JP2005137879A - 聴力検査システム及びこれを用いた補聴器選定システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 聴力検査システム1は、通信回線2を介してユーザ端末装置3から接続可能な管理サーバ11を備え、管理サーバには、ユーザ端末装置において聴力検査を実行するために所定の周波数及び音圧の検査音が設定された聴力検査用サウンドファイルと、健聴者の各周波数毎の平均的聴力レベルを示す聴力モデルとが記憶される。管理サーバは、健聴者に対する聴力検査によって得られた各周波数毎の聴力レベルと聴力モデルとに基づき、サウンドファイルに設定された検査音の音圧と、ユーザ端末装置3でサウンドファイルを再生することにより実際に発生し聴き取られる検査音の音圧との対応関係を各周波数毎に算出し、被検者に対する聴力検査によって得られた各周波数毎の聴力レベルを前記算出した対応関係に基づいて補正する。
【選択図】 図1
Description
図1は、本発明の一実施形態に係る補聴器選定システムの概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る補聴器選定システム(聴力検査システムとしても機能する)1は、通信回線としてのインターネット2に接続された管理サーバ11を備えている。
本動作においては、まず最初に、ユーザ端末装置3からインターネット2を介して管理サーバ11の提供する補聴器選定用ウェブサイトにアクセスする必要がある。前記ウェブサイトには、補聴器選定システム1を利用する上での注意事項を記載したウェブページが設けられている。具体的には、当該ウェブページには、被検者とその補助者としての健聴者の2人1組で聴力測定を行う必要があることや、イヤホンを用意する必要のあること等が記載されている。斯かる記載内容を閲覧したユーザ(被検者又は健聴者)がウェブページ上に設定された「スタート」ボタンをクリックすることにより、次の問診動作に移行する。
本動作においては、管理サーバ11からユーザ端末装置3に対して、補助者が健聴者であることを判断するための問診データが送信され、ユーザ端末装置3から管理サーバ11に対して前記問診データに対する回答が送信される。具体的には、前記ウェブサイトに設けられた問診用のウェブページが表示され、健聴者(補助者)は、当該ウェブページに記載された問診事項に対する回答を入力する。問診事項としては、例えば、音の聞こえ方に問題があるか、仕事の騒音環境は良くないか、耳に関する病歴があるか、などの複数の設問を挙げることができる。前記ウェブページには各設問に対して「はい」や「いいえ」などの複数のチェックボックスが設けられている。健聴者(補助者)は、各設問に対して何れかのチェックボックスを選択する。選択されたチェックボックスは、問診事項に対する回答として管理サーバ11に送信される。管理サーバ11は、前記送信された回答に基づき、健聴者であるか否かを判断する。例えば、前記問診事項に対して、「はい」のチェックボックスが一つでも選択された場合には、健聴者ではない可能性があると判断し、補助者として相応しくない旨の説明を記載したウェブページを表示した後、動作を中断(補聴器選定用ウェブサイトのトップページに復帰等)するように構成することができる。一方、前記問診事項に対して全て「いいえ」のチェックボックスが選択された場合には、健聴者であると判断し、次の健聴者に対する聴力検査実行動作に移行する。
本動作においては、管理サーバ11に記憶されている複数のサウンドファイルの中から適切なサウンドファイルが選択され、順次ユーザ端末装置3に送信されて再生されることにより、健聴者に対する聴力検査が実行される。この際、補聴器選定用ウェブサイトに設けられた聴力検査用ウェブページが表示される。当該ウェブページには、左右何れの耳の聴力検査を実行するか、聴力検査に対する応答方法などの聴力検査に関する説明が記載されると共に、聴力検査に対する応答の入力ページとしても機能する。より具体的に説明すれば、本実施形態では、まず最初に1000Hzの周波数で50dBの音圧を有する検査音が設定されたサウンドファイルが選択され、ユーザ端末装置3に送信されて再生される。健聴者は、ユーザ端末装置3に取り付けたイヤホン31を聴力検査を実行する左右何れかの耳に装着する。健聴者は、発生する検査音を聴き取ることができたタイミングで、前記ウェブページに表示された所定のボタンをマウス等でクリックすればよい。前記ボタンのクリック信号は、管理サーバ11に送信されるように構成されており、管理サーバ11は、例えば、サウンドファイルを送信してから所定時間内にクリック信号が送信されれば、前記検査音を聴き取ることができたと判断し、逆に所定時間内にクリック信号が送信されなければ、前記検査音を聴き取ることができなかったと判断する。
