JP2005133611A - 過給機付エンジンの排気還流装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 排気行程と吸気行程の時間ずれがある場合でも、連続して安定した排気還流が得られる過給機付エンジンの排気還流装置を提供する。
【解決手段】 排気通路(3)から排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路に導くEGR通路(7)と、吸気を過給する過給機(21)と、を備えた過給機付エンジン(1)の排気還流装置において、前記EGR通路にEGRガスの逆流を防ぐ第1逆止弁(13)を設け、前記EGR通路の第1逆止弁の上流側に前記EGRガスを蓄えるEGRリザーバ(15)を設け、前記EGR通路のEGRリザーバの上流側に、前記EGRリザーバから前記EGRガスが逆流するのを防ぐ第2逆止弁(16)を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】 排気通路(3)から排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路に導くEGR通路(7)と、吸気を過給する過給機(21)と、を備えた過給機付エンジン(1)の排気還流装置において、前記EGR通路にEGRガスの逆流を防ぐ第1逆止弁(13)を設け、前記EGR通路の第1逆止弁の上流側に前記EGRガスを蓄えるEGRリザーバ(15)を設け、前記EGR通路のEGRリザーバの上流側に、前記EGRリザーバから前記EGRガスが逆流するのを防ぐ第2逆止弁(16)を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、過給機付エンジンの排気還流装置に関する。
外部過給装置を設けたエンジンでは、ほとんどの運転領域において、過給圧が排気圧より高くなるために、EGRを十分に行うことができない。排気シャッタ(バタフライバルブ)によって排圧を上昇させたものや、EGR導入路をベンチュリ(エゼクタ)形状にしたものもあるが、これらでもEGRを十分に行うことができない。
吸排気圧脈動を利用したパルスEGR方式のものもあるが、エンジンでは排気パルスと吸気行程のタイミングが合わないため、効果が少なかった。
パルスEGR方式の排気還流装置として、例えば、特許文献1に開示されたものがある。この排気還流装置には、図3に示すように、エンジン101には排気マニホルド102が取り付けられ、排気マニホルド102に連結された排気管103には過給機104のタービン140が設けられている。また、エンジン101には吸気マニホルド105が取り付けられ、吸気マニホルド105に連結された吸気管106には過給機104のコンプレッサ141が設けられている。排気還流装置は、エンジン101の排気マニホルド102と吸気マニホルド5とを連結するEGR通路107,108と、EGR通路107,108の途中にそれぞれ介設されたEGR制御バルブ110と、EGRガスをそれぞれ冷却するEGRクーラー109と、EGR通路107,108の吸気管106と吸気マニホルド105とのそれぞれの連結部位に設けられた逆止弁113と、EGR弁110の開度を制御するコントローラ120と、から構成される。
排気脈動圧がブースト圧よりも高い場合、逆止弁113が開きEGRガスを吸気マニホルド123に還流させる。排気脈動圧がブースト圧よりも低い場合、逆止弁113は閉じ、EGRガスが逆流するのを防止する。
特開平09−137754号公報
このような排気脈動を利用してEGRを行うパルスEGR方式では、排気行程と吸気行程との間に時間ずれがある場合、吸気脈動と排気脈動のタイミングにずれがあり、EGRを十分に行えないという問題があった。
本発明の目的は、上述の問題を解決し、パルスEGR方式によってEGRを十分に行える過給機付エンジンの排気還流装置を提供することである。
上記目的を達成するために、第1の発明は、排気通路から排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路に導くEGR通路と、吸気を過給する過給機と、を備えた過給機付エンジンの排気還流装置において、前記EGR通路にEGRガスの逆流を防ぐ第1逆止弁を設け、前記EGR通路の第1逆止弁の上流側に前記EGRガスを蓄えるEGRリザーバを設け、前記EGR通路のEGRリザーバの上流側に、前記EGRリザーバから前記EGRガスが逆流するのを防ぐ第2逆止弁を設けた。
