JP2005135863A - 誘電体バリア放電ランプおよび光照射装置 - Google Patents

誘電体バリア放電ランプおよび光照射装置 Download PDF

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和彦 吉川
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Abstract

【課題】 照射ムラを低減し、かつランプの被照射体との距離を全体的に近づける。
【解決手段】 管軸の両側にほぼ平行に配置された、ほぼ平面状の第1の外壁1a1および第2の外壁1a2を含み、内部に放電媒体が封入された管状容器1と、この管状容器1の少なくも前記第1の外壁1a1の壁面を除く、前記第2の外壁1a2の壁面に沿って設けられた外部電極4と、前記管状容器1内に前記管軸に沿って配置された導電性部材5と、この導電性部材5に接続され、前記管状容器1の内壁に沿って配置された複数の内部電極6とを具備し、点灯時、前記管状容器1内の前記第2の外壁1a2の壁面に沿って、ほぼ平面状の放電発光部が形成されることを特徴とする誘電体バリア放電ランプ。
【選択図】 図2

Description

本発明は、誘電体バリア放電ランプおよび誘電体バリア放電ランプを用いた光照射装置に関するものである。
誘電体バリア放電ランプは、誘電体内に封入されたキセノンなどの希ガス、またはキセノン、クリプトンなどの希ガスおよび塩素などの混合ガスを誘電体バリア放電させることによって紫外線を発生させるランプであり、たとえば液晶基板のドライ洗浄などに使用される。
従来の誘電体バリア放電ランプを図11を参照して説明する。図11は従来の誘電体バリア放電ランプの拡大断面図である。ランプ本体101は、その断面が円形状であるような管状の誘電体である。そのランプ本体101内の空間の中心部には、その軸方向に設けられた内部電極102と、その内部電極102に一端が電気的かつ物理的に接続され、他端はランプ本体101の内周面に近接する導電性アンカー103が、ランプ本体101の管軸方向に等間隔を開けて配置されている。また、ランプ本体101の外周面には、その一部を面接触して保持し、かつ内部電極102および導電性アンカー103と対向し外部電極として作用する導電性保持部104を備えている。
(たとえば、特許文献1参照。)。
特開2003−197152号公報
しかし、上記のような誘電体バリア放電ランプは、ランプ本体101の軸方向に垂直の断面が円形状であるために、一方向に均一に光を照射することはできなかった。そのため、例えば板状の被照射体に照射したときに照射ムラが発生していた。
また、誘電体バリア放電ランプから照射される紫外線は、空気中の酸素に吸収されるため、ランプと被照射体との距離が遠ければ遠いほど照射効率が悪くなった。したがって、紫外線を照射する面をできる限り被照射体に近づけたいが、従来のようにランプ本体101の断面が円形のランプではどのように近づけても、ランプと被照射体との距離が最も近づく部分からランプの円周方向に向かうにつれて、その距離が離れてしまっていた。
従って、本発明は、上記課題を解決することができる誘電体バリア放電ランプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の誘電体バリア放電ランプは、管軸の両側にほぼ平行に配置された、ほぼ平面状の第1の外壁および第2の外壁を含み、内部に放電媒体が封入された管状容器と、この管状容器の少なくも前記第1の外壁の壁面を除く、前記第2の外壁の壁面に沿って設けられた外部電極と、前記管状容器内に前記管軸に沿って配置された導電性部材と、この導電性部材に接続され、前記管状容器の内壁に沿って配置された複数の内部電極とを具備し、点灯時、前記管状容器内の前記第2の外壁の壁面に沿って、ほぼ平面状の放電発光部が形成されることを特徴とする。
したがって、本発明によれば、一方向に均一に近い照射ができるため、被照射体に対して照射ムラの少ない照射ができる。
また、被照射体に対面するランプの照射面がほぼ平坦であるため、その平坦な照射面と被照射体との距離を、従来のランプにおいて最も近づけることができる距離と同じ距離でほぼ一定に保つことができる。したがって、照射面から酸素に吸収される紫外線が少なくなり、効率の良い照射が可能になる。
(第1の実施の形態)
以下に、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図5を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態である誘電体バリア放電ランプの全体図である。
第1の実施の形態の誘電体バリア放電ランプは、管状容器1、金属箔2、リード線3、外部電極4、導電性部材5、内部電極6からなる。
管状容器1は、例えば石英ガラスなどの紫外線透過性の材料からなり、封体部1a、封止部1bから構成される。
封体部1aは、第1の外壁1a1、第2の外壁1a2、および側外壁1a3からなる。第1の外壁1a1は、光を照射する側となる平面状の面である。第2の外壁1a2は、第1の外壁1a1とほぼ平行に配置された放電する側となる平面状の面である。側外壁1a3は、第1、第2の外壁1a1、1a2を接続する弧状の面である。ここで、第1の実施の形態のランプの断面形状は、互いに平行な平坦面とそれらの面につながる弧状の面との組合せの形状であるが、図3に示すように断面がほぼ四角形の形状でもよく、つまり、第1の外壁1a1、および第2の外壁1a2に相当する壁面がほぼ平面状であれば、側外壁1a3の形状はどんな形状でも良い。
