JP2005135739A - プラズマディスプレイ装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空紫外線の利用効率を高め、輝度の高いプラズマディスプレイ装置を実現すること。
【解決手段】誘電体層と、保護膜と、前記誘電体層と前記保護膜との間に反射層を具備し、反射層の膜厚を真空紫外線波長の1/4倍、5/4倍または7/4倍とする。また保護膜と接する反射層の屈折率を保護膜の屈折率よりも0.23以上小さくする。また、反射層として屈折率が0.29以上異なる薄膜を積層したものとする。これにより、真空紫外線のみを効率的に反射率させることが可能となるため、蛍光体への真空紫外線の照射量が増加し、輝度の高いプラズマディスプレイ装置が実現される。
【選択図】図1
【解決手段】誘電体層と、保護膜と、前記誘電体層と前記保護膜との間に反射層を具備し、反射層の膜厚を真空紫外線波長の1/4倍、5/4倍または7/4倍とする。また保護膜と接する反射層の屈折率を保護膜の屈折率よりも0.23以上小さくする。また、反射層として屈折率が0.29以上異なる薄膜を積層したものとする。これにより、真空紫外線のみを効率的に反射率させることが可能となるため、蛍光体への真空紫外線の照射量が増加し、輝度の高いプラズマディスプレイ装置が実現される。
【選択図】図1
Description
本発明は表示装置として用いられるプラズマディスプレイ装置およびその製造方法に関し、特に紫外線の利用効率を高めたパネル構造とその製造方法に関するものである。
現在、プラズマディスプレイ装置は、薄型の大型テレビや業務用表示装置として商品化されている。
一般的なプラズマディスプレイ装置は、図5に示すように、互いに対向した前面基板1と背面基板2の間に放電ガスが封入されている。放電ガスとしては、ネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスなどが一般的に用いられる。また、前面基板1には放電維持電極としてバス電極と透明電極からなるスキャン電極3とサステイン電極4が互いに平行に形成されている。スキャン電極3およびサステイン電極4は誘電体層5によって被覆され、放電ガスに接する表面にはMgO膜からなる保護膜6が形成されている。一方、背面基板2にはアドレス電極7とアドレス電極7間に形成された隔壁8と隔壁8によって区切られた空間に塗布された蛍光体9を具備している。隣り合う1対の放電維持電極と1本のアドレス電極が放電空間を挟んで交差する領域が放電セルとなり、維持放電期間においては、各セルの放電維持電極間において放電が発生する。
また、図6は従来のプラズマディスプレイ装置における放電セルの断面図を示している。図5と同じ構成要素は同じ記号を用いて説明を省略する。放電維持電極であるスキャン電極3とサステイン電極4との間の放電により短波長の紫外線が発生し、この紫外線が蛍光体9を励起することにより、各蛍光体9がRGB各色に発光して画像表示がなされる。
このようなプラズマディスプレイ装置は、薄型で動画の表示品質に優れたディスプレイであるが、同様の薄型ディスプレイである液晶ディスプレイなどと比較すると、消費電力に対する輝度が低く、発光効率があまりよくないのが現状である。
この原因の一つに、放電によって生じた紫外線の蛍光体への照射効率が低いことが挙げられる。放電による紫外線は等方的に発光するため、その光の半分は前面基板1側に照射され、その多くが誘電体層5などで吸収されてしまう。
このため、発光効率を向上し、輝度を上げる方法として、前面基板の放電空間側表面に真空紫外線を反射する反射層を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1においては、互いに屈折率の異なる物質を交互に数十層積み上げた反射層を設けることにより、15%程度の輝度の向上が得られている。
特開2000−11895号公報(第4頁、図1)
従来例のように反射層として薄膜を何層も積み上げる方法は、反射率を増加させるという点では有効である。しかしながら、薄膜の積層数が増加するほど、蛍光体から発光された可視光の透過率が低下してしまうと共に、これを製造するためのコストが急激に増加してしまうという課題がある。さらに、積層数の増加に伴い、効率的に反射する光の波長範囲が狭くなってしまうため、放電によって発生した紫外線のスペクトルを有効的に反射させることが困難である。なお、Xeガスに起因する紫外線のスペクトルとしては、波長147nmのXe共鳴線と波長172nm周辺に半値幅の広い分子線がある。
