JP2005135776A - 非水電解質及び電気化学デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 電気化学デバイスに用いるための重要な物性であるガラス転移点を低いものとすることのできる、常温溶融塩を主体とする非水電解質を提供することを一の目的とするまた、これを用いて、優れた性能を有する電気化学デバイスを提供することを一の目的とする。
【解決手段】 常温溶融塩を含有してなる非水電解質において、前記非水電解質が、ペルフルオロアルキル基を有する有機物アニオンと、ペルフルオロアルキル基を有さず非金属元素のみからなるアニオンとを含有していることを特徴とする非水電解質。ペルフルオロアルキル基を有する有機物アニオンとしてはトリフルオロメタンスルホニルイミドが、ペルフルオロアルキル基を有さず非金属元素のみからなるアニオンとしては四フッ化ホウ酸が好適に選択される。
【選択図】 なし

Description

本発明は非水電解質に関するもので、さらに詳しくは、リチウム塩と常温溶融塩とからなる非水電解質に関するものである。また、それを用いた電気化学デバイスに関するものである。
近年、高性能化、小型化が進む電子機器用電源、電力貯蔵用電源、電気自動車用電源等として、リチウムイオン電池に代表される非水電解質電池や電気二重層キャパシタ等、高エネルギー密度が得られる種々の非水電解質を用いた電気化学デバイスが注目されている。
これらの電気化学デバイスには、一般的に、常温で液状を呈する非水電解質(非水電解液)が用いられている。該非水電解液は、常温で液状の有機溶媒に常温で固体状のリチウム塩や脂肪族四級アンモニウム塩を溶解させてなるものであり、該有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、プロピオラクトン、バレロラクトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタン等の有機溶媒が用いられている。
一方、電気化学デバイス用非水電解質として、常温で液状を呈する常温溶融塩を用いることが提案されている。常温溶融塩は、それ自身が常温で液状でありながら揮発性が実質的になく、かつ、高い難燃性を有するものである。電気化学デバイスの中でも、特に電力貯蔵用電源や電気自動車用電源等の比較的大型の電気化学デバイスの用途には、引火の虞がない等非水電解質の使用が望まれており、上記常温溶融塩を電解質に用いる技術が注目されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、常温溶融塩は、一般的な非水電解液に比べて融点が高く、かつ、粘度も高いことから、リチウムイオン等のキャリアイオンの移動度を充分に高いものとすることができないといった問題点があった。そのため、常温溶融塩からなる非水電解質を用いた電気化学デバイスは、一般的な非水電解液を用いた電気化学デバイスに比べ、高率充放電特性や低温での特性が充分でないという問題点があった。
そこで、カチオン種類に依存せず比較的低い融点を発現する常温溶融塩を形成するアニオンとして、ペルフルオロアルキル基を有する有機物アニオンであるビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド(TFSI)アニオンを用いた常温溶融塩が広く検討されている(非特許文献1参照)。
しかしながら、TFSIアニオンはイオン半径が大きく、体積あたりのイオン密度が低くなるため、高率充放電特性や低温での特性が充分改善されたとは言えないという問題点があった。また、TFSIアニオンは高電位下では電気化学デバイスの集電体として一般に使用されているアルミニウムを腐食しやすく、例えば一般的なリチウム二次電池の作動電圧範囲において使用するのは困難であるという問題が知られている。常温溶融塩の場合、常温溶融塩単独では比較的高い耐腐食性を有するものの、プロピレンカーボネートなどの有機溶媒を少量添加するとアルミニウムの腐食電位が低くなる、という問題点があった。これは主に、これらの有機塩を構成するペルフルオロアルキル基を有するアニオンの化学的及び電気化学的安定性に起因するものと思われる(非特許文献2参照)。
特許文献3には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン(EMI+)とテトラフルオロホウ酸イオン(BF4-)とからなる常温溶融塩(EMIBF4)1リットルに、1モルのLiBF4を溶解させた非水電解質を用いた電池が記載されている(段落0039参照)。また、同文献には、「リチウム塩に用いる非金属元素のみからなるアニオンは、常温溶融塩に用いる非金属元素のみからなるアニオンと、同じでも異なってもよい。リチウム塩としては、具体的には、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO23、LiC(C25SO23などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独で用いてもよく、又は2種以上混合して用いてもよい」、との記載がある(段落0017参照)。しかし、特定の効果を得るために特定された2種またはそれ以上のアニオンを共存させることについては記載がない。
