芳香族基、脂肪族基、脂環族基から選ばれた少なくとも1つの置換基を有するアセチレン化合物であることが好ましい。
本発明の製造方法は、第8族金属錯体触媒を用いても得られる重合体の収率が高く、置換アセチレン化合物を工業的に製造する方法として極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアセチレン系重合体の製造方法は、有機金属錯体触媒の存在下、置換基を有するアセチレン化合物を、溶媒を含む混合液中で重合する際に、置換基を有するアセチレン化合物を含む混合液中の水分含有量を3質量%以下、好ましくは1質量%以下にする方法である。混合液中の水分含有量を3質量%以下にすることで、触媒の重合活性の低下が抑制されるので、得られるアセチレン系重合体の収率が高い。なお、水分含有量が3質量%を超えると、アセチレン重合体の収率が大きく低下するので、工業的でない。
ここで、混合液中の水分含有量の測定は、カールフィッシャー法(三菱化学社製電量滴定式水分測定装置CA−06型、条件:滴定開始遅延時間0.8分,滴定継続時間0分,滴定強制終了時間30分,終点検出レベル0.1μg/秒)によって行った。
また、有機金属錯体触媒の存在下、置換基を有するアセチレン化合物を、溶媒を含む混合液中で重合するのであるから、混合液とは、置換基を有するアセチレン化合物と、溶媒と、重合に際し添加される添加物(例えば、有機金属錯体触媒を含む懸濁液)とを混合したものである。
本発明のアセチレン系重合体の製造方法は、有機金属錯体触媒の存在下、置換基を有するアセチレン化合物を、溶媒を含む混合液中で重合する際に、置換基を有するアセチレン化合物を含む混合液中の水分含有量を3質量%以下、好ましくは1質量%以下にする方法である。混合液中の水分含有量を3質量%以下にすることで、触媒の重合活性の低下が抑制されるので、得られるアセチレン系重合体の収率が高い。なお、水分含有量が3質量%を超えると、アセチレン重合体の収率が大きく低下するので、工業的でない。
ここで、混合液中の水分含有量の測定は、カールフィッシャー法(三菱化学社製電量滴定式水分測定装置CA−06型、条件:滴定開始遅延時間0.8分,滴定継続時間0分,滴定強制終了時間30分,終点検出レベル0.1μg/秒)によって行った。
また、有機金属錯体触媒の存在下、置換基を有するアセチレン化合物を、溶媒を含む混合液中で重合するのであるから、混合液とは、置換基を有するアセチレン化合物と、溶媒と、重合に際し添加される添加物(例えば、有機金属錯体触媒を含む懸濁液)とを混合したものである。
混合液中の水分含有量を3質量%以下にするには、各成分を予め脱水処理する。脱水処理としては、分留や共沸蒸留などの蒸留操作や脱水剤添加などが挙げられる。脱水処理用の脱水剤としては公知のものを使用でき、例えば、モレキュラーシーブ、活性アルミナ、シリカゲルなどの吸着性多孔質物質や、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウムなどの中性もしくは中性に近い吸水性の塩が好適である。これらの中でも、硫酸マグネシウムが最も好適に使用される。これら脱水処理は、重合時の水分含有量がより少なくなるので、重合直前に行われることが好ましい。
上述した製造方法において、有機金属錯体触媒としては、下記一般式(I)で示される化合物を用いることが好ましい。このような触媒はより活性が高いので、より工業的である。
一般式(I):[MLmL’n]pXq (I)
(I)式中のMはVIIa族又はVIII族の元素を表し、好ましくはロジウム、ルテニウム、レニウム、ニッケル、白金、パラジウム、イリジウムであり、特に好ましくはロジウムである。
Lは多重結合を有する化合物に由来する配位子を表し、好ましくはオレフィン、アセチレン、ジエン、シクロオレフィン、一酸化炭素、アリル、フェニルアセチレンなどであり、特に好ましくはシクロオレフィン、アリル、一酸化炭素、フェニルアセチレンなどであり、さらに好ましくはシクロオレフィンである。ここで、シクロオレフィンの中でも、シクロオクタジエン、ノルボルナジエンが好ましく用いられる。
一般式(I):[MLmL’n]pXq (I)
(I)式中のMはVIIa族又はVIII族の元素を表し、好ましくはロジウム、ルテニウム、レニウム、ニッケル、白金、パラジウム、イリジウムであり、特に好ましくはロジウムである。
Lは多重結合を有する化合物に由来する配位子を表し、好ましくはオレフィン、アセチレン、ジエン、シクロオレフィン、一酸化炭素、アリル、フェニルアセチレンなどであり、特に好ましくはシクロオレフィン、アリル、一酸化炭素、フェニルアセチレンなどであり、さらに好ましくはシクロオレフィンである。ここで、シクロオレフィンの中でも、シクロオクタジエン、ノルボルナジエンが好ましく用いられる。
