JP2005138732A - 車両用操舵装置及びステアリング絶対角検出方法 - Google Patents

車両用操舵装置及びステアリング絶対角検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 速やかにステアリング絶対角を検出することができる車両用操舵装置を提供すること。
【解決手段】 ECU14は、IGオン時に残存するACT角によりステアリング2の中立位置が絶対角センサ35の有効領域を超える範囲にあり、入力されるアナログ信号Asがステアリング絶対角θ0を検出可能な範囲内にない場合には、残存するACT角の大きさが徐々に小さくなるよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用操舵装置及びステアリング絶対角検出方法に関するものである。
従来、車両状態に応じてステアリングホイールの舵角(操舵角)に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変システムを備えたステアリング装置がある(例えば、特許文献1参照)。
このようなステアリング装置は、ステアリングシャフトに設けられた差動機構(遊星歯車機構やハーモニックドライブ等)と該差動機構を駆動するモータとを有する伝達比可変アクチュエータを備えている。そして、この伝達比可変アクチュエータにて、ステアリング操作に伴うステアリングシャフトの回転を増速(又は減速)することにより、操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる。
つまり、図9及び図10に示すように、ステアリング操作に基づく操舵輪の舵角(ステア転舵角θts)に伝達比可変アクチュエータの作動に基づく操舵輪の舵角(ACT角θta)を上乗せすることにより、操舵角θsに対する操舵輪の伝達比を可変させる。
具体的には、操舵角θsに対する実際の操舵輪の舵角(転舵角θt)を大きくする場合には、ステア転舵角θtsと同方向のACT角θtaを上乗せし、操舵角θsに対して転舵角θtを小さくする場合には、ステア転舵角θtsと反対方向のACT角θtaを上乗せする。
そして、操舵角θs、車速及び路面抵抗等に基づいて、目標となる操舵輪の舵角(操舵目標角θtt)を決定し、転舵角θtが操舵目標角θttと一致するよう伝達比可変アクチュエータを作動させることにより、車両状態に応じた良好なステアリング特性を得ることができる。
特開2002−240734号公報
ところで、上記のようなステアリング装置では、絶対角センサが出力する操舵角θsに応じて出力値(電位)が変化するアナログ信号に基づいて、ステアリングの中立位置を基準とするステアリング絶対角を演算する。そして、求めたステアリング絶対角にインクリメンタルエンコーダが出力するA,B相のパルス信号を同期させ、以降、該A,B相のパルス信号をカウントすることにより相対的に求めた操舵角θsに基づいて、上述のような伝達比可変制御を行っている。
しかし、図11に示すように、通常、絶対角センサは、ステアリングの中立位置が所定角度範囲内にある場合に、操舵角θsに対応する出力値のアナログ信号を出力する。即ち、絶対角センサには、ステアリング絶対角が演算可能な有効領域Rvとステアリング絶対角が演算できない無効領域Riとがあり、ステアリングの中立位置が有効領域Rv内を超える角度範囲にある場合には、操舵角θsと出力されるアナログ信号との間の比例関係が失われてしまうためにステアリング絶対角を演算することができない。
従って、例えば、大きな操舵角θsを与えた状態のままイグニッションをオフ(IGオフ)した場合等、始動時(IGオン時)にステアリング中立位置が有効領域Rv内にない場合には、ステアリング絶対角の演算ができず、結果として伝達比可変制御を開始することができない。そのため、このような場合には、ステアリング絶対角が検出可能な位置、即ちその中立位置が有効領域Rv内に入る位置までステアリングが操作される必要がある。
しかし、上記従来のステアリング装置では、上記のように伝達比可変制御が開始できない場合、伝達比可変アクチュエータがロックされ、操舵角θsに対する操舵輪の伝達比が固定となる。そのため、IGオフ時にステア転舵角θtsに上乗せされていたACT角θtaがそのまま残ってしまうという問題がある。
従って、例えば、IGオフ時に図10に示すようなステア転舵角θtsと反対方向のACT角θtaを上乗せする伝達比可変制御を行っていた場合等には、図12に示すように転舵角θtをゼロとしても、実際には残存するACT角θtaにより相殺されたステア転舵角θtsが残っている。つまり、このような場合には、ステアリングにACT角θtaを相殺するための操舵角(ACT操舵角θsa)が発生するため、ステアリングの中立位置が有効領域Rv内に入らない場合がある。
そして、車両が高速道路等のような直線走行、或いは極めてそれに近い走行状態におかれる場合には、ほとんどステアリング操作がなされないために、いつまでもステアリング絶対角を検出することができず、結果としてステアリングがオフセットされた状態のままとなってしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、速やかにステアリング絶対角を検出することができる車両用操舵装置及びステアリング絶対角検出方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に設けられモータ駆動により前記操舵輪の転舵角を変更可能な駆動手段と、該駆動手段を制御する制御手段と、前記ステアリングホイールの操舵角に応じて出力値が変化するアナログ信号を出力する絶対角センサとを備えた車両用操舵装置であって、前記絶対角センサは、前記操舵角が所定角度範囲内にある場合に該操舵角に対応する出力値の前記アナログ信号を出力し、前記制御手段は、前記所定角度範囲に対応する前記アナログ信号に基づいてステアリング絶対角を検出し、前記アナログ信号が前記所定角度範囲に対応しない場合には、前記転舵角を徐々に変化させることにより、前記アナログ信号が前記所定角度範囲に対応するように前記操舵角が変更されるべく前記駆動手段を制御することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に設けられモータ駆動により前記操舵輪の転舵角を変更可能な駆動手段と、該駆動手段を制御する制御手段と、前記ステアリングホイールの操舵角に応じて出力値が変化するアナログ信号を出力する絶対角センサとを備えた車両用操舵装置であって、
