JP2005134679A - 無端ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】 長期間一定した絶縁性・導電性を発揮できる画像形成装置用の無端ベルトを供給する。
【解決手段】 無端ベルトのベルト素材に、酸化防止剤を分散する。ポリアミド・イミド樹脂を基材として含み、基材は数平均分子量が17,000以上とする。あるいは、導電性素材として、カーボンブラックとともに3-メチル-4-ピロールカルボン酸エチルと3-メチル-4-ピロールカルボン酸ブチルとの共重合物を用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】 無端ベルトのベルト素材に、酸化防止剤を分散する。ポリアミド・イミド樹脂を基材として含み、基材は数平均分子量が17,000以上とする。あるいは、導電性素材として、カーボンブラックとともに3-メチル-4-ピロールカルボン酸エチルと3-メチル-4-ピロールカルボン酸ブチルとの共重合物を用いる。
【選択図】 なし
Description
この発明は、複写機やレーザービームプリンタ等の画像形成装置用の無端ベルトに関するものである。
複写機やレーザービームプリンタ等の画像形成装置においては、複数色のトナー像を無端ベルト上に静電気で高精度に重ねる必要がある。そこで、無端ベルトは、絶縁樹脂を基材とし、これに導電性物質を分散させた素材を用いる(特許文献2)。絶縁樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フルオロエチレンプロピレン共重合体、ポリプロピレンなどを用いる。導電性物質としては、その極性に関わらず、導電性カーボンブラックなどを用いる。導電性カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、導電ブラック:#3000シリーズ(商品名、三菱化成工業(株)製、特公平5−4990号公報参照)などを用いる(特許文献1)。
半導電性無端ベルトは、昨今、OA機器のカラー化、高速化の進展により、数種のトナーを複雑に組み合わせて使用する場面が多くなってきた。そのため、トナー吸着性にすぐれ、コピー紙などの搬送性にも優れた物理特性が厳しく要求されるようになってきた(特許文献1)。特に、静電特性に非常に厳しい条件が求められてきている。
特開2000−338789号公報
特開2002−116633号公報
転写ベルトに求められる抵抗値の許容範囲は、一般論として、106〜1014(Ω・cm)と比較的広い体積抵抗が許容される。しかし、具体的な機器それぞれのレベルでは話が違う。具体的な機器それぞれの個体の中で転写ベルトの抵抗値に不測の変動が生じれば、複雑な模様の正確な転写はできなくなる。従来の転写ベルトでは、長期間使用し続けると、しばしば経年的に特に表面抵抗値が大きく変動し、正確な模様転写ができにくくなる場合がみられた。
この発明は、前記した不利、不具合を解決すべく、長期間ほぼ一定した表面抵抗性(導電性)を発揮できる画像形成装置用の無端ベルトを供給するものである。
この発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、酸化防止剤を混入すると、経年変化に伴う表面抵抗の変化が防止できることを見出した。また、基材樹脂の分子量を上げると経年変化に伴う表面抵抗の変化が防止できることを見出した。
すなわち、請求項1記載の発明は、半導電性の無端ベルトであり、一色以上のトナー像を一括転写する画像形成装置用の無端ベルトであって、ベルト素材は酸化防止剤を分散してなることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の発明に加え、酸化防止剤は、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-ベンゼンと、3,3'3",5,5',5"-ヘキサ-tert-ブチル-a,a',a"-(メシチレン-2-4-6-トリイル)トリ-p-クレゾールと、ポリ〔{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}とからなる群から選ばれる1以上の素材を含む。
