JP2005136128A - 太陽電池モジュール用封止材及びこれを用いた太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ラミネーターによる加熱、加圧で封止材が軟化溶融して横方向に広がる。それらに伴いセルストリングも動き、横方向配線に応力がかかり、それにより太陽電池素子と接続配線の接続強度が低下したり、セルストリングとセルストリングの間隔が不統一になり、太陽電池モジュールの外観が悪化したりする。
【解決手段】 太陽電池素子をこの太陽電池素子の受光面側と裏面側から挟持し、減圧下にて加熱加圧し、一体化するための一対のシート状の太陽電池モジュール用封止材であって、これらの太陽電池モジュール用封止材の少なくとも一方の前記太陽電池素子と対向する面に、前記太陽電池素子を所定の部位に配置ための位置決め用凸部を設けるとともに、この位置決め用凸部材が、前記太陽電池モジュール用封止材と異なる材質から成っていることを特徴とする太陽電池モジュール用封止材。
【選択図】 図2
【解決手段】 太陽電池素子をこの太陽電池素子の受光面側と裏面側から挟持し、減圧下にて加熱加圧し、一体化するための一対のシート状の太陽電池モジュール用封止材であって、これらの太陽電池モジュール用封止材の少なくとも一方の前記太陽電池素子と対向する面に、前記太陽電池素子を所定の部位に配置ための位置決め用凸部を設けるとともに、この位置決め用凸部材が、前記太陽電池モジュール用封止材と異なる材質から成っていることを特徴とする太陽電池モジュール用封止材。
【選択図】 図2
Description
本発明は太陽電池モジュール用封止材及びこれを用いた太陽電池モジュールの製造方法に関し、特にラミネート中のセルストリングの移動による歪みを防止し、太陽電池素子間の間隔のそろった外観上の仕上がりの良い太陽電池モジュールを作製するため用いる太陽電池モジュール用封止材及びこれを用いた太陽電池モジュールの製造方法に関する。
太陽電池素子は単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製することが多い。このため太陽電池素子は物理的衝撃に弱く、また野外に太陽電池を取り付けた場合に、雨などからこれを保護する必要がある。また、太陽電池素子1枚では発生する電気出力が小さいため、複数の太陽電池素子を直並列に接続して、実用的な電気出力が取り出せるようにする必要がある。このため複数の太陽電池素子を直列または並列に接続して透光性基板と裏面シートの間にエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などを主成分とする封止材で封止して太陽電池モジュールを作製することが通常行われている。
図5は従来の太陽電池モジュール内の太陽電池素子の接続の状態の一例を示したものである。
図5において、1は太陽電池素子、2は接続用配線、3はセルストリング、4は横方向配線を示す。
太陽電池素子1は、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板で造られたものであり、接続用配線2、横方向配線4は銅箔にハンダコートしたものである。またセルストリング3は太陽電池素子1を直線上に接続用配線2により数個(図5の例では5個)直列又は並列に接続したものである。
また、太陽電池モジュールでは、通常複数のセルストリング3がさらに横方向配線4により電気的に接続されている。
このような接続をおこなった太陽電池素子3を上述のようにエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などを主成分とする封止材で挟持し、さらにそれの各々の面に透光性基板、裏面シートを配置する。
これらの積層したものをラミネーターと呼ばれ装置にセットし、減圧下で加熱しながら押圧し一体化し太陽電池パネル部を作製する。
上述のようにラミネーターによる加熱、加圧で封止材が軟化溶融して横方向に広がる。それらに伴いセルストリング3も動き、横方向配線に応力がかかり、それにより太陽電池素子3と接続配線2の接続強度が低下したり、セルストリング3とセルストリング3の間隔が不統一になり、太陽電池モジュールの外観が悪化したりする。
このラミネートによるセルストリング3の移動の対策として、セルストリング3とセルストリング3の列間をアクリル糊を塗布したPETテープで固定することが行われている。(特許文献1の従来の技術参照)。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のようなものがある。
特開2002−134768号公報
上述のようなセルストリング3とセルストリング3の列間をテープで固定する方法では、この列間が開く方向には有効であったが、さらにラミネート後には裏面シートの熱収縮の発生などがあり、列間が小さくなる方向には効果がなかった。