特開平4−349365号公報 特開平10−92467号公報 特開2002−110230号公報 萩原理加、電気化学、70,(2)130-136 (2002) Jay L. Goldman and Alan B. McEwen, Electrochemical and Solid-State Letters, 2 (10) 501-503 (1999) 溶融塩・熱技術研究会編「溶融塩・熱技術の基礎」アグネ技術センター出版、1993年、313p(ISBN 4-900041-24-6)
本発明は、電気化学デバイスに用いるための重要な物性であるガラス転移点を低いものとすることのできる、常温溶融塩を主体とする非水電解質を提供することを一の目的とするまた、これを用いて、優れた性能を有する電気化学デバイスを提供することを一の目的とする。
上記課題を解決するための本発明の構成は以下の通りである。但し、作用機構については推定を含んでおり、その作用機構の成否は、本発明を制限するものではない。
なお、本願にいう常温溶融塩とは、常温において少なくとも一部が液状を呈する塩をいう。常温とは、それを用いた電気化学デバイスが通常作動すると想定される温度範囲であり、上限が100℃程度、場合によっては60℃程度であり、下限が−50℃程度、場合によっては−20℃程度である。一方、非特許文献3に記載されているような、各種電析等に用いられるLi2CO3−Na2CO3−K2CO3等の無機系溶融塩は、融点が300℃以上のものが大半であり、通常電気化学デバイスが作動すると想定される温度範囲内で液状を呈するものではなく、本発明における常温溶融塩には含まれない。
本発明は、請求項1に記載したように、常温溶融塩を含有してなる非水電解質において、前記非水電解質が、ペルフルオロアルキル基を有する有機物アニオンと、ペルフルオロアルキル基を有さず非金属元素のみからなるアニオンとを含有していることを特徴とする非水電解質である。
また、本発明は、請求項2に記載したように、前記非水電解質は、リチウムカチオンを含有していることを特徴とする非水電解質である。
このような構成によると、常温溶融塩を含有する非水電解質を用いた電気化学デバイスにおいて、実に驚くべきことに、非水電解質のガラス転移点を下げることができることを見いだし、本発明に至った。ガラス転移点は、電気化学デバイスに用いる非水電解質にとって非常に重要な物性である。
また、本発明は、請求項3に記載したように、前記常温溶融塩は、四級アンモニウム有機物カチオンを有する常温溶融塩であることを特徴としている。
また、本発明は、請求項4に記載したように、前記四級アンモニウム有機物カチオンは、(化学式1)で示される骨格を有するイミダゾリウムカチオンであることを特徴としている。
Figure 2005135776
(但し、R1、R3は、炭素数1〜6のアルキル基、R2、R4、R5は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基のいずれかである)
このような構成によれば、前記常温溶融塩として、四級アンモニウム有機物カチオン、なかでも、(化学式1)で示される骨格を有するイミダゾリウムカチオンを有する常温溶融塩を用いることにより、上記作用を効果的に得ることが可能となる。
また、本発明は、請求項5に記載したように、前記非水電解質は、常温で液体の有機溶媒を実質的に含有していないことを特徴としている。
また、本発明は、請求項6に記載したように、前記非水電解質は、常温で液体の有機溶媒を含有してなることを特徴としている。
ここで、常温で液体の有機溶媒とは、一般にリチウム二次電池用電解液に使用される有機溶媒のことをいい、具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、プロピオラクトン、バレロラクトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
常温で液体の有機溶媒の含有の有無については、用いる電気化学デバイスに求められる特性に応じて、自在に選択することができる。後述するように、本発明の効果は、常温で液体の有機溶媒を実質的に含有しない系においても、常温で液体の有機溶媒を含有してなる系においても、発揮される。