封体部1aに封入される放電媒体となるエキシマ生成ガスは、例えば、アルゴン(Ar),クリプトン(Kr),キセノン(Xe)などの希ガス、またはハロゲン化物などを混ぜた混合ガスを用いることができる。これらのガスの封入圧は特に制限されないが、封入圧が高くなると紫外線出力が増大し、また、始動電圧、点灯電圧も上昇するので適当な圧力範囲、例えば10〜70kPaが適当である。
これらの放電媒体は、チップ1a4から排気、封入することで管状容器1に封入している。また、チップ1a4は照射の妨げになるので、なるべく妨げにならないランプの側面側に形成するのがよい。
封止部1bは、封体部1aと同一の材料からなり、平面の型などで圧力をかけることで形成される。この封止部1bには、例えばモリブデンのような金属箔2が封止され、管内を気密に保つ役割をしている。この金属箔2の一端にはリード線3が接続され、外部に導出している。
外部電極4は、ステンレスなどの紫外線に対して耐候性のある板状の材料からなり、管状容器1の第2の外壁1a2、および第2の外壁1a2から第1の外壁1a1に続く両方の側外壁1a3のほぼ中間部まで外周面に沿って配設される。なお、外部電極4は、容器の外壁に対して約半周を覆うが、第1の実施の形態や、図3のようにほぼ四角形の形状である場合は、図4のように少なくとも放電する側の平面状の面である第1の外壁1a2に設けるだけでも良い。また、この外部電極4は板状に限らずメッシュ状でもよい。
導電性部材5は、タングステン、モリブデンまたはニッケルなどの耐火性の金属なら、どの材料を用いてもよいが、ここでは仕事関数が相対的小さいために始動電圧が低くなるタングステンを用いている。この導電性部材5は、例えばコイル状のものであり、管状容器1のほぼ中心部に管軸に沿って配設され、金属箔2の他端に接続される。しかし、導電性部材5の形状はコイル状に限らず、棒状、線状、板状などの形状でもよい。
内部電極6は、普通、導電性部材5と同じ材料であるタングステンが使用され、一端を導電性部材5に電気的、物理的に接続され、他端は封体部1aの内周面に沿って配設される。さらに、同様のものが複数、管軸方向に等間隔で配置される。ここで、誘電体バリア放電のほとんどが、外部電極4と内部電極6が外壁を挟んで対になった電極間で発生するため、図5のように内部電極6は少なくとも外部電極4が管状容器1を覆う位置まで外部電極4に対向して内壁に沿って設けるだけでもよい。
誘電体バリア放電ランプにおける放電は、管状容器1の内外面に配設された外部電極4と内部電極6が対になっている間で発生する。ここで、導電性部材5と外部電極4の間でも放電が発生するが、外部電極4と内部電極6との電極間距離に比べかなり距離があり、電極間距離が長ければ長いほど放電に高い電力が必要となるためこの放電は無視をしている。
したがって、第1の実施の形態では、第2の外壁1a2、および側外壁1a3の約半面の内部電極6と外部電極4の間で放電が起きるため、第2の外壁1a2では面放電7のようになり、第1の外壁1a1から照射される。また、側外壁1a3での放電は対向するそれぞれの外部電極4が形成されていない側外壁1a3から照射されるため、全ての放電は図2の矢印方向に照射される。これにより、少なくとも第1の外壁1a1から一方向にほぼ均一に照射することができる。
図6は、誘電体バリア放電ランプと板状の被照射体との距離を説明する軸方向に垂直な断面図である。(a)は従来、(b)は第1の実施の形態の誘電体バリア放電ランプの場合を示している。図(a)のような従来のランプでは、被照射体8にランプを近づけた時、ある一点のみが距離Δで接近する。その点から周方向に位置が変わるにつれて被照射体8との距離がΔ’、Δ’’のように離れていく。
それに比べて、図(b)の第1の実施の形態のランプでは、平面状の第1の外壁1a1を被照射体8と対面するように配置し、ランプが被照射体8に最も接近する距離を図(a)と同じΔにした場合、被照射体8と第1の外壁1a1とは常に距離Δを保つことができ、側外壁1a3からは従来のランプ同様、距離がΔ’、Δ’’と離れていくことになる。したがって、従来のランプよりも多くの部分を被照射体8に近づけることができる。
ここで、紫外線はその波長が短くなるほど短い距離で酸素に吸収されるようになる。たとえば、172nmの波長の紫外線の場合では、照射距離が約3mmであると約25%の照射程度になってしまい、照射距離が約10mmになるとほとんど0の照射になってしまう。そのため、第1の実施の形態のように被照射体8との距離を近く保てるということは、誘電体バリア放電ランプにおいて効率よく照射するために重要なことである.
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の第2の実施の形態である誘電体バリア放電ランプの軸方向の断面図である。この第2の実施の形態の各部について、図2の第1の実施の形態の誘電体バリア放電ランプの各部と同一部分は同一符号で示し、その説明を省略する。この第2の実施の形態が、第1の実施の形態と異なる点は、その断面が楕円形状となっている点である。
この断面が楕円形状であるようなランプにおいては、第1の実施の形態のような側外壁1a3はないと考えられ、ほぼ平面状の第1、第2の外壁1a1、1a2で構成されている。ここで、第2の実施の形態での「ほぼ平面状」とは、管状容器1の封体部1aの短尺内径Rと長尺内径LによるR/Lが1/2以下である場合を含んでいる。