第2の発明は、第1の発明において、前記吸気通路に、前記過給機によって過給された吸気を蓄える吸気リザーバを設けた。
第3の発明は、第1の発明において、前記吸気通路と前記EGR通路の合流部より上流の前記吸気通路上に、吸気パルスの拡散を防ぐ第1可変絞り弁を設けた。
第4の発明は、第3の発明において、吸気脈動を利用したEGRを行う所定の運転領域では、前記第1可変絞り弁を絞り、それ以外の運転領域では前記第1可変絞り弁を開く制御手段を設けた。
第5の発明は、第1の発明において、前記排気通路と前記EGR通路の分岐部より下流の前記排気通路上に、排気パルスの拡散を防ぐ第2可変絞り弁を設けた。
第6の発明は、第5の発明において、排気脈動を利用したEGRを行う所定の運転領域では、前記第2可変絞り弁を絞り、それ以外の運転領域では前記第2可変絞り弁を開く制御手段を設けた。
第7の発明は、第1の発明において、前記吸気通路と前記EGR通路の合流部に、吸気パルスを強めるエゼクタを設けた。
第1の発明によると、排気通路から排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路に導くEGR通路と、吸気を過給する過給機と、を備えた過給機付エンジンの排気還流装置において、前記EGR通路にEGRガスの逆流を防ぐ第1逆止弁を設け、前記EGR通路の第1逆止弁の上流側に前記EGRガスを蓄えるEGRリザーバを設け、前記EGR通路のEGRリザーバの上流側に、前記EGRリザーバから前記EGRガスが逆流するのを防ぐ第2逆止弁を設けたことにより、排気行程と吸気行程に時間ずれがある場合でも、吸気脈動と排気脈動の両方を利用し、連続的に安定したEGRを行うことができる。
第2の発明によると、前記吸気通路に、前記過給機によって過給された吸気を蓄える吸気リザーバを設けたことにより、単気筒エンジンの間欠的な吸気による吸気行程においても、所定の過給圧を維持しながら吸気リザーバから単気筒エンジンに吸気を供給することができる。
第3の発明によると、前記吸気通路と前記EGR通路の合流部より上流の前記吸気通路上に、吸気パルスの拡散を防ぐ第1可変絞り弁を設けたことにより、吸気パルスが吸気通路をさかのぼって拡散するのを抑えることができる。
第4の発明によると、吸気脈動を利用したEGRを行う所定の運転領域では、前記第1可変絞り弁を絞り、それ以外の運転領域では前記第1可変絞り弁を開く制御手段を設けたことにより、吸気脈動を利用してEGRガスをEGR通路に導くときは、第1可変絞り弁によって吸気通路を絞って吸気脈動の拡散を防ぎ、それ以外の運転領域では第1可変絞り弁によって吸気通路を開くことにより、吸気抵抗を低減することができる。
第5の発明によると、前記排気通路と前記EGR通路の分岐部より下流の前記排気通路上に、排気パルスの拡散を防ぐ第2可変絞り弁を設けたことにより、排気パルスが排気通路を下って拡散するのを抑えることができる。
第6の発明によると、排気脈動を利用したEGRを行う所定の運転領域では、前記第2可変絞り弁を絞り、それ以外の運転領域では前記第2可変絞り弁を開く制御手段を設けたことにより、排気脈動を利用してEGRガスをEGR通路に導くときは、第2可変絞り弁によって排気通路を絞って排気脈動の拡散を防ぎ、それ以外の運転領域では第2可変絞り弁によって排気通路を開くことにより、排気抵抗を低減することができる。
第7の発明によると、前記吸気通路と前記EGR通路の合流部に、吸気パルスを強めるエゼクタを設けたことにより、吸気パルスが強められEGR量を増やすことができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の排気還流装置の第1実施形態を示す。
単気筒エンジン1は、1つのシリンダと、シリンダに吸気を導く吸気通路6と、シリンダから排気を導く排気通路3と、を備える。
吸気通路6は、単気筒エンジン1に供給する吸気を過給する外部過給装置21を備える。排気通路3は、排気音を消音するマフラー22を備える。
吸気通路6と排気通路3はEGR通路7により連通され、排気ガスの一部がEGRガスとして排気通路3から吸気通路6に還流される。