常温で液体の有機溶媒を実質的に含有しない非水電解質系を選択することにより、可燃性の有機溶媒を含まないので、電気化学デバイスの熱的安定性を優れたものとすることができる。常温で液体の有機溶媒を含有してなる非水電解質系を選択することにより、非水電解質の融点および粘度をより低く設定することが容易となるので、電気化学特性を優れたものとすることができる。この場合においても、難燃性である常温溶融塩の特徴を生かそうとする場合には、その添加量を制限することが好ましい。
また、本発明は、請求項7に記載したように、上記したような本発明の非水電解質を用いた電気化学デバイスである。
このような構成によれば、上記したような、非水電解質の物性に与える優れた効果を生かした、非水電解質電池、電気二重層キャパシタ等の電気化学デバイスを提供することができる。
本発明の構成により、上記効果が発揮される理由については必ずしも明らかではないが、ペルフルオロアルキル基を有する有機物アニオンと、ペルフルオロアルキル基を有さない非金属元素のみからなるアニオンを共に含有することにより、低融点および低粘度を発現すると同時に高いイオン密度を実現することができるため、特に低温下で高いキャリアイオン移動度を得ることができるものと考えられる。また、2種類以上のアニオンが共存するため、前記常温溶融塩を構成するイオンの配列がアモルファス性の高いものとなる傾向があるため、非水電解質の分子レベルの結晶化を抑制し、キャリアイオンの移動度を高く保つことが可能となるものと推定される。
さらに言えば、上記非水電解質にリチウム塩を含有させることにより、イオンサイズの大きく異なるカチオンが2種類以上共存することとなり、上記作用がより効果的に得ることが可能となるものと考えられる。
また、本発明の非水電解質は常温溶融塩を主構成成分としているので、常温で液状でありながら揮発性を実質的に有さないため高い不燃性を有するといった常温溶融塩の特徴を生かすことができるので、高い熱的安定性を有する非水電解質とすることができる。
即ち、本発明の非水電解質は、常温溶融塩を1種類以上含む2種類以上のイオン性化合物を必須構成成分とするものである。本発明に係る非水電解質は、常温において液状を呈するものであることが好ましい。従って、本発明の非水電解質において観察される融点および/又はガラス転移点は、用いるイオン性化合物の種類に依存するが、その種類としては、該融点および/又はガラス転移点が常温以下となるものを選択することが強く推奨され、好ましい。
本発明によれば、常温溶融塩を含有した非水電解質のガラス転移点を低いものとすることができる。また、これを用いた電気化学デバイスの電気化学特性を優れたものとすることができる
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこれらの記述により限定されるものではない。
本発明における非水電解質は、その構成成分であるアニオンが、ペルフルオロアルキル基を有する有機物アニオンを少なくとも1種と、ペルフルオロアルキル基を有さない非金属元素のみからなるアニオンを少なくとも1種とを共に含有するものである。
前記ペルフルオロアルキル基を有する有機物アニオンとしては、特に限定されるものではないが、CF3SO3 -、CF3COO-、N(CF3SO22 -、N(C25SO22 -、N(CF3SO2)(C49SO2-、C(CF3SO23 -及びC(C25SO23 -からなる群から1種以上のアニオンを選択することが好ましく、特にN(CF3SO22 -であることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
一方、ペルフルオロアルキル基を有さない非金属元素のみからなるアニオンとしては、特に限定されるものではないが、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、ClO4 -、CN-及びCH3COO-からなる群から1種以上のアニオンを選択することが好ましく、特にBF4 -であることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
また、2種以上のアニオンの異なる常温溶融塩と1種のアニオンからなるリチウム塩を混合してもよく、2種以上のアニオンの異なるリチウム塩と1種のアニオンからなる常温溶融塩を混合してもよく、さらにはアニオン種の異なる常温溶融塩とリチウム塩を混合してもよい。
また、本発明における常温溶融塩は、四級アンモニウム有機物カチオンを有するものとすることが好ましい。四級アンモニウム有機物カチオンとしては、イミダゾリウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピロリニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン等が挙げられる。このうち特に、(化学式1)で示される骨格を有するイミダゾリウムカチオンが好ましい。
