本発明の一実施の形態に係る記録メディアカートリッジとしての記録テープカートリッジ10について、図1乃至図11に基づいて説明する。まず、記録テープカートリッジ10の概略の全体構成、開口及びドアの構成を説明し、次いで、本発明の要部である不正判別部60について説明する。なお、説明の便宜上、矢印Aで示す記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向を記録テープカートリッジ10の前方向(前側)とし、矢印Aと直交する矢印B、矢印C方向をそれぞれ右方向、左方向とする。
(記録テープカートリッジの全体構成)
図1には記録テープカートリッジ10の全体構成が斜視図にて示されており、図2には記録テープカートリッジ10の概略の分解斜視図が示されている。これらの図に示される如く、記録テープカートリッジ10は、平面視で略矩形状のケース12内に、情報記録再生媒体である記録メディアとしての磁気テープTを巻装した単一のリール14を回転可能に収容して構成されている。
ケース12は、ドライブ装置への装填方向先頭側の1つの角部である右前角部がそれぞれ切り欠かれた一対の上ケース16と下ケース18とを互いの周壁16A、18Aを突き合わせて接合することで構成されており、内部に磁気テープTを巻装したリール14の収容空間が設けられている。そして、上ケース16及び下ケース18の周壁16A、18A、天板16B、底板18Bが切り取られた上記右前角部が磁気テープTの引き出し用の開口20とされている。開口20及び該開口20を開閉するドア50の詳細構成については後述する。
この開口20から引き出される磁気テープTの自由端には、ドライブ装置の引出手段によって係止(係合)されつつ引き出し操作されるリーダピン22が接続されている。リーダピン22の磁気テープTの幅方向端部より突出した両端部には、環状溝22Aが形成されており、この環状溝22Aが引出手段のフック等に係止される。これにより、磁気テープTを引き出す際に、フック等が磁気テープTに接触して傷付けない構成である。
また、ケース12の開口20の内側には、ケース12内においてリーダピン22を位置決め、保持する上下一対のピン台24が設けられている。各ピン台24は、それぞれ矢印B方向に開口する半円筒形状をしており、その凹部24Aに直立した状態のリーダピン22の両端部が保持されるようになっている。このピン台24は、後述するリブ44と連設されている。
各ピン台24の近傍には板ばね25が固定配置されており、この板ばね25のアーム部25Aがリーダピン22の上下端部に係合してリーダピン22をピン台24に保持するようになっている。リーダピン22がピン台24に出入りする際には、板ばね25はアーム部25Aを適宜弾性変形させてリーダピン22の移動を許容する構成である。
さらに、下ケース18の底板18Bの中央部には、リール14の図示しないリールギヤを外部に露出するためのギヤ開口26が設けられており、リール14はリールギヤがドライブ装置の駆動ギヤに噛合わされてケース12内で回転駆動されるようになっている。また、リール14は、記録テープカートリッジ10の不使用時には図示しないロック手段によって回転が阻止されており、リールギヤがドライブ装置の駆動ギヤに噛合わされる動作に伴ってロック手段によるロック状態が解除されて回転可能となる構成とされている。さらに、リール14は、上ケース16及び下ケース18の内面にそれぞれ部分的に突設されてギヤ開口26と同軸的な円形の軌跡上にある内壁としての遊動規制壁28によってガタ付かないように保持されている。
この遊動規制壁28の開口20近傍の端部には、内部に位置規制用孔が形成された袋部28Aが連設されている。また、ケース12の左前角部と遊動規制壁との間に挟まれた空間には、左右方向に長手の長孔である位置規制用孔が形成された袋部28Bが立設されている。袋部28A、28Bは、矢印B方向に沿った一直線上に配置されている。そして、袋部28Aが連設された端部を除いて、各遊動規制壁28は、それぞれ端部がケース12の周壁16Aまたは周壁18Aと連設されることで、その外側とリール14の設置空間とを仕切っている。
また、下ケース18の右後部には、各記録テープカートリッジ10毎に、その各種情報を記憶されたメモリボードM(図2及び図5参照)が設置されるようになっており、下面側から読み取るドライブ装置と、背面側から読み取るライブラリ装置での検知が可能となるように、周壁18Aを構成する傾斜後壁18Cの一部が所定角度だけ傾斜され、メモリボードMが所定角度傾斜配置されるようになっている。
メモリボードMは、磁気テープTに1度情報が書き込まれる(記憶される)と、ドライブ装置によって該書き込み履歴が記録されるようになっている。そして、このメモリボードMに記録された書き込み履歴がドライブ装置によって読み取られると、該ドライブ装置は、磁気テープTへの再度の情報の記録、すなわち磁気テープTへの情報の上書きまたは消去を禁止するようになっている。これにより、本記録テープカートリッジ10は、磁気テープTへの情報の書き込みを1度だけ許容し、該情報の書き込み後には読み込み専用とされる、所謂WORM機能を果たす構成とされている。
