JP2005138049A - 処理焼却灰の無害化処理方法、ゼオライト様生成品並びに処理焼却灰の無害化処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理焼却灰を有害物即ち、ダイオキシン類の排出なしで且つ重金属の溶出ない生成物即ち、セメントと同様に使用できるゼオライト様物質(製品)を生産する処理法が提供する。
【解決手段】処理焼却灰を、雰囲気温度600℃付近の第1ロータリーキルンに送入し、水分除去と未燃物質の燃焼を行い、処理物を取り出し、粉砕し、次に、内壁に貴金属触媒がセットされ、200℃付近の温度で還元雰囲気で運転される第2ロータリーキルンに送り、処理し、発生する塩素ガスは還元され、塩化水素に転換され、焼却灰中のカルシウムと反応し、塩化カルシウムとなり、その処理物を取り出し、次に、0.5〜1重量%の硫黄をSO3として含有する スラグと混合されて、200℃付近の雰囲気温度の安定化炉に送られて塩化カルシウムと石膏になり安定化され、製品として、多孔質のゼオライト様生成品が得られることを特徴とする処理焼却灰の無害化処理方法とそのための無害化処理装置である。
【選択図】図1
【解決手段】処理焼却灰を、雰囲気温度600℃付近の第1ロータリーキルンに送入し、水分除去と未燃物質の燃焼を行い、処理物を取り出し、粉砕し、次に、内壁に貴金属触媒がセットされ、200℃付近の温度で還元雰囲気で運転される第2ロータリーキルンに送り、処理し、発生する塩素ガスは還元され、塩化水素に転換され、焼却灰中のカルシウムと反応し、塩化カルシウムとなり、その処理物を取り出し、次に、0.5〜1重量%の硫黄をSO3として含有する スラグと混合されて、200℃付近の雰囲気温度の安定化炉に送られて塩化カルシウムと石膏になり安定化され、製品として、多孔質のゼオライト様生成品が得られることを特徴とする処理焼却灰の無害化処理方法とそのための無害化処理装置である。
【選択図】図1
Description
本発明は、主灰および飛灰を含めた処理焼却灰を無害化し、同時に資源の再利用を図る方法およびそのための装置に関する。特に、環境汚染防止の観点から、処理焼却灰を処理するときに、排ガスを無害化し且つ安全で安定した形で有効に資源再利用するための処理焼却灰の処理方法およびそのための装置に関する。
ゴミ問題は有害物質による環境汚染問題であり、都市ゴミには、塩化ビニールなどのプラスチック類や各種染料、防虫剤等のクロロベンゼン類、電池等や有害ガス入りのボンベなどの有害有機物質が混入しているので、それを一緒に燃やしてしまうと、熱分解により何が作り出されるか分からなくなり、その処理焼却灰には、金属酸化物や金属塩化物となり金属が不安定となり、水に溶け易い金属となり、その中でも重金属類の場合には、地下土壌汚染や地下水汚染の問題が生じる。
高温焼却ではダイオキシン類の分解は可能であるが、重金属類は安定化せず、高温溶融では排ガスとともに重金属類が大気中に排出される。従って、高温にしない処理法が、地球環境保全でもエネルギー保全でも良いが、実際上、そのような処理法はなかった。例えば、特許第3005617号は、焼却灰を固化してキレート状に安定化するもので、原子、分子の変換ではない。特開平4−309748号は不溶性化剤として硫酸化合物を使用した画、ダイオキシン化合物類を処理のためではない。特開平9−309749号は固化剤の製造に関するもので、強度と耐熱性に欠けたものである。特開平10−151436号は都市ゴミの一般廃棄物に関するもので、反応時間がかかりエネルギーとして電気を用いたものである。特開平10−151437号は上記処理装置によりダイオキシン類の処理ができるものである。特開2000−24625は、処理焼却灰を低酸素状態で加熱し遷移金属触媒下で処理し、ダイオキシン類を熱分解するものである。特開2001−942は、重金属を含む汚泥を固化するものである。特開2001−288474は、都市ゴミを粉砕して乾留し炭化させるものである。特開平11−290821号は、重金属とダイオキシン類を含む焼却灰を低酸素雰囲気で加熱し安定化処理する方法である。特開平8−209124号は、有害重金属を安定固化剤により固化処理ものである。