前記イミダゾリウムカチオンとしては、例えば、ジアルキルイミダゾリウムカチオンとして、1,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン等が、またトリアルキルイミダゾリウムカチオンとして、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記テトラアルキルアンモニウムカチオンとしては、トリメチルエチルアンモニウムイオン、トリメチルプロピルアンモニウムイオン、トリメチルヘキシルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ピリジニウムカチオンとしては、N−メチルピリジニウムイオン、N−エチルピリジニウムイオン、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムイオン1−エチル−2−メチルピリジニウム、1−ブチル−4−メチルピリジニウム、1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ピロリウムカチオンとしては、1,1−ジメチルピロリウムイオン、1−エチル−1−メチルピロリウムイオン、1−メチル−1−プロピルピロリウムイオン、1−ブチル−1−メチルピロリウムイオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ピラゾリウムカチオンとしては、1,2−ジメチルピラゾリウムイオン、1−エチル−2−メチルピラゾリウムイオン、1−プロピル−2−メチルピラゾリウムイオン、1−ブチル−2−メチルピラゾリウムイオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ピロリニウムカチオンとしては、1,2−ジメチルピロリニウムイオン、1−エチル−2−メチルピロリニウムイオン、1−プロピル−2−メチルピロリニウムイオン、1−ブチル−2−メチルピロリニウムイオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ピロリジニウムカチオンとしては、1,1−ジメチルピロリジニウムイオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムイオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムイオン、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムイオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記ピペリジニウムカチオンとしては、1,1−ジメチルピぺリジニウムイオン、1−エチル−1−メチルピぺリジニウムイオン、1−メチル−1−プロピルピぺリジニウムイオン、1−ブチル−1−メチルピぺリジニウムイオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、これらの四級アンモニウム有機物カチオンを有する常温溶融塩は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
本発明の非水電解質に添加することのできる常温で液体の有機溶媒の種類としては上記したとおりであるが、上記の他にも、一般にリチウム二次電池用電解液に添加される難燃性溶媒である、リン酸エステルを使用してもよい。リン酸エステルとしては、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(トリフルオロエチル)、リン酸トリ(トリパーフルオロエチル)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
なお、本発明における非水電解質は、リチウム塩と常温溶融塩の他、高分子を複合化させることにより、前記非水電解質をゲル状に固体化して使用してもよい。ここで、前記高分子としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、各種アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、アクリルアミド系モノマー、アリル系モノマー、スチレン系モノマーの重合体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
以下に、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載により限定されるものではない。
(比較電解質1)
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート(EMIBF4)のみからなる非水電解質である。
