JP2005136355A - 希土類焼結磁石の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁気特性を劣化することなく成形体強度を向上する。
【解決手段】 希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、前記原料合金微粉に不定形の粉体を添加して成形し、焼結を行う。不定形の粉体は、種々の形状の粒子を含み、一律にその形状を言い表すことができない。不定形の指標としては、粒度分布を挙げることができ、粒度分布が二山あるいは二つ以上の山を持つ分布であるものを言う。粉体としては、Al粉等の金属粉や、フッ素樹脂粉、金属石鹸粉、脂肪酸アミド粉等である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、希土類元素、遷移金属元素及びB(ホウ素)を主成分とする希土類焼結磁石の製造方法に関するものであり、特に、粉末冶金法により希土類焼結磁石を製造するに際し、焼結前の成形体強度を改良するための技術に関する。
希土類焼結磁石、例えばNd−Fe−B系焼結磁石は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であること等の利点を有することから、近年、その需要は益々拡大する傾向にある。このような状況から、Nd−Fe−B系焼結磁石の磁気特性を向上するための研究開発や、品質の高い希土類焼結磁石を製造するための製造方法の改良(例えば、特許文献1や特許文献2等を参照。)等が各方面において進められている。
例えば、特許文献1記載の発明では、特定の有機溶剤で希釈した潤滑剤を合金粉末に混合することで、潤滑剤の添加による成形体強度の低下を解消するようにしている。特許文献2記載の発明では、潤滑剤を添加するタイミングを変更することで、潤滑剤添加による配向度の向上等の効果を享受しつつ、粉砕機器の損耗を低減するようにしている。
特開平9−3504号公報 特開2003−68551号公報
希土類焼結磁石の製造方法としては、前述の各特許文献にも記載されるように、粉末冶金法が知られており、低コストでの製造が可能なことから、広く用いられている。粉末冶金法では、先ず、原料合金インゴットを粗粉砕及び微粉砕し、粒径が数μm程度の原料合金微粉を得る。このようにして得られた原料合金微粉を静磁場中で磁場配向させ、磁場を印加した状態でプレス成形を行う。磁場中成形後、成形体を真空中、または不活性ガス雰囲気中で焼結し、さらに時効処理を行う。
ところで、前述のような粉末冶金法により希土類焼結磁石を作製する場合、焼結前の成形体が圧粉体であるために強度が弱く、そのため成形が困難であるという問題がある。また成形体強度が不足すると、成形体をハンドリングする際に割れや欠けが生じ易くなり、これを原因とした歩留まり低下が問題となる。
したがって、希土類焼結磁石を粉末冶金法により製造する場合には、成形体強度を改善するための技術の開発が望まれるところである。成形体強度に関する記述は、先の特許文献1にも見られるが、この特許文献1記載の技術は、潤滑剤の添加による強度低下を解消するというのが主旨であり、成形性に主眼が置かれており、積極的に成形体強度を高めるという思想はない。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、磁気特性を劣化することなく成形体強度を向上し得る技術を開発することを目的とし、これにより、磁気特性に優れた希土類焼結磁石を歩留まり良く製造し得る希土類焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の目的を達成するために、長期に亘り種々の検討を重ねてきた。その結果、原料合金微粉への不定形の粉体の添加が有効であるとの結論を得るに至った。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、前記原料合金微粉に不定形の粉体を添加して成形し、焼結を行うことを特徴とする。あるいは、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、粒度分布が少なくとも二つピークを持つ粉体を添加してある前記原料合金微粉を成形し、焼結を行うことを特徴とする
原料合金微粉の成形に際して、不定形あるいは粒度分布が少なくとも二つピークを持つ粉体を添加することにより、成形体強度が向上する。その理由について、詳細は不明であるが、実験的に確かめられた事実である。このとき、添加する粉体が磁気特性劣化の原因となることはなく、焼結後に得られる希土類焼結磁石において、磁気特性が劣化することもない。
不定形あるいは粒度分布が少なくとも二つピークを持つ粉体の添加時期は、溶解鋳造した原料合金を粉砕した後、成形する前であれば任意であり、例えば粗粉砕後、あるいは微粉砕後のいずれでもよいが、例えば粉体として金属粉等を用いる場合には、なるべく粉砕が進んだ状態で添加することにより成形体強度の向上度合いが大きくなる。