請求項3記載の発明は、半導電性の無端ベルトであり、一色以上のトナー像を一括転写する画像形成装置用のエンドレスベルトであって、ポリアミド・イミド樹脂を基材として含み、基材は数平均分子量が17,000以上であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、半導電性の無端ベルトであり、一色以上のトナー像を一括転写する画像形成装置用の無端ベルトであって、導電性素材として、カーボンブラックとともに3-メチル-4-ピロールカルボン酸エチルと3-メチル-4-ピロールカルボン酸ブチルとの共重合物を含むことを特徴とする。
請求項1又は2に記載の発明では、ベルト表面部にある酸化性導電材が、転写温度という比較的高温の状態下で大気と接しつつも、その物理化学的性質が変質することを酸化防止剤が抑制していると一応考えられる。
請求項3に記載の発明では、絶縁樹脂分子が長期間高い熱に晒されて部分的に破断しても、分子量が大きいため絶縁樹脂組織に変化が起きにくくなっていると一応考えられる。
請求項4に記載の発明では、使用時間の経過とともにカーボンブラックが物理化学的変化を来して衰退する導電率を3-メチル-4-ピロールカルボン酸エチルと3-メチル-4-ピロールカルボン酸ブチルとの共重合物の存在によって導電率を補填していると一応考えられる。
この発明の無端ベルトは、上記のような構成でなるから、長期間安定した表面抵抗値を呈する安定した性質の画像形成装置用の無端ベルトを供給できる。
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
この発明の無端ベルトの実施の一形態では、基材となる絶縁性樹脂に高い分子量素材を用いる。あるいは、導電性付与剤、酸化防止剤などを含めてこれらを均一に分散させ、半導電性とする。
この発明の実施の一形態で用いる絶縁性樹脂は、導電性付与剤などをできるだけ均一に分散できる性質が要求される。また、できるだけ熱的や機械的なストレスを受けても伸縮しない性質が要求される。そのため、熱変形温度が100℃以上、引っ張りモジュラスが2.5GPa以上、望ましくは3.0GPa以上で、破断伸びが10%以上のものが好ましい。
これらを満足する絶縁性樹脂としては、一般に、窒素原子、酸素原子を含む強い結合からなる芳香族系高分子に見られる。特に、主鎖の繰り返し単位に、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、ウレタン結合、アロファネート結合、ウレア結合、イミド結合、ケトン結合、ベンゾイミダゾール結合の1種または2種以上を含んでいるのが好ましい。
例えば、PET、PBT、PEN等のポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、エポキシ樹脂、架橋型ポリエステル樹脂、メラミン樹脂等があげられる。
この発明の実施の一形態で用いる絶縁性樹脂は、更に次のような溶剤に可溶な樹脂であるとよい。導電性付与剤と絶縁性樹脂とは均質に混ぜる必要があり、混合には特定の溶剤を用いるのが賢明だからである。すなわちSP値が9以上、望ましくは10以上のBTX、グライム類、セロソルブ、シクロヘキサノン、カルビトール、アセトン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、フルフラール、エチレンカーボネートなどの芳香族系、エステル系、エーテル系、ケトン系、アルコール系、ハロゲン系、窒素、硫黄、燐などを含む化合物系溶剤を挙げることができる。なお、これらの溶剤は、単独で、または混合して用いる。
溶剤溶解性を考慮した絶縁性樹脂の具体例としては、芳香族系の、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、アラミド樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステルアミド、ポリアミノアミド、ポリエーテルアミド、ポリベンゾイミダゾールなどの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、それらの共重合体または混合物が挙げられる。特に、物性、加工性、経済性の点からは、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリアミノアミドが好ましい。そのなかでも特に、ポリアミドイミドが望ましい。
ポリアミドイミドの場合、数平均分子量は17,000以上、好ましくは20,000以上が望ましい。17,000未満の場合、他に特別な措置を施さない限り、導電率に関する長期間の安定的確保が難しくなって好ましくない。