(開口及び開口近傍のケースの構成)
上ケース16の底面図である図3及び下ケース18の平面図である図4にも示される如く、開口20の前後の縁部には、それぞれ上下一対のビスボス32、36が設けられている。ビスボス32、36は、図示しない他のビスボスと共に上ケース16と下ケース18とを接合するためのビス止め用とされている。
開口20の前縁部に位置するビスボス32は、ケース12の前壁12A(周壁16A、18Aのうち、外面が矢印A方向を向く部分)の右端部、及び該前壁12Aの右端部から開口20の開放面に沿って短く屈曲された上下一対の防塵壁30とそれぞれ連設されている。ビスボス32と防塵壁30との間には後述するドア50の先端部が入り込む凹部30Aが形成されている。
一方、開口20の後縁部に位置するビスボス36は、ケース12の右壁12B(周壁16A、18Aのうち、矢印A方向に沿った右側の壁)の前端部が開口20の開放面に略沿って屈曲された屈曲壁38、及び該右壁12Bの内側に設けられた上下一対の円弧壁34の前端部とそれぞれ連設されている。上下の円弧壁34は、それぞれ平面視で後述するドア50の外周面(の移動軌跡)に略対応した円弧状に形成されており、それぞれビスボス36から所定長さだけ後方へ伸び、該後部において短い連結壁34Aを介して右壁12B(周壁16Aまたは周壁18A)に連設されている。
また、ケース12の右壁12Bには、ケース12の内外を連通する窓部としての所定長さのスリット40が設けらており、後述するドア50の操作突起52の露出用とされている。スリット40は、右壁12Bを構成する周壁16Aの下部を切り欠いて形成され、上ケース16の屈曲壁38の下部をも切り欠くことで前方へも開口されている。
このケース12を構成する上ケース16及び下ケース18には、それぞれドア50をガイドするためのガイド溝42が設けられている。各ガイド溝42は、その溝壁が、それぞれ上ケース16の天板16B、下ケース18の底板18Bから立設されたリブ44、右壁12B(周壁16Aまたは周壁18A)、遊動規制壁28によって構成されることで、それぞれ天板16Bまたは底板18Bを薄肉化することなく形成されている。リブ44はピン台24に連設されている。
各ガイド溝42は、凹部30Aを基端としケース12の右後角部まで至る所定の円周に沿った円弧状に形成されており、この所定の円周はビスボス32の外側、ビスボス36の内側、右壁12Bと遊動規制壁28との間を通る(縫う)ように決められている。そして、この所定の円周の中心位置(後述するドア50の回転中心)は、本実施の形態では、その左右方向の位置(座標)がケース12の左端よりも外側に、その前後方向の位置(座標)がリール14の回転中心(遊動規制壁28の軸心)と略一致するように設定されている。
また、ガイド溝42における開口20に臨んで位置する部分は、リブ44がピン台24の右方において切り欠かれることで凹部24Aと連通されると共に、板ばね25のアーム部25Aが配置されるばね溝45とも連通している。また、ガイド溝42の切欠き部分では、リーダピン22をケース12内に誘い込むテーパ開口20Aがピン台24の凹部24Aに連通している。さらに、リブ44には、テーパ開口20Aの後縁、ビスボス36の前縁、開口20の開放面にそれぞれ沿って形成されたリブ46が連設されており、ケース12の開口20廻りの強度が確保または向上されている。
さらに、各ガイド溝42の後半部分を構成するリブ44は、その後端において略U字状に折り返されて閉じている。そして、上ケース16のリブ44は、下ケース18のリブ44よりも後方に長く形成されている。これは、下ケース18の傾斜後壁18C(周壁18A)が所定角度の傾斜面になっており、その右壁12B側に配設したメモリボードMをドア50と干渉させないためである。
さらにまた、後半部分のリブ44の内側部分における長手中央部には、上下一対のばね掛けピン55が設けられている。各ばね掛けピン55は、それぞれ遊動規制壁28に連設されており、下ケース18側が長く形成され、その遊動規制壁28よりも上方に突出した部分に後述するコイルばね56の一端側環状部56Aが引掛けられる構成である。そして、この下ケース18側のばね掛けピン55に上ケース16側の短いばね掛けピン55が突き当てられることで、コイルばね56の脱落が阻止されるようになっている。
以上説明した上ケース16と下ケース18とは、互いの周壁16A、18Aを突き当てた状態で、各ビスボス32、36及び他のビスボスに下側から図示しないビスがねじ込まれて固定(接合)されケース12を構成している。なお、上ケース16及び下ケース18は、それぞれ樹脂成形によって各部が一体に形成されている。
(ドアの構成)
上記開口20は、遮蔽部材としてのドア50によって開閉されるようになっている。ドア50は、板厚方向に湾曲され、その平面視における曲率がガイド溝42(所定の円周)の曲率と一致する円弧状に形成されている。また、ドア50は、その前部(少なくとも開口20を閉塞する部分)における板幅(高さ)が開口20の開口高さと略同一に形成された部分が閉塞部50Aとされると共に、閉塞部50Aよりも後側の板幅が若干小さくされた部分が駆動部50Bとされている。