第2の実施の形態においても、ほぼ平面状の第2の外壁1a2の周壁面に、対になって配設されている内部電極6と外部電極4によってほぼ平面状の放電が発生するため、第1の外壁1a1から一方向にほぼ均一の照射をすることができる。
また、第1の外壁1a1の最も平坦な部分を被照射体に向けて配置すると、その最も被照射体に接近する第1の外壁1a1の部分から軸方向断面の周方向に向かうにつれて、少しずつ被照射体から距離が離れていく程度に抑えることができる。
本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
(第3の実施の形態)
図8は、本発明の誘電体バリア放電ランプを用いた光照射装置の断面図である。この第3の実施の形態の各部について、第1、第2の実施の形態の誘電体バリア放電ランプの各部と同一部分は同一符号で示し、その説明を省略する。
第3の実施の形態の光照射装置は、第1の実施の形態の誘電体バリア放電ランプ、ランプ保持部9、高周波電源からなる。
ランプ保持部9は、熱伝導が優れたアルミニウムなどの材料からなるが、その他にステンレスやニッケルなどでもよい。このランプ保持部9は、保持するランプの放電面側の形状をした溝9aを有しており、誘電体バリア放電ランプが溝9aに嵌ることになる。このような溝9aを平行方向に複数作成し、ランプを複数本並列に保持する。ここで、このランプを保持する間隔は狭いほど被照射体への照射が均一になる。また、ランプ間のランプ保持部9にV字や弧状の反射鏡を設けると、ランプの側面から照射された紫外線を効率良く被照射体8に照射することができる。
ここで、ランプ保持部9、およびそれに保持された誘電体バリア放電ランプは装置の点灯により熱が発生してしまう。それらの熱を冷ますために冷却手段として、図9のランプ保持部9の内部に設けられているような水路10が形成される。水路10は図9(a)のようにランプの第2の外壁1a2の上辺りに形成したり、(b)のようにランプ間に作成することができる。この水路10には、冷却水が流され、ランプやランプ保持部9を冷却するがその水の量は多ければ多いほどその効果は高くなる。
高周波電源は、例えば100MHz、3kVrms程度の交流を印加する電源である。ランプとの接続方法は、外部電極4と導電性部材5とを接続、さらに外部電極4側をアース電位とする。
図10は、光照射装置の被照射体への照射を示す断面図である。(a)は従来のランプ、(b)は第1の実施の形態のランプを用いた光照射装置である。(a)、(b)ともランプの直径は同じものであり、さらに隣り合うランプ間距離は同じにしている。また、被照射体8への照射は、ランプと被照射体8の接触による割れ等を防ぐため、現在約3mmの距離をおいて行っている。(a)、(b)それぞれの被照射体8とランプとの距離などは第1の実施の形態で述べたためここでの説明は省略する。
次に、それぞれの光照射装置での被照射体8への照射の強さを図11を用いて説明する。図11(a)、(b)のグラフは、図10の(a)、(b)とそれぞれ対応しており、横軸方向はランプの位置、縦軸方向はその位置に対する照射強さを示している。図11(a)の場合では、照射の距離が一定ではなく、最も接近する部分から周方向に行くにつれて距離が離れていくので、図12(a)のように位置によって正弦波のような照射強さの分布になる。図11(b)の場合では、平面状の照射面からは一方向にほぼ均一な照射ができるためムラのない照射になり、その面から周方向にいくと少しずつ照射は弱くなる。
これらを比べると、位置によって照射強さの変動が少ない図10(b)のほうが照射のムラが少ないと言える。また、(a)、(b)は同じランプ間だが、ちょうどランプ間の中間に相当する被照射体8の部分ではランプとの距離が離れるために照射が最も弱くなるが、(b)のほうがその部分にランプが近くなるために、図11においてその照度強さが(a)よりも大きくなる。このように最大と最小の照射強さの差が少ないと言う点でも照射ムラが少ないと言える。
また、図10において、第1の実施例のようなランプであるとランプ保持部9のランプが嵌る溝9aの深さが円形のものより深くなくて済むので、装置の厚さを薄くすることができる。
本発明による誘電体バリア放電ランプの第1の実施の形態の側面図。 図1に示す誘電体バリア放電ランプのA−A方向の断面図。 第1の実施の形態に類似するランプの断面形状の例。 図1に示す誘電体バリア放電ランプにおける外部電極のその他の配設の例。 図1に示す誘電体バリア放電ランプにおける内部電極のその他の配設の例。 誘電体バリア放電ランプと板状の被照射体との距離を説明する軸方向に垂直な断面図 本発明による誘電体バリア放電ランプの第2の実施の形態の軸方向の断面図。 本発明の誘電体バリア放電ランプを用いた光照射装置の断面図。 ランプ保持部の内部に設けられている水路を示す断面図。 光照射装置の被照射体への照射を示す断面図。 図10に示す光照射装置の被照射体への照射ムラを示す図。 従来の誘電体バリア放電ランプ。
符号の説明
1 管状容器
1a 封体部
1a1 第1の外壁
1a2 第2の外壁
1a3 側外壁
1a4 チップ
1b 封止部
2 金属箔
3 リード線
4 外部電極
5 導電性部材
6 内部電極
7 面放電
8 被照射体
9 ランプ保持部
9a 溝
10 水路