この発明の一実施の形態では、上記のような絶縁性樹脂に加え、導電性付与剤が適宜添加される。このような導電性付与剤としては、金属や合金からなる針状、球状、板状、又は不定形粉末などを挙げることができる。また、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等のカーボン粉末を挙げることができる。天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛粉末、セラミックス粉末、表面が金属メッキされた各種粒子等も挙げることができる。
この導電性付与剤の形状、サイズは、球状あるいは不定形をなし、0.01〜10μm程度が好ましい。
カーボンブラックを用いる場合には、具体的には、揮発分(質量%)を窒素吸着比表面積(m2/g)で除した指標パーセントが2.0以上のカーボンブラックが好ましい。このようなカーボンブラックは、容易に凝集体から解砕されるからである。解砕されたカーボンブラックは、絶縁性樹脂との親和力が高い。そのため、絶縁性樹脂中で良好な分散状態を維持する。成形加工時ばかりでなく、機器に組み込まれて使用されている状況下においても、均一な体積抵抗値を安定的に維持することができてよい。
また、表面官能基の内、カルボキシル基を25モル%以上有するカーボンブラックが好ましい。表面に適度なカルボキシル基を有していると抵抗値が安定する。酸化状態が不完全なカーボンブラックは、配合前に予め発火温度以下で酸素に接触させ、あるいは紫外線、電子線を照射して、酸化を進めて調整するとよい。
カーボンブラックなどの導電性付与剤の絶縁性樹脂に対する適切な配合量は、配合物の種類によって変化するが、5〜25質量%程度がよい。
絶縁性樹脂の原料素材は、粘度が低いほうがよい。粘度が低いと、導電性付与剤などが均一に分散し、表面抵抗値が均一になる。具体的には100ポアズ以下、望ましくは50ポアズ以下がよい。溶融または溶液状態でポットミル、サイクロイドミル、アペックスミル、ダイノールミル、アトライターミル、ジェットミルなど通常の方法で混合する。
この発明の一実施の形態では、カーボンブラックに加え、特に有機性の導電性付与剤を加えるとよい。具体的にはSSPYを導入するとよい。SSPYの添加量は、0.1〜5.0質量%、特に1.0〜3.0質量%がよい。SSPYをカーボンブラックとともに添加すると、経年変化に伴う導電性の衰退、すなわち絶縁率の上昇を有効に阻止する。
SSPYなどの導電性付与剤とともに、あるいは、SSPYなどの導電性付与剤を加えることなく、カーボンブラックなどとともに酸化防止剤を用いる。酸化防止剤としては、例えば、SEENOX326M,イルガノックス1330,キマゾーブ944などを挙げることができる。
SSPYは、3-メチル-4-ピロールカルボン酸エチルと3-メチル-4-ピロールカルボン酸ブチルとの共重合物である。
SEENOX326Mは、1,3,5-trimethyl-2,4,6-tris-(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl)-benzeneである(シプロ化成(株)製)。
イルガノックス1330は、3,3'3",5,5',5"-ヘキサ-tert-ブチル-a,a',a"-(メシチレン-2-4-6トリイル)トリ-p-クレゾールである(チバスペシャルティ.ケミカルズ(株)製)。
キマゾーブ944は、ポリ〔{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}である(チバスペシャルティ・ケミカルズ(株)製)。
酸化防止剤の添加量は、0.1〜1.0質量%、特に0.2〜0.5質量%が好ましい。これらの酸化防止剤は、経年変化に伴う導電性の衰退、すなわち絶縁率の上昇を有効に阻止する。
前記樹脂の耐熱性や機械的強度の向上のために、多官能アクリレート、マレイミド、多官能オキサゾリン、トリアリルイソシアヌレート、多官能イソシアネート、カルボジイミド樹脂、パーオキサイド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリブタジエン変性物、ニトリルゴムなどの架橋剤や可撓性付与材、可塑剤、乾式シリカ、ゼオライト、ワラスナイト、モンモリロナイト、炭酸カルシウムなどの無機充填剤、ホウ酸アルミニウムなどの無機繊維などの補強性フィラーを適宜加えてもよい。さらに加工性の向上のため、滑剤、界面活性剤、分散助剤、消泡剤、難燃剤、着色剤などを、導電性付与剤の均質分散性を損なわない範囲で、添加するとよい。