このドア50の板長(湾曲した長手寸法)は、開口20の閉塞状態において駆動部50Bの後端部がケース12の右後角部内に位置するように決められている(図5(A)参照)。なお、駆動部50Bの後下部は、下ケース18の傾斜後壁18Cの傾斜面に配設されたメモリボードMを回避するために、斜めに切り欠かれている。
このドア50は、その閉塞部50Aの先端部がビスボス32の外側に位置する凹部30Aに入り込んだ状態で開口20を閉塞し(図5(A)参照)、ガイド溝42に沿って略後方へ移動(回動)して開口20を開放し(図5(B)参照)、閉塞部50Aの先端近傍の外周面がビスボス36の内側近傍に達すると開口20を完全に開放する(図5(C)参照)構成である。また、ドア50は、開口20を開放する際と略反対方向に回動して開口20を閉塞するようになっている。
このように、ドア50は、その移動軌跡である所定の円周をはみ出すことなく回動して開口20を開閉するように湾曲形成されている。ドア50の回転中心及び半径(ガイド溝42の形状)は、ドライブ装置からの要求により決まる開口20前後の縁部(ビスボス32、36)の位置やライブラリ装置からの要求により決まる開口20の開放面の角度等に応じて適宜決められれば良い。
また、ドア50の上下端には、それぞれ上下のガイド溝42に入り込むそれぞれ複数の凸部51が突設されている。各凸部51は、閉塞部50Aと駆動部50Bとで突出高が異なるが、ドア50の幅方向(長手方向に沿った)中心線からそれぞれの頂部までの距離は一定とされている。これにより、上下の凸部51は、ガイド溝42の底部である天板16Bまたは底板18Bと摺動するようになっている。
また、各凸部51におけるドア50の板厚方向両側には、その頂部がドア50板厚方向端面に沿う突起51Aが突設されており、ガイド溝42の溝壁(リブ44等)と摺動するようになっている。なお、最前に位置する凸部51は、開口20の開閉過程でガイド溝42と連通するテーパ開口20Aには入り込まないように配置されている。
これらの凸部51及び突起51Aによって、ドア50は、開口20を開閉する際に各ガイド溝42にガイドされて上記移動軌跡からはみ出すことなく、ビスボス32の外側及びビスボス36の内側、右壁12Bと遊動規制壁28との間を縫うようにして確実に開動する構成である。
このドア50の駆動部50Bの前端(閉塞部50A側)近傍における外周部には、操作部としての操作突起52がドア50の径方向に沿って突設されている。操作突起52は、スリット40からケース12の外側に露出されており、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填(相対移動)に伴って該スリット40の前方に開口した部分から進入する係合突起88と係合することでドア50を開口20の開放方向に移動させる構成である。
また、ドア50の駆動部50Bの後端部には、該ドア50の内面側に向けて略L字状のばね掛け部54が突設されており、ばね掛け部54は上側が自由端とされている。このばね掛け部54には、付勢手段としてのコイルばね56が係止保持用されている。具体的には、コイルばね56の端部にはそれぞれ係止用の環状部56A、56Bが設けられており、環状部56Aはケース12のばね掛けピン55を挿通させてケース12に係止保持され、環状部56Bはばね掛け部54を挿通させてドア50に係止保持される。
これにより、ドア50は、コイルばね56の付勢力によって開口20の閉塞方向に付勢され、通常開口20を閉塞する構成である。このコイルばね56は、上記の通りドア50が開口20の閉塞状態でケース12の右後角部に至る長さであるため、該右後角部における遊動規制壁28と周壁16A、18A(傾斜後壁18C)との間の空間を有効利用して配設されている。
また、ドア50の閉塞部50A内面には、開口20閉塞時にリーダピン22の上端部側面及び下端部側面に当接するストッパ58が突設されており、落下衝撃等によるリーダピン22のピン台24からの脱落を、確実に防止できるようになっている。
以上説明したドア50は、記録テープカートリッジ10がドライブ装置へ装填される動作によって操作突起52がドライブ装置の係合突起88(図5(A)乃至(C)参照)に係合することでコイルばね56の付勢力に抗してケース12に対し移動し開口20を開放し、ドライブ装置から排出される際にはコイルばね56の付勢力によって開口20を閉塞する構成である。
そして、円弧状に湾曲形成されたドア50は、その湾曲形状に沿った移動軌跡からはみ出すことなくリール14及びピン台24(リーダピン22)の外側を回り込むように回動して、矢印A方向に対し傾斜した開口20を開閉するようになっており、開口20の開閉に際してケース12の外形領域からはみ出さない構成である。
(不正判別部の構成)
図6にも示される如く、遊動規制壁28等によって仕切られたケース12の後部における左側(メモリボードM配設側とは反対側)には、不正判別部60が設けられている。以下、ケース12を構成する周壁16A、18Aのうち、外面が矢印C方向を向く部分を左壁12C、外面が矢印Aとは反対の後方向を向く(傾斜後壁18Cを除く)部分を後壁12Dとして説明する。
