JP4516366B2 - 聴力検査装置及びこれを用いた補聴器選定装置並びに管理サーバ及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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図1(A)は、本発明に係る補聴器選定装置の一例3の概略構成を示す図であり、図1(B)は、本発明に係る補聴器選定装置の他の例3’の概略構成を示す図である。図1(A)に示す補聴器選定装置3(聴力検査装置としても機能する)は、補聴器を選定するためのスタンドアロン型の専用機として使用されるものである。また、図1(B)に示す補聴器選定装置(聴力検査装置としても機能する)3’は、汎用のパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話機等からなり、通信回線としてのインターネット2を介して管理サーバ11に接続され、後述する各データやプログラムがダウンロードされることで補聴器選定装置として使用されたり、後述する各データやプログラムが記録されたCD−ROMやPCカード等の記録媒体mから当該各データやプログラムが読み出されることで補聴器選定装置として使用されるものである。
本動作においては、補聴器選定装置3’において、まず最初に、インターネット2を介して管理サーバ11の提供する補聴器選定用ウェブサイトにアクセスする必要がある。前記ウェブサイトには、補聴器選定用ウェブサイトを利用する上での注意事項を記載したウェブページが設けられている。具体的には、当該ウェブページには、被検者とその補助者としての健聴者の2人1組で聴力測定を行う必要があることや、イヤホンを用意する必要のあること等が記載されている。斯かる記載内容を閲覧したユーザ(被検者又は健聴者)がウェブページ上に設定された「スタート」ボタンをクリックすることにより、コンピュータ30’に記憶させるべき各データ(サウンドファイルM1や聴力モデルM2、利得補正タイプM3、音声ファイルM4、複数の被験者についての平均聴力レベルと所定の音声による最小可聴音声音圧との対応関係M5、問診データM6、各種補聴器の商品情報M7)と補聴器選定用プログラムPとをダウンロードすることで、当該ダウンロードされた各データM1〜M7が記録部61に記録される。或いは、補聴器選定装置3’の動作においては、記録媒体mをコンピュータ30’に収容し、該コンピュータ30’に収容された記録媒体mからコンピュータ30’に記憶させるべき各データM1〜M7と補聴器選定用プログラムPとを取得することで、当該取得された各データM1〜M7が記録部61に記録される。いずれにしても、補聴器選定用プログラムPを実行することで、次の問診動作に移行する。
本動作においては、補聴器選定装置3,3’において、記録されている問診データM6に対する回答が入力される。具体的には、問診用の入力画面が表示され、健聴者(補助者)は、当該入力画面に記載された問診事項に対する回答を入力する。問診事項としては、例えば、音の聞こえ方に問題があるか、仕事の騒音環境は良くないか、耳に関する病歴があるか、などの複数の設問を挙げることができる。前記入力画面には各設問に対して「はい」や「いいえ」などの複数のチェックボックスが設けられている。健聴者(補助者)は、各設問に対して何れかのチェックボックスを選択する。選択されたチェックボックスは、問診事項に対する回答として補聴器選定装置3,3’に入力される。補聴器選定装置3,3’は、前記入力された回答に基づき、健聴者であるか否かを判断する。例えば、前記問診事項に対して、「はい」のチェックボックスが一つでも選択された場合には、健聴者ではない可能性があると判断し、補助者として相応しくない旨の説明を記載したメッセージを表示した後、動作を中断するように構成することができる。一方、前記問診事項に対して全て「いいえ」のチェックボックスが選択された場合には、健聴者であると判断し、次の健聴者に対する聴力検査実行動作に移行する。