本発明において、処理焼却灰とは、焼却残査並びに産業廃棄物の燃えがらなどの焼却処理で出る原灰をすべて含み、それには未燃物が多く、未燃炭素や炭化水素など有害物質となる前駆体も多く含まれている。また、焼却施設の集塵処理により補集された飛灰中には有機塩素化合物や重金属類も多く含まれている。処理焼却灰、原灰は、ゴミ等を焼却した後の灰のために、水を掛けて、有害物や有害気体を外に出さないようにしているために、水分を多量に含むものである。そして、それは、壌に近い組成であるが、焼却物に種々の物質が含まれるために、有害物質とされる鉛、水銀、カドミウム、6価クロム、ヒ素、セレンなどほ6品目も含まれることが多く、管理方処分場に埋立処分されることになっている。これらの金属は、環境基準値が設定され、溶出による濃度により有害物質の判定が行われる。従って、本明細書において、処理焼却灰とは、以上のような廃棄すべき焼却灰を言うものとする。
即ち、本発明では、これらの金属が、土壌中で、イオン化され難い金属、重金属として、金属、重金属イン濃度を低くし、植物による吸収量を少なくすることである。即ち、これらの物質が不用になり、焼却炉で焼きぱッなしで埋めると、公害が発生する問題を解決しようとするものである。
従って、本明細書において、処理焼却灰とは、以上のような廃棄すべき焼却灰を言うものとする。
従って、本明細書において、処理焼却灰とは、以上のような廃棄すべき焼却灰を言うものとする。
このような処理焼却灰の廃棄処理には、それに含まれる重金属や有機ハロゲン化合物を不溶性物質にし、水に溶け出しにくい物質とすること、有害物質が酸性環境、アルカリ性環境でも溶け出しにくい物質にしておくことが求められる。即ち、本発明では、地下資源と同じ金属の性質にして再生資源として利用しながら、地球地盤、地球環境に返すべきである。
特許第3005617号 公報
特開平4−309748号 公報
特開平9−309749号 公報
特開平10−151436号 公報
特開平10−151437号 公報
特開2000−24625 公報
特開2001−942 公報
特開2001−288474 公報
特開平11−290821号 公報
特開平8−209124号 公報
本発明は、すべての処理焼却灰から将来にわたり、重金属やダイオキシン類等の有害物質で環境を汚染することがない、安全で安定した多孔質のゼオライト様物質で、セメント系新素材として利用できる生成物を作る処理方法と処理装置を提供しようとするものである。また、同時に、本発明は、エネルギー節約で、経済的であり、環境汚染のない処理方法と処理装置を提供するものである。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、次のような手段により、それを解決したものである。
(1)処理焼却灰を、雰囲気温度600℃付近の第1ロータリーキルンに送入し、水分除去と未燃物質の燃焼を行い、処理物を取り出し、粉砕し、次に、内壁に貴金属触媒がセットされ、200℃付近の温度で還元雰囲気で運転される第2ロータリーキルンに送られ、処理され、発生する塩素ガスは還元され、塩化水素に転換され、焼却灰中のカルシウムと反応し、塩化カルシウムとなり、その処理物を取り出し、次に、0.5〜1重量%の硫黄をSO3として含有するスラグと混合 されて、200℃付近の雰囲気温度の安定化炉に送られて塩化カルシウムと石膏になり安定化され、製品として、多孔質のゼオライト様生成品が得られることを特徴とする処理焼却灰の無害化処理方法とそのための処理装置。
(2)第2ロータリーキルンの前段で、焼却灰から鉄類金属を除去する。