図2及び図6から判るように、本実施の形態では、ケース12の分解・再組立の有無を判別するための不正判別部60は、WORM機能を有しない記録テープカートリッジにおけるライトプロテクト部を利用して構成されている。ライトプロテクト部は、磁気テープTに記録された情報の誤消去を防止するために設けられるものであり、後述する誤消去防止プラグ74のケース12に対する位置を、ドライブ装置による磁気テープTへの情報書き込みを許容する記録可能位置、またはドライブ装置による磁気テープTへの情報書き込みを禁止する記録禁止位置に、該誤消去防止プラグ74に対する外部からの操作によって選択的に切り替えることで、誤消去防止機能を果たすものである。そして、情報の書き込みを1度だけ許容するWORM機能を有する記録テープカートリッジ10では、ライトプロテクト部による誤消去防止機能が不要である。
図4及び図6に示される如く、不正判別部60は、下ケース18の傾斜した傾斜後壁18Cを貫通する窓部としての操作孔62、及び底板18Bを貫通する認識開口64を備えている。操作孔62は、矩形状に形成され、誤消去防止プラグ74の操作突起78(後述)が入り込むようになっている。この操作孔62は、傾斜後壁18Cの内面側よりも外面側の方が左右方向に若干広く形成されており、操作突起78を外側から操作しやすい構成とされている。また、操作孔62のケース12内側における右縁は、遊動規制壁28と傾斜後壁18C(周壁18A)とを連結する仕切壁28Cの左端面と略一致している。
一方、認識開口64は、操作孔62の前側に左方にオフセットして設けられており、誤消去防止プラグ74の認識部80A(後述)に対応して両端が丸められた長孔とされている。認識開口64の左縁は、ケース12の左後角部に凹部48を形成するための壁部48Aの右(内)端面と略一致している。この壁部48Aと上記仕切壁28Cとが、誤消去防止プラグ74の左右方向の移動限(ストッパ)とされている。
また、下ケース18には、ガイド手段を構成するガイド片66、68が設けられている。図7にも示される如く、ガイド片66は、認識開口64の上記丸められた左端のうち前半部分に沿って底板18Bから立設された平面(断面)視円弧状の脚部66Aの上端に設けられており、該認識開口64の前半部分に張り出した(該前半部分を覆う)扇形状に形成されている。すなわち、ガイド片66は、全体として認識開口64に臨み、底板18Bと対向する部分がない構成である。
一方、ガイド片68は、認識開口64の長手方向の直交する中心線(図示省略)に対しガイド片66と対称に形成されている。すなわち、ガイド片68は、認識開口64の上記丸められた右端のうち前半部分に沿って底板18Bから立設された脚部68Aの上端に設けられ、該前半部分に張り出した扇形状に形成されている。そして、ガイド片68は、全体として認識開口64に臨み、底板18Bと対向する部分がない構成である。
これらのガイド片66、68は、誤消去防止プラグ74の上下方向の移動規制(阻止)用とされている。また、ガイド片66、68の間には、誤消去防止プラグ74のアーム部80(後述)の幅Wよりも大きな隙間G(図7参照)が設けられており、該誤消去防止プラグ74組付用とされている。そして、これらのガイド片66、68は、上記の通りそれぞれ認識開口64の縁部に沿って立設された脚部66A、68Aから認識開口64上に張り出して設けられる(全体として認識開口64に臨む)ことで、アンダカット部を設けることなく下ケース18に一体成形することができる。
また、図3及び図8にも示される如く、不正判別部60は、ガイド手段を構成するガイド壁70を備えている。ガイド壁70は、上ケース16の天板16Bから後壁12Dを構成する周壁16Aと略平行に立設されており、該上ケース16の仕切壁28Cが基端とされると共に壁部48Aに対応する位置が終端とされている。すなわち、ガイド壁70は、誤消去防止プラグ74の全移動範囲に亘り位置しており、該誤消去防止プラグ74の前後方向及び上下方向の移動規制(阻止)用とされている。
さらに、上ケース16の天板16Bからは、節度ピン72が一体に立設されている。節度ピン72は、その長さが周壁16Aの高さよりも高い細円柱状に形成されており、その下ケース18内に突出する先端がケース12の左右及び前後に揺動する方向に弾性変形可能とされている。
さらにまた、不正判別部60は、被拘束部材としての誤消去防止プラグ74を備えている。なお、誤消去防止プラグ74を前後、左右、上下の方向を用いて説明するときは、基本的にケース12への組付状態における各方向に対応している。
図9(A)及び図9(B)にも示される如く、誤消去防止プラグ74は、ケース12の後部内面に対応して屈曲された板状の本体部76を備えている。具体的には、本体部76は、底板18Bに沿った下面部76Aと、下面部76Aの後端から傾斜後壁18Cに対応して上方に傾斜(屈曲)して延設された傾斜部76Bと、傾斜部76Bの上後端から後壁12Dに沿って上方に屈曲された背面部76Cとで構成されている。