また、反射層として用いる薄膜の膜厚は、光の波長のn/4倍(nは奇数)がよいとされてきたが、プラズマディスプレイ装置に適用する場合には、これだけでは不十分であり、蛍光体からの発光を反射させないことが重要な要件となる。さらに、従来の反射層に用いられている薄膜の多くは波長147nmの光を吸収してしまうため、反射層としての十分な効果が得られないという課題があった。
また、従来のプラズマディスプレイ装置においては、前記反射層を電子ビーム蒸着法やCVD法などで形成していたが、これらの方法では膜組成や膜厚の制御が困難であると共に装置が大型化するという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、比較的長波長な紫外線に注目し、単純な構造によって蛍光体からの発光を反射増幅させることなく効率的に紫外線のみを反射させることにより、蛍光体を励起する光の照射を増加させ、輝度の高いプラズマディスプレイ装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のプラズマディスプレイ装置は、前面基板上に誘電体層と、保護膜と、前記誘電体層と前記保護膜との間に1層または多層の薄膜からなる反射層を具備し、前記薄膜の膜厚が蛍光体を励起する光の前記薄膜中における波長の1/4倍または5/4倍または7/4倍のいずれかとする。
本構成によって、蛍光体からの発光を反射することなく、紫外線のみを有効的に反射させることができる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置は、前面基板上に誘電体層と、保護膜と、前記誘電体層と前記保護膜との間に1層または多層の薄膜からなる反射層を具備し、前記保護膜と接する前記薄膜の屈折率を保護膜の屈折率よりも0.23以上小さくする。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置は、前面基板上に誘電体層と、保護膜と、前記誘電体層と前記保護膜との間に複数の薄膜からなる反射層を具備し、前記複数の薄膜の屈折率を互いに0.29以上異なるものとする。
以上の構成によって、少ない積層数で効率的に紫外線を反射させることができる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置は、前面基板上に誘電体層と、保護膜と、前記誘電体層と前記保護膜との間に1層または多層の薄膜からなる反射層を具備し、前記反射層の少なくとも一部を光学バンドギャップが7.2eV以上の薄膜とする。
本構成によって、放電によって発生する紫外線が反射層中で吸収されることなく効率的に反射させることができる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置の製造方法は、基板上に反射層および保護膜をスパッタリング法によって形成する工程を具備する。さらに、前記反射層と保護膜は大気に暴露されることなく連続して形成される。
本製造方法によって、反射層および保護膜の組成や膜厚を容易に制御することが可能になり、さらには反射層の表面を汚染することなく、プラズマディスプレイ装置を製造することが可能となる。
本発明のプラズマディスプレイ装置によれば、蛍光体を励起する紫外線を吸収することなく選択的に反射させることが可能であるため、従来よりも大幅に輝度を向上させることが可能となる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置によれば、従来の反射層に比べ構造が簡単であるため、コストを大幅に増加することなく、さらに輝度を向上させることが可能となる。
これらの効果により従来に比べ、効率の高いプラズマディスプレイ装置を安価に実現することができる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置の製造方法によれば、反射層および保護膜の組成および膜厚の精度が向上すると共に、一貫して製造することができるため、効率の高いプラズマディスプレイ装置が安価に高い歩留まりで製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明のプラズマディスプレイ装置における放電セルの断面図の第1実施例である。図1において、図6と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図1は、本発明のプラズマディスプレイ装置における放電セルの断面図の第1実施例である。図1において、図6と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図1において、誘電体層5と保護膜6との間には第1反射膜10と第2反射膜11からなる反射層が形成されている。前記第1反射膜10は光学バンドギャップが約10eVのMgF2膜を30nmの膜厚で形成したものであり、また、第2反射膜11は光学バンドギャップが約7.2eVのAl2O3膜を23nmの膜厚で形成したものである。