さらに太陽電池モジュールの生産工程において、テープを貼る時間を必要とするため工数が増加すると共にテープのコストがかかり、コストアップの要因となる。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は作業性の良い簡便でかつラミネート中のセルストリングの移動を防止し、安価でセルストリングの列間の間隔が整った外観の見栄えの良い太陽電池モジュールを製造するための太陽電池モジュール用封止材を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、作業性の良い簡便でかつラミネート中のセルストリングの移動を防止し、安価でセルストリングの列間の間隔が整った外観の見栄えの良い太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の太陽電池モジュール用封止材は、太陽電池素子をこの太陽電池素子の受光面側と裏面側から挟持し、減圧下にて加熱加圧し、一体化するための一対のシート状の太陽電池モジュール用封止材であって、これらの太陽電池モジュール用封止材の少なくとも一方の前記太陽電池素子と対向する面に、前記太陽電池素子を所定の部位に配置ための位置決め用凸部を設けるとともに、この位置決め用凸部材が、前記太陽電池モジュール用封止材と異なる材質から成っていることを特徴とする。
また、本発明の他の太陽電池モジュール用封止材は、前記位置決め用凸部材のメルトフローレートが、前記太陽電池モジュール用封止材のメルトフローレートより小さいことを特徴とする。
また、本発明の他の太陽電池モジュール用封止材は、前記太陽電池モジュール用封止材のメルトフローレートが4.0〜8.5g/10分であり、前記位置決め用凸部材のメルトフローレートが0.8〜3.8g/10分であることを特徴とする。
また、本発明の太陽電池モジュール製造方法は、順次下記(1)〜(5)の各工程を経た後、減圧下にて加熱加圧して一体化したことを特徴とする。
(1)透光性基板の上に請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材を配する。
(2)上記請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材の上に複数の太陽電池素子を配置する。
(3)上記太陽電池素子群を配線により電気的に接続する。
(4)上記太陽電池素子群の上に請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材を配する。
(5)上記請求項1にないし3記載の他方の太陽電池モジュール用封止材の上に裏面シートを配する。
また、本発明の太陽電池モジュール製造方法は、順次下記(1)〜(5)の各工程を経た後、減圧下にて加熱加圧して一体化したことを特徴とする。
(1)透光性基板の上に請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材を配する。
(2)上記請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材の上に複数の太陽電池素子を配置する。
(3)上記太陽電池素子群を配線により電気的に接続する。
(4)上記太陽電池素子群の上に請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材を配する。
(5)上記請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材の上に裏面シートを配する。
また、本発明の太陽電池モジュール製造方法は、順次下記(1)〜(5)の各工程を経た後、減圧下にて加熱加圧して一体化したことを特徴とする。
(1)裏面シートの上に請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材を配する。
(2)上記請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材の上に複数の太陽電池素子を配置する。
(3)上記太陽電池素子群を配線により電気的に接続する。
(4)上記太陽電池素子群の上に請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材を配する。
(5)上記請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材の上に透光性基板を配する。
また、本発明の太陽電池モジュール製造方法は、順次下記(1)〜(5)の各工程を経た後、減圧下にて加熱加圧して一体化したことを特徴とする。
(1)裏面シートの上に請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材を配する。
(2)上記請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材の上に複数の太陽電池素子を配置する。
(3)上記太陽電池素子群を配線により電気的に接続する。
(4)上記太陽電池素子群の上に請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材を配する。