この本体部76の傾斜部76Bの右端部には、その傾斜方向に沿って長手とされた操作部としての操作突起78が突設されている。図11(A)及び図11(B)に示される如く、操作突起78は、誤消去防止プラグ74のケース12への組付状態では、操作孔62に入り込んで外部に露出されることで、ケース12の外側(傾斜後壁18Cの外面側)から操作可能とされる構成である。
また、本体部76の下面部76Aの左端部からは、アーム部80が前方に延設されており、該アーム部80の先端には下方に突出した認識部80Aが設けられている。アーム部80の幅(左右方向の幅)Wは、ガイド片66、68間の隙間Gよりも小で、かつ認識開口64の長さLの半分よりも小とされている。このアーム部80の先端は、認識開口64の丸められた両端部(脚部66A、68Aの内面)に略対応して丸められている。そして、認識部80Aは、アーム部80の先端に対応した短円柱状に形成されており、誤消去防止プラグ74のケース12への組付状態では、認識開口64に入り込むようになっている。
さらに、本体部76における傾斜部76Bと背面部76Cとの角部を跨ぐ前面側からは、ノッチ部82及びガイド部84が前方へ突設されている。ノッチ部82は、その左端が本体部76の左端と一致しており、その右端は本体部76に左右方向中央部に至っている。そして、ノッチ部82の略前半部分は、その先端に向けて縮幅するように平面略視台形(山形)状に形成されおり、その左側がテーパ面82A、その右側がテーパ面82Bとされている。このノッチ部82は、誤消去防止プラグ74のケース12への組付状態では、テーパ面82A、82Bの何れか一方の略前半部分において節度ピン72に当接するようになっている。
一方、ガイド部84は、本体部76の右端部に位置し、その上端面がノッチ部82の上端面と同位とされ(高さが一致し)ている。そして、誤消去防止プラグ74のケース12への組付状態では、ノッチ部82及びガイド部84の各上端面がそれぞれケース12のガイド壁70の下端面に当接するようになっている。
さらにまた、誤消去防止プラグ74におけるノッチ部82の背面(裏面)側には、肉抜き部85が設けられている。肉抜き部85は、傾斜部76B及び背面部76Cにおいてそれぞれ後方及び下方に開口しており、ノッチ部82内に至っている(図6及び図8参照)。これにより、誤消去防止プラグ74には、厚肉部が形成されない構成である。
以上説明した誤消去防止プラグ74は、本体部76、アーム部80(認識部80A)、ノッチ部82、ガイド部84が樹脂成形によって一体に形成されている。この誤消去防止プラグ74は、後に詳述するようにケース12に対し移動不能な拘束状態で該ケース12に組み付けられるが、WORM機能を有しない記録テープカートリッジにおいては、ライトプロテクト部を構成し、その認識部80Aの認識開口64に対する位置に応じて磁気テープTへの情報の記録可否を選択的に切り替える切り替え部材として機能する。したがって、誤消去防止プラグ74は、ケース12に対し拘束されていない状態では、外部からの操作によってケース12に対し移動する構成とされている。先ず、この点について説明する。
具体的には、誤消去防止プラグ74は、図8に示される如く、本体部76が、その下面部76A(アーム部80)、傾斜部76B、背面部76Cをそれぞれケース12の底板18B、傾斜後壁18C、後壁12D(周壁16A、18A)の各内面と摺動可能に接した状態で、操作突起78が操作孔62に入り込むと共に認識部80Aが認識開口64に入り込んでいる。
この状態では、図10(A)または図10(B)にも示される如く、誤消去防止プラグ74は、アーム部80が略接するガイド片66、68及びノッチ部82及びガイド部84の各上端面が略接するガイド壁70によって上方(底板18Bから離間する方向)への移動が規制されると共に、背面部76Cが略接するガイド壁70及び認識部80Aが入り込む認識開口64(アーム部80の先端に対応する脚部66A、68Aの各内面)によって前方への移動が規制されており、操作突起78の操作による左右方向の移動のみが許容される(左右方向に案内される)構成である。
また、誤消去防止プラグ74は、操作突起78の操作による左右方向の移動によって、テーパ面82Aまたはテーパ面82Bにおいて当接する節度ピン72を変形させ、該節度ピン72を乗り越えるようになっている。これにより、誤消去防止プラグ74がケース12に対し拘束されていない状態の不正判別部60では、上記操作を行う使用者にノッチ感(節度感)を感得させると共に、誤消去防止プラグ74の不用意な移動やガタつきを阻止する構成である。
以上説明した誤消去防止プラグ74は、初期状態(工場出荷状態)では、ケース12に対し固定的に(移動不能に)拘束されている。具体的には、図8(A)に示される如く、誤消去防止プラグ74は、そのノッチ部82の上面がケース12(上ケース16)のガイド壁70の下端部に溶着部W1において固着されている。これにより、誤消去防止プラグ74は、その操作突起78が操作されても、ケース12に対し移動することがない構成とされている。また、ケース12の後壁12Dにおける溶着部W1の後方部分は、周壁16Aと周壁18Aとが溶着部W2において固着されている。すなわち、ケース12は、上記の通りビス止めで接合されるだけでなく、周壁16Aと周壁18Aとが部分的に溶着されることによっても接合されている。