導電性付与剤、酸化防止剤などの必要成分は、基材となる絶縁性樹脂に分散させる。その他、可塑剤、着色剤、帯電防止剤、老化防止剤、酸化防止剤、補強性フィラー、反応助剤、反応抑制剤等の各種添加剤も必要に応じ、絶縁性樹脂に適宜分散させる。分散方法としては、有機高分子材料の性状に適する公知の分散方法が用いられる。具体的には、ミキシングロール、加圧式ニーダ、押出機、三本ロール、ホモジナイザー、ポールミル、ピーズミル等が用いられる。
半導電性無端ベルトは、必要成分を分散させて得られたこうした混合樹脂から成形する。半導電性無端ベルトへの成形は、押出成形、射出成形、ブロー成形、コーティング成形、遠心成形などによって行うことができる。
この発明の一実施の形態における無端ベルトの製造方法について説明する。
この発明の一実施の形態における無端ベルトは、例えば遠心成形法で好適に製造できる。遠心成形法は、金型を回転させることにより成形する。スライド可能な材料定量吐出装置で流動性の上記混合樹脂を円筒の金型内側に注入し、金型を回転させ、遠心力で型どりする。型どりした混合樹脂は、乾燥又は加熱固化して金型の内周面に所定の樹脂層を形成、これを取り出して無端ベルトとする。
金型の内周面には、鏡面研磨加工を施し、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等で表面処理し、無端ベルトを簡単に脱型できるようにしておく。金型両端部には、混合樹脂の漏洩を防止するリング状のプレートを着脱自在に嵌合する。
混合樹脂は、粘度が成形時に50,000mPa・s以下となるよう調整する。粘度が50,000mPa・sを超えると、遠心力による金型の内周面に対するレベリングが困難となる。粘度の下限については、特に限定されるものではないが、10mPa・s以上にすれば、有機高分子材料を簡易、かつ容易に取り扱うことができる。粘度が係る範囲を超える場合、所定の溶液を加えて溶解・希釈し、粘度を調整する。
手順は、通常、ほぼ以下の通りである。材料定量吐出装置から金型に流動性の有機高分子材料を必要量注入する。混合樹脂の注入量は、固化後の混合樹脂の比重、金型の内面寸法、製品の厚さ等から算出・決定する。この発明の一実施の形態における無端ベルトには、機械的強度と可撓性が求められるので、無端ベルトの厚さについては、0.03〜1.0mm程度の範囲で決定する。こうして金型に有機高分子材料を注入したら、金型をレベリングに必要な回転数にして無端ベルトを遠心成形する。また、金型を適当なヒータ等で加熱し、有機高分子材料を乾燥又は硬化させる。この場合の加熱のタイミングについては、有機高分子材料の乾燥、硬化条件により適宜選択する。
乾燥・硬化が終了したら、金型を停止させて冷却し、金型と無端ベルトの熱膨張差を利用して自然に剥離した無端ベルトを脱型する。
得られた無端ベルトは、例えば次のようにして実質的に経年負荷をかけると、実験的に短時間に経年変化を知ることができる。図1に負荷方法を示す。
回転モータ1に連動する駆動シャフト2を設け、この駆動シャフト2を無端ベルト3に挿通し、無端ベルト3を垂らす。垂らした無端ベルト3の下端に質量1kgの回転ロール4を下げ、回転ロール4の両端を無端ベルト3の両脇から飛び出させ、飛び出た両端部に質量2.5kgの重り5をそれぞれ垂らす。こうして、無端ベルト3に合計で約9.8×6Nの負荷をかけ、この状態で回転モータ1を高速回転する。次いで、その表面抵抗値を測定する。
以下、実施例を示す。
カーボンブラックと、導電剤SSPYと、ポリアミドイミドワニス(ポリアミドイミド:数平均分子量15000)とを配合し、容量300ccのビーズミルにて2時間分散混合した。カーボンブラックは、デグサ製のスペシャルブラック4<商品名>を11.5質量%、SSPYを1.28質量%導入した。得られたカーボンブラックスラリーを2時間、室温にて静置した後、スパチュラにて十分攪拌し、直径15cmの円筒状金型の内側にそれぞれ適当量仕込み、所定温度、所定時間、円筒状金型を回転させた。更に所定温度、所定時間、円筒状金型ごとアフターキュアを行い、厚さ0.1mmの半導電性無端ベルトを得た。無端ベルトは、No.1とNo.2の2枚を形成した。周長710mm、幅230mmだった。
成形条件を実施例2〜5の分も含め、表1に示す。
得られた半導電性無端ベルトについて、耐久抵抗値試験を行った。試験条件を表2に示す。
上下が直径2mmの測定電極で挟んだときの表面抵抗値と体積抵抗値(印加電圧500V)を測定した。No.1については、回転試験前、3万回回転後、10万回回転後、各試料について各回を通じて統一的に同じ場所4箇所を特定して測定した(単位:Ω)。NO.2については、3万回に代えて7万回とした外はNo.1と同様にした。それぞれの結果を表3に示す。表中、kは数字1000を示す。