前記絶対角センサは、前記操舵角と前記アナログ信号の出力値とが対応する有効領域と、前記操舵角と前記アナログ信号の出力値とが対応しない無効領域とを有し、
前記制御手段は、前記有効領域に対応するアナログ信号に基づいてステアリング絶対角を検出し、前記アナログ信号が前記有効領域に対応しない場合には、前記転舵角を徐々に変化させることにより、前記アナログ信号が前記有効領域に対応するように前記操舵角が変更されるべく前記駆動手段を制御することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、 前記駆動手段は、前記ステアリングホイールの操作に基づく前記操舵輪の第1の舵角に前記モータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を上乗せすることにより、前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置であって、前記制御手段は、前記第2の舵角が小さくなるように前記駆動手段を制御することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、前記第2の舵角がゼロになるように前記駆動手段を制御することを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、前記ステアリング絶対角を検出した後、伝達比可変制御において前記第2の舵角の目標となる第3の舵角と前記第2の舵角とが一致するように前記駆動手段を制御することを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、前記駆動手段は、車両の操舵系に前記ステアリングホイールの操作を補助するアシスト力を付与するための操舵力補助装置であって、前記制御手段は、前記転舵角が小さくなるよう前記駆動手段を制御することを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、前記制御手段は、入力される前記アナログ信号と前記対応するアナログ信号の範囲値との比較に基づいて前記駆動手段を制御することを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、前記制御手段は、少なくとも車速及び路面抵抗に基づいて徐変量を決定することを要旨とする。
請求項9に記載の発明は、ステアリングホイールの操舵角に応じて出力値が変化し、該出力値は前記操舵角が所定角度範囲内にある場合に前記操舵角に対応するアナログ信号に基づいてステアリング絶対角を検出するステアリング絶対角検出方法であって、前記アナログ信号が前記所定角度範囲に対応しない場合には、前記アナログ信号が前記所定角度範囲に対応するように前記操舵角が変更されるべく前記操舵輪の転舵角を徐々に変化させることを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、ステアリングの操舵角が所定角度範囲を超える範囲にあり、入力されるアナログ信号が操舵角に対応しない場合であっても、操舵輪の転舵角の変更により、入力されるアナログ信号が所定角度範囲に対応するようにステアリングの操舵角が変更される。その結果、速やかにステアリング絶対角を検出することが可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、ステアリングの操舵角が有効領域を超える範囲にあり、入力されるアナログ信号が操舵角に対応しない場合であっても、操舵輪の転舵角の変更により、入力されるアナログ信号が有効領域に対応するようにステアリングの操舵角が変更される。その結果、速やかにステアリング絶対角を検出することが可能になる。
請求項3に記載の発明によれば、操舵輪の第2の舵角の減少により該第2の舵角に相殺されていた操舵の第1舵角が表面化し、これにより、車両の進行方向が、残存していた第2の舵角に起因するステアリングの操舵角の方向に向かって変更される。つまり、車両の進行方向の変更を修正しようとする運転者の修正操舵を誘引することにより、アナログ信号が有効領域に対応するように操舵角を変更させる。従って、速やかにステアリング絶対角を検出することが可能になる。
請求項4に記載の発明によれば、車両が直進状態にある場合には、運転者の修正操舵により、残存する第2の舵角に起因する操舵角を解消し、ステアリングのオフセット状態を解消することが可能になる。その結果、速やかに通常の伝達比可変制御を開始することが可能になる。
請求項5に記載の発明によれば、実際の第2の舵角と目標となる第3の舵角とが一致するため、速やかに通常の伝達比可変制御を開始することが可能になる。
請求項6に記載の発明によれば、転舵角の変更に連動して操舵角が変更されることにより、操舵角が絶対角センサの所定角度範囲に変更される。その結果、確実にステアリング絶対角を検出することが可能になる。また、運転者によるステアリング操作を必要としないため、特に、制御時にステアリング絶対角の検出を必要とする自動操舵制御等に好適である。
請求項7に記載の発明によれば、車両が直進状態になく、転舵角がゼロではない場合であっても、確実に残存する第2の舵角の大きさを徐々に小さくすることが可能になる。
請求項8に記載の発明によれば、少なくとも車速V及び路面抵抗μに基づいて第2の舵角の単位時間当たりの変化量を決定するため、運転者に違和感を与えることなくスムーズに操舵角を変更することが可能になる。
請求項9に記載の発明によれば、ステアリングの操舵角が所定角度範囲を超える範囲にあり、アナログ信号が操舵角に対応しない場合であっても、操舵輪の転舵角の変更により、アナログ信号が所定角度範囲に対応するようにステアリングの操舵角が変更される。従って、速やかにステアリング絶対角を検出することが可能になる。