そして、上ケース16と下ケース18とを分離する際には、ガイド壁70に溶着されている誤消去防止プラグ74は、上ケース16に追従しようとするが、アーム部80の先端がガイド片66またはガイド片68に係合するために上ケース16に追従することができず、溶着部W1が破断する構成とされている。すなわち、溶着W1の強度は、上ケース16と下ケース18とを分離する力に対して、アーム部80の強度よりも低く設定されている。したがって、上ケース16と下ケース18とを分離した後に再組立した場合、誤消去防止プラグ74は、ケース12に対する拘束状態が解除され、その操作突起78の操作によるケース12に対する移動が可能となる構成とされている。
また、上ケース16と下ケース18とが溶着部W2にて固着されているため、上ケース16と下ケース18とを分離する際に、誤消去防止プラグ74のアーム部80をガイド片66、68間の隙間Gに位置させるように上ケース16と下ケース18とを左右方向に相対的にスライドすることができないようになっている。これにより、上ケース16と下ケース18とを分離する際には、アーム部80の先端がガイド片66またはガイド片68に確実に係合する構成となっている。
なお、誤消去防止プラグ74が溶着部W1において固着された上ケース16が本発明における「第1ケース」に相当し、下ケース18が本発明における「第2ケース」に相当する。また、下ケース18に設けられ、誤消去防止プラグ74の上方への移動を規制するガイド片66またはガイド片68が、本発明における「係合部」に相当する。
この誤消去防止プラグ74をケース12に組み付けるにあたっては、アーム部80が一対のガイド片66、68間の隙間Gを通るように(図7参照)、誤消去防止プラグ74を底板18Bに向けて下降し、認識部80Aを認識開口64に入り込ませる。この状態から、下ケース18に上ケース16を取り付ける。このとき、誤消去防止プラグ74は、テーパ面82A、82Bの何れか一方に節度ピン72が当接することで、アーム部80がガイド片66またはガイド片68の下側に入り込み(認識部80Aが認識開口64の左右何れかの端部に位置し)、かつアーム部80がガイド片66またはガイド片68に対し位置ズレしてしまうことが防止される。すなわち、誤消去防止プラグ74は、節度ピン72によって、アーム部80をガイド片66またはガイド片68の下側に入り込ませる位置に保持されるようになっている。なお、誤消去防止プラグ74は、WORM機能を有しない記録テープカートリッジと共通のドライブ装置による情報書き込みを可能とするために、該記録テープカートリッジのライトプロテクト部における情報記録可能位置に対応する側に配置される。
また、上記の如く下ケース18の上ケース16を取り付ける際には、図8(B)に示される如く、誤消去防止プラグ74とガイド壁70との間に溶着リブD1を配置すると共に、周壁16Aと周壁18Aとの間に溶着リブD2を配置し、上ケース16と下ケース18とをビス止めにて接合(または仮接合)する。この状態でホーン(超音波振動子)100と受け台102との間にケース12を挟み込み、ホーン100を作動して超音波振動を付与すると、誤消去防止プラグ74とガイド壁70、周壁16Aと周壁18Aとがそれぞれ溶着されて溶着部W1、W2が形成される。したがって、不正判別部60は、ケース12の組立前に、誤消去防止プラグ74を予めガイド壁70に溶着することなく構成されるようになっている。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
上記構成の記録テープカートリッジ10では、不使用時には、コイルばね56の付勢力によって先端部を凹部30Aに入り込ませたドア50が開口20を閉塞している。この記録テープカートリッジ10の磁気テープTが未使用である場合、すなわち磁気テープTに情報が書き込まれていない場合には、メモリボードMには書き込み履歴が記録されていない。
そして、磁気テープTに情報を書き込む際には、記録テープカートリッジ10を矢印A方向に沿ってドライブ装置のバケットに装填する。この装填に伴って、ドライブ装置の係合突起88がドア50の操作突起52に係合することでドア50が略後方へ回動して開口20が開放される。また、記録テープカートリッジ10と共にバケットが下降すると、袋部28A、28Bに形成された位置規制用孔にドライブ装置の位置決めピンが挿入され記録テープカートリッジ10がドライブ装置に対し位置決めされると共に、リール14のリールギヤにドライブ装置の駆動ギヤが噛み合う。
