JP2005135663A - 電力供給回路及びこの電力供給回路を具備する加熱調理器 - Google Patents

電力供給回路及びこの電力供給回路を具備する加熱調理器 Download PDF

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直紀 杉村
Kohei Ito
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Abstract

【課題】 加熱調理器の制御系がシステムダウン(プログラム停止)した場合であっても,ヒータやマイクロ波発生装置等への供給電力を遮断して,加熱調理器の安全性を確保すること。
【解決手段】 加熱調理器の電力供給回路に,電力供給源2からヒータ等に供給される電力を通電/遮断するべく電力供給源2に対して並列に設けられたドアスイッチ30及びリレー33と,ドアスイッチ30が切り換えられたことによりマイコン1aに供給された電力を受けて,電力供給源2からリレー33の接点33aてマイコン1aに電力を供給するべくリレー33を切り換えるための切換信号をマイコン1aに出力させる切換信号出力手段と,この切換信号出力手段により切換信号がマイコン1aから継続して出力されている間は,接点33aを通電状態に保持し,切換信号出力手段による切換信号の出力が途絶えたときは,接点33aを遮断状態に切り換える保持切換手段とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は,電子レンジやオーブンレンジ等の加熱調理器に用いられる電力供給回路に関し,特に,被加熱物を加熱するヒータやマイクロ波等の加熱装置へ安全に電力を供給する電力供給回路に関するものである。
従来,電子レンジやオーブンレンジ等の加熱料理器に関し,多数の技術が提案されており,その一例として,特許文献1に開示されている加熱調理器がある。この特許文献1に記載の加熱料理器は,高周波加熱装置(加熱手段)を起動させるためのキースイッチが押圧されることにより出力されるスイッチ信号がマイクロコンピュータ(以下,「マイコン」と略す。)に入力され,このマイクロコンヒュータによって,予め設定された上記キースイッチに対する調理条件に基づき上記高周波加熱装置からマイクロ波が出力され,このマイクロ波が被加熱物に照射されることにより食品等の加熱調理が実行されるものである。即ち,まず,マイクロコンピュータにより所定のリレーが作動され,高周波加熱装置に電圧が供給される。この供給された電圧は,高圧トランスで昇圧され,ダイオードやコンデンサにより更に昇圧された後に上記高周波加熱装置内のマグネトロンに印加される。この高電圧を受けて上記マグネトロンから発生されたマイクロ波が加熱庫内に収容された食品に照射されることにより,食品がマイクロ波により加熱される。
ここで,上記特許文献1に記載の加熱調理器を含む従来の加熱調理器に用いられる電力供給回路Yについて,図3の回路図及び図4のタイミングチャートを用いて更に詳しく説明する。ここに,図3は従来の加熱調理器に用いられる加熱手段に電力を供給するための電力供給回路の一例を示す回路図,図4は図3の従来の電力供給回路のタイミングチャートである。尚,上記加熱調理器は,内部に被加熱物を収容する加熱庫,この加熱庫内の被加熱物を放射熱により加熱するヒータ(放射熱加熱手段)や上記被加熱物を電磁波により加熱するマイクロ波発生装置(電磁波加熱手段)等の加熱手段等を備え,外部に上記加熱庫に被加熱物を出し入れするためのドア,調理条件等の入力指示,調理の開始指示,電源の投入指示等を行う複数のキースイッチ等を有する操作パネル等を備えて構成され,予め入力された調理条件に基づいて上記加熱手段に供給される加熱電力を制御して上記非加熱物を加熱調理する周知の電子レンジやオーブンレンジ等の加熱調理器である。従って,ここでは上記加熱調理器の詳細については説明を省略する。
