JP2005134001A - エアチラー装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 航空機に搭載されて食事を供給するサービスに冷却された空気を送るエアチラー装置の改良を図る。
【解決手段】 エアチラー装置は、筐体上に装備される冷凍サイクルユニットを有する。冷凍サイクルユニットは、冷媒のコンプレッサ、コンデンサ、エバポレータを備え、冷却された空気はブロワ装置６０でギャレー等へ送られる。ブロワ装置６０のハウジング６３０は、冷気の吸込口と２つの吐出口６５０，６５２を有する。ダクト部材が２つの吐出口６５０，６５２の一方に挿入され、他方の吐出口は封止される。筐体１０はハニカムパネルで構成される。ハニカムパネルは曲げ剛性が高いので、ベースプレートだけで冷凍サイクルユニットを支持することができる。また、断熱性も良いので、空気の冷却効率も向上する。
【選択図】 図５

Description

本発明は、航空機の機体内部に装備されて、食材等に冷却された空気を供給するためのエアチラー装置（空気冷却装置）に関する。

国際線等の長距離を飛行する旅客機には、乗客に提供する食事等を収納したサービスカートと、サービスカートを収容し、飲物の用意や簡単な調理を行うためのギャレー（調理室）が配備されている。
食事は、地上のサービス施設中で予め調理され、トレイに載置されてサービスカート内に収納され、機内へ搭載される。
トレイ上の料理のうちで、温菜はヒータ等で加熱されるが、サラダ等の冷菜は、冷却された空気をサービスカート内に送り込んで、低温が保たれる。

エアチラー装置は、航空機のギャレーの天井や床下等のスペースに設置される。エアチラー装置は、冷凍サイクルユニットを装備して、冷却空気室内に配設する蒸発機で空気を冷却し、ダクトを介してギャレー等へ供給する。
エアチラー装置は、航空機に搭載されるために、小型軽量化が求められ、また、客席の近傍に設置されるので、騒音の低減が必要である。
本発明の目的は、上述した要求を満足するエアチラー装置を提供することである。

本発明の航空機に搭載されて、食材等の収容部へ冷却空気を供給するためのエアチラー装置は、冷凍サイクルユニットと、冷凍サイクルユニットを収容する筐体と、冷却された空気を送風するブロワ装置を備える。そして、ブロワ装置のハウジングは、空気の吸込口と、第１及び第２の吐出口を有し、第１及び第２の吐出口に選択的に挿入されるダクト部材を備えるものである。
また、吸込口の内側に装備される羽根車の回転軸線は、ハウジングの本体に対して傾けて配設される。
さらに、羽根車の羽根の表面に植毛層を備えて、騒音の低減を図っている。

本発明のエアチラー装置は以上のように、冷凍サイクルユニットで冷却された空気をギャレー等へ送風するブロワ装置のハウジングを改良したことにより、風切音等の騒音を低減する効果がある。実験によると、従来の装置に対して、最大２０デシベルの騒音低減が確認された。

図１、図２は、本発明のエアチラー装置の外観と冷凍サイクルユニットの概要を示す説明図である。
全体を符号１で示すエアチラー装置は、筐体１０と、筐体１０内に装備される冷媒のコンプレッサ装置２０、コンデンサ３０、蒸発機（エバポレータ）４０、送風用のブロワ装置６０等を備える。

図２に示すように、エアチラーの冷凍サイクルユニットは、モータにより駆動されるコンプレッサ装置２０を備え、冷媒を圧縮してコンデンサ３０側へ送り出す。コンデンサ３０は、熱交換器３００を有し、気相の冷媒を液相冷媒に交換する。液相の冷媒は、熱交換器に隣接してレシーバドライヤ３１０内に貯溜される。レシーバドライヤ３１０の液相冷媒は、配管を介して筐体１０の壁で区画された空気冷却室内の蒸発機（エバポレータ）高圧の液相冷媒は、エバポレータ４０に付設された膨張弁４１０を通って蒸発機の熱交換器４００へ送られる。冷媒は、熱交換器４００内で蒸発し、熱交換器４００を通過する空気を冷却する。

