JP2005135639A - 燃料電池およびその製造方法 - Google Patents

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Hisatoshi Fukumoto
久敏 福本
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Abstract

【課題】均一な圧力のもと電極基材により支持され、乾燥および湿潤の繰り返しによるストレスが加わっても膜破損の恐れのない固体高分子電解質膜を有する燃料電池とそれの製造方法を提供することである。
【解決手段】燃料電池では、固体高分子電解質膜の中央部を両面から挟持した負極触媒層および正極触媒層を上記固体高分子電解質膜と同じ外形の燃料電極基材および酸化剤電極基材で外側から挟持してなる膜電極接合体を有する燃料電池であって、上記固体高分子電解質膜のうち上記負極触媒層および上記正極触媒層を囲繞する外縁部と上記燃料電極基材および酸化剤電極基材との隙間に段差解消部材を設けた。
【選択図】図1

Description

この発明は電気化学的な反応を利用して発電する燃料電池およびその製造方法に関する。
燃料電池は、電解質膜を介在して1対の電極を対向させ、この一方の電極に燃料を、他方の電極に酸化剤を供給し、燃料と酸化剤とを燃料電池内で電気化学的に反応させることにより化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置である。この燃料電池のうち固体高分子型燃料電池は電解質膜としてプロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜を用いているので、高出力の特性が得られる。
この固体高分子型燃料電池は反応ガスを供給し続けることにより電気化学反応が継続する。このときに電気化学反応で重要な役割を果たす電解質膜のイオン伝導性は、固体高分子電解質膜の水分含有量にほぼ比例する。さらに、固体高分子電解質膜の水分含有量が反応ガスの湿度に依存しているので、反応ガスを加湿して運転する。
しかし、固体高分子電解質膜は乾燥すると縮み吸湿すると膨潤するので、運転と停止の繰り返しにより固体高分子電解質膜にストレスがかかる。さらに、酸化剤供給口に乾燥した空気を供給したとき、空気流路の上流域では固体高分子電解質膜が乾燥し、その下流域では生成水により固体高分子電解質膜が湿潤する。このようにして固体高分子電解質膜にストレスが加わるので、確実に固体高分子電解質膜を支えておかなければ固体高分子電解質膜が破損してしまうおそれがあった。
そこで、従来の燃料電池では、固体高分子電解質膜に処理を施して固体高分子電解質膜を確実に支持できるようにしている。例えば、固体高分子電解質膜が1対の電極より面積が大きくかつ1対の電極と接する通電部と1対の電極と接していない非通電部とを有している。その通電部と非通電部との境界部に補強材が含まれている。この補強材の材質としては含フッ素重合体が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、固体高分子電解質膜の通電部と補強材で補強された非通電部との境界部にストレスが集中し、境界部に沿って亀裂が生じるおそれがあった。
そこで、固体高分子電解質膜を支持する電極基材を補強して固体高分子電解質膜を確実に支持できるようにしている。例えば、電極基材が固体高分子電解質膜と同一の面積であり、かつ電極基材の周縁部が接着剤からなる緻密化剤で緻密化されている。この緻密化された周縁部で固体高分子電解質膜を支持し、かつガスシールしている。緻密化剤としてはポリテトラフルオロエチレン系のディスパージョンを使用し、周縁部に含浸後溶媒を取り除いて緻密化を行っている(例えば、特許文献2参照。)。
また、他の電極基材の補強方法としては、電極の発電領域を包囲する封止領域に射出成形可能な熱硬化性液体化合物を含浸し、硬化している(例えば、特許文献3参照。)。