本発明によれば、速やかにステアリング絶対角を検出することができる車両用操舵装置及びステアリング絶対角検出方法を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を伝達比可変システムを備えたステアリング装置に具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のステアリング装置1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリングホイール(ステアリング)2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ラック5はタイロッド6を介してナックル7に連結されている。
即ち、ステアリングシャフト3、ラックアンドピニオン機構4、ラック5及びタイロッド6により車両の操舵伝達系が構成されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換され、タイロッド6を介してナックル7に伝達される。そして、ナックル7に連結された操舵輪8の角度、即ち転舵角θtが可変することにより、車両の進行方向が変更される(図9参照)。
また、本実施形態のステアリング装置1は、操舵角θs(図9参照)に対する操舵輪8の伝達比を可変させる伝達比可変アクチュエータ13と、車両状態に応じて伝達比可変アクチュエータ13の作動を制御するECU14とを備えている。尚、本実施形態では、伝達比可変アクチュエータ13が駆動手段を構成し、ECU14が制御手段を構成する。
伝達比可変アクチュエータ13は、ステアリングシャフト3に設けられている。本実施形態では、ステアリングシャフト3は、ステアリング2が連結された第1シャフト15とラックアンドピニオン機構4に連結される第2シャフト16とからなり、第1シャフト15及び第2シャフト16は、伝達比可変アクチュエータ13を介して連結されている。
伝達比可変アクチュエータ13は、第1シャフト15及び第2シャフト16を連結する差動機構21と、該差動機構21を駆動するモータ22とを備えている。モータ22は、ECU14に制御されることにより正逆回転し、差動機構21は、第1シャフト15の回転を第2シャフト16に伝達するとともに、モータ22の回転を減速し第2シャフト16に伝達する。
即ち、伝達比可変アクチュエータ13は、差動機構21に入力されたステアリング操作に伴う第1シャフト15の回転に、モータ駆動による回転を上乗せして第2シャフト16に伝達することにより、ラックアンドピニオン機構4に入力されるステアリングシャフト3の回転を増速(又は減速)する。尚、この場合における「上乗せ」とは、加算する場合のみならず減算する場合をも含むものと定義し、以下同様とする。
つまり、伝達比可変アクチュエータ13は、ECU14に制御され、ステアリング操作に基づく操舵輪8の舵角(ステア転舵角θts)にモータ駆動に基づく操舵輪の舵角(ACT角θta)を上乗せすることにより、操舵角θsに対する操舵輪8の伝達比を可変させる(図9及び図10参照)。尚、本実施形態では、ステア転舵角θtsが第1の舵角を、ACT角θtaが第2の舵角を構成する。
ECU14は、CPU25と、駆動回路26とを備えている。CPU25は、メモリ27に記憶された制御プログラムを実行することにより、駆動回路26に対しモータ制御信号を出力する。そして、駆動回路26は、CPU25から入力されたモータ制御信号に基づいてモータ22に駆動電力の供給を行う。即ち、ECU14は、モータ22への駆動電力の供給を通じてモータ22の回転を制御することで、伝達比可変アクチュエータ13の作動を制御する。
ECU14には、車両状態を検出するための複数のセンサが接続されており、ECU14は、各センサから入力される信号に基づいて車両状態を検出する。そして、ECU14は、検出された車両状態に応じて良好なステアリング特性が得られるよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する(伝達比可変制御)。
詳述すると、本実施形態のステアリング装置1は、操舵角センサ31、車輪速センサ33、及び伝達比可変アクチュエータ13の駆動源であるモータ22の回転を検出する回転センサ34を備えている。
操舵角センサ31は、絶対角センサ35と、インクリメンタルエンコーダ36とにより構成され、これら絶対角センサ35及びインクリメンタルエンコーダ36は、ステアリングシャフト3(第1シャフト15)に設けられている。
絶対角センサ35は、ステアリング操作に伴う第1シャフト15の回転角、即ち操舵角θsに応じて出力値(電位)が変化するアナログ信号AsをECU14に出力しインクリメンタルエンコーダ36は、第1シャフト15の回転に対応してA,B相の2相のパルス信号PsをECU14に出力する。
尚、本実施形態のステアリング装置1では、図9に示すように、ステアリング2の中立位置は、車両前方方向と一致するよう設定されている。つまり、ステア転舵角θts及びACT角θtaが共にゼロの場合に操舵角θsがゼロとなるよう設定されている。そして、ステアリング2及び操舵輪8の各舵角の方向について、ステアリング中立位置を基準とした場合、図9中、右側に向かう方向をプラス、左側に向かう方向をマイナスとしている。そして、絶対角センサ35は、ステアリング2がマイナス側の舵角を有しているほど低く、プラス側の舵角を有しているときほど高い電位のアナログ信号Asを出力するように設定されている(図11参照)。そして、絶対角センサ35は、ステアリングの中立位置が所定角度範囲内、即ち操舵角θsが有効領域Rvにある場合に操舵角θsに対応する出力値のアナログ信号Asを出力する。
ECU14は、絶対角センサ35から入力されたアナログ信号Asに基づいてステアリング2の中立位置を基準とするステアリング絶対角θ0を演算する。詳しくは、有効領域Rvに対応するアナログ信号Asに基づいてステアリング絶対角θ0を検出する。そして、ECU14は、検出したステアリング絶対角θ0にインクリメンタルエンコーダ36から入力されるパルス信号Psを同期させ、以降、このパルス信号Psをカウントすることにより相対的に操舵角θsを検出する(図9参照)。