Claims (4)

  1. 管軸の両側にほぼ平行に配置された、ほぼ平面状の第1の外壁および第2の外壁を含み、内部に放電媒体が封入された管状容器と、この管状容器の少なくも前記第1の外壁の壁面を除く、前記第2の外壁の壁面に沿って設けられた外部電極と、前記管状容器内に前記管軸に沿って配置された導電性部材と、この導電性部材に接続され、前記管状容器の内壁に沿って配置された複数の内部電極とを具備し、点灯時、前記管状容器内の前記第2の外壁の壁面に沿って、ほぼ平面状の放電発光部が形成されることを特徴とする誘電体バリア放電ランプ。
  2. 前記内部電極は少なくとも前記外部電極が前記管状容器を覆う位置まで前記外部電極に対向して内壁に沿って配設されていることを特徴とする請求項1記載の誘電体バリア放電ランプ。
  3. 前記第1の壁面を被照射体に対向するように配置された請求項1記載の誘電体バリア放電ランプと、
    この誘電体バリア放電ランプを、前記第2の壁面側において保持するランプ保持部と、
    前記誘電体バリア放電ランプに高周波高電圧を印加する電力供給手段とを備えることを特徴とする光照射装置。
  4. 前記ランプ保持部が冷却手段を有することを特徴とする請求項3記載の光照射装置。
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