この状態から、リーダピン22がドライブ装置の引出手段によって開口20から引き出されてドライブ装置の巻取リールに収容される。さらに、ドライブ装置が巻取リールとリール14とを同期して回転駆動すると、磁気テープTは、巻取リールに巻き取られつつケース12から順次引き出され、所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッド等によって情報の記録、すなわち情報の書き込みが行なわれる。このとき、メモリボードMには、磁気テープTに情報が書き込まれたことに対応する書き込み情報(書き込み履歴)が記録される。
一方、磁気テープTがリール14に巻き戻されて、記録テープカートリッジ10をドライブ装置から排出する際には、記録テープカートリッジ10は、コイルばね56の付勢力または図示しないイジェクト機構によって矢印A方向とは反対方向に移動する。この移動に伴って、ドア50は、コイルばね56の付勢力によって開口20を閉塞する。
このようにして磁気テープTに1度情報が書き込まれると、記録テープカートリッジ10をドライブ装置に再度装填しても、ドライブ装置がメモリボードMに記録された書き込み情報を参照することで、情報の上書きまたは消去が行なわれることはない。そして、磁気テープTに1度情報が書き込まれた記録テープカートリッジ10は、その後、該情報の読み込み(再生)専用の記録テープカートリッジとして使用される。
磁気テープTに書き込まれた情報を読み込む場合は、上記書き込みの場合と同様に、記録テープカートリッジ10をドライブ装置に装填する。すると、上記書き込みの場合と同様に、開口20が開放されて磁気テープTが引き出され、記録再生ヘッドによって磁気テープTの情報が読み込まれる。
ところで、以上のようなWORM機能を有する記録テープカートリッジ10の磁気テープTに書き込まれる情報は、長期に亘り改変されることなく保存される重要な情報である場合が多い。このような重要な情報を悪意により改ざんする場合、情報を記録した磁気テープT(を巻装したリール14)自体または書き込み履歴を記録したメモリボードMを不正に取り替えるために、ケース12を分解することが考えられる。すなわち、情報の改ざんを試みる者は、上ケース16と下ケース18とを分離しようとする。
ここで、ケース12が分解されていない状態では、誤消去防止プラグ74は、溶着部W1においてケース12に対し移動不能に拘束されているため、操作孔62からケース12外に露出している操作突起78を操作しても、ケース12に対し移動することはない。また、ケース12を分解しようとしても、上ケース16と下ケース18とが溶着部W2にて固着されており、かつ上ケース16のガイド壁70に固着された誤消去防止プラグ74はのアーム部80が下ケース18のガイド片66またはガイド片68に係合するため、上ケース16と下ケース18とを容易に分離することはできない。
そして、上ケース16と下ケース18とを無理に分離すると、溶着部W1、W2が共に破断する。これにより、誤消去防止プラグ74は、上ケース16すなわちケース12に対する拘束状態が解除され、ケース12の再組立後には該ケース12に対する可動部材となる。したがって、この状態から操作突起78を操作すると、誤消去防止プラグ74はガイド壁70、ガイド片66、68に案内されつつ傾斜後壁18Cに沿って左右方向に移動する(図10及び図11参照)。すなわち、誤消去防止プラグ74がケース12に対し移動するか否かによって、ケース12が分解後に再組立されたものであるか否かを判別することができる。
このように、本実施の形態に係る記録テープカートリッジ10では、磁気テープTを収容したケース12の分解・再組立の有無を判別することができる。
また、記録テープカートリッジ10では、誤消去防止プラグ74を上ケース16のガイド壁70に溶着することで、簡単な構造で、誤消去防止プラグ74をケース12に対し移動不能に拘束することができる。特に、上ケース16と下ケース18との接合(仮接合)後に、超音波溶着によって誤消去防止プラグ74がガイド壁70に溶着される構造であるため、ケース12に対する誤消去防止プラグ74の組み付けが容易である。すなわち、上ケース16と下ケース18との接合前に誤消去防止プラグ74をガイド壁70に溶着する構成では、該誤消去防止プラグ74の下ケース18に対する位置合わせ(ガイド片66またはガイド片68の下側に入り込ませること)の作業が煩雑であるが、本構成では、このような煩雑な作業が不要となる。また、溶着部W1、W2を同時に得ることができるため、作業工数が低減される。
さらに、記録テープカートリッジ10では、誤消去防止プラグ74は、下ケース18に対しては、該下ケース18と上ケース16との分離に伴って該分離方向の移動(力)に抗するように係合する構成とされているため、ケース12に対する誤消去防止プラグ74の拘束状態を確実に解除することができる。すなわち、誤消去防止プラグ74を下ケース18に対しても固着した場合に懸念される、一方の固着部位のみが破断し誤消去防止プラグ74のケース12に対する拘束状態が解除されないといった問題が生じ難い。しかも、下ケース18における誤消去防止プラグ74との係合部位が、該誤消去防止プラグ74のケース12に対する拘束解除後に誤消去防止プラグ74をガイドする(操作可能範囲に保持する)ガイド片66またはガイド片68であるため、構造が簡単である。