L’は孤立電子対を有する化合物に由来する配位子を表し、好ましくは窒素、リン、ヒ素、酸素、イオウなどの原子を有する配位子、ハロゲン原子などである。特に好ましくはリンを有する配位子、ハロゲン原子であり、最も好ましくはハロゲン原子である。
具体的には、窒素を有する配位子としては、例えばピリジン、ビピリジル、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2]オクタン、フェナンスロリンなどが挙げられる。
リンを有する化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート、ビスジフェニルホスフィン、n−ノニルフェニルホスフィン、エチレンビスフェニルホスフィンなどが挙げられ、トリフェニルホスフィンが特に好ましい。
ヒ素を有する配位子としてはトリフェニルアルシンなどが挙げられる。
酸素を有する配位子としてはジフェニルエーテル、アルコキシなどが挙げられる。
イオウを有する配位子としては、ジフェニルチオエーテルなどが挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、塩素が特に好ましい。
具体的には、窒素を有する配位子としては、例えばピリジン、ビピリジル、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2]オクタン、フェナンスロリンなどが挙げられる。
リンを有する化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート、ビスジフェニルホスフィン、n−ノニルフェニルホスフィン、エチレンビスフェニルホスフィンなどが挙げられ、トリフェニルホスフィンが特に好ましい。
ヒ素を有する配位子としてはトリフェニルアルシンなどが挙げられる。
酸素を有する配位子としてはジフェニルエーテル、アルコキシなどが挙げられる。
イオウを有する配位子としては、ジフェニルチオエーテルなどが挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、塩素が特に好ましい。
Xは陰イオンを表し、具体的には、PF6 −、BF4 −、ClO4 −、SO3CF3 −などが挙げられ、好ましくはPF6 −である。
mは0〜7の整数、好ましくは0〜6の整数、特に好ましくは1〜2の整数である。
nは0〜6の整数、好ましくは0〜5の整数、特に好ましくは1〜2の整数である。
pは1〜2の整数を表す。qは0〜2の整数、好ましくは1〜2の整数を表す。
mは0〜7の整数、好ましくは0〜6の整数、特に好ましくは1〜2の整数である。
nは0〜6の整数、好ましくは0〜5の整数、特に好ましくは1〜2の整数である。
pは1〜2の整数を表す。qは0〜2の整数、好ましくは1〜2の整数を表す。
一般式(I)で表される有機金属錯体触媒の具体例としては、[Rh (COD) Cl]2、[Rh (NBD) Cl]2、[Rh (NBD) OCH3]2、[Rh (COD) bipy] SO3CF3、[Rh (COD) bipy] PF6、[Rh (NBD) bipy] PF6、[Rh (COD) bipyam] PF6、[Rh (COD) (PPh3) 2] PF6、[Rh (COD) EDA] Cl、[Rh (COD) TEDA] C1、Re (Co)5 Z、[Re (CO)2 Cl]2、[Re (CO)4 Cl]2、Re(CO)4 (PPh3) Cl、Re (CO)3 (PPh3) 3Cl、Re (CO)3 (bipy) Cl、Re (CO) 5 (C≡CPh)、Re (CO)3 (Ph2PCH2CH2PPh2) Cl、 Ni (CO)2(PPh3)2、Ni (PPh3)2Z2、Pt (PPh3)3 (C≡CPh)2、Pt (PPh3) HCl、Pt (PPh3)3Cl2 などが挙げられる。但し、CODはシクロオクタジエニル、NBDはノルボナジエニル、bipyはビビリジル、bipyamはビピラン、Phはフェニル、EDAはエチレンジアミン、TEDAはトリエチレンジアミン、Zはハロゲン原子を示す。
置換基を有するアセチレン化合物とは、一置換のアセチレン化合物であり、置換基を有してもよい炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基、アミノ基、アミド基、アセチル基、アセトキシ基、シアノ基、スルホン基、ニトロ基のような電子供与基あるいは電子吸引基で置換されたアセチレン化合物および酸素または硫黄のようなヘテロ原子を有する複素環基で置換されたアセチレン化合物を意味する。本発明においては、より工業的である点で、置換基が結合していても良い芳香族基、脂肪族基、脂環族基から選ばれた少なくとも1種の置換基を有するアセチレン化合物であることが好ましい。