最初に,上記電力供給回路Yの概略構成について説明する。図3の回路図に示すように,従来の電力供給回路Yは,大別すると,加熱庫内の被加熱物を加熱するマイクロ波発生装置に供給される加熱電力を通電/遮断するリレー31(加熱電力切換手段の一例)と,加熱庫内の被加熱物を加熱するヒータに供給される加熱電力を通電/遮断するリレー32(加熱電力切換手段の一例)と,上記リレー31及び32による上記加熱電力の通電/遮断の切換を所定の制御プログラムに基づき制御するマイコン1(加熱制御手段の一例)と,AC100V(交流100V)の電力を供給する電力供給源2と,この電力供給源2から供給されたAC100Vを制御電力(例えばDC24V(直流24V))に変換して上記マイコン1に供給するAC/DCコンバータ3(以下,「AC/DC」と略す。)と,PNP型トランジスタ(以下「PNP」という)20,NPN型トランジスタ(以下「NPN」という)21,NPN22,ダイオード31d及びダイオード32d等の電子部品とを備えて構成されている。尚,上記電力供給源2及び上記AC/DC3は制御電力供給手段の一例である。
続いて,図3の回路図を用いて,上記電力供給回路Yを構成する各部品の接続状態について説明する。
上記AC/DC3のプラス側端子Pは,マイコン1の入力端子P20,PNP20のエミッタ,リレー31,32のプラス側端子と接続されている。
マイコン1の出力端子S1はデバイスコンデンサ5を介してPNP20のベースに,また,上記マイコン1の出力端子S2はNPN22のベースに接続されている。
PNP20のコレクタはNPN21のベースに接続され,更に,電解コンデンサ4を介して上記AC/DC3のマイナス側端子Nに接続されている。
リレー31には,該リレー31で残留電荷を消費する方向に並列にダイオード31dが接続されている。このリレー31のマイナス側端子はNPN21のエミッタに接続され,NPN21のコレクタは上記AC/DC3のマイナス側の端子Nに接続されている。尚,上記リレー31の接点31a(make接点)は,図示しないが,マイクロ波発生装置へ供給される加熱電力ラインに直列に接続されており,上記リレー31が作動することにより上記接点31aが励磁(ON)されて,上記マイクロ波発生装置へ加熱電力が供給される。
リレー32も,上記リレー31と同様にダイオード32dが並列接続されている。このリレー32のマイナス側端子はNPN22のエミッタに接続され,NPN22のコレクタは上記AC/DC3のマイナス側の端子Nに接続されている。尚,上記リレー32の接点32aも,図示しないが,ヒータへ供給される加熱電力ラインに直列に接続されており,上記リレー32に電力が供給されることにより上記接点32aが作動(ON)されて,上記ヒータへ加熱電力が供給される。
次に,図3の回路図及び図4のタイミングチャートを参照して従来の電力供給回路Yの動作について説明する。尚,図4の(p)〜(z)に示すタイミングチャートにおいて,(p)は電力供給源2から出力される電力,(q)はマイコン1に供給される電力,(r)は調理開始を示すスタート信号,(s)は調理終了を示す終了信号,(t)はマイコン1の端子S1からPNP20へ出力されるパルス信号,(u)はPNP20のコレクタ電圧,(v)はNPN21のコレクタ電圧,(w)はリレー接点31aの作動状態,(x)はマイコン1の端子S2からNPN22へ出力される制御信号,(y)はNPN22のコレクタ電圧,(z)はリレー接点32aの作動状態を示す。
まず,加熱調理器に設けられた不図示の電源スイッチが押圧操作されると,上記電力供給源2から上記AC/DC3にAC100Vの電力が供給され(図4(p)),上記AC/DC3により変換されたDC24Vが上記マイコン1(の電力端子P20)に供給される(図4(q))。このとき上記PNP20,NPN21,NPN22はいずれもOFF状態であるため,上記リレー31,32には電力は供給されない(図4:T20)。
次に,加熱調理器内の加熱庫に収容された食品(被加熱物)を調理するための調理条件等が入力され,調理を開始するスタートキーが押圧操作されると(図4(r)),上記マイコン1の出力端子S1からパルス信号が出力され(図4(t)),このパルス信号がデバイスコンデンサ5を介してPNPトランジスタ20のベースに入力される(図4:T21)。これにより,PNP20のエミッタからコレクタに向けて電流が流れ,上記パルス信号のLOWレベルに応じたDC24Vが上記NPN21のベース及び上記電界コンデンサ4に供給される(図4(u))。尚,上記デバイスコンデンサ5は周波性を有するパルス信号や交流成分を通過させ,一定の大きさを有する直流信号等を遮断させる性質を有するものである。