(3)第1ロータリーキルンで発生した水素及び塩素ガスを含む気体を第2ロータリーキルンに送る構成である。
(4)第1ロータリーキルン処理物は、第2ロータリーキルンに供する前に、100〜150メッシュに粉砕される。
(5)貴金属触媒は、パラジウムである。
(6)貴金属触媒は、貴金属を無機固化剤と一緒に耐火レンガに混ぜ合わせたものである。
(7)第2ロータリーキルンの還元処理及び/或いは安定化炉処理において、加熱された窒素ガスを一部導入する。
(8)第2ロータリーキルンの還元処理において、炉内温度は、300〜400℃で滞留時間5〜6分で運転する。
(9)(1)のようにして、処理焼却灰から得られた多孔質のゼオライト様生成品である。
(1)処理焼却灰を、雰囲気温度600℃付近の第1ロータリーキルンに送入し、水分除去と未燃物質の燃焼を行い、処理物を取り出し、粉砕し、次に、内壁に貴金属触媒がセットされ、200℃付近の温度で還元雰囲気で運転される第2ロータリーキルンに送られ、処理され、発生する塩素ガスは還元され、塩化水素に転換され、焼却灰中のカルシウムと反応し、塩化カルシウムとなり、その処理物を取り出し、次に、0.5〜1重量%の硫黄をSO3として含有するスラグと混合 されて、200℃付近の雰囲気温度の安定化炉に送られて塩化カルシウムと石膏になり安定化され、製品として、多孔質のゼオライト様生成品が得られることを特徴とする処理焼却灰の無害化処理方法とそのための処理装置。
(2)第2ロータリーキルンの前段で、焼却灰から鉄類金属を除去する。
(3)第1ロータリーキルンで発生した水素及び塩素ガスを含む気体を第2ロータリーキルンに送る構成である。
(4)第1ロータリーキルン処理物は、第2ロータリーキルンに供する前に、100〜150メッシュに粉砕される。
(5)貴金属触媒は、パラジウムである。
(6)貴金属触媒は、貴金属を無機固化剤と一緒に耐火レンガに混ぜ合わせたものである。
(7)第2ロータリーキルンの還元処理及び/或いは安定化炉処理において、加熱された窒素ガスを一部導入する。
(8)第2ロータリーキルンの還元処理において、炉内温度は、300〜400℃で滞留時間5〜6分で運転する。
(9)(1)のようにして、処理焼却灰から得られた多孔質のゼオライト様生成品である。
以下、本発明の特殊乾燥炉と還元炉の組合せとそれを用いた焼却灰の処理方法の例を説明するが、本発明は、それにより限定を受けるものではない。
本発明によると、上記のような処理焼却灰を、必要により、石灰を添加して、雰囲気温度600℃付近で運転される第1ロータリーキルンに送入し、水分除去と未燃物質の燃焼を行う。この場合、被処理灰の成分と望まれる製品、生成品により、苛性ソーダ或いは苛性カリを添加することもある。次に、処理物を取り出し、鉄成分を磁選により、選別し、更に粉砕する。次に、内壁に貴金属触媒がセットされ、200℃付近の温度で還元雰囲気で運転される第2ロータリーキルンに送られ、処理され、発生する塩素ガスは還元され、塩化水素に転換され、焼却灰中のカルシウムと反応し、塩化カルシウムとなり、その処理物を取り出し、次に、0.5〜1重量%の硫黄をSO3 として含有するスラグと混合されて、200℃付近の雰囲気温度の安定化炉に送られて塩化カルシウムと石膏になり安定化され、製品として、多孔質のゼオライト様生成品が得られる。
本発明によると、上記のような処理焼却灰を、必要により、石灰を添加して、雰囲気温度600℃付近で運転される第1ロータリーキルンに送入し、水分除去と未燃物質の燃焼を行う。この場合、被処理灰の成分と望まれる製品、生成品により、苛性ソーダ或いは苛性カリを添加することもある。次に、処理物を取り出し、鉄成分を磁選により、選別し、更に粉砕する。次に、内壁に貴金属触媒がセットされ、200℃付近の温度で還元雰囲気で運転される第2ロータリーキルンに送られ、処理され、発生する塩素ガスは還元され、塩化水素に転換され、焼却灰中のカルシウムと反応し、塩化カルシウムとなり、その処理物を取り出し、次に、0.5〜1重量%の硫黄をSO3 として含有するスラグと混合されて、200℃付近の雰囲気温度の安定化炉に送られて塩化カルシウムと石膏になり安定化され、製品として、多孔質のゼオライト様生成品が得られる。