膨張弁４１０は、エバポレータ４０側からコンプレッサ２０側へ戻る冷媒の圧力や温度に応じて弁の開度を変えて蒸発機へ送る冷媒の流量を制御する。
ブロワ装置６０は、モータの両軸に装備される２個のファンを有し、コンデンサ３０側の送風とともに、空気冷却室内で発生した冷却空気を客室内に搭載されたサービスカートに対して送り出す。

図３、図４は、本発明のエアチラー装置の筐体の構造を示す説明図である。
筐体１０は、ベースプレート１００を有し、ベースプレート１００上に、コンプレッサ装置２０等の機器が搭載される。
ベースプレート１００は、平行して配設される２枚の板材の間にハニカム構造をもつコア材を挟み込んで形成されるハニカムパネルでつくられる。
このハニカムパネルは、軽量かつ曲げ剛性が高く、コンプレッサ装置２０等の機器をベースプレート１００のみで、充分に支持することができる。

また、ハニカムパネルは、ハニカムコア中に空気が密封される構造を有するので、断熱性が高い。したがって、空気冷却室等を構成するのに適している。
ベースプレート１００上には、ハニカムパネルでつくられた区画部材１１０が設けられる。この区画部材１１０は、エアチラーのコンデンサ側とエバポレータ側とを区分する部材であって、ブロワ装置６０が取付けられる。
区画部材は、空気冷却室１３０の一部を構成するものである。区画部材１１０の開口部には、蓋部材１２０が取付けられる。
ダクト装置５に連結される蓋部材１２０は、第１の開口部１２２と第２の開口部１２４が設けられる。第１の開口部１２２は、調理室側から戻る冷気を空気冷却室１３０へ送る通路が連結され、第２の開口部１２４は、空気冷却室１３０で冷却された新鮮な冷気を調理室側へ送り出す通路が連結される。

ベースプレート１００の上部には、カバー部材１４０が取付けられ、コンプレッサ装置２０やブロワ装置６０が覆われる。カバー部材１４０は、上面と側面に四角形状の開口部１４４，１４６が形成される。この開口部１４４，１４６は、コンデンサ３０側の送風ダクトが取付けられるためのものであって、どちらか一方の開口部が使用される。
カバー部材１４０の端部にはメッシュ部材１４８が取付けられ、コンデンサ３０の前面を覆う。

図４に示すように、区画部材１４０にはブロワ装置用の丸穴１４２が設けられる。また、空気冷却室の底面には、エバポレータに結露する水滴を受けるドレンパン１５０が取付けられる。このドレンパン１５０には、ドレンバルブ１６０が設けられる。

図５は、ブロワ装置６０の構成を示す説明図である。
ブロワ装置６０は、冷却空気を送り出すための流路を構成するハウジング６３０と、ハウジング６３０内を装備するモータ６００を有する。モータ６００は両端が突出する駆動軸６０２を有し、駆動軸の両端に第１のファン６１０と第２のファン６２０が固着される。

第１のファン６１０は、コンデンサ３０側を空冷する空気を送るためのものである。第２のファン６２０は、空気冷却室からの冷却された空気をギャレー側へ送風するためのファンである。区画部材１４０にとりつけられるブロワ装置用丸穴１４２は、カバー６４０で覆われる。
カバー６４０の開口部６４２は、冷却された新鮮な冷気をギャレー内部へ送り出す蓋部材１２０の第２の開口部１２４に接続される。

図６は、ブロワ装置のハウジング６３０の正面図、図７は図６の上面図、図８は図６の下面図、図９は図６の右側面図、図１０は図６の左側面図、図１１は図８のＢ−Ｂ断面図である。

ハウジング６３０は、冷却空気の吸込口６３２と、２つの吐出口６５０，６５２を有する。吐出口６５０，６５２は、矩形状につくられ、同一の寸法を有する。
２つの吐出口６５０，６５２は互に９０度の角度で配設されており、エアチラー装置の設置レイアウトに応じて、そのうちの一方の吐出口のみが使用され、他方の吐出口は封止される。
吸込口６３２と同軸上に、モータの出力軸のための貫通口６３１が設けられる。