(比較電解質2)
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド(EMITFSI)のみからなる非水電解質である。
(比較電解質3)
EMIBF41リットルに、1モルのLiBF4を混合することにより、非水電解質を得た。
(比較電解質4)
EMITFSI1リットルに、1モルのLiN(CF3SO22(LiTFSI)を溶解させることにより、非水電解質を得た。
(比較電解質5)
EMIBF40.9リットルに、1モルのLiBF4と0.1リットルのプロピレンカーボネートを混合することにより、非水電解質を得た。
(比較電解質6)
EMITFSI0.9リットルに、1モルのLiTFSIと0.1リットルのプロピレンカーボネートを混合することにより、非水電解質を得た。
(本発明電解質1)
EMITFSI1リットルに、1モルのLiBF4を混合することにより、非水電解質を得た。
(本発明電解質2)
EMIBF41リットルに、1モルのLiTFSIを混合することにより、非水電解質を得た。
(本発明電解質3)
EMITFSI0.9リットルに、1モルのLiBF4と0.1リットルのプロピレンカーボネートを混合することにより、非水電解質を得た。
(本発明電解質4)
EMIBF40.9リットルに、1モルのLiTFSIと0.1リットルのプロピレンカーボネートを混合することにより、非水電解質を得た。
(融点及びガラス転移点の測定)
上記した本発明電解質1〜4及び比較電解質1〜6について、融点及びガラス転移点を測定した。アルミニウム製の密閉パンにそれぞれの非水電解質を約10mg秤量して密閉し、示差走査熱量分析計(DSC)によって融点及びガラス転移点を求めた。なお、測定温度範囲は−150℃〜100℃とし、昇温速度は10℃/分とした。結果を表1に示す。
Figure 2005135776
表1から明らかなように、常温溶融塩のみからなる非水電解質1,2では融点が観察されるのに対し、本発明電解質1〜4および比較電解質3〜6は、いずれも融点を有さず、ガラス転移点のみを示した。また、常温で液体の有機溶媒を含まずBF4 -アニオンとTFSI-アニオンとを共に含んでいる本発明電解質1,2では、BF4 -アニオンまたはTFSI-アニオンのいずれか一方のみを含んでいる比較電解質3,4に比べて、ガラス転移点が低下していることがわかった。また、常温で液体の有機溶媒を含みBF4 -アニオンとTFSI-アニオンとを共に含んでいる本発明電解質3,4においても、BF4 -アニオンまたはTFSI-アニオンのいずれか一方のみを含んでいる比較電解質5,6に比べて、ガラス転移点が低下していることがわかった。
(電気化学デバイスの作製)
本発明電解質1〜4及び比較電解質3〜6を用いて、電気化学デバイスとして非水電解質電池を作製した。これを本発明電池1〜4及び比較電池3〜6とする。実施例に係る非水電解質電池の断面図を図1に示す。実施例に係る非水電解質電池は、正極1、負極2、及びセパレータ3からなる極群4と、非水電解質と、外装材としての金属樹脂複合フィルム5から構成されている。正極1は、正極合剤11が正極集電体12上に塗布されてなる。また、負極2は、負極合剤21が負極集電体22上に塗布されてなる。非水電解質は極群4に含浸されている。金属樹脂複合フィルム5は、極群4を覆い、その四方を熱溶着により封止されている。
次に、上記構成の非水電解質電池の製造方法を説明する。正極1は次のようにして得た。まず、LiCoO2と、導電剤であるアセチレンブラックを混合し、さらに結着剤としてポリフッ化ビニリデンのN−メチル−2−ピロリドン溶液を混合し、この混合物をアルミ箔からなる正極集電体12の片面に塗布した後、乾燥し、正極合剤11の厚さが0.1mmとなるようにプレスした。以上の工程により正極1を得た。負極2は、次のようにして得た。まず、負極活物質であるLi4/3Ti5/34と、導電剤であるケッチェンブラックを混合し、さらに結着剤としてポリフッ化ビニリデンのN−メチル−2−ピロリドン溶液を混合し、この混合物を銅箔からなる負極集電体22の片面に塗布した後、乾燥し、負極合剤21厚さが0.1mmとなるようにプレスした。以上の工程により負極2を得た。セパレータ3は、ポリエチレン性微孔膜を用いた。極群4は、正極合剤11と負極合剤21とを対向させ、その間にセパレータ3を配し、正極1、セパレータ3、負極2の順に積層することにより、構成した。次に、非水電解質中に極群4を浸漬させることにより、極群4に非水電解質を含浸させた。さらに、金属樹脂複合フィルム5で極群4を覆い、その四方を熱溶着により封止した。
(初期放電容量試験)
本発明電池及び比較電池について、初期放電容量試験を行った。試験温度は20℃とした。充電は、電流1mA、終止電圧2.7Vの定電流充電とした。放電は、電流1mA、終止電圧1.2Vの定電流放電とした。得られた放電容量を、初期放電容量とした。なお、本発明電池及び比較電池の設計容量は、全て10mAhである。