本発明によると、高温溶融でなく、低温で有害物質を安定化する処理法が提供される。即ち、焼却灰の重金属類およびダイオキシン類の処理するに、低温で行うものである。焼却灰を高温で溶融することは当然に設備費用が高くなり、ランニングコストも高くなる。そこで、小さな熱量とわずかの触媒で、低温による分子組み換えを行い、重金属類を安定化合物とする。
低温処理の実現
焼却灰に含まれる金属は、一般的に熱分解によると酸化金属となり、水溶性となり、イオン化され易く、経年的に不安定である。また、ダイオキシン類は、添加された或いは含有している塩化カルシウムにより、融点が下がり、脱塩素反応が促進され、焼却灰に含有するカルシウムと反応し固定化される。重金属類は、同様に塩化カルシウムにより融点が下がり、触媒作用の相乗作用で、硫黄成分と反応し、低温でも硫化物になる。
一般的に親銅元素(銅、亜鉛、銀、カドミウム、水銀、鉛、ヒ素など)は還元的環境では、還元的環境下では酸素より硫黄に対する親和力(結合力)が大きく、親石元素(珪素、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属)は、硫黄より酸素と親和力が大きい。
焼却灰に含まれる金属は、一般的に熱分解によると酸化金属となり、水溶性となり、イオン化され易く、経年的に不安定である。また、ダイオキシン類は、添加された或いは含有している塩化カルシウムにより、融点が下がり、脱塩素反応が促進され、焼却灰に含有するカルシウムと反応し固定化される。重金属類は、同様に塩化カルシウムにより融点が下がり、触媒作用の相乗作用で、硫黄成分と反応し、低温でも硫化物になる。
一般的に親銅元素(銅、亜鉛、銀、カドミウム、水銀、鉛、ヒ素など)は還元的環境では、還元的環境下では酸素より硫黄に対する親和力(結合力)が大きく、親石元素(珪素、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属)は、硫黄より酸素と親和力が大きい。
第2ロータリーキルンの前段で、焼却灰から磁選処理により鉄類金属を除去する。
焼却灰は、場合により、毒性物質の発生もあり得るために、排ガスを循環利用して、排ガス量を減らす。循環ガスでは、可燃性粉塵があると、危険なので、触媒層で吸着し、また、有毒ガスを除去するようにする。
焼却灰は、場合により、毒性物質の発生もあり得るために、排ガスを循環利用して、排ガス量を減らす。循環ガスでは、可燃性粉塵があると、危険なので、触媒層で吸着し、また、有毒ガスを除去するようにする。
例えば、第1ロータリーキルンで発生した水素及び塩素ガスを含む気体を第2ロータリーキルンに送る。第1ロータリーキルンの排ガスを、2次燃焼炉である第2ロータリーキルンで触媒処理され、加熱された排ガスは循環使用される。蒸発あるいは気化した重金属は、凝結回収される構造である。
第1ロータリーキルン処理物は、第2ロータリーキルンに供する前に、100〜150メッシュに粉砕される。即ち、焼却灰の結晶体にクラックを与え、脱塩素化や、ダイオキシン結晶を破損し、ダイオキシン類の焼成温度1000℃以上とされるが、400℃〜500℃で融点に達し、結晶体の欠陥と接触し、接触反応で分解も可能である。焼却灰を微粒子粉体にすることにより、表面積が拡大し、固体表面の表面エネルギーを高め、還元反応を促進させる。
貴金属触媒は、パラジウムが好適である。これは、第1ロータリーキルンで発生するガスを含め、第2ロータリーキルン反応中に発生する微量の有害物質例えば、塩素ガスやダイオキシン類を触媒反応させて、分解させるものである。塩素ガスは還元雰囲気中の水素と反応し、塩化水素となり、処理物中のカルシウム分と反応し、塩化カルシウムになる。ダイオキシン類も触媒と接触して、容易に分解されるものと考えられる。