本動作においては、記憶部61,61’に記憶されている複数のサウンドファイルM1の中から適切なサウンドファイルが選択され、再生されることにより、健聴者に対する聴力検査が実行される。この際、聴力検査用画面が表示される。当該聴力検査用画面には、左右何れの耳の聴力検査を実行するか、聴力検査に対する応答方法などの聴力検査に関する説明が記載されると共に、聴力検査に対する応答の入力画面としても機能する。より具体的に説明すれば、本実施形態では、まず最初に1000Hzの周波数で50dBの音圧を有する検査音が設定されたサウンドファイルが選択され、再生される。健聴者は、補聴器選定装置3,3’に取り付けたイヤホン31を聴力検査を実行する左右何れかの耳に装着する。健聴者は、発生する検査音を聴き取ることができたタイミングで、前記聴力検査用画面に表示された所定のボタンをマウス等でクリックすればよい。前記ボタンのクリック信号は、補聴器選定装置3,3’に入力されるように構成されており、補聴器選定装置3,3’は、例えば、サウンドファイルの再生を開始してから所定時間内にクリック信号が入力されれば、前記検査音を聴き取ることができたと判断し、逆に所定時間内にクリック信号が入力されなければ、前記検査音を聴き取ることができなかったと判断する。
本動作においては、設定音圧、すなわちサウンドファイルに設定された検査音の音圧と、実音圧、すなわち補聴器選定装置3,3’でサウンドファイルを再生することにより実際に発生し聴き取られる検査音の音圧との対応関係が各周波数毎に算出される。より具体的に説明すれば、まず最初に補聴器選定装置3,3’は、前述したように、健聴者の各年齢(年齢の範囲)に応じてテーブル形式で記憶部61,61’に記憶されている複数の聴力モデルM2の中から、前述したように問診事項に対する回答と共に入力された年齢に適合する聴力モデルを選択する。次に、前述のようにして算出した健聴者の各周波数毎の聴力レベルと前記選択した聴力モデルとに基づき、設定音圧と実音圧との対応関係を算出する。
本動作において、補聴器選定装置3,3’は、記憶部61,61’に記憶されている複数のサウンドファイルM1の中から前記対応関係に応じたサウンドファイルを選択する。より具体的に説明すれば、聴力検査を実行する上で必要な実音圧としては10〜80dB程度であるため、実音圧10〜80dBに相当する設定音圧を前記対応関係に基づき算出し(例えば、前記対応関係が実音圧=設定音圧−10dBの関係であるとすれば、算出される設定音圧は20〜90dBということになる)、当該算出された設定音圧の検査音が設定されたサウンドファイルを選択する。
補聴器選定装置3,3’は、被検者の聴力検査の結果(補正後の各周波数毎の聴力レベル)に適合する補聴器を、記憶部61,61’に記憶されている商品情報M7に基づき選定する。より具体的には、例えば、以下のようにして選定する。
f=(3f1+2f2+f3)/6 ・・・(1)
f=(3f1+f2)/4 ・・・(1)’
すなわち、記憶部61、管理サーバ11や記録媒体mには、既述したように、サウンドファイルM1や聴力モデルM2の他に、利得補正タイプM3、音声ファイルM4、複数の被験者についての平均聴力レベルと所定の音声による最小可聴音声音圧との対応関係M5等が予め記憶されている。これら利得補正タイプM3、音声ファイルM4及び対応関係M5は、次のようにして求めることができる。
この表1に示す値は、所定の補聴器についての、1000Hzにおける利得(ゲイン)を基準とした各周波数(2000Hz、4000Hz)における利得の増分を意味している。例えば、利得補正タイプ4の補聴器は、1000Hz〜4000Hzのいずれの周波数についても同じ利得に設定された補聴器を意味している。また、利得補正タイプ3の補聴器は、4000Hzの周波数だけ他の周波数(1000Hz、2000Hz)よりも10dB大きな利得に設定された補聴器を意味し、或いは、利得補正タイプ5の補聴器は、1000Hz及び2000Hzの周波数が他の周波数4000Hzよりも10dB大きな利得に設定された補聴器を意味している。従って、例えば、基本的に4000Hz付近の音が他の周波数に比べ聞き取りにくい人が利得補正タイプ3の補聴器を選択し、また基本的に1000Hz及び2000Hz付近の音が他の周波数4000Hzに比べ聞き取りにくいに人が利得補正タイプ5の補聴器を選択することになる。