特開2000―260443号公報 特開平8―148170号公報 特表2001―510932号公報
しかし、上述の電極基材の補強方法では、電極基材に形成された触媒層の厚みの分、周縁部と発電部とで触媒層を含んだ電極基材の厚みが異なる。このため外部から電極基材を介して固体高分子電解質膜に加わる圧力が、固体高分子電解質膜の周縁部と発電部とでは異なり、周縁部での支持が弱くなってしまうという問題があった。
この発明の目的は、均一な圧力のもと電極基材により支持され、乾燥および湿潤の繰り返しによるストレスが加わっても膜破損のおそれのない固体高分子電解質膜を有する燃料電池とその製造方法を提供することである。
この発明にかかる燃料電池では、固体高分子電解質膜の中央部に両面から接合された負極触媒層および正極触媒層を上記負極触媒層より大きな面積の燃料電極基材および上記正極触媒層より大きな面積の酸化剤電極基材でさらに両側から挟持してなる膜電極接合体を有する燃料電池において、上記固体高分子電解質膜のうち上記負極触媒層および上記正極触媒層を囲繞する外縁部と上記燃料電極基材および上記酸化剤電極基材との隙間にそれぞれ段差解消部材が設けられた。
この発明の燃料電池に係わる効果は、段差解消部材により触媒層に係わる発電部と外縁部との間に見られる段差を解消し、電解質膜を触媒層と段差解消部材で平坦に支持するので、電解質膜に加わるストレスを均一にすることができる。その結果、電解質膜の破損を防止することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係わる固体高分子型燃料電池の断面図である。
この固体高分子型燃料電池(以下、燃料電池と称す。)の単電池は、膜電極接合体1とその膜電極接合体1を両側から挟持する導電性酸化剤セパレータ板2および導電性燃料セパレータ板3とを有する。
この膜電極接合体1は、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜(以下、電解質膜と称す。)4、電解質膜4の片面の中央部に接する正極触媒層5、電解質膜4の他の片面の中央部に接する負極触媒層6、正極触媒層5と負極触媒層6のそれぞれの外周に接し、電解質膜4の外縁部に面した段差解消部材7、8、正極触媒層5と段差解消部材7とを覆う酸化剤電極基材9、負極触媒層6と段差解消部材8とを覆う燃料電極基材10を有する。酸化剤電極基材9と燃料電極基材10の段差解消部材7、8がそれぞれ面する外縁部11、12には熱可塑性樹脂が充填されている。
また、導電性酸化剤セパレータ板2は、酸化剤電極基材9に面する面に酸化剤を流す酸化剤ガス流路13が設けられている。さらに、導電性燃料セパレータ板3は、燃料電極基材10に面する面に燃料を流す燃料ガス流路14が設けられている。この酸化剤ガス流路13は、導電性酸化剤セパレータ板2の外縁部に延在し、さらにその導電性酸化剤セパレータ板2の外縁部に厚み方向に穿設された穴に連なっている。単電池を複数個積層するときこの穴は上下に積層されている単電池の導電性燃料セパレータ板3に設けられた穴と連なり、さらにその上の導電性酸化剤セパレータ板2に設けられた穴と連なっていく。一番上に積層された単電池の導電性酸化剤セパレータ板2に設けられた穴を酸化剤供給口としてそこに酸化剤が供給される。一方、一番下に積層された単電池の導電性燃料セパレータ板3に設けられた穴を酸化剤排出口としてそこから余った酸化剤が排出される。燃料に関しても同様にして供給・排出される。
電解質膜4は、外形が10cm×20cmで膜厚が50μmのパーフルオロスルフォン酸膜であるナフィオン(登録商標)膜である。
正極触媒層5は、50重量%白金が担持されたカーボンブラック粒子とパーフルオロ系高分子電解質との混合物が電解質膜4の中央部の片面に外形が7cm×14cmで膜厚が14μmで積層されている。正極触媒層5は、酸化剤電極基材9に7μm押し込まれており、酸化剤電極基材9の表面と正極触媒層5の電解質膜4に面する面との段差は7μmになっている。