表面抵抗の変化の平均も表3に併せて示す。平均値の変化率も、回転試験前の数値を1とした割合で各回転毎に表し、表3に併せて示す。なお、表3中、xは平均値を示す。表面抵抗率欄の平均値欄で、上段は測定平均値、下段は変化率を示す(以下、「表4〜7、表9〜11」同じ)。
表1に示す条件に加え、ポリアミドイミドの数平均分子量1万5000に代え、2万(粘度:109dPas)とし、導電剤SSPYを用いなかった外は実施例1と同様にした。測定結果を表4示す。
導電剤SSPYを用いず、酸化防止剤A(SEENOX326M)をポリアミドイミド100質量部に対して0.5質量部用い、表1に示すその他の条件の外は実施例1と同様にした。無端ベルトは1枚形成した(枚数は、実施例4以下同じ)。回転試験前、3万回回転後、10万回回転後、各回を通じて統一的に同じ場所4箇所を特定し、4箇所測定した。結果を表5示す。
酸化防止剤Aを用いず、酸化防止剤B−1(イルガノックス1330)を用いた外は実施例3と同様にした。回転試験前、3万回回転後、10万回回転後、4箇所測定した。結果を表6に示す。
酸化防止剤Aを用いず、酸化防止剤B−2(キマゾーブ944)を用いた外は実施例3と同様にした。回転試験前、3万回回転後、10万回回転後、4箇所測定した。結果を表7に示す。
〔比較例1〕
定法に従い、従来品の中間半導電性ベルト従来品Aを製造し、実施例1と同様に測定を行った。製造条件を表8に示す。
定法に従い、従来品の中間半導電性ベルト従来品Aを製造し、実施例1と同様に測定を行った。製造条件を表8に示す。
回転試験前、1,2,3,4,7万回回転後、各回を通じて同じ場所4箇所測定した。結果を表9に示す。
〔比較例2〕
表8に示す製造条件と定法に従い、従来品の中間半導電性ベルト従来品Bを製造し、比較例1と同様に測定を行った。結果を表10に示す。
表8に示す製造条件と定法に従い、従来品の中間半導電性ベルト従来品Bを製造し、比較例1と同様に測定を行った。結果を表10に示す。
〔比較例3〕
表8に示す製造条件と定法に従い、従来品の中間半導電性ベルト従来品Cを製造した。1,3,10万回回転後、比較例1と同様に測定を行った。結果を表11に示す。
表8に示す製造条件と定法に従い、従来品の中間半導電性ベルト従来品Cを製造した。1,3,10万回回転後、比較例1と同様に測定を行った。結果を表11に示す。
実施例1〜5、比較例1〜3について、表面抵抗変化率の平均値を表12に示す。その平均値の変化グラフを図2に示す。
表12と図2から、酸化防止剤として、SEENOX326M,イルガノックス1330,キマゾーブ944からなる群から選ばれる1以上の素材を含むと、経年変化に伴う表面抵抗値の上昇が防止できることが分かった。導電性素材として、カーボンブラックとともにSSPYを含む場合も同様である。ポリアミド・イミド樹脂を基材として含み、基材は数平均分子量が17,000以上の場合も同様である。
1 回転モータ
2 駆動シャフト
3 無端ベルト
4 回転ロール
5 重り
2 駆動シャフト
3 無端ベルト
4 回転ロール
5 重り
Claims (4)
- 一色以上のトナー像を一括転写する画像形成装置用の無端ベルトであって、ベルト素材は酸化防止剤を分散してなることを特徴とする半導電性の無端ベルト。
- 酸化防止剤は、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-ベンゼンと、3,3'3",5,5',5"-ヘキサ-tert-ブチル-a,a',a"-(メシチレン-2-4-6-トリイル)トリ-p-クレゾールと、ポリ〔{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}とからなる群から選ばれる1以上の素材を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導電性の無端ベルト。
- 一色以上のトナー像を一括転写する画像形成装置用のエンドレスベルトであって、ポリアミド・イミド樹脂を基材として含み、基材は数平均分子量が17,000以上であることを特徴とする半導電性の無端ベルト。
- 一色以上のトナー像を一括転写する画像形成装置用のエンドレスベルトであって、ベルト素材は、導電性素材として、3-メチル-4-ピロールカルボン酸エチルと3-メチル-4-ピロールカルボン酸ブチルとの共重合物を、カーボンブラックとともに含むことを特徴とする半導電性の無端ベルト。
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