(7’−3−1)複数の被験者についてそれぞれ聴力検査を実行することにより算出された平均聴力レベルは、例えば、前記(6)の「補聴器の選定動作」で用いた式、すなわち、周波数1000Hzでの聴力レベルをf1(dB)、周波数2000Hzでの聴力レベルをf2(dB)、周波数4000Hzでの聴力レベルをf3(dB)としたとき、
f=(3f1+2f2+f3)/6 ・・・(1)
又は
f=(3f1+f2)/4 ・・・(1)’
のいずれかの式で算出することができる。
(7’−3−2)前記複数の被験者についてそれぞれ前記音声ファイルを再生して音声聴力検査を実行することによって算出された各利得補正タイプ毎の最小可聴音声音圧は、次の(a)〜(c)の手順で測定できる。
(a)まず、前記複数の被験者のそれぞれについての各周波数(1000Hz、2000Hz、4000Hz)毎の聴力レベルに基づいて、前記(7’−1)で記憶部61、管理サーバ11や記録媒体mに予め記憶されている利得補正タイプの中から前記複数の被験者のそれぞれに使用する音声ファイルの利得補正タイプを選定する。この利得補正タイプの選定は、
2000Hzの利得増分=(f2−f1)/2 ・・・(2)
4000Hzの利得増分=(f3−f1)/2 ・・・(3)
の各式によって算出される利得増分と、前記(7’−1)で記憶部61、管理サーバ11や記録媒体mに予め記憶しておいた利得補正タイプの利得増分との差の最小二乗和が最も小さくなるものを選定することでなされ得る。
(b)次いで、前記複数の被験者のそれぞれについて、前記(7’−2)で記憶部61、管理サーバ11や記録媒体mに記憶された音声ファイルM4の中から前記選定したタイプの音声ファイルを抽出し、5dBの音圧毎に再生して聴かせ、最小可聴音声音圧を測定する。
(c)こうして、前記複数の被験者のそれぞれについて、前記(7’−3−1)で算出した平均聴力レベルと、前記(7’−3−2)で測定した最小可聴音声音圧との関係を算出し、当該対応関係M5を記憶部61、管理サーバ11や記録媒体mに記憶しておく。さらに具体的に説明すると、記憶部61、管理サーバ11や記録媒体mにおいてLUT(ルックアップテーブル)に関するデータとして、前記(7’−3−2)で測定した最小可聴音声音圧に対して前記(7’−3−1)の平均聴力レベルに変換できる複数種類の割当テーブルを予め記憶しておく。また、前記(7’−3−2)で測定した最小可聴音声音圧に対して前記(7’−3−1)の平均聴力レベルに変換できる変換関数を記憶部61、管理サーバ11や記録媒体mに予め記憶しておいてもよい。こうして、補聴器選定装置3では、記憶部61に予め記憶しておいた情報を用いて、また補聴器選定装置3’では、管理サーバ11からダウンロードされたり、記録媒体mから取得される情報を用いて、聴力レベルの補正を行う。
図4に聴力レベルの補正を行う概略的な処理フローを示す。この動作では、以下の(7−1)で前記(5)の聴力レベルに基づく被検者の平均聴力レベルを算出しておくとともに、(7−2)〜(7−6)で音声を聴かせる音声聴力検査を実行し(図中A参照)、この結果を踏まえて(7−7)〜(7−9)で聴力レベルを補正するようにしている(図中B参照)。
f=(3f1+2f2+f3)/6 ・・・(1)
又は
f=(3f1+f2)/4 ・・・(1)’
のいずれかの式を用いることができる。
(7−2)記憶部61,61’に記憶されている前記(7’−1)の6種類の利得補正タイプM3の中から、前記(5)の「被検者に対する聴力検査実行動作」による補正によって得られた前記被検者の各周波数(1000Hz、2000Hz、4000Hz)毎の聴力レベルに適合する音声ファイルの利得補正タイプを選定する。
3,3’…補聴器選定装置
11 …管理サーバ
m …記録媒体
Claims (8)
- 聴力検査を実行するために所定の周波数及び音圧の検査音が設定された聴力検査用サウンドファイルと、健聴者の各周波数毎の平均的聴力レベルを示す聴力モデルとが記憶され、