さらにまた、記録テープカートリッジ10では、不正判別部60を、WORM機能を有しない記録テープカートリッジのライトプロテクト部を利用して構成しているため、該WORM機能を有しない記録テープカートリッジとの部品の共通化が図られる。すなわち、ケース12(上ケース16、下ケース18)及び誤消去防止プラグ74の共通化が図られ、WORM機能を安価に構成することができる。
なお、上記の実施の形態では、誤消去防止プラグ74が溶着にて上ケース16のガイド壁70に固着される構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、誤消去防止プラグ74を接着剤による接着にてガイド壁70に固着しても良い。この場合の接着部位は、例えば、図8(A)に示すW1と同様に、誤消去防止プラグ74におけるノッチ部82の上面とガイド壁70の下端部との間しても良く、図12に変形例として示す如く、誤消去防止プラグ74における背面部76Cの背面と上ケース16における後壁12Dを構成する周壁16Aの内面との間(接着部A1)としても良い。また、接着の場合においても、誤消去防止プラグ74と上ケース16との接着部位の後方における周壁16A、18Aの突き合わせ部(溶着部W2に相当する部位であって、図12では接着部A2)を接着することが望ましい。また、誤消去防止プラグ74と上ケース16(ガイド壁70または周壁16A)を接着するにあたっては、誤消去防止プラグ74における接着部位に予め接着剤を塗布しておくことで、上記超音波溶着の場合と同様に誤消去防止プラグ74を下ケース18に対し位置決めした状態で、誤消去防止プラグ74を上ケース16に固着することができる。同様に、周壁16Aと周壁18Aとの互いの接着部位の何れか一方に予め接着剤を塗布しておくことで、上ケース16と下ケースとの接合によって周壁16A、18Aの突き合わせ部を接着することができる。一方、上ケース16と誤消去防止プラグ74とを溶着する構成において、超音波溶着以外の溶着方法を用いることができることは言うまでもない。したがって、溶着部位が溶着部W1に限定されることもない。
また、上記の実施の形態では、被拘束部材として誤消去防止プラグ74を利用した好ましい構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、誤消去防止プラグ74に代えて、WORM機能を有する記録テープカートリッジ10に専用の被拘束部材を設けても良いことはいうまでもない。したがって、被拘束部材は、ケース12の窓部から操作可能に設けられ、初期状態ではケース12に対し移動不能に拘束され、ケース12の分解・再組立後には外部から操作に応じてケース12に対し移動可能であれば足り、その形状、配置、材質等によって限定されることはない。また、ライトプロテクト部の誤消去防止プラグを利用する構成において、該誤消去防止プラグの形状、配置、材質等が上記実施の形態に係る誤消去防止プラグ74に限定されないことは言うまでもない。
さらに、上記の実施の形態では、誤消去防止プラグ74が溶着または接着によってケース12に拘束される好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、誤消去防止プラグ74は、上ケース16と下ケース18との分離によってケース12に対する拘束状態が解除されると共に、上ケース16と下ケース18とを再接合した場合にケース12に対し再度拘束することができないように、ケース12に対し拘束すれば足りる。
さらにまた、上記の実施の形態では、誤消去防止プラグ74がケース12の分解に伴って下ケース18に係合するように設けられた好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、誤消去防止プラグ74を下ケース18に対しても固着しても良い。この場合、例えば、誤消去防止プラグ74の背面部76Cに、周壁16A、18Aの突き合わせ部に挟み込まれる溶接リブを突設し、該溶接リブが周壁16A、18Aの双方に固着する構成とすることができる。また、下ケース18を誤消去防止プラグ74が接着または溶着にて固着される本発明における第1ケースとすると共に、上ケース16を誤消去防止プラグ74がケース12の分解に伴って係合する本発明における第2ケースとしても良い。
また、上記の実施の形態では、記録メディアとしての磁気テープTを巻装した単一のリール14をケース12内に収容した構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、記録メディアとして円盤状に形成された光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク等のディスクメディアを採用しても良く、磁気テープ等の記録テープの巻き出し用及び巻取用の2つのリールをケース内に収容して構成しても良い。したがって、ケース12の形状や構成についても、内部に収容する記録メディアや記録メディアカートリッジが装填されるドライブ装置の仕様等に応じたものとすることができ、上記実施の形態に係る形状、構成に限定されることはない。