負極触媒層6は、50重量%白金―ルテニウム系合金が担持されたカーボンブラック粒子とパーフルオロ系高分子電解質との混合物が電解質膜4の中央部の正極触媒層5が形成された面の反対面に外形が7cm×14cmで膜厚が14μmで積層されている。負極触媒層6は、燃料電極基材10に7μm押し込まれており、燃料電極基材10の表面と負極触媒層6の電解質膜4に面する面との段差は7μmになっている。
段差解消部材7、8は、熱可塑性樹脂からなり、外寸が10cm×20cm、内寸が7cm×14cm、膜厚が7μmである。
酸化剤電極基材9と燃料電極基材10は、空隙率80%のカーボンペーパーであり、外形が10cm×20cmで膜厚が300μmである。また、酸化剤電極基材9と燃料電極基材10のそれぞれの外縁部11、12の空孔には段差解消部材7、8と同一の熱可塑性樹脂が充填されている。
導電性酸化剤セパレータ板2と導電性燃料セパレータ板3は、黒鉛を樹脂によって結合した黒鉛板であり、それらの片面の中央部の7cm×14cmの領域にそれぞれ酸化剤ガス流路13と燃料ガス流路14が設けられている。
熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂が用いられている。なお、熱可塑性樹脂として、燃料電池が稼働しているときの最大温度以上にガラス転移温度があり、かつ電解質膜4の耐熱温度以下に軟化点温度を有する樹脂であればこの発明に適用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン系樹脂およびポリオレフィンとポリ酢酸ビニルなどの共重合樹脂がある。また、ナイロン11、ナイロン12などに代表される共重合ナイロン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体に代表されるポリエステル系樹脂が挙げられる。さらに、ポリブチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、無定型ポリアミド樹脂などを使用することができる。
次に、この燃料電池の製造方法を図2を参照して説明する。
まず、酸化剤電極基材9と燃料電極基材10とを、厚み300μm、空隙率80%のカーボンペーパー(東レ(株)製TGP−H−90)から10cm×20cmに切り出す。また、膜厚300μmのポリオレフィン系の熱可塑性樹脂膜から外寸10cm×20cm、内寸7cm×14cmのロの字型に樹脂フィルム15、16を切り出す。この樹脂フィルム15、16の熱可塑性樹脂の流動開始温度は130℃である。流動開始温度は、高化式フローテスター(0.5mmφ×1mm×10kg/cm)を用いて、昇温速度3℃/minで測定された。また、厚さ50μmのデュポン製ナフィオン膜から外形10cm×20cmに電解質膜1を切り出す。
次に、正極触媒層5と負極触媒層6の形成について説明する。正極触媒としては白金をカーボンブラック上に50重量%担持したものを用いている。この正極触媒1重量部に水1重量部とパーフルオロ系高分子電解質溶液(旭硝子(株)製フレミオン(登録商標)9%溶液)3重量部を添加し、攪拌混合して均一な正極触媒ペーストを作製する。また、負極触媒としては白金―ルテニウム系合金をカーボンブラック上に50重量%担持したものを用いている。この負極触媒1重量部に水1重量部とパーフルオロ系高分子電解質溶液(旭硝子(株)製フレミオン(登録商標)9%溶液)6重量部を添加し、攪拌混合して均一な負極触媒ペーストを作製する。次に、この正極触媒ペーストを酸化剤電極基材9の中央部に外形7cm×14cmになるようにスクリーン印刷し、減圧乾燥して、乾燥後膜厚14μmになるように正極触媒層5を形成した。さらに、負極触媒ペーストを燃料電極基材10の中央部に外形7cm×14cmになるようにスクリーン印刷し、減圧乾燥して、乾燥後膜厚14μmになるように負極触媒層6を形成した。