(5)上記請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材の上に透光性基板を配する。
本発明に係る太陽電池モジュール用封止材および太陽電池モジュールの製造方法によれば、ラミネート中の加熱と押圧により封止材が軟化溶融して横方向に広がるが、封止材のセルストリングはそれが置かれていない部分に設けられた凸部により動きが制限され、セルストリング同士の間隔が広がる方向にも小さくなる方向にも歪むことがなくなり、これにより太陽電池モジュールの横方向配線に応力がかかることが無くなり、太陽電池素子と接続配線の接続強度が低下することがない。またセルストリングとセルストリングの間隔が統一され、外観の良好な太陽電池モジュールを提供することができる。
さらにこの凸部材のメルトフローレートが、それが設置している受光面側封止材または裏面側封止材のメルトフローレートより小さくすることによりラミネート中でもその凸形状を維持することができ、その効果を確実なものとすることができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法における太陽電池モジュール部の構造の一例を示す図である。
図1において、11は透光性基板、12は受光面側封止材、13は太陽電池素子、14は裏面側封止材、15は裏面シート、16は接続用配線、17は出力配線を示す。
透光性基板11としては、ガラスやポリカーボネート樹脂などからなる基板が用いられる。ガラス板ついては、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどが用いられるが、一般的には厚さ3mm〜5mm程度の白板強化ガラスが使用される。他方、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂からなる基板を用いた場合には、厚みが5mm程度のものが多く使用される。
太陽電池モジュール用封止材である受光面側封止材12は、透光性、耐熱性、電気絶縁性を有する素材が好適に用いられ、たとえば酢酸ビニル含有量が20〜30%であるエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)やポリビニルブチラール(PVB)などを主成分とする熱可塑性の合成樹脂材が好適に用いられる。また、厚さ0.4〜1mm程度のシート状形態のものが用いられる。上記のEVAなどは、酸化チタンや顔料等を含有させ白色等に着色させることがあるが、本発明に係る太陽電池モジュール用封止材である受光面側封止材12においては、着色させると太陽電池素子13に入射する光量が減少し発電効率が低下するため透明とする。
太陽電池素子13は、厚み0.3〜0.4mm程度の単結晶シリコンや多結晶シリコン基板などからなる。太陽電池素子13の内部にはPN接合が形成され、その受光面と裏面には電極が設けられ、さらに受光面には反射防止膜を設けて構成される。かかる太陽電池素子13の大きさは、多結晶シリコン太陽電池でおよそ100〜150mm角程度のものが多い。
太陽電池モジュール用封止材である裏面側封止材14は、耐熱性、電気絶縁性を有する素材が好適に用いられ、たとえば酢酸ビニル含有量が20〜30%であるエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)やポリビニルブチラール(PVB)などを主成分とする合成樹脂材により構成され、厚さ0.4〜1mm程度のシート状形態のものが用いられる。
また、太陽電池モジュール用封止材である裏面側封止材14に用いるEVAなどは透明でも構わないし、太陽電池モジュールの周囲の設置環境に合わせ酸化チタンや顔料等を含有させ白色等に着色させても構わない。
裏面シート15は水分を透過しないようにアルミなどの金属箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂シートやアルミナまたはシリカなどの無機酸化物を蒸着したポリエチレンテレフタレ−ト(PET)シートなどが用いられる。
これらはラミネート装置によりいったん減圧してから加熱加圧を行うことで、融着して他の部材と一体化する。
さらに太陽電池モジュール用封止材である受光面側封止材12、裏面側封止材14の少なくともどちらかは、シート状の太陽電池モジュール用封止材であるベース材と位置決め用凸部材から成り、ラミネート前の状態でベース材のセルストリング3が配置されない部分の全部または一部分に位置決め用凸部材が設置されている。
図2は本発明に係る太陽電池モジュール用封止材である受光面側封止材12または裏面側封止材14の一例の外観を示したものである。図2において19はシート状の太陽電池モジュール用封止材であるベース材、20はセルストリング3が配置される部分、25はセルストリング3が配置されない部分21に設置された凸部材を示す。
ベース材19は厚みが0.4〜1mm程度のシート状のEVAなどの合成樹脂である。凸部材25の厚みは、接続用配線16を接続した太陽電池素子13の厚み分だけすなわち0.4から0.9mm程度にする。またその幅はセルストリングの間隔と同じか太陽電池素子13同士を接続するときのずれ等を考慮して、それより1〜5mm程度大きめにする。