EGR通路7には、EGR通路7にEGRガスの逆流を防ぐ第1逆止弁13が設けられる。第1逆止弁13は、例えばリードバルブで構成し、薄い板状部材で開口部を塞ぐ構造となっている。排気側の圧力が吸気側の圧力よりも高くなったとき、EGRガスの圧力が板状部材を曲げて開口部を通過する。排気側の圧力が吸気側の圧力より低いとき、板状部材は開口部を塞ぎ、EGRガスの逆流が防止される。
EGR通路7の逆止弁13の上流側には、EGRガスを蓄えるEGRリザーバ15が設けられる。EGRリザーバ15は、所定の容積を有する中空タンク状の構造をしている。EGRリザーバ15は、排気脈動による排気圧の上昇などで排気通路3内の排気圧が上昇したとき、排気側から流入したEGRガスを受け容れ、上昇した排気圧とほぼ同圧の状態で蓄える。
EGRリザーバ15の上流側には、排気パルスが和らいで排気圧が下降したとき、EGRリザーバ15に蓄えられたEGRガスがEGR通路7を逆流して排気通路3に戻るのを防止する第2逆止弁16が設けられる。第2逆止弁16は、例えばリードバルブで構成し、薄い板状部材で開口部を塞ぐ構造となっている。排気側の圧力がEGRリザーバ15内の圧力よりも高くなったとき、EGRガスの圧力が板状部材を曲げて開口部を通過する。排気側の圧力がEGRリザーバ15内の圧力より低いとき、板状部材は開口部を塞ぎ、EGRガスの逆流が防止される。
EGR通路7には、EGRガスの温度を下げるEGRクーラー11が設けられる。このEGRクーラー11が、EGRガスの温度を下げ、EGRガスの密度を上げることにより、より多くのEGRガスを還流させることができる。
吸気通路6上の、吸気通路6とEGR通路7の接続部の上流側には、吸気行程で生じる吸気パルスが吸気通路6をさかのぼって拡散するのを防ぐ第1可変絞り弁12が設けられる。第1可変絞り弁12は、アクチュエータにより、弁体を回動させてその開度を変える構成とし、吸気通路6を絞ったり開いたりする。制御手段であるコントローラ20は、吸気脈動を利用してEGRを行う所定の運転領域にて、第1可変絞り弁12によって吸気通路6を絞り、それ以外の運転領域では第1可変絞り弁12によって吸気通路6を開く。これにより、吸気脈動を利用してEGRガスをEGR通路7に導くときは、第1可変絞り弁12によって吸気通路6を絞って吸気脈動の拡散を防ぎ、それ以外の運転領域では第1可変絞り弁12によって吸気通路6を開くことにより、吸気抵抗を低減することができる。
排気通路3の排気通路3とEGR通路7の接続部の下流側には、排気行程で生じる排気パルスが排気通路3の下流側に拡散するのを防ぐ第2可変絞り弁14が設けられる。第2可変絞り弁14は、アクチュエータにより、弁体を回動させてその開度を変える構成とし、排気通路3を絞ったり開いたりする。制御手段であるコントローラ20は、排気脈動を利用してEGRを行う所定の運転領域にて、第2可変絞り弁14によって排気通路3を絞り、それ以外の運転領域では第2可変絞り弁14によって排気通路3を開く。これにより、吸気脈動を利用してEGRガスをEGR通路7に導くときは、第2可変絞り弁14によって排気通路3を絞って吸気脈動の拡散を防ぎ、それ以外の運転領域では第2可変絞り弁14によって排気通路3を開くことにより、排気抵抗を低減することができる。
吸気通路3の外部過給装置21と第1可変絞り弁12の間には、吸気リザーバ17が設けられる。吸気リザーバ17は、所定の容積を有する中空タンク状の構造をしている。外部過給装置21から供給された吸気は、この吸気リザーバ17に過給された状態で蓄えられる。このように過給された状態で十分な量の吸気を蓄えることにより、単気筒エンジン1の間欠的な吸気による吸気行程においても、所定の過給圧を維持しながら吸気リザーバ17から単気筒エンジン1に吸気を供給することができる。
ここで、吸気脈動と排気脈動を利用してEGRを行うときの、本実施形態の作用効果を説明する。
単気筒エンジン1の排気行程によって排気脈動が発生すると、第2可変絞り弁が絞られ、排気通路3内の圧力が上昇し、EGRガスがEGR通路7を通ってEGRリザーバ15に流入する。EGRリザーバ15に流入したEGRガスは、第2逆止弁16によって逆流するのを抑えられ、圧力が上昇した状態でEGRリザーバ15内に蓄えられる。