車輪速センサ33は、操舵輪8を含む車両の車輪に設けられ、車輪の回転数に応じてレベルが変化するパルス信号PtをECU14に出力する。そして、ECU14これらの各車輪速センサ33から入力されたパルス信号Ptに基づいて車速V及び路面抵抗μを検出する。
回転センサ34は、ロータリーエンコーダにより構成され、モータ22の回転に応じて、A,B相の2相と基準回転位置を示すゼロ相を含むパルス信号PmをECU14に出力する。そして、ECU14は、回転センサ34から入力されたパルス信号Pmに基づいてモータ22の回転位置を検出する。尚、イグニッションがオフされた場合(IGオフ時)には、ECU14は、IGオフ時点でのモータ22の回転位置をメモリ27に記憶し、IGオン時には、このメモリ27に記憶された値を現在のモータ22の回転位置とする。
そして、ECU14は、上記のように各センサから入力された信号により、車両状態として検出される操舵角θs、車速V、路面抵抗μ及びモータ22の回転位置に基づいて伝達比可変アクチュエータ13を制御する。
具体的には、ECU14は、操舵角θs及びモータ22の回転位置に基づいてステア転舵角θts及びACT角θtaを演算する(図9参照)。そして、車速V及び路面抵抗μに基づいて操舵目標角θttを決定し、転舵角θtが操舵目標角θttと一致するよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する。
詳しくは、目標となるACT角、即ち第3の舵角としての目標ACT角を決定し、ACT角θtaがこの目標ACT角と一致するようにモータ22の回転を制御する。尚、ACT角θtaは、あくまでも相対的なものであり、ACT角θtaの大きさがゼロであっても、その方向は必ずしもステアリング中立位置と一致しないことはいうまでもない。
そして、例えば、車速Vが低速領域にある場合には、操舵角θsに対する実際の転舵角θtが大きくなり、車速Vが高速領域にある場合には、操舵角θsに対する実際の転舵角θtが小さくなるよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する。
尚、車速V及び路面抵抗μと操舵目標角θttとの関係は、予め実験やシミュレーション等により求められ、三次元マップの形式でメモリ27に記憶されており、ECU14は、この三次元マップに基づいて、検出された車速V及び路面抵抗μに応じた操舵目標角θttを決定する。
また、本実施形態では、ECU14は、IGオン時に残存するACT角θtaによりステアリング2の中立位置が絶対角センサ35の有効領域Rvを超える角度範囲にあり(図11参照)、入力されるアナログ信号Asが有効領域Rvに対応しない場合、即ち入力されるアナログ信号Asがステアリング絶対角θ0を検出可能な範囲にない場合には、伝達比可変アクチュエータ13を作動させることにより転舵角θtを徐々に変化させる。
そして、運転者のステアリング操作により操舵角θsが変更される、即ちステアリング2の中立位置を絶対角センサ35の有効領域Rv内に移動させることによりステアリング絶対角θ0を検出可能とし、検出されたステアリング絶対角θ0にパルス信号Psを同期させる(絶対角同期処理)。
次に、本実施形態のステアリング装置における絶対角同期処理について説明する。
[絶対角同期処理]
本実施形態では、ECU14は、IGオン時に残存するACT角θtaによりステアリング2の中立位置が絶対角センサ35の有効領域Rvを超える角度範囲にあり(図11参照)、入力されるアナログ信号Asが有効領域Rvに対応しない場合には、残存するACT角θtaの大きさが徐々に小さくなるよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する。具体的には、ACT角θtaがゼロになるように徐々に変化させる(徐変する)。
そして、残存するACT角θtaにより相殺されていたステア転舵角θts(図12参照)を表面化させ、車両の進行方向をACT操舵角θsaの方向に向かって変更することにより、該進行方向の変更を修正しようとする運転者のステアリング操作(修正操舵)を誘引する。そして、このときの運転者の修正操舵により、ステアリング2の中立位置を絶対角センサ35の有効領域Rv内に移動させることで、ステアリング絶対角θ0を検出可能とする。そして、検出されたステアリング絶対角θ0にパルス信号Psを同期させる。
詳述すると、図2に示すように、ECU14は、先ず、ステアリング絶対角θ0とパルス信号Psとの同期完了を示す同期フラグがセット(同期フラグON)されているか否か、即ちステアリング絶対角θ0が既に検出されているか否かについて判定する(ステップ101)。
そして、ECU14は、このステップ101において同期フラグがセットされていないと判定した場合には、絶対角センサ35から入力されるアナログ信号Asが有効領域Rvに対応するか否か、即ちステアリング2の中立位置が有効領域Rv内にあるか否かについて判定する(ステップ102)。そして、アナログ信号Asが有効領域Rvに対応する範囲、即ちステアリング絶対角θ0を検出可能な範囲内にない場合には、以下に示す、ACT角θtaをゼロに徐変する処理を実行する(ステップ103)。
図3に示すように、ACT角θtaをゼロに徐変する処理において、ECU14は、先ず、検出された車速V及び路面抵抗μに基づいて、ACT角θtaの単位時間当たりの変化量(微分変化量)である徐変量Maを決定する(ステップ201)。
尚、車速V及び路面抵抗μと徐変量Maとの関係は、上述の操舵目標角θttと同様に、予め実験やシミュレーション等により求められ、三次元マップの形式でメモリ27に記憶されている。そして、ECU14は、その三次元マップに基づいて、検出された車速V及び路面抵抗μに応じた徐変量Maを決定する。
次に、ECU14は、モータ22の回転位置に基づいて検出されたACT角θtaをACT(n-1)として、ACT(n-1)がゼロよりも小さいか、或いはゼロよりも大きいかについて判定する(ステップ202,203)。