上記電解コンデンサ4に電力が供給されると,すぐに該電界コンデンサ4に電力が蓄えられる。この蓄えられた電力は,上記NPN21のベースに供給される(図4(v),T22)。上記NPN21のベースに電力が供給されると,NPN21のエミッタからコレクタに向けて電流が流れるため,上記リレー31に電力が供給され,このリレー31によりリレー接点31aが作動(ON)される(図4(w))。これによりマイクロ波発生装置に加熱電力が供給されて,マイクロ波加熱による加熱調理が開始される。
また,上記スタートキーが押圧操作されると,上記マイコン1の出力端子S2から上記NPN22のベースに制御信号も出力される(図4(x))。この制御信号は,周期性を有する信号ではなく,上記調理条件に基づいてヒータへ供給される加熱電力を制御するために出力されるHIGHレベル或いはLOWレベルの信号であって,上記調理条件や加熱庫内の温度状況等に応じて信号レベルが不規則に変化する信号である。この制御信号が上記NPN22のベースに出力されると,該制御信号の信号レベルに応じて,信号レベルがHIGHのときはNPN22のエミッタからコレクタに向けて電流が流れ(図4(y)),リレー32に電力が供給され,このリレー32によりリレー接点31aが作動(ON)される。一方,信号レベルがLOWのときは,エミッタからコレクタに向けて電流が流れないため,リレー32は作動しない(図4(z))。このように,マイコン1出力される制御信号に応じて上記リレー32の接点32aがON或いはOFFに切り換えられることにより,上記ヒータに加熱電力が供給されて,ヒータによる加熱調理が開始される。
また,加熱調理の終了信号が上記マイコン1に入力されると(図4(s)),上記マイコン1は端子S1,S2からの信号の出力を停止させて,上記マイクロ波発生装置及びヒータによる加熱調理を終了させる(図4,T23)。
特開平09−14665号公報
しかしながら,上記従来の電力供給回路Yには以下の問題点がある。
例えば,図4のタイミングチャートに示す時刻Tyのときに,携帯電話等の無線通信装置から発生する電磁波,高周波等のノイズ,或いは,加熱料理器自体から生じる上記ノイズの影響を受けてシステムダウンした場合,即ち,マイコン1の制御プログラム等に基づく処理動作が停止してマイコン1が暴走し,上記リレー32の切換の制御が不能となった場合に,上記リレー32に対してHIGHレベルの信号が出力され続け,ヒータによる加熱が継続されるという危険な状態となるおそれがある。家電製品に無線通信技術が利用されるようになった昨今では,上述のヒータによる継続加熱が発生する可能性が大きく,問題である。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,加熱調理器の制御系がシステムダウン(プログラム停止)した場合であっても,被加熱物を加熱するヒータやマイクロ波発生装置等の加熱手段への供給電力を遮断して,加熱調理器の安全性を確保することのできる電力供給回路及びこれを備えた加熱調理器を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,加熱調理器本体の内部に設けられた加熱室内の被加熱物を加熱する1以上の加熱手段に供給される加熱電力を通電/遮断する加熱電力切換手段と,上記加熱電力切換手段による上記通電/遮断の切換を所定の制御プログラムに基づき制御する加熱制御手段と,上記加熱制御手段に電力を供給する制御電力供給手段と,を具備する加熱調理器の電力供給回路において,上記制御電力供給手段から上記加熱制御手段に供給される電力を通電/遮断するべく上記制御電力供給手段に対して並列に設けられた第1の切換手段及び第2の切換手段と,上記第1の切換手段が切り換えられたことにより上記加熱制御手段に供給された電力を受けて,上記制御電力供給手段から上記第2の切換手段を経て上記加熱制御手段に電力を供給するべく上記第2の切換手段を切り換えるための切換信号を上記加熱制御手段に出力させる切換信号出力手段と,上記切換信号出力手段により上記切換信号が上記加熱制御手段から継続して出力されている間は,上記第2の切換手段を通電状態に保持し,上記切換信号出力手段による上記切換信号の出力が途絶えたときは,上記第2の切換手段を遮断状態に切り換える保持切換手段と,を具備してなることを特徴とする電力供給回路として構成されるものである。