なお、保護膜6としてはMgO膜やMgAl2O4膜が望ましい。この理由としては、2次電子放出係数が高いこと、スパッタリングされにくいこと、および電荷の保持特性が良いことがあげられる。本実施の形態1においては、MgO膜を170nmの膜厚で形成した。
かかる構成によれば、第1および第2反射膜10、11の膜厚は放電によって発生する真空紫外線(172nm)の各膜中における波長の1/4倍となり、保護膜6と第1反射膜10との界面、第1反射膜10と第2反射膜11との界面、および第2反射膜11と誘電体層5との界面において反射した光が増幅される。これにより、真空紫外線の蛍光体9への照射効率が向上する。
図2は、反射層による紫外線反射率の変化を示した図である。真空紫外線(波長172nm)の絶対反射率の評価が困難であったため、図2では、前面基板1に反射層を設けていない一般的な構造での反射率(R0)に対する本発明の反射層を具備した基板の反射率(R)の比を求め、規格化反射率(R/R0)として評価した。また、特許文献1等に記載の反射層も合わせて評価した。なお、図2ではサンプルにおいて反射膜として用いた材料を示すと共に、これらの積層数をカッコ内に示している。例えば、本実施の形態1ではMgF2とAl2O3を積層し、その積層数は2層である。結果は図2に示されるように、本実施の形態1に示した構造により、反射層のない場合に比べ約1.7倍の反射率が得られている。また、この反射率を得るために、従来のMgF2/LiF積層構造では35層、MgF2/SiO2積層構造でも6層と非常に多くの反射膜を積層する必要がある。
さらに、本実施の形態1においては、蛍光体9からの発光(波長400nmから640nm)が反射増幅する条件とならないため、RGB各色の光は効率的に透過することとなり、輝度の高いプラズマディスプレイ装置を実現することができる。
なお、紫外線を反射し、蛍光体からの発光を反射しないためには、各反射膜の膜厚が蛍光体を励起する光の反射膜中における波長の1/4倍、または5/4倍、または7/4倍であればよい。なお、Xe放電による波長172nm周辺の光は比較的波長範囲の広い光であるので、膜厚が多少ずれていても、本発明の効果を得ることが可能である。
ただし、その膜厚が例えば波長の3/4倍となった場合には、真空紫外線は反射されるが、蛍光体からの発光の一部が反射増幅されてしまい、十分に表示輝度を向上させることが難しくなってしまう。
また、紫外線の波長としては、172nmの他に147nmにXe共鳴線の発光があるが波長が短く、また半値幅が狭いため、保護膜や反射層内での吸収量が多く、膜厚も厳密に制御する必要があるため、172nm以上であり、かつ蛍光体を励起することができる300nm以下の光に対して反射層を設定することが望ましい。
また、本実施の形態1においては、第1および第2反射膜10、11の光学バンドギャップが7.2eV以上であるため、真空紫外線(172nm)の反射膜中での吸収が低減され、効率的に反射させることが可能である。これによっても輝度の高いプラズマディスプレイ装置を実現することができる。
また、本実施の形態1においては、保護膜6、第1反射膜10および第2反射膜11の紫外域における屈折率がそれぞれ1.77、1.45、1.83である。このため、保護膜6と第1反射膜10との屈折率の差(0.32)、および第1反射膜10と第2反射膜11との屈折率の差(0.38)が非常に大きくなっている。これにより、各膜の界面における反射率を増大させることが可能であり、これによっても輝度の高いプラズマディスプレイ装置を実現することができる。
なお、本実施の形態1において、第1反射膜10としてMgF2膜を設けたが、これをLiF膜、CaF2膜、BaF2膜、SiO2膜としても従来に比べ大きな効果が得られた。これらの膜の屈折率は1.45から1.54であり、どの膜も保護膜6との屈折率の差は0.23以上であった。また、これらの膜と第2反射膜11として設けたAl2O3膜との屈折率の差は0.29以上であった。したがって、保護膜6と接する反射膜の屈折率を保護膜6の屈折率よりも0.23以上小さくすることにより、他の材料を用いても本発明の効果が得られると考えられる。また、反射層を構成する反射膜の屈折率を互いに0.29以上異なるものとすることにより、他の材料を用いても本発明の効果が得られると考えられる。