このようなアセチレン化合物としては、例えば、フェニルアセチレン、シクロヘキシルアセチレン、t−ブチルアセチレン、あるいは置換フェニルアセチレン、例えば2−メトキシフェニルアセチレンのような2−アルコキシフェニルアセチレン、2−ニトロフェニルアセチレン、2−クロロフェニルアセチレン、3−メトキシフェニルアセチレンのような3−アルコキシフェニルアセチレン、3,5−ジメトキシフェニルアセチレンあるいはp−メトキシフェニルアセチレンのようなp−アルコキシフェニルアセチレン、p−クロロフェニルアセチレン、2,4,6−トリメトキシフェニルアセチレン、2,4,6−トリクロロフェニルアセチレン、4−メチル−2,6−ジメトキシフェニルアセチレン、4−ジメチルアミノフェニルアセチレン、p−ニトロフェニルアセチレン、p−シアノフェニルアセチレン、2,4,6−トリシアノフェニルアセチレン、p−フルオロフェニルアセチレン、4−ニトロ−2メチルフェニルアセチレン、2,6−ジメトキシ−4−ニトロフェニルアセチレン等のパラ置換フェニルアセチレンが挙げられる。
更に、2,6−ジメチル−4−ニトロフェニルアセチレン、4−メトキシ−2−ニトロフェニルアセチレン、1−ナフチルアセチレン、2−ナフチルアセチレン、1−アントラニルアセチレン、1−フェナンチルアセチレン、4−アセチレニルピリジン、4−アセチレニル−3,5−ジメチルピリジン、4−アセチレニルキノリン、1,2−ジ−γ−ピリジノエチン、3−アセチレニルイソキノリン、4−アセチレニルコリジン、2−アセチレニルトリアジン、2−アセチレニルピロール、2−アセチレニルフラン、2−アセチレニルチオフェン等の化合物が挙げられる。
更に、2,6−ジメチル−4−ニトロフェニルアセチレン、4−メトキシ−2−ニトロフェニルアセチレン、1−ナフチルアセチレン、2−ナフチルアセチレン、1−アントラニルアセチレン、1−フェナンチルアセチレン、4−アセチレニルピリジン、4−アセチレニル−3,5−ジメチルピリジン、4−アセチレニルキノリン、1,2−ジ−γ−ピリジノエチン、3−アセチレニルイソキノリン、4−アセチレニルコリジン、2−アセチレニルトリアジン、2−アセチレニルピロール、2−アセチレニルフラン、2−アセチレニルチオフェン等の化合物が挙げられる。
また、脂肪族基を有するアセチレン化合物としては、例えばメチルプロピオレート、エチルプロピオレート、プロピルプロピオレート等のプロピオル酸のアルキルエステル(アルキルは直鎖状でも枝分かれを有しても良いアルキル基)、フェニルプロピオレート等のプロピオル酸の芳香族エステル、他のプロピオル酸エステル、プロピオル酸アミド、ブチノイック酸エステル、ブチノイック酸アミド、ペンチノイック酸エステル、ペンチノイック酸アミド、2−プロピン−1−オール、安息香酸、酢酸などのプロピニルエステル等が挙げられる。
溶媒としては、アセチレン化合物と反応しないものであれば特に制限はない。一般的には、アルコール、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素等が溶媒として用いられる。溶媒の具体例としては、エタノール、メタノール、プロパノール、ジエチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、トルエン等が挙げられる。
アセチレン化合物の重合の形態に特に制限はなく、均一系すなわち溶液状態での重合であっても、不均一系すなわち懸濁状態での重合であっても構わないが、好ましくは、有機金属錯体触媒をアセチレン化合物に加えて懸濁状態で重合する方法である。この方法によれば、反応缶壁への重合体の付着を抑制できる上に、高分子量で立体規則性に優れ、かつ分子量分布の狭い置換アセチレン重合体が得られるので、工業的に特に有利である。
また、アセチレン化合物を重合する際、混合液中のアセチレン化合物の濃度は0.01〜10mol/L、好ましくは0.1〜5mol/Lである。
触媒濃度は1×10−10〜1mol/L、好ましくは1×10−6〜1×10−1mol/Lである。
また、重合温度は−30℃〜120℃、好ましくは0〜100℃、特に好ましくは20〜80℃である。
触媒濃度は1×10−10〜1mol/L、好ましくは1×10−6〜1×10−1mol/Lである。
また、重合温度は−30℃〜120℃、好ましくは0〜100℃、特に好ましくは20〜80℃である。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
重合缶に36.7mmolのエチルプロピオレートを仕込み、さらに脱水メタノール37mlを添加した。次いで、重合缶内を脱気し、窒素置換した後、0.73mmolの[Rh(ノルボルナジエニル)Cl]2の脱水メタノール37ml懸濁液を加えて、40℃で4時間反応させた。この際の重合缶内の混合液の水分含有量は0.04質量%であった。
アセチレン重合体はメタノールに不溶であるため、重合反応が進行するにつれて次第に沈澱した。重合反応終了後これを一旦メタノールに分散させて洗浄し、濾過した。次いで、得られた重合体を減圧下で一日乾燥させた。