次に、ホットプレス機19の平板18に図2のように燃料電池の部材をセットする。つまり、樹脂フィルム16を平板18上にセットし、その上に負極触媒層6が上方に向くようにして燃料電極基材10、電解質膜4、正極触媒層5が下向きになるように酸化剤電極基材9、樹脂フィルム15の順に積み重ねる。
次に、平板17、18でこれらを圧力1kg/cm程度、温度150℃で挟み込み、その後真空状態にして締付け圧を5kg/cmに上げて3分間保持する。このとき樹脂フィルム15、16が流動して酸化剤電極基材9と燃料電極基材10との空孔にその樹脂が含浸していく。さらに、電解質膜4と酸化剤電極基材9との隙間および電解質膜4と燃料電極基材10との隙間に樹脂フィルム15、16の熱可塑性樹脂が流れ込む。次に、締付け圧を10kg/cmに上げて2分間保持した。このとき、14μmあった正極触媒層5と負極触媒層6とがそれぞれ酸化剤電極基材9と燃料電極基材10とに部分的にめり込み7μmの厚みになるので、温度を室温まで降下させた。熱可塑性樹脂によって酸化剤電極基材9と燃料電極基材10の外縁部11、12の空孔が満たされるとともに、酸化剤電極基材9および燃料電極基材10と電解質膜4との隙間が埋められて、段差解消部材7、8が形成される。正極触媒層5および負極触媒層6の接した酸化剤電極基材9および燃料電極基材10の部分に0.5mm程度の幅で樹脂が流れ込んでいたが、電極の有効面積の損失は約2%と無視できる程度であった。余分な樹脂は酸化剤電極基材9および燃料電極基材10の外端部からはみだしていた。このようにして図1に示す燃料電池の単電池を形成することが出来た。
なお、この実施の形態1において樹脂フィルム15、16の中央の穴の内寸を正極触媒層5および負極触媒層6の外形と同一の形状としたが、中央の穴の内寸を1mm大きくすることにより電極有効面積の損失をほとんど無くすことができた。
次に、燃料電池の動作について説明する。導電性酸化剤セパレータ板2の図示しない酸化剤供給口より供給された酸化剤としての酸素は、酸化剤ガス流路13を通り、酸化剤電極基材9内を拡散して正極触媒層5に供給される。一方、燃料としての水素は空気と同様に、燃料ガス流路14を通り、燃料電極基材10内を拡散して負極触媒層6に供給される。このとき、正極触媒層5と負極触媒層6とは電気的に外部で接続されているので、正極触媒層5では式(1)の反応が生じ、酸化剤ガス流路13を通って未反応酸素と水とが図示しない酸化剤排出口から排出される。また、このとき負極触媒層6では式(2)の反応が生じ未反応水素は同様に燃料ガス流路14を通じて図示しない燃料排出口より排出される。
正極反応:2H+2e+1/2O→HO (1)
負極反応:H→2H+2e (2)
このとき負極触媒層6上で水素はイオン化されてプロトンとなり、水を伴って電解質膜4中を正極触媒層5上まで移動し、酸素と反応して水を生ずる。
次に、この発明の実施の形態1の燃料電池と比較試験を行うために図3に示す比較例の燃料電池を作製した。この比較例の燃料電池が実施の形態1の燃料電池と異なっているところは、酸化剤電極基材20、燃料電極基材21とガスケット22である。その他は同様であるので、同様な部分の説明を省略する。
図3において酸化剤電極基材20と燃料電極基材21の材質と厚みは実施の形態1と同様である。酸化剤電極基材20と燃料電極基材21の外形寸法が正極触媒層5と負極触媒層6の外形寸法と同一である。また。正極触媒層5と負極触媒層6もあらかじめホットプレスを施して酸化剤電極基材20と燃料電極基材21に7μmだけ埋め込んである。ガスケット22は、ポリオレフィン系樹脂板から外形10cm×20cm、内寸8cm×15cmのロの字状に打ち抜いて用意した。これらを図3のように積層して比較例の燃料電池の単電池を作製した。
この燃料電池の単電池を4つ用いてショートスタックを試作し、運転評価を実施した。比較例の燃料電池も単電池を4つ用いて並行して運転評価を実施し、対比を行った。