このように構成されることにより,例えば,上記加熱制御手段が電磁波や高周波等のノイズの影響を受けてシステムダウン(プログラム停止状態)した場合に,上記加熱電力切換手段による切換制御が不能となり,該加熱電力切換手段によりヒータやマイクロ波発生装置等の加熱手段に加熱電力が継続して供給される状態となった場合であっても,システムダウン直後に上記加熱制御手段への電力供給が遮断される。これにより,上記加熱手段に供給される加熱電力が遮断されるため,上記加熱調理器の安全性を確保することが可能となる。
この場合,上記第1の切換手段が,上記加熱室の開口部に開閉可能に設けられたドアの開閉状態を検出するドアスイッチであることが望ましい。これにより,上記加熱室に被加熱物である食品を収納する際にドアが開けられたことが検出されると同時に,上記加熱制御手段に電力が供給されるため,上記加熱制御手段によって上記加熱電力切換手段の切換を制御することが可能となる。
ここで,上記加熱制御手段がシステムダウンした場合は,システムダウン直前に上記加熱制御手段から出力された信号と同レベルの信号(異常信号)が上記加熱制御手段から継続して出力されると考えられる。この異常信号が上記加熱手段に加熱電力を供給する信号レベルを有する場合は,上記加熱手段に常に加熱電力が供給されるため,加熱調理器が異常加熱するおそれがあり危険である。従って,この場合は,上記加熱手段への電力供給を遮断させるべく,上記加熱制御手段に供給される電力を遮断させる必要がある。そのために,上記切換信号出力手段により上記加熱制御手段から出力される上記切換信号は一定の周期性を持つ信号であって,該切換信号がコンデンサを介して出力されるものであることが望ましい。このように,上記切換信号が一定の周期性を持つ信号であれば,正常時はコンデンサを通過して上記切換信号が出力され,異常時(システムダウン時)は,上記加熱制御手段から出力される上記切換信号の異常信号が上記コンデンサにより遮られるため,上記加熱制御手段への電力供給が遮断され,次いで,上記加熱手段に供給される加熱電力が遮断されるため,加熱調理器の安全性が確保されることになる。
また,上記1以上の加熱手段が,上記被加熱物を放射熱により加熱する放射熱加熱手段,及び,上記被加熱物を電磁波により加熱する電磁波加熱手段であってもよい。
また,上記電力供給回路を備えた加熱調理器であっても,前記課題を解決することができる。
以上説明したように,本発明によれば,加熱調理器の電力供給回路に,制御電力供給手段から加熱制御手段に供給される電力を通電/遮断する第1の切換手段と,上記第1の切換手段と並列に設けられ,上記制御電力供給手段から上記加熱制御手段に供給される電力を通電/遮断する第2の切換手段と,上記第1の切換手段が切り換えられたことにより上記加熱制御手段に供給された電力を受けて,上記制御電力供給手段から上記第2の切換手段を経て上記加熱制御手段に電力を供給するべく上記第2の切換手段を切り換えるための切換信号を上記加熱制御手段に出力させる切換信号出力手段と,上記切換信号出力手段により上記切換信号が上記加熱制御手段から継続して出力されている間は,上記第2の切換手段を通電状態に保持し,上記切換信号出力手段による上記切換信号の出力が途絶えたときは,上記第2の切換手段を遮断状態に切り換える保持切換手段が設けられているため,例えば,上記加熱制御手段が電磁波や高周波等のノイズの影響を受けてシステムダウンした場合に,上記加熱電力切換手段の切換の制御が不能となり,該加熱電力切換手段によりヒータやマイクロ波発生装置等の加熱手段に加熱電力が継続して供給される状態となった場合であっても,システムダウン直後に上記加熱制御手段への電力供給が遮断され,これにより上記加熱手段に供給される加熱電力が遮断されるため,上記加熱調理器の安全性を確保することが可能となる。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る加熱調理器の電力供給回路の一例を示す回路図,図2は図1に示す本発明の実施の形態に係る電力供給回路のタイミングチャート,図3は従来の加熱調理器の電力供給回路の一例を示す回路図,図4は図3に示す従来の電力供給回路のタイミングチャートである。
ここで,図1の回路図及び図2のタイミングチャートを用いて,本発明の実施の形態に係る加熱調理器の電力供給回路Xの概要とその動作について説明する。