次に、図1に示した本実施の形態1におけるプラズマディスプレイ装置の製造方法を説明する。
まず、前面基板1となる約2mmのガラス基板の表面上に厚さが約100nmのITO膜をスパッタリング法により形成し、これをフォトリソグラフィ法によってストライプ状にパターニングすることにより、透明電極を形成する。
続いて、感光性の銀ペーストを前面基板1の表面に形成し、同じくフォトリソグラフィ法によってバス電極を透明電極上に形成する。これを550℃程度で焼成することにより、スキャン電極3およびサステイン電極4を形成する。
次に、誘電体層5を形成するために、軟化点の低いガラスペーストを前面基板1上にスクリーン印刷法により形成する。乾燥させた後、560℃から590℃にて焼成することにより誘電体層5が形成される。
従来のプラズマディスプレイ装置では、この後に電子ビーム蒸着法により保護膜6を形成するが、本実施の形態1においては、保護膜6を形成する前に、MgF2膜からなる第1反射膜10およびAl2O3膜からなる第2反射層11を形成する。
また、本実施の形態1においては、図3に概略を示す装置を用いて第2反射膜11、第1反射膜10、保護膜6をスパッタリング法によって、大気に暴露することなく連続して形成する。図3に示す装置は、真空ポンプ12で排気された3つの真空容器のそれぞれにターゲット電極13を具備しており、対向電極14上に設置された基板15表面に第2反射膜11、第1反射膜10、保護膜6を順次形成することが可能である。
各層の膜厚は第2反射膜11を23nm、第1反射膜10を30nm、保護膜6を170nmとした。これらの膜厚は、反射膜においてはそれぞれの膜中における真空紫外線(172nm)の波長の1/4倍であり、保護膜6においては膜中における前記真空紫外線の波長の7/4倍とした。
製造方法としてスパッタリング法を用いることは、組成や膜厚の制御が従来に比べ、容易になるため望ましい。さらに、各層を大気に暴露することなく連続して形成することは、反射層が変質したり、反射層と保護膜との界面が汚染されたりすることなく製造することが可能となるため望ましい。
また、このような製造方法を用いることによって環境による汚染や変質に弱い材料を反射膜として用いることが可能となるため望ましい。
なお、本実施の形態1においては、図3に示すようなインライン型のスパッタリング装置を用いたが、これに限定されることなく、枚葉型の装置でもよい。
一方、背面基板2(前面基板1と同じ材料)の表面にはスクリーン印刷法により、銀ペーストをストライプ状に印刷し、550℃程度で焼成することにより、アドレス電極7を形成する。
続いて、背面基板2の前面にガラスペーストを塗布して焼成し誘電体層を形成した後、同じくガラスペーストを用いて隔壁8をスクリーン印刷法により形成する。ガラスペーストの印刷を繰り返し行った後に焼成し、高さ約100μmの隔壁8を形成する。
さらに、隔壁8で区切られた領域に対して赤色(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光体をそれぞれ塗布し、これを乾燥・焼成して蛍光体9とする。
以上のように形成した前面基板1と背面基板2を封着用ガラスを用いて貼り合わせ、その後、放電空間の内部を高真空に排気し、これにNeとXeの混合ガスを約500Torrの圧力になるように封入する。このような工程によって本発明のプラズマディスプレイ装置は製造される。なお、本実施の形態1においては、Xeの混合比を15%とした。
なお、本実施の形態1は、製造方法の一例を示したものであり、材料や製法はこれに限定されるものではない。
(実施の形態2)
本実施の形態2は、反射層を1層とした、さらに低コストで輝度の高いプラズマディスプレイ装置に関するものである。
本実施の形態2は、反射層を1層とした、さらに低コストで輝度の高いプラズマディスプレイ装置に関するものである。
図4は、本発明のプラズマディスプレイ装置における放電セルの断面図の第2実施例である。図4において、図1および図6と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図4において、誘電体層5と保護膜6との間にはMgF2膜からなる第1反射膜10が形成されている。前記第1反射膜10は光学バンドギャップが約10eVのMgF2膜を30nmの膜厚で形成し、前記保護膜6はMgO膜を170nmの膜厚で形成した。