また、貴金属触媒は、第2ロータリーキルンの構造を考えて、貴金属を無機固化剤と一緒に耐火レンガに混ぜ合わせたものでも、その作用を働くものと考える。即ち、ロータリーキルンの内部壁の表面に設置すると好適である。
第2ロータリーキルンの還元処理及び/或いは安定化炉処理において、加熱された窒素ガスを一部導入する。酸化性の外気と絶縁されるように、即ち、還元性含有を安定して保持できるように、不活性ガスの窒素ガスを加熱して導入すると、ロータリーキルン内の反応を活性化でき、また、安定化できる。
第2ロータリーキルンの還元処理において、炉内温度は、300〜400℃で滞留時間5〜6分で運転する。
重金属の気体を外に出さないようにすると同時に、以上の説明のように、低温処理が行えるようにしたものである。
重金属の気体を外に出さないようにすると同時に、以上の説明のように、低温処理が行えるようにしたものである。
以上のような処理方法により、処理焼却灰からは、多孔質のゼオライト様生成物が得られる。この得られた多孔質のゼオライト様生成物は、非常に大きな水吸収力を有し、例えば、有害物質を含む水、水溶液から有害物質を吸収除去するに用いることができる。
本発明の特殊乾燥炉と還元炉の組合せによる方法は、以上のような構成により、次のような技術的効果があった。
第1に、処理焼却灰を有害物即ち、ダイオキシン類の排出なしで且つ重金属の溶出ない生成物即ち、セメントと同様に使用できるゼオライト様物質(製品)を生産する処理法が提供できた。
第2に、従って、有害物質と埋没処理しかなかった処理焼却灰を、有用の、水吸収力の高いゼオライト様物質−製品にすることができる方法と装置を提供した。
第1に、処理焼却灰を有害物即ち、ダイオキシン類の排出なしで且つ重金属の溶出ない生成物即ち、セメントと同様に使用できるゼオライト様物質(製品)を生産する処理法が提供できた。
第2に、従って、有害物質と埋没処理しかなかった処理焼却灰を、有用の、水吸収力の高いゼオライト様物質−製品にすることができる方法と装置を提供した。
本発明の処理焼却灰の処理工程の概略を、図1のフローシートで示す。
処理焼却灰としては、ストーカ炉及び流動床炉から採取した50トンを使用した。処理すべき焼却灰の性状は、次の通りである。
粒径20mm以上のもの 0.3トン
鉄分 3トン
水分 20トン
未燃焼分 3トン
灰分 23トン
石灰 0.7トン
総量 50トン
処理焼却灰としては、ストーカ炉及び流動床炉から採取した50トンを使用した。処理すべき焼却灰の性状は、次の通りである。
粒径20mm以上のもの 0.3トン
鉄分 3トン
水分 20トン
未燃焼分 3トン
灰分 23トン
石灰 0.7トン
総量 50トン
使用したパイロットプラントは、次の通りである。
原灰受入ピットは、50m3であり、その供給バケットクレーンは、2トンのも ので、受入れホッパーは、5m3であり、フィーダーは5トンである。
原灰受入ピットは、50m3であり、その供給バケットクレーンは、2トンのも ので、受入れホッパーは、5m3であり、フィーダーは5トンである。
そして、選別,破砕装置は、振動篩が、20mmのスクリーンであり、選別機として鉄分除去のため磁性選別機5トンを用いて、原料焼却灰を計量した後に、鉄、真鍮、アルミを選別除去する。
第1ロータリーキルンとして、容量3トンのロータリーキルンを雰囲気温度
500℃に加熱し、処理時間30分間で、カルシウム系添加剤3重量%を添加し、酸素濃度6%で運転した。ここでは、焼却灰中の含有水を除去し、同時にダイオキシン類の分解を計った。
第1ロータリーキルンとして、容量3トンのロータリーキルンを雰囲気温度