本動作においては、設定音圧、すなわちサウンドファイルに設定された検査音の音圧と、実音圧、すなわちユーザ端末装置3でサウンドファイルを再生することにより実際に発生し聴き取られる検査音の音圧との対応関係が各周波数毎に算出される。より具体的に説明すれば、まず最初に管理サーバ11は、前述したように、健聴者の各年齢(年齢の範囲)に応じてテーブル形式で記憶された複数の聴力モデルの中から、前述したように問診事項に対する回答と共に送信された年齢に適合する聴力モデルを選択する。次に、前述のようにして算出した健聴者の各周波数毎の聴力レベルと前記選択した聴力モデルとに基づき、設定音圧と実音圧との対応関係を算出する。
本動作において、管理サーバ11は、記憶された複数のサウンドファイルの中から前記対応関係に応じたサウンドファイルを選択する。より具体的に説明すれば、聴力検査を実行する上で必要な実音圧としては10〜80dB程度であるため、実音圧10〜80dBに相当する設定音圧を前記対応関係に基づき算出し(例えば、前記対応関係が実音圧=設定音圧−10dBの関係であるとすれば、算出される設定音圧は20〜90dBということになる)、当該算出された設定音圧の検査音が設定されたサウンドファイルを選択する。
管理サーバ11は、被検者の聴力検査の結果(補正後の各周波数毎の聴力レベル)に適合する補聴器を、予め記憶された商品情報に基づき選定する。より具体的には、例えば、以下のようにして選定する。
f=(3f1+2f2+f3)/6 ・・・(1)
f=(3f1+f2)/4 ・・・(1)’
すなわち、記憶部61には、既述したように、サウンドファイルM1や聴力モデルM2の他に、利得補正タイプM3、音声ファイルM4、及び複数の被験者についての平均聴力レベルと所定の音声による最小可聴音声音圧との対応関係M5が予め記憶されている。これら利得補正タイプM3、音声ファイルM4及び対応関係M5は、次のようにして求めることができる。
この表1に示す値は、所定の補聴器についての、1000Hzにおける利得(ゲイン)を基準とした各周波数(2000Hz、4000Hz)における利得の増分を意味している。例えば、利得補正タイプ4の補聴器は、1000Hz〜4000Hzのいずれの周波数についても同じ利得に設定された補聴器を意味している。また、利得補正タイプ3の補聴器は、4000Hzの周波数だけ他の周波数(1000Hz、2000Hz)よりも10dB大きな利得に設定された補聴器を意味し、或いは、利得補正タイプ5の補聴器は、1000Hz及び2000Hzの周波数が他の周波数4000Hzよりも10dB大きな利得に設定された補聴器を意味している。従って、例えば、基本的に4000Hz付近の音が他の周波数に比べ聞き取りにくい人が利得補正タイプ3の補聴器を選択し、また基本的に1000Hz及び2000Hz付近の音が他の周波数4000Hzに比べ聞き取りにくいに人が利得補正タイプ5の補聴器を選択することになる。
(7’−3−1)複数の被験者についてそれぞれ聴力検査を実行することにより算出された平均聴力レベルは、例えば、前記(6)の「補聴器の選定動作」で用いた式、すなわち、周波数1000Hzでの聴力レベルをf1(dB)、周波数2000Hzでの聴力レベルをf2(dB)、周波数4000Hzでの聴力レベルをf3(dB)としたとき、
f=(3f1+2f2+f3)/6 ・・・(1)
又は
f=(3f1+f2)/4 ・・・(1)’
のいずれかの式で算出することができる。
(7’−3−2)前記複数の被験者についてそれぞれ前記音声ファイルを再生して音声聴力検査を実行することによって算出された各利得補正タイプ毎の最小可聴音声音圧は、次の(a)〜(c)の手順で測定できる。
(a)まず、前記複数の被験者のそれぞれについての各周波数(1000Hz、2000Hz、4000Hz)毎の聴力レベルに基づいて、前記(7’−1)で記憶部61に予め記憶されている利得補正タイプの中から前記複数の被験者のそれぞれに使用する音声ファイルの利得補正タイプを選定する。この利得補正タイプの選定は、
2000Hzの利得増分=(f2−f1)/2 ・・・(2)
4000Hzの利得増分=(f3−f1)/2 ・・・(3)
の各式によって算出される利得増分と、前記(7’−1)で記憶部61に予め記憶しておいた利得補正タイプの利得増分との差の最小二乗和が最も小さくなるものを選定することでなされ得る。