なお、保護膜6としてはMgO膜またはMgAl2O4膜が望ましい。この理由としては2次電子放出係数が高いこと、スパッタリングされにくいこと、および電荷の保持特性が良いことがあげられる。
かかる構成によれば、第1反射膜10の膜厚は放電によって発生する真空紫外線(172nm)の反射膜中における波長の1/4倍となり、保護膜6と第1反射膜10との界面、および第1反射膜10と誘電体層5との界面において反射した光が増幅される。これにより、真空紫外線の蛍光体9への照射効率が向上する。本実施の形態2における紫外線の反射率は、図2に示されるように、反射層のない場合に比べ1.35倍と高い反射率が得られている。
さらに、実施の形態1に示した構成に比べ、反射膜の積層数が少ないため、工程を削減できると共に、工程中で使用する材料を削減することが可能となるため、実施の形態1に記載のプラズマディスプレイ装置よりもさらに低コストなプラズマディスプレイ装置が実現できる。
さらに、本実施の形態2においては、蛍光体9からの発光(波長400nmから640nm)が反射増幅する条件とならないため、RGB各色の光は効率的に透過することとなり、輝度の高いプラズマディスプレイ装置を実現することができる。
なお、紫外線を反射し、蛍光体からの発光を反射しないためには、各反射膜の膜厚が蛍光体を励起する光の反射膜中における波長の1/4倍、または5/4倍、または7/4倍であればよい。なお、Xe放電による波長172nm周辺の光は比較的波長範囲の広い光であるので、膜厚が多少ずれていても、本発明の効果を得ることが可能である。
ただし、その膜厚が例えば波長の3/4倍となった場合には、真空紫外線は反射されるが、蛍光体からの発光の一部が反射増幅されてしまい、十分に表示輝度を向上させることが難しくなってしまう。
また、紫外線の波長としては、172nmの他に147nmにXe共鳴線の発光があるが波長が短く、また半値幅が狭いため、保護膜や反射層内での吸収量が多く、膜厚も厳密に制御する必要があるため、172nm以上であり、かつ蛍光体を励起することができる300nm以下の光に対して反射層を設定することが望ましい。
また、本実施の形態2においては、第1反射膜10の光学バンドギャップが7.2eV以上であるため、真空紫外線(172nm)の反射膜中での吸収が低減され、効率的に反射させることが可能である。これによっても輝度の高いプラズマディスプレイ装置を実現することができる。
また、本実施の形態2においては、保護膜6、第1反射膜10の紫外域における屈折率がそれぞれ1.77、1.45である。このため、保護膜6と第1反射膜10との屈折率の差(0.32)が非常に大きくなっている。これにより、膜界面における反射率を増大させることが可能であり、これによっても輝度の高いプラズマディスプレイ装置を実現することができる。
なお、本実施の形態2において、第1反射膜10としてMgF2膜を設けたが、これをLiF膜、CaF2膜、BaF2膜、SiO2膜としても従来に比べ大きな効果が得られる。これらの膜の屈折率は1.45から1.54であり、いずれの膜も保護膜6との屈折率の差は0.23以上である。したがって、保護膜6と接する反射膜の屈折率を保護膜6の屈折率よりも0.23以上小さくすることにより、他の材料を用いても本発明の効果が得られると考えられる。
本発明にかかるプラズマディスプレイ装置は、大型テレビ等として有用である。また業務用表示装置等の用途にも応用できる。
1 前面基板
2 背面基板
3 スキャン電極
4 サステイン電極
5 誘電体層
6 保護膜
7 アドレス電極
8 隔壁
9 蛍光体
10 第1反射膜
11 第2反射膜
12 真空ポンプ
13 ターゲット電極
14 対向電極
15 基板
2 背面基板
3 スキャン電極
4 サステイン電極
5 誘電体層
6 保護膜
7 アドレス電極
8 隔壁
9 蛍光体
10 第1反射膜
11 第2反射膜
12 真空ポンプ
13 ターゲット電極
14 対向電極
15 基板
Claims (12)
- 第1および第2基板が放電空間を挟み対向し、
前記第1基板には誘電体層と、保護膜と、前記誘電体層と前記保護膜との間に1層または多層の薄膜からなる反射層が形成され、
前記薄膜の膜厚が蛍光体を励起する光の前記薄膜中における波長の1/4倍または5/4倍または7/4倍のいずれかであることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。 - 第1および第2基板が放電空間を挟み対向し、