そして、ECU14は、ステップ202においてACT(n-1)がゼロよりも小さいと判定した場合、ACT(n-1)に徐変量Maを加算することにより、このACT角θtaの徐変処理一工程分の制御目標値、即ち微分目標値であるACT(n)を算出する(ステップ204)。そして、更に算出されたACT(n)がゼロ以上である場合には、ACT(n)をゼロとする(ステップ205,206)。
同様に、ECU14は、ステップ203においてACT(n-1)がゼロよりも大きいと判定した場合、ACT(n-1)から徐変量Maを減算することにより、微分目標値であるACT(n)を算出し(ステップ207)、算出されたACT(n)がゼロ以下である場合には、ACT(n)をゼロとする(ステップ208,209)。
そして、ECU14は、上記ステップ202〜ステップ209において算出された微分目標値であるACT(n)とACT角θtaとが一致するよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する(ステップ210)。
そして、図2に示すように、ECU14は、上記ステップ102において、アナログ信号Asが有効領域Rvに対応すると判定される、即ち運転者の修正操舵によりステアリング2の中立位置が絶対角センサ35の有効領域Rv内に移動するまで、上記ステップ101〜103(ステップ201〜210)の処理を繰り返す。そして、ECU14は、その過程においてACT角θtaをゼロまで徐変する。
そして、絶対角センサ35から入力されるアナログ信号Asが有効領域Rvに対応するものとなった場合には、ECU14は、アナログ信号Asからステアリング絶対角θ0を演算する(ステップ104)。そして、パルスカウンタ値をクリアすることによりステアリング絶対角θ0にインクリメンタルエンコーダ36から入力されるパルス信号Psを同期させ(ステップ105)、同期フラグをセットする(ステップ106)。そして、以降、このパルス信号Psをカウントすることにより操舵角θsを検出する(ステップ107)。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)ステアリング装置1は、ステアリング操作に基づくステア転舵角θtsにモータ駆動に基づくACT角θtaを上乗せすることにより操舵角θsに対する操舵輪8の伝達比を可変させる伝達比可変アクチュエータ13と、該伝達比可変アクチュエータ13を制御するECU14とを備える。また、ステアリング装置1は、操舵角θsに応じて出力値(電位)が変化するアナログ信号Asを出力する絶対角センサ35を備え、ECU14は、絶対角センサ35から入力されるアナログ信号Asに基づいてステアリング絶対角θ0を検出する。
そして、ECU14は、IGオン時に残存するACT角θtaによりステアリング2の中立位置が絶対角センサ35の有効領域Rvを超える角度範囲にあり、入力されるアナログ信号Asがステアリング絶対角θ0を検出可能な範囲内にない場合には、残存するACT角θtaの大きさが徐々に小さくなるよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する。
このような構成とすれば、残存するACT角θtaの減少により該ACT角θtaに相殺されていたステア転舵角θtsが表面化し、車両の進行方向が残存するACT角θtaに起因するACT操舵角θsaの方向に向かって変更される。つまり、車両の進行方向の変更を修正しようとする運転者の修正操舵を誘引することにより、ステアリング2の中立位置を絶対角センサ35の有効領域Rv内に移動させる。その結果、絶対角センサ35から入力されるアナログ信号Asが有効領域Rvに対応するものとなるため、速やかにステアリング絶対角θ0を検出可能とすることができる。
(2)ECU14は、ACT角θtaがゼロになるように伝達比可変アクチュエータ13を制御する。従って、車両が直進状態にある場合には、運転者の修正操舵により、残存するACT角θtaに起因するACT操舵角θsaを解消し、ステアリング2のオフセット状態を解消することができる。これにより、速やかに通常の伝達比可変制御を開始することができる。
(3)ECU14は、検出された車速V及び路面抵抗μに基づいて、ACT角θtaの単位時間当たりの変化量である徐変量Maを決定する。このような構成とすれば、違和感を与えることなくスムーズに運転者の修正操舵を誘引することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を伝達比可変システムを備えたステアリング装置に具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示す本実施形態のステアリング装置40では、制御手段としてのECU44は、ステアリング2の中立位置が絶対角センサ35の有効領域Rvを超える角度範囲にある場合には、絶対角センサ35から出力されるアナログ信号Asに基づいて、ACT角θtaの大きさが徐々に小さくなるよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する。そして、第1の実施形態と同様に、運転者による修正操舵を誘引することにより、ステアリング絶対角θ0の検出を可能とする。
また、本実施形態のECU44は、ステアリング絶対角θ0にパルス信号Psを同期させる処理(絶対角同期処理)を行った後、更に通常の伝達比可変制御において制御目標となるACT角、即ち目標ACT角とACT角θtaとを同期させる処理(ACT角同期処理)を行う。具体的には、ECU44は、上記絶対角同期処理の後、ACT角θtaが目標ACT角に徐々に近づくよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する。そして、最終的にACT角θtaと目標ACT角とを一致させる。