本発明の製造方法によれば、焼結前の成形体の強度を向上することができ、成形を容易なものとすることができ、成形体をハンドリングする際に割れや欠けが発生するのを抑制することができる。したがって、成形体の割れや欠け等による歩留まりの低下を減少することができ、希土類焼結磁石を効率的に製造することが可能である。また、本発明によれば、焼結後の希土類焼結磁石の磁気特性を劣化することもなく、保磁力や残留磁束密度等の磁気特性に優れた希土類焼結磁石を製造することが可能である。
以下、本発明を適用した希土類焼結磁石の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の製造方法において、製造対象となる希土類焼結磁石は、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を主成分とするものである。磁石組成は、目的に応じて任意に選択すればよい。
例えば、R−T−B(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である。TはFeまたはFe及びCoを必須とする遷移金属元素の1種または2種以上であり、Bはホウ素である。)系希土類焼結磁石とする場合、磁気特性に優れた希土類焼結磁石を得るためには、焼結後の磁石組成において、希土類元素Rが20〜40重量%、ホウ素Bが0.5〜4.5重量%、残部が遷移金属元素Tとなるような配合組成とすることが好ましい。ここで、Rは、希土類元素、すなわちY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb及びLuから選ばれる1種、または2種以上である。中でも、Ndは、資源的に豊富で比較的安価であることから、主成分をNdとすることが好ましい。また、Dyの含有は異方性磁界を増加させるため、保磁力Hcjを向上させる上で有効である。
あるいは、添加元素Mを加えて、R−T−B−M系希土類焼結磁石とすることも可能である。この場合、添加元素Mとしては、Al、Cr、Mn、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Zr、Ti、Mo、Bi、Ga等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を選択して添加することができる。これら添加元素Mの添加量は、残留磁束密度等の磁気特性を考慮して、3重量%以下とすることが好ましい。添加元素Mの添加量が多すぎると、磁気特性が劣化するおそれがある。
勿論、これら組成に限らず、希土類焼結磁石として従来公知の組成全般に適用可能であることは言うまでもない。
上述の希土類焼結磁石を製造するには、粉末冶金法が採用される。以下、希土類焼結磁石の粉末冶金法による製造方法について説明する。
図1は、粉末冶金法による希土類焼結磁石の製造プロセスの一例を示すものである。この製造プロセスは、基本的には、合金化工程1、粗粉砕工程2、微粉砕工程3、磁場中成形工程4、焼結・時効工程5、加工工程6、及び表面処理工程7とにより構成される。なお、酸化防止のために、焼結後までの各工程は、ほとんどの工程を真空中、あるいは不活性ガス雰囲気中(窒素雰囲気中、Ar雰囲気中等)で行う。
合金化工程1では、原料となる金属、あるいは合金を磁石組成に応じて配合し、真空あるいは不活性ガス、例えばAr雰囲気中で溶解し、鋳造することにより合金化する。鋳造法としては、溶融した高温の液体金属を回転ロール上に供給し、合金薄板を連続的に鋳造するストリップキャスト法(連続鋳造法)が生産性等の観点から好適であるが、本発明はそれに限ったものではない。原料金属(合金)としては、純希土類元素、希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。凝固偏析を解消すること等を目的に、必要に応じて溶体化処理を行ってもよい。溶体化処理の条件としては、例えば真空またはAr雰囲気下、700〜1500℃領域で1時間以上保持する。
合金はほぼ最終磁石組成である単一の合金を用いても、最終磁石組成になるように、組成の異なる複数種類の合金を混合してもよいも良い。混合は合金・原料粗粉・原料微粉のどの工程でもよいが、混合性から合金での混合が望ましい。
粗粉砕工程2では、先に鋳造した原料合金の薄板、あるいはインゴット等を、粒径数百μm程度になるまで粉砕する。粉砕手段としては、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いることができる。粗粉砕性を向上させるために、水素を吸蔵させた後、粗粉砕を行うことが効果的である。