前記第1基板には誘電体層と、保護膜と、前記誘電体層と前記保護膜との間に1層または多層の薄膜からなる反射層が形成され、
前記保護膜と接する前記薄膜の屈折率が前記保護膜の屈折率よりも0.23以上小さいことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。 - 前記保護膜がMgO膜もしくはMgAl2O4膜からなり、前記保護膜に接する前記薄膜がMgF2膜、LiF膜、CaF2膜、BaF2膜、SiO2膜のうちのいずれかからなることを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 第1および第2基板が放電空間を挟み対向し、
前記第1基板には誘電体層と、保護膜と、前記誘電体層と前記保護膜との間に複数の薄膜からなる反射層が形成され、
前記複数の薄膜の屈折率が互いに0.29以上異なることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。 - 前記反射層がMgF2膜、LiF膜、CaF2膜、BaF2膜、SiO2膜のうちのいずれかと、Al2O3膜の積層膜からなることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記保護膜と接する前記薄膜の屈折率が前記保護膜の屈折率よりも0.23以上小さいことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 前記反射層における各薄膜の膜厚が蛍光体を励起する光の前記薄膜中における波長の1/4倍または5/4倍または7/4倍のいずれかであることを特徴とする 請求項2から請求項6のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
- 第1および第2基板が放電空間を挟み対向し、
前記第2基板には少なくとも一部に蛍光体を具備し、
前記第1基板には誘電体層と、保護膜と、前記誘電体層と前記保護膜との間に1層または多層の薄膜からなる反射層が形成され、
前記反射層の少なくとも一部が光学バンドギャップが7.2eV以上の薄膜からなることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。 - 前記蛍光体を励起する光の真空中における波長が172nmから300nmのいずれかの波長を含むことを特徴とする請求項1、請求項7、請求項8のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
- 基板上に反射層および保護膜をスパッタリング法によって形成する工程を具備することを特徴とするプラズマディスプレイ装置の製造方法。
- 前記反射層と保護膜は大気に暴露されることなく連続して形成されることを特徴とする請求項10に記載のプラズマディスプレイ装置の製造方法。
- 前記反射層はMgF2膜、LiF膜、CaF2膜、BaF2膜、SiO2膜、Al2O3膜のうちのいずれかの単層または積層膜からなり、前記保護膜はMgO膜もしくはMgAl2O4膜からなることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のプラズマディスプレイ装置の製造方法。
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Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
JP2007109540A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 |
JP2008091195A (ja) * | 2006-10-02 | 2008-04-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | プラズマディスプレイパネル |
JP2009218208A (ja) * | 2008-03-07 | 2009-09-24 | Samsung Sdi Co Ltd | プラズマディスプレイパネル |
JP2010501996A (ja) * | 2006-10-30 | 2010-01-21 | エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド | 保護膜及びその形成方法 |
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