詳述すると、図5に示すように、ECU44は、先ず、検出された車速V及び路面抵抗μに基づいてACT角θtaの徐変量Maを決定し(ステップ301)、次に、ステアリング絶対角θ0とパルス信号Psとの同期完了を示す同期フラグがセットされているか否かについて判定する(ステップ302)。そして、ECU44は、このステップ302において同期フラグがセットされていないと判定した場合には、以下に示す絶対角同期処理(ステップ303)を実行する。そして、上記ステップ302において、同期フラグがセットされたと判定するまで、上記ステップ301〜ステップ303の処理を繰り返す。
図6に示すように、絶対角同期処理において、ECU44は、先ず、絶対角センサ35から入力されるアナログ信号Asが有効領域Rvに対応するものであるか否か、即ちステアリング絶対角θ0を検出可能な範囲内にあるか否かについて判定する(ステップ401)。
そして、ステップ401において、アナログ信号Asが有効領域Rvに対応するものではないと判定した場合、ECU44は、絶対角センサ35から入力されるアナログ信号Asが、有効領域Rvに対応するアナログ信号Asの範囲の下限よりも小さいか、或いはその上限よりも大きいかについて判定する(ステップ402,403、図11参照)。
そして、ECU44は、ステップ402において、入力されたアナログ信号Asが下限よりも小さいと判定した場合には、検出された直前のACT角θtaであるACT(n-1)に徐変量Maを加算することにより、微分目標値であるACT(n)を算出する(ステップ404)。同様に、ECU44は、ステップ403において、アナログ信号Asが上限よりも大きいと判定した場合には、ACT(n-1)から徐変量Maを減算することにより、微分目標値であるACT(n)を算出する(ステップ405)。
次に、ECU44は、上記ステップ402〜ステップ405において算出された微分目標値であるACT(n)とACT角θtaとが一致するよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する(ステップ406)。
そして、ECU44は、上記ステップ401において、アナログ信号Asが有効領域Rvに対応すると判定される、即ち、運転者のステアリング操作によりステアリング2の中立位置が絶対角センサ35の有効領域Rv内に移動するまで、上記ステップ401〜ステップ406(及びステップ301,302)の処理を繰り返す。
つまり、ECU44は、絶対角センサ35から入力されるアナログ信号Asと有効領域Rvに対応するアナログ信号Asの範囲値との比較に基づいて、ACT角θtaの方向を判定し、その大きさが徐々に小さくなるよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する。
そして、上記ステップ401において、入力されたアナログ信号Asが有効領域Rvに対応すると判定された場合には、アナログ信号Asからステアリング絶対角θ0を演算する(ステップ407)。そして、パルスカウンタ値をクリアすることにより、ステアリング絶対角θ0にインクリメンタルエンコーダ36から入力されるパルス信号Psを同期させる(ステップ408)。そして、同期フラグをセットし、以降、このパルス信号Psをカウントすることにより操舵角θsを検出する(ステップ409)。
図5に示すように、上記ステップ301〜ステップ303の処理を繰り返すことにより、ステアリング絶対角θ0とパルス信号Psとの同期が完了し、上記ステップ302において同期フラグがセットされたと判定されると、ECU44は、次に、以下に示すACT角同期処理(ステップ304)を実行する。そして、上記ステップ401,402及び403を繰り返すことにより、ACT角θtaと目標ACT角とを同期させる。
図7に示すように、ACT角同期処理において、ECU44は、先ず、パルス信号Psに基づいて操舵角θsを検出し(ステップ501)、検出された操舵角θsと車速V及び路面抵抗μとに基づいて、目標ACT角としてACTa(n)を演算する(ステップ502)。
次に、ECU44は、既にACT角θtaと目標ACT角との同期完了をしめすACT同期フラグがセット(ACT同期フラグON)されているか否かについて判定する(ステップ503)。
そして、このステップ503においてACT同期フラグがセットされていないと判定した場合には、ECU44は、直前のACT角θtaと目標ACT角との差がゼロよりも小さいか、或いはゼロよりも大きいかについて判定する。具体的には、直前のACT角θtaをACT(n-1)として、ACTa(n)−ACT(n-1)がゼロよりも小さいか、或いはゼロよりも大きいかについて判定する(ステップ504,505)。
次に、ECU44は、ステップ504においてACTa(n)−ACT(n-1)がゼロよりも小さいと判定した場合には、ACT(n-1)に徐変量Maを加算することにより、微分目標値であるACT(n)を算出し(ステップ506)、更にACTa(n)−ACT(n)がゼロ以上であるか否かについて判定する(ステップ507)。
同様に、ステップ505においてACTa(n)−ACT(n-1)がゼロよりも大きいと判定した場合には、ECU44は、ACT(n-1)から徐変量Maを減算することにより、微分目標値であるACT(n)を算出し(ステップ508)、更にACTa(n)−ACT(n)がゼロ以下であるか否かについて判定する(ステップ509)。
そして、ECU44は、上記ステップ504及び505においてACTa(n)−ACT(n-1)がゼロ、上記ステップ507においてACTa(n)−ACT(n)がゼロ以上、又は上記ステップ509においてACTa(n)−ACT(n)がゼロ以下であると判定された場合には、ACT(n)をACTa(n)とする(ステップ510)。そして、ECU44は、ACT角同期フラグをセットし(ステップ511)、微分目標値であるACT(n)とACT角θtaとが一致するよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する(ステップ512)。
尚、上記ステップ507においてACTa(n)−ACT(n)がゼロ以下、又は上記ステップ509においてACTa(n)−ACT(n)がゼロ以上であると判定された場合には、ECU44は、上記ステップ510,511の処理を実行することなく、上記ステップ512においてACT(n)とACT角θtaとが一致するよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する。