(高率放電試験)
本発明電池及び比較電池について、高率放電試験を行った。初期放電容量試験と同様の条件で、初期容量の確認を行った電池を、同様の条件で充電後、電流5mA、終止電圧1.2Vの定電流放電を行った。得られた放電容量を、高率放電容量とした。
(低温放電試験)
本発明電池及び比較電池について、低温放電試験を行った。初期放電容量試験と同様の条件で、初期容量の確認を行った電池を、同様の条件で充電後、試験温度0℃、電流1mA、終止電圧1.2Vの定電流放電を行った。得られた放電容量を、低温放電容量とした。
以上の電池試験の結果を表1に併せて示す。
これらの結果から明らかなように、常温で液体の有機溶媒を含まずBF4 -アニオンとTFSI-アニオンとを共に含んでいる本発明電解質1,2は、BF4 -アニオンまたはTFSI-アニオンのいずれか一方のみを含んでいる比較電解質3,4に比べて、高率放電特性及び低温放電容量が向上した。また、常温で液体の有機溶媒を含みBF4 -アニオンとTFSI-アニオンとを共に含んでいる本発明電解質3,4は、BF4 -アニオンまたはTFSI-アニオンのいずれか一方のみを含んでいる比較電解質5,6に比べて、高率放電特性及び低温放電容量が向上した。
なお、比較電池6においては高率放電特性及び低温放電容量が著しく劣る結果となっている。これは、上述したように、集電体に用いているアルミニウムがTFSIアニオンの作用により腐食されたことによると考えられる。この問題についても、有機溶媒を含有している本発明電解質を用いた本発明電池3,4においては解消されていることがわかる。
以上の結果から明らかなように、本発明によれば、常温溶融塩を含有した非水電解質のガラス転移点を低いものとすることができ、これを用いた電気化学デバイスは、高率放電性能や低温放電性能において優れたものとなる。さらに、本発明の非水電解質は難燃性を有するので、これを用いた本発明の電気化学デバイスは、高い安全性を兼ね備えたものとなることはいうまでもない。
なお、本実施例においては、電気化学デバイスの一例として非水電解質電池を用いたが、本発明に係る非水電解質は、電気二重層キャパシタ、燃料電池、太陽電池等、その他の電気化学デバイスにも広く好適に適用することができる。
また、本実施例においては、四級アンモニウム有機物カチオンとしてイミダゾリウムカチオンを例に挙げて説明したが、その他の四級有機物アンモニウムカチオン(テトラアルキルアンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピロリニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン)を用いても同様の効果が得られる。
本発明に係る非水電解質電池の断面図である。
符号の説明
1 正極
11 正極合剤
12 正極集電体
2 負極
21 負極合剤
22 負極集電体
3 セパレータ
4 極群
5 金属樹脂複合フィルム

Claims (7)

  1. 常温溶融塩を含有してなる非水電解質において、前記非水電解質が、ペルフルオロアルキル基を有する有機物アニオンと、ペルフルオロアルキル基を有さず非金属元素のみからなるアニオンとを含有していることを特徴とする非水電解質。
  2. 前記非水電解質は、リチウムカチオンを含有していることを特徴とする請求項1記載の非水電解質。
  3. 前記常温溶融塩は、四級アンモニウム有機物カチオンを有する常温溶融塩であることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質。
  4. 前記四級アンモニウム有機物カチオンは、(化学式1)で示される骨格を有するイミダゾリウムカチオンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質。
    Figure 2005135776
    (但し、R1、R3は、炭素数1〜6のアルキル基、R2、R4、R5は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基のいずれかである)
  5. 前記非水電解質は、常温で液体の有機溶媒を実質的に含有していない請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質。
  6. 前記非水電解質は、常温で液体の有機溶媒を含有してなる請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解質を用いた電気化学デバイス。
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