前記粗粉砕工程2は、複数の粉砕手段を組み合わせた複数工程により構成することも可能である。図2は、粗粉砕工程2を、水素粉砕工程2aと、機械的粗粉砕工程2bの2工程とした例である。水素粉砕工程2aは、鋳造した原料合金に水素を吸蔵させ、相によって水素吸蔵量が異なることを利用して、自己崩壊的に粉砕する工程である。これにより、粒径数mm程度の大きさに粉砕することができる。機械的粗粉砕工程2bは、先にも述べたようなブラウンミル等の機械的手法を利用して粉砕する工程であり、前記水素粉砕工程2aにより数mm程度の大きさに粉砕された原料合金粉を、粒径数百μm程度になるまで粉砕する。水素粉砕工程2aを行う場合、機械的粗粉砕工程2bは省略することも可能である。
前述の粗粉砕工程2が終了した後、通常、粗粉砕した原料合金粉に粉砕助剤を添加する。粉砕助剤としては、例えば脂肪酸系化合物等を使用することができるが、特に、脂肪酸アミドを粉砕助剤として用いることで、良好な磁気特性を有する希土類焼結磁石を得ることができる。粉砕助剤の添加量としては、0.03〜0.4重量%とすることが好ましい。この範囲内で粉砕助剤を添加した場合、焼結後の残留炭素の量を低減することができ、希土類焼結磁石の磁気特性を向上させる上で有効である。
粗粉砕工程2の後、微粉砕工程3を行うが、この微粉砕工程3は、例えばジェットミルを使用して行われる。微粉砕の際の条件は、用いる気流式粉砕機に応じて適宜設定すればよく、原料合金粉を平均粒径が1〜10μm程度、例えば3〜6μmとなるまで微粉砕する。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)を狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粉体の粒子を加速し、粉体の粒子同士の衝突や、ターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。ジェットミルは、一般的に、流動層を利用するジェットミル、渦流を利用するジェットミル、衝突板を用いるジェットミル等に分類される。
微粉砕工程3の後、磁場中成形工程4において、原料合金微粉を磁場中にて成形する。具体的には、微粉砕工程3にて得られた原料合金微粉を電磁石を配置した金型内に充填し、磁場印加によって結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。磁場中成形は、縦磁場成形、横磁場成形のいずれであってもよい。この磁場中成形は、例えば800〜1500kA/mの磁場中で、130〜160MPa前後の圧力で行えばよい。
次に焼結・時効工程5において、焼結及び時効処理を実施する。すなわち、原料合金微粉を磁場中成形後、成形体を真空または不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、例えば1000〜1150℃で5時間程度焼結すればよく、焼結後、急冷することが好ましい。焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことが好ましい。この時効処理は、得られる希土類焼結磁石の保磁力Hcjを制御する上で重要な工程であり、例えば不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で時効処理を施す。時効処理としては、2段時効処理が好ましく、1段目の時効処理工程では、800℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温〜200℃の範囲内にまで急冷する第1急冷工程を設ける。2段目の時効処理工程では、550℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温まで急冷する第2急冷工程を設ける。600℃近傍の熱処理で保磁力Hcjが大きく増加するため、時効処理を一段で行う場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
前記焼結・時効工程5の後、加工工程6及び表面処理工程7を行う。加工工程6は、所望の形状に機械的に成形する工程である。表面処理工程7は、得られた希土類焼結磁石の酸化を抑えるために行う工程であり、例えばメッキ被膜や樹脂被膜を希土類焼結磁石の表面に形成する。
以上の製造プロセスにおいて、本発明では、原料合金微粉に成形助剤として不定形の粉体、あるいは粒度分布が少なくとも二つピークを持つ粉体を添加し、磁場中成形工程4において成形するようにする。ここで、粉体の添加時期は、合金化工程1により原料合金を溶解鋳造し、粉砕した後、磁場中成形工程4において磁場中成形するまでの間であればよい。例えば、図1に示す製造プロセスの場合、微粉砕工程3の後(図中、添加時期A)、あるいは粗粉砕工程2の後(図中、添加時期B)である。図2に示す製造プロセスの場合、微粉砕工程3の後(図中、添加時期A)、機械的粗粉砕工程2bの後(図中、添加時期B)、あるいは水素粉砕工程2aの後(図中、添加時期C)である。