単気筒エンジン1の吸気行程によって排気脈動が発生したとき、第1可変絞り弁hが絞られ、吸気通路6内の圧力が低下する。このとき、EGRリザーバ15内に蓄えられたEGRガスは、第1逆止弁13を通って排出される。
したがって、特に、単気筒エンジン1のように、排気行程と吸気行程に時間ずれがある場合でも、吸気脈動と排気脈動の両方を利用し、連続的に安定したEGRを行うことができる。
なお、EGR通路7の途中にEGR弁を設けてもよい。
また、本実施形態では、単気筒エンジン1を用いたが、複数のシリンダを有するエンジンを用いても良い。
図2は本発明の排気還流装置の第2実施形態を示す。
この実施形態によると、第1実施形態の第1可変絞り弁12の代わりに、吸気通路6と前記EGR通路7の合流部に、吸気パルスを強めるエゼクタ12aを設けた。これにより、吸気パルスが強められEGR量を増やすことができる。
他の構成は、第1実施形態と同一である。
本発明を、構造的と方法的特徴に関してある程度特定的な言葉で説明したが、本明細書に開示した手段は本発明を実施する好ましい形態を含むものであり、本発明はこれら図示し記載された特定の特徴に制限されないことを理解されたい。したがって、本発明は、均等の原則に従って適切に解釈される特許請求の範囲に記載された範囲内におけるいかなる形態または変更についても含むものである。
本発明は過給機付単気筒エンジンの排気還流装置に適用できる。
1 単気筒エンジン
3 排気通路
6 吸気通路
7 EGR通路
11 EGRクーラー
12 第1可変絞り弁
12a エゼクタ
14 第2可変絞り弁
13 第1逆止弁
16 第2逆止弁
15 EGRリザーバ
17 吸気リザーバ
20 コントローラ
21 外部過給装置
22 マフラー
3 排気通路
6 吸気通路
7 EGR通路
11 EGRクーラー
12 第1可変絞り弁
12a エゼクタ
14 第2可変絞り弁
13 第1逆止弁
16 第2逆止弁
15 EGRリザーバ
17 吸気リザーバ
20 コントローラ
21 外部過給装置
22 マフラー
Claims (7)
- 排気通路から排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路に導くEGR通路と、吸気を過給する過給機と、を備えた過給機付エンジンの排気還流装置において、
前記EGR通路にEGRガスの逆流を防ぐ第1逆止弁を設け、
前記EGR通路の第1逆止弁の上流側に前記EGRガスを蓄えるEGRリザーバを設け、
前記EGR通路のEGRリザーバの上流側に、前記EGRリザーバから前記EGRガスが逆流するのを防ぐ第2逆止弁を設けた、
ことを特徴とする過給機付エンジンの排気還流装置。 - 前記吸気通路に、前記過給機によって過給された吸気を蓄える吸気リザーバを設けたことを特徴とする請求項1に記載の過給機付エンジンの排気還流装置。
- 前記吸気通路と前記EGR通路の合流部より上流の前記吸気通路上に、吸気パルスの拡散を防ぐ第1可変絞り弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の過給機付エンジンの排気還流装置。
- 吸気脈動を利用したEGRを行う所定の運転領域では、前記第1可変絞り弁を絞り、それ以外の運転領域では前記第1可変絞り弁を開く制御手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の過給機付エンジンの排気還流装置。
- 前記排気通路と前記EGR通路の分岐部より下流の前記排気通路上に、排気パルスの拡散を防ぐ第2可変絞り弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の過給機付エンジンの排気還流装置。
- 排気脈動を利用したEGRを行う所定の運転領域では、前記第2可変絞り弁を絞り、それ以外の運転領域では前記第2可変絞り弁を開く制御手段を設けたことを特徴とする請求項5に記載の過給機付エンジンの排気還流装置。
- 前記吸気通路と前記EGR通路の合流部に、吸気パルスを強めるエゼクタを設けたことを特徴とする請求項1に記載の過給機付エンジンの排気還流装置。
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