500℃に加熱し、処理時間30分間で、カルシウム系添加剤3重量%を添加し、酸素濃度6%で運転した。ここでは、焼却灰中の含有水を除去し、同時にダイオキシン類の分解を計った。
第1ロータリーキルンから処理された焼却灰を取り出し、次の通りの粉砕装置に掛けた。スイングハンマーミルは、2.5トンのものであり、バイブローミルは2トンのものである。粉砕しながら、硫黄含有1〜3重量%のスラグを、焼却灰に対して、0.03重量%添加した。
以上の粉砕された焼却灰とスラグの混合物を、約200℃で還元雰囲気で運転される第2ロータリーキルンに供給した。同時に、加熱された窒素ガスを注入しながら、反応させた。処理速度は、2.5トン/時間であり、滞留時間は15分以下である。酸素濃度は6%以下に保持された。
還元雰囲気の第2ロータリーキルンから取り出した処理物質を次に安定化炉に供給する。その処理速度は、2.5トン/時間である。処理温度は約200℃である。滞留時間は15分であり、酸素濃度は6%以下に保持された。
安定化炉から処理物質を取り出し、冷却し、粉砕し、生成品とした。
生成品は、水を大量に吸収できる物質であることが分かり、ゼロライト様物質とした。
生成品は、水を大量に吸収できる物質であることが分かり、ゼロライト様物質とした。
第1ロータリーキルンからの排ガス中のダイオキシン類の濃度を測定した結果を表3に示す。
表3に示すように、排ガス中の各ガス成分の濃度は基準値以下であった。更に、ダイオキシン類の濃度も、ND値(定量下限値)未満の値を示した。
また、本発明の処理焼却灰の処理方法により、処理焼却灰を有害物即ち、ダイオキシン類の排出なしで且つ重金属の溶出ない生成物即ち、セメントと同様に使用できるゼオライト様物質(製品)を生産する。経済的で、低温度でも有害物質を含む処理焼却灰を処理することができる方法とそのための装置を提供できた。
Claims (17)
- 処理焼却灰を、雰囲気温度600℃付近の第1ロータリーキルンに送入し、水分除去と未燃物質の燃焼を行い、処理物を取り出し、粉砕し、次に、内壁に貴金属触媒がセットされ、200℃付近の温度で還元雰囲気で運転される第2ロータリーキルンに送り、処理し、発生する塩素ガスは還元され、塩化水素に転換され、焼却灰中のカルシウムと反応し、塩化カルシウムとなり、その処理物を取り出し、次に、0.5〜1重量%の硫黄をSO3として含有する粉末 スラグと混合されて、200℃付近の雰囲気温度の安定化炉に送られて塩化カルシウムと石膏になり安定化され、製品として、多孔質のゼオライト様生成品が得られることを特徴とする処理焼却灰の無害化処理方法。
- 第2ロータリーキルンに供給される前に、第1ロータリーキルンを出た処理焼却灰は、磁気選別され、鉄類金属を除去することを特徴とする請求項1記載の処理焼却灰の無害化処理方法。
- 第1ロータリーキルンで発生した水素及び塩素ガスを含む気体を第2ロータリーキルンに送ることを特徴とする請求項1記載の処理焼却灰の無害化処理方法。
- 第1ロータリーキルン処理物は、第2ロータリーキルンに供する前に、100〜150メッシュに粉砕されることを特徴とする請求項1記載の処理焼却灰の無害化処理方法。
- 貴金属触媒は、パラジウムであることを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の処理焼却灰の無害化処理方法。
- 貴金属触媒は、貴金属を無機固化剤と一緒に耐火レンガに混ぜ合わせたものであることを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の処理焼却灰の無害化処理方法。
- 第2ロータリーキルンの還元処理及び/或いは安定化炉処理において、加熱された窒素ガスを少なくとも一部導入することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の処理焼却灰の無害化処理方法。