粉体の混合方法は、公知の混合方法で混合すればよく、例えば、Vミキサー、リボンミキサーなど均一に混合されればどのような方法でも良い。
使用する粉体は、第1の発明では、その形状が不定形であることが必要である。ここで、粉体が不定形であることは、例えば顕微鏡に観察することにより判別することができる。粒子の形状が一律ではなく、様々な形状の粒子が入り交じった状態が不定形である。すなわち、粉体が不定形である指標としては、いわゆる矩形、平行四辺形、菱形、六角形、球形、回転楕円体等、規則的な形状として略称ができる形状の粒子の割合が、視野内において30%以上を占めることがない状態を言う。
第2の発明では、使用する粉体は、その粒度分布において、少なくとも2つのピークを持つものであることが必要である。通常の粉体では、構成する粒子の粒度分布は正規分布に近いものとなり、1つのピークを有する。本発明では、このような粒度分布に1つのピークを有する粉体を用いるのではなく、2つ以上のピークを有する粒度分布に特徴がある粉体を用いる。
また、添加する粉体としては、任意の粉体を使用することが可能であるが、例示するならば、Al粉、Ni粉、Zr粉、Mn粉等の金属粉や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のパーフルオロ樹脂の粉末やテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等の部分フッ素化樹脂の粉末等のフッ素樹脂粉、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸粉、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド粉等を挙げることができる。
不定形あるいは粒度分布が少なくとも二つピークを持つ粉体の添加量は、粉体の種類によっても最適範囲が異なるが、概ね原料合金微粉に対して0.02重量%以上、0.5重量%以下とすることが好ましい。不定形あるいは粒度分布が少なくとも二つピークを持つ粉体の添加量が0.02重量%未満であると、十分な効果を得ることが難しくなる。不定形あるいは粒度分布が少なくとも二つピークを持つ粉体の添加量が0.5重量%を越えると、磁気特性の劣化が問題となるおそれがある。
添加した粉体は、例えば金属粉である場合には、焼結後には原料合金と合金化して取り込まれる。粉体がフッ素樹脂粉や金属石鹸粉、脂肪酸アミド粉等の有機材料粉の場合には、焼結後に揮発、消失する。
次に、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
希土類焼結磁石の作製
原料合金の組成としては、Nd24.5重量%、Pr6.0重量%、Dy1.8重量%、Co0.5重量%、Al0.2重量%、Cu0.07重量%、B1.0重量%、残部Feとした。原料となる金属あるいは合金を前記組成となるように配合し、ストリップキャスト法により原料合金薄板を溶解、鋳造した。
得られた原料合金薄板を水素粉砕した後、ブラウンミルにて粗粉砕を行い原料合金粗粉を得る。原料合金粗粉に粉砕助剤としてオレイン酸アミド0.1重量%を添加した。次いで、気流式粉砕機(ジェットミル)を使用して高圧窒素ガス雰囲気中で微粉砕を行い、平均粒径D50=4.1μmの原料合金微粉を得た。
この原料合金微粉に成形助剤となる粉体を添加し、乳鉢で混合した。得られた各粉体を磁場中成形し、所定の形状の成形体を得た。磁場中成形では、前記粉体を1200kA/mの磁場中において、成形圧147MPaで成形した。磁場方向はプレス方向と垂直な方向である。
磁場中成形した成形体を、焼結し、時効処理を行って希土類焼結磁石を作製した。焼結は、焼結温度1030℃とし、真空中において4時間焼結した。時効は、2段時効処理とし、1段目は900℃、1時間、2段目は530℃、1時間とした。
評価
前記希土類焼結磁石の作製において、先ず、磁場中成形により成形された成形体の抗折強度を測定した。抗折強度は、日本工業規格JIS R 1601に準じて行った。すなわち、図3に示すように、成形体11を丸棒状の2本の支持具12,13の上に載置し、成形体11上の中央位置にやはり丸棒状の支持具14を配置して荷重を加えた。成形体11のチップサイズは、20mm×18mm×6mmとした。また、抗折圧を加える方向は、プレス方向とした。
また、作製した各希土類焼結磁石について、保磁力Hcj及び残留磁束密度Brを測定した。測定は、B−Hトレーサーを用いて行った。
Mn粉に関する検討