図3は図2のa−a’の断面を示す図である。図3(a)は凸部材25をベース材19に設置する前の状態を示すものであり、図3(b)凸部材25をベース材19に設置した後の状態を示すものである。
凸部材25に絶縁性のある石英などの無機酸化物、合成樹脂などが使用できる。
凸部材25の材質に、例えばEVAなどの合成樹脂を使う場合、押し出し成形や金型によりEVAなどの合成樹脂からなるシートを加熱しながらプレスし、冷却後脱型する方法などで、その断面形状が台形に作製できる。この凸部材25を図3(b)に示すように熱融着や超音波融着などで固定する。
このようにこの凸部材25に太陽電池モジュール用封止材のベース材19と異なる材質を使うことにより、ベース材19からなる受光面側封止材12、裏面側封止材14の少なくともどちらかのセルストリング3が配置されない部分に凸部材25を設置し、セルストリング3はそれが置かれていない部分に設けられた凸部材25により動きが制限され、太陽電池素子を封止する工程である減圧下にて加熱加圧のとき、凸部材25が少なくともベース材19より遅く軟化ように凸部材25の材質を選定するとよい。
こうしてセルストリング同士の間隔が広がる方向にも小さくなる方向にも歪むことがなくなり、これにより太陽電池モジュールの横方向配線に応力がかかることが無くなり、太陽電池素子と接続配線の接続強度が低下することがない。またセルストリングとセルストリングの間隔が統一され、外観の良好な太陽電池モジュールを提供することができる。
また凸部材25のJIS、K7210で規定されたメルトフローレートは、ベース材19のメルトフローレートより小さいものであることが望ましい。すなわち凸部材25のメルトフローレートをベース材19のメルトフローレートより小さくすることにより、ラミネート時の加圧、加熱においてベース材19のEVAが軟化溶融した場合でも、凸部材25のEVAはそのメルトフローレートが小さいため、その形状を維持することができる。このため上述のセルストリングのラミネート中の動きを制限する効果を確実なものとすることができる。
尚、合成樹脂のメルトフローレートについては、例えばEVAの場合、EVAのベースポリマーであるエチレンビニルアセテートや酢酸ビニルの配合比率を変えることにより最適なものに変更することが可能である。
本発明者らが繰り返し行なった実験結果によれば、ベース材19のEVAのメルトフローレートは、4.0〜8.5g/10分が最適であり、4.0g/10分未満になるとラミネート時の溶融で太陽電池素子の周りにEVAが回り込まず太陽電池素子の封止が不十分になり、気泡が発生する。また8.5g/10分を超えるものを使用するとラミネート時のEVAのパネル部分からのはみ出しが多くなり、太陽電池素子を封止するためのEVAの量が十分でなくなってしまう。
このためベース材のEVAのメルトフローレートは、4.0〜8.5g/10分としたときに、凸部材25のメルトフローレートは0.8〜3.8g/10分が最適であった。すなわち0.8g/10分未満であると凸部材25の周囲に気泡が残り太陽電池モジュールの外観が悪くなりまた、3.8g/10分を超えるとラミネート中に凸部材25の凸形状を維持できずにセルストリングの歪みが生じることがあった。
図4は本発明に係る太陽電池モジュール用封止材である受光面側封止材12または裏面側封止材14の別の実施例の外観を示したものである。図4において22はセルストリング3が配置される部分、26はセルストリング3が配置されない部分23に設けられた四角錐台状の凸部材、24はシート状の太陽電池モジュール用封止材であるベース材を示す。ベース材24の厚みは0.4〜1mm程度で、またセルストリング3が配置されない部分23に設けられた四角錐台状の凸部材26の厚みは、接続用配線16を接続した太陽電池素子13の厚み分だけすなわち0.4から0.9mm程度にする。またその一辺の幅はセルストリングの間隔と同じかそれより1〜5mm程度大きめにする。図3においては凸部材23の形状は四角錐台状のものであるが、この形状に限定されるものではなく、その底面は他の多角形でも良いし、円錐台状や角柱状、円柱状などでも構わない。
図4に示すような四角錐台状の凸部材26の作製は、この形状と反対の凹凸面を持つ金型によりEVAシートを加熱しながらプレスし、冷却後脱型する方法などで可能である。この凸部材26を図4に示すように熱融着や超音波融着などで固定する。
太陽電池素子13は、厚み0.3〜0.4mm程度の単結晶シリコンや多結晶シリコン基板などからなる。このようなシリコン基板の内部にはPN接合が形成されるとともに、その受光面と裏面には電極が設けられ、さらに受光面には反射防止膜を設けて構成される。かかる太陽電池素子13の大きさは、多結晶シリコン太陽電池でおよそ100〜150mm角程度のものが多い。通常この太陽電池素子13を複数個銅箔等の接続用配線16により直列または並列に接続して用いる。