まず,本電力供給回路Xの概略構成について説明する。図4の回路図に示すように,本電力供給回路Xは,リレー31(加熱電力切換手段の一例),リレー32(加熱電力切換手段の一例),マイコン1a(加熱制御手段の一例),電力供給源2(制御電力供給手段の一例),AC/DC3と,を備えている点においては前記従来の電力供給回路Yと略同じ構成である。また,本電力供給回路Xは,ドアスイッチ30,リレー33,PNP10,NPN11,NPN12,NPN13,及びダイオード31d,32d,33d等の電子部品とを備えて構成されている。以下に上記各構成について説明するが,従来の電力供給回路Yと同一の構成については説明を省略する。
上記ドアスイッチ30は,上記電力供給源2から出力されるAC100Vの電力を通電/遮断する第1の切換手段の一例であって,ドアの開閉状態を検出するリミットスイッチやマイクロスイッチ等である。上記ドアスイッチ30は,ドアが開のときに作動(ON)し,ドアが閉のときに不作動(OFF)となる。
上記リレー33は,電力供給源2に対して上記ドアスイッチ30と並列に設けられ,上記電力供給源2から出力されるAC100Vの電力を通電/遮断する第2の切換手段の一例であって,電磁接触器等のパワーリレーである。かかるリレー33は,周知のごとく,リレー33の通電時に作動(ON)し,断電時に不作動(OFF)となる上記リレー接点33aを有する。
上記マイコン1aは,従来の電力供給回路Yのマイコン1と同じく,上記リレー31及び32による上記加熱電力の通電/遮断の切換を所定の制御プログラムに基づき制御するものである。更に,従来のマイコン1とは異なり,上記マイコン1aには,上記リレー33の接点33aが切り換えられたことにより上記マイコン1aに供給された電力を受けて,上記電力供給源2から上記リレー33の接点33aを経て上記マイコン1aに電力を供給するべく上記リレー33の接点33aを切り換えるための切換信号を上記マイコン1aに出力させる切換信号出力手段として上記マイコン1aを機能させるための切換信号出力プログラムが不図示のプログラムメモリに格納されている。このマイコン1aには3つの出力端子と1つの入力端子が設けられており,出力端子S1aからはパルス信号(切換信号に相当),出力端子S2aからは上記リレー31による通電/遮断の切換を制御する制御信号SA,出力端子S2bからは上記リレー32による通電/遮断の切換を制御する制御信号SBが出力され,入力端子P10には制御電源が入力される。
上記PNP10及びNPN11は,上記切換信号出力プログラムに基づいて上記マイコン1から上記パルス信号が継続して出力されている間は,上記リレー33の接点33aを通電状態に保持し,上記切換信号の出力が途絶えたときは,上記リレー33の接点33aを遮断状態に切り換える保持切換手段の一例である。
続いて,図1の回路図を用いて,上記電力供給回路Xを構成する各部品の接続状態について説明する。
上記AC/DC3のプラス側端子Pは,マイコン1aの入力端子P10,PNP10のエミッタ,リレー31,32,33のプラス側端子と接続されており, マイコン1aの出力端子S1aはデバイスコンデンサ5を介してPNP10のベースに,出力端子S2aはNPN12のベースに,出力端子S2bはNPN13のベースにそれぞれ接続されている。
PNP10のコレクタはNPN11のベースに接続され,更に,電解コンデンサ4を介して上記AC/DC3のマイナス側端子Nに接続されている。
リレー31のマイナス側端子はNPN12のエミッタに接続され,NPN12のコレクタは上記AC/DC3のマイナス側の端子Nに接続されており,リレー32のマイナス側端子はNPN13のエミッタに接続され,NPN13のコレクタは上記AC/DC3のマイナス側の端子Nに接続されている。
また,リレー33には,該リレー33で残留電荷を消費する方向に並列にダイオード33dが接続されている。このリレー33のマイナス側端子はNPN11のエミッタに接続され,NPN11のコレクタは上記AC/DC3のマイナス側の端子Nに接続されている。上記リレー33の接点33aは上記電力供給源2と上記AC/DC3との間の電源ラインに直列に接続されており,上記リレー33が作動することにより上記接点33aが作動(ON)されて,上記電力供給源2から上記AC/DC3へAC100Vの電力が供給される。
また,回路を構成するその他の要素の接続については,前記従来の電力供給回路Yと同様であるため,上述の電力供給回路Yの接続状態の説明を参照されたい。