図９、図１０に示すように、回転軸線Ｃ_１は、吐出口の送風用の中心軸線に対して傾けて形成されている。この傾きにより、吸込口からハウジング６３０内に吸い込まれた冷気は、ハウジング６３０の内側に沿って流れて吐出口に向かうが、その際に発生する騒音が低減される効果がある。

さらに、図１１に示すように、吸込口６３２の周囲の壁面６３４をラッパ状に湾曲させてあるので、吸い込まれる空気の流れが円滑になり、吸込音も低減する。

図１２は、ハウジングの吐出口に挿入されるダクト部材の構造を示すもので、（ａ）は正面図、（ｂ）は左側面図、（ｃ）は（ｂ）の上面図である。
ダクト部材７００は、プラスチック等を成形してつくられ、湾曲した本体部と、フランジ部７１２を有するフランジ部７１２との開口部７１０と反対側の開口部７２０は、平行する側壁７０６，７０８と、長い湾曲壁７０２と短い湾曲壁７０４で結ばれる。

このダクト部材７００は、ハウジング６３０の第１の吐出口６５０と第２の吐出口６５２のいずれの吐出口にも挿入することができる。すなわち、図７、図８に示すように、第１の吐出口６５０は、湾曲部６５１に連結され、第２の吐出口６５２は、湾曲部６５３に連結される。

そこで、ダクト部材７００の短い湾曲壁７０４が、ハウジングの湾曲部６５１，６５３の内側に沿う姿勢でダクト部材７００をハウジングの吐出口に挿入することによって、冷却空気の通路を形成することができる。
この通路を通って、冷却空気は吸込口から吐出口まで円滑に流れ、騒音の発生も低減される。

図１３は、ブロワ装置に装備される羽根車の構造を示す説明図である。羽根車６１０は、円板６１１，リング６１２の間に羽根６１６が形成された、いわゆるシロッコファン構造の遠心ファンであって、ボス６１４によりモータの出力軸に取付けられる。
羽根車６１０が回転すると、羽根６１６は冷却空気に遠心力を与えて、羽根車の中心部から外側へ向かう気流を形成する。羽根車の回転軸線は、傾けて取付けられるので、羽根６１６は冷却空気に対してハウジング６５２ａに順次接することとなり、衝撃が軽減される。
この作用によって、羽根の風切音も低減する。
さらに、羽根６１６の表面に植毛層６１６ａを形成することによって、風切音をより低減することができる。

本発明のエアチラー装置の説明図。 本発明のエアチラー装置の冷凍サイクルユニットの説明図。 本発明のエアチラー装置の筐体の構造を示す説明図。 本発明のエアチラー装置の筐体の構造を示す説明図。 本発明のエアチラー装置のブロワ装置の説明図。 ブロワ装置のハウジングの正面図。 図６の上面図。 図６の下面図。 図６の右側面図。 図６の左側面図。 図８のＢ−Ｂ断面図。 ダクト部材の構造図。 羽根車の構造図。

符号の説明

１ エアチラー装置
１０ 筐体
２０ コンプレッサ装置
３０ コンデンサ
４０ 蒸発機
６０ ブロワ装置
１００ ベースプレート
１１０ 区画部材
１３０ 空気冷却室
１４０ カバー部材
６３０ ブロワ装置のハウジング
６３２ 冷気の吸込口
６５０ 冷気の第１の吐出口
６５２ 冷気の第２の吐出口

Claims (3)

1. 航空機に搭載されて、食材等の収容部へ冷却空気を供給するためのエアチラー装置であって、
   冷凍サイクルユニットと、冷凍サイクルユニットを収容する筐体と、冷却された空気を送風するブロワ装置を備え、ブロワ装置のハウジングは、空気の吸込口と、第１及び第２の吐出口を有し、第１及び第２の吐出口に選択的に挿入されるダクト部材を備えるエアチラー装置。
2. 吸込口の内側に装備される羽根車の回転軸線は、ハウジングの本体に対して傾けて配設される請求項１記載のエアチラー装置。
3. 羽根車の羽根の表面に植毛層を備える請求項２記載のエアチラー装置。
   

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