接続用配線16は太陽電池素子同士を電気的に接続するもので、通常厚さ0.1mm程度、幅2mm程度の銅箔の全面をハンダコートしたものを、所定の長さに切断し、太陽電池素子13の電極上にハンダ付けして用いる。
出力配線17は太陽電池素子13により発電された電気出力を太陽電池モジュール裏面に設けられる端子ボックス(不図示)に伝えるものであり、通常厚さ0.1mm程度、幅2mm程度の銅箔の全面をハンダコートしたものを、所定の長さに切断し、その一端は接続用配線16等にハンダ付けされ、他端は端子ボックス内のターミナルにハンダ付けされている。
太陽電池モジュールを製造するにあたっては、透光性部材11上に凸部材を設置した受光面側封止材12を凸部材のある面を上にして置く。この受光面側封止材12の凸部材の設置されていない部分に接続用配線16や出力配線17を接続した太陽電池素子13を置き、さらにその上に裏面側封止材14、背面材15を順次積層する。このような状態にして、ラミネーターにセットし、減圧下で押圧ながら100〜200℃で例えば15分〜1時間加熱しこれらを一体化する。
上記の方法は、受光面側封止材12に凸部材を設置した場合について説明したが、裏面側封止材14に凸部材を設置した場合については、透光性部材11上に受光面側封止材12、接続用配線16や出力配線17を接続した太陽電池素子13を所定の位置に置く。これに凸部材を設置した裏面側封止材14を凸部材のある面を下側にして、さらにこの凸部材が太陽電池素子13の無い部分に合うように調整しながら積層する。この上に裏面シート15をさらに積層する。このようにして上記のようにラミネートすることで可能である。
また別の製造方法として、裏面シート15上に凸部材を設置した裏面側封止材14を凸部材のある面を上にして置く。この裏面側封止材14の凸部材の設置されていない部分に接続用配線16や出力配線17を接続した太陽電池素子13を置き、さらにその上に受光面側封止材12、透光性部材11を順次積層する。このようにして上記のようにラミネートすることでも可能である。
上記の方法は、裏面側封止材14に凸部を設けた場合について説明したが、受光面側封止材12に凸部材を設けた場合については、裏面シート15上に裏面側封止材12、接続用配線16や出力配線17を接続した太陽電池素子13を積層する。これに凸部材を設置した受光面側封止材12を凸部材のある面を下側にして、さらに凸部材が太陽電池素子13の無い部分に合うように調整しながら積層する。この上に透光性部材11をさらに積層する。このようにして上記のようにラミネートすることで可能である。
また、上記の太陽電池モジュールの製造方法において、受光面側封止材12と裏面側封止材14ともに凸部を設けた場合についても、例えば受光面側封止材12と裏面側封止材14の両者に互いがラミネート時に同じ位置にならないように凸部を設けることも可能である。
このように受光面側封止材12と裏面側封止材14の少なくともどちらかに図2、図4に示したようなセルストリング3が配置されない部分に凸形状部分を設け、これを使用して上述のようにラミネートすることにより、ラミネートで受光面側封止材12または裏面側封止材14が加熱、押圧により広がる場合や裏面シート15の熱収縮などがあっても、セルストリング3はこの凸部により動きが制限され、セルストリング同士の間隔が広がる方向にも小さくなる方向にも歪むことがなくなり、これにより太陽電池モジュールの横方向配線に応力がかかることが無くなり、太陽電池素子と接続配線の接続強度が低下することがない。またセルストリングとセルストリングの間隔が統一され、外観の良好な太陽電池モジュールを提供することができる。
次にこの一体化した太陽電池パネルの4辺にモジュール枠(図示せず)を取り付ける。このモジュール枠は太陽電池モジュールに必要な強度やコストを考慮してアルミニウムや樹脂などで造られることが多い。アルミニウムで造る場合には、アルミニウムを押し出し成形して造られ、その表面にアルマイト処理やクリヤ塗装が施されることが多い。このようなモジュール枠を太陽電池パネル部の各辺に取り付けた後、モジュール枠の各コーナー部をネジ止めして太陽電池モジュールが完成する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることができる。また、太陽電池素子は単結晶や多結晶シリコンなどの結晶系太陽電池に限定されるものではなく、薄膜系太陽電池などでも適用可能である。
1、13・・・太陽電池素子
2、16・・・接続用配線
3・・・セルストリング
4・・・横方向配線
11・・・透光性基板
12・・・受光面側封止材
14・・・裏面側封止材
15・・・裏面シート
17・・・出力配線
19、24・・・ベース材
20、22・・・セルストリングの配置される部分
21、23・・・セルストリングの配置されない部分
25、26・・・凸部材
2、16・・・接続用配線
3・・・セルストリング
4・・・横方向配線
11・・・透光性基板
12・・・受光面側封止材
14・・・裏面側封止材
15・・・裏面シート
17・・・出力配線
19、24・・・ベース材