これらのショートスタックの温度を80℃に保った状態で、露点65℃の空気を利用率50%相当流量流し、25Aの電流で発電運転を実施した。このとき燃料として一酸化炭素を20ppm含有する改質模擬ガス(水素75%、残り二酸化炭素)を燃料利用率80%で供給した。この時酸化剤供給口の相対湿度は53%となる。一方酸化剤排出口では燃料電池反応により水が生成するため、空気中の水分量が増大し、相対湿度が80%に達した。従って、空気の上流に相当する領域では、電解質膜4が乾燥してイオン抵抗が増大する。一方下流域では、生成水により電解質膜4の水分含有量が増加してイオン抵抗が減少する。この時、初期の燃料電池の単電池の電圧が750mVとなり、開回路電圧も960mVとなっていた。そして8時間運転し、8時間停止(負荷・ガス停止、温度室温)するというサイクルを繰り返した。図4に運転時間毎の単電池の電圧と開回路電圧を示す。図4中のALが実施の形態1の燃料電池の25A負荷時の平均単電池電圧、AOが開回路電圧である。一方、BL、BOが比較例の燃料電池の25A負荷時の平均単電池電圧と開回路電圧である。
実施の形態1の燃料電池では運転時間の経過とともに特性の低下は見られるものの、1000時間経っても25A負荷時の単電池電圧は740mVと試験初期の単電池電圧から10mVだけ低下するに留まり、開回路電圧も955mVと試験初期の値より数mVしか低下しなかった。一方、比較例の燃料電池では600時間までは実施の形態1の燃料電池と同様の特性を示していたが、それ以降に突然1部の開回路電圧が700mV以下に低下した。単電池の温度の制御ができなくなったので運転を中止して分解すると、開回路電圧の低下した単電池のガスケット22と電極基材の隙間部分の電解質膜4が破れていた。また、他の単電池も電解質膜4が破れはしなかったがガスケット22と電極基材20、21との隙間部分の電解質膜4にしわが発生しており、もろくなっていた。この試験を運転温度と湿度の組合せを変えて5回試みた。図5にその試験結果の概要を示す。実施の形態1の燃料電池では特性低下量に差はあったものの安定した特性を示して試験が継続できた。一方、比較例の燃料電池では、加湿温度が高いケース2では実施の形態1の燃料電池と同様な特性の安定性を示していたが、加湿温度が低い条件においては、数百時間で開回路電圧が低下し、電解質膜4が破損した。
この実施の形態1の燃料電池では、外縁部の電解質膜が電気的に絶縁されているため、電解質膜4が外気と触れていても、内部の燃料流路からのイオン伝導経路が極端に長くなって、実質的に局所電池を形成することがなく、腐食や燃料損失の心配がなくなった。
このような燃料電池は、段差解消部材7、8により触媒層5、6に係わる発電部と外縁部との間に見られる段差を解消し、電解質膜4を触媒層5、6と段差解消部材7、8とで平坦に支持するので、電解質膜4に加わるストレスを均一にすることができる。その結果、電解質膜の破損を防止することができる。
また、このような燃料電池の製造方法は、ホットプレス時に熱可塑性樹脂が電解質膜4と電極基材9、10との隙間に流れ込むので、燃料電池に使用される部材の寸法のばらつきなどを吸収して触媒層5、6と段差解消部材7、8との電解質膜4に接する面を平坦にすることができる。
また、熱可塑性樹脂を用いると段差解消部材7、8を構成する樹脂と電極基材9、10の空孔に含浸された樹脂とが連続した樹脂膜となりガスシール性が向上する。
なお、段差解消部材に用いた熱可塑性樹脂を流動開始点が110℃(融点92℃)のもので膜電極接合体1を作製し、その膜電極接合体1と導電性酸化剤セパレータ板2および導電性燃料セパレータ板3とを順次積層して単電池を形成した後に110℃で加熱した。その結果、導電性酸化剤セパレータ板2および導電性燃料セパレータ板3と膜電極接合体1との間のガスシールを形成させることができるので、単電池の組立工程を簡略化することができた。
また、試験終了後の単電池を段差解消部材に用いた熱可塑性樹脂の流動開始点以上の温度にさらすことによって、膜電極接合体とセパレータ板との解体が容易にできた。
また、膜電極接合体も同様にして電極基材と電解質膜とに簡単に分離することができるので、白金回収に必要な費用を削減することができた。