そして、ECU44は、上記ステップ511においてACT角同期フラグがセットされるまで、上記ステップ501〜ステップ512(及びステップ301,302、図5参照)の処理を繰り返す。そして、ACT角同期フラグがセットされた後は、上記ステップ501〜503を実行し、ステップ513においてACT(n)をACTa(n)として上記ステップ512を実行することにより、ACT(n)とACT角θtaとが一致するよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)ECU44は、絶対角センサ35から入力されるアナログ信号Asと有効領域Rvに対応するアナログ信号Asの範囲値との比較に基づいて、ACT角θtaの方向を判定し、その大きさが徐々に小さくなるよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する。このような構成とすれば、車両が直進状態になく、必ずしも転舵角θtがゼロではない場合であっても、確実に残存するACT角θtaの大きさを徐々に小さくすることができる。その結果、絶対角センサ35から入力されるアナログ信号Asが有効領域Rvに対応するものとなるため、速やかにステアリング絶対角θ0を検出可能とすることができる。
(2)ECU44は、ステアリング絶対角θ0を検出した後、該ステアリング絶対角θ0にパルス信号Psを同期させる。そして、通常の伝達比可変制御において制御目標となるACT角とACT角θtaとが一致するよう伝達比可変アクチュエータ13を制御する。このような構成とすれば、ステアリング絶対角θ0の検出後、速やかに通常の伝達比可変制御を開始することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明を電動パワーステアリング装置に具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置50は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するEPSアクチュエータ51と、車両状態に応じてEPSアクチュエータ51の作動を制御するECU52とを備えている。尚、本実施形態では、EPSアクチュエータ51が駆動手段を構成し、ECU52が制御手段を構成する。
EPSアクチュエータ51は、ラック5と同軸に配置されたモータ54と、ボール送り機構55とを備えており、モータ54の図示しない出力軸は、ボール送り機構55を介してラック5と連結されている。そして、EPSアクチュエータ51は、モータ54の正逆回転をボール送り機構55にてラック5の往復運動に変換することにより、車両の操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する。
ECU52には、操舵角センサ31(絶対角センサ35及びインクリメンタルエンコーダ36)、車輪速センサ33、モータ54の回転を検出する回転センサ56、及びステアリングシャフト3に設けられた操舵トルクセンサ57が接続されている。
そして、ECU52は、上記各センサにより検出される車両状態、詳しくは操舵角θs、車速V、路面抵抗μ、モータ54の回転位置、及び操舵トルクτに基づいて、モータ54への駆動電力の供給を通じてモータ22の回転を制御することにより、EPSアクチュエータ51の作動を制御する。
本実施形態の電動パワーステアリング装置50では、ECU52は、ステアリング2の中立位置が絶対角センサ35の有効領域Rvを超える角度範囲にあり、入力されるアナログ信号Asが有効領域Rvに対応しない場合、即ちステアリング絶対角θ0を検出可能な範囲内にない場合には、EPSアクチュエータ51を作動させることにより、転舵角θtを変化させる。
具体的には、ECU52は、転舵角θtが徐々に小さくなるようEPSアクチュエータ51を制御する。そして、この転舵角θtの変更に連動して操舵角θsが変更されることにより、ステアリング2の中立位置を絶対角センサ35の有効領域Rv内に移動させることで、ステアリング絶対角θ0を検出可能とする。
このような構成とすれば、運転者によるステアリング操作がなくとも、確実にステアリング絶対角θ0を検出することができる。従って、特に、制御時にステアリング絶対角θ0の検出を必要とする自動操舵制御等に好適である。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1及び第2の実施形態では、ステアリングシャフト3に設けられ、ラックアンドピニオン機構4に入力されるステアリングシャフト3の回転を増速(又は減速)することにより伝達比を可変する伝達比可変アクチュエータ13を採用した。しかし、これに限らず、ラック5に設けられ直接ラック5の往復運動を増速又は減速する方式の伝達比可変アクチュエータを採用してもよい。
・上記第3の実施形態では、ラック5に設けられモータ54の正逆回転をボール送り機構55にてラック5の往復運動に変換する方式のEPSアクチュエータ51を採用したが、コラム型EPSのように、ステアリングシャフト3の回転をアシストする方式のEPSアクチュエータを採用してもよい。
・上記第2の実施形態では、ECU44は、絶対角センサ35から入力されるアナログ信号Asと有効領域Rvに対応するアナログ信号Asの範囲値との比較に基づいて、ACT角θtaの方向を判定し、その大きさが徐々に小さくなるよう伝達比可変アクチュエータ13を制御した。しかし、これに限らず、ACT角θtaがゼロになるように伝達比可変アクチュエータ13を制御し、ステアリング絶対角θ0を検出し、パルス信号Psに同期させた後は、通常の伝達比可変制御において制御目標となるACT角とACT角θtaとが一致するよう伝達比可変アクチュエータ13を制御することとしてもよい。