次に,図1の回路図及び図2のタイミングチャートを参照して本電力供給回路Xの動作について説明する。尚,図2の(a)〜(o)に示すタイミングチャートにおいて,(a)は電力供給源2から出力される電力,(b)はマイコン1aに供給される電力,(c)はドアスイッチ30のON/OFF状態,(d)は調理開始を示すスタート信号,(e)は調理終了を示す終了信号,(f)はマイコン1aの端子S1aからPNP10へ出力されるパルス信号,(g)はPNP10のコレクタ電圧,(h)はNPN11のコレクタ電圧,(i)はリレー接点33aの作動状態,(j)はマイコン1の端子S2aからNPN12へ出力される制御信号SA,(k)はNPN12のコレクタ電圧,(l)はリレー接点31aの作動状態,(m)はマイコン1の端子S2bからNPN13へ出力される制御信号SB,(n)はNPN13のコレクタ電圧,(o)はリレー接点32aの作動状態を示すタイミングチャートである。
まず,加熱調理器に設けられた不図示の電源スイッチが押圧操作されると,上記電力供給源2からAC100Vの電力が出力されるが(図2(a),T10),加熱庫を開閉するドアが閉じている状態であり,ドアスイッチ30及びリレー接点33aがいずれも作動(ON)状態でない場合は,従来とは異なり,上記AC/DC3にはAC100Vの電力が供給されないため,マイコン1aには電力が供給されない。
次に,例えば,加熱庫に食品を収容するために上記ドアが開けられると,ドアスイッチ30が作動(ON)され(図2(c),T11),このドアスイッチを経て上記AC/DC3にAC100Vが供給され,上記AC/DC3により変換されたDC24Vが上記マイコン1a(の電力端子P10)に供給される(図2(b))。また,ドアが閉じられたときは,ドアスイッチが不作動(OFF)となるため,このドアスイッチを経由して電力は供給されない。
続いて,調理を開始するスタートキーが押圧操作されると(図2(d)),上記マイコン1aの出力端子S1aからパルス信号が出力され(図2(f)),このパルス信号がデバイスコンデンサ5を介してPNP10のベースに入力される(図2,T12)。これにより,前記従来の電力供給回路Yと同様に,PNP10のエミッタからコレクタに向けて電流が流れ,上記パルス信号のLOWレベルに応じたDC24Vが上記NPN21のベース及び上記電界コンデンサ4に供給されて(図2(g)),この蓄えられた一定電力が上記NPN11のベースに供給される(図4(h),T13)。これにより,NPN11のエミッタからコレクタに向けて電流が流れるため,上記リレー33に電力が供給され,該リレー33によりリレー33の接点33aが作動(ON)される(図2(i))。このように,上記パルス信号が継続して出力されている間は,上記PNP10及び上記NPN11が作動することにより,上記接点33aがON状態(通電状態)に保持されるため,たとえ加熱庫のドアが閉じられたとしても,上記接点33aを経て上記マイコン1aに電力が供給される。即ち,上記PNP10及び上記NPN11が,上記パルス信号がマイコン1aから継続して出力されている間は上記リレー33を通電状態に保持する保持切換手段に相当する。
その後,加熱庫内に被加熱物が収容され,ドアが閉じられた後に,上記スタートキーが押圧操作されると,上記マイコン1aの出力端子S2aから上記NPN12のベースに制御信号SAが出力される。上記NPN12では,上記制御信号SAの信号レベルに応じてON/OFFし,例えば信号レベルがHIGHのときはONして,リレー31に電力が供給されて接点31aが作動(ON)される。一方,信号レベルがLOWのときは,上記NPN12がOFFするので,リレー31は作動しない(図4(z))。このように,上記制御信号SAにより上記リレー31の動作が制御されることにより,上記マイクロ波発生装置へ供給される加熱電力が制御される。これにより,マイクロ波発生装置による加熱調理が行われる。また,上記マイコン1aの出力端子S2bから上記NPN13のベースに制御信号SBが出力された場合も,上記NPN13及びリレー32は上記NPN12及びリレー31と同様に作動する。この場合も,上記制御信号SBにより上記リレー32の動作が制御されることにより,上記ヒータへ供給される加熱電力が制御される。これにより,ヒータによる加熱調理が行われる。従って,上記リレー31及び32が加熱手段であるヒータ或いはマイクロ波発生装置に供給される加熱電力を通電/遮断する加熱電力切換手段に相当する。