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2に係わる燃料電池の断面図である。この実施の形態2の燃料電池は実施の形態1の燃料電池と段差解消部材だけが異なっており、その他は同様であるので、同様な部分の説明を省略する。段差解消部材23、24は、オープンポアの多孔質体としてのポリテトラフルオロエチレン樹脂の極細繊維の不織布に実施の形態1のポリオレフィン系の熱可塑性樹脂が含浸されて形成されている。この不織布の空孔が樹脂によって充填されている。このポリテトラフルオロエチレン樹脂の極細繊維の不織布は空隙率が70%で膜厚が7μmである。
次に、実施の形態2の燃料電池の単電池の製造方法について図7を参照して説明する。なお、実施の形態1の製造方法とは単電池の部材としてポリテトラフルオロエチレン樹脂の極細繊維の不織布を追加していることが異なりその他は同様である。
まず、膜厚7μmのポリテトラフルオロエチレン樹脂の極細繊維の不織布から、外寸10cm×20cm、内寸7cm×14cmのロの字型に樹脂膜厚調整フィルム25、26を切り出す。その他の部材は実施の形態1と同様にして準備する。
次に、ホットプレス機19の平板18に図7のように燃料電池の部材をセットする。つまり、樹脂フィルム16を平板18上にセットし、その上に負極触媒層6が上方に向くようにして燃料電極基材10、樹脂膜厚調整フィルム26、電解質膜4、樹脂膜厚調整フィルム25、正極触媒層5が下向きになるように酸化剤電極基材9、樹脂フィルム15の順に積み重ねる。
次に、平板17、18でこれらを圧力1kg/cm2程度、温度150℃で挟み込み、その後真空状態にして締付け圧を5kg/cmに上げて3分間保持する。このとき樹脂フィルム15、16が流動して酸化剤電極基材9と燃料電極基材10の空孔にその樹脂が含浸していく。さらに樹脂膜厚調整フィルム25と樹脂膜厚調整フィルム26に樹脂フィルム15、16の熱可塑性樹脂が流れ込む。次に、締付け圧を10kg/cmに上げて2分間保持した。このとき、14μmあった正極触媒層5と負極触媒層6とがそれぞれ酸化剤電極基材9と燃料電極基材10とに部分的にめり込み7μmの厚みになるので、温度を室温まで降下させた。これにより、熱可塑性樹脂によって酸化剤電極基材9と燃料電極基材10の外縁部11、12の空孔と樹脂膜厚調整フィルム25および樹脂膜厚調整フィルム26の空孔も満たされる。そして、樹脂膜厚調整フィルム25、26が樹脂で満たされ、段差解消部材23、24となる。余分な樹脂は酸化剤電極基材9および燃料電極基材10の外端部からはみだしていた。このようにして図6に示す燃料電池の単電池を形成することが出来た。
実施の形態1では、段差解消部材7、8の平均厚みは7μmであったが、電極基材の平坦度が悪いときに段差解消部材7、8が部分的に薄くなったり逆に厚くなったりしていた。しかし、この実施の形態2ではポリテトラフルオロエチレン樹脂の不織布の厚みにより段差解消部材23、24の厚みが規定されるため、段差解消部材23、24がより均一な厚み分布をもつことができた。さらに締付け圧を高くすることにより、電極基材に多少の厚みムラがあった場合にもポリテトラフルオロエチレン樹脂の不織布の厚みで規定されるので触媒層の厚みを制御することが可能となった。
このような燃料電池は、均一な厚みの段差解消部材を得ることができるので、電解質膜をより均一に支持できる。
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3に係わる燃料電池の導電性燃料セパレータ板の平面図である。図9は図8の導電性燃料セパレータ板を用いた単電池の外縁部の断面図である。
導電性燃料セパレータ板3は、燃料ガス流路14が中央部に設けられ、その端部31の一方に連通する燃料供給口27と他の端部31に連通する燃料排出口28とが導電性燃料セパレータ板3を貫通するように穿設されている。さらに、外縁部には酸化剤供給口29と酸化剤排出口30が設けられている。図示していないが、導電性酸化剤セパレータ板2にも同様に酸化剤ガス流路13が中央部に設けられ、その端部の一方に連通する酸化剤供給口29と他の端部に連通する酸化剤排出口30とが導電性酸化剤セパレータ板2を貫通するように穿設されている。