・また、上記第2の実施形態では、有効領域Rvに対応するアナログ信号Asの範囲値として、その上限及び下限を用いた。しかし、これに限らず、アナログ信号Asの範囲値として中間値を用い、ACT角θtaがこの中間値に近づくよう制御する構成としてもよい。
第1の実施形態のステアリング装置の概略構成図。 第1の実施形態における絶対角同期処理のフローチャート。 第1の実施形態におけるACT角をゼロにする処理のフローチャート。 第2の実施形態のステアリング装置の概略構成図。 第2の実施形態におけるステアリング絶対角非検出時の伝達比可変アクチュエータの制御態様を示すのフローチャート。 第2の実施形態における絶対角同期処理のフローチャート。 第2の実施形態におけるACT角同期処理のフローチャート。 第3の実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成図。 伝達比可変システムの作用図。 同じく伝達比可変システムの作用図。 絶対角センサの特性図。 伝達比可変システムの作用図。
符号の説明
1,40…ステアリング装置、2…ステアリングホイール(ステアリング)、8…操舵輪、13…伝達比可変アクチュエータ、14,44,52…ECU、21…差動機構、22,54…モータ、35…絶対角センサ、50…電動パワーステアリング装置、θ0…ステアリング絶対角、θs…操舵角、θsa…ACT操舵角、Rv…有効領域、Ri…無効領域、θt…転舵角、θts…ステア転舵角、θta…ACT角、Ma…徐変量、μ…路面抵抗、V…車速。

Claims (9)

  1. ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に設けられモータ駆動により前記操舵輪の転舵角を変更可能な駆動手段と、該駆動手段を制御する制御手段と、前記ステアリングホイールの操舵角に応じて出力値が変化するアナログ信号を出力する絶対角センサとを備えた車両用操舵装置であって、
    前記絶対角センサは、前記操舵角が所定角度範囲内にある場合に該操舵角に対応する出力値の前記アナログ信号を出力し、
    前記制御手段は、前記所定角度範囲に対応する前記アナログ信号に基づいてステアリング絶対角を検出し、前記アナログ信号が前記所定角度範囲に対応しない場合には、前記転舵角を徐々に変化させることにより、前記アナログ信号が前記所定角度範囲に対応するように前記操舵角が変更されるべく前記駆動手段を制御すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  2. ステアリングホイールと操舵輪とを連結する操舵伝達系の途中に設けられモータ駆動により前記操舵輪の転舵角を変更可能な駆動手段と、該駆動手段を制御する制御手段と、前記ステアリングホイールの操舵角に応じて出力値が変化するアナログ信号を出力する絶対角センサとを備えた車両用操舵装置であって、
    前記絶対角センサは、前記操舵角と前記アナログ信号の出力値とが対応する有効領域と、前記操舵角と前記アナログ信号の出力値とが対応しない無効領域とを有し、
    前記制御手段は、前記有効領域に対応するアナログ信号に基づいてステアリング絶対角を検出し、前記アナログ信号が前記有効領域に対応しない場合には、前記転舵角を徐々に変化させることにより、前記アナログ信号が前記有効領域に対応するように前記操舵角が変更されるべく前記駆動手段を制御すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記駆動手段は、前記ステアリングホイールの操作に基づく前記操舵輪の第1の舵角に前記モータ駆動に基づく前記操舵輪の第2の舵角を上乗せすることにより、前記ステアリングホイールの操舵角に対する操舵輪の伝達比を可変させる伝達比可変装置であって、
    前記制御手段は、前記第2の舵角が小さくなるように前記駆動手段を制御すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項3に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、前記第2の舵角がゼロになるように前記駆動手段を制御すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、前記ステアリング絶対角を検出した後、伝達比可変制御において前記第2の舵角の目標となる第3の舵角と前記第2の舵角とが一致するように前記駆動手段を制御すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記駆動手段は、車両の操舵系に前記ステアリングホイールの操作を補助するアシスト力を付与するための操舵力補助装置であって、
    前記制御手段は、前記転舵角が小さくなるよう前記駆動手段を制御すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  7. 請求項1〜請求項6のうちの何れか一項に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、入力される前記アナログ信号と前記対応するアナログ信号の範囲値との比較に基づいて前記駆動手段を制御すること、を特徴とする車両用操舵装置。
  8. 請求項1〜請求項7のうちの何れか一項に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、少なくとも車速及び路面抵抗に基づいて徐変量を決定すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  9. ステアリングホイールの操舵角に応じて出力値が変化し、該出力値は前記操舵角が所定角度範囲内にある場合に前記操舵角に対応するアナログ信号に基づいてステアリング絶対角を検出するステアリング絶対角検出方法であって、
    前記アナログ信号が前記所定角度範囲に対応しない場合には、前記アナログ信号が前記所定角度範囲に対応するように前記操舵角が変更されるべく操舵輪の転舵角を徐々に変化させること、を特徴とするステアリング絶対角検出方法。
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