(b)次いで、前記複数の被験者のそれぞれについて、前記(7’−2)で記憶部61に記憶された音声ファイルM4の中から前記選定したタイプの音声ファイルを抽出し、5dBの音圧毎に再生して聴かせ、最小可聴音声音圧を測定する。
(c)こうして、前記複数の被験者のそれぞれについて、前記(7’−3−1)で算出した平均聴力レベルと、前記(7’−3−2)で測定した最小可聴音声音圧との関係を算出し、当該対応関係M5を記憶部61に記憶しておく。さらに具体的に説明すると、記憶部61においてLUT(ルックアップテーブル)に関するデータとして、前記(7’−3−2)で測定した最小可聴音声音圧に対して前記(7’−3−1)の平均聴力レベルに変換できる複数種類の割当テーブルを予め記憶しておく。また、前記(7’−3−2)で測定した最小可聴音声音圧に対して前記(7’−3−1)の平均聴力レベルに変換できる変換関数を記憶部61に予め記憶しておいてもよい。こうして記憶部61に予め記憶しておいた情報を用いて、聴力レベルの補正を行う。
図4に聴力レベルの補正を行う概略的な処理フローを示す。この動作では、以下の(7−1)で前記(5)の聴力レベルに基づく被検者の平均聴力レベルを算出しておくとともに、(7−2)〜(7−6)で音声を聴かせる音声聴力検査を実行し(図中A参照)、この結果を踏まえて(7−7)〜(7−9)で聴力レベルを補正するようにしている(図中B参照)。
f=(3f1+2f2+f3)/6 ・・・(1)
又は
f=(3f1+f2)/4 ・・・(1)’
のいずれかの式を用いることができる。
(7−2)記憶部61に記憶されている前記(7’−1)の6種類の利得補正タイプの中から、前記(5)の「被検者に対する聴力検査実行動作」による補正によって得られた前記被検者の各周波数(1000Hz、2000Hz、4000Hz)毎の聴力レベルに適合する音声ファイルの利得補正タイプを選定する。
前述のようにして選定された補聴器の商品情報(商品名、適用対象となる聴力レベル、聴力補正特性、外観写真、価格等)は、管理サーバ11によってユーザ端末装置3に送信される。ここで、選定された補聴器の商品情報は、例えば、電子メールによってユーザ端末装置3に送信するように構成することができる他、補聴器選定用ウェブサイトの所定のウェブページに、選定した商品情報を表示するように構成することも可能である。
2…インターネット(通信回線)
3…ユーザ端末装置
11…管理サーバ
Claims (2)
- 通信回線を介してユーザ端末装置から接続可能な管理サーバを備え、
前記管理サーバには、前記ユーザ端末装置において聴力検査を実行するために所定の周波数及び音圧の検査音が設定された聴力検査用サウンドファイルと、健聴者の各周波数毎の平均的聴力レベルを示す聴力モデルとが記憶されており、
前記管理サーバは、
健聴者に対して聴力検査を実行するために、前記聴力検査用サウンドファイルを前記ユーザ端末装置に送信する第1手段と、
前記ユーザ端末装置に送信された聴力検査用サウンドファイルを当該ユーザ端末装置で再生することによって実行された聴力検査に対する応答が前記ユーザ端末装置から送信された場合、当該送信された聴力検査に対する応答に基づき、前記健聴者の各周波数毎の聴力レベルを算出する第2手段と、
前記算出した健聴者の各周波数毎の聴力レベルと前記聴力モデルとに基づき、前記聴力検査用サウンドファイルに設定された検査音の音圧と、前記ユーザ端末装置で前記聴力検査用サウンドファイルを再生することにより実際に発生し聴き取られる検査音の音圧との対応関係を各周波数毎に算出する第3手段と、
被検者に対して聴力検査を実行するために、前記聴力検査用サウンドファイルを前記ユーザ端末装置に送信する第4手段と、
前記ユーザ端末装置に送信された聴力検査用サウンドファイルを当該ユーザ端末装置で再生することによって実行された聴力検査に対する応答が前記ユーザ端末装置から送信された場合、当該送信された聴力検査に対する応答に基づき、前記被検者の各周波数毎の聴力レベルを算出する第5手段と、
前記算出した被検者の各周波数毎の聴力レベルを前記算出した対応関係に基づいて補正する第6手段とを備えることを特徴とする聴力検査システム。 - 請求項1に記載の聴力検査システムを備え、
前記管理サーバには、各種補聴器の商品情報が記憶されており、
前記管理サーバは、前記第6手段において補正された被検者の各周波数毎の聴力レベルに適合する補聴器を前記商品情報に基づき選定し、当該選定された補聴器の商品情報を前記ユーザ端末装置に送信することを特徴とする補聴器選定システム。
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