成形助剤として不定形のMn粉を表1に示す添加量で添加し、試料1〜試料4を作製した。図4に、使用した不定形のMn粉の顕微鏡写真を示す。この不定形のMn粉は、棒状、角形、板状等、種々の形状の粒子を含んでいる。比較のため、角形のMn粉を成形助剤として使用し、試料5〜試料7を作製した。図5に、使用した角形のMn粉の顕微鏡写真を示す。角形のMn粉は、若干の形状の相違はあるものの、基本的には粒子形状は角形に揃っている。これらMn粉の粒度分布の相違を図6に示す。角形のMn粉は、その粒度分布においてピークは1つであるが、不定形のMn粉では、粒度分布において2以上のピークが認められる。粒子形状の観察には電子顕微鏡を用い、粒度分布の測定はレーザー回折・散乱法を用いた。作製した各試料におけるMn粉の添加量、成形体の抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表1に示す。
Figure 2005136355
この表1から、不定形のMn粉を添加することによって、角形のMn粉を用いた場合に比べて成形体の抗折強度が向上していることがわかる。また、いずれの試料においても、磁気特性の劣化は見られなかった。
Zr粉に関する検討
成形助剤として不定形のZr粉を表2に示す添加量で添加し、試料8〜試料11を作製した。図7に、使用した不定形のZr粉の顕微鏡写真を示す。この不定形のMn粉は、棒状、角形、板状等、種々の形状の粒子を含んでいる。比較のため、板状のZr粉を成形助剤として使用し、試料12〜試料14を作製した。図8に、使用した板状のZr粉の顕微鏡写真を示す。板状のZr粉は、若干の形状の相違はあるものの、基本的には粒子形状は板状に揃っている。これらZr粉の粒度分布の相違を図9に示す。板状のZr粉は、その粒度分布においてピークは1つであるが、不定形のZr粉では、粒度分布において2つのピークが認められる。作製した各試料におけるZr粉の添加量、成形体の抗折強度、磁気特性(保磁力Hcj及び残留磁束密度Br)を表2に示す。
Figure 2005136355
この表2から、不定形のZr粉を添加することによって、板状のZr粉を用いた場合に比べて成形体の抗折強度が向上していることがわかる。また、いずれの試料においても、磁気特性の劣化は見られなかった。
希土類焼結磁石の製造プロセスの一例を示すフローチャートである。 希土類焼結磁石の製造プロセスの他の例を示すフローチャートである。 抗折強度の測定法を説明する概略斜視図である。 不定形のMn粉の顕微鏡写真である。 角形のMn粉の顕微鏡写真である。 不定形のMn粉と角形のMn粉の粒度分布の相違を示す特性図である。 不定形のZr粉の顕微鏡写真である。 板状のZr粉の顕微鏡写真である。 不定形のZr粉と板状のZr粉の粒度分布の相違を示す特性図である。
符号の説明
1 合金化工程、2 粗粉砕工程、2a 水素粉砕工程、2b 機械的粗粉砕工程、3 微粉砕工程、4 磁場中成形工程、5 焼結・時効工程、6 加工工程、7 表面処理工程、11 成形体、12,13,14 支持具

Claims (5)

  1. R(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である)、T(TはFe又はFe、Coを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素)及びBを含む原料合金微粉を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、不定形の粉体を添加してある前記原料合金微粉を成形し、焼結を行うことを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
  2. R(Rは希土類元素の1種又は2種以上、但し希土類元素はYを含む概念である)、T(TはFe又はFe、Coを必須とする1種又は2種以上の遷移金属元素)及びBを含む原料合金微粉を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、粒度分布が少なくとも二つピークを持つ粉体を添加してある前記原料合金微粉を成形し、焼結を行うことを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。
  3. 原料合金を粗粉砕する粗粉砕工程及び微粉砕する微粉砕工程を有し、前記微粉砕工程後に粉体を添加することを特徴とする請求項1又は2記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  4. 原料合金を粗粉砕する粗粉砕工程及び微粉砕する微粉砕工程を有し、前記粗粉砕工程後に粉体を添加することを特徴とする請求項1又は2記載の希土類焼結磁石の製造方法。
  5. 原料合金を粗粉砕する粗粉砕工程及び微粉砕する微粉砕工程を有するとともに、前記粗粉砕工程は水素粉砕工程と機械的粗粉砕工程とを有し、前記水素粉砕工程後に粉体を添加することを特徴とする請求項1又は2記載の希土類焼結磁石の製造方法。
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