更に,加熱調理の終了信号が上記マイコン1に入力されると(図4(e)),上記マイコン1aにより端子S1a,S2a,S2bからの信号の出力が停止され,上記マイクロ波発生器及びヒータによる加熱が終了する(図4,T3)。このとき,上記端子S1aからのパルス信号が途絶えると同時に,上記リレー33への電力が遮断され,上記接点33aが不作動(OFF)となる。これにより,マイコン1aへの電力供給が遮断される。
上述のように構成された本電力供給回路Xによれば,例えば,図2のタイミングチャートに示す時刻Txのときに,ノイズの影響を受けて上記マイコン1aがシステムダウンした場合であっても,上記出力端子S1aから出力されるパルス信号の異常信号(一定レベルを有する信号)は上記デバイスコンデンサ5で遮られるる。そのため,上記PNP10及び上記NPN11が作動しなくなるため,上記リレー33に電力が供給されなくなり,その結果,上記リレー接点33aが不作動(OFF)となり,上記マイコン1aへの電力供給が遮断される。これにより,上記リレー31,32に電力が遮断され,即ち,このリレー接点31a,32aが不作動(OFF)となるため,上記マイクロ波発生装置やヒータへの供給電力が遮断される。これにより,マイコン1aがシステムダウンした場合であっても,加熱調理器の安全性が十分確保されることになる。即ち,上記PNP10及び上記NPN11が,上記マイコン1aからのパルス信号の出力が途絶えたときは,上記リレー33を遮断状態に切り換える保持切換手段に相当する。
本発明の実施の形態に係る加熱調理器の電力供給回路の一例を示す回路図。 図1に示す本発明の実施の形態に係る電力供給回路のタイミングチャート。 従来の加熱調理器の電力供給回路の一例を示す回路図。 図3に示す従来の電力供給回路のタイミングチャート。
符号の説明
1,1a…マイクロコンピュータ
2…電力供給源
3…AC/DCコンバータ
4…電界コンデンサ
5…デバイスコンデンサ
10,20…PNP型トランジスタ
11〜13,21,22…NPN型トランジスタ

Claims (5)

  1. 加熱調理器本体の内部に設けられた加熱室内の被加熱物を加熱する1以上の加熱手段に供給される加熱電力を通電/遮断する加熱電力切換手段と,
    上記加熱電力切換手段による上記通電/遮断の切換を所定の制御プログラムに基づき制御する加熱制御手段と,
    上記加熱制御手段に電力を供給する制御電力供給手段と,
    を具備する加熱調理器の電力供給回路において,
    上記制御電力供給手段から上記加熱制御手段に供給される電力を通電/遮断するべく上記制御電力供給手段に対して並列に設けられた第1の切換手段及び第2の切換手段と,
    上記第1の切換手段が切り換えられたことにより上記加熱制御手段に供給された電力を受けて,上記制御電力供給手段から上記第2の切換手段を経て上記加熱制御手段に電力を供給するべく上記第2の切換手段を切り換えるための切換信号を上記加熱制御手段に出力させる切換信号出力手段と,
    上記切換信号出力手段により上記切換信号が上記加熱制御手段から継続して出力されている間は,上記第2の切換手段を通電状態に保持し,上記切換信号出力手段による上記切換信号の出力が途絶えたときは,上記第2の切換手段を遮断状態に切り換える保持切換手段と,
    を具備してなることを特徴とする電力供給回路。
  2. 上記第1の切換手段が,上記加熱室の開口部に開閉可能に設けられたドアの開閉状態を検出するドアスイッチである請求項1に記載の電力供給回路。
  3. 上記切換信号出力手段により上記加熱制御手段から出力される上記切換信号が一定の周期性を持つ信号であって,該信号がコンデンサを介して出力されるものである請求項1又は2に記載の電力供給回路。
  4. 上記1以上の加熱手段が,上記被加熱物を放射熱により加熱する放射熱加熱手段,及び,上記被加熱物を電磁波により加熱する電磁波加熱手段である請求項1〜3のいずれかに記載の電力供給回路。
  5. 上記請求項1〜4に記載の電力供給回路を備えてなる加熱調理器。
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