濾液中の未反応アセチレン化合物をガスクロマトグラフィーにて定量し、(転化率)=100−(未反応分)の式に基づいて転化率を算出したところ、99.1質量%であった。また、得られたアセチレン系重合物をクロロホルムに溶解しGPC(shodex K−806Lカラム使用)でポリスチレン換算の分子量を測定したところ数平均分子量(Mn)が150000、質量平均分子量(Mw)が370000、多分散度(Mw/Mn)が2.40であった。この重合体のNMRスペクトルを測定したところ、立体規則的に重合が進行していることが分かり、シス体含有率は90%以上であった。
(実施例1)
重合缶に36.7mmolのエチルプロピオレートを仕込み、さらに脱水メタノール37mlを添加した。次いで、重合缶内を脱気し、窒素置換した後、0.73mmolの[Rh(ノルボルナジエニル)Cl]2の脱水メタノール37ml懸濁液を加えて、40℃で4時間反応させた。この際の重合缶内の混合液の水分含有量は0.04質量%であった。
アセチレン重合体はメタノールに不溶であるため、重合反応が進行するにつれて次第に沈澱した。重合反応終了後これを一旦メタノールに分散させて洗浄し、濾過した。次いで、得られた重合体を減圧下で一日乾燥させた。
濾液中の未反応アセチレン化合物をガスクロマトグラフィーにて定量し、(転化率)=100−(未反応分)の式に基づいて転化率を算出したところ、99.1質量%であった。また、得られたアセチレン系重合物をクロロホルムに溶解しGPC(shodex K−806Lカラム使用)でポリスチレン換算の分子量を測定したところ数平均分子量(Mn)が150000、質量平均分子量(Mw)が370000、多分散度(Mw/Mn)が2.40であった。この重合体のNMRスペクトルを測定したところ、立体規則的に重合が進行していることが分かり、シス体含有率は90%以上であった。
(実施例2)
混合液中の水分含有量を1.0質量%としたこと以外は実施例1と同様に行った。この例における転化率は92.2質量%であり、十分に高い結果であった。
(実施例3)
混合液中の水分含有量を3.0質量%としたこと以外は実施例1と同様に行った。この例における転化率は90.1質量%であった。
(比較例1)
混合液中の水分含有量を11.6質量%としたこと以外は実施例1と同様に行った。この例における転化率は87.4質量%であり、低かった。
混合液中の水分含有量を1.0質量%としたこと以外は実施例1と同様に行った。この例における転化率は92.2質量%であり、十分に高い結果であった。
(実施例3)
混合液中の水分含有量を3.0質量%としたこと以外は実施例1と同様に行った。この例における転化率は90.1質量%であった。
(比較例1)
混合液中の水分含有量を11.6質量%としたこと以外は実施例1と同様に行った。この例における転化率は87.4質量%であり、低かった。
以上のように、混合液中の水分含水量が3.0質量%以下であった実施例1〜3は、転化率が高く、その結果、アセチレン重合体の収率が高くなった。
一方、混合液中の水分含有量が3.0質量%を超えていた比較例1は、転化率が低かった。
一方、混合液中の水分含有量が3.0質量%を超えていた比較例1は、転化率が低かった。
本発明で得られるアセチレン系重合体は、リチウムイオン電池や太陽電池等の電池材料、レジスト材料、有機半導体等の導電材料、DDSや光学分割剤等の医薬材料、液晶材料や有機ELや有機LED等のディスプレイ材料、非線形材料、光応答高分子材料、有機磁性体、高分子反応試薬、線種線量計材料、誘電材料、コンタクトレンズ材料等に応用でき、特に有機半導体材料や医薬関連材料に有用である。
Claims (4)
- 有機金属錯体触媒の存在下、置換基を有するアセチレン化合物を、溶媒を含む混合液中で重合するに際し、
混合液中の水分含有量を3質量%以下にすることを特徴とするアセチレン系重合体の製造方法。 - 混合液中の水分含有量を1質量%以下にすることを特徴とする請求項1に記載のアセチレン系重合体の製造方法。
- 有機金属錯体触媒が下記一般式(I)で示される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のアセチレン系重合体の製造方法。
[MLmL’n]pXq (I)
(式中、MはVIIa族又はVIII族の元素、Lは多重結合を有する化合物に由来する配位子、L’は孤立電子対を有する化合物に由来する配位子、Xは陰イオン、mは0〜7の整数、nは0〜6の整数、pは1〜2の整数、qは0〜2の整数を表す。) - 置換基を有するアセチレン化合物が、置換基が結合していても良い芳香族基、脂肪族基、脂環族基から選ばれた少なくとも1つの置換基を有するアセチレン化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアセチレン系重合体の製造方法。
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