- 第2ロータリーキルンの還元処理において、炉内温度は、300〜400℃で滞留時間5〜6分で運転することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の処理焼却灰の無害化処理方法。
- 請求項1の処理焼却灰から得られたことを特徴とする多孔質のゼオライト様生成品。
- 処理焼却灰を、雰囲気温度600℃付近で運転され、水分除去と未燃物質の燃焼を行う第1ロータリーキルンと;
第1ロータリーキルンから取り出した処理物を粉砕する粉砕機と;
内壁に貴金属触媒がセットされ、200℃付近の温度で還元雰囲気で運転され、発生する塩素ガスを還元し、塩化水素に転換し、焼却灰中のカルシウムと反応させ、塩化カルシウムとする第2ロータリーキルンと;
0.5〜1重量%の硫黄をSO3として含有する粉末スラグと混合し、200 ℃付近の雰囲気温度で運転され、含有する重金属類を硫化物として安定化し、塩素ガスから生成された塩化カルシウムと石膏として安定化する安定化炉を備え、多孔質のゼオライト様生成品を生成することを特徴とする処理焼却灰の無害化処理装置。 - 第2ロータリーキルンの前段に、鉄類金属を除去する磁気選別機を配置されたことを特徴とする請求項10記載の処理焼却灰の無害化処理装置。
- 第1ロータリーキルンは、発生した水素及び塩素ガスを含む気体を第2ロータリーキルン中に送るパイプを備えることを特徴とする請求項10記載の処理焼却灰の無害化処理装置。
- 第1ロータリーキルンと第2ロータリーキルンの間にある粉砕機は、100〜150メッシュに粉砕する機械であることを特徴とする請求項10記載の処理焼却灰の無害化処理装置。
- 貴金属触媒は、パラジウムであることを特徴とすることを特徴とする請求項10記載の処理焼却灰の無害化処理装置。
- 貴金属触媒は、貴金属を無機固化剤と一緒に耐火レンガに混ぜ合わせたものであることを特徴とすることを特徴とする請求項10記載の処理焼却灰の無害化処理装置。
- 第2ロータリーキルンの還元処理及び/或いは安定化炉処理において、加熱された窒素ガスを少なくとも一部導入する窒素源と熱交換機を備えることを特徴とすることを特徴とする請求項10記載の処理焼却灰の無害化処理装置。
- 第2ロータリーキルンの還元処理炉は、300〜400℃で滞留時間5〜6分で運転され、炉出口付近では、180℃以下で運転されることを特徴とすることを特徴とする請求項10記載の処理焼却灰の無害化処理装置。
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JP2003378568A Pending JP2005138049A (ja) | 2003-11-07 | 2003-11-07 | 処理焼却灰の無害化処理方法、ゼオライト様生成品並びに処理焼却灰の無害化処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005138049A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105478451A (zh) * | 2016-01-15 | 2016-04-13 | 浙江环立环保科技有限公司 | 一种工业危废处理系统及方法 |
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2003
- 2003-11-07 JP JP2003378568A patent/JP2005138049A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105478451A (zh) * | 2016-01-15 | 2016-04-13 | 浙江环立环保科技有限公司 | 一种工业危废处理系统及方法 |
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