前記記憶された聴力検査用サウンドファイルを再生する第1手段と、
前記聴力検査用サウンドファイルを再生することによって健聴者に対して実行された聴力検査に対する応答が入力された場合、当該入力された聴力検査に対する応答に基づき、前記健聴者の各周波数毎の聴力レベルを算出する第2手段と、
前記算出した健聴者の各周波数毎の聴力レベルと前記聴力モデルとに基づき、前記聴力検査用サウンドファイルに設定された検査音の音圧と、前記第1手段で前記聴力検査用サウンドファイルを再生することにより実際に発生し聴き取られる検査音の音圧との対応関係を各周波数毎に算出する第3手段と、
前記聴力検査用サウンドファイルを再生することによって被検者に対して実行された聴力検査に対する応答が入力された場合、当該入力された聴力検査に対する応答に基づき、前記被検者の各周波数毎の聴力レベルを算出する第4手段と、
前記算出した被検者の各周波数毎の聴力レベルを前記算出した対応関係に基づいて補正する第5手段とを備えることを特徴とする聴力検査装置。 - 請求項1に記載の聴力検査装置を備え、
各種補聴器の商品情報が記憶され、
前記聴力検査装置の第5手段において補正された被検者の各周波数毎の聴力レベルに適合する補聴器を前記商品情報に基づき選定することを特徴とする補聴器選定装置。 - コンピュータを備え、
前記コンピュータは、当該コンピュータに記憶させるべき前記各データと、当該コンピュータを前記各手段として機能させるための聴力検査用プログラムとを、通信回線を介して接続可能な管理サーバ及び/又は記録媒体から取得できるように構成されており、
前記コンピュータは、前記管理サーバ及び/又は前記記録媒体から前記各データと前記聴力検査用プログラムとを取得すると共に、当該取得した聴力検査用プログラムを実行することを特徴とする請求項1に記載の聴力検査装置。 - 請求項3に記載の聴力検査装置を備え、
前記コンピュータは、当該コンピュータに記憶させるべき前記各種補聴器の商品情報と、前記第5手段において補正された被検者の各周波数毎の聴力レベルに適合する補聴器を前記商品情報に基づき選定するように当該コンピュータを動作させるための補聴器選定用プログラムとを、前記管理サーバ及び/又は前記記録媒体から得ることができるように構成されており、
前記コンピュータは、前記管理サーバ及び/又は前記記録媒体から前記各種補聴器の商品情報と前記補聴器選定用プログラムとを取得すると共に、当該取得した補聴器選定用プログラムを実行することを特徴とする請求項2に記載の補聴器選定装置。 - 請求項3に記載の聴力検査装置が備えるコンピュータに通信回線を介して接続可能であり、
前記コンピュータに記憶させるべき前記各データと前記聴力検査用プログラムとがダウンロード可能に記憶されており、
前記コンピュータからの要求に応じて、前記各データ及び前記聴力検査用プログラムを通信回線を介して前記コンピュータにダウンロードすることを特徴とする管理サーバ。 - 請求項4に記載の補聴器選定装置が備えるコンピュータに通信回線を介して接続可能であり、
前記コンピュータに記憶させるべき前記各種補聴器の商品情報と前記補聴器選定用プログラムとがダウンロード可能に記憶されており、
前記コンピュータからの要求に応じて、前記各種補聴器の商品情報及び補聴器選定用プログラムを通信回線を介して前記コンピュータにダウンロードすることを特徴とする請求項5に記載の管理サーバ。 - 請求項3に記載の聴力検査装置が備えるコンピュータに記憶させるべき前記各データと前記聴力検査用プログラムとを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 請求項4に記載の補聴器選定装置が備えるコンピュータに記憶させるべき前記各種補聴器の商品情報と前記補聴器選定用プログラムとをさらに記録した請求項7に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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