20、22・・・セルストリングの配置される部分
21、23・・・セルストリングの配置されない部分
25、26・・・凸部材
Claims (7)
- 太陽電池素子をこの太陽電池素子の受光面側と裏面側から挟持し、減圧下にて加熱加圧し、一体化するための一対のシート状の太陽電池モジュール用封止材であって、これらの太陽電池モジュール用封止材の少なくとも一方の前記太陽電池素子と対向する面に、前記太陽電池素子を所定の部位に配置ための位置決め用凸部を設けるとともに、この位置決め用凸部材が、前記太陽電池モジュール用封止材と異なる材質から成っていることを特徴とする太陽電池モジュール用封止材。
- 前記位置決め用凸部材のメルトフローレートが、前記太陽電池モジュール用封止材のメルトフローレートより小さいことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用封止材。
- 前記太陽電池モジュール用封止材のメルトフローレートが4.0〜8.5g/10分であり、前記位置決め用凸部材のメルトフローレートが0.8〜3.8g/10分であることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール用封止材。
- 順次下記(1)〜(5)の各工程を経た後、減圧下にて加熱加圧して一体化したことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
(1)透光性基板の上に請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材を配する。
(2)上記請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材の上に複数の太陽電池素子を配置する。
(3)上記太陽電池素子群を配線により電気的に接続する。
(4)上記太陽電池素子群の上に請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材を配する。
(5)上記請求項1にないし3記載の他方の太陽電池モジュール用封止材の上に裏面シートを配する。 - 順次下記(1)〜(5)の各工程を経た後、減圧下にて加熱加圧して一体化したことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
(1)透光性基板の上に請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材を配する。
(2)上記請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材の上に複数の太陽電池素子を配置する。
(3)上記太陽電池素子群を配線により電気的に接続する。
(4)上記太陽電池素子群の上に請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材を配する。
(5)上記請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材の上に裏面シートを配する。 - 順次下記(1)〜(5)の各工程を経た後、減圧下にて加熱加圧して一体化したことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
(1)裏面シートの上に請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材を配する。
(2)上記請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材の上に複数の太陽電池素子を配置する。
(3)上記太陽電池素子群を配線により電気的に接続する。
(4)上記太陽電池素子群の上に請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材を配する。
(5)上記請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材の上に透光性基板を配する。 - 順次下記(1)〜(5)の各工程を経た後、減圧下にて加熱加圧して一体化したことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
(1)裏面シートの上に請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材を配する。
(2)上記請求項1ないし3に記載の他方の太陽電池モジュール用封止材の上に複数の太陽電池素子を配置する。
(3)上記太陽電池素子群を配線により電気的に接続する。
(4)上記太陽電池素子群の上に請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材を配する。
(5)上記請求項1ないし3に記載の一方の位置決め用凸部を設けた太陽電池モジュール用封止材の上に透光性基板を配する。
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