この導電性酸化剤セパレータ板2と導電性燃料セパレータ板3とを実施の形態1で得られた膜電極接合体1の両側から挟んでホットプレスを施して単電池を作製する。
このように作製すると燃料供給口27に連通した燃料ガス流路14の端部31は、図9に示すように導電性燃料セパレータ板3に設けられた溝32と熱可塑性樹脂が充填された燃料電極基材10の外縁部12とで囲まれた空間からなる。このとき、端部31の畝33と燃料電極基材10間が熱可塑性樹脂からなる接着層34により強固に固定されており、燃料ガス流路14と酸化剤ガス流路13間で差圧が掛かった場合にもしっかりと剛性を保ち、変型すること無くガスリークを防止することが出来た。
この発明の実施の形態1に係わる燃料電池の断面図である。 実施の形態1の燃料電池の膜電極接合体をホットプレス機で積層する様子を示す図である。 比較例の燃料電池の断面図である。 実施の形態1と比較例との燃料電池とを運転評価したときの特性の変化を示す図である。 実施の形態1と比較例との燃料電池をそれぞれ5個評価したときの結果である。 この発明の実施の形態2に係わる燃料電池の断面図である。 実施の形態2の燃料電池の膜電極接合体をホットプレス機で積層する様子を示す図である。 この発明の実施の形態3に係わる燃料電池の導電性燃料セパレータ板の平面図である。 実施の形態3の導電性燃料セパレータ板を用いた単電池の外縁部の断面図である。
符号の説明
1 膜電極接合体、2 導電性酸化剤セパレータ板、3 導電性燃料セパレータ板、4 電解質膜、5 正極触媒層、6 負極触媒層、7、8、23、24 段差解消部材、9、20 酸化剤電極基材、10、21 燃料電極基材、11、12 外縁部、13 酸化剤ガス流路、14 燃料ガス流路、15、16 樹脂フィルム、17、18 平板、19 ホットプレス機、22 ガスケット、25、26 樹脂膜厚調整フィルム、27 燃料供給口、28 燃料排出口、29 酸化剤供給口、30 酸化剤排出口、31 端部、32 溝、33 畝、34 接着層。

Claims (4)

  1. 固体高分子電解質膜の中央部に両面から接合された負極触媒層および正極触媒層を上記負極触媒層より大きな面積の燃料電極基材および上記正極触媒層より大きな面積の酸化剤電極基材でさらに両側から挟持してなる膜電極接合体を有する燃料電池において、
    上記固体高分子電解質膜のうち上記負極触媒層および上記正極触媒層を囲繞する外縁部と上記燃料電極基材および上記酸化剤電極基材との隙間にそれぞれ段差解消部材が設けられたことを特徴とする燃料電池。
  2. 上記段差解消部材が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 上記段差解消部材が熱可塑性樹脂が充填された多孔質体からなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  4. 負極触媒層および正極触媒層が固体高分子電解質膜に接するように上記負極触媒層が中央部に設けられた燃料電極基材と上記正極触媒層が中央部に設けられた酸化剤電極基材とを上記固体高分子電解質膜の両面に積層し、
    さらに、上記燃料電極基材の上記固体高分子電解質膜に対面していない面に上記負極触媒層を囲繞するように枠状の熱可塑性樹脂シートを積層し、
    一方、上記酸化剤電極基材の上記固体高分子電解質膜に対面していない面に上記正極触媒層を囲繞するように枠状の熱可塑性樹脂シートを積層して積層体を形成し、
    上記積層体の両側から加圧加熱して膜電極接合体を製造する工程を有することを特徴